JP4239822B2 - 回折光学素子およびその製造方法、並びに光学装置 - Google Patents

回折光学素子およびその製造方法、並びに光学装置 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、光の回折現象を利用して様々な光学的機能を発揮する位相型の回折光学素子およびその製造方法、並びに光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回折光学素子は、光の回折現象を利用して、レンズ機能(集光や発散)、分岐/合波機能、光強度分布変換機能、波長フィルタ機能、分光機能など、様々な光学的機能を発揮する光学素子として知られている。ちなみに、分光機能を持つ回折光学素子はグレーティング、レンズ機能を持つ回折光学素子はゾーンプレートとも呼ばれている。
【0003】
また、位相型の回折光学素子は、光学材料(例えば光学硝子)の表面に回折格子状の凹凸パターンを形成したものであり、凹凸パターンの形状によって、その光学的機能が決まっている。例えば、ブレーズ格子などのグレーティングの場合(図9)、凹凸パターンは、等間隔の直線状である。ゾーンプレートの場合(図10)、凹凸パターンは、同心円状である。
【0004】
回折光学素子を用いて複数の光学的機能を同時に実現するためには、通常、互いに異なる単一の機能の回折光学素子を複数用意し、これら複数の回折光学素子を直列に配置する方法が採用される。この方法によれば、比較的容易に、回折光学素子による複数の光学的機能を同時に実現させることができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単一の機能を持つ回折光学素子を直列に複数配置する方法では、これら複数の回折光学素子からなる光学系の組み立て時に、各々の回折光学素子の位置合わせを正確に行わなければならず、生産性が高いとは言えない。さらに、実現したい機能の数が増加すると、必要な回折光学素子の数も増加するため、その分だけ高精度に製造することが困難になり、光学系を小さくすることも難しくなる。
【0006】
そこで、同時に実現したい複数の光学的機能の各々に対応する凹凸パターンを合成し、光学材料の1つの表面に形成する方法が提案された。この方法は、小型で多機能な回折光学素子を実現しようとするものであるが、合成した後の凹凸パターンは非常に複雑な形状となるため、1つの表面に精度よく加工することは難しい。
【0007】
例えば、レンズ機能と分光機能を同時に実現しようとした場合、1つの表面に形成しなければならない凹凸パターンは、図9に示す等間隔の線状パターンと図10に示す同心円状パターンとを合成した形状となる。合成は各々のパターンによる位相変調の和をとることにより行われ、合成した後の凹凸パターンの形状は、図11に示すように、非常に複雑で対称性も低い。
【0008】
本発明の目的は、複数の光学的機能を同時に実現できると共に、小型で生産性にも優れた回折光学素子およびその製造方法、並びに光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の回折光学素子は、複数の層からなり、各々の層が光学材料にて構成された複層部材を備え、前記複層部材の隣り合う層同士は、互いに密着され、かつ、光学材料の屈折率が互いに異なり、前記複層部材の内部には、前記隣り合う層同士の密着した境界面が1つ以上含まれ、前記1つ以上の境界面と前記複層部材の表面とを含めた3つ以上の面のうち、少なくとも2つの面には、各々、透過光に対して所望の回折作用を引き起こす凹凸パターンが形成され、異なる面に形成された前記凹凸パターン同士は、凹凸ピッチの分布が互いに異なるものである。
【0010】
この回折光学素子では、入射した光が凹凸パターンの形成面(少なくとも2つ)を順に透過しながら複数回の回折作用を受けるため、1つの素子で複数の光学的機能を同時に実現することができる。また、この回折光学素子は、小型で生産性にも優れている。
【0011】
本発明の他の回折光学素子は、3つ以上の層からなり、各々の層が光学材料にて構成された複層部材を備え、前記複層部材の隣り合う層同士は、互いに密着され、かつ、光学材料の屈折率が互いに異なり、前記複層部材の内部には、前記隣り合う層同士の密着した境界面が2つ以上含まれ、前記2つ以上の境界面のうち少なくとも2つには、各々、透過光に対して所望の回折作用を引き起こす凹凸パターンが形成され、異なる面に形成された前記凹凸パターン同士は、凹凸ピッチの分布が互いに異なるものである。
【0012】
この回折光学素子では、入射した光が凹凸パターンの形成面(少なくとも2つ)を順に透過しながら複数回の回折作用を受けるため、1つの素子で複数の光学的機能を同時に実現することができる。また、凹凸パターンが複層部材の内部に形成されるため、確実に凹凸パターンを保護することができる。さらに、この回折光学素子は、小型で生産性にも優れている。
【0013】
好ましくは、本発明の回折光学素子は、前記複層部材が、樹脂製の光学材料にて構成された樹脂層を2つ以上を含み、前記2つ以上の樹脂層のうち少なくとも2つが、隣り合う位置で互いに密着され、前記凹凸パターンのうち少なくとも1つが、前記隣り合う位置で密着された樹脂層同士の境界面に形成されたものである。
【0014】
本発明の回折光学素子の製造方法は、隣り合う2つの層の各々に、透過光に対して所望の回折作用を引き起こす凹凸パターンが形成され、前記凹凸パターン同士の凹凸ピッチの分布が互いに異なる回折光学素子の製造方法であって、所定の光学材料にて構成された層の表面に、第1の凹凸パターンを形成する第1工程と、前記第1の凹凸パターンの上に、前記光学材料とは屈折率の異なる樹脂製の光学材料にて構成された樹脂層を形成し、該樹脂層の表面に、第2の凹凸パターンを形成する第2工程とを備え、前記第2工程は、前記第1の凹凸パターンの上に前記樹脂製の光学材料の未硬化物を塗布する第1補助工程と、前記未硬化物に対して前記第2の凹凸パターンの反転形状の型を密着させる第2補助工程と、前記型を密着させた状態で前記未硬化物を硬化させる第3補助工程とを含むものである。
【0015】
好ましくは、本発明の回折光学素子の製造方法は、前記第3補助工程で、光照射によって前記未硬化物を硬化させるものである。
【0016】
本発明の光学装置は、上記の回折光学素子を備え、前記回折光学素子が、当該光学装置の予め定めた光路中に設置され、かつ、該光路に対して前記凹凸パターンの形成面が交差する向きで設置されるものである。
【0017】
好ましくは、本発明の光学装置は、レーザ光を使用する装置であり、前記回折光学素子が、各々の層が前記レーザ光の波長域で透明な光学材料にて構成され、かつ、前記レーザ光の光路に対して前記形成面が交差する向きで設置されるものである。
【0018】
また好ましくは、本発明の光学装置は、当該光学装置で使用される前記レーザ光の波長域を、1.4μm〜1.7μmの赤外波長域としたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態の回折光学素子10は、図1に示すように、1つの複層部材10aによって構成されている。また、この複層部材10aは、3つの層11,12,13からなり、層11は低屈折率の光学材料、層12は高屈折率の光学材料、層13は低屈折率の光学材料にて構成されている。つまり、複層部材10aの隣り合う層11,12同士は互いに屈折率が異なり、隣り合う層12,13同士も互いに屈折率が異なっている。
【0020】
さらに、3つの層11〜13を構成する光学材料は、何れも、回折光学素子10の使用波長域(例えば1.4μm〜1,7μmの赤外波長域)で透明な光学材料である。具体的には、3つの層11〜13のうち、層11の材料は光学硝子、層12,13の材料は光学樹脂である。つまり、層11は硝子層であり、層12,13は樹脂層である。
【0021】
ここで、層11の材料である光学硝子としては、主成分がSiO2-PbO-R2O、SiO2-PbO-BaO-R2O、SiO2-B23-PbO-BaO、(SiO2)-B23-La23-PbO-Al23、(SiO2)-B23-La23-PbO-RO、(SiO2)-B23-La23-ZnO-TiO2-ZrO2、B23-La23-Gd23-Y23-Ta25、SiO2-TiO2-KF、SiO2-B23-R2O-Sb23、B23-(Al23)-PbO-ROなどである所謂フリント硝子や、主成分がSiO2-RO-R2O、SiO2-BaO-R2O、SiO2-B23-BaO、(SiO2)-B23-La23-RO-ZrO2、(SiO2)-B23-La23-ZnO-Nb25、B23-La23-Gd23-Y23、SiO2-B23-R2O-BaO、P25-(Al23-B23)-R2O-BaO、SiO2-B23-K2O-KF、SiO2-R2O-ZnOなどであるクラウン硝子、石英硝子、蛍石など、様々な硝子材料を用いることができる。
【0022】
層12,13の材料である光学樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸トリフルオロエチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリアクリル酸メチル、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリα−ブロムアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸−2,3−ジブロムプロピル、フタル酸ジアリル、ポリメタクリル酸フェニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリメタクリル酸ペンタクロルフェニル、ポリクロルスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、シリコーンポリマーの他に、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エン−チオール系樹脂、チオウレタン系樹脂などに分類される様々な樹脂材料や、フォトポリマーを用いることができる。
【0023】
また、回折光学素子10において、複層部材10aの隣り合う層11,12同士は互いに密着され、隣り合う層12,13同士も互いに密着されている。このため、複層部材10aの内部には、2つの境界面である境界面10bと境界面10cとが含まれることになる。
【0024】
そして、複層部材10a内の2つの境界面10b,10cには、各々、回折格子状の凹凸パターン14,15が形成されている。これらの凹凸パターン14,15同士は、複層部材10aの層方向に関する形状および寸法が互いに異なる。なお、層方向とは、積層方向に垂直な2方向である。回折格子状の凹凸パターンとは、透過光に対して所望の回折作用を引き起こす凹凸パターンのことである。
【0025】
凹凸パターン14,15について具体的に説明すると、境界面10bの凹凸パターン14は、図9の等間隔の線状パターンであり、分光機能を実現する。また、境界面10cの凹凸パターン15は、図10の同心円状パターンであり、レンズ機能を実現する。
【0026】
つまり、第1実施形態の回折光学素子10では、1つの素子で、レンズ機能と分光機能を同時に実現することができる。このため、回折光学素子10を透過する光は、図2に示すように、凹凸パターン15のレンズ機能によって集光され、凹凸パターン14の分光機能によって0次回折光,1次回折光,2次回折光…に分けられる。0次光は光軸に沿って直進する光である。1次光,2次光…は光軸に対してθ12…の方向に進む光である。なお、図2では、0次回折光,1次回折光,2次回折光のみを示している。
【0027】
良好な光学性能を実現するために、各々の格子面間隔D1は、短いほど良く、1mm以下、さらには500μm以下であることが望ましい。格子面間隔D1がこれより大きいと、意図しない方向に光が曲げられるため、フレアが増大する。光学性能上、格子面間隔D1は、短いほど良いが、製造の容易さを考慮すると、5μm以上、さらには10μm程度離れている方が望ましい。なお、格子面間隔D1は、ある格子(凹凸パターン14)の頂上とその上に積層した格子(凹凸パターン15)の谷部との間隔に相当する。
【0028】
また、凹凸パターン14の格子高H1は、隣り合う層11,12同士の屈折率差に応じて決定され、凹凸パターン15の格子高H2は、隣り合う層12,13同士の屈折率差に応じて決定される。格子高H1,H2とは、凹凸パターン14,15の凹部と凸部との高低差に相当する。
【0029】
一般的に、同じ光学的機能を持つ回折格子状の凹凸パターンを考える場合、隣り合う層同士の屈折率差と凹凸パターンの格子高とは反比例の関係にある。つまり、屈折率差を大きくすると格子高を低くすることができ、屈折率差が小さくなると格子高を高くする必要がある。
【0030】
そして、凹凸パターン14,15の加工精度を考慮すると、凹凸パターン14,15の格子高H1,H2は、低い方が好ましい。また、光軸に対して傾いて入射する光線による像への悪影響を低減する点でも、低くすることが好ましい。格子高H1,H2を実用的な範囲とする(凹凸パターン14,15を精度良く加工する)ためには、隣り合う層(11,12)(12,13)同士の屈折率差が、0.01以上あることが望ましい。
【0031】
また、第1実施形態の回折光学素子10を製造する手順は、概略、次のようになっている。《11》層11の表面に凹凸パターン14を形成する。《12》凹凸パターン14上に層12を形成し、層12の表面に凹凸パターン15を形成する。《13》凹凸パターン15上に層13を形成する。
【0032】
上記の手順《11》における凹凸パターン14の形成は、硝子層(層11)に対する加工である。その加工方法としては、例えば、次の3つの方法(A)〜(C)の何れかを使用することができる。
【0033】
(A)切削加工や研削加工などの機械加工、あるいはプラズマCVD(Chemical Vaporization Machining)により硝子層を直接加工し、表面に凹凸パターン14を形成する。(B)フォトリソグラフィーにより微細加工したレジスト層を硝子層の上に形成し、その後、イオンエッチングすることによりレジスト層のパターン形状を硝子層に転写して、表面に凹凸パターン14を形成する。
【0034】
(C)金型などのモールドを用いて硝子層にパターン形状を転写し、表面に凹凸パターン14を形成する(ガラスモールド法)。この方法では、硝子層の光学材料として、屈伏点が500℃以下の低融点硝子を用いると、成形時の温度を下げることができ、金型の耐熱性に関する制限を緩和できる。このため、金型の材料として、切削や研削で容易に加工できる金属材料を用いることができる。
【0035】
これら3つの方法(A)〜(C)の何れを用いるにしても、凹凸パターン14は、図9に示すように、単純な等間隔の線状パターンであるため、硝子層(層11)の表面に対し、容易かつ高精度に加工することができる。
【0036】
上記の手順《12》における凹凸パターン15の形成は、樹脂層(層12)に対する加工である。その加工方法としては、例えば、次の3つの方法(D)〜(F)の何れかを使用することができる。
【0037】
(D)射出成形法により、表面に凹凸パターン15を転写する。(E)熱硬化性あるいは光硬化性樹脂と金型などのモールドを用いて樹脂層にパターン形状を転写し、表面に凹凸パターン15を形成する。(F)樹脂層がフォトポリマーである場合には、干渉光を照射してホログラムを作製することにより、表面に凹凸パターン15を形成する。
【0038】
ここで、方法(E)について、図3(a)〜(c)を用いて詳しく説明する。まず、硝子層(層11)の凹凸パターン14の上に樹脂材料の未硬化物12aを塗布する(a)。次に、これから形成する凹凸パターン15の反転形状(以下「反転パターン15a」という)の型16を未硬化物12aに対して密着させ(b)、型16と層11の間に未硬化物12aを充填させる。
【0039】
このとき、層11の凹凸パターン14と型16の反転パターン15aの微細な凹部に沿って未硬化物12aが入り込むように、押し広げることが好ましい。そして、押し広げた後の状態で、層11の側から光(例えば紫外線)を照射するか、あるいは加熱することにより、未硬化物12aを硬化させる。最後に、離型する(c)。その結果、凹凸パターン14上に樹脂層(層12)が形成され、この層12の表面に凹凸パターン15が形成される。
【0040】
これら3つの方法(D)〜(F)の何れを用いるにしても、凹凸パターン15は、図10に示すように単純な同心円状パターンであるため、樹脂層(層12)の表面に対して、容易かつ高精度に加工することができる。
【0041】
なお、上記の手順《13》における層13の形成は、図3に示す方法(E)において、反転パターン15aを持つ型16の代わりに、凹凸パターンを持たない平板状の型を用いることで、同様に行うことができる。
【0042】
その結果、複層部材10aの内部に2つの単純な凹凸パターン14,15が順に形成された回折光学素子10を容易に得ることができる。この回折光学素子10は、上述したように、1つの素子でレンズ機能と分光機能を同時に実現できるものであり、かつ、非常に小型である。すなわち、第1実施形態によれば、レンズ機能と分光機能を同時に実現できると共に、小型で生産性にも優れた回折光学素子10を容易に得ることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の回折光学素子20は、図4(a),(b)に示すように、1つの複層部材20aによって構成されている。また、この複層部材20aは、4つの層21,22,23,24からなり、隣り合う層(21,22)(22,23)(23,24)同士の屈折率が互いに異なるように、層21〜24の光学材料が決定されている。層21〜24の光学材料は、何れも、回折光学素子20の使用波長域で透明な光学樹脂である。なお、光学樹脂の具体例は、前述した層12,13と同様である。
【0043】
また、回折光学素子20において、複層部材20aの隣り合う層(21,22)(22,23)(23,24)同士は、互いに密着されている。このため、複層部材20aの内部には、境界面20b,20c,20dが含まれることになる。
【0044】
そして、複層部材20a内の3つの境界面20b,20c,20dには、各々、回折格子状の凹凸パターン25,26,27が形成されている。これらの凹凸パターン25,26,27同士は、複層部材20aの層方向に関する形状および寸法が互いに異なる。
【0045】
凹凸パターン25,26,27について具体的に説明すると、境界面20b,20dの凹凸パターン25,27は、共に、図9の等間隔の線状パターンであり、分光機能を実現する。ただし、凹凸パターン25,27の方位は、積層方向を中心として90°回転している。また、境界面20cの凹凸パターン26は、図10の同心円状パターンであり、レンズ機能を実現する。
【0046】
つまり、第2実施形態の回折光学素子20では、1つの素子で、レンズ機能と2種類の分光機能を同時に実現可能である。このため、回折光学素子20を透過する光は、凹凸パターン26のレンズ機能によって集光され、凹凸パターン25,27の分光機能によって2種類の0次回折光,1次回折光,2次回折光…に分けられる。
【0047】
また、この回折光学素子20を製造する手順は、概略、次のようになっている。《21》層21の表面に凹凸パターン25を形成する。《22》凹凸パターン25上に層22を形成し、層22の表面に凹凸パターン26を形成する。《23》凹凸パターン26上に層23を形成し、層23の表面に凹凸パターン27を形成する。《24》凹凸パターン27上に層24を形成する。
【0048】
上記したように、回折光学素子20の層21〜24は何れも光学樹脂にて構成されるため、手順《21》〜《23》の各々は、前述した回折光学素子10を製造する手順《12》の繰り返しであり、手順《24》は前述の手順《13》と同じである。
【0049】
その結果、複層部材20aの内部に3つの単純な凹凸パターン25〜27が順に形成された回折光学素子20を容易に得ることができる。この回折光学素子20は、上述したように、1つの素子でレンズ機能と2種類の分光機能を同時に実現できるものであり、かつ、非常に小型である。すなわち、第2実施形態によれば、レンズ機能と2種類の分光機能を同時に実現できると共に、小型で生産性にも優れた回折光学素子20を容易に得ることができる。
【0050】
なお、上記した第1実施形態と第2実施形態では、3層構造と4層構造の回折光学素子10,20を例に説明したが、5層以上の複層構造を持つ回折光学素子にも本発明を適用できる。ただし、複層構造の層数に関わらず、各層の光学材料は、隣り合う層同士の屈折率が互いに異なるように決定しなければならない。隣り合う層同士を互いに密着させることも必要である。
【0051】
図5に示すように、回折光学素子が(n+1)層構造の場合、複層部材の内部には、隣り合う層同士の密着した境界面がn個含まれるため、n種類の異なる凹凸パターンを形成することができる。すなわち、1つの回折光学素子で、n種類の光学的機能を同時に実現可能である。
【0052】
また、回折光学素子によって実現可能な光学的機能は、レンズ機能と分光機能との組み合わせに限らない。隣り合う層同士の境界面に形成される凹凸パターンの層方向の形状または寸法を変えることにより、分岐/合波機能、光強度分布変換機能、波長フィルタ機能、分光機能など、様々な光学的機能を実現させることが可能である。ちなみに、目的の機能を実現するために複雑な形状の凹凸パターンを形状せずに、何れの面でも単純で製造時に形成しやすい凹凸パターンを形成することで、目的の機能を得ることができる。
【0053】
さらに、回折光学素子の複層構造の層数(つまり凹凸パターンの数)に拘わらず、複層部材の内部に形成すべきn個の凹凸パターンの形状は何れも単純で対称なため、これらの凹凸パターンを前述した方法(A)〜(F)の何れかによって順に形成することにより、多機能で小型な回折光学素子を容易に得ることができる。
【0054】
また、上記のような回折光学素子を構成するためには、回折光学素子の複層構造の層数(つまり凹凸パターンの数)に拘わらず、屈折率の異なる少なくとも2種類の光学材料が必要となる。2種類の光学材料を用いる場合、一方の光学材料と他方の光学材料を交互に密着積層させることで、隣り合う層同士の屈折率を互いに異ならせることができる。
【0055】
さらに、上記した実施形態では、回折光学素子の内部の隣り合う層同士の境界面に回折格子状の凹凸パターンを形成したが、同様の凹凸パターンを回折光学素子の表面に形成することもできる。回折光学素子の表面とは、両端の層と周囲の雰囲気(例えば空気)との境界面であり、通常、屈折率が互いに異なっている。
【0056】
図6に示すように、回折光学素子が(n−1)層構造の場合、内部の隣り合う層同士の境界面は(n−2)個あり、表面は2つあるため、境界面および表面にn種類の異なる凹凸パターンを形成できる。すなわち、1つの回折光学素子で、n種類の光学的機能を同時に実現することができる。ただし、凹凸パターンの保護を考えれば、凹凸パターンは、回折光学素子の内部の境界面に形成することが好ましい。
【0057】
また、本発明の回折光学素子は、上述したように、各々が多機能で小型なため、様々な光学装置に対して容易に実装することができる。光学装置に実装する際、回折光学素子は、光学装置の予め定めた光路中に設置され、かつ、この光路に対して凹凸パターンの形成面が交差する向きで設置される。
【0058】
特にレーザ光を使用する光学装置に組み込む場合、回折光学素子は、レーザ光の光路に対して凹凸パターンの形成面が交差する向きで設置される。また、回折光学素子の各々の層は、レーザ光の波長域で透明な光学材料にて構成することが好ましい。
【0059】
さらに、光通信分野の光学装置(中継器や分波器など)では、光学素子の多機能化や小型化や薄型化が強く要求されているため、このような光学装置に対して本発明の回折光学素子を組み込むことは特に有用である。この光通信分野の光学装置では、赤外波長域(1.4μm〜1.7μm)のレーザ光が使用される。
【0060】
例えば、図1,図2に示す回折光学素子10を光通信に用いられる光学装置に組み込んだ場合、回折光学素子10を透過した光のうち、0次光を後段の光学系にスポットとして入射させることができると同時に、例えば1次光(θ1方向の光)をモニター用の光として取り出すことができる。1次光は、回折光学素子10の分光機能によって、波長ごとに異なるスポットを形成するからである。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、上述した第1実施形態の回折光学素子10(図1)をより具体的に示すものである。ここでは、回折光学素子10の複層部材10aの具体的な組成を1つ挙げて、その構成および製造手順を説明する。
【0061】
第3実施形態では、層11の光学材料として、住田光学ガラス製の低融点硝子P−SK60(nd=1.591、At(屈伏点)=404℃)を用い、層12の光学材料として、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化樹脂(nd=1.554)を用い、層13の光学材料として、フッ素含有メタクリレート系の紫外線硬化樹脂(nd=1.505)を用い、これらを順に積層する。
【0062】
また、複層部材10aの隣り合う層11,12同士の境界面10bに形成された凹凸パターン14は、格子高H1が15.88μm、ピッチが17μm(等間隔)である。隣り合う層12,13同士の境界面10cに形成された凹凸パターン15は、格子高H2が11.99μm、ピッチが187.8μm(中心部)〜5.0μm(最外周部)である。凹凸パターン14,15の面間隔D1は30μmである。
【0063】
この第3実施形態の回折光学素子10を製造する手順は、概略、上述の第1実施形態で説明した手順《11》〜《13》と同じである。また、手順《11》では上記方法(C)のガラスモールド法を用い(図7(a))、手順《12》では上記方法(E)を用い(図7(b))、手順《13》でも方法(E)を用いる(図7(c))。方法(E)の詳細は図3(a)〜(c)の通りである。
【0064】
まず、第3実施形態の回折光学素子10を製造する手順《11》について説明する。この手順《11》では、図7(a)に示すように、2つの金型31,32を使用する。ここで、一方の金型31には、凹凸パターン14の反転形状(以下「反転パターン14a」という)が形成され、他方の金型32は、凹凸パターンを持たない平板状である。
【0065】
金型31の製作は、次のように行われる。金型材料としてスタバックス材31aを用い、まず、その上に無電解めっき法で約150μmの厚さのNi-Pめっき層31bを形成する。次に、このNi-Pめっき層31bを切削により加工し、反転パターン14aを形成する。
【0066】
そして、2つの金型31,32を用いた手順《11》では、層11の光学材料(低融点硝子P-SK60)を、窒素雰囲気中で加熱しながら(最高420℃)、2つの金型31,32により挟んで加圧する。これにより、金型31の反転パターン14aの凹凸形状が、層11の光学材料の表面に転写される(ガラスモールド法)。その後、離型することにより、層11の表面には、凹凸パターン14が形成される(図7(a)の状態)。
【0067】
次に、第3実施形態の回折光学素子10を製造する手順《12》について説明する。この手順《12》では、図7(b)に示すように、1つの金型33を使用する。この金型33には、凹凸パターン15の反転形状に相当する反転パターン15aが形成されている。
【0068】
金型33の製作は、上記した金型31の作製と同様に行われる。まず、金型材料であるスタバックス材33aの上にNi-Pめっき層33b(厚さは約150μm)を形成し、次に、Ni-Pめっき層33bを切削により加工して、反転パターン15aを形成する。
【0069】
そして、金型33を用いた手順《12》では、上記の手順《11》で形成された凹凸パターン14の上に、層12の光学材料(ウレタンアクリレート系の紫外線硬化樹脂)の未硬化物を滴下し、これに対して金型33を近接させ、金型33と層11の間に未硬化樹脂を充填させる。次に、層11の裏面側から紫外線を照射し、層12の光学材料を硬化させる。これにより、金型33の反転パターン15aの凹凸形状が、層12の表面に転写される。その後、離型することにより、層12の表面には、凹凸パターン15が形成される(図7(b)の状態)。
【0070】
最後に、第3実施形態の回折光学素子10を製造する手順《13》について説明する。この手順《13》では、図7(c)に示すように、1つの金型34を使用する。この金型34は、凹凸パターンを持たない平板状である。
【0071】
そして、金型34を用いた手順《13》では、上記の手順《12》で形成された凹凸パターン15の上に、層13の光学材料(フッ素含有メタクリレート系の紫外線硬化樹脂)の未硬化物を滴下し、これに対して金型34を近接させ、金型34と層12の間に未硬化樹脂を充填させる。次に、層11の裏面側から紫外線を照射し、層13の光学材料を硬化させる。これにより、金型34の平面形状が層13の表面に転写される。その後、離型することにより、層13の表面は平面形状となる(図7(c)の状態)。
【0072】
このようにして、複層部材10aの内部に2つの凹凸パターン14,15が順に形成された第3実施形態の回折光学素子10を得ることができる。この回折光学素子10は、上述したように、1つの素子でレンズ機能と分光機能を同時に実現できるものである。
【0073】
また、上記した第3実施形態の手順《11》〜《13》において、回折光学素子10の凹凸パターン14,15の形成は、各々、予め作製された金型31,33を用い、その反転パターン14a,15aを転写することにより、容易に行うことができる。
【0074】
さらに、金型31,33の作製も容易である。これは、金型31の反転パターン14aが単純な等間隔の線状パターンであり、金型33の反転パターン15aも単純な同心円状パターンであり、Ni-Pめっき層31b,33bに対する切削加工を容易かつ高精度に行えるからである。
【0075】
したがって、第3実施形態によれば、レンズ機能と分光機能を同時に実現できる(多機能)と共に、小型で生産性にも優れた回折光学素子10を容易に製造することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態は、上述した第2実施形態の回折光学素子20(図4)をより具体的に示すものである。ここでは、回折光学素子20の複層部材20aの具体的な組成を1つ挙げて、その構成および製造手順を簡単に説明する。
【0076】
第4実施形態では、層21,層23の光学材料として、6官能環状ウレタンアクリレートとイソボルニルメタクリレートの混合物(nd=1.490)を用い、層22,層24の光学材料として、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(nd=1.541)を用い、これらを交互に4層積層する。
【0077】
また、複層部材20aの隣り合う層21,22同士の境界面20bに形成された凹凸パターン25と、隣り合う層23,24同士の境界面20dに形成された凹凸パターン27は、上記した第3実施形態の凹凸パターン14と同じ形状であり、その方位は90°回転している。隣り合う層22,23同士の境界面20cに形成された凹凸パターン26は、上記した第3実施形態の凹凸パターン15と同じ形状である。
【0078】
この第4実施形態の回折光学素子20を製造する手順は、概略、上述の第2実施形態で説明した手順《21》〜《24》と同じである。なお、手順《21》〜《23》では、上記した第3実施形態の手順《12》と同様の工程が、形成したい凹凸パターン25〜27の反転形状の金型を各々用い、順に変えながら3回繰返される。そして最後の手順《24》は、上記した第3実施形態の手順《13》と同様の平板状の金型を用いて行われる。
【0079】
このようにして、複層部材20aの内部に3つの凹凸パターン25〜27が順に形成された第4実施形態の回折光学素子20を得ることができる。この回折光学素子20は、上述したように、1つの素子でレンズ機能と2種類の分光機能を同時に実現できるものである。
【0080】
また、上記した第4実施形態の手順《21》〜《24》において、回折光学素子20の凹凸パターン25〜27の形成は、各々、予め作製された金型を用いて反転パターンを転写することで、容易に行うことができる。さらに、金型の反転パターンは、単純な等間隔の線状パターンや同心円状パターンであり、金型の作製も容易かつ高精度に行える。
【0081】
したがって、第4実施形態によれば、レンズ機能と2種類の分光機能を同時に実現できる(多機能)と共に、小型で生産性にも優れた回折光学素子20を容易に製造することができる。
【0082】
なお、上記した実施形態や実施例では、1つの複層部材(10aまたは20a)によって構成された回折光学素子10,20を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示す回折光学素子40のように、2つの複層部材40a,40bを設けることもできる。
【0083】
回折光学素子40の複層部材40aは、2層構造であり、隣り合う層41,42同士の境界面と層42の表面に、各々、回折格子状の凹凸パターン(パターン1,2)が形成されている。また、複層部材40bも、2層構造であり、隣り合う層43,44同士の境界面と層43の表面に、各々、回折格子状の凹凸パターン(パターン3,4)が形成されている。
【0084】
さらに、この回折光学素子40では、2つの複層部材40a,40bの間、つまり、層42の表面(パターン2)と層43の表面(パターン3)との間に、封止部材45によって光学材料46が充填されている。封止部材45は、接着ゴムなどであり、2つの複層部材40a,40bを一体化する役目も担っている。
【0085】
光学材料46は、隣り合う層42,43とは屈折率の異なる気体や液体であり、封止部材45によって封止されるため、内部の屈折率むらがほとんど無いと考えられる。
【0086】
光学材料46としての液体には、例えば、純水、アルコール類、エーテル類、エステル類などに分類される一般的な溶剤の他、屈折液(顕微鏡の液浸観察などで用いられる屈折率が既知の液体)を用いることができる。屈折液は、ブロモナフタレンやセバシン酸ジnブチルなどである。また、光学材料46としての気体には、空気の他、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを用いることができる。
【産業上の利用の可能性】
【0087】
本発明によれば、1つの小型の回折光学素子で複数の光学的機能を同時に実現できると共に、容易に生産することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】 図1は、第1実施形態の回折光学素子10の全体構成を示す概略図である。
【図2】図2は、回折光学素子10の光学的機能を説明する光路図である。
【図3】図3は、回折光学素子10の層12と凹凸パターン15の形成を説明する図である。
【図4】図4は、第2実施形態の回折光学素子20の全体構成を示す概略図である。
【図5】図5は、(n+1)層構造の回折光学素子の概略図である。
【図6】図6は、(n−1)層構造の回折光学素子の概略図である。
【図7】図7は、第3実施形態の回折光学素子10を製造する手順を説明する図である。
【図8】図8は、変形例の回折光学素子40の概略図である。
【図9】図9は、分光機能を発揮するグレーティングの凹凸パターンについて、連続した格子高の変化を階級分けして示した図である。
【図10】図10は、レンズ機能を発揮するゾーンプレートの凹凸パターンについて、連続した格子高の変化を階級分けして示した図である。
【図11】図11は、従来の多機能な回折光学素子における合成後の凹凸パターンについて、連続した格子高の変化を階級分けして示した図である。

Claims (8)

  1. 複数の層からなり、各々の層が光学材料にて構成された複層部材を備え、
    前記複層部材の隣り合う層同士は、互いに密着され、かつ、光学材料の屈折率が互いに異なり、
    前記複層部材の内部には、前記隣り合う層同士の密着した境界面が1つ以上含まれ、
    前記1つ以上の境界面と前記複層部材の表面とを含めた3つ以上の面のうち、少なくとも2つの面には、各々、透過光に対して所望の回折作用を引き起こす凹凸パターンが形成され、
    異なる面に形成された前記凹凸パターン同士は、凹凸ピッチの分布が互いに異なる
    ことを特徴とする回折光学素子。
  2. 3つ以上の層からなり、各々の層が光学材料にて構成された複層部材を備え、
    前記複層部材の隣り合う層同士は、互いに密着され、かつ、光学材料の屈折率が互いに異なり、
    前記複層部材の内部には、前記隣り合う層同士の密着した境界面が2つ以上含まれ、
    前記2つ以上の境界面のうち少なくとも2つには、各々、透過光に対して所望の回折作用を引き起こす凹凸パターンが形成され、
    異なる面に形成された前記凹凸パターン同士は、凹凸ピッチの分布が互いに異なる
    ことを特徴とする回折光学素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回折光学素子において、
    前記複層部材は、樹脂製の光学材料にて構成された樹脂層を2つ以上含み、
    前記2つ以上の樹脂層のうち少なくとも2つは、隣り合う位置で、互いに密着され、
    前記凹凸パターンのうち少なくとも1つは、前記隣り合う位置で密着された樹脂層同士の境界面に形成される
    ことを特徴とする回折光学素子。
  4. 隣り合う2つの層の各々に、透過光に対して所望の回折作用を引き起こす凹凸パターンが形成され、前記凹凸パターン同士の凹凸ピッチの分布が互いに異なる回折光学素子の製造方法であって、
    所定の光学材料にて構成された層の表面に、第1の凹凸パターンを形成する第1工程と、
    前記第1の凹凸パターンの上に、前記光学材料とは屈折率の異なる樹脂製の光学材料にて構成された樹脂層を形成し、該樹脂層の表面に、第2の凹凸パターンを形成する第2工程とを備え、
    前記第2工程は、前記第1の凹凸パターンの上に前記樹脂製の光学材料の未硬化物を塗布する第1補助工程と、前記未硬化物に対して前記第2の凹凸パターンの反転形状の型を密着させる第2補助工程と、前記型を密着させた状態で前記未硬化物を硬化させる第3補助工程とを含む
    ことを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  5. 請求項4に記載した回折光学素子の製造方法において、
    前記第3補助工程では、光照射によって前記未硬化物を硬化させる
    ことを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  6. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の回折光学素子を備えた光学装置において、
    前記回折光学素子は、当該光学装置の予め定めた光路中に設置され、かつ、該光路に対して前記凹凸パターンの形成面が交差する向きで設置される
    ことを特徴とする光学装置。
  7. 請求項6に記載の光学装置において、
    当該光学装置は、レーザ光を使用する装置であり、
    前記回折光学素子は、各々の層が前記レーザ光の波長域で透明な光学材料にて構成され、かつ、前記レーザ光の光路に対して前記形成面が交差する向きで設置される
    ことを特徴とする光学装置。
  8. 請求項7に記載の光学装置において、
    当該光学装置で使用される前記レーザ光の波長域は、1.4μm〜1.7μmの赤外波長域である
    ことを特徴とする光学装置。
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