JP5287246B2 - 天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、開始剤として天然油脂由来ポリオールを用いてポリエーテルポリオールを製造する方法に関する。
一般に、発泡ウレタン、ポリウレタンエラストマー、接着剤、およびシーラント等のポリウレタン製品や機能性油剤の原料として用いられるポリエーテルポリオールは、活性水素原子を有する開始剤に、例えばエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加重合させて製造されている。
これらのポリエーテルポリオール、および該ポリエーテルポリオールとイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタン製品は石油由来の化学製品であるため、最終焼却処理を行うと空気中の炭酸ガスを増やすことになる。
近年では、地球温暖化に対する配慮から、廃棄処分しても自然界の炭酸ガスを増加させない製品が要求されるようになった。
例えば、空気中の炭酸ガスを固定化した化合物である動植物油を原料としてウレタン製品をつくれば、この製品を焼却処分したときに、動植物由来の炭素が燃焼して発生する分の炭酸ガスは、自然界の炭酸ガスを増加させないことは自明の理である。
天然の動植物油の中で水酸基を有するものとしてはヒマシ油、フィトステロールなどがあり、下記特許文献1には、複合金属シアン化錯体触媒の存在下、ヒマシ油および/または変性ヒマシ油を開始剤としてモノエポキシドを開環付加反応させてポリエーテル類を製造する方法が開示されている。しかしながら、ヒマシ油は高価であるため実用化が難しい。
そこで、水酸基を持たない天然油脂に化学反応により水酸基を付加する方法が提案されている。
例えば、下記特許文献2には、天然油脂の二重結合に、酸素およびまたは空気の吹き込みにより水酸基を生成せしめた水酸基含有高分子量化合物およびその誘導体を用い、これとイソシアネートとを反応させることでウレタン製品を製造する方法が記載されている。
また、下記特許文献3には、上記の天然由来油脂の二重結合を酸素およびまたは空気の吹き込み工程により水酸基の付与変性した水酸基含有高分子量化合物を用いて、これにアミン類や水酸化カリウムなどの金属触媒を用いてアルコラート化反応と加水分解反応をした後、生成した油脂由来のカルボキシル基や水酸基にアルキレンオキシドを開環重合することでアルコール性水酸基数を増やすことが示されている。
下記特許文献4には、大豆油の二重結合に過酸化物を作用させてエポキシ化したエポキシ化大豆油を用いて、ポリオキシアルキレンポリオールを製造する方法が記載されている。この方法では、エポキシ化大豆油を過剰のアルコールの存在下で開環することで、水酸基が付与された水酸基付加エポキシ大豆油を得、これを開始剤とし、アニオン触媒である水酸化カリウムを用いて、プロピレンオキシドを反応させた後にエチレンオキシドをブロック共重合させる方法が記載されている。
下記特許文献5には、大豆油の二重結合に特殊な金属触媒の存在下に一酸化炭素と水素を反応させてカルボニルを生成させた後、さらに水素を反応させて1級の水酸基を導入する方法も記載されている。
特開平5−163342号公報 特表2002−524627号公報 米国特許出願公開第2003/0191274号明細書 特開2005−320431号公報 国際公開第2005/033167号パンフレット
特許文献2に記載されているような、酸素およびまたは空気の吹き込みにより水酸基を付与変性した大豆油(一般に、曝気大豆油と呼ばれることもある。)や、特許文献3に記載されているエポキシ化大豆油は、ヒマシ油よりもかなり安価な原料であり、特に曝気大豆油は安価に製造可能である。
しかし、例えば特許文献3に記載されている方法で製造されたポリオキシアルキレンポリオールは、ポリウレタン製造において重要な、イソシアネート化合物との相溶性が充分に得られない場合があるという問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、天然油脂由来の原料を用いて、イソシアネート化合物との相溶性が良好なポリエーテルポリオールを安価に製造できるようにした、天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の要旨を有する。
1.重合触媒の存在下で、開始剤にアルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテルポリオールを製造する方法であって、前記開始剤として、天然油脂に化学反応を用いて水酸基を付与してなり、水酸基価が20〜250mgKOH/gで、且つポリスチレン換算の数平均分子量に対する重量平均分子量の比率(Mw/Mn)が2.0以上である天然油脂由来ポリオールを用い、前記重合触媒が、複合金属シアン化物錯体触媒であり、かつ有機配位子としてtert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、iso−プロピルアルコール、およびジオキサンからなる群から選ばれる1種以上を有することを特徴とする天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
.前記重合触媒が固体触媒成分を含み、かつ前記重合触媒と前記開始剤と前記アルキレンオキシドとを含む重合原料中の該固体触媒成分の含有量が10〜150ppmである、上記に記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
.前記天然油脂由来ポリオールの重量平均分子量(Mw)が1500以上である上記1または2に記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
.前記複合金属シアン化物錯体触媒が亜鉛ヘキサシアノコバルト錯体である上記1〜3のいずれかに記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
.前記アルキレンオキシドがプロピレンオキシドを含む、上記1〜のいずれかに記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
.前記開始剤が、(1)天然油脂に空気または酸素を吹き込むことにより水酸基を生成する方法で得られた天然油脂由来ポリオールである、上記1〜のいずれかに記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
.前記開始剤が大豆油由来である上記1〜のいずれかに記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
本発明によれば、天然油脂由来の原料を用いて、イソシアネート化合物との相溶性が良好なポリエーテルポリオールを安価に製造できる。
本発明において、開始剤および天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算分子量である。具体的には以下の方法で測定される値である。分子量測定用の標準試料として市販されている重合度の異なる数種の単分散ポリスチレン重合体についてのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を、市販のGPC測定装置を使用して測定し、ポリスチレンの分子量と保持時間(リテンションタイム)の関係をもとに検量線を作成する。該検量線を用いて、測定しようとする試料化合物のGPCスペクトルをコンピュータ解析することにより、該試料化合物の数平均分子量および重量平均分子量を求める。かかる測定方法は公知である。
<天然油脂由来ポリオール>
本発明において開始剤として用いられる天然油脂由来ポリオールは、天然油脂に化学反応を用いて水酸基を付与した高分子量体である。
天然油脂は、本来水酸基を有していないものを用いることができ、ヒマシ油および精製したフィトステロール以外の天然油脂が好適に用いられる。ただし、フィストステロールは植物由来ステロールであり、大豆油、菜種油などの植物油に微量含まれている。その範囲の混入に関しては、許されるものとする。
また天然油脂は、不飽和二重結合を有する脂肪酸のグリセリドを含有するものが好ましい。該不飽和二重結合を有する天然油脂の好ましい例としては、亜麻仁油、サフラワー油、大豆油、きり油、ケシ油、菜種油、ゴマ油、米油、椿油、オリーブ油、トール油、パーム油、綿実油、コーン油、魚油、牛脂、豚脂等が挙げられる。
また不飽和結合を利用してOH基を付与するため、ヨウ素価が高い方が、反応性が高く、且つOH基をより多く導入することが可能である点で好ましい。したがって、ヨウ素価が50以上であるものが好ましく、具体例としては、亜麻仁油、サフラワー油、大豆油、きり油、ケシ油、菜種油、ゴマ油、米油、椿油、オリーブ油、トール油、綿実油、コーン油、魚油、豚脂等が挙げられる。さらに、ヨウ素価が100以上であるものが好ましく、具体例としては、亜麻仁油、サフラワー油、大豆油、きり油、ケシ油、菜種油、ゴマ油、米油、トール油、綿実油、コーン油、魚油等が挙げられる。特に大豆油は安価である点で好ましい。
本発明で用いられる天然油脂由来ポリオールは、水酸基価が20〜250mgKOH/gである。ヒマシ油の水酸基価は通常155〜177mgKOH/gであり、ヒマシ油およびフィトステロール以外の天然油脂は水酸基を有していないため水酸基価は10mgKOH/g以下である。水酸基を持たない天然油脂に、化学反応により水酸基を付与することによって、水酸基価を20〜250mgKOH/gとすることができる。該水酸基価が20mgKOH/g未満であると、架橋反応性が乏しく充分な物性が発現しない可能性がある。一方、全ての二重結合を水酸基に変換した場合でも水酸基価をヨウ素価以上にあげることはできない。ヨウ素価の最大値は亜麻仁油の190であるが、反応時に加水分解などがおこり、グリセリドの構成アルコールであるグリセリン由来の水酸基が生成する可能性がある。水酸基価が著しく大きくなることは、グリセリド結合が破壊されることを意味し、分子量が低下して高極性になり相溶性や物性が低下することが懸念される。また,水酸基価が高過ぎると、架橋剤が多く入ることで、柔軟性の低下や植物原料の使用量が少なくなる。これらのことから、本発明における天然油脂由来ポリオールの水酸基価は250mgKOH/g以下であり、30〜200mgKOH/gの範囲がより好ましい。
本発明で用いられる天然油脂由来ポリオールは、分子量分布の指標となる、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比率(Mw/Mn)が1.2以上である。ヒマシ油およびフィトステロールのMw/Mnは1.1以下であるが、ヒマシ油およびフィトステロール以外の天然油脂に化学反応により水酸基を付与すると該Mw/Mnは1.2以上となり、それより小さくすることは現在の技術では難しい。該Mw/Mnは2以上あるのが好ましい。該Mw/Mnの上限値は特に限定されないが、流動性確保の点からは20以下が好ましく、15以下がより好ましい。
本発明における天然油脂由来ポリオールの重量平均分子量(Mw)は相溶性や力学物性の点から1500以上であることが好ましく、1700以上がより好ましく、2000以上がさらに好ましい。該天然油脂由来ポリオールのMwの上限は特に制限されないが、50万以下が好ましく、10万以下が、粘度が低く流動性が良いためにより好ましい。
天然油脂に化学反応により水酸基を付与して天然油脂由来ポリオールを製造する方法は、公知の方法を適宜用いることができる。具体例として、
(1)天然油脂に空気または酸素を吹き込むことにより水酸基を生成する方法(以下、吹き込み法ということもある)、(2)天然油脂をエポキシ化した後にエポキシ環を開環することにより水酸基を生成する方法(以下、エポキシ化後水酸基付与法ということもある)、(3)天然油脂の二重結合に特殊な金属触媒の存在下に一酸化炭素と水素を反応させてカルボニルを生成させた後、さらに水素を反応させて1級の水酸基を導入する方法、
(4)前記(1)の後に(2)または(3)を行う方法
(5)前記(2)または(3)の後に(1)を行う方法が考えられる。
これらの方法の中でも、単独に行う(1)と(2)の方法がコストメリットの点で好ましい。以下、(1)、(2)の方法についてさらに説明する。
[(1)吹き込み法]
天然油脂に空気または酸素を吹き込むことにより、不飽和二重結合間に酸化架橋を生じさせると同時に、水酸基を持たせる方法である。さらにエステル交換反応により多価アルコールを導入してもよい。この方法において、原料として用いる油脂の種類および吹き込み時の酸化状態により、生成物(天然油脂由来ポリオール)の分子量および水酸基価が変化し得る。
大豆油を原料として本方法により製造される天然油脂由来ポリオールの重量平均分子量(Mw)は一般的に1500以上であり、好ましくは5000〜500000であり、より好ましくは、10000〜100000である。Mw/Mnは一般的に2以上であり、好ましくは3〜15である。重量平均分子量の値が低すぎると酸化重合と水酸基の生成が不充分で架橋性が劣り、高すぎると流動性が低下してしまう。
大豆油に吹き込み法により水酸基を付与してなる天然油脂由来ポリオール(以下、曝気大豆油ということもある)の例として、Urethane Soy Systems社製の製品名:Soyolシリーズがある。
[(2)エポキシ化後水酸基付与法]
天然油脂の不飽和二重結合に酸化剤を作用させてエポキシ化した後、カチオン重合触媒を用い、アルコールの存在下で開環させて水酸基を持たせる方法である。酸化剤としては過酢酸などの過酸化物が使用される。
エポキシ化された天然油脂におけるエポキシ当量は、原料として用いる油脂のヨウ素価と、該ヨウ素価に対する酸化剤の使用量比および反応率などによって制御できる。該エポキシ化天然油脂におけるエポキシ当量によって、生成物(天然油脂由来ポリオール)の水酸基価を制御できる。該生成物(天然油脂由来ポリオール)の分子量は、水酸基付与時の開環開始剤であるアルコール量により変動する。アルコールが著しく多い場合には分子量を小さくすることが可能だが、反応効率が悪くコストメリットに乏しい。アルコールが少ない場合にはエポキシ化大豆油分子間の開環付加重合反応が進行し分子量が急激に増大してゲル化する可能性がある。
例えば大豆油をエポキシ化したエポキシ化大豆油は、市販品から入手可能であり、具体的には旭電化工業社製、製品名:エアデカサイザーO−130P等が挙げられる。カチオン重合触媒は、本発明において天然油脂由来ポリオールにアルキレンオキシドを開環重合させる際に用いる重合触媒と同じカチオン重合触媒を用いることができる。例えば三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(BFEtO)を用いることができる。アルコールとしては、例えば脱水したメタノールを用いることができる。エポキシ化大豆油を開環させて水酸基を付与させる反応は、カチオン重合触媒とアルコールとの混合溶液に、エポキシ化大豆油を滴下した後、触媒を吸着ろ過により除去する方法で行うことができる。
エポキシ化大豆油を原料として本方法により製造される天然油脂由来ポリオールの重量平均分子量(Mw)は一般的に1500以上であり、好ましくは1800〜5000である。Mw/Mnは一般的に1.2〜1.9である。
<アルキレンオキシド>
本発明において用いられるアルキレンオキシドは、開環重合可能なアルキレンオキシドであればよく、特に限定されない。
具体例としては、エチレンオキシド(以下、EOということもある)、プロピレンオキシド(以下、POということもある)、スチレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、グリシジルエ−テルおよびグリシジルアクリレ−トなどのグリシジル化合物、およびオキセタンが挙げられる。
本発明において、一種類のアルキレンオキシドのみを用いてもよく、二種類以上のアルキレンオキシドを併用することもできる。二種類以上のアルキレンオキシドを併用する場合は、ブロック重合およびランダム重合のいずれの重合法を用いてもよく、さらにブロック重合とランダム重合の両者を組み合わせて一種のポリエーテルポリオールを製造することもできる。
本発明におけるアルキレンオキシドとして、プロピレンオキシドを含むアルキレンオキシドを用いることが好ましく、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを用いることがより好ましく、プロピレンオキシド/エチレンオキシドの質量比が100/0〜25/75の範囲で用いることがさらに好ましく、特に好ましくは95/5〜50/50の範囲である。
<他の環状化合物>
ポリエーテルポリオールを製造する際に、反応系内にアルキレンオキシド以外の他の環状化合物からなるモノマーを存在させてもよい。
かかる環状化合物としては、ε−カプロラクトンおよびラクチドなどの環状エステル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ネオペンチルカーボネートなどの環状カーボネート類が挙げられる。これらは、ランダム重合することも、ブロック重合することもできる。
特に、植物由来の糖質を発酵して得られる乳酸から誘導されたラクチドを用いると、ポリオール中における非石油系の成分の含有割合(後述のバイオマス度)をより多くできる点で好ましい。
<重合触媒>
本発明では、重合触媒として天然油脂由来のグリセリド構造の加水分解を促進させない触媒を用いる。より好ましい重合触媒は、配位アニオン重合触媒およびカチオン重合触媒から選ばれる1種以上である。さらに好ましい重合触媒は配位アニオン重合触媒である。
[配位アニオン重合触媒]
配位アニオン重合触媒は公知のものを適宜使用できる。特に、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒(以下、DMC(Double Metal Cyanide)触媒ということもある。)が好ましい。
有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体は、公知の製造方法で製造できる。例えば、特開平2003−165836号公報、特開平2005−15786号公報、特開平7−196778号公報、特表2000−513647号公報に記載の方法で製造できる。
具体的には、(イ)水溶液中でハロゲン化金属塩とアルカリ金属シアノメタレ−トとを反応させて得られる反応生成物に有機配位子を配位させ、ついで、固体成分を分離し、分離した固体成分を有機配位子水溶液でさらに洗浄する方法、(ロ)有機配位子水溶液中でハロゲン化金属塩とアルカリ金属シアノメタレ−トとを反応させ、得られる反応生成物(固体成分)を分離し、分離した固体成分を有機配位子水溶液でさらに洗浄する方法などにより製造できる。
該(イ)または(ロ)の方法において、前記反応生成物を洗浄、ろ過分離して得られるケーキ(固体成分)を、ケーキに対して3質量%以下のポリエ−テル化合物を含んだ有機配位子水溶液に再分散し、その後、揮発成分を留去することにより、スラリー状の複合金属シアン化物錯体触媒を調製することもできる。高活性で分子量分布の狭いポリエーテルポリオールを製造するためには、このスラリー状の触媒を用いることが特に好ましい。
該スラリー状の触媒を調製するために用いる前記ポリエーテル化合物としては、ポリエーテルポリオールまたはポリエーテルモノオールが好ましい。具体的には、アルカリ触媒やカチオン触媒を用い、モノアルコールおよび多価アルコールから選ばれる開始剤にアルキレンオキシドを開環重合させて製造した、一分子あたりの平均水酸基数が1〜12であり、数平均分子量が300〜5000であるポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールが好ましい。
また、DMC触媒としては、亜鉛ヘキサシアノコバルト錯体が好ましい。
DMC触媒における有機配位子としては、アルコ−ル、エ−テル、ケトン、エステル、アミン、アミドなどが使用できる。
好ましい有機配位子としては、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(グライムともいう。)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライムともいう。)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライムともいう。)、iso−プロピルアルコール、又はジオキサンが挙げられる。ジオキサンは、1,4−ジオキサンでも1,3−ジオキサンでもよいが、1,4−ジオキサンが好ましい。有機配位子は1種でもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうちでも、有機配位子としてtert−ブチルアルコ−ルを有することが好ましい。したがって、有機配位子の少なくとも一部としてtert−ブチルアルコ−ルを有する複合金属シアン化物錯体触媒を用いることが好ましい。このような有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒は高活性が得られ、総不飽和度の低いポリエーテルポリオールを製造することができる。高活性の複合金属シアン化物錯体触媒を少量用いてアルキレンオキシドを開環重合して得られる精製前のポリエーテル類は触媒残渣が少なく、従って精製後のポリエーテル類の触媒残渣をより少なくすることができる。
[カチオン重合触媒]
カチオン重合触媒としては、例えば、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、金属アセチルアセトネート、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素配位化合物(たとえば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物など);過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの無機および有機酸;有機酸の金属塩;トリエチルオキソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラフロロボレートなどの複合塩化合物;ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライドなどのアルキル金属塩;ヘテロポリ酸、イソポリ酸;MoO(diketonate)Cl、 MoO(diketonate)OSOCF;フッ素元素を含有する芳香族炭化水素基またはフッ素元素を含有する芳香族炭化水素オキシ基を少なくとも1個有するアルミニウムまたはホウ素化合物、などが挙げられる。
その中でも特に、MoO(diketonate)Cl、 MoO(diketonate)OSOCF、トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、および、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物などの三フッ化ホウ素配位化合物が好ましい。
また、本発明ではカチオン重合触媒として、フッ素元素を含有する芳香族炭化水素基またはフッ素元素を含有する芳香族炭化水素オキシ基を少なくとも1個有するアルミニウムまたはホウ素化合物が好ましい。フッ素元素を含有する芳香族炭化水素基としては、ペンタフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)トリフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、β−ペルフルオロナフチル、2,2’,2’’−ペルフルオロビフェニルからなる群から選択される、一種以上が好ましい。フッ素元素を含有する芳香族炭化水素オキシ基としては、前記フッ素元素を含有する芳香族炭化水素基に酸素元素が結合した炭化水素オキシ基が好ましい。
フッ素元素を含有する芳香族炭化水素基またはフッ素元素を含有する芳香族炭化水素オキシ基を少なくとも1個有するアルミニウムまたはホウ素化合物としては、例えば、特開2000−344881号公報、特開2005−82732号公報、または国際公開03/000750号パンフレットに記載されているルイス酸としてのホウ素化合物、アルミニウム化合物が好ましい。あるいは、特開2003−501524号公報または特開2003−510374号公報に記載されているオニウム塩であるホウ素化合物、アルミニウム化合物が好ましい。
前記ルイス酸の具体例としては、トリス(ペンタフロロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフロロフェニル)アルミニウム、トリス(ペンタフロロフェニルオキシ)ボラン、トリス(ペンタフロロフェニルオキシ)アルミニウム、などが挙げられる。これらのうち、トリス(ペンタフロロフェニル)ボランはアルキレンオキシドの開環重合に対する触媒活性が大きく、特に好ましい触媒である。
オニウム塩の対カチオンとしては、トリチルカチオンまたはアニリニウムカチオンが好ましく、オニウム塩としては、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートまたはN,N‘−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが特に好ましい。
[その他天然油脂由来のグリセリド構造の加水分解を促進させない触媒]
上記配位アニオン重合触媒およびカチオン重合触媒以外の、天然油脂由来のグリセリド構造の加水分解を促進させない触媒としては、フォスファゼニウム触媒を挙げることができる。フォスファゼニウム触媒は、公知の方法、例えば特開平11−106500号公報に記載されている方法で得ることができる。
具体的には、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド等が挙げられる。
<ポリオールの製造方法>
本発明では、反応容器内で重合触媒の存在下、開始剤にアルキレンオキシドを開環重合してポリエーテルポリオールを製造する。アルキレンオキシドの開環重合反応は公知の手法を適宜用いて行うことができる。
具体的には、まず撹拌機および冷却ジャケットを備えた耐圧反応器に、開始剤を投入し、重合触媒を添加する。次いで開始剤と重合触媒との混合物に、アルキレンオキシドを投入して反応させることによりポリエーテルポリオールを製造する。
本発明においては、一種類のアルキレンオキシドを開始剤に単独重合させてもよく、二種以上のアルキレンオキシドをブロック重合および/またはランダム重合させてもよい。
重合反応に用いる重合触媒の量は、アルキレンオキシドの開環重合に必要な量であればいかなる量でもよいが、できるだけ少量であることが好ましい。
以下、重合触媒として(1)DMC触媒等の配位アニオン重合触媒を使用する場合と、(2)カチオン重合触媒を使用する場合とに分けて説明する。
(1)配位アニオン重合触媒を用いる場合は、重合反応に用いる重合触媒の量が少ないほど、生成物であるポリエーテルポリオールに含まれる重合触媒の量を少なくできる。それにより、重合反応によって得られるポリエーテルポリオールの、ポリイソシアネートとの反応性や、このポリエーテルポリオールを原料として用いて製造されるポリウレタン製品や機能性油剤などの物性に対する重合触媒の影響を少なくできる。
通常は、開始剤へのアルキレンオキシドの開環重合反応の後、得られたポリエーテルポリオールから重合触媒を除去する操作を行うが、上記のようにポリエーテルポリオールに残存する重合触媒の量が少なく、かつ、その後に悪影響を及ぼさない場合は、重合触媒を除去する工程を行わずに、得られたポリエーテルポリオールを用いる次の工程へ供することができるため、ポリエーテルポリオールの生産効率を高めることができる。
アルキレンオキシドの重合反応を行う際の重合触媒の使用量は、前記重合触媒が固体触媒成分を含み、かつ該重合触媒中の固体触媒成分(スラリー触媒中のポリエーテル化合物や過剰な配位子などを除いた成分)の、前記重合触媒と前記開始剤と前記アルキレンオキシドとを含む重合原料中(重合直後の重合体中)の含有量が質量基準で10〜150ppmであるように設定することが好ましく、より好ましくは20〜120ppmである。該重合原料中に含まれる重合触媒の固体触媒成分を10ppm以上にすることにより充分な重合触媒活性が得られ、さらに150ppm以下で充分な重合活性が得られるためにそれ以上量の触媒成分を用いても経済的ではない。ただし、得られる重合体に対して150ppm以上の固体触媒成分を含む触媒を用いても問題はない。
アルキレンオキシドの開環重合温度は、30〜180℃が好ましく、70〜160℃が好ましく、90〜140℃が特に好ましい。重合温度が30℃以下ではアルキレンオキシドの開環重合が開始しない場合があり、また180℃以上では重合触媒の重合活性が低下する場合がある。
アルキレンオキシドの重合反応終了後、得られた反応生成物中に含まれる重合触媒を除去する場合、その方法としては、たとえば、合成珪酸塩(マグネシウムシリケート、アルミニウムシリケートなど)、イオン交換樹脂および活性白土などから選ばれる吸着剤を用いて触媒を吸着し、さらに吸着剤を濾過によって除去する方法が好ましい。その他にアミン、アルカリ金属水酸化物、有機酸、および鉱酸から選ばれる中和剤を用いて触媒を中和し、さらに濾過によって除去する方法などが挙げられる。加水分解が進行しない点で前者の吸着剤を用いる方法が好ましい。
(2)カチオン重合触媒を用いてポリエーテルポリオールを製造する方法において、特に(2−1)アルキレンオキシドが炭素数3以上である場合に、カチオン重合触媒としてフッ素置換フェニル基またはフッ素置換フェノキシ基を少なくとも1個有するアルミニウムまたはホウ素化合物からなる群から選択される1種以上を用いる方法が好ましい。
該(2−1)の方法において、カチオン重合触媒の使用量は、開始剤に対して10〜120ppmが好ましく、20〜100ppmがより好ましい。得られるポリエーテルポリオールの精製およびコストの点から触媒使用量は少ないほど好ましいが、カチオン触媒使用量を10ppm以上にすることにより、適度に速いアルキレンオキシド重合速度が得られる。
特に、開始剤の水酸基1個当たりの平均で、1〜30個、さらには1〜20個、特に2〜15個のアルキレンオキシドを開環重合させることが好ましい。開始剤の水酸基1個当たりに付加するアルキレンオキシドを2個以上にすることによって、得られるポリエーテルポリオールの全末端水酸基に占める1級水酸基の割合を45%よりさらに高くしやすい。しかも多量体副生物の量もより少なく抑えられる。
該(2−1)の方法において、反応は、反応容器を冷却することと合わせて、反応容器内へのアルキレンオキシドの供給速度を調節することによって、反応容器内温を所望の温度に保ちながら行うことが好ましい。反応容器内の温度は、通常−15〜140℃、好ましくは0〜120℃、特に好ましくは20から90℃である。重合時間は通常0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間である。
上記(1)配位アニオン重合触媒を使用する場合および(2)カチオン重合触媒を使用する場合に共通して、アルキレンオキシドの重合反応は、良好な撹拌条件下で行うことが好ましい。一般的な撹拌翼を用いる撹拌法を用いる場合は、反応液に気相部のガスが多量に取り込まれて撹拌効率が低下することがない範囲で、撹拌翼の回転速度をできるだけ速くすることが好ましい。また、アルキレンオキシドの重合反応において、得られる重合体の分子量分布を狭くできる点では、反応容器内へのアルキレンオキシドの供給速度はできるだけ遅くすることが好ましい。一方、遅すぎると生産効率が低下するため、これらを比較衡量してアルキレンオキシドの供給速度を設定することが好ましい。
アルキレンオキシドの重合反応は、反応溶媒を用いて行うこともできる。好ましい反応溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、およびシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、およびキシレン等の芳香族炭化水素;ならびに、クロロホルムおよびジクロロメタン等のハロゲン系溶媒が例示できる。また、溶媒の使用量は特に制限されるものではなく、所望する量の溶媒を用いることができる。
また、得られたポリエーテルポリオールに酸化防止剤、防食剤などを添加して、長期間の貯蔵中における劣化を防止することもできる。
こうして得られる本発明の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールは、天然油脂由来の開始剤を用いて製造されたものであり、環境的に好ましい。また後述の実施例に示されるように、イソシアネート化合物との相溶性が良好であるため、ポリウレタンの原料として好適である。さらに開始剤として天然油脂に化学反応を用いて水酸基を付与したものを用いるため、原料コストを安価に抑えることができる。したがって、天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールを安価に製造することができる。
また後述の実施例に示されるように、他のポリオール化合物との良好な相溶性も得られるため、ポリオールをブレンドして用いる用途にも好適である。
さらに、ウレタン硬化フィルムの製造にも用いることができ、柔軟性・強靭性が良好なフィルムを得ることができる。
〔ポリエーテルポリオールの用途〕
本発明の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールは、ポリイソシアネート化合物と反応させてポリウレタン樹脂、エラストマー、接着剤、およびシーラント等を製造するための原料として好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;およびこれらのポリイソシアネート化合物の変性体が挙げられる。
本発明の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールを含む原料とポリイソシアネート化合物とを反応させて、フォーム、エラストマー、シーリング材、接着剤などのポリウレタン製品を作ることができる。
また、本発明の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールは、界面活性剤および機能性油剤などの用途にも用いることができ、さらに、ポリマー微粒子を含むポリマー分散ポリエーテルポリオールの原料としても用いることができる。
本発明の方法を用いて製造されるポリエーテルポリオールを上述のような各種用途に用いる場合、該ポリエーテルポリオールの重量平均分子量は1500〜50万が好ましく、2000〜10万がより好ましく、2000〜2万が特に好ましい。
以下に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[開始剤A]
大豆油を原料とし、吹き込み法により製造された天然油脂由来ポリオールとして、Urethane Soy Systems社製、 商品名:Soyol R2−052Fを用いた。この天然油脂由来ポリオールについて実測した水酸基価は45.3[mgKOH/g]、酸価は4.3[mgKOH/g]、Mn(数平均分子量)は1578、Mw(重量平均分子量)は6562で、Mw/Mnの比率は4.16であった。この天然油脂由来ポリオールを開始剤Aとする。
[開始剤B]
大豆油を原料とし、エポキシ化後水酸基付与法により天然油脂由来ポリオールを調製した。まず、エポキシ化大豆油(旭電化工業社製、商品名:エアデカサイザーO−130P)の232gを、カチオン重合触媒であるBFEtOの3gと、脱水したメタノール380mlの混合溶液に、室温にて2時間かけて滴下した。これに、触媒を除去する目的で、協和化学工業製の合成酸化マグネシウム塩基吸着剤(製品名:キョウワード600S)を添加して室温でさらに2時間撹拌した。この後、加圧ろ過し、さらに95℃減圧にて脱メタノールを行って天然油脂由来ポリオールを得た。得られた天然油脂由来ポリオールの水酸基価は169[mgKOH/g]、酸価は1.1[mgKOH/g]、Mwは2299、Mnは1720、Mw/Mnは1.34であった。この天然油脂由来ポリオールを開始剤Bとする。
[参考例1:DMC−TBA触媒の調製]
重合触媒として、tert−ブチルアルコールが配位した亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体(DMC触媒)と、ポリエーテルポリオールPからなる混合物スラリーを、下記の方法で調製した。該スラリー中に含まれるDMC触媒(固体触媒成分)の濃度(有効成分濃度)は5.33質量%である。
塩化亜鉛10.2gと水10gからなる水溶液を500mLのフラスコに入れた。カリウムヘキサシアノコバルテート(KCo(CN))4.2gと水75gからなる水溶液を、300rpm(回転数/分)で撹拌しながら30分間かけて前記フラスコ内の塩化亜鉛水溶液に滴下して加えた。この間、フラスコ内の混合溶液を40℃に保った。カリウムヘキサシアノコバルテート水溶液の滴下終了後、フラスコ内の混合物をさらに30分撹拌した後、tert−ブチルアルコール(以下、TBAと略す。)の80g、水の80g、および下記ポリオールPの0.6gからなる混合物を添加し、40℃で30分間、さらに60℃で60分間撹拌した。
前記ポリオールPは、プロピレングリコールにKOH触媒を用いてプロピレンオキシドを付加重合し、脱アルカリ精製した、水酸基当量が501のポリオキシプロピレンジオールである。
こうして得られた混合物を、直径125mmの円形ろ板と微粒子用の定量ろ紙(ADVANTEC社製のNo.5C)とを用いて加圧下(0.25MPa)で濾過を行い、複合金属シアン化物錯体を含む固体(ケーキ)を分離した。
次いで、得られた複合金属シアン化物錯体を含むケーキをフラスコに移し、TBA36gおよび水84gの混合物を添加して30分撹拌後、上記と同じ条件で加圧濾過を行ってケーキを得た。得られたケーキをフラスコに移し、さらにTBA108gおよび水12gの混合物を添加して30分撹拌し、TBA−水混合溶媒に複合金属シアン化物錯体触媒(DMC触媒)が分散された液(スラリー)を得た。このスラリーに上記のポリオールPを120g添加混合した後、減圧下、80℃で3時間、さらに115℃で3時間、揮発性成分を留去して、スラリー状のDMC触媒(DMC−TBA触媒)を得た。
〔ポリエーテルポリオールの製造〕
(実施例1)
開始剤として上記開始剤Aを用い、重合触媒として参考例1のDMC触媒を用い、表1に示す配合および反応条件でポリエーテルポリオールを製造した。表における反応時間は、アルキレンオキシドの供給開始から、反応器内の圧力降下がなくなるまでの時間を示す(以下、同様。)。
すなわち、撹拌機付きステンレス製500mlの耐圧反応器を反応器として使用し、反応器内に開始剤Aの248.2gと、上記参考例1で調製したDMC−TBA触媒の682mg(固体触媒成分として36mg)を投入した。反応器内を窒素置換後、120℃に昇温し、真空脱水を2時間実施した。この後、プロピレンオキシドの24.1gとエチレンオキシドの12.2gとの混合液を加圧タンクに調整し、この全量を40分かけて反応器内に供給し、さらに2時間30分撹拌を続け、圧力降下がなくなるのを確認した。その間、反応器の内温を120℃、撹拌速度を500rpmに保ち反応を進行させた。
この反応によって得られたポリエーテルポリオールの外観は常温で透明液状であった。
該ポリエーテルポリオールの特性値(Mw、Mn、Mw/Mn、水酸基価、およびバイオマス度)を表1に示す。実施例1の重合原料組成から算出される重合原料中のDMC−TBA触媒に含まれる固体触媒成分の含有量は質量基準で112ppmであった。
ポリエーテルポリオールのバイオマス度とは、該ポリエーテルポリオール中における非石油系の成分の含有割合の指標となるもので、以下の実施例および比較例では、ポリエーテルポリオールを構成する原料(開始剤およびモノマー)の合計質量に対する、開始剤の質量の割合(単位:%)として算出した。この値が大きいほど天然由来成分の含有割合が多いことを示す。
本例において水酸基価は43.8であり、原料収支から予想される水酸基価(=43.3)の1.01倍であった。
(比較例1)
開始剤として上記開始剤Aを用い、重合触媒としてKOHを用い、表1に示す配合および反応条件でポリエーテルポリオールを製造した。
実施例1と同じ反応器内に、開始剤Aの215.8gと、重合触媒としてKOH(濃度95質量%品)を6.25g仕込み、120℃に昇温し、真空脱水を2時間実施してアルコラート化を行った。この後、プロピレンオキシドの20.9gとエチレンオキシドの10.6gとの混合液を3時間かけて反応器内に供給し、さらに120℃で7時間反応させ、圧力降下がなくなるのを確認した。反応終了後に、触媒を除去する目的で上記キョウワード600S(製品名、合成酸化マグネシウム塩基吸着剤)を生成量の5質量%添加し、120℃で水分を真空留去しながら2時間かけて触媒を吸着除去した。
こうして得られたポリエーテルポリオールの特性値を表1に示す。
[組成物の調製およびフィルムの成形]
実施例1および比較例1で得られたポリエーテルポリオールをそれぞれ用い、表1に示す配合で組成物を調製した。表の相溶性は、該組成物をガラス板に5滴滴下し硬化乾燥させ、硬化物の透明性を目視によって評価し、○(良好)は、硬化物が透明であることを意味し、×(不良)は、硬化物に濁りがあることを意味する。
すなわち、ポリエーテルポリオールの10gに、硬化触媒としてDBTDL(ジブチルチンジラウリレート)の1質量部をメチルエチルケトン(MIBK)100質量部で希釈した溶液の0.2gを添加した後、イソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体である旭化成株式会社製、製品名:デュラネート TPA−100(NCO含有量:23.1質量%)を、NCO/OH(当量比)=1となるように添加して混ぜた。
こうして調製した組成物において、実施例1で得られたポリエーテルポリオールは良好な相溶性を示したが、比較例1で得られたポリエーテルポリオールは相溶性が悪く、組成物が濁ってしまった。
得られた組成物におけるバイオマス度を表1に示す。該組成物のバイオマス度とは、生成物中における非石油系の成分の含有割合の指標となるもので、以下の実施例および比較例では、該組成物を構成する原料(ポリエーテルポリオールおよびイソシアネート化合物)の合計質量のうちの、開始剤の質量の割合(単位:%)として算出した。
得られた組成物を、120μm間隔のアプリケーターを用いてOPP(延伸ポリプロピレン)フィルムからなる基材上に塗布してフィルムを作製したところ、実施例1のポリエーテルポリオールを含有する組成物は透明なフィルムが形成された。得られたフィルムの伸度および破断強度を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。表のフィルム成形の評価欄の○(良好)は、フィルムのレベリング性が良好であることを意味し、×(不良)は、フィルムにハジキ(eye hole)や集合分離等の異常が生じたことを意味する。一方、比較例1のポリエーテルポリオールを含有する組成物からなるフィルムは脆すぎて基材から正常に剥がすことができなかった。
フィルムの伸度および破断強度の測定方法は、フィルムをJIS K−6251−3に規定されているダンベル形状に打ち抜き、東洋ボールドウィン社製、引っ張り試験機SS−207D−UA(製品名)を用いて、引っ張り速度10mm/minにて破断強度を測定した。また標線間距離の変化より伸度%を測定した。
Figure 0005287246
表1の結果より、開始剤が、互いに同じ大豆油由来のポリオールであっても、重合触媒としてKOHを用いた比較例1では、得られたポリエーテルポリオールのイソシアネート化合物との相溶性が悪く、フィルム成形に使用できなかった。一方、DMC触媒を用いて得られた実施例1のポリエーテルポリオールは、イソシアネート化合物との相溶性が良好であり、フィルム成形にも良好に適用できた。
(実施例2)
開始剤として上記開始剤Aを用い、重合触媒としてDMC触媒を用い、表2に示す配合および反応条件でポリエーテルポリオールを製造した。本例が実施例1と大きく異なる点はアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドを用いず、プロピレンオキシドのみを用いた点である。
実施例1と同じ反応器内に、開始剤Aの120gと、実施例1と同じDMC−TBA触媒の600mg(固体触媒成分として32mg)を投入した。反応器を窒素置換後、120℃に昇温し、真空脱水を2時間実施した。この後、プロピレンオキシドの24gを反応器内に供給して反応させた。反応器内の圧力が低下した後、122.8gのプロピレンオキシドを4時間かけて反応器内に供給して反応させた後、1時間撹拌を続け、圧力降下がなくなるのを確認した。その間、反応器の内温を120℃、撹拌速度を500rpmに保ち反応を進行させた。
この反応によって得られたポリエーテルポリオールの外観は常温で透明液状であった。該ポリエーテルポリオールの特性値(Mw、Mn、Mw/Mn、水酸基価、およびバイオマス度)を表2に示す。実施例2の重合原料組成から算出される重合原料中のDMC−TBA触媒に含まれる固体触媒成分の含有量は質量基準で112ppmであった。
(比較例2)
開始剤として上記開始剤Aを用い、重合触媒としてKOHを用い、表2に示す配合および反応条件でポリエーテルポリオールを製造した。本例が比較例1と大きく異なる点はアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドを用いず、プロピレンオキシドのみを用いた点である。
実施例1と同じ反応器内に、開始剤Aの120gと、比較例1と同じKOHの6.4gを仕込み、120℃に昇温し、真空脱水を2時間実施してアルコラート化を行った。この後、プロピレンオキシドの24.2gを反応器内に供給して反応させた。反応器内の圧力が低下した後、122.6gのプロピレンオキシドを3時間50分かけて反応器内に供給し、さらに120℃で40分反応させ、圧力降下がなくなるのを確認した。反応終了後に、触媒を除去する目的で比較例1と同じ合成酸化マグネシウム塩基吸着剤を生成量の5質量%添加し、120℃で水分を真空留去しながら2時間かけて触媒を吸着除去した。
こうして得られたポリエーテルポリオールの特性値を表2に示す。
[組成物の調製および他のポリオールとの混合]
実施例2および比較例2で得られたポリエーテルポリオールをそれぞれ用い、表2に示す配合で、実施例1と同様にして組成物を調製した。ただし実施例2および比較例2では、イソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体(ヌレート体の部分変性体)である旭化成株式会社製、製品名:デュラネートTSA−100(NCO含有量:20.1質量%)を、NCO/OH(モル比)=1となるように添加した。
こうして調製した組成物において、実施例2で得られたポリエーテルポリオールは良好な相溶性を示したが、比較例2でポリエーテルポリオールは相溶性が悪く、組成物が濁ってしまった。得られた組成物におけるバイオマス度を表2に示す。
実施例2および比較例2で得られた各ポリエーテルポリオールと、他のポリエーテルポリオールとの相溶性をそれぞれ調べた。
すなわち、ウレタン製造によく用いられる3官能ポリオールの例として、グリセリンにKOH触媒を用いてプロピレンオキシドを開環重合して分子量を700にしたポリエーテルポリオールを用い、これと実施例2(または比較例2)で得られたポリエーテルポリオールを質量比1/1で混合した時の相溶性を調べた。その結果、実施例2のポリオールは良好な相溶性を示したが、比較例2は相溶性が悪く、濁ってしまった。
Figure 0005287246
表2の結果より、開始剤が、互いに同じ大豆油由来のポリオールであっても、重合触媒としてKOHを用いた比較例2では、得られたポリエーテルポリオールのイソシアネート化合物との相溶性が悪く、3官能ポリオールとの相溶性も悪かった。これに対して、DMC触媒を用いて得られた実施例2のポリエーテルポリオールは、イソシアネート化合物との相溶性が良好であり、他のポリエーテルポリオール(3官能ポリオール)との相溶性も良好であった。
(実施例3)
開始剤として上記開始剤Bを用い、重合触媒としてDMC触媒を用い、表3に示す配合および反応条件でポリエーテルポリオールを製造した。本例ではアルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを用いた
実施例1と同じ反応器内に、開始剤Bの30gと、実施例1と同じDMC−TBA触媒の125.1mg(固体触媒成分として7mg)を投入した。反応器内を窒素置換後、120℃に昇温し、真空脱水を2時間実施した。この後、プロピレンオキシドの6.7gを反応器内に供給して反応させた。反応器内の圧力が低下した後、30gのプロピレンオキシドを1時間かけて反応器内に供給した。さらに1時間撹拌を続けた。その間、反応器の内温を120℃、撹拌速度を500rpmに保ち反応を進行させた。
この反応によって得られたポリエーテルポリオールの特性値を表3に示す。本例において水酸基価は82.2であり原料収支から予想される水酸基価76.5の1.07倍であった。実施例3の重合原料組成から算出される重合原料中のDMC−TBA触媒に含まれる固体触媒成分の含有量は質量基準で100ppmであった。
(比較例3)
開始剤として上記開始剤B用い、重合触媒としてKOHを用い、表3に示す配合および反応条件でポリエーテルポリオールを製造した。
実施例1と同じ反応器内に、開始剤Bの30gと、比較例1と同じKOHの0.25gを仕込み、120℃に昇温し、真空脱水を2時間実施してアルコラート化を行った。この後、プロピレンオキシドの全量36.7gを8時間かけて反応器内に供給し、さらに120℃で1時間反応させ、圧力降下がなくなるのを確認した。反応終了後に、触媒を除去する目的で比較例1と同じ合成酸化マグネシウム塩基吸着剤を生成量の5質量%添加し、120℃で水分を真空留去しながら2時間かけて触媒を吸着除去した。
こうして得られたポリエーテルポリオールの特性値を表3に示す。
[組成物の調製およびフィルムの成形]
実施例3および比較例3で得られたポリエーテルポリオールをそれぞれ用い、表3に示す配合で、実施例1と同様にして組成物を調製した。イソシアネート化合物としては、実施例1と同じTPA−100を、NCO/OH(モル比)=1となるように添加した。
こうして調製した組成物において、実施例3および比較例3で得られたポリエーテルポリオールはいずれも相溶性に問題はなかった。得られた組成物におけるバイオマス度を表3に示す。
得られた組成物を用い、実施例1と同様にしてフィルムを作製したところ、いずれも透明なフィルムが形成された。該フィルムの伸度および破断強度の測定結果を表3に示す。
Figure 0005287246
表3の結果より、実施例3と比較例3とで相溶性に顕著な差は生じなかったものの、比較例3は実施例3に比べて、フィルムの破断強度が劣っていた。
本発明によれば、天然油脂由来の原料を用いて、イソシアネート化合物との相溶性が良好なポリエーテルポリオールを安価に製造できる。本発明の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールは、ポリイソシアネート化合物と反応させてポリウレタン樹脂、発泡体エラストマー、接着剤、およびシーラント等を製造するための原料として有用である。

なお、2006年9月27日に出願された日本特許出願2006−262244号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (7)

  1. 重合触媒の存在下で、開始剤にアルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテルポリオールを製造する方法であって、
    前記開始剤として、天然油脂に化学反応を用いて水酸基を付与してなり、水酸基価が20〜250mgKOH/gで、かつポリスチレン換算の数平均分子量に対する重量平均分子量の比率(Mw/Mn)が2.0以上である天然油脂由来ポリオールを用い、
    前記重合触媒が、複合金属シアン化物錯体触媒であり、かつ有機配位子としてtert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、iso−プロピルアルコール、およびジオキサンからなる群から選ばれる1種以上を有することを特徴とする天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
  2. 前記重合触媒が固体触媒成分を含み、かつ前記重合触媒と前記開始剤と前記アルキレンオキシドとを含む重合原料中の該固体触媒成分の含有量が10〜150ppmである、請求項1に記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
  3. 前記天然油脂由来ポリオールの重量平均分子量(Mw)が1500以上である請求項1または2に記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
  4. 前記複合金属シアン化物錯体触媒が亜鉛ヘキサシアノコバルト錯体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
  5. 前記アルキレンオキシドがプロピレンオキシドを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
  6. 前記開始剤が、(1)天然油脂に空気または酸素を吹き込むことにより水酸基を生成する方法で得られた天然油脂由来ポリオールである、請求項1〜のいずれか一項に記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
  7. 前記開始剤が大豆油由来である、請求項1〜のいずれか一項に記載の天然油脂由来物含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
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