本発明は、情報編集記録用のアプリケーションソフトを情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと記す)内に1回限りインストールして、パソコン内に蓄積した画像情報,音楽情報などの複数の情報から所望の情報を順次選択して希望する順に情報群を編集し、且つ、この情報群を光ディスクの未記録領域及び/又は書き換え可能領域に所定の光ディスク規格フォーマットに従って記録すると共に、前記アプリケーションソフトを読み取り不能にして、情報群を記録した当該光ディスクを既存の光ディスクプレーヤで再生できるように成した情報記録方法及び光ディスクに関するものである。
最近、ディジタルカメラが多用されており、このディジタルカメラで撮影した複数の画像情報をパソコン内のハードディスクに取り込み、再生専用のCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)又はDVD−ROM(Digital Versatile Disc−Read Only Memory)などに収納されたスライドショー編集用のアプリケーションソフトを用いて、ユーザーがパソコン内で複数の画像情報のうちから所望の画像情報を順次選択して希望した順にスライドショー用の画像情報を編集する場合に、例えば、下記する特許文献1に開示されたようなスライドショー装置が適用可能である。
この際、特許文献1に開示されたスライドショー装置では、ここでの図示を省略するものの、CD−ROMに収納された画像ファイル群を、このCD−ROMに収納されたスライドショー実行プログラム(スライドショー編集用のアプリケーションソフト)を用いて希望の順に編集できるものであるが、このスライドショー実行プログラムを用いればパソコン内に取り込んだディジタルカメラで撮影した複数の画像情報から所望の画像情報を順次選択して希望した順にスライドショー用の画像情報を編集することが可能である。
更に、パソコン内で編集したスライドショー用の画像情報を、記録再生可能な光ディスクに記録して、DVD用(又はCD用)として市販されている既存の光ディスクプレーヤで再生できれば、上記した光ディスクプレーヤとモニタTVとにより家庭内で皆でスライドショー用の画像情報を見ることができ、勿論、パソコンでも見ることができる。更に、スライドショー用の画像情報を記録した光ディスクを遠隔地に居る人にも送ることが可能である。
尚、記録再生可能な光ディスクは複数の種類が市販されており、情報信号を1回だけ書き込み可能なものはCD−R(CD−Recordable),DVD−R(DVD−Recordable)などがあり、一方、情報信号を複数回繰り返して書き込み可能なものはCD−RW(CD−ReWritable),DVD−RW(DVD−ReWritable),DVD−RAM(DVD−Random Accsess Memory)などがある。
ところで、一般的に、例えば、スライドショー実行プログラムを収納したCD−ROM又はDVD−ROMなどの光ディスクは、アプリケーションソフトの開発費用が高価であるために、ユーザーの使用頻度とは無関係に高価であり、このため年に数えるほどしか使わない情報編集記録用のアプリケーションソフトは販売が伸びないのが実情である。
そこで、販売業者が情報編集記録用のアプリケーションソフトを収納した光ディスクを低価格で販売するための条件として、アプリケーションソフトに対して使用回数を制限し、同一のアプリケーションソフトをユーザーに繰り返して購入してもらう流通システムを構築すれば、販売業者は同一のアプリケーションソフトを多数販売できるので、アプリケーションソフトの開発費用をカバーできる一方、ユーザーはアプリケーションソフトの使用回数が制限されるもののこのアプリケーションソフトを安価に入手できるので、販売業者及びユーザー共にメリットが得られるものである。
上記に対して、起動制限プログラムを記録した記録媒体がある(例えば、特許文献2参照)。この起動制限プログラムを記録した記録媒体では、一つのユーザーコードに対して一つのコンピュータ装置に基本的に1回限りのインストールを行えるようにし、更に、既にインストールした実績があるアプリケーションソフトならば、回数上限付きで再インストールに対処できるようになされているものである。
特開2001−103415号公報
特開2000−66890号公報。
ところで、上記した特許文献2に開示された起動制限プログラムを記録した記録媒体の技術的思想を適用して、例えば、スライドショー実行プログラム(スライドショー編集用のアプリケーションソフト)を記録再生可能な光ディスクに予め記録して、このスライドショー実行プログラムをパソコン内で1回限りのインストールを行って、ディジタルカメラで撮影した複数の画像情報に対してスライドショー用の画像情報群を編集することが可能であるものの、編集したスライドショー用の画像情報群をパソコン内で所定の光ディスク規格フォーマットの一例となるDVD−Video規格フォーマット(又はVideo−CD規格フォーマット)に従って記録再生可能な光ディスクに記録することまでは開示されていない。
従って、スライドショー用の画像情報群をパソコン内でDVD規格フォーマット(又はCD規格フォーマット)に従って記録再生可能な光ディスクに記録する場合には、パソコン内でのファイル編集のため、スライドショー用の画像情報群を例えばMPEGなど所定の画像フォーマットに変換したり、音楽情報を例えばLPCMなど所定の音声フォーマットに変換する必要があるので、ユーザー自身がパソコン操作に専門的に精通していなければならず、一般的なユーザーにこれらを要求することは困難である。
そこで、情報編集記録用のアプリケーションソフトを情報処理装置(パソコン)内に1回限りインストールして、パソコン内に蓄積した画像情報,音楽情報などの複数の情報から所望の情報を順次選択して希望する順に情報群を編集し、且つ、この情報群を光ディスクの未記録領域及び/又は書き換え可能領域に所定の光ディスク規格フォーマットに従って記録すると共に、前記アプリケーションソフトを読み取り不能にして、情報群を記録した当該光ディスクを既存の光ディスクプレーヤで再生できる情報記録方法及び光ディスクが望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、一回だけ記録可能な光ディスクのデータ記録済み領域内に、情報群を生成するためのアプリケーションソフトと、第1のファイルシステムとが予め記録された状態で、前記第1のファイルシステムによって読み取り可能な前記アプリケーションソフトを情報処理装置内にインストールするステップと、
前記情報処理装置内で前記アプリケーションソフトを用いて所定の処理を行って前記情報群を生成するステップと、
前記アプリケーションソフトの指令に基づいて、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムと、前記第2のファイルシステムによって読み取り可能な前記情報群とを前記光ディスクの未記録領域に記録すると共に、前記データ記録済み領域内の前記アプリケーションソフト,前記第1のファイルシステムを前記情報群の生成後に前記第2のファイルシステムで読み取り不能に制御するステップとを有することを特徴とする情報記録方法である。
また、請求項2記載の発明は、複数回繰り返し記録可能な光ディスクのデータ記録済み領域内に、第1のファイルシステムと、情報群を生成するためのアプリケーションソフトとが予め記録された状態で、前記第1のファイルシステムによって読み取り可能な前記アプリケーションソフトを情報処理装置内にインストールするステップと、
前記情報処理装置内で前記アプリケーションソフトを用いて所定の処理を行って前記情報群を生成するステップと、
前記アプリケーションソフトの指令に基づいて、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムを前記情報群の生成後に前記データ記録済み領域上に重ね書きして前記第1のファイルシステム,前記アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、前記第2のファイルシステムによって読み取り可能な前記情報群を前記光ディスクの書き換え可能領域に記録するステップとを有することを特徴とする情報記録方法である。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載又は請求項2記載の情報記録方法において、
前記第1のファイルシステムはUDF2.0ファイルシステムであり、一方、前記第2のファイルシステムはUDF−Bridgeファイルシステムであることを特徴とする情報記録方法である。
また、請求項4記載の発明は、複数回繰り返し記録可能な光ディスクのデータ記録済み領域内に、所定の光ディスク規格フォーマットに従う一つのファイルシステムと、情報群を生成するためのアプリケーションソフトとが予め記録された状態で、前記一つのファイルシステムによって読み取り可能な前記アプリケーションソフトを情報処理装置内にインストールするステップと、
前記情報処理装置内で前記アプリケーションソフトを用いて所定の処理を行って前記情報群を生成するステップと、
前記アプリケーションソフトの指令に基づいて、前記情報群の生成により前記一つのファイルシステム内のデータが変更された上でこの一つのファイルシステムを前記情報群の生成後に前記データ記録済み領域上に重ね書きして変更前の前記一つのファイルシステム,前記アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、変更された前記一つのファイルシステムによって読み取り可能な前記情報群を前記光ディスクの書き換え可能領域に記録するステップとを有することを特徴とする情報記録方法である。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の情報記録方法において、
前記一つのファイルシステムはUDF−Bridgeファイルシステムであることを特徴とする情報記録方法である。
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか1項記載の情報記録方法において、
前記光ディスクに予め記録されたディスク物理情報及び/又はディスク製造者に対応した情報を前記情報処理装置内にインストールした前記アプリケーションソフトから取得することを特徴とする情報記録方法である。
また、請求項7記載の発明は、一回だけ記録可能なデータ記録済み領域内に、情報群を生成するためのアプリケーションソフトと、前記アプリケーションソフトを読み取る第1のファイルシステムとが予め記録された光ディスクであって、
前記アプリケーションソフトは、情報処理装置内で前記第1のファイルシステムによって読み出され、且つ、所定の処理を施して前記情報群を生成すると共に、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムと、前記第2のファイルシステムによって読み取り可能な前記情報群とを前記光ディスクの未記録領域に記録する一方、前記データ記録済み領域内の前記アプリケーションソフト,前記第1のファイルシステムを前記情報群の生成後に前記第2のファイルシステムで読み取り不能に制御する機能を有することを特徴とする光ディスクである。
また、請求項8記載の発明は、複数回繰り返し記録可能なデータ記録済み領域内に、第1のファイルシステムと、この第1のファイルシステムによって読み取られて情報群を生成するためのアプリケーションソフトとが予め記録された光ディスクであって、
前記アプリケーションソフトは、情報処理装置内で前記第1のファイルシステムによって読み出され、且つ、所定の処理を施して前記情報群を生成すると共に、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムを前記情報群の生成後に前記データ記録済み領域上に重ね書きして前記第1のファイルシステム,前記アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、前記第2のファイルシステムによって読み取り可能な前記情報群を前記光ディスクの書き換え可能領域に記録する機能を有することを特徴とする光ディスクである。
更に、請求項9記載の発明は、複数回繰り返し記録可能なデータ記録済み領域内に、所定の光ディスク規格フォーマットに従う一つのファイルシステムと、この一つのファイルシステムによって読み取られて情報群を生成するためのアプリケーションソフトとが予め記録された光ディスクであって、
前記アプリケーションソフトは、情報処理装置内で前記一つのファイルシステムによって読み出され、且つ、所定の処理を施して前記情報群を生成すると共に、前記情報群の生成により前記一つのファイルシステム内のデータが変更された上でこの一つのファイルシステムを前記情報群の生成後に前記データ記録済み領域上に重ね書きして変更前の前記一つのファイルシステム,前記アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、変更された前記一つのファイルシステムによって読み取り可能な前記情報群を前記光ディスクの書き換え可能領域に記録する機能を有することを特徴とする光ディスクである。
請求項1記載の情報記録方法によると、一回だけ記録可能な光ディスクのデータ記録済み領域内に、情報群を生成するためのアプリケーションソフトと、第1のファイルシステムとが予め記録された状態で、情報処理装置(パーソナルコンピュータ)内で第1のファイルシステムによって読み取り可能なアプリケーションソフトを用いて情報群を生成し、且つ、アプリケーションソフトの指令に基づいて、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムと、第2のファイルシステムによって読み取り可能な情報群とを光ディスクの未記録領域に記録すると共に、データ記録済み領域内のアプリケーションソフト,第1のファイルシステムを情報群の生成後に第2のファイルシステムで読み取り不能に制御しているので、結果的にアプリケーションソフトを情報処理装置内に1回限りインストールするように制限でき、更に、販売業者は情報編集記録用のアプリケーションソフトを多数販売できるので、アプリケーションソフトの開発費用をカバーできる一方、ユーザーはアプリケーションソフトの使用回数が1回限りに制限されるもののこのアプリケーションソフトを安価に入手できるので、販売業者及びユーザー共にメリットが得られる。また、アプリケーションソフトを用いて情報群を記録した当該光ディスクを既存の光ディスクプレーヤで再生できる。
また、請求項2記載の情報記録方法によると、複数回繰り返し記録可能な光ディスクのデータ記録済み領域内に、情報群を生成するためのアプリケーションソフトと、第1のファイルシステムとが予め記録された状態で、情報処理装置内で第1のファイルシステムによって読み取り可能なアプリケーションソフトを用いて情報群を生成し、且つ、アプリケーションソフトの指令に基づいて、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムを情報群の生成後にデータ記録済み領域上に重ね書きして第1のファイルシステム,アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、第2のファイルシステムによって読み取り可能な情報群を光ディスクの書き換え可能領域に記録しているので、結果的にアプリケーションソフトを情報処理装置内に1回限りインストールするように制限でき、請求項1と同様な効果が得られる他に、第2のファイルシステムを第1のファイルシステム,アプリケーションソフトが記録されているデータ記録済み領域上に重ね書きすることで、データ記録済み領域を有効に活用することができる。
また、請求項3記載の情報記録方法によると、第2のファイルシステムとなるUDF−BridgeファイルシステムはDVD規格フォーマットに準拠しているので、光ディスクに記録した情報群を既存のDVDプレーヤで再生できる。
また、請求項4記載の情報記録方法によると、複数回繰り返し記録可能な光ディスクのデータ記録済み領域内に、所定の光ディスク規格フォーマットに従う一つのファイルシステムと、情報群を生成するためのアプリケーションソフトとが予め記録された状態で、情報処理装置内で一つのファイルシステムによって読み取り可能なアプリケーションソフトを用いて情報群を生成し、且つ、アプリケーションソフトの指令に基づいて、情報群の生成により一つのファイルシステム内のデータが変更された上でこの一つのファイルシステムを情報群の生成後にデータ記録済み領域上に重ね書きして変更前の一つのファイルシステム,アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、変更された一つのファイルシステムによって読み取り可能な情報群を光ディスクの書き換え可能領域に記録しているので、結果的にアプリケーションソフトを情報処理装置内に1回限りインストールするように制限でき、請求項1と同様な効果が得られる他に、情報群の生成後に内部のデータを変更した一つのファイルシステムを変更前の一つのファイルシステム,アプリケーションソフトが記録されているデータ記録済み領域上に重ね書きすることで、データ記録済み領域を有効に活用することができると共に、一つのファイルシステムだけを適用しているのでファイルシステムの簡素化を図ることができる。
また、請求項5記載の情報記録方法によると、一つのファイルシステムとなるUDF−BridgeファイルシステムはDVD規格フォーマットに準拠しているので、光ディスクに記録した情報群を既存のDVDプレーヤで再生できる。
また、請求項6記載の情報記録方法によると、光ディスクに予め記録されたディスク物理情報及び/又はディスク製造者情報に対応した情報を情報処理装置内にインストールしたアプリケーションソフトから取得することで、未知の光ディスクを情報処理装置内に挿入した時に、情報処理装置内にインストールしたアプリケーションソフトに対して不正使用の防止を図ることができる。
また、請求項7記載の光ディスクによると、情報処理装置内で第1のファイルシステムによって読み取り可能なアプリケーションソフトを用いて情報処理装置内に蓄積した複数の情報から所望の情報を順次選択して希望する順に情報群を編集し、この後、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムと、第2のファイルシステムによって読み取り可能な情報群とを光ディスクの未記録領域に記録すると共に、アプリケーションソフト,第1のファイルシステムを第2のファイルシステムで読み取り不能にすることにより、結果的にアプリケーションソフトを情報処理装置内に1回限りインストールするように制限でき、更に、販売業者は光ディスクを介して情報編集記録用のアプリケーションソフトを多数販売できるので、アプリケーションソフトの開発費用をカバーできる一方、ユーザーはアプリケーションソフトの使用回数が1回限りに制限されるもののアプリケーションソフトを収納した光ディスクを安価に入手できるので、販売業者及びユーザー共にメリットが得られる。また、アプリケーションソフトを用いて情報群を記録した当該光ディスクを既存の光ディスクプレーヤで再生できる。
また、請求項8記載の光ディスクによると、情報処理装置内で第1のファイルシステムによって読み取り可能なアプリケーションソフトを用いて情報処理装置内に蓄積した複数の情報から所望の情報を順次選択して希望する順に情報群を編集し、この後、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムを情報群の生成後にデータ記録済み領域上に重ね書きして第1のファイルシステム,アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、情報群を光ディスクの書き換え可能領域に第2のファイルシステムによって読み取り可能に記録することにより、結果的にアプリケーションソフトを情報処理装置内に1回限りインストールするように制限できるので、請求項7と同様な効果が得られる他に、第2のファイルシステムを第1のファイルシステム,アプリケーションソフトが記録されているデータ記録済み領域上に重ね書きすることで、データ記録済み領域を有効に活用することができる。
更に、請求項9記載の光ディスクによると、情報処理装置内で一つのファイルシステムによって読み取り可能なアプリケーションソフトを用いて情報処理装置内に蓄積した複数の情報から所望の情報を順次選択して希望する順に情報群を編集し、この後、情報群の生成により一つのファイルシステム内のデータが変更された上でこの一つのファイルシステムを情報群の生成後にデータ記録済み領域上に重ね書きして変更前の一つのファイルシステム,アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、情報群を光ディスクの書き換え可能領域に変更後の一つのファイルシステムによって読み取り可能に記録することにより、結果的にアプリケーションソフトを情報処理装置内に1回限りインストールするように制限できるので、請求項7と同様な効果が得られる他に、変更後の一つのファイルシステムを変更前の一つのファイルシステム,アプリケーションソフトが記録されているデータ記録済み領域上に重ね書きすることで、データ記録済み領域を有効に活用することができると共に、一つのファイルシステムだけを適用しているのでファイルシステムの簡素化を図ることができる。
以下に本発明に係る情報記録方法及び光ディスクの一実施例について図1〜図16を参照して、実施例1,実施例2の順に詳細に説明する。
尚、実施例1では一回だけ記録可能な光ディスクを適用した例について説明し、実施例2では複数回繰り返し記録可能な光ディスクを適用した例について説明する。
図1は本発明に係る実施例1の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システムを示した斜視図、
図2は本発明に係る実施例1の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システムを示したブロック図、
図3は本発明に係る実施例1の情報記録方法の動作を説明するためのフロー図である。
図1及び図2に示した如く、本発明に係る実施例1の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システム10Aでは、一回だけ記録可能な光ディスク100Aのデータ記録済み領域内に、情報群を生成するためのアプリケーションソフトと、第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステムとが予め記録された状態で、第1のファイルシステムによって読み取り可能な情報編集記録用のアプリケーションソフトを情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと記す)20内にインストールし、且つ、例えばディジタルカメラ11で撮影した複数の画像情報をパソコン20内に取り込んだ後に、アプリケーションソフトを用いて複数の画像情報から所望の画像情報を順次選択して、所望の画像情報に対して必要に応じてバックミュージック(音楽情報)とかコメント情報などを付加した上で例えばスライドショー用の画像情報群を希望する順に編集し、更に、アプリケーションソフトの指令に基づいて、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステムと、第2のファイルシステムによって読み取り可能な情報群(例えばスライドショー用の画像情報群)とを光ディスク100Aの未記録領域に記録すると共に、データ記録済み領域内のアプリケーションソフト,第1のファイルシステムを情報群の生成後に第2のファイルシステムで読み取り不能にして、編集後の光ディスク100Bを得ることを特徴としている。
従って、情報群の編集後には、第2のファイルシステムによってアプリケーションソフト及び第1のファイルシステムが読み取り不能になっているので、アプリケーションソフトをパソコン20内に1回限りインストールするように制限でき、更に、スライドショー用の画像情報群を記録した光ディスク100Bを既存の光ディスクプレーヤ12で再生し、この光ディスクプレーヤ12に接続したモニタTV13でスライドショー用の画像情報群を見ることができるように構成されている。
この際、記録再生可能な光ディスク100Aは、一回だけ記録可能なDVD−R又はCD−Rなどを用いており、以下の説明ではDVD−Rを適用した場合について説明する。
そして、上記した光ディスク100Aは、パソコン20内に挿入する前の状態においてデータが記録されていない未記録領域を有し、且つ、情報編集記録用のアプリケーションソフトと第1のファイルシステムとVATとを予め記録したデータ記録済み領域を有しているものである。
一方、再生可能な光ディスク100Bは、パソコン20内で上記した情報編集記録用のアプリケーションソフトを用いて一回だけ記録可能な光ディスク100A上に例えばスライドショー用の画像情報群を所定の光ディスク規格フォーマットに従って記録すると共に、アプリケーションソフトをインストール不可能な状態にして、パソコン20内から取り出したものであり、情報編集記録用のアプリケーションソフト及び第1のファイルシステムを記録したデータ記録済み領域はそのままの位置を保っている。
尚、この実施例1において、記録再生可能な光ディスク100Aに予め記録した情報編集記録用のアプリケーションソフトは、例えばスライドショー用の画像情報群を当該光ディスク100A上で編集記録できるように作製されたものであるが、スライドショー用の画像情報群に限られるわけではなく、アプリケーションソフトに対して所定の処理を施して生成した情報群を光ディスク100A上に記録できるものならばいかなるアプリケーションソフトでも良いものである。
より具体的に説明すると、図2に示した如く、パソコン20は、パソコン全体を制御するCPU21と、複数の画像情報や複数の音楽情報などの各種の情報を多量に蓄積するハードディスク22と、各種の情報を一時的に記憶する一時記憶メモリ23と、記録再生可能な光ディスクドライブ24と、複数のUSBポート25〜27と,インターネット接続用端子28とを少なくとも内部に備えていると共に、画像情報に対するコメント情報などを入力するキーボード29と、画像情報,コメント情報などを表示するディスプレイ30とを外部に備えている。
この際、パソコン20内のハードディスク22には、例えばディジタルカメラ11で撮影した複数の画像情報とか、不図示の映像機器からの画像情報とか、不図示のオーディオ機器からの音楽情報が複数のUSBポート25〜27,CPU21を介して蓄積されていると共に、インターネット回線14から送られた各種の情報がインターネット接続用端子28,CPU21を介して蓄積されている。
また、パソコン20内の光ディスクドライブ24は、不図示の光ピックアップにより記録再生可能な光ディスク100Aに対して各種の情報群を記録再生可能に構成されている。この実施例1では記録再生可能な光ディスク100Aとして先に説明したように一回だけ記録可能なDVD−Rを適用している。
上記のように構成した実施例1の情報記録システム10Aの動作を、図2及び図3を併用して動作順に説明すると、まず、ステップS1では、ディジタルカメラ11で撮影した複数の画像情報をパソコン20内のハードディスク22に取り込む。
次に、ステップS2では、未記録領域を有する記録再生可能な光ディスク100Aに予め記録され且つ第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステムで読み取り可能な情報編集記録用のアプリケーションソフトをパソコン20内にインストールする。ここでは、パソコン20内の光ディスクドライブ24により光ディスク100Aから情報編集記録用のアプリケーションソフトを第1のファイルシステムにより読み出して、このアプリケーションソフトをCPU21を介してハードディスク22に記憶させている。この際、パソコン20内にインストールしたアプリケーションソフトに対して不正使用を防止する対策を施しているが、この不正使用防止対策については後述する。
尚、情報編集記録用のアプリケーションソフトをパソコン20内のハードディスク22に記憶させずに、一時記憶メモリ23に記憶させる方法でも良く、更に、アプリケーションソフトをハードディスク22と一時記憶メモリ23とに分割して記録しても良い。この際、アプリケーションソフトをハードディスク22に記憶させた場合には1回使用したらアプリケーションソフトをハードディスク22から削除するように設定すればアプリケーションソフトの不正使用を防止でき、一方、アプリケーションソフトを一時記憶メモリ23に記憶させた場合には電源OFF時に自動的に削除できるのでアプリケーションソフトの不正使用を防止できる。
次に、ステップS3では、パソコン20内で情報編集記録用のアプリケーションソフトを用いてハードディスク22に取り込んだ複数の画像情報から所望の画像情報を順次選択して、所望の画像情報に対して必要に応じてバックミュージック(音楽情報)とかコメント情報などを付加した上で所望の画像情報を希望する順に所定の光ディスク規格フォーマットとして例えば後述するようにDVD−Video規格フォーマットに従う第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステムで読み取り可能に編集して、スライドショー用の画像情報群を得て、このスライドショー用の画像情報群をパソコン20内の一時記憶メモリ23に一時的に記憶させている。
この際、情報編集記録用のアプリケーションソフト内にバックミュージックとして明るい曲とか、静かな曲とか、スポーティな曲などを複数種類用意しておき、所望の画像情報に対して複数種類の曲の中から必要に応じてバックミュージック(音楽情報)を選択的に付加させる方法とか、あるいは、ハードディスク22に蓄積した複数の音楽情報もしくはインターネット回線14を介して取り込んだ複数の音楽情報から選択した所望の音楽情報を適宜付加させる方法とがある。
また、所望の画像情報に対してコメント情報を付加させる場合には、パソコン20のキーボード29からコメント情報を入力してディスプレイ30を見ながらコメント情報を付加すれば良い。
次に、ステップS4では、パソコン20内でアプリケーションソフトの指令により、第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステムを光ディスク100Aのリードイン領域に続く未記録領域に記録すると共に、編集したスライドショー用の画像情報群を第2のファイルシステムに続く未記録領域に第2のファイルシステムにより読み取り可能に記録し、更に、記録済みのアプリケーションソフト及び第1のファイルシステムを第2のファイルシステムで読み取り不能に制御することで、スライドショー用の画像情報群を記録した光ディスク100Bをパソコン20内から取り出す。これにより、光ディスク100Bをパソコン20内から取り出した時には、記録済みのアプリケーションソフトはパソコン20に対してインストール不可能な状態になるので、結果的にアプリケーションソフトをパソコン20内に1回限りインストールするように制限できる。
次に、ステップS5では、スライドショー用の画像情報群を記録した光ディスク100Bを既存の光ディスクプレーヤ(DVD−Videoプレーヤ)12で再生すると、スライドショー用の画像情報群がモニタTV13上に表示される。これにより、皆でスライドショー用の画像情報群を見ることができる。
尚、上記の動作フローでは、スライドショー用の画像情報群を編集記録した場合について説明したが、これに限ることなく、アプリケーションソフトによって生成した各種の情報群を光ディスク100Aに記録する場合も可能である。
次に、本発明に係る実施例1の光ディスクについて、図4〜図8を用いて説明する。
図4は市販されているDVD−Videoディスクを説明するための平面図、
図5は市販されているDVD−Videoディスクに対するDVD−Videoフォーマット構成を示した構成図、
図6は本発明に係る実施例1の光ディスクを説明するための平面図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク100Aの状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク100Bの状態を示した図、
図7は本発明に係る実施例1の光ディスクの信号領域を説明するための模式図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク100Aの信号領域130Aの状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク100Bの信号領域130Bの状態を示した図である。
本発明に係る実施例1の光ディスクは、前述したように記録再生可能な光ディスクとして一回だけ記録可能なDVD−Rを用いているが、実施例1の光ディスクを説明する前に市販されているDVD−Videoディスクについて図4及び図5を用いて簡略に説明する。
図4に示した如く、市販されている再生専用のDVD−Videoディスク100は、外観形状が直径120mmの円盤状に形成されており、中心部に直径15mmの中心孔110が貫通して形成され、且つ、この中心孔110の外周に沿ってクランプ領域120が形成されている。この際、中心孔110は不図示のターンテーブルに設けられたセンターポールに嵌め込まれ、且つ、ターンテーブル上にクランプ領域120の下面が載置されると共に、クランプ領域120の上面は不図示のディスククランパによりターンテーブル側に押圧されるようになっている。
また、クランプ領域120より外周側に、螺旋状のトラックを有する信号領域130が再生専用可能に形成されており、この信号領域130内には、内周から外周に向かって、光ディスクの開始を示すリードイン領域150と、画像情報,音楽情報などの情報を周知のMPEG2などの圧縮技術を用いて圧縮記録したデータ記録済み領域160と、光ディスクの終了を示すリードアウト領域180とで構成されている。
更に、図5に示した如く、DVD−Videoフォーマットに準拠した信号領域130を説明すると、リードイン領域150内にCTL(コントロールデータ)151を予め記録し、このCTL(コントロールデータ)151で光ディスクの種別、サイズ及び光ディスクの開始セクタ、終了セクタ等の再生に必要な情報を記録している。
また、データ記録済み領域160内には、下記するDVD−Videoを管理するUDF−Bridge(ユニバーサル ディスク フォーマット ブリッジ)ファイルシステム161と、そのディレクトリを構成するDVD−Videoのフォルダ群162とが記録されている。
この際、UDF−Bridgeファイルシステム161は、UDF(ユニバーサル ディスク フォーマット)1.02規格及びISO9660規格から構成され、前者のUDF1.02規格はDVD−Videoプレーヤ,Windows(登録商標) 2000,XP、後者のISO9660規格はWindows(登録商標) 95,98のファイルシステムに対応して設けられており、DVD−Videoのフォルダ群162に対し、UDF1.02及びISO9660の両方のファイルシステムがデータを共通にして読み取るものである。
また、DVD−Videoのフォルダ群162について詳細に説明しないが、このDVD−Videoのフォルダ群162は、ルートディレクトリのもとに、VIDEO_TS,AUDIO_TS,ユーザー定義ファイル等からなるファイル構造である。
更に、DVD−Videoのフォルダ群162は、UDF−Bridgeファイルシステム161を介して一般的な設定によりパソコンで参照可能なデータである。
そして、上記から、DVD−VideoディスクがDVD規格準拠の光ディスクプレーヤ12(図1,図2)で正常に再生する条件は、UDF−Bridgeファイルシステム161下で管理するファイル構成であり、且つ、シングルボーダ構造が必須条件である。
尚、ここでのシングルボーダ構造とはDVD規格の場合に、光ディスクの内周から外周に向かう信号領域130内で、リードイン領域150と、データ記録済み領域160と、リードアウト領域180とを組みとした時に、この組みが信号領域130内に1組だけ存在する構造であり、CD規格の場合のシングルセッション構造と略等価である。
そこで、本発明に係る実施例1の光ディスクでは、先に説明したように、一回だけ記録可能な光ディスク100Aに情報編集記録用のアプリケーションソフトを予め記録し、このアプリケーションソフトをパソコン20(図1,図2)内にインストールする段階では光ディスク100Aが後述するようにDVD−Videoフォーマットとは無関係であり、このアプリケーションソフトを用いてパソコン20内に蓄積した画像情報,音楽情報などの複数の情報から所望の情報を順次選択して希望する順に情報群を編集し、且つ、編集した情報群をアプリケーションソフトの指令によりパソコン20内でDVD−Videoフォーマットに従って当該光ディスク100Aに記録すると共に、情報群への記録時にアプリケーションソフトをインストール不能な状態にした後の光ディスク100Bでは完全にDVD−Videoフォーマットに準拠されているものである。
尚、以下の説明では、DVD−Videoフォーマットに準拠した例について述べるが、
これに限ることなく、ISO9660規格をファイルシステムとする応用例としてVideoCDなども適用可能である。
即ち、図6(a)に示したように、パソコン20(図1,図2)に入れる前の光ディスク100Aの状態は、市販されているDVD−Videoディスク100(図4)と同様に、外観形状が直径120mmの円盤状に形成されており、中心部に直径15mmの中心孔110が貫通して形成され、且つ、この中心孔110の外周に沿ってクランプ領域120が形成されている。
この光ディスク100Aでは、クランプ領域120の外周側で螺旋状のトラックにより形成される信号領域130Aの構成が市販されているDVD−Videoディスク100の信号領域130(図4,図5)に対して異なっており、信号領域130A内は有機色素記録膜又は相変化記録膜が膜付けされて螺旋状のトラックに沿ってDVD-Rディスクの増加記録モード(Incremental Writing Mode)を定めた規格に準拠するRZone記録再生可能になっている。更に、信号領域130A内では、市販されているDVD−Videoディスク100の信号領域130(図4,図5)とは異なって、リードイン領域150Aよりも内周側に後述するRMA(Recording Management Area)領域140Aが新たに追加されていると共に、リードアウト領域が設けられていない。
これに伴って、信号領域130A内は、内周から外周に向かって、RMA領域140Aと、リードイン領域150Aと、第1未記録領域170−1と、後述するようにアプリケーションソフト及び第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム並びにVATを予め記録したデータ記録済み領域160Aと、第2未記録領域170−2とで構成されている。更に、RMA領域140Aの内周側には、記録時のレーザーパワーを最適化するPCA(Power Calibration Area)領域があるが、このPCA領域は実施例1に対して直接関係ないのでここでの図示を省略する。
従って、この光ディスク100Aは、リードアウト領域がないために先に図1及び図2に示した既存の光ディスクプレーヤ(DVDプレーヤ)12での再生ができないものの、DVD-Rディスクの記録方法を定めた増加記録モードに準拠するため、パソコン20(図1,図2)内の光ディスクドライブ24(図2)では記録再生可能になっている。
次に、図6(b)に示した如く、上記した光ディスク100Aをパソコン20(図1,図2)内に装着した後に、アプリケーションソフトを用いて素材情報群を編集記録してパソコン20から取り出した光ディスク100Bの状態は、クランプ領域120の外周側で螺旋状のトラックにより形成される信号領域130Bの構成が、上記した光ディスク100Aの信号領域130Aに対して異なっており、この信号領域130BはDVD−Videoフォーマットに従って光ディスク100Aの第1未記録領域170−1又は第2未記録領域170−2にDVD−Video情報群を記録すると共に、記録済みのアプリケーションソフトをインストール不可能な状態に変換してデータ記録済み領域160Bとし、更に、リードイン領域150Bとリードアウト領域180Bとを追加している。
これに伴って、信号領域130B内は、内周から外周に向かって、後述するRMA領域140Bと、リードイン領域150Bと、アプリケーションソフトから制作したDVD−Videoの情報群とインストール不可能な状態に制御されるアプリケーションソフトとを記録したデータ記録済み領域160Bと、リードアウト領域180Bとで構成されている。
従って、この光ディスク100Bは、リードイン領域150Bと、データ記録済み領域160Bと、リードアウト領域180Bとによる組みが1組存在するDVD−Video規格に準拠にしたシングルボーダ構造であるので、DVD−Video規格の光ディスクプレーヤ12(図1,図2)での正常な再生動作が可能となっている。
次に、光ディスク100Aの信号領域130Aにおいてアプリケーションソフトをパソコン20(図1,図2)内にインストール可能に記録し、一方、光ディスク100Bの信号領域130Bにおいてアプリケーションソフトをパソコン20内にインストール不可能な状態にする技術的思想について、図7(a),(b)を用いて説明する。
まず、パソコン20に入れる前の光ディスク100Aの信号領域130Aの状態は、図7(a)に示した如くとなっており、前述したように、内周から外周に向かって、RMA領域140A,リードイン領域150A,第1未記録領域170−1,データ記録済み領域160A,第2未記録領域170−2が順に配置されている。
即ち、信号領域130Aにおいて、この信号領域130Aの最内周に位置するRMA領域140Aは、記録再生時に不図示の光ピックアップが最初に読み取りを行う領域であり、このRMA領域140A内に記録管理情報であるRMD(Recording Management Data)情報がフィールド0からフィールド14に亘って分割記録可能で且つ予約した領域にデータを追記録した際にRMD情報中のフィールド4に必要なゾーンの種別、RZoneの開始セクタ番号及び終了セクタ番号等を追記録可能になっている。
上記した光ディスク100AでのRZone記録は、第1未記録領域170−1をRZone#1とし、且つ、記録状態をReservedとする。また、データ記録済み領域160AをRZone#2とし、且つ、記録状態をCompletedとする。
この際、光ディスク100Aをパソコン20内に入れる前段階では、RMA領域140A内のRMD−1情報141に後述するUDF2.0ファイルシステム166Aを含むRZone#2の開始アドレス及び終了アドレスが記録されているので、光ピックアップでRMD−1情報141を読み取った後に光ピックアップはRZone#2内のポインタを使い、UDF2.0ファイルシステム166Aの開始位置に移動することが可能となる。
また、RMA領域140Aの隣に位置するリードイン領域150A内には、ディスク情報を示すCTL(コントロールデータ)152がプリピットの形態又はPre−recordedの形態で記録されており、この実施例1ではCTL(コントロールデータ)152中のディスク物理情報及び/又はディスク製造者情報を用いてパソコン20内にインストールしたアプリケーションソフト165Aに対して不正使用防止対策を施しているが、これについては後で述べる。
また、リードイン領域150Aに続く外周側に第1未記録領域170−1がRZone#1として配置されており、このRZone#1内に後述するように第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム161Bと、DVD−Video162Bと、Files163Bとが記録できるように予め用意(Reserved)されている。
また、第1未記録領域170−1に続く外周側にデータ記録済み領域160AがRZone#2として配置されており、このデータ記録済み領域160A内に記録されたデータは一回だけ記録できるものの、データを記録した後には消去不能となっているので記録したデータは常にこの位置を保持している。
そして、このデータ記録済み領域160A内は、アプリケーションソフト165Aと、第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム166Aと、VAT(Virtual Allocation Table)167Aとで構成されている。ここで、データ記録済み領域160Aで構成するRzone#2は、完全な記録状態(Completed)で記録されて、データ記録済み領域160Aのデータはパソコンで参照可能なデータとなっている。
この際、データ記録済み領域160A内に記録された情報編集記録用のアプリケーションソフト165Aは、パソコン20内に蓄積されている画像情報及び/又は音楽情報から所望の情報を選択して所望の情報を希望した順に編集して情報群を得るように制御し、且つ、画像情報が例えばスライドスライドショー用の場合に予め用意しておいた複数曲のバックミュージック(音楽情報)を必要に応じて選択的に付加できるように制御すると共に、画像情報に付加するコメントを必要に応じて入力できるように制御して、編集した情報群を例えばDVD−Video規格フォーマットに従う後述の第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム161Bに応じて編集する編集機能と、第1未記録領域170−1内でリードイン領域150Aの後に続いてUDF−Bridgeファイルシステム161Bを記録し、このUDF−Bridgeファイルシステム161Bの後に編集したDVD−Video162BとかFiles163Bを読み取り可能に記録する焼き付け機能と、既に記録したままの状態であり後述するアプリケーションソフト165B(=165A)及び第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム166B(=166A)並びにVAT167B(=167A)を読み取り不能に制御する機能と、後述するようにリードイン領域150A内のCTL(コントロールデータ)152中に記録されたディスク物理情報及び/又はディスク製造者情報を用いてパソコン20内にインストールしたアプリケーションソフト165Aに対して不正使用防止対策を施す機能とを備えている。
また、データ記録済み領域160A内のUDF2.0ファイルシステム166Aは、アプリケーションソフト165Aが含むファイルに対する目次や検索情報などが収納されており、例えば、ファイルの名前とか、ファイルの大きさとか、ファイルの位置などが収納されている。従って、不図示の光ピックアップがUDF2.0ファイルシステム166Aの開始位置に到達した時に、光ピックアップはこのUDF2.0ファイルシステム166A内を参照して上記したアプリケ−ションソフト165Aを立ち上げるようになっている。
また、データ記録済み領域160A内のVAT167Aは、第1未記録領域170−1中に書き込みたい複数のフォルダの位置を仮想的に割り付けるために用意されたものであり、このVAT167Aを設けたことによりシングルボーダ構造で実施例1における情報群の編集記録が可能となる。
更に、データ記録済み領域160Aに続く外周側に第2未記録領域170−2が配置されており、後述するように、第2未記録領域170−2内にDVD−Video規格フォーマットに対応してリードアウト領域180Bが記録されるようになっている。
従って、光ディスク100Aをパソコン20内に挿入した時には、第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム166Aによってアプリケーションソフト165Aが立ち上げられ、このアプリケーションソフト165Aを用いて複数の情報群が編集される。
この後、アプリケーションソフト165Aの指令によって、光ディスク100Aの第1未記録領域170−1のRZone#1は記録状態をReservedからUDF−Bridge,DVD−Video,FilesによりCompletedとなる記録を行い、一方、データ記録済み領域160AからなるRZone#2はそのままとし、ディスク全体をシングルボーダとなるFinalized処理を行って、図7(b)に示した光ディスク100Bの信号形態にする。
より具体的に説明すると、RZone#1の記録において、光ディスク100Aの第1未記録領域170−1にDVD規格フォーマットに従う第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム161Bと、DVD−Videoのフォルダ群162Bと、例えば画像及び音楽等の情報フォルダのFiles163Bとを記録し、第1未記録領域170−1の記録状態をReservedからCompletedにして光ディスク100B上でのデータ記録済み領域160Bとする。
そして、RZone#1内のUDF−Bridgeファイルシステム161Bと、DVD−Videoのフォルダ群162Bと、情報フォルダのFiles163Bとをパソコンで参照可能なデータとする。
また、RZone#2は、光ディスク100Aのデータ記録済み領域160A内のデータが記録された状態のままであり、編集後の光ディスク100Bではデータ記録済み領域160B内に記録された記録済みのデータをアプリケーションソフト165B,UDF2.0ファイルシステム166B,VAT167Bと呼称するものの、RZone#2内のアプリケーションソフト165B,UDF2.0ファイルシステム166B,VAT167Bは前述したUDF−Bridgeファイルシステム161Bに登録しないデータ(パソコンで参照不能なデータ)とする。
更に、Finalized処理において、光ディスク100Aのリードイン領域150Aの未記録領域に所定フォーマットの追記データを記録して、光ディスク100Bのリードイン領域150B内での追記データ153とし、且つ、光ディスク100Aの第2未記録領域170−2に所定のリードアウト情報を記録して、光ディスク100Bでのリードアウト領域180Bとする。
そして、この光ディスク100Bをパソコン20から取り出した後の信号領域130Bの状態は、前述したように、内周から外周に向かって、RMA領域140B,リードイン領域150B,データ記録済み領域160B,リードアウト領域180Bが順に配置される。
即ち、信号領域130Bにおいて、この信号領域130Bの最内周に位置するRMA領域140Bは、再生時に不図示の光ピックアップが最初に読み取りを行う領域であり、このRMA領域140B内では先に図7(a)を用いて説明したRMD−1情報141が図7(b)に示したRMD−2情報142に更新記録されている。この際、更新されたRMD−2情報142には、UDF−Bridgeファイルシステム161Bを含むRZone#1の開始アドレス及び終了アドレスが記録されているので、光ピックアップでRMD−2情報142を読み取った後に光ピックアップはRZone#1内のポインタを使いUDF−Bridgeファイルシステム161Bの開始位置に移動するようになっている。
また、RMA領域140Bの隣に位置するリードイン領域150B内には、先に図7(a)を用いて説明したCTL(コントロールデータ)152がプリピットの形態又はPre−recordedの形態で不正使用防止対策を施して記録されていると共に、所定フォーマットの追記データ153が追記録されている。
また、リードイン領域150Bの隣にデータ記録済み領域160Bが設けられている。そして、このデータ記録済み領域160B内には、内周から外周に向かって、リードイン領域150Bの後に続いてUDF−Bridgeファイルシステム161Bと、DVD−Videoのフォルダ群162Bと、たとえば画像及び音楽等の情報フォルダのFiles163Bと、アプリケーションソフト165Bと、UDF2.0ファイルシステム166Bと、VAT167Bとで構成されている。ここで、161B〜163Bまでの各ブロックは、RZone#1記録において完全な記録状態(Completed)で記録されており、パソコンで参照可能なデータとなっている。一方、165B〜167Bまでの各ブロックは、RZone#2の記録時に完全な記録状態(Completed)で既に記録されており、パソコンで参照不能なデータとなっている。
より具体的に説明すると、データ記録済み領域160B内は、RZone#1とRZone#2とが存在するが、パソコン20から参照できるフォルダはRZone#1だけである。
ここで、UDF−Bridgeファイルシステム161Bは、DVD−Videoのフォルダ群162Bと、Files163Bとに対して参照するものの、RZone#2のアプリケーションソフト165Bと、UDF2.0ファイルシステム166Bと、VAT167Bとに対して参照の対象にしない。
このように光ディスク100Bはシングルボーダ構造にFinalizedされるため、DVD−Video規格準拠の光ディスクとなり、市販のDVD−Videoプレーヤでの再生互換に支障をきたさない。また、光ディスク100Bのデータ記録済み領域160BのRZone#2に記録されたアプリケーションソフト165Bは、UDF−Bridgeファイルシステム161Bで参照しないため、結果的に1回しか使用できず、光ディスク100Bからのパソコンへの再インストールはできない。
また、UDF−Bridgeファイルシステム161Bの隣に位置するDVD−Videoのフォルダ群162Bは、先に図7(a)で示した情報編集記録用のアプリケーションソフト165Aを用いてパソコン20内に蓄積したディジタルカメラ11で撮影した複数の画像情報から所望の画像情報を順次選択して、所望の画像情報に対して必要に応じてバックミュージック(音楽情報)とかコメント情報などを付加した上で所望の画像情報を希望する順に編集して、スライドショー用の画像情報群を得て、このスライドショー用の画像情報群をDVD規格フォーマットに従って周知のMPEG2などの圧縮技術を用いて圧縮記録したものであり、このDVD−Videoのフォルダ群162Bは図1及び図2に示した既存の光ディスクプレーヤ(DVDプレーヤ)12で再生可能になっている。
また、DVD−Videoのフォルダ群162Bの隣に位置するFiles163Bは、スライドショー用の画像情報群を例えばJPEGフォーマットのままで記録しておくことにより、パソコン20内にスライドショー用の画像情報群を記憶させる必要がなくなると共に、このFiles163Bは図1及び図2に示した既存の光ディスクプレーヤ(DVDプレーヤ)12では再生できないが、光ディスク100Bをパソコン20内に挿入した時にFiles163Bを高画質な状態で見ることができるようになっている。
上記したように、第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム166A(166B)から第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム161Bに変更することで、パソコン20内にインストール可能なアプリケーションソフト165AがUDF−Bridgeファイルシステム161Bによりパソコン20内にインストール不可能な状態になり、これによりアプリケーションソフトに対してインストールを1回限りに制限した編集記録システムを構築することができる。
従って、実施例1によると、販売業者は光ディスク100Aを介して情報編集記録用のアプリケーションソフト165Aを多数販売できるので、アプリケーションソフト165Aの開発費用をカバーできる一方、ユーザーはアプリケーションソフト165Aの使用回数が1回限りに制限されるもののアプリケーションソフト165Aを収納した光ディスク100Aを安価に入手できるので、販売業者及びユーザー共にメリットが得られる。
次に、実施例1を一部変形させた変形例について図8(a),(b)を用いて簡略に説明する。
図8は本発明に係る実施例1の光ディスクを一部変形させた変形例の信号領域を説明するための模式図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク100A’の信号領域130A’の状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク100B’の信号領域130B’の状態を示した図である。
まず、図8(a)に示した如く、パソコン20に入れる前の光ディスク100A’の信号領域130A’の状態は、先に図7(a)を用いて説明した光ディスク100Aの信号領域130Aの状態に対して各ブロックの構成は全く同じであり、内周から外周に向かって、RMA領域140A,リードイン領域150A,Rzone#1の第1未記録領域170−1,Rzone#2のデータ記録済み領域160A,第2未記録領域170−2が順に配置されているものの、第1,第2未記録領域170−1,170−2の記録方向の長さが異なるだけである。
一方、図8(b)に示した如く、パソコン20から取り出した後の光ディスク100B’の信号領域130B’の状態は、先に図7(b)を用いて説明した光ディスク100Bの信号領域130Bの状態に対してデータ記録済み領域160B内の配列順序が異なるだけであり、このデータ記録済み領域160B内では内周から外周に向かって、Rzone#1のUDF−Bridgeファイルシステム161Bと、Rzone#2で構成されるアプリケーションソフト165B,UDF2.0ファイルシステム166B,VAT167Bと、Rzone#3で構成されるDVD−Videoのフォルダ群162B,Files163Bと、所定フォーマット記録のリードアウト領域168Bの順で構成されている。
この際、光ディスク100A’の第1未記録領域170−1が予めリザーブされて光ディスク100B’上でのRzone#1内にリードイン領域150Bの後に続くUDF−Bridgeファイルシステム161Bのみが記録されるため、この光ディスク100A’,100B’上でのRzone#1は先に図7(a),(b)で示した光ディスク100A,100B上でのRzone#1よりも狭い領域に設定可能である。
また、Rzone#3を構成する第2未記録領域170−2内のDVD−Videoのフォルダ群162B及びFiles163Bは、編集対象のサイズに合わせて編集記録できるので、短時間で光ディスク100B’内にRzone#3を形成することができる。
勿論、この実施例1の変形例においても、光ディスク100B’の信号領域130B’内でアプリケーションソフト165Bと、UDF2.0ファイルシステム166Bと、VAT167Bは、UDF−Bridgeファイルシステム161Bから参照不能なデータとなっている。
次に、実施例1の光ディスク100A又は実施例1を一部変形させた変形例の光ディスク100A’に予め記録したアプリケーションソフト165Aをパソコン20内にインストールした時に、アプリケーションソフト165Aに対して不正使用を防止する技術的思想について、図9を用いて説明する。
図9は本発明に係る実施例1の光ディスク又は実施例1を一部変形させた変形例の光ディスクにおいて、パソコン内にインストールしたアプリケーションソフトに対して不正使用を防止するためにリードイン領域内に予め記録したCTL(コントロールデータ)を説明するための図である。
図9に示した如く、リードイン領域150A内のCTL(コントロールデータ)152は、ディスク物理情報Aとか、ディスク製造者情報Bとか、システム使用のための予約Cとが、プリピットの形態又はPre−recordedの形態で記録されており、この状態で光ディスク100Aが出荷される。このため購入者はCTL152のデータをDVD再生機または記録再生機で読み取ることは可能だが、そのデータ値をDVD記録再生機で改竄することはできない領域である。
この実施例1では、図7(a)に示した光ディスク100A内のアプリケーションソフト165Aに対応してディスク物理情報Aとディスク製造者情報Bのうち少なくとも1つ以上を製造者だけが変更可能な値に予め設定している。
例えば、CTL152のディスク物理情報Aのうちで螺旋状のトラックの終了位置を、通常の終了セクタアドレス値に対して故意に短く設定し、通常より短く設定したトラックの終了位置を工場で予め記録しておけば、ユーザー側でディスク物理情報Aを改変できないばかりでなく、市販されている光ディスクの終了セクタアドレス値とは一致しない値となるので安全である。
また、CTL152のディスク製造者情報Bにアプリケーションソフト165Aから解読できる暗号情報を記録し、その値を使用することも可能である。
更に、CTL152のディスク物理情報A及び/又はディスク製造者情報Bに対応した情報をアプリケーションソフト165A内に予め収録しておけば、このアプリケーションソフト165Aをパソコン内にインストールした時にディスク物理情報A及び/又はディスク製造者情報Bに対応した情報をインストールしたアプリケーションソフト165Aから取得して比較することで、インストールしたアプリケーションソフト165Aへの不正使用を防止できる。
この他に、光ディスク100A内のトラックをウォブリングさせて、このトラックのウォブリング信号中、又は、ウォブリングさせたトラック間に形成したランドプリピット中に、アプリケーションソフトに対して不正使用を防止するためデータを重畳して記録する方法でも良く、この際、ウォブリングされたトラックやランドプリピットはディスク成形時に形成されるためにそのデータ値をDVD記録再生機で改竄することはできないものである。
ここで、ユーザーが本発明に係る実施例1の光ディスクを不正に使用するケースは2つ考えられる。
第1のケースは未使用の光ディスク100Aの情報を他の未記録ディスクに光ディスク100Aと同じ構造でコピーして使用する場合、第2のケースは光ディスク100Aをインストール後のDVD−Videoフォーマットの編集時に、光ディスク100Aを記録再生機から抜き取り、他の市販の未記録ディスクを挿入して使用する場合である。
前者のケースでは、アプリケーションソフト165Aの中に、ソフトの開始する時点で、光ディスク100AのCTL152の情報とアプリケーションソフト165Aの中の値が一致または関連づけられているかを確認することで実現できる。
また、後者のケースでは、上記確認方法をDVD−Video記録の開始、または途中において実施することで実現できる。当然、これらの組み合わせも行うことは容易なことである。
図10は本発明に係る実施例2の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システムを示した斜視図、
図11は本発明に係る実施例2の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システムを示したブロック図、
図12は本発明に係る実施例2の情報記録方法の動作を説明するためのフロー図である。
図10及び図11に示した本発明に係る実施例2の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システム10Bは、先に説明した本発明に係る実施例1の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システム10Aに対して光ディスクの種類が異なるだけであり、この実施例2では複数回繰り返し記録可能な光ディスク200Aを用いることで実施例1に対して情報記録方法が一部異なっており、ここでは説明の便宜上、先に示した構成部材に対して同一の符番を付し、且つ、実施例1に対して異なる構成部材に対して新たな符番を付して異なる点を中心に説明する。
図10及び図11に示した如く、本発明に係る実施例2の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システム10Bでは、複数回繰り返し記録可能な光ディスク200Aのデータ記録済み領域内に、第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステムと、情報群を生成するためのアプリケーションソフトとが予め記録された状態で、第1のファイルシステムによって読み取り可能な情報編集記録用のアプリケーションソフトを情報処理装置であるパソコン20内にインストールし、且つ、例えばディジタルカメラ11で撮影した複数の画像情報をパソコン20内に取り込んだ後に、アプリケーションソフトを用いて複数の画像情報から所望の画像情報を順次選択して、所望の画像情報に対して必要に応じてバックミュージック(音楽情報)とかコメント情報などを付加した上で例えばスライドショー用の画像情報群を希望する順に編集し、更に、アプリケーションソフトの指令に基づいて、所定の光ディスク規格フォーマットに従う第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステムを情報群の生成後にデータ記録済み領域上に重ね書きして第1のファイルシステム,アプリケーションソフトの一部又は全部を消去すると共に、第2のファイルシステムによって読み取り可能な情報群(例えばスライドショー用の画像情報群)を光ディスクの書き換え可能領域に記録して、編集後の光ディスク200Bを得ることを特徴としている。
従って、情報群の編集後には、編集前に既に記録されている第1のファイルシステム及びアプリケーションソフトが一部消去又は全部消去されているので、アプリケーションソフトをパソコン20内に1回限りインストールするように制限でき、更に、スライドショー用の画像情報群を記録した光ディスク200Bを既存の光ディスクプレーヤ12で再生し、この光ディスクプレーヤ12に接続したモニタTV13でスライドショー用の画像情報群を見ることができるように構成されている。
この際、記録再生可能な光ディスク200Aは、複数回繰り返し記録可能なDVD−RW又はCD−RWもしくはDVD−RAMなどを用いており、以下の説明ではDVD−RWを適用した場合について説明する。
そして、上記した光ディスク200Aは、パソコン20内に挿入する前の状態においてデータを複数回繰り返して記録できる書き換え可能領域を有し、且つ、第1のファイルシステムとアプリケーションソフトとVATとを予め記録したデータ記録済み領域を有しているものである。
一方、再生可能な光ディスク200Bは、パソコン20内で上記した情報編集記録用のアプリケーションソフトを用いて複数回繰り返して記録可能な光ディスク200A上に例えばスライドショー用の画像情報群を所定の光ディスク規格フォーマットに従って記録すると共に、アプリケーションソフトを一部消去又は全部消去して、パソコン20内から取り出したものであり、パソコン20から取り出した時にアプリケーションソフトは当然読み取り不能になっている。
尚、この実施例2において、記録再生可能な光ディスク200Aに予め記録した情報編集記録用のアプリケーションソフトは、例えばスライドショー用の画像情報群を当該光ディスク200A上で編集記録できるように作製されたものであるが、スライドショー用の画像情報群に限られるわけではなく、アプリケーションソフトに対して所定の処理を施して生成した情報群を光ディスク200A上に記録できるものならばいかなるアプリケーションソフトでも良いものである。
より具体的に説明すると、図11に示した如く、パソコン20は、パソコン全体を制御するCPU21と、複数の画像情報や複数の音楽情報などの各種の情報を多量に蓄積するハードディスク22と、各種の情報を一時的に記憶する一時記憶メモリ23と、記録再生可能な光ディスクドライブ24と、複数のUSBポート25〜27と,インターネット接続用端子28とを少なくとも内部に備えていると共に、画像情報に対するコメント情報などを入力するキーボード29と、画像情報,コメント情報などを表示するディスプレイ30とを外部に備えている点は実施例1と全く同じ構成である。
上記のように構成した実施例2の情報記録システム10Bの動作を、図11及び図12を併用して動作順に説明すると、まず、ステップS11では、ディジタルカメラ11で撮影した複数の画像情報をパソコン20内のハードディスク22に取り込む。
次に、ステップS12では、書き換え可能領域を有する記録再生可能な光ディスク200Aに予め記録され且つ第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステムで読み取り可能な情報編集記録用のアプリケーションソフトをパソコン20内にインストールする。ここでは、パソコン20内の光ディスクドライブ24により光ディスク200Aから情報編集記録用のアプリケーションソフトを第1のファイルシステムにより読み出して、このアプリケーションソフトをCPU21を介してハードディスク22に記憶させている。この際、パソコン20内にインストールしたアプリケーションソフトに対して不正使用を防止する対策を施しているが、この不正使用防止対策については後述する。
尚、情報編集記録用のアプリケーションソフトをパソコン20内のハードディスク22に記憶させずに、一時記憶メモリ23に記憶させる方法でも良く、更に、アプリケーションソフトをハードディスク22と一時記憶メモリ23とに分割して記録しても良い。この際、アプリケーションソフトをハードディスク22に記憶させた場合には1回使用したらアプリケーションソフトをハードディスク22から削除するように設定すればアプリケーションソフトの不正使用を防止でき、一方、アプリケーションソフトを一時記憶メモリ23に記憶させた場合には電源OFF時に自動的に削除できるのでアプリケーションソフトの不正使用を防止できる。
次に、ステップS13では、パソコン20内で情報編集記録用のアプリケーションソフトを用いてハードディスク22に取り込んだ複数の画像情報から所望の画像情報を順次選択して、所望の画像情報に対して必要に応じてバックミュージック(音楽情報)とかコメント情報などを付加した上で所望の画像情報を所定の光ディスク規格フォーマットとして例えば後述するようにDVD−Video規格フォーマットに従う第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステムで読み取り可能に編集して、スライドショー用の画像情報群を得て、このスライドショー用の画像情報群をパソコン20内の一時記憶メモリ23に一時的に記憶させている。
この際、情報編集記録用のアプリケーションソフト内にバックミュージックとして明るい曲とか、静かな曲とか、スポーティな曲などを複数種類用意しておき、所望の画像情報に対して複数種類の曲の中から必要に応じてバックミュージック(音楽情報)を選択的に付加させる方法とか、あるいは、ハードディスク22に蓄積した複数の音楽情報もしくはインターネット回線14を介して取り込んだ複数の音楽情報から選択した所望の音楽情報を適宜付加させる方法とがある。
また、所望の画像情報に対してコメント情報を付加させる場合には、パソコン20のキーボード29からコメント情報を入力してディスプレイ30を見ながらコメント情報を付加すれば良い。
次に、ステップS14では、パソコン20内でアプリケーションソフトの指令により、第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステムをリードイン領域に続くデータ記録済み領域上に重ね書きして第1のファイルシステム,アプリケーションソフトを一部消去又は全部消去すると共に、編集したスライドショー用の画像情報群を第2のファイルシステムに続く書き換え可能領域に第2のファイルシステムにより読み取り可能に記録することで、スライドショー用の画像情報群を記録した光ディスク200Bをパソコン20内から取り出す。これにより、光ディスク200Bをパソコン20内から取り出した時には、アプリケーションソフトは一部消去又は全部消去されているので、結果的にアプリケーションソフトをパソコン20内に1回限りインストールするように制限できる。
次に、ステップS15では、スライドショー用の画像情報群を記録した光ディスク200Bを既存の光ディスクプレーヤ(DVD−Videoプレーヤ)12で再生すると、スライドショー用の画像情報群がモニタTV13上に表示される。これにより、皆でスライドショー用の画像情報群を見ることができる。
尚、上記の動作フローでは、スライドショー用の画像情報群を編集記録した場合について説明したが、これに限ることなく、アプリケーションソフトによって生成した各種の情報群を光ディスクに記録する場合も可能である。
次に、本発明に係る実施例2の光ディスクについて、図13及び図14を用いて説明する。
図13は本発明に係る実施例2の光ディスクを説明するための平面図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク200Aの状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク200Bの状態を示した図、
図14は本発明に係る実施例2の光ディスクの信号領域を説明するための模式図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク200Aの信号領域230Aの状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク200Bの信号領域230Bの状態を示した図である。
まず、図13(a)に示したように、パソコン20(図10,図11)に入れる前の光ディスク200Aの状態は、市販されているDVD−Videoディスク100(図4)と同様に、外観形状が直径120mmの円盤状に形成されており、中心部に直径15mmの中心孔210が貫通して形成され、且つ、この中心孔210の外周に沿ってクランプ領域220が形成されている。
この光ディスク200Aでは、クランプ領域220の外周側で螺旋状のトラックにより形成される信号領域230Aの構成が市販されているDVD−Videoディスク100の信号領域130(図4,図5)に対して異なっており、信号領域230A内は相変化記録膜が膜付けされて螺旋状のトラックに沿ってDVD-RWディスクの増加記録モード(Incremental Writing Mode)を定めた規格に準拠するRZone記録再生可能になっている。更に、信号領域230A内では、市販されているDVD−Videoディスク100の信号領域130(図4,図5)とは異なって、リードイン領域250Aよりも内周側に後述するRMA(Recording Management Area)領域240Aが新たに追加されていると共に、リードアウト領域が設けられていない。
これに伴って、信号領域230A内は、内周から外周に向かって、RMA領域240Aと、リードイン領域250Aと、後述するように第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム及びアプリケーションソフト並びにVATを予め記録したデータ記録済み領域260Aと、書き換え可能領域270とで構成されている。更に、RMA領域240Aの内周側には、記録時のレーザーパワーを最適化するPCA(Power Calibration Area)領域があるが、このPCA領域は実施例2に対して直接関係ないのでここでの図示を省略する。この際、光ディスク200Aのデータ記録済み領域260Aは、重ね書きできる書き換え可能領域でもある。
従って、この光ディスク200Aは、リードアウト領域がないために先に図10及び図11に示した既存の光ディスクプレーヤ(DVDプレーヤ)12での再生ができないものの、DVD-RWディスクの記録方法を定めた増加記録モードに準拠するため、パソコン20(図10,図11)内の光ディスクドライブ24(図11)では記録再生可能になっている。
次に、図13(b)に示した如く、上記した光ディスク200Aを用いてパソコン20(図10,図11)内でアプリケーションソフトを用いて素材情報群を編集記録してパソコン20から取り出した光ディスク200Bの状態は、クランプ領域220の外周側で螺旋状のトラックにより形成される信号領域230Bの構成が、上記した光ディスク200Aの信号領域230Aに対して異なっており、この信号領域230BはDVD−Videoフォーマットに従って光ディスク200Aのデータ記録済み領域230A上に第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステムを重ね書きして第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム,アプリケーションソフトを一部消去又は全部消去し、且つ、光ディスク200Aの書き換え可能領域(260A),270にDVD−Video情報群を記録してデータ記録済み領域160Bとし、更に、リードイン領域250Bとリードアウト領域280Bとを追加している。
これに伴って、信号領域230B内は、内周から外周に向かって、後述するRMA領域240Bと、リードイン領域250Bと、UDF−Bridgeファイルシステムとアプリケーションソフトから制作したDVD−Videoの情報群とを記録したデータ記録済み領域260Bと、リードアウト領域280Bとで構成されている。
従って、この光ディスク200Bは、リードイン領域250Bと、データ記録済み領域260Bと、リードアウト領域280Bとによる組みが1組存在するDVD−Video規格に準拠にしたシングルボーダ構造であるので、DVD−Video規格の光ディスクプレーヤ12(図10,図11)での正常な再生動作が可能となっている。
次に、光ディスク200Aの信号領域230Aにおいてアプリケーションソフトをパソコン20(図10,図11)内にインストール可能に記録し、一方、光ディスク200Bの信号領域230Bにおいてアプリケーションソフトをパソコン20内にインストール不可能な状態にする技術的思想について、図14(a),(b)を用いて説明する。
まず、パソコン20に入れる前の光ディスク200Aの信号領域230Aの状態は、図14(a)に示した如くとなっており、前述したように、内周から外周に向かって、RMA領域240A,リードイン領域250A,データ記録済み領域260A,書き換え可能領域270が順に配置されている。
即ち、信号領域230Aにおいて、この信号領域230Aの最内周に位置するRMA領域240Aは、記録再生時に不図示の光ピックアップが最初に読み取りを行う領域であり、このRMA領域240A内に記録管理情報であるRMD(Recording Management Data)情報がフィールド0からフィールド14に亘って分割記録可能で且つ予約した領域にデータを追記録した際にRMD情報中のフィールド4に必要なゾーンの種別、RZoneの開始セクタ番号及び終了セクタ番号等を追記録可能になっている。
上記した光ディスク200AでのRZone記録は、データ記録済み領域260AをRZone#1とする。
この際、光ディスク200Aをパソコン20内に入れる前段階では、RMA領域240A内のRMD−1情報241に後述するUDF2.0ファイルシステム265を含むRZone#1の開始アドレス及び終了アドレスが記録されているので、光ピックアップでRMD−1情報241を読み取った後に光ピックアップはRZone#1内のポインタを使い、UDF2.0ファイルシステム265の開始位置に移動することが可能となる。
また、RMA領域240Aの隣に位置するリードイン領域250A内には、ディスク情報を示すCTL(コントロールデータ)252がプリピットの形態又はPre−recordedの形態で記録されており、この実施例2ではCTL(コントロールデータ)252中のディスク物理情報及び/又はディスク製造者情報を用いてパソコン20内にインストールしたアプリケーションソフト266に対して不正使用防止対策を施しているが、これについては後で述べる。
また、リードイン領域250Aに続く外周側にデータ記録済み領域260AがRZone#1として配置されており、このRZone#1内は第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム265と、アプリケーションソフト266と、VAT(Virtual Allocation Table)267とで構成されている。ここで、データ記録済み領域260Aで構成するRzone#1は、完全な記録状態(Completed)で記録されて、データ記録済み領域260Aのデータはパソコンで参照可能なデータとなっている。更に、データ記録済み領域260A内は複数回繰り返し記録可能であり、後述するように第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム261Bが重ね書きできるようになっていると共に、アプリケーションソフト266により作成した画像情報群も重ね書き可能になっている。
また、データ記録済み領域260Aに続く外周側に書き換え可能領域270が配置されており、この書き換え可能領域270内もアプリケーションソフト266により作成した画像情報群を複数回繰り返し記録可能になっている。
この際、データ記録済み領域260A内のUDF2.0ファイルシステム265は、アプリケーションソフト266が含むファイルに対する目次や検索情報などが収納されており、例えば、ファイルの名前とか、ファイルの大きさとか、ファイルの位置などが収納されている。従って、不図示の光ピックアップがUDF2.0ファイルシステム265の開始位置に到達した時に、光ピックアップはこのUDF2.0ファイルシステム265内を参照して上記したアプリケ−ションソフト266を立ち上げるようになっている。
また、データ記録済み領域260A内の情報編集記録用のアプリケーションソフト266は、パソコン20内に蓄積されている画像情報及び/又は音楽情報から所望の情報を選択して所望の情報を希望した順に編集して情報群を得るように制御し、且つ、画像情報が例えばスライドスライドショー用の場合に予め用意しておいた複数曲のバックミュージック(音楽情報)を必要に応じて選択的に付加できるように制御すると共に、画像情報に付加するコメントを必要に応じて入力できるように制御して、編集した情報群を例えばDVD−Video規格フォーマットに従う後述の第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム261Bに応じて編集する編集機能と、データ記録済み領域260A内でリードイン領域250Aの後に続いてUDF−Bridgeファイルシステム261Bを重ね書きして第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム265,アプリケーションソフト266,VAT267を一部消去又は全部消去し、このUDF−Bridgeファイルシステム261Bの後に編集したDVD−Video262BとかFiles263Bを読み取り可能に記録する焼き付け機能と、後述するようにリードイン領域250A内のCTL(コントロールデータ)252中に記録されたディスク物理情報及び/又はディスク製造者情報を用いてパソコン20内にインストールしたアプリケーションソフト266に対して不正使用防止対策を施す機能とを備えている。
また、データ記録済み領域260A内のVAT267は、データ書き換え可能領域270中に書き込みたい複数のフォルダの位置を仮想的に割り付けるために用意されたものであり、このVAT267を設けたことによりシングルボーダ構造で実施例2における情報群の編集記録が可能となる。
更に、書き換え可能領域270内の最終部位には、DVD−Video規格フォーマットに対応してリードアウト領域280Bが記録されるようになっている。
従って、光ディスク200Aをパソコン20内に挿入した時には、第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム265によってアプリケーションソフト266が立ち上げられ、このアプリケーションソフト266を用いて複数の情報群が編集される。
この後、アプリケーションソフト266の指令によって、光ディスク200Aのデータ記録済み領域260AのRZone#1はUDF−Bridge,DVD−Video,FilesによりCompletedとなる記録を行ってRZone#1’とし、ディスク全体をシングルボーダとなるFinalized処理を行って、図14(b)に示した光ディスク200Bの信号形態にする。
より具体的に説明すると、RZone#1の記録において、光ディスク200Aのリードイン領域250Aに続くデータ記録済み領域260Aに記録されたUDF2.0ファイルシステム265,アプリケーションソフト266,VAT267の上にDVD規格フォーマットに従う第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム261Bを重ね書きしてUDF2.0ファイルシステム265,アプリケーションソフト266,VAT267を一部消去又は全部消去し、且つ、書き換え可能領域(260A),270内にDVD−Videoのフォルダ群262Bと、例えば画像及び音楽等の情報フォルダのFiles263Bとを記録して、UDF−Bridgeファイルシステム261BからFiles263Bまでの領域をRZone#1’とし、このRZone#1’の記録状態をCompletedにして光ディスク200B上でのデータ記録済み領域260Bとする。
この際、図14(a),(b)では、光ディスク200Aのデータ記録済み領域260AのRZone#1に記録されたUDF2.0ファイルシステム265,アプリケーションソフト266,VAT267が全部消去されており、これにより、光ディスク200Bのリードイン領域250Bに続いてUDF−Bridgeファイルシステム261Bが重ね書きされ且つこの後ろで消去された後の書き換え可能領域(260A)と前から用意した書き換え可能領域270とに画像情報群が記録されているが、これに限られるものでなく、光ディスク200Aのデータ記録済み領域260A内でアプリケーションソフト266を読み取り不能にする重要な部分だけを一部消去するようにしても良く、この一部消去時には、光ディスク200Bのリードイン領域250Bに続いてUDF−Bridgeファイルシステム261Bだけは必ず重ね書きされ且つ一部消去して残った領域(260A)の後端から書き換え可能領域270にかけて画像情報群を記録すれば良いものである。
そして、RZone#1’内のUDF−Bridgeファイルシステム261Bと、DVD−Videoのフォルダ群262Bと、情報フォルダのFiles263Bとをパソコンで参照可能なデータとする。
更に、Finalized処理において、光ディスク200Aのリードイン領域250Aの未記録領域に所定フォーマットの追記データを記録して、光ディスク200Bのリードイン領域250B内での追記データ253とし、且つ、光ディスク200Aの書き換え可能領域270の最終部位に所定のリードアウト情報を記録して、光ディスク200Bでのリードアウト領域280Bとする。
そして、この光ディスク200Bをパソコン20から取り出した後の信号領域230Bの状態は、前述したように、内周から外周に向かって、RMA領域240B,リードイン領域250B,データ記録済み領域260B,リードアウト領域280Bが順に配置される。
即ち、信号領域230Bにおいて、この信号領域230Bの最内周に位置するRMA領域240Bは、再生時に不図示の光ピックアップが最初に読み取りを行う領域であり、このRMA領域240B内では先に図14(a)を用いて説明したRMD−1情報241が図14(b)に示したRMD−2情報242に更新記録されている。この際、更新されたRMD−2情報242には、UDF−Bridgeファイルシステム261Bを含むRZone#1’の開始アドレス及び終了アドレスが記録されているので、光ピックアップでRMD−2情報242を読み取った後に光ピックアップはRZone#1’内のポインタを使いUDF−Bridgeファイルシステム261Bの開始位置に移動するようになっている。
また、RMA領域240Bの隣に位置するリードイン領域250B内には、先に図14(a)を用いて説明したCTL(コントロールデータ)252がプリピットの形態又はPre−recordedの形態で不正使用防止対策を施して記録されていると共に、所定フォーマットの追記データ253が追記録されている。
また、リードイン領域250Bの隣にデータ記録済み領域260Bが設けられている。そして、このデータ記録済み領域260B内には、内周から外周に向かって、リードイン領域250Bの後に続いてUDF−Bridgeファイルシステム261Bと、DVD−Videoのフォルダ群262Bと、たとえば画像及び音楽等の情報フォルダのFiles263Bとで構成されている。ここで、261B〜263Bまでの各ブロックは、RZone#1’記録において完全な記録状態(Completed)で記録されており、パソコンで参照可能なデータとなっている。
このように光ディスク200Bはシングルボーダ構造にFinalizedされるため、DVD−Video規格準拠の光ディスクとなり、市販のDVD−Videoプレーヤでの再生互換に支障をきたさない。また、光ディスク200Aのデータ記録済み領域260AのRZone#1に記録されたアプリケーションソフト266は一部消去又は全部消去されているため、結果的に1回しか使用できず、光ディスク200Bからのパソコンへの再インストールはできない。
また、UDF−Bridgeファイルシステム261Bの隣に位置するDVD−Videoのフォルダ群262Bは、先に図14(a)で示した情報編集記録用のアプリケーションソフト266を用いてパソコン20内に蓄積したディジタルカメラ11で撮影した複数の画像情報から所望の画像情報を順次選択して、所望の画像情報に対して必要に応じてバックミュージック(音楽情報)とかコメント情報などを付加した上で所望の画像情報を希望する順に編集して、スライドショー用の画像情報群を得て、このスライドショー用の画像情報群をDVD規格フォーマットに従って周知のMPEG2などの圧縮技術を用いて圧縮記録したものであり、このDVD−Videoのフォルダ群262Bは図10及び図11に示した既存の光ディスクプレーヤ(DVDプレーヤ)12で再生可能になっている。
また、DVD−Videoのフォルダ群262Bの隣に位置するFiles263Bは、スライドショー用の画像情報群を例えばJPEGフォーマットのままで記録しておくことにより、パソコン20内にスライドショー用の画像情報群を記憶させる必要がなくなると共に、このFiles263Bは図10及び図11に示した既存の光ディスクプレーヤ(DVDプレーヤ)12では再生できないが、光ディスク200Bをパソコン20内に挿入した時にFiles263Bを高画質な状態で見ることができるようになっている。
上記したように、光ディスク200Aのデータ記録済み領域260A内に記録されたUDF2.0ファイルシステム265,アプリケーションソフト266,VAT267の上に第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム261Bを重ね書きすることで、これによりアプリケーションソフト266に対してインストールを1回限りに制限した編集記録システムを構築することができる。
従って、実施例2によると、販売業者は光ディスク200Aを介して情報編集記録用のアプリケーションソフト266を多数販売できるので、アプリケーションソフト266の開発費用をカバーできる一方、ユーザーはアプリケーションソフト266の使用回数が1回限りに制限されるもののアプリケーションソフト266を収納した光ディスク200Aを安価に入手できるので、販売業者及びユーザー共にメリットが得られる。更に、第2のファイルシステムを第1のファイルシステム,アプリケーションソフトが記録されているデータ記録済み領域上に重ね書きすることで、データ記録済み領域を有効に活用することができる。
次に、実施例2を一部変形させた変形例について図15(a),(b)を用いて簡略に説明する。
図15は本発明に係る実施例2の光ディスクを一部変形させた変形例の信号領域を説明するための模式図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク200A’の信号領域230A’の状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク200Bの信号領域230Bの状態を示した図である。
図15(a),(b)に示した如く、実施例2を一部変形させた変形例では、複数回繰り返して記録可能な光ディスク200A’を適用する点は実施例2と同様であるものの、実施例2に用いた第1,第2のファイルシステムを用いずに一つのファイルシステムとしてUDF−Bridgeファイルシステムを用い、情報群を編集する前の信号領域230A’中のUDF−Bridgeファイルシステム261Aに対して情報群を編集した後にはUDF−Bridgeファイルシステム261B内のデータが変更されることによって実施例2と同様の信号領域230Bが得られるように成したものである。
まず、図15(a)に示した如く、パソコン20に入れる前の光ディスク200A’の信号領域230A’の状態は、先に図14(a)を用いて説明した光ディスク200Aの信号領域230Aの状態に対してリードイン領域250Aに続くRzone#1内が異なっている。
即ち、光ディスク200A’のデータ記録済み領域260A’内にはUDF2.0ファイルシステムに代えて、所定の光ディスク規格フォーマットに従う一つのファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム261Aと、情報群を生成するためのアプリケーションソフト266とが記録されている点が実施例2に対して異なっている。この際、光ディスク200A’のデータ記録済み領域260A’は、重ね書きできる書き換え可能領域でもある。
一方、図15(b)に示した如く、パソコン20から取り出した後の光ディスク200Bの信号領域230Bの状態は、先に図14(b)を用いて説明した実施例2の場合と全く同じ状態となる。この際、光ディスク200Bのリードイン領域250Bに続くRzone#1’中のUDF−Bridgeファイルシステム261Bは情報群の編集によって編集前のUDF−Bridgeファイルシステム261Aに対して内部のデータが変更されている。
即ち、実施例2を一部変形させた変形例では、複数回繰り返し記録可能な光ディスク200A’のデータ記録済み領域260A’内に、所定の光ディスク規格フォーマットに従う一つのファイルシステムであるUDF−Bridgeファイルシステム261Aと、情報群を生成するためのアプリケーションソフト266とが予め記録された状態で、一つのファイルシステム261Aによって読み取り可能な情報編集記録用のアプリケーションソフト266を情報処理装置であるパソコン20内にインストールし、且つ、例えばディジタルカメラ11で撮影した複数の画像情報をパソコン20内に取り込んだ後に、アプリケーションソフト266を用いて複数の画像情報から所望の画像情報を順次選択して、所望の画像情報に対して必要に応じてバックミュージック(音楽情報)とかコメント情報などを付加した上で例えばスライドショー用の画像情報群を希望する順に編集し、更に、アプリケーションソフト266の指令に基づいて、情報群の生成により一つのファイルシステム261A内のデータが変更された上でこの一つのファイルシステム261Bを情報群の生成後にデータ記録済み領域260A’上に重ね書きして変更前の一つのファイルシステム261A,アプリケーションソフト266の一部又は全部を消去すると共に、変更された一つのファイルシステム261Bによって読み取り可能な情報群(例えばスライドショー用の画像情報群)を光ディスク200Aの書き換え可能領域(260A’),270に記録して、編集後の光ディスク200Bを得ることを特徴としている。
この際、図15(a),(b)では、光ディスク200A’のデータ記録済み領域260A’のRZone#1に記録されたUDF−Bridgeファイルシステム261A,アプリケーションソフト266,VAT267が全部消去されており、これにより、光ディスク200Bのリードイン領域250Bに続いてUDF−Bridgeファイルシステム261Bが重ね書きされ且つこの後ろで消去された後の書き換え可能領域(260A’)と前から用意した書き換え可能領域270とに画像情報群が記録されているが、これに限られるものでなく、光ディスク200A’のデータ記録済み領域260A’内でアプリケーションソフト266を読み取り不能にする重要な部分だけを一部消去するようにしても良く、この一部消去時には、光ディスク200Bのリードイン領域250Bに続いてUDF−Bridgeファイルシステム261Bだけは必ず重ね書きされ且つ一部消去して残った領域(260A’)の後端から書き換え可能領域270にかけて画像情報群を記録すれば良いものである。
従って、情報群の編集後には、編集前に既に記録されている一つのDF−Bridgeファイルシステム261A及びアプリケーションソフト266が一部消去又は全部消去されているので、アプリケーションソフト266をパソコン20内に1回限りインストールするように制限でき、更に、スライドショー用の画像情報群を記録した光ディスク100Bを既存の光ディスクプレーヤ12で再生し、この光ディスクプレーヤ12に接続したモニタTV13でスライドショー用の画像情報群を見ることができると共に、一つのファイルシステム261A,261Bだけを適用しているのでファイルシステムの簡素化を図ることができる。
次に、実施例2の光ディスク200A又は実施例2を一部変形させた変形例の光ディスク200A’に予め記録したアプリケーションソフト266をパソコン20内にインストールした時に、アプリケーションソフト266に対して不正使用を防止する技術的思想について、図16を用いて説明する。
図16は本発明に係る実施例2の光ディスク又は実施例2を一部変形させた変形例の光ディスクにおいて、パソコン内にインストールしたアプリケーションソフトに対して不正使用を防止するためにリードイン領域内に予め記録したCTL(コントロールデータ)を説明するための図である。
図16に示した如く、リードイン領域250A内のCTL(コントロールデータ)252は、ディスク物理情報Aとか、ディスク製造者情報Bとか、システム使用のための予約Cとが、プリピットの形態又はPre−recordedの形態で記録されており、この状態で光ディスク200Aが出荷される。このため購入者はCTL252のデータをDVD再生機または記録再生機で読み取ることは可能だが、そのデータ値をDVD記録再生機で改竄することはできない領域である。
この実施例2では、図14(a)に示した光ディスク200A内のアプリケーションソフト266に対応してディスク物理情報Aとディスク製造者情報Bのうち少なくとも1つ以上を製造者だけが変更可能な値に予め設定している。
例えば、CTL252のディスク物理情報Aのうちで螺旋状のトラックの終了位置を、通常の終了セクタアドレス値に対して故意に短く設定し、通常より短く設定したトラックの終了位置を工場で予め記録しておけば、ユーザー側でディスク物理情報Aを改変できないばかりでなく、市販されている光ディスクの終了セクタアドレス値とは一致しない値となるので安全である。
また、CTL252のディスク製造者情報Bにアプリケーションソフト266から解読できる暗号情報を記録し、その値を使用することも可能である。
更に、CTL252のディスク物理情報A及び/又はディスク製造者情報Bに対応した情報をアプリケーションソフト266内に予め収録しておけば、このアプリケーションソフト266をパソコン内にインストールした時にディスク物理情報A及び/又はディスク製造者情報Bに対応した情報をインストールしたアプリケーションソフト266から取得して比較することで、インストールしたアプリケーションソフト266への不正使用を防止できる。
この他に、光ディスク200A内のトラックをウォブリングさせて、このトラックのウォブリング信号中、又は、ウォブリングさせたトラック間に形成したランドプリピット中に、アプリケーションソフトに対して不正使用を防止するためデータを重畳して記録する方法でも良く、この際、ウォブリングされたトラックやランドプリピットはディスク成形時に形成されるためにそのデータ値をDVD記録再生機で改竄することはできないものである。
本発明に係る実施例1の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システムを示した斜視図である。
本発明に係る実施例1の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システムを示したブロック図である。
本発明に係る実施例1の情報記録方法の動作を説明するためのフロー図である。
市販されているDVD−Videoディスクを説明するための平面図である。
市販されているDVD−Videoディスクに対するDVD−Videoフォーマット構成を示した構成図である。
本発明に係る実施例1の光ディスクを説明するための平面図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク100Aの状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク100Bの状態を示した図である。
本発明に係る実施例1の光ディスクの信号領域を説明するための模式図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク100Aの信号領域130Aの状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク100Bの信号領域130Bの状態を示した図である。
実施例1の光ディスクを一部変形させた変形例の信号領域を説明するための模式図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク100A’の信号領域130A’の状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク100B’の信号領域130B’の状態を示した図である。
本発明に係る実施例1の光ディスク又は実施例1を一部変形させた変形例の光ディスクにおいて、パソコン内にインストールしたアプリケーションソフトに対して不正使用を防止するためにリードイン領域内に予め記録したCTL(コントロールデータ)を説明するための図である。
本発明に係る実施例2の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システムを示した斜視図である。
本発明に係る実施例2の情報記録方法及び光ディスクに適用される情報記録システムを示したブロック図である。
本発明に係る実施例2の情報記録方法の動作を説明するためのフロー図である。
本発明に係る実施例2の光ディスクを説明するための平面図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク200Aの状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク200Bの状態を示した図である。
本発明に係る実施例2の光ディスクの信号領域を説明するための模式図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク200Aの信号領域230Aの状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク200Bの信号領域230Bの状態を示した図である。
本発明に係る実施例2の光ディスクを一部変形させた変形例の信号領域を説明するための模式図であり、(a)はパソコン20に入れる前の光ディスク200A’の信号領域230A’の状態を示し、(b)はパソコン20から取り出した後の光ディスク200Bの信号領域230Bの状態を示した図である。
本発明に係る実施例2の光ディスク又は実施例2を一部変形させた変形例の光ディスクにおいて、パソコン内にインストールしたアプリケーションソフトに対して不正使用を防止するためにリードイン領域内に予め記録したCTL(コントロールデータ)を説明するための図である。
符号の説明
10A…実施例1の情報記録システム、
10B…実施例2の情報記録システム、
11…ディジタルカメラ、12…光ディスクプレーヤ、
13…モニタTV、14…インターネット回線、
20…情報処理装置{パーソナルコンピュータ(パソコン)}、
21…CPU、22…ハードディスク、23…一時記憶メモリ、
24…光ディスクドライブ、
25〜27…複数のUSBポート、28…インターネット接続用端子、
29…キーボード、30…ディスプレイ、
(実施例1)
100A,100A’…パソコンに入れる前の光ディスク、
100B,100B’…パソコンから取り出した後の光ディスク、
110…中心孔、120…クランプ領域、
130A,130A’…パソコンに入れる前の光ディスクの信号領域、
130B,130B’…パソコンから取り出した後の光ディスクの信号領域、
140A,140B…RMA領域、
150A,150B…リードイン領域、152…CTL(コントロールデータ)、
160A,160B…データ記録済み領域、
161B…第2のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム、
162B…DVD−Videoのフォルダ群、163B…Files、
165A,165B…アプリケーションソフト、
166A,166B…第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム、
167A,167B…VAT、
180B…リードアウト領域、
(実施例2)
200A,200A’…パソコンに入れる前の光ディスク、
200B…パソコンから取り出した後の光ディスク、
210…中心孔、220…クランプ領域、
230A,230A’…パソコンに入れる前の光ディスクの信号領域、
230B…パソコンから取り出した後の光ディスクの信号領域、
240A,240B…RMA領域、
250A,250B…リードイン領域、252…CTL(コントロールデータ)、
260A,260A’,260B’…データ記録済み領域、
261A…一つのファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイルシステム、
261B…第2(又は、一つ)のファイルシステムとなるUDF−Bridgeファイ
ルシステム、
262B…DVD−Videoのフォルダ群、263B…Files、
265…第1のファイルシステムとなるUDF2.0ファイルシステム、
266…アプリケーションソフト、267…VAT、
280B…リードアウト領域。