JP4239691B2 - 椅子式マッサージ機 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子式マッサージ機に関し、特に座面前方に位置して脹脛を支えるレッグレストにマッサージ手段を設けた椅子式マッサージ機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、座面、背もたれを備えた椅子の座面前方に、マッサージ手段を備えた上下に回動可能なレッグレストを有する椅子式マッサージ機は広く知られている。
【０００３】
また座面、背もたれを備えた椅子の座面の前方に、マッサージ手段を備えたレッグレスト及びマッサージ手段を備えたフットレストを有し、レッグレストは上下に回動しながらフットレストは常に略水平状態を維持できるようにしたマッサージ機も広く知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
また脹脛用マッサージ手段と足裏用マッサージ手段を備え、脹脛用マッサージ手段に対する足裏用マッサージ手段の位置を任意に調節できるようにしたものも提供されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００２−２３８９６３号公報
【０００６】
【特許文献２】
特開２００１−９５８６７号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
一般にマッサージにおいては、被施療者の体型、疲労の部位などによりマッサージする位置を調節するものであるが、特許文献１で示されているようなマッサージ機においては、使用者毎の下肢の長さの差異に合わせてマッサージ手段の位置を調節することができず、下腿が短い使用者の場合は足裏用のマッサージ手段まで届かず、十分なマッサージ効果が得られない場合があった。
【０００８】
また特許文献２に示すようなマッサージ機においては、脹脛用マッサージ手段に対し足裏用マッサージ手段を離して配置させた場合には、施療位置が分割されるため、スムーズな血流が得られず、十分なマッサージ効果が得られなかった。
【０００９】
さらに上記従来例において共通する問題として、座面に対するレッグレストの位置を調節できないため、大腿部の長さが座面に対して長い使用者の場合はレッグレストを水平近くまで回動させた際に膝関節周辺が圧迫・揉捏・打撃を受けることになり、使用者が痛みを感じたり、腱を傷める危険性があった。
【００１０】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、使用者の体型によらず下腿から足首を経て足先まで及び足裏に良好なマッサージ効果が得られる椅子式マッサージ機を提供することを課題とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項１の椅子式マッサージ機は、椅子の座面の前方に上下に回動可能に取り付けられて座面への着座者の脹脛を支持するレッグレストと、レッグレストの先端に回動可能に取り付けられて座面への着座者の足首から足先までの間及び足裏を支持するフットレストを備え、レッグレスト及びフットレストにマッサージ手段を備えた椅子式マッサージ機において、座面の前部にベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにレッグレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられてレッグレストは座面に対する距離が調節可能とされ、フットレストがレッグレストに回動可能に取り付られると共に、フットレストの座面に対する角度を一定に保つ機構が設けられることで、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず常に略水平に維持され、且つ、レッグレストとフットレストの距離が一定に保たれるものであって、上記フットレストの座面に対する角度を一定に保つ機構として、座面の下方及びフットレストにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられていることを特徴とする。
【００１２】
上記のようにマッサージ手段を有するレッグレスト及びフットレストを備え、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず、略水平に維持するものであるから、レッグレストが略垂直の時は脹脛及び足裏の施療を行うことができ、レッグレストが略水平の時はレッグレストとフットレストが略一直線状に並ぶことから、脹脛から足首まで広い範囲にわたって施療を行うことができる。さらにレッグレストは座面に対する距離が調節可能であるため、使用者の下肢の長さに応じて最適な施療を行うことができる。例えば先の発明が解決しようとする課題で述べたようなフットレストマッサージ手段に足裏が届かなかったような下肢が短い使用者の場合は、レッグレストと座面との距離を近付けることで足裏をフットレストに届かせて施療を行うことができ、大腿部が座面に対して長い使用者の場合は、レッグレストと座面との距離を遠くすることでレッグレストを水平近くまで回動させた際に膝関節付近が圧迫・揉捏・打撃を受けることがなくなるため、使用者が痛みを感じたり腱を傷めたりすることがなくなり、高い安全性が得られる。また、座面の下方及びフットレストにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられており、レッグレストの角度、位置によらずフットレストを略水平に支持するための機構が単純なリンク機構で構成されるため、安価であり容易に補修できる。
【００１３】
また請求項２の椅子式マッサージ機は、椅子の座面の前方に上下に回動可能に取り付けられて座面への着座者の脹脛を支持するレッグレストと、レッグレストの先端側に回動可能に取り付けられて座面への着座者の足首から足先までの間及び足裏を支持するフットレストを備え、レッグレスト及びフットレストにマッサージ手段を備えた椅子式マッサージ機において、座面の前部にレッグレストのベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにレッグレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられ、レッグレストにフットレストのベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにフットレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられることで、レッグレスト及びフットレストは座面に対する距離が夫々独立して調整可能に設けられ、フットレストのベースフレームの座面に対する角度を一定に保つ機構が設けられることで、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず常に略水平に維持されるものであって、前記フットレストのベースフレームの座面に対する角度を一定に保つ機構として、座面の下方及びフットレストのベースフレームにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられていることを特徴とする。
【００１４】
上記のようにマッサージ手段を有するレッグレスト及びフットレストを備え、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず、略水平に維持するものであるから、レッグレストが略垂直の時は脹脛及び足裏の施療を行うことができ、レッグレストが略水平の時はレッグレストとフットレストが略一直線状に並ぶことから、脹脛から足首まで広い範囲にわたって施療を行うことができる。さらにレッグレストは座面との距離を調節可能であるため、使用者の下肢の長さに応じて最適な施療を行うことができる。さらにレッグレスト及びフットレストの座面に対する距離が夫々独立して調節可能であるから、使用者の体型、疲労の部位に合わせてマッサージ手段の位置をより適合させることができ、高いマッサージ効果が得られる。また、座面の下方及びフットレストのベースフレームにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられており、レッグレストの角度、位置によらずフットレストを略水平に支持するための機構が単純なリンク機構で構成されるため、安価であり容易に補修できる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の実施の形態の一例を図１、図２により説明する。椅子１は座面２、背もたれ３、肘掛け４、レッグレスト５、フットレスト６により構成されている。レッグレスト５は座面２への着座者の脹脛を支持するものであり、フットレスト６は座面２への着座者の足首から足先までの間及び足裏を支持するものものであり、レッグレスト５及びフットレスト６は夫々マッサージ手段７、８を備えている。本例の場合、フットレスト６はレッグレスト５に設けられた回転軸２４により椅子１の前後方向に回転可能に連結してあり、レッグレスト５とフットレスト６の距離が一定になっていると共にレッグレスト５とフットレスト６とが連動するようになっている。
【００１６】
座面２の下方には等しい長さの第１平行リンク９ａ，９ｂの一端が回転軸１０ａ，１０ｂにより椅子１の前後方向に回転可能に連結されている。第１平行リンク９ａ，９ｂの他端は回転軸１１ａ，１１ｂにより連結部としての連結板１２に回転自在に連結されている。この回転軸１０ａと回転軸１０ｂとの間の距離と回転軸１１ａと回転軸１１ｂとの間の距離は等しくなるように固定されているため、第１平行リンク９ａと第１平行リンク９ｂとは常に平行であり、回転軸１０ａと回転軸１０ｂとを結ぶ直線と回転軸１１ａと回転軸１１ｂとを結ぶ直線もまた常に平行である。
【００１７】
連結板１２には等しい長さの第２平行リンク１３ａ，１３ｂの一端が回転軸１４ａ，１４ｂにより椅子１の前後方向に回転可能に連結されている。第２平行リンク１３ａ，１３ｂの他端は回転軸１５ａ，１５ｂによりフットレスト６に連結されている。回転軸１４ａと回転軸１４ｂとの間の距離と回転軸１５ａと回転軸１５ｂとの間の距離とが等しくなるように固定されているため、第２平行リンク１３ａと第２平行リンク１３ｂとは常に平行であり、回転軸１４ａと回転軸１４ｂとを結ぶ直線と回転軸１５ａと回転軸１５ｂとを結ぶ直線もまた常に平行である。回転軸１１ａ，１１ｂと回転軸１４ａ，１４ｂは連結板１２に固定されているため回転軸１１ａと回転軸１１ｂとを結ぶ直線と回転軸１４ａと回転軸１４ｂとを結ぶ直線の角度は当然一定であるから、回転軸１０ａと回転軸１０ｂとを結ぶ直線と回転軸１５ａと回転軸１５ｂとを結ぶ直線の角度も一定となる。従ってフットレスト６の座面２に対する角度は常に一定となり、フットレスト６は常に水平に維持される。
【００１８】
レッグレスト５のベースとなるベースフレーム１６は回転軸１７によって座面２の前部に椅子１の前後方向に回転可能に連結されている。レッグレスト６は案内機構１８の長手方向に沿って移動可能にベースフレーム１６の上に取り付けられている。レッグレスト５のベースフレーム１６は回転軸１９により伸縮機構２０の一端と連結され、伸縮機構２０の他端は回転軸２１により座面２下方と連結されている。かかる伸縮機構２０はねじ軸等を回転駆動することにより伸縮させるもので詳しい説明は省略する。伸縮機構２０は中継コード２２によって操作器２３に接続されており、操作器２３を操作することで伸縮機構２０の伸縮を操作できるようになっており、伸縮機構２０を伸ばすとレッグレスト５のベースフレーム１６は椅子１の前方に水平に近付く方向に回転し、伸縮機構２０を縮めると、レッグレスト５のベースフレーム１６が垂直に近付く方向に回転するようになっている。
【００１９】
また図３はフットレスト６の座面に対する角度を一定に保つための機構の参考例を示すものであり、図２の例と同じ部分の説明は省略し、異なる点だけを主に述べる。座面２の下方には第１プーリー２５が固定されており、リンク２８が第１プーリー２５の中心に回転軸２９によって回転可能に連結されている。リンク２８の他端は回転軸３０により第２プーリー２６の中心に回転可能に連結されている。第２プーリー２６はベルトが２本掛けられるように溝が二列設けられており、第１プーリー２５と第２プーリー２６にはベルト３１が掛けられており、第１プーリー２５と第２プーリー２６の伝達比は１：１となっている。さらに第２プーリー２６の中心には回転軸３０によってリンク３２が回転可能に連結されており、リンク３２の他端は回転軸３３によって第３プーリー２７の中心に回転可能に連結されている。第３プーリー２７はフットレスト６に固定されている。上記のように第２プーリー２６はベルトが２本掛けられるように溝が二列設けられており、第２プーリー２６と第３プーリー２７にはベルト３４が掛けられており、第２プーリー２６と第３プーリー２７の伝達比は１：１となっている。
【００２０】
第１プーリー２５と第２プーリー２６の伝達比が１：１であり、第２プーリー２６と第３プーリー２７の伝達比が１：１であるから、第１プーリー２５と第３プーリー２７の伝達比が１：１となり、相対的な角度変化は生じない。そして第１プーリー２５は座面２に対して回転できないように固定されており、第３プーリー２７はフットレスト６に対して回転できないように固定されている。従ってフットレスト６の座面２に対する角度は常に一定となる。
【００２１】
なお、図示した例においては第１プーリー２５と第２プーリー２６の伝達比を１：１、第２プーリー２６と第３プーリー２７の伝達比を１：１としたが、第１プーリー２５と第２プーリー２６の伝達比を１：ｘ、第２プーリー２６と第３プーリー２７の伝達比をｘ：１としても全く同様の効果を得ることができる。またベルトとプーリーを用いる代わりにチェーンとスプロケットを用いてもよい。
【００２２】
次にレッグレスト５のベースフレーム１６に対して固定、解除を行う構造について、図４及び図５により説明する。図４はレッグレスト５及びベースフレーム１６を座面側から見た図であり、図５はレッグレスト５及びベースフレーム１６を側面から見た図である。なお、図５では構造を理解しやすくするために案内機構１８は省略してある。
【００２３】
レッグレスト５は平行に配置された２列の案内機構１８により案内機構１８の長手方向に沿って座面２に対して近接したり離間したりする方向のみに移動可能になるようにベースフレーム１６上に取り付けられている。レッグレスト５の下面には、レッグレスト５の移動方向に複数の穴３５ａが一直線状に設けられている固定板３５と、バネ支柱３６が固定されている。
【００２４】
ベースフレーム１６の上面にはバネ支柱３７と支持台３８が固定されている。支持台３８には軸受３９が固定されており、摺動軸４０が軸受３９の軸方向に摺動可能となっている。摺動軸４０は固定板３５に対して垂直に出入りし、突出時には摺動軸４０が固定板３５の穴３５ａに嵌合する。支持台３８と摺動軸４０との間に設けられた圧縮バネ４２により、摺動軸４０は常に突出する方向に力を受けている。摺動軸４０の固定板３５と嵌合しない端部にはワイヤー４１が接続されており、ワイヤー４１を引くと摺動軸４０と固定板３５の嵌合が外れるようになっている。
【００２５】
バネ支柱３６とバネ支柱３７には引っ張りバネ４３が掛けられており、常にレッグレスト５と座面２との距離を近付ける方向に力を生じさせている。特に図示しないが、ワイヤー４１の他端は座面２若しくは肘掛け４等、使用者が着座したまま容易に手が届く位置に設けられた操作器に接続されている。
【００２６】
ワイヤー４１を引かない状態ではレッグレスト５はベースフレーム１６に固定されることとなり、レッグレスト５と座面２との距離は変化しない。ワイヤー４１を引くと固定は解除され、引っ張りバネ４３による力よりもレッグレスト５に対する逆方向の外力が大きい場合には、レッグレスト５は座面２との距離が遠くなる方向に移動し、引っ張りバネ４３による力よりもレッグレスト５に対する逆方向の外力が小さい場合にはレッグレスト５は座面２との距離が近くなる方向に移動する。
【００２７】
次に案内機構１８の一例の構造について図６により説明する。案内機構１８はレール４４、円盤状のローラ４５ａ，４５ｂ及び回転軸４６ａ，４６ｂにより構成されている。レール４４は固定部４７によりレッグレスト５の下面に取り付けられるようになっている。レール４４は断面リップ付きコ字状に形成されており、固定部４７と反対の面の一部は長手方向に沿って開放されている。レール４４の内部には２個のローラ４５ａ，４５ｂが長手方向に並ぶように配置されており、図示しないがローラ４５ａ，４５ｂは回転軸４６ａ，４６ｂによってベースフレーム１６に回転可能に取り付けられている。ローラ４５ａ，４５ｂの直径はレール４４の内部の幅と略等しい。この際、レッグレスト５と座面２との距離を調節する力により案内機構１８に対するモーメントが発生した場合は、ローラ４５ａがレール４４内の一方の内側面に接し、ローラ４５ｂがレール４４内の他方の内側面に接し、回転しながらレール４４内を移動する。
【００２８】
また図７はさらに他の例の椅子式マッサージ機を示すものである。この例も図２に示す例と基本的に同じであるため、重複する説明は省略して異なる点だけを主に述べる。上記例の場合、レッグレスト５とフットレスト６が一緒に移動して座面２に対する位置を調節できるようになっていたが、本例の場合、レッグレスト５もフットレスト６も独立して座面２に対する位置が調節できるようになっている。本例の場合、フットレスト６もレッグレスト５と同様にベースフレーム１６を有している。第２平行リンク１３ａ，１３ｂの他端が回転軸１５ａ，１５ｂにてフットレスト６側のベースフレーム１６に連結してあり、レッグレスト５に設けた回転軸２４がフットレスト６側のベースフレーム１６に連結してある。フットレスト６側のベースフレーム１６にはレッグレスト５側と同様に案内機構１８にてフットレスト６が移動自在に支持してある。この案内機構１８やフットレスト６の固定・解除の機構、フットレスト６の移動を付勢する引っ張りバネ４３を設ける構造等はレッグレスト５側と同じ構造であり、図４乃至図６に示すように形成してある。この例のものでもレッグレスト５の角度や位置の関係なく、フットレスト６を常に水平に維持でき、またレッグレスト５とは別にフットレスト６の座面２に対する距離を自在に調節することができる。
【００２９】
上記のように椅子式マッサージ機が構成され、図２、図３、図７に示す何れの椅子式マッサージ機でも、マッサージ手段７，８を有するレッグレスト５及びフットレスト６を備え、フットレスト６はレッグレスト５の角度、位置によらず、略水平に維持するものであるから、レッグレスト５が略垂直の時は脹脛及び足裏の施療を行うことができ、レッグレスト５が略水平の時はレッグレスト５とフットレスト６が略一直線状に並ぶことから、脹脛から足首まで広い範囲にわたって施療を行うことができる。また案内機構１８にてレッグレスト１８を移動させることでレッグレスト５は座面２に対する距離が調節可能であるため、使用者の下肢の長さに応じて最適な施療を行うことができる。
【００３０】
また図７に示す椅子式マッサージ機では、レッグレスト５及びフットレスト５の座面２に対する距離が夫々独立して調節可能であるから、使用者の体型、疲労の部位に合わせてマッサージ手段の位置をより適合させることができ、高いマッサージ効果が得られる。
【００３１】
また図２、図７に示す例のように第１平行リンク９ａ，９ｂ、第２平行リンク１３ａ，１３ｂ、連結板１２等からなるリンク機構により、レッグレスト５の角度、位置によらずフットレスト６を略水平に維持するものでは、単純なリンク機構で構成されるため、安価であり容易に補修できる。またレッグレスト５の角度、位置によらずフットレスト５を略水平に支持する機構が、図３に示す例のように第１，第２，第３プーリ２５，２６，２７、ベルト３１，３４、リンク２８，３２等で構成されるものでは、レッグレスト５の角度、位置によらずベルト３１，３４の張り側、緩み側の距離が一定であり、間に指などを挟むことなく、より高い安全性が得られる。
【００３２】
また上記のようにレッグレスト５またはレッグレスト５及びフットレスト６がベースフレーム１６に対して移動することにより、使用時レッグレスト５の角度に応じてレッグレスト５やフットレスト６の位置が変わるように連動させることできる。これにより、レッグレスト５が回動して水平に近付くにつれてレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離が大きくなるように連動するため、しかも椅子１の構造上レッグレスト５の座面２に対する回転軸の位置が膝関節の回転軸に対して下方であるため、レッグレスト５が回動して水平に近付くにつれて脹脛に対するレッグレスト５の位置が上方にずれてしまうことを防ぐことができ、レッグレスト５のどの角度においても同じ施療位置を維持することができる。
【００３３】
またレッグレスト５若しくはフットレスト６は座面２に対する距離を調節するために座面２に対して近接離間する方向に案内機構１８で移動自在になっており、ワイヤー４１を操作することで摺動軸４０を固定板３５の任意の穴３５ａに嵌合してレッグレスト５若しくはフットレスト６を任意の位置で固定できる。これにより、使用者は力を入れることなく容易に体型、疲労の部位に合わせてマッサージ手段７，８の位置を適合させることができ、より高いリラックス感が得られる。またレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離を近付ける移動をさせるように引っ張りバネ４３にて付勢しているため、レッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離を調節する際にレッグレスト５やフットレスト６の重量による負荷を軽減することができ、レッグレスト５若しくはフットレスト６の移動を駆動機構の駆動で行うようにした場合、少ない出力で済むために省エネルギー化を図ることができる。また人力による移動の場合でも小さい力で容易に調節することができるので高いリラックス感が得られる。
【００３４】
またレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離を調節するとき、上記のように引っ張りバネ４３にて付勢してレッグレスト５若しくはフットレスト６が軽く移動するようになっているが、引っ張りバネ４３にて引っ張っている場合、レッグレスト５若しくはフットレスト６の固定を解除したとき、引っ張りバネ４３の反発力によって急な速度で移動してしまうおそれがある。そこで、この引っ張りバネ４３の急激な移動を制御するために制動装置のような制御手段を設けておくことが好ましい。このようにするとレッグレスト５若しくはフットレスト６の急激な移動を防ぐことができ、高い安全性が得られる。さらに商品の付加価値として高級感を与えることができる。
【００３５】
またレッグレスト５若しくはフットレスト６の移動の固定や固定の解除の操作がワイヤー４１を介して座面２や肘掛け４に設けられた操作部により行うことができるため、使用者は座った姿勢のまま、足でフットレスト６を押し下げることによってレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面との距離を調節し、手で固定・解除の操作をすることができ、高いリラックス感を得られる。
【００３６】
またレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面との距離を近付ける方向に与えられた力からレッグレスト５の重量とフットレスト６の重量を差し引いた値が１０ｋｇｆ以下であるように引っ張りバネ４３の力を設定することも好ましい。これにより、例えば、子供や老人などの力の弱い使用者であっても容易にレッグレスト５若しくはフットレスト５の位置調節の操作をすることができる。
【００３７】
また図６に示すようなレール４４と一対のローラ４５ａ，４５ｂと一対の回転軸４６ａ，４６ｂからなる案内機構１８を設けてあると、レッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離を調節する力により案内機構１８に対するモーメントが発生した場合、ローラ４５ａ，４５ｂがレール４４の側面に接して回転するため摩擦が小さくなり、かじり付くことなくスムーズに動作させることができる。またレッグレスト５若しくはフットレスト６に垂直にかかる身体を支持する力はローラ４ａ，４５ｂの平面で受けるため、大きな負荷にも耐えることができる。
【００３８】
【発明の効果】
本発明はマッサージ手段を有するレッグレスト及びフットレストを備え、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず、略水平に維持するものであるから、レッグレストが略垂直の時は脹脛及び足裏の施療を行うことができ、レッグレストが略水平の時はレッグレストとフットレストが略一直線状に並ぶことから、脹脛から足首まで広い範囲にわたって施療を行うことができるものであり、さらにレッグレストは座面に対する距離が調節可能であるため、使用者の下肢の長さに応じて最適な施療を行うことができるものである。
【００３９】
またレッグレスト及びフットレストが座面に対する距離が夫々独立して調節可能であると、使用者の体型、疲労の部位に合わせてマッサージ手段の位置をより適合させることができ、高いマッサージ効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態の一例の椅子式マッサージ機の全体の構造を示す斜視図である。
【図２】 同上の要部の機構の一例を示す正面図である。
【図３】 同上の要部の機構の参考例を示す正面図である。
【図４】 同上のレッグレスト及びベースフレームを座面側から見た図である。
【図５】 図４の一部省略側面図である。
【図６】 同上の案内機構の一部省略斜視図である。
【図７】 同上の要部の機構のさらに他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
１ 椅子
２ 座面
３ 背もたれ
４ 肘掛け
５ レッグレスト
６ フットレスト
７ マッサージ手段
８ マッサージ手段
９ａ，９ｂ 第１平行リンク
１２ 連結板
１３ａ，１３ｂ 第２平行リンク
１８ 案内機構
２０ 伸縮機構
４３ 引っ張りバネ
４４ レール
４５ａ，４５ｂ ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子式マッサージ機に関し、特に座面前方に位置して脹脛を支えるレッグレストにマッサージ手段を設けた椅子式マッサージ機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、座面、背もたれを備えた椅子の座面前方に、マッサージ手段を備えた上下に回動可能なレッグレストを有する椅子式マッサージ機は広く知られている。
【０００３】
また座面、背もたれを備えた椅子の座面の前方に、マッサージ手段を備えたレッグレスト及びマッサージ手段を備えたフットレストを有し、レッグレストは上下に回動しながらフットレストは常に略水平状態を維持できるようにしたマッサージ機も広く知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
また脹脛用マッサージ手段と足裏用マッサージ手段を備え、脹脛用マッサージ手段に対する足裏用マッサージ手段の位置を任意に調節できるようにしたものも提供されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００２−２３８９６３号公報
【０００６】
【特許文献２】
特開２００１−９５８６７号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
一般にマッサージにおいては、被施療者の体型、疲労の部位などによりマッサージする位置を調節するものであるが、特許文献１で示されているようなマッサージ機においては、使用者毎の下肢の長さの差異に合わせてマッサージ手段の位置を調節することができず、下腿が短い使用者の場合は足裏用のマッサージ手段まで届かず、十分なマッサージ効果が得られない場合があった。
【０００８】
また特許文献２に示すようなマッサージ機においては、脹脛用マッサージ手段に対し足裏用マッサージ手段を離して配置させた場合には、施療位置が分割されるため、スムーズな血流が得られず、十分なマッサージ効果が得られなかった。
【０００９】
さらに上記従来例において共通する問題として、座面に対するレッグレストの位置を調節できないため、大腿部の長さが座面に対して長い使用者の場合はレッグレストを水平近くまで回動させた際に膝関節周辺が圧迫・揉捏・打撃を受けることになり、使用者が痛みを感じたり、腱を傷める危険性があった。
【００１０】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、使用者の体型によらず下腿から足首を経て足先まで及び足裏に良好なマッサージ効果が得られる椅子式マッサージ機を提供することを課題とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項１の椅子式マッサージ機は、椅子の座面の前方に上下に回動可能に取り付けられて座面への着座者の脹脛を支持するレッグレストと、レッグレストの先端に回動可能に取り付けられて座面への着座者の足首から足先までの間及び足裏を支持するフットレストを備え、レッグレスト及びフットレストにマッサージ手段を備えた椅子式マッサージ機において、座面の前部にベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにレッグレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられてレッグレストは座面に対する距離が調節可能とされ、フットレストがレッグレストに回動可能に取り付られると共に、フットレストの座面に対する角度を一定に保つ機構が設けられることで、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず常に略水平に維持され、且つ、レッグレストとフットレストの距離が一定に保たれるものであって、上記フットレストの座面に対する角度を一定に保つ機構として、座面の下方及びフットレストにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられていることを特徴とする。
【００１２】
上記のようにマッサージ手段を有するレッグレスト及びフットレストを備え、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず、略水平に維持するものであるから、レッグレストが略垂直の時は脹脛及び足裏の施療を行うことができ、レッグレストが略水平の時はレッグレストとフットレストが略一直線状に並ぶことから、脹脛から足首まで広い範囲にわたって施療を行うことができる。さらにレッグレストは座面に対する距離が調節可能であるため、使用者の下肢の長さに応じて最適な施療を行うことができる。例えば先の発明が解決しようとする課題で述べたようなフットレストマッサージ手段に足裏が届かなかったような下肢が短い使用者の場合は、レッグレストと座面との距離を近付けることで足裏をフットレストに届かせて施療を行うことができ、大腿部が座面に対して長い使用者の場合は、レッグレストと座面との距離を遠くすることでレッグレストを水平近くまで回動させた際に膝関節付近が圧迫・揉捏・打撃を受けることがなくなるため、使用者が痛みを感じたり腱を傷めたりすることがなくなり、高い安全性が得られる。また、座面の下方及びフットレストにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられており、レッグレストの角度、位置によらずフットレストを略水平に支持するための機構が単純なリンク機構で構成されるため、安価であり容易に補修できる。
【００１３】
また請求項２の椅子式マッサージ機は、椅子の座面の前方に上下に回動可能に取り付けられて座面への着座者の脹脛を支持するレッグレストと、レッグレストの先端側に回動可能に取り付けられて座面への着座者の足首から足先までの間及び足裏を支持するフットレストを備え、レッグレスト及びフットレストにマッサージ手段を備えた椅子式マッサージ機において、座面の前部にレッグレストのベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにレッグレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられ、レッグレストにフットレストのベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにフットレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられることで、レッグレスト及びフットレストは座面に対する距離が夫々独立して調整可能に設けられ、フットレストのベースフレームの座面に対する角度を一定に保つ機構が設けられることで、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず常に略水平に維持されるものであって、前記フットレストのベースフレームの座面に対する角度を一定に保つ機構として、座面の下方及びフットレストのベースフレームにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられていることを特徴とする。
【００１４】
上記のようにマッサージ手段を有するレッグレスト及びフットレストを備え、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず、略水平に維持するものであるから、レッグレストが略垂直の時は脹脛及び足裏の施療を行うことができ、レッグレストが略水平の時はレッグレストとフットレストが略一直線状に並ぶことから、脹脛から足首まで広い範囲にわたって施療を行うことができる。さらにレッグレストは座面との距離を調節可能であるため、使用者の下肢の長さに応じて最適な施療を行うことができる。さらにレッグレスト及びフットレストの座面に対する距離が夫々独立して調節可能であるから、使用者の体型、疲労の部位に合わせてマッサージ手段の位置をより適合させることができ、高いマッサージ効果が得られる。また、座面の下方及びフットレストのベースフレームにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられており、レッグレストの角度、位置によらずフットレストを略水平に支持するための機構が単純なリンク機構で構成されるため、安価であり容易に補修できる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の実施の形態の一例を図１、図２により説明する。椅子１は座面２、背もたれ３、肘掛け４、レッグレスト５、フットレスト６により構成されている。レッグレスト５は座面２への着座者の脹脛を支持するものであり、フットレスト６は座面２への着座者の足首から足先までの間及び足裏を支持するものものであり、レッグレスト５及びフットレスト６は夫々マッサージ手段７、８を備えている。本例の場合、フットレスト６はレッグレスト５に設けられた回転軸２４により椅子１の前後方向に回転可能に連結してあり、レッグレスト５とフットレスト６の距離が一定になっていると共にレッグレスト５とフットレスト６とが連動するようになっている。
【００１６】
座面２の下方には等しい長さの第１平行リンク９ａ，９ｂの一端が回転軸１０ａ，１０ｂにより椅子１の前後方向に回転可能に連結されている。第１平行リンク９ａ，９ｂの他端は回転軸１１ａ，１１ｂにより連結部としての連結板１２に回転自在に連結されている。この回転軸１０ａと回転軸１０ｂとの間の距離と回転軸１１ａと回転軸１１ｂとの間の距離は等しくなるように固定されているため、第１平行リンク９ａと第１平行リンク９ｂとは常に平行であり、回転軸１０ａと回転軸１０ｂとを結ぶ直線と回転軸１１ａと回転軸１１ｂとを結ぶ直線もまた常に平行である。
【００１７】
連結板１２には等しい長さの第２平行リンク１３ａ，１３ｂの一端が回転軸１４ａ，１４ｂにより椅子１の前後方向に回転可能に連結されている。第２平行リンク１３ａ，１３ｂの他端は回転軸１５ａ，１５ｂによりフットレスト６に連結されている。回転軸１４ａと回転軸１４ｂとの間の距離と回転軸１５ａと回転軸１５ｂとの間の距離とが等しくなるように固定されているため、第２平行リンク１３ａと第２平行リンク１３ｂとは常に平行であり、回転軸１４ａと回転軸１４ｂとを結ぶ直線と回転軸１５ａと回転軸１５ｂとを結ぶ直線もまた常に平行である。回転軸１１ａ，１１ｂと回転軸１４ａ，１４ｂは連結板１２に固定されているため回転軸１１ａと回転軸１１ｂとを結ぶ直線と回転軸１４ａと回転軸１４ｂとを結ぶ直線の角度は当然一定であるから、回転軸１０ａと回転軸１０ｂとを結ぶ直線と回転軸１５ａと回転軸１５ｂとを結ぶ直線の角度も一定となる。従ってフットレスト６の座面２に対する角度は常に一定となり、フットレスト６は常に水平に維持される。
【００１８】
レッグレスト５のベースとなるベースフレーム１６は回転軸１７によって座面２の前部に椅子１の前後方向に回転可能に連結されている。レッグレスト６は案内機構１８の長手方向に沿って移動可能にベースフレーム１６の上に取り付けられている。レッグレスト５のベースフレーム１６は回転軸１９により伸縮機構２０の一端と連結され、伸縮機構２０の他端は回転軸２１により座面２下方と連結されている。かかる伸縮機構２０はねじ軸等を回転駆動することにより伸縮させるもので詳しい説明は省略する。伸縮機構２０は中継コード２２によって操作器２３に接続されており、操作器２３を操作することで伸縮機構２０の伸縮を操作できるようになっており、伸縮機構２０を伸ばすとレッグレスト５のベースフレーム１６は椅子１の前方に水平に近付く方向に回転し、伸縮機構２０を縮めると、レッグレスト５のベースフレーム１６が垂直に近付く方向に回転するようになっている。
【００１９】
また図３はフットレスト６の座面に対する角度を一定に保つための機構の参考例を示すものであり、図２の例と同じ部分の説明は省略し、異なる点だけを主に述べる。座面２の下方には第１プーリー２５が固定されており、リンク２８が第１プーリー２５の中心に回転軸２９によって回転可能に連結されている。リンク２８の他端は回転軸３０により第２プーリー２６の中心に回転可能に連結されている。第２プーリー２６はベルトが２本掛けられるように溝が二列設けられており、第１プーリー２５と第２プーリー２６にはベルト３１が掛けられており、第１プーリー２５と第２プーリー２６の伝達比は１：１となっている。さらに第２プーリー２６の中心には回転軸３０によってリンク３２が回転可能に連結されており、リンク３２の他端は回転軸３３によって第３プーリー２７の中心に回転可能に連結されている。第３プーリー２７はフットレスト６に固定されている。上記のように第２プーリー２６はベルトが２本掛けられるように溝が二列設けられており、第２プーリー２６と第３プーリー２７にはベルト３４が掛けられており、第２プーリー２６と第３プーリー２７の伝達比は１：１となっている。
【００２０】
第１プーリー２５と第２プーリー２６の伝達比が１：１であり、第２プーリー２６と第３プーリー２７の伝達比が１：１であるから、第１プーリー２５と第３プーリー２７の伝達比が１：１となり、相対的な角度変化は生じない。そして第１プーリー２５は座面２に対して回転できないように固定されており、第３プーリー２７はフットレスト６に対して回転できないように固定されている。従ってフットレスト６の座面２に対する角度は常に一定となる。
【００２１】
なお、図示した例においては第１プーリー２５と第２プーリー２６の伝達比を１：１、第２プーリー２６と第３プーリー２７の伝達比を１：１としたが、第１プーリー２５と第２プーリー２６の伝達比を１：ｘ、第２プーリー２６と第３プーリー２７の伝達比をｘ：１としても全く同様の効果を得ることができる。またベルトとプーリーを用いる代わりにチェーンとスプロケットを用いてもよい。
【００２２】
次にレッグレスト５のベースフレーム１６に対して固定、解除を行う構造について、図４及び図５により説明する。図４はレッグレスト５及びベースフレーム１６を座面側から見た図であり、図５はレッグレスト５及びベースフレーム１６を側面から見た図である。なお、図５では構造を理解しやすくするために案内機構１８は省略してある。
【００２３】
レッグレスト５は平行に配置された２列の案内機構１８により案内機構１８の長手方向に沿って座面２に対して近接したり離間したりする方向のみに移動可能になるようにベースフレーム１６上に取り付けられている。レッグレスト５の下面には、レッグレスト５の移動方向に複数の穴３５ａが一直線状に設けられている固定板３５と、バネ支柱３６が固定されている。
【００２４】
ベースフレーム１６の上面にはバネ支柱３７と支持台３８が固定されている。支持台３８には軸受３９が固定されており、摺動軸４０が軸受３９の軸方向に摺動可能となっている。摺動軸４０は固定板３５に対して垂直に出入りし、突出時には摺動軸４０が固定板３５の穴３５ａに嵌合する。支持台３８と摺動軸４０との間に設けられた圧縮バネ４２により、摺動軸４０は常に突出する方向に力を受けている。摺動軸４０の固定板３５と嵌合しない端部にはワイヤー４１が接続されており、ワイヤー４１を引くと摺動軸４０と固定板３５の嵌合が外れるようになっている。
【００２５】
バネ支柱３６とバネ支柱３７には引っ張りバネ４３が掛けられており、常にレッグレスト５と座面２との距離を近付ける方向に力を生じさせている。特に図示しないが、ワイヤー４１の他端は座面２若しくは肘掛け４等、使用者が着座したまま容易に手が届く位置に設けられた操作器に接続されている。
【００２６】
ワイヤー４１を引かない状態ではレッグレスト５はベースフレーム１６に固定されることとなり、レッグレスト５と座面２との距離は変化しない。ワイヤー４１を引くと固定は解除され、引っ張りバネ４３による力よりもレッグレスト５に対する逆方向の外力が大きい場合には、レッグレスト５は座面２との距離が遠くなる方向に移動し、引っ張りバネ４３による力よりもレッグレスト５に対する逆方向の外力が小さい場合にはレッグレスト５は座面２との距離が近くなる方向に移動する。
【００２７】
次に案内機構１８の一例の構造について図６により説明する。案内機構１８はレール４４、円盤状のローラ４５ａ，４５ｂ及び回転軸４６ａ，４６ｂにより構成されている。レール４４は固定部４７によりレッグレスト５の下面に取り付けられるようになっている。レール４４は断面リップ付きコ字状に形成されており、固定部４７と反対の面の一部は長手方向に沿って開放されている。レール４４の内部には２個のローラ４５ａ，４５ｂが長手方向に並ぶように配置されており、図示しないがローラ４５ａ，４５ｂは回転軸４６ａ，４６ｂによってベースフレーム１６に回転可能に取り付けられている。ローラ４５ａ，４５ｂの直径はレール４４の内部の幅と略等しい。この際、レッグレスト５と座面２との距離を調節する力により案内機構１８に対するモーメントが発生した場合は、ローラ４５ａがレール４４内の一方の内側面に接し、ローラ４５ｂがレール４４内の他方の内側面に接し、回転しながらレール４４内を移動する。
【００２８】
また図７はさらに他の例の椅子式マッサージ機を示すものである。この例も図２に示す例と基本的に同じであるため、重複する説明は省略して異なる点だけを主に述べる。上記例の場合、レッグレスト５とフットレスト６が一緒に移動して座面２に対する位置を調節できるようになっていたが、本例の場合、レッグレスト５もフットレスト６も独立して座面２に対する位置が調節できるようになっている。本例の場合、フットレスト６もレッグレスト５と同様にベースフレーム１６を有している。第２平行リンク１３ａ，１３ｂの他端が回転軸１５ａ，１５ｂにてフットレスト６側のベースフレーム１６に連結してあり、レッグレスト５に設けた回転軸２４がフットレスト６側のベースフレーム１６に連結してある。フットレスト６側のベースフレーム１６にはレッグレスト５側と同様に案内機構１８にてフットレスト６が移動自在に支持してある。この案内機構１８やフットレスト６の固定・解除の機構、フットレスト６の移動を付勢する引っ張りバネ４３を設ける構造等はレッグレスト５側と同じ構造であり、図４乃至図６に示すように形成してある。この例のものでもレッグレスト５の角度や位置の関係なく、フットレスト６を常に水平に維持でき、またレッグレスト５とは別にフットレスト６の座面２に対する距離を自在に調節することができる。
【００２９】
上記のように椅子式マッサージ機が構成され、図２、図３、図７に示す何れの椅子式マッサージ機でも、マッサージ手段７，８を有するレッグレスト５及びフットレスト６を備え、フットレスト６はレッグレスト５の角度、位置によらず、略水平に維持するものであるから、レッグレスト５が略垂直の時は脹脛及び足裏の施療を行うことができ、レッグレスト５が略水平の時はレッグレスト５とフットレスト６が略一直線状に並ぶことから、脹脛から足首まで広い範囲にわたって施療を行うことができる。また案内機構１８にてレッグレスト１８を移動させることでレッグレスト５は座面２に対する距離が調節可能であるため、使用者の下肢の長さに応じて最適な施療を行うことができる。
【００３０】
また図７に示す椅子式マッサージ機では、レッグレスト５及びフットレスト５の座面２に対する距離が夫々独立して調節可能であるから、使用者の体型、疲労の部位に合わせてマッサージ手段の位置をより適合させることができ、高いマッサージ効果が得られる。
【００３１】
また図２、図７に示す例のように第１平行リンク９ａ，９ｂ、第２平行リンク１３ａ，１３ｂ、連結板１２等からなるリンク機構により、レッグレスト５の角度、位置によらずフットレスト６を略水平に維持するものでは、単純なリンク機構で構成されるため、安価であり容易に補修できる。またレッグレスト５の角度、位置によらずフットレスト５を略水平に支持する機構が、図３に示す例のように第１，第２，第３プーリ２５，２６，２７、ベルト３１，３４、リンク２８，３２等で構成されるものでは、レッグレスト５の角度、位置によらずベルト３１，３４の張り側、緩み側の距離が一定であり、間に指などを挟むことなく、より高い安全性が得られる。
【００３２】
また上記のようにレッグレスト５またはレッグレスト５及びフットレスト６がベースフレーム１６に対して移動することにより、使用時レッグレスト５の角度に応じてレッグレスト５やフットレスト６の位置が変わるように連動させることできる。これにより、レッグレスト５が回動して水平に近付くにつれてレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離が大きくなるように連動するため、しかも椅子１の構造上レッグレスト５の座面２に対する回転軸の位置が膝関節の回転軸に対して下方であるため、レッグレスト５が回動して水平に近付くにつれて脹脛に対するレッグレスト５の位置が上方にずれてしまうことを防ぐことができ、レッグレスト５のどの角度においても同じ施療位置を維持することができる。
【００３３】
またレッグレスト５若しくはフットレスト６は座面２に対する距離を調節するために座面２に対して近接離間する方向に案内機構１８で移動自在になっており、ワイヤー４１を操作することで摺動軸４０を固定板３５の任意の穴３５ａに嵌合してレッグレスト５若しくはフットレスト６を任意の位置で固定できる。これにより、使用者は力を入れることなく容易に体型、疲労の部位に合わせてマッサージ手段７，８の位置を適合させることができ、より高いリラックス感が得られる。またレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離を近付ける移動をさせるように引っ張りバネ４３にて付勢しているため、レッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離を調節する際にレッグレスト５やフットレスト６の重量による負荷を軽減することができ、レッグレスト５若しくはフットレスト６の移動を駆動機構の駆動で行うようにした場合、少ない出力で済むために省エネルギー化を図ることができる。また人力による移動の場合でも小さい力で容易に調節することができるので高いリラックス感が得られる。
【００３４】
またレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離を調節するとき、上記のように引っ張りバネ４３にて付勢してレッグレスト５若しくはフットレスト６が軽く移動するようになっているが、引っ張りバネ４３にて引っ張っている場合、レッグレスト５若しくはフットレスト６の固定を解除したとき、引っ張りバネ４３の反発力によって急な速度で移動してしまうおそれがある。そこで、この引っ張りバネ４３の急激な移動を制御するために制動装置のような制御手段を設けておくことが好ましい。このようにするとレッグレスト５若しくはフットレスト６の急激な移動を防ぐことができ、高い安全性が得られる。さらに商品の付加価値として高級感を与えることができる。
【００３５】
またレッグレスト５若しくはフットレスト６の移動の固定や固定の解除の操作がワイヤー４１を介して座面２や肘掛け４に設けられた操作部により行うことができるため、使用者は座った姿勢のまま、足でフットレスト６を押し下げることによってレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面との距離を調節し、手で固定・解除の操作をすることができ、高いリラックス感を得られる。
【００３６】
またレッグレスト５若しくはフットレスト６と座面との距離を近付ける方向に与えられた力からレッグレスト５の重量とフットレスト６の重量を差し引いた値が１０ｋｇｆ以下であるように引っ張りバネ４３の力を設定することも好ましい。これにより、例えば、子供や老人などの力の弱い使用者であっても容易にレッグレスト５若しくはフットレスト５の位置調節の操作をすることができる。
【００３７】
また図６に示すようなレール４４と一対のローラ４５ａ，４５ｂと一対の回転軸４６ａ，４６ｂからなる案内機構１８を設けてあると、レッグレスト５若しくはフットレスト６と座面２との距離を調節する力により案内機構１８に対するモーメントが発生した場合、ローラ４５ａ，４５ｂがレール４４の側面に接して回転するため摩擦が小さくなり、かじり付くことなくスムーズに動作させることができる。またレッグレスト５若しくはフットレスト６に垂直にかかる身体を支持する力はローラ４ａ，４５ｂの平面で受けるため、大きな負荷にも耐えることができる。
【００３８】
【発明の効果】
本発明はマッサージ手段を有するレッグレスト及びフットレストを備え、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず、略水平に維持するものであるから、レッグレストが略垂直の時は脹脛及び足裏の施療を行うことができ、レッグレストが略水平の時はレッグレストとフットレストが略一直線状に並ぶことから、脹脛から足首まで広い範囲にわたって施療を行うことができるものであり、さらにレッグレストは座面に対する距離が調節可能であるため、使用者の下肢の長さに応じて最適な施療を行うことができるものである。
【００３９】
またレッグレスト及びフットレストが座面に対する距離が夫々独立して調節可能であると、使用者の体型、疲労の部位に合わせてマッサージ手段の位置をより適合させることができ、高いマッサージ効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態の一例の椅子式マッサージ機の全体の構造を示す斜視図である。
【図２】 同上の要部の機構の一例を示す正面図である。
【図３】 同上の要部の機構の参考例を示す正面図である。
【図４】 同上のレッグレスト及びベースフレームを座面側から見た図である。
【図５】 図４の一部省略側面図である。
【図６】 同上の案内機構の一部省略斜視図である。
【図７】 同上の要部の機構のさらに他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
１ 椅子
２ 座面
３ 背もたれ
４ 肘掛け
５ レッグレスト
６ フットレスト
７ マッサージ手段
８ マッサージ手段
９ａ，９ｂ 第１平行リンク
１２ 連結板
１３ａ，１３ｂ 第２平行リンク
１８ 案内機構
２０ 伸縮機構
４３ 引っ張りバネ
４４ レール
４５ａ，４５ｂ ローラ
Claims (2)
- 椅子の座面の前方に上下に回動可能に取り付けられて座面への着座者の脹脛を支持するレッグレストと、レッグレストの先端に回動可能に取り付けられて座面への着座者の足首から足先までの間及び足裏を支持するフットレストを備え、レッグレスト及びフットレストにマッサージ手段を備えた椅子式マッサージ機において、座面の前部にベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにレッグレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられてレッグレストは座面に対する距離が調節可能とされ、フットレストがレッグレストに回動可能に取り付られると共に、フットレストの座面に対する角度を一定に保つ機構が設けられることで、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず常に略水平に維持され、且つ、レッグレストとフットレストの距離が一定に保たれるものであって、上記フットレストの座面に対する角度を一定に保つ機構として、座面の下方及びフットレストにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられていることを特徴とする椅子式マッサージ機。
- 椅子の座面の前方に上下に回動可能に取り付けられて座面への着座者の脹脛を支持するレッグレストと、レッグレストの先端側に回動可能に取り付けられて座面への着座者の足首から足先までの間及び足裏を支持するフットレストを備え、レッグレスト及びフットレストにマッサージ手段を備えた椅子式マッサージ機において、座面の前部にレッグレストのベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにレッグレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられ、レッグレストにフットレストのベースフレームが回動可能に連結され、該ベースフレームにフットレストが座面に対して近接離間する方向に移動可能に取り付けられることで、レッグレスト及びフットレストは座面に対する距離が夫々独立して調整可能に設けられ、フットレストのベースフレームの座面に対する角度を一定に保つ機構が設けられることで、フットレストはレッグレストの角度、位置によらず常に略水平に維持されるものであって、前記フットレストのベースフレームの座面に対する角度を一定に保つ機構として、座面の下方及びフットレストのベースフレームにそれぞれ長さが同一の一対のリンクが、レッグレストの回転方向と同じ方向に回転可能に取り付けられると共に、前記夫々の一対のリンクの間に連結部が配置されて夫々の一対のリンクが回転可能且つ平行になるように連結部に取り付けられていることを特徴とする椅子式マッサージ機。
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