JP4239814B2 - ポリエーテル類の製造法 - Google Patents

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本発明は、複合金属シアン化物錯体触媒を用いて、ポリカーボネートモノオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオキシテトラメチレンモノオールおよびポリオキシテトラメチレンポリオールからなる群から選ばれる少なくとも一種の開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られ、かつ、開始剤の分子量分布に対して特定の関係にある分子量分布を有するポリエーテルポリオールの製造法、およびその製造法によって製造されたポリエーテルポリオールに関する。
一般に、ポリウレタンエラストマー、接着剤、およびシーラント等のポリウレタン製品や機能性油剤の原料として用いられるポリエーテルポリオールは、活性水素原子を有する開始剤に例えばエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加重合させて製造されている。これらのポリエーテルポリオール、またはポリエーテルポリオールとイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタン製品の親水性、疎水性、耐熱性、耐候性、および機械物性などを所望の特性に制御することが必要とされている。これらの特性を制御するための手法として、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、またはポリオキシテトラメチレングリコールを開始剤として用いてアルキレンオキシドを開環付加重合(以下、単に開環重合とも記す。)させて製造されたポリエーテルポリオールや、アルキレンオキシド付加重合体の主鎖のポリエーテル鎖中にエステル結合、カーボネート結合を含むポリエーテルポリオールをポリウレタン製品原料として用いることが提案されている。
上記開始剤であるポリカーボネートポリオールおよびポリオキシテトラメチレンポリオール、ならびにそれら開始剤にアルキレンオキシドを開環重合して得られるポリオール類は、カチオンまたはアニオン重合触媒を用い、開始剤存在下または不存在下にアルキレンオキシド、環状カーボネート、および環状エステルから選ばれる少なくとも一種のモノマーを開環重合して製造することができることが知られている。しかし、この公知の方法を用いて製造したポリオール類は分子量分布が広くなるため、分子量を大きくした場合には生成物の粘度が非常に高くなり、取り扱いが困難であり、しかもそのポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物の耐熱性および機械物性などを所望する特性に制御することが困難であった。
一方、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド等のオキシラン(3員環エーテル化合物)は、アニオンおよびカチオン触媒以外の重合触媒を用いても開環重合可能である。なかでも高活性な配位重合触媒の代表的なものとして、複合金属シアン化物錯体(以下、DMC触媒とも記す。)が知られている。DMC触媒は、有機配位子および金属塩を含む錯体触媒であり、たとえば、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(Zn3[Co(CN)62)に有機配位子、水、およびZnCl2が配位した化合物が代表的なものである。
上記DMC触媒を用い、ポリオキシプロピレンポリオール等の開始剤存在下にアルキレンオキシドを開環重合することによって得られるポリエーテルポリオールは、従来の一般的なアルカリ触媒を用いて同様の重合反応を行って得られるポリエーテルポリオールに比べて分子量分布が狭いことが報告されている(例えば非特許文献1参照)。
また、このDMC触媒を用いるアルキレンオキシドの重合反応において、ポリエーテルポリオール末端水酸基へのアルキレンオキシドの開環付加反応は、分子量のより小さいポリエーテルポリオールの末端水酸基で優先的に起こり、そのため重合反応の進行にともなってポリエーテルポリオールの分子量分布が広がることがないことも知られている(例えば特許文献1参照)。ただし、DMC触媒を用いた場合に、アルキレンオキシドの開環重合反応の進行に伴ってポリエーテルポリオールの分子量分布が広がらないということは、開始剤としてポリオキシプロピレンポリオールを用いた場合についてのみ知られている。
ところで、公知のポリカーボネートポリオールおよびポリオキシテトラメチレングリコールは、もともと広い分子量分布を有する。ポリカーボネートポリオール、またはポリテトラメチレングリコールを開始剤として、DMC触媒存在下、アルキレンオキシドを開環重合した場合に、得られるポリエーテル類がどのような分子量分布を示すかは報告されていない。さらに、このようにして得られるポリエーテル類を原料として用いることによってポリウレタン製品や機能性油剤の特性を好ましいものにできるということも報告されていない。
特開平6−16806号公報 J.L.SHUCHAR and S.D.HARPER, "Preparation of High Molecular Weight Polyols Using Double Metal Cyanide Catalysts", 32ND ANNUAL POLYURETHANE TECHNICAL/MARKETING CONFERENCE, OCTOBER1-4, 1989, pp.360.
上述したとおり、ポリカーボネートポリオール、およびポリテトラメチレングリコールは分子量分布が広いこと、およびその分子構造に由来して分子間の大きな凝集力を有することにより粘度が高い。そのため、ポリカーボネートポリオールおよびポリテトラメチレングリコールは様々な優れた特性を有しているにもかかわらず、用途によってはこれらを原料として用いることが難しい場合があった。
そこで本発明は、ポリカーボネートポリオールおよびポリテトラメチレングリコールが有する優れた特性を活かしつつ、狭い分子量分布を有し、しかも優れた特性を有するポリウレタン製品および機能性油剤等を製造するために用いる原料として好ましいポリエーテル類、ならびにその製造法を提供しようとするものである。
本発明のポリエーテル類の製造法は、ポリカーボネートモノオールおよびポリオール、ならびにポリオキシテトラメチレンモノオールおよびポリオールからなる群から選ばれる少なくとも一種を開始剤として用い、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒の存在下に、前記開始剤に対してアルキレンオキシドを開環付加重合するポリエーテル類の製造法であって、前記開始剤の数平均分子量(Mn1)および重量平均分子量(Mw1)、ならびに前記開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合して得られる前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn2)および重量平均分子量(Mw2)の間に以下の関係:
Mn1=300〜20000;
Mw1/Mn1≧1.2;
Mn2/Mn1≧1.5;および
(Mw2/Mn2)/(Mw1/Mn1)<0.8
をもたせることを特徴とするものである。
本発明のポリエーテル類の上記製造法においては、前記複合金属シアン化物錯体触媒が、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、iso−プロピルアルコール、およびジオキサンから選ばれる1種または2種以上を有機配位子として有することが好ましい。
本発明の製造法を用いて、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒存在下にポリカーボネートモノオールおよびポリオール(以下あわせて水酸基含有ポリカーボネートとも記す。)ならびにポリオキシテトラメチレンモノオールおよびポリオール(以下あわせて水酸基含有ポリオキシテトラメチレンとも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも一種以上を開始剤として用いてアルキレンオキシドを開環付加重合することにより、開始剤の分子量分布よりも狭い分子量分布を有するポリエーテル類を製造することができる。さらに、上記有機配位子が、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、iso−プロピルアルコール、およびジオキサンから選ばれる1種または2種以上である場合に、複合金属シアン化物錯体触媒のアルキレンオキシド重合活性を高くすることができ、水酸基含有ポリカーボネートおよび/または水酸基含有PTMGにアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテル類の分子量分布をより狭くすることができる。
本発明の製造法を用いて製造されたポリエーテル類は、水酸基含有ポリカーボネートおよび水酸基含有ポリオキシテトラメチレンと比較した場合、数平均分子量(Mn)が同じ場合でも低粘度になり、融点が低く、かつ分子末端が不飽和基である成分も少ない。したがって、このポリエーテル類とポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート末端または水酸基末端のプレポリマーの粘度は、水酸基含有ポリカーボネートまたは水酸基含有ポリオキシテトラメチレンとポリイソシアネートとを反応させて得られるプレポリマーよりも低粘度で扱いやすいという特徴を有する。また、上記ポリエーテル類とポリイソシアネート等を原料として得られるポリウレタン樹脂は、ポリカーボネート結合またはポリオキシテトラメチレン結合を含まないポリオキシアルキレン重合体を原料として用いて得られるポリウレタン樹脂よりも引張強度が強いという特徴を有する。本発明の製造法を用いて製造されたポリエーテル類は、ポリウレタンエラストマー、接着剤、およびシーラント等のポリウレタン製品、ならびに機能性油剤等の原料として好ましい。
本発明において、開始剤およびポリエーテル類の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、いわゆるポリスチレン換算分子量といわれる分子量である。具体的には、分子量測定用の標準試料として市販されている重合度の異なる数種の単分散ポリスチレン重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を市販のGPC測定装置を使用して測定し、ポリスチレンの分子量と保持時間(リテンションタイム)の関係をもとに検量線を作成する。前記検量線を用いて、試料化合物のGPCスペクトルをコンピュータ解析することにより、その化合物の数平均分子量および重量平均分子量を求める。かかる測定法は公知である。
なお、本明細書中、開始剤の数平均分子量をMn1、重量平均分子量をMw1で表し、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテル類の数平均分子量をMn2、重量平均分子量をMw2で表す。
本発明のポリエーテル類の製造法は、上述のとおり、水酸基含有ポリカーボネートおよび水酸基含有ポリオキシテトラメチレンからなる群から選ばれる少なくとも一種を開始剤として用い、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒の存在下に、前記開始剤に対してアルキレンオキシドを開環付加重合して、ポリエーテル類を得るというものである。
上記水酸基含有ポリカーボネートとしては、アルキレンカーボネートを開環重合して得られるものや、ジオール化合物とホスゲン、クロロ蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとのエステル交換反応によって得られるものが挙げられる。前記ジオール化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,3,5−トリメチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、およびダイマージオールなどを用いることができる。本発明に用いる特に好ましいジオール化合物は、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールである。また、1分子に3以上のヒドロキシル基を有する化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等を上記ジオール化合物に少量併用することもできる。上記アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートが挙げられる。上記ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを挙げることができる。上記ジアリルカーボネートとしてはジフェニルカーボネートを挙げることができる。なお、ポリエチレンカーボネートポリオール、ポリテトラメチレンカーボネートポリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオールなどの市販されているものを本発明の開始剤として用いることもできる。
本発明で開始剤として用いる水酸基含有ポリオキシテトラメチレンとしては、ゼオライト、メタロアルミノシリケート、フルオロスルホン酸などの超強酸、酸と無水酢酸の混合物、パーフルオロスルホン酸樹脂、漂白土、および結晶水の含有量が特定範囲に制御されたヘテロポリ酸などからなる群から選ばれる触媒を用いてテトラヒドロフラン(THF)を開環重合させて得られるポリオキシテトラメチレンポリオールが例示できる。炭素数2〜10のアルカンジオール、アルキレンオキシド、オキセタン、環状アセタール、および2−メチルテトラヒドロフランなどからなる群から選ばれる一種以上の化合物をTHFとランダム共重合させて得られた共重合ポリオキシテトラメチレンポリオールを本発明の開始剤として用いることもできる。
本発明で開始剤として用いる上記水酸基含有ポリカーボネートおよび水酸基含有ポリオキシテトラメチレンは、一般に分子量の狭いものを製造することが困難であるため、製造の容易さ、または入手の容易さの点から、開始剤の分子量分布(Mw1/Mn1)は1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがさらに好ましい。分子量分布(Mw1/Mn1)が1.2未満である開始剤を製造するためには、特殊な触媒および/またはプロセスを必要とするためにコストアップになる場合がある。
開始剤として用いる水酸基含有ポリカーボネートまたは水酸基含有ポリオキシテトラメチレンが有する平均水酸基数は一分子当たり1〜6であることが好ましく、1〜4であることがさらに好ましい。開始剤一分子あたりの平均水酸基数が7以上になると、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオールの分子量分布を狭くすることが困難になる場合がある。
上記開始剤として、数平均分子量(Mn1)が300〜20000の水酸基含有ポリカーボネートおよび/または水酸基含有ポリオキシテトラメチレンを用いることが好ましく、600〜5000のものを用いることがさらに好ましい。開始剤の数平均分子量(Mn1)を300以上にすることにより、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒を用いたアルキレンオキシド開環重合反応が開始するまでの時間を短くすることができる。また、開始剤の数平均分子量(Mn1)を20000以下にすることで開始剤の粘度を高くなりすぎないようにでき、開始剤への均一度の高いアルキレンオキシド重合反応を進めることができる。
さらに本発明の製造法は、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn2)および重量平均分子量(Mw2)と、上記開始剤の数平均分子量(Mn1)および重量平均分子量(Mw1)との間に以下の関係:
Mn2/Mn1≧1.5、および(Mw2/Mn2)/(Mw1/Mn1)<0.8
をもたせることを特徴とするものである。上記関係は、本発明の製造法が、開始剤の数平均分子量の1.5倍以上になるまで開始剤にアルキレンオキシドを重合するものであること、および、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオールの分子量分布の値が開始剤の分子量分布の値の0.8倍より小さくなることを示す。本発明においては、Mn2/Mn1≧1.5であり、さらに5.0≧Mn2/Mn1≧1.5が好ましく、3.0≧Mn2/Mn1≧1.5が特に好ましい。また、本発明においては、(Mw2/Mn2)/(Mw1/Mn1)<0.8であり、(Mw2/Mn2)/(Mw1/Mn1)<0.7であることが特に好ましい。
開始剤の数平均分子量、開始剤の分子量分布、重合反応に用いる触媒の種類及び量、開始剤に開環付加重合させるアルキレンオキシドの量、ならびに重合反応条件などを最適に制御して行うことによって、上記の各パラメータの関係を実現できる。前記重合反応条件には、重合反応温度、攪拌強度、および反応容器へのアルキレンオキシドの供給速度などが含まれる。以下に本発明を実施するうえで好ましい重合反応の態様を説明する。当業者は以下の説明に基づいて適宜好ましい重合条件を決定することにより、本発明を容易に実施することができる。
以下に本発明の製造法に用いる、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒、およびそれを用いた重合条件について説明する。
〔有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒〕
本発明に用いる複合金属シアン化物錯体触媒(以下、単にDMC触媒とも記す。)は、代表的には下記式(1)で表される。
1 a[M2 b(CN)cde(M1 fg)h(H2O)i(R)・・・(1)
(M1、M2は金属原子を表し、Xはハロゲン原子を表し、Rは有機配位子を表し、a、b、c、d、e、f、g、h、iは金属原子の原子価や有機配位子の配位数などにより変わり得る数を表す。)。
上記式(1)中、M1としてはZn(II)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Ni(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、Al(III)、V(V)、Sr(II)、W(IV)、W(VI)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、Sn(II)、およびPb(II)から選ばれる金属が好ましく、Zn(II)またはFe(II)が特に好ましい。なお金属の原子記号の後のかっこ内のローマ数字は原子価を表し、以下同様である。
さらに上記式(1)中、M2としては、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(IV)、およびV(V)から選ばれる金属が好ましく、Co(III)またはFe(III)が特に好ましい。
さらに上記式(1)中、Rは有機配位子である。前記有機配位子としては水溶性のものが好ましく、具体例としては、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル(グライムともいう。)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライムともいう。)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライムともいう。)、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、iso−プロピルアルコール、およびジオキサンから選ばれる1種または2種以上の化合物が挙げられる。ジオキサンは、1,4−ジオキサンでも1,3−ジオキサンでもよいが、1,4−ジオキサンが好ましい。
本発明において特に好ましい有機配位子は、tert−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、および、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルから選ばれる1種または2種以上の化合物であり、tert−ブチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールとエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルの組合せが、高い重合触媒活性が得られることから最も好ましい。
本発明における有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒は、公知の製造方法を用いて製造できる。公知の触媒製造法としては例えば、(i)ハロゲン化金属塩とアルカリ金属シアノメタレートとを水溶液中で反応させて得られる反応生成物に有機配位子を配位させ、ついで、固体成分を分離し、さらに、分離した固体成分を有機配位子水溶液で洗浄する方法、または(ii)有機配位子水溶液中でハロゲン化金属塩とアルカリ金属シアノメタレートとを反応させ、得られる反応生成物(固体成分)を分離し、その分離固体成分を有機配位子水溶液で洗浄する方法を挙げることができる。
本発明でDMC触媒を製造する場合に用いるアルカリ金属シアノメタレートのシアノメタレートを構成する金属は、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(IV)、およびV(V)から選ばれる1種以上であることが好ましく、Co(III)またはFe(III)であることが特に好ましい。アルカリ金属シアノメタレートの好ましい具体例は、H3[Co(CN)6]、Na3[Co(CN)]6、およびK3[Co(CN)]6であり、Na3[Co(CN)]6、およびK3[Co(CN)]6が最も好ましい。
上述した複合金属シアン化物錯体触媒の公知の製造法を用いて得られた反応生成物を洗浄し、さらに、ろ過分離して得られるケーキ(固体成分)を乾燥させることにより、DMC触媒を調製できる。また、ハロゲン化金属塩とアルカリ金属シアノメタレートの反応生成物を水および/または有機配位子で洗浄し、さらに有機配位子水溶液中に分散させた液をポリオール化合物中に分散させ、得られた分散液から過剰量の水および有機配位子を留去することにより、有機配位子を有するDMC触媒がポリオール化合物中分散された状態の、スラリー状のDMC触媒を調製することもできる。
上記スラリー状DMC触媒の調製するために用いるポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオールが挙げられる。このためのポリエーテルポリオールとしては、アルカリ触媒やカチオン触媒を用い、モノアルコールおよび多価アルコールから選ばれる開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させて製造した、一分子あたりの平均水酸基数が1〜12であり、数平均分子量が300〜5000であるポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールが好ましい。
本発明の製造法において用いるアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1、2−ブチレンオキシド、2、3−ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、オキセタン、スチレンオキシド、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。本発明ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選ばれる1種または両者を併用することが好ましく、プロピレンオキシドを用いることが最も好ましい。また、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとともに、少量のエピクロロヒドリン、オキセタン、テトラヒドロフラン、およびラクトンなどの環状エステルを用いて重合反応を行うこともできる。
〔アルキレンオキシドの重合方法〕
本発明では、反応容器内でDMC触媒の存在下、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合してポリエーテルポリオールを製造できる。開始剤およびDMC触媒の存在下、反応容器内に上記アルキレンオキシドの1種または2種以上の混合物を添加して重合反応を行うことができる。本発明においては、一種類のアルキレンオキシドを開始剤に単独重合することも、二種以上のアルキレンオキシドをブロック重合および/またはランダム重合させることもできる。
重合反応に用いるDMC触媒の量は、アルキレンオキシドの開環重合に必要な量であればいかなる量でもよいが、できるだけ少量であることが好ましい。重合反応に用いるDMC触媒の量が少ないほど、生成物であるポリエーテル類に含まれるDMC触媒の量を少なくできる。それにより、重合反応によって得られるポリエーテル類のポリイソシアネートとの反応性や、このポリエーテル類を原料に用いて製造されるポリウレタン製品や機能性油剤などの物性に対するDMC触媒の影響を少なくできる。通常は、開始剤へのアルキレンオキシドの開環付加重合反応の後、得られたポリエーテル類からDMC触媒を除去する操作を行うが、上記のようにポリエーテル類に残存するDMC触媒の量が少なく、かつ、その後に悪影響を及ぼさない場合は、DMC触媒を除去する工程を行わずにポリエーテル類を用いる次の工程へ進むことができるため、ポリエーテル類の生産効率を高めることができる。DMC触媒の固体触媒成分(ポリオール化合物や過剰な配位子などを除いた成分)が重合直後の重合体中に10〜80ppmとなる量のDMC触媒を用いて開始剤へのアルキレンオキシド重合反応を行うことが好ましい。重合体中に含まれるDMC触媒の固体触媒成分を10ppm以上にすることにより充分な重合触媒活性が得られ、さらに80ppm以下で充分な重合活性が得られるためにそれ以上量の触媒成分を用いても経済的ではない。ただし、得られる重合体に対して80ppm以上の固体触媒成分を含む触媒を用いても問題はない。
本発明におけるアルキレンオキシドの開環重合温度は、30〜180℃が好ましく、70〜160℃が好ましく、90〜140℃が特に好ましい。重合温度が30℃以下ではアルキレンオキシドの開環重合が開始しない場合があり、また180℃以上ではDMC触媒の重合活性が低下する場合がある。
さらに本発明のアルキレンオキシドの重合反応は、良好な攪拌条件下で行うことが好ましい。一般的な攪拌翼を用いる攪拌法を用いる場合は、反応液に気相部のガスが多量に取り込まれて攪拌効率が低下することがない範囲で攪拌翼の回転速度をできるだけ速くすることが好ましい。また、本重合反応においては、得られる重合体の分子量分布を狭くできることから、反応容器内へのアルキレンオキシドの供給速度はできるだけ遅くすることが好ましいが、一方その場合は生産効率が低下するため、これらを比較衡量してアルキレンオキシドの供給速度を定めることが好ましい。
本発明のアルキレンオキシド重合反応は、反応溶媒を用いて行うこともできる。好ましい反応溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、およびシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、およびキシレン等の芳香族炭化水素;ならびに、クロロホルムおよびジクロロメタン等のハロゲン系溶媒が例示できる。また、溶媒の使用量は特に制限されるものではなく、所望する量の溶媒を用いることができる。
本発明の製造法においては、開始剤の数平均分子量(Mn1)と、その開始剤に対してアルキレンオキシドを重合して製造されたポリエーテル類の数平均分子量(Mn2)との比Mn2/Mn1が1.5以上、好ましくは1.5〜5.0、さらに好ましくは1.5〜3.0となるように、開始剤に対してアルキレンオキシドを重合させる。開始剤に対するアルキレンオキシドの重合量を調節することによって、Mn2/Mn1を前記の好ましい値にすることができる。一般に、開始剤に対するアルキレンオキシドの付加量を多くすればするほど、Mn2/Mn1が大きくなる。Mn2/Mn1が1.5未満では分子量分布の狭いポリエーテル類を製造するのが困難であり、あわせて、ポリエーテル類におけるアルキレンオキシド鎖長が短いために、そのポリエーテル類を用いて製造されるポリウレタン樹脂、接着剤、およびシーラントなどの柔軟性や基材との密着性などが低下する場合がある。
アルキレンオキシドの重合反応終了後、得られたポリエーテル類に含まれるDMC触媒を除去する場合、その方法としては、たとえば、合成珪酸塩(マグネシウムシリケート、アルミニウムシリケートなど)、イオン交換樹脂、および活性白土などから選ばれる吸着剤を用いて触媒を吸着し、さらに吸着剤を濾過によって除去する方法や、アミン、アルカリ金属水酸化物、有機酸、および鉱酸から選ばれる中和剤を用いて触媒を中和し、さらに濾過によって除去する方法などが挙げられる。
本発明の製造法を用いて製造されたポリエーテル類に酸化防止剤、防食剤などを添加して、長期間の貯蔵中におけるポリエーテル類の劣化を防止することもできる。
〔ポリエーテル類の利用〕
本発明のポリエーテル類は、ポリイソシアネート化合物と反応させてポリウレタン樹脂、エラストマー、接着剤、およびシーラント等を製造するための原料として好ましい。また、本発明のポリエーテル類は、界面活性剤、および機能性油剤などの用途にも用いることができ、さらに、ポリマー微粒子を含むポリマー分散ポリエーテルポリオールの原料としても用いることができる。
本発明の方法を用いて製造されるポリエーテル類を上述のような各種用途に用いる場合、ポリエーテル類の数平均分子量は450〜50000が好ましく、900〜20000がさらに好ましく、1000〜10000が特に好ましい。
本発明のポリエーテル類を含む原料とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタン製品は、実質的にポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのみからなる従来のポリエーテル類よりも、親水性、疎水性、耐熱性、耐候性、および機械物性が優れる。上記ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;およびこれらのポリイソシアネート化合物の変性体が挙げられる。
以下に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本実施例中のポリオールXは、ジプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加重合して得られた、数平均分子量(Mn1)が1000のポリオールである。
〔参考例:有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒の製造例〕
500mlのフラスコに、塩化亜鉛10.2gと水10gからなる水溶液を入れ、この水溶液を40℃に保温しつつ、300rpmで撹拌しながら、ここへ4.2gのカリウムヘキサシアノコバルテート(K3[Co(CN)]6)と水75gからなる水溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに混合物を30分撹拌した後、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(以下、EGMTBEと略す。)40g、tert−ブチルアルコール(以下、TBAと略す。)40g、水80g、および0.6gのポリオールXからなる混合物を前記混合物中に添加し、40℃で30分、さらに60℃で60分間撹拌した。得られた反応混合物を、直径125mmの円形ろ板と微粒子用の定量ろ紙(ADVANTEC社製のNo.5C)とを用いて加圧下(0.25MPa)で50分かけてろ過を行い、固体を分離した。
次に、この複合金属シアン化物錯体を含むケーキに18gのEGMTBE、18gのTBA、および84gの水からなる混合物を添加して30分撹拌した後、加圧ろ過(ろ過時間:15分)を行った。ろ過により得られた複合金属シアン化物錯体を含むケーキに、さらに54gのEGMTBE、54gのTBA、および12gの水からなる混合物を添加して30分撹拌し、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体を含むEGMTBE/TBAのスラリーを得た。
このスラリーを5gほどフラスコに秤り取り、窒素気流で概ね乾かした後、80℃で4時間減圧乾燥した。得られた固体を秤量した結果、スラリー中に含まれる複合金属シアン化物錯体の濃度は4.70質量%であることがわかった。
〔5000ml反応器を使用したポリエーテルオールの製造〕
撹拌機付きステンレス製5000mlの耐圧反応器を下記のアルキレンオキシドの重合反応に使用した。
(実施例1)
反応器内に、開始剤として1000gのポリオキシテトラメチレングリコール(Mw1/Mn1=1.95、Mn1=1413、BASF社製、外観:白色固体、融点:36℃)と、上記参考例で調製したスラリー触媒を1100mg(固体触媒成分として50mg)投入した。反応器を窒素置換後、120℃に昇温し、100gのプロピレンオキシドを反応器内に供給して反応させた。反応器内の圧力が低下した後、1000gのプロピレンオキシドを約160g/1時間の速度で反応器内に供給した。6時間30分かけてプロピレンオキシドの供給を終了し、さらに1時間攪拌を続けた。その間、反応器の内温を120℃、撹拌速度を500rpmに保ち反応を進行させた。この反応によって得られたポリエーテルポリオールのMw2/Mn2は1.07であり、Mn2は3340であった。得られたポリエーテルポリオールの外観は常温で透明液状であり、25℃における粘度は700mPa・sだった。なお、粘度は、E型粘度計VISCONIC EHD型(トキメック社製)を用い、No.1ローターを用いて測定した値であり、以下同様である。
(実施例2)
反応器内に、開始剤として1000gのポリオキシテトラメチレングリコール(Mw1/Mn1=2.01、Mn1=2844、保土ヶ谷化学社製、外観:白色固体、融点36℃)と、上記参考例で調製したスラリー触媒を1100mg(固体触媒成分として50mg)投入した。反応器内を、窒素置換後、120℃に昇温し、100gのプロピレンオキシドを反応器内に供給して反応させた。反応器内の圧力が低下した後、550gのプロピレンオキシドを約160g/1時間の速度で反応器内に供給した。3時間30分でプロピレンオキシドの供給を終了し、さらに1時間攪拌を続けた。その間、反応器の内温を120℃、撹拌速度を500rpmに保ち反応を進行させた。この反応によって得られたポリエーテルポリオールのMw2/Mn2は1.19であり、Mn2は4928であった。また得られたポリエーテルポリオールの外観は常温で白色液状であり、25℃における粘度は1960mPa・sだった。
(実施例3)
反応器内に、開始剤として1000gのポリオキシテトラメチレングリコール(Mw1/Mn1=2.01、Mn1=2844、保土ヶ谷化学社製、外観:白色固体、融点36℃)と、上記参考例で調製したスラリー触媒を1100mg(固体触媒成分として50mg)投入した。反応器内を窒素置換後、120℃に昇温し、100gのプロピレンオキシドを反応器内に供給して反応させた。反応器内の圧力が低下した後、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物(重量比でプロピレンオキシド:エチレンオキシド=2:1)900gを、約160g/1時間の速度で反応器内に供給した。5時間40分かけてアルキレンオキシドの供給を終了し、さらに1時間攪拌を続けた。その間、反応器の内温を120℃、撹拌速度を500rpmに保ち反応を進行させた。この反応によって得られたポリエーテルポリオールのMw2/Mn2は1.08であり、Mn2は6471、外観は常温で白色液状、粘度は25℃で1960mPa・sであった。
(実施例4)
開始剤として1,6−ヘキサンジオールの残基を有するポリカーボネートジオール(Mw1/Mn1=2.92、Mn1=2494、商品名:ニッポラン980N、日本ポリウレタン株式会社製、外観:白色固体、融点54℃)1000gと、参考例1で調製したスラリー触媒1100mg(固体触媒成分として50mg)を反応器内に投入した。反応器内を窒素ガスで置換した後、120℃に昇温し、さらに100gのプロピレンオキシドを反応器内に供給して反応させた。反応器内の圧力が低下した後、550gのプロピレンオキシドを約160g/時間の速度でさらに反応器内に供給した。3時間30分でプロピレンオキシドの供給を止め、さらに1時間、約120℃において500rpmの攪拌速度で攪拌を続け、重合反応を進めた。重合反応によって得られたポリオールは、Mw2/Mn2=1.95、Mn2=5311であり、外観は白色固体、融点は49℃であった。
(比較例1)
実施例1に記載した方法と同様の方法を用いてポリエーテルポリオールを製造した。ただし、参考例で調製したスラリー触媒に代えて、NaOH6.3gを重合触媒として用いた。この反応によって得られたポリエーテルポリオールのMw2/Mn2は1.84であり、Mn2は2412であった。また、このポリエーテルの外観は透明液体であり、粘度は25℃において840mPa・sであった。
(比較例2)
実施例2に記載した方法と同様の方法を用いてポリエーテルポリオールを製造した。ただし、実施例2で開始剤として用いたポリオキシテトラメチレングリコールに代えて、ポリプロピレングリコール(Mw1/Mn1=1.18、Mn1=315)を用いた。この反応によって得られたポリエーテルポリオールのMw2/Mn2は1.19であり、Mn2は481であった。また、このポリエーテルポリオールの外観は透明液状であり、粘度は25℃において85mPa・sであった。
(比較例3)
実施例4に記載した方法と同様の方法を用いてポリエーテルポリオールを製造した。ただし、参考例で調整したスラリー触媒に代えて6.3gのNaOHを重合触媒として用いた。この場合、プロピレンオキシドの開環付加重合が円滑に進行せず、反応器内に300gのプロピレンオキシドを供給後に反応器内の圧力が0.8MPaに達したため、プロピレンオキシドの供給を停止して反応器内に残存するプロピレンオキシドを減圧留去した。この重合反応により得られたポリエーテルポリオールのMw2/Mn2は2.88、Mn2は2163、そして外観は白色固体であった。
上記実施例および比較例から明らかなとおり、本発明の方法を用いることにより、分子量分布(Mw2/Mn2)の値が小さく、低粘度、低融点、かつ不飽和成分の含有量が少ないポリエーテル類を製造することができる。

Claims (7)

  1. ポリカーボネートモノオールおよびポリオール、ならびにポリオキシテトラメチレンモノオールおよびポリオールからなる群から選ばれる少なくとも一種を開始剤として用い、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒の存在下に、前記開始剤に対してアルキレンオキシドを開環付加重合するポリエーテル類の製造法であって、前記開始剤の数平均分子量(Mn1)および重量平均分子量(Mw1)、ならびに前記開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合して得られる前記ポリエーテル類の数平均分子量(Mn2)および重量平均分子量(Mw2)の間に以下の関係:
    Mn1=300〜20000;
    Mw1/Mn1≧1.2;
    Mn2/Mn1≧1.5;および
    (Mw2/Mn2)/(Mw1/Mn1)<0.8
    をもたせることを特徴とするポリエーテルの製造法。
  2. 前記複合金属シアン化物錯体触媒が、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、iso−プロピルアルコール、およびジオキサンから選ばれる1種または2種以上を有機配位子として有することを特徴とする、請求項1に記載のポリエーテル類の製造法。
  3. 前記複合金属シアン化物錯体触媒が、開環付加重合直後のポリエーテル類中に、10〜80ppm存在することを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリエーテル類の製造法。
  4. 前記アルキレンオキシドの開環付加重合温度が、30〜180℃である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造法。
  5. 前記アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、オキセタン、スチレンオキシド、テトラヒドロフランの群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造法。
  6. 前記ポリエーテル類は、開始剤に、一種類のアルキレンオキシドを単独重合させるか、二種以上のアルキレンオキシドをブロック共重合および/またはランダム共重合させたポリエーテル類であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造法。
  7. Mn 2 /Mn 1 が、1.5〜5.0である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造法。
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