しかしながら、従来は上記所定のアプリケーションをユーザ自らが用意しなければならず、また、上記所定のアプリケーションが記録媒体として提供される場合は、ブランクの記録媒体とアプリケーションが記録された記録媒体とをユーザ自身が関連付けて保管しなければならず不便であった。
また、スライドショーを作成する場合、ユーザが撮影した画像に写真撮影を行った観光地やイベントに関連する画像を挿入することによって見栄えのよいスライドショーを作成することができるが、従来は観光地やイベントに関連する画像の基となるデータ(以下、コンテンツデータと呼ぶ。)をユーザ自らが用意しなければならず、また、上記コンテンツデータが記録媒体として提供される場合は、ブランクの記録媒体とコンテンツデータが記録された記録媒体とをユーザ自身が関連付けて保管しなければならず不便であった。
また、画像データや家電機器用データなどを書き込むためのブランクの記録媒体と、アプリケーションやコンテンツデータが記録された記録媒体とをセットにしてケースに収納しておくこともできるが、ブランクの記録媒体はデータの書き込みと読み取りの双方が行われるのに対して、他方の記録媒体はデータの読み取りのみが行われることから、各々の記録媒体はその特徴に応じて保管する必要がある。しかしながら、従来はその特徴に応じた形態で記録媒体が保管されていないため、変形や汚れ、傷などによってブランクの記録媒体に対してデータの書き込みや読み取りができなくなるなどの不具合が生じる恐れがあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、画像データを記録媒体に記録する際の利便性を向上させることができる記録媒体及びその収納方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の記録媒体は、所定のケースにセットとして収納される複数の記録媒体であって、予め特定の識別情報が記録され、少なくとも画像データを記録可能な空き領域を備える1以上の第1の記録媒体と、前記特定の識別情報に基づいて前記第1の記録媒体を認識して前記画像データを利用した処理を実行するプログラムが少なくとも記録された1以上の第2の記録媒体と、を含むものであり、前記特定の識別情報は、前記第1の記録媒体の論理アドレス領域外に記録されている構成とすることができる。
また、本発明の記録媒体は、所定のケースにセットとして収納される複数の記録媒体であって、少なくとも画像データを記録可能な空き領域を備える1以上の第1の記録媒体と、前記画像データを利用した処理を実行するプログラムが少なくとも記録された1以上の第2の記録媒体と、を含み、前記第1の記録媒体が、前記所定のケースの相対的に安定した場所に収納され、前記第2の記録媒体が、前記所定のケースの他の場所に収納されているものであり、前記所定のケースは、一辺を軸として開閉可能に連結された蓋の内側に設けられた第1の収納部と、前記一辺を軸にして回動可能に接続された第2の収納部とを備え、前記第1の収納部に前記第1の記録媒体が収納され、前記第2の収納部に前記第2の記録媒体が収納されている構成とすることができる。
また、本発明の記録媒体の収納方法は、複数の記録媒体を所定のケースにセットとして収納する方法であって、少なくとも画像データを記録可能な空き領域を備える1以上の第1の記録媒体を、前記所定のケースの相対的に安定した場所に収納し、前記画像データを利用した処理を実行するプログラムが少なくとも記録された1以上の第2の記録媒体を、前記所定のケースの他の場所に収納するものであり、前記所定のケースは、一辺を軸として開閉可能に連結された蓋の内側に設けられた第1の収納部と、前記一辺を軸にして回動可能に接続された第2の収納部とを備え、前記第1の収納部に前記第1の記録媒体を収納し、前記第2の収納部に前記第2の記録媒体を収納する構成とすることができる。
本発明においては、前記第2の記録媒体に、その少なくとも一部が前記第1の記録媒体に記録されるコンテンツデータが記録されている構成とすることができる。
また、本発明においては、前記第2の記録媒体に、前記プログラムをコンピュータ機器にインストールするためのプログラムが記録されている構成とすることもできる。
また、本発明においては、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体の各々のレーベル面に、互いを対応付ける情報が印刷されている構成とすることもできる。
このように、本発明によれば、第2の記録媒体に記録されたアプリケーションやコンテンツデータを利用することによって、画像データに対する処理を効率的に行うことができ、また、各々の記録媒体が記録媒体の特徴に応じた場所に収納されるため、複数の記録媒体を安全に保管することができる。これにより画像データを記録媒体に記録する際の利便性を向上させる。
以上説明したように、本発明の記録媒体及びその収納方法によれば、画像データを記録媒体に記録する際の利便性を向上させることができる。
その理由は、画像データを記録するための1以上のブランクの第1の記録媒体と、該第1の記録媒体を認識して動作するアプリケーションや画像データと共に第1の記録媒体に記録するコンテンツデータが記録された1以上の第2の記録媒体とが所定のケースに収納されてセットとして提供されるため、ユーザは第2の記録媒体に記録されたアプリケーションやコンテンツデータを利用することができ、画像データに対する処理の効率化を図ることができるからである。
また、画像データを記録するための1以上のブランクの第1の記録媒体と、該画像データに利用されるアプリケーションや画像データと共に第1の記録媒体に記録するコンテンツデータが記録された1以上の第2の記録媒体とが、所定のケースの記録媒体の特徴に応じた場所に収納されてセットとして提供されるため、複数の記録媒体を安全に保管することができるからである。
上記実施形態について詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る記録媒体について、図1乃至図14を参照して説明する。図1は、本実施例に係る記録媒体を利用するシステムの構成を模式的に示す外観図であり、図2乃至図6は、記録装置のバリエーションを示す図である。また、図7は、本実施例の複数の記録媒体の利用手順を示すフローチャート図であり、図8及び図9は、記録媒体の構造を示す図である。また、図10及び図11は、記録媒体におけるデータの記録構造の一例を示す図であり、図12は記録媒体(CD−R)の構造を模式的に示す図である。また、図13及び図14は、記録装置の表示手段に表示される画面の構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施例では、画像データ(静止画像データや動画データ、画像情報を含むデータを総称して画像データと呼ぶ。)を記録するためのブランクの記録媒体(以下、第1の記録媒体9aと呼ぶ。)と、画像データに利用されるスライドショープログラムや編集プログラムなどのアプリケーションと、画像データと共に利用される観光地やイベントの画像の基となるコンテンツデータとが記録された記録媒体(以下、第2の記録媒体9bと呼ぶ。)とを含む複数の記録媒体が所定のケース12に収納されてユーザに提供され、記録装置1では、第2の記録媒体9bに記録されたアプリケーションを利用して、読み取った画像データや上記コンテンツデータを第1の記録媒体9aに記録する処理を行う。
また、上記記録装置1は、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどの記録媒体(以下、メディア8と呼ぶ。)を装填するメディア装填部2、デジタルカメラ7(デジタルスチルカメラ及びデジタルムービーカメラの双方を含む。)やカメラ付き携帯電話機7a等の撮影機器を有線又は無線、赤外線等によって接続するための機器接続部3、インターネット等の通信ネットワーク10を介してサーバ11から画像データなどをダウンロードするネットワーク接続部などと、CD−R/RWやDVD±R/RW、DVD−RAM、HD−DVD、Blu−rayディスク等の第1の記録媒体9a及び第2の記録媒体9bを装填する記録媒体装填部4と、ボタン、キーボード、マウス等の操作手段6及びLCD、CRT等の表示手段5とを備えている。
なお、図1では、第1の記録媒体9a及び第2の記録媒体9bの2つの記録媒体をケース12に収納しているが、本発明は、画像データを記録するための1以上のブランクの第1の記録媒体9aと、予めアプリケーションやコンテンツデータが記録された1以上の第2の記録媒体9bとがセットになっていればよい。また、ケース12は複数の記録媒体をセットにしてユーザに提供可能な構造であればよく、図のように表裏の蓋が一辺を軸にして開閉可能に連結された見開き状のハードケースとしてもよいし、更に、この一辺を軸にして表裏の蓋の内部で回動可能な内部収納部を備えるハードケース(シュリンクケースと呼ぶ。)としてもよいし、ハードケースと収納ポケットを備えるソフトケースとの組み合わせとしてもよいし、表裏面に収納ポケットを備えるソフトケースなどとしてもよい。
また、図1では記録装置1としてパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器を示しているが、記録装置1の形態は任意であり、例えば、図2に示すように写真店やコンビニエンスストアなどの店舗に設置される無人端末(キオスク)としたり、図3に示すように専用のセットトップボックスとしたり、図4に示すようにポータブルライターなどとしたり、図5に示すように、演算処理機能を備えるHDDレコーダやDVDレコーダ、ゲーム機などとしたり、図6に示すようにハードディスクを備えた端末と画像データの読み取りや書き込みを行う本体とが分離可能な携帯機器としてもよいし、演算処理機能を備えたカーナビゲーション機器などとしてもよい。
以下、本実施例の記録媒体の利用方法について、図7のフローチャート図を参照して説明する。
まず、ステップS101で、ユーザはセットで利用される複数の記録媒体を有償又は無償で入手する。この複数の記録媒体は、上述したように1以上の第1の記録媒体9aと1以上の第2の記録媒体9bとがセットになってケース12に収納されており、第1の記録媒体9aは、図9(a)に示すように、後述する手順で画像データなどを記録するための空き記録領域を有すると共に、所定の領域に第1の記録媒体9aを識別するための特定の識別情報が予め記録されている。また、第2の記録媒体9bには、上記特定の識別情報に基づいて第1の記録媒体9aを認識して画像データを利用した処理を実行するスライドショープログラムや編集プログラムなどのアプリケーションと、必要に応じて、画像データと共に第1の記録媒体9aに記録される観光地やイベントに関する画像の基となるコンテンツデータとが記録されている。
なお、第1の記録媒体9aと第2の記録媒体9bとは同じ種類の記録媒体としてもよいし、第1の記録媒体9aをCD−RWやDVD−RWとし、第2の記録媒体9bをCD−RやDVD−Rとするなど、異なる種類の記録媒体としてもよい。また、上記アプリケーションは第1の記録媒体9aに記録する画像データを利用した処理を実行するものであればよく、その処理の内容は特に限定されない。また、上記コンテンツデータは画像データに付随して利用されるものであればよく、コンテンツデータの具体的構成は特に限定されないが、このコンテンツデータが単独でプリントされるなど、不適切な形態で利用されないようにするために、解像度を落としたり(例えば、800×600画素や1024×768画素など)、上記アプリケーションでのみ利用できるように暗号化したり、特定の拡張子(例えば、jpeg以外の拡張子)とすることもできる。
また、本実施例では、第1の記録媒体9a及び第2の記録媒体9bはケース12に収納された状態でユーザに提供されるため、第1の記録媒体9aと第2の記録媒体9bの対応関係が分からなくなることはないが、第1の記録媒体9aに画像データを書き込んだり、第2の記録媒体9bからアプリケーションやコンテンツデータを読み取るために、これらの記録媒体を記録媒体装填部4から何度も出し入れすると両者の対応関係が不明確になる恐れもあるため、例えば、図8に示すように、各々の記録媒体のレーベル面に互いを対応付けるための情報(例えば、対応する番号や同じ形態の文字や記号、イラスト、画像、ロゴマークなど)を印刷してもよい。
また、上記特定の識別情報の具体的構成も特に限定されないが、特定の識別情報の記録場所や中身が容易に知られてしまうと識別情報自体もコピーされてしまうため、識別情報の少なくとも一部は、図9(a)に示すように、論理アドレス領域よりも内側の領域(論理アドレス領域外)に記録されていることが好ましい。この論理アドレス領域とは、ユーザのデータ(プログラム)が記録される領域であり、ユーザデータの配置情報が記録されるプログラムメモリ領域、リードイン・TOC(Table Of Contents)領域やリードアウト領域などの情報領域、ディスクの応用コードやレーザ記録パワーの推奨値、その他の情報が記録される案内溝変調(ATIP:Absolute Time In Pre-groove)情報の領域は含まず、また、論理アドレス領域外とは上記論理アドレス領域以外の領域を指すものとする。
ここで、一般的な記録媒体の構造について、図12を参照して説明すると、CD-Rは、ポリカーボネート基板100上に、シアニン、フタロシアニン、アゾなどの有機色素層101と銀などの反射層102と保護層103とが積層されて形成され、有機色素層101に所定のパワーのレーザ光を当てて色素を分解して基板を変形させることでピットを形成し、情報の記録を行っているが、レーザパワーは、レーザ光を照射するレーザヘッドの方式や使用する有機色素層101の種類に応じて最適な値が異なるため、情報の書き込みを確実に行うためにはCD-Rのタイプやレーザ記録パワーの推奨値をドライブ側が認識する必要がある。そこで、ディスクの応用コードやレーザ記録パワーの推奨値などの情報を記録媒体の製造段階で案内溝変調(ATIP)による情報として書き込み、その情報をドライブのファームウェアが読み取り、ファームウェアが独自にレーザヘッドを制御してレーザパワーの調整を行っている。このような案内溝変調(ATIP)は製造時にしか作成できないため、ユーザレベルでのコピーを防止することができる。
そして、ケース12に収納された第1の記録媒体9aと第2の記録媒体9bとを入手したユーザは、記録装置1を用いて以下の手順に従って処理を行う。なお、以下では、アプリケーションとして、第2の記録媒体9bにスライドショーの設定や家電機器用データの生成を行うスライドショープログラムが記録されているものとして説明する。
まず、ステップS102で、記録装置1の記録媒体装填部4に第2の記録媒体9bを装填すると、ステップS103で、表示手段5に、例えば図13に示すようなコンテンツ表示画面13が表示される。このコンテンツ表示画面13には、予め記録されたコンテンツデータの縮小画像が一覧表示される一覧表示欄14と、アプリケーションのインストールを指示するための指示ボタン15などが表示され、ユーザは一覧表示欄14を閲覧して第2の記録媒体9bにどのようなコンテンツデータが記録されているかを確認する。
なお、記録装置1に複数の記録媒体装填部4を備える場合は第2の記録媒体9bを装填したまま、第1の記録媒体9aを装填することができるため、必ずしもアプリケーションを記録装置1にインストールしたり、コンテンツデータをコピーする必要はないが、記録媒体装填部4が一つの場合は、第1の記録媒体9aを装填する際に第2の記録媒体9bを排出しなければならず、アプリケーションを動作させたりコンテンツデータを読み出すことができなくなってしまう。そのような場合は、ステップS104で、第2の記録媒体9bに予め記録されたアプリケーションを記録装置1にインストールし、また、必要に応じて、第2の記録媒体9bに予め記録されたコンテンツデータの少なくとも一部を記録装置1のハードディスクなどにコピーする。
このインストールやコピーの作業はユーザ自らが行ってもよいが、コンピュータ機器の操作に不慣れなユーザでも簡単にインストールやコピーができるようにすることが好ましく、例えば、図11に示すように、第2の記録媒体9bに所定のアプリケーションやコンテンツデータのみならず、所定のアプリケーションを記録装置1にインストールしたり、コンテンツデータをコピーするためのプログラム(ここではinstaller.exe)を書き込んでおき、指示ボタン15をクリックするとこのプログラムが起動して、所定のアプリケーションが自動的に記録装置1にインストールされ、また、必要に応じてコンテンツデータがコピーされるようにしてもよい。
次に、第2の記録媒体9bに記録されたアプリケーション又は記録装置1にインストールされたアプリケーションを起動すると、表示手段5に、第1の記録媒体9aを記録媒体装填部4に装填するように促す画面が表示される。そして、ステップS105で、記録装置1の記録媒体装填部4に第1の記録媒体9aを装填すると、ステップS106で、記録装置1は、第1の記録媒体9aの所定の領域(例えば、図9(a)に示す論理アドレス領域外)から特定の識別情報を読み出す。
次に、特定の識別情報が記録されている場合は、表示手段5に、デジタルカメラ7を接続、又はメディア8を装填するように促す画面が表示され、ステップS107で、記録装置1のメディア装填部2にメディア8を装填、又は、機器接続部3にデジタルカメラ7やカメラ付き携帯電話機7aを接続、又はネットワーク接続部を通信ネットワーク10に接続すると、ステップS108で、デジタルカメラ7やメディア8、サーバ11などから画像データの読み取りが行われる。
そして、画像データの読み取りが終了すると、表示手段5に、例えば、図14に示すような画像表示画面16が表示される。この画像表示画面16には、デジタルカメラ7やメディア8などから読み取った画像データの縮小画像を一覧表示する一覧表示欄17と、選択した縮小画像を拡大表示する拡大表示欄18と、読み取った画像データをスライドショーとして再生するための作業の手順を示す作業メニュー欄19とが設けられ、ステップS109で、ユーザは操作手段6を操作して、必要に応じて画像データを選択したり、第2の記録媒体9bに記録されているコンテンツデータの中から第1の記録媒体9aに記録するコンテンツデータを選択したり、画像の表示順を設定したり、タイトルなどの文字を入力したり、画像と共に再生する音楽を選択するなどしてスライドショーの設定を行う。
なお、従来は、スライドショーを設定したりスライドショーの価値を高めるためにはユーザ自身がアプリケーションやコンテンツデータを用意しなければならなかったが、本実施例では、上記スライドショープログラムやコンテンツデータが予め記録された第2の記録媒体9bが第1の記録媒体9aとセットで提供されるため、簡単にスライドショーを設定したりコンテンツデータを付加してスライドショーの価値を高めることができるため、ユーザの利便性を格段に向上させることができる。
次に、ステップS110で、読み取った画像データやコンテンツデータに基づいて動画データを生成(エンコード)し、生成された動画データに基づいて、家電機器で再生可能な形式の家電機器用データ(例えば、動画データがMPEG1形式の場合はVideo−CD形式のデータ、動画データがMPEG1又はMPEG2の場合はDVD−Video形式のデータ)を生成(オーサリング)する。上記画像データから動画データを作成する方法は特に限定されないが、例えば、静止画像データをスライドショーのように表示する場合は、静止画像データにスライド表示の時間分の差分0のデータを付加して動画データを生成したり、静止画像データにスライドショープログラムで設定されたスライド効果に基づく差分データを付加して動画データを生成すればよい。
また、必要に応じて、読み取った画像データのデータサイズを縮小したサムネイル画像データやスクリーンネイル画像データなどの縮小画像データを作成する。この縮小画像データは入力した画像データよりもデータサイズが小さいものであればよく、例えば、画素数を減縮した画像データや色数、色再現域を減縮した画像データなどとすることができる。
次に、各種データを第1の記録媒体9aに書き込むが、その際、家電機器では所定の領域(ディスク型記録媒体の内側)に記録されたデータしか読み出すことができないため、まず、ステップS111で、生成された家電機器用データや関連付けファイルなどを論理アドレス領域の内周側に書き込み、必要に応じてセッションをクローズした後、ステップS112で、読み取った画像データや、必要に応じて第2の記録媒体9bに記録されたコンテンツデータの少なくとも一部、縮小画像データ、情報ファイル、音楽データなど(以下、これらを総称してコンピュータ機器用データと呼ぶ。)を先に記録した家電機器用データの外側に書き込んだ後、第1の記録媒体9aを記録媒体装填部4から排出して記録装置1での処理を終了する。
上記手順で各種データが記録された第1の記録媒体9aの記録面は、図9(b)に示すようになり、ディスク型記録媒体の最内周の論理アドレス領域外には識別情報が記録され、論理アドレス領域の内周側の領域には必要に応じて家電機器用データが記録され、家電機器用データの外周側の領域には画像データや縮小画像データ、アプリケーション、管理データなどのコンピュータ機器用データが記録される。
また、第1の記録媒体9aのディレクトリ構造は図10(a)に示すようになり、画像データの格納場所を示すフォルダ(PS_Rollフォルダ)内の画像データやコンテンツデータ、縮小画像データ、情報ファイル(index.pvm)などでコンピュータ機器用データが構成される。また、Video−CD形式のデータを生成した場合は図10(a)に示すように、”VCD”フォルダ内の画像データをVideo−CD形式用データとして関連付けるファイル、”SEGMENT”フォルダ内のTV画面に表示する画像データ、”MPEGAV”フォルダ内の動画データ、”DAT”フォルダ内のTV画面に静止画像データを表示するためのアプリケーションなどで家電機器用データが構成され、DVD−Video形式のデータを生成した場合は図10(b)に示すように、”VIDEO_TS”フォルダ内の、チャプター位置情報が記述されたVIDEO_TS.IFOとそのバックアップファイルであるVIDEO_TS.BUPとタイトル選択メニューのためのVIDEO_TS.VOBとで構成されるビデオマネージャ(VMG)と、チャプター位置情報が記述されたVTS_**_0.IFOとそのバックアップファイルであるVTS_**_0.BUPとVTSの各タイトルの動画データであるVTS_**_*.VOBなどとで構成されるビデオタイトルセット(VTS)などで家電機器用データが構成される。
なお、上記フォルダ構造やフォルダ名称、ファイル名称などは任意であるが、画像データの管理を容易にするために、画像データの格納場所を示すフォルダ(PS_Roll)の下位の階層にメディア8毎、機器毎、フィルム毎のデータの格納場所を示すフォルダを設け、該フォルダの名称をROYYMMDDyyy_XXXXXXAABxxx(YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、yyy:日毎のシーケンシャル番号、XXXXXX:ランダムなID番号、AA:メーカーコード(00〜ZZ)、B:ソフトウェア、機器の商品カテゴリー(0〜Z)、xxx:シーケンシャル番号)としたり、各々のデータのファイル名称をCCYYMMDDxxxxxx(CC:データの種別、YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、xxxxxx:シーケンシャル番号)などとすることができる。
このように、本実施例の記録媒体によれば、予め特定の識別情報が書き込まれた1以上のブランクの第1の記録媒体9aと、上記特定の識別情報に基づいて第1の記録媒体9aを認識して画像データを利用した処理を実行する所定のアプリケーションと、必要に応じて画像データと共に第1の記録媒体9aに記録されるコンテンツデータとが書き込まれた1以上の第2の記録媒体9bとがケース12に収納されてセットで提供されるため、第2の記録媒体9bに記録されたアプリケーションやコンテンツデータを利用して見栄えのよいスライドショーを設定し第1の記録媒体9aに画像データや家電機器用データなどを記録することができるため、ユーザの利便性を格段に向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施例に係る記録媒体及びその収納方法について、図15乃至図19を参照して説明する。図15乃至図17は、本実施例に係る記録媒体の収納形態を模式的に示す外観図であり、図18及び図19は、収納ケースの構成のバリエーションを示す図である。
前記した第1の実施例では、第2の記録媒体9bに記録されたアプリケーションが特定の識別情報に基づいて第1の記録媒体9aを認識することによって複数の記録媒体を関連付けてケース12に収納し、これにより複数の記録媒体をセットにして提供する際のユーザの利便性を向上させたが、本実施例では、第1の記録媒体9a及び第2の記録媒体9bの特徴に基づいてケースに収納し、これにより複数の記録媒体をセットにして提供する際の安全性を確保する。
すなわち、前述したように、第1の記録媒体9aは画像データや家電機器用データなどの各種データを書き込むと共に、コンピュータ機器や家電機器を用いて画像データや家電機器用データなどを読み取るのに対して、第2の記録媒体9bは予め記録されたアプリケーションやコンテンツデータなどを読み取るだけであり、その特徴が異なることから、各々の記録媒体はその特徴に応じた形態で保存されることが好ましい。
具体的に説明すると、データの読み取りは、記録媒体の記録面にレーザ光を照射してその反射光の強度を測定するだけであるため、記録媒体の変形や汚れ、傷などが多少あっても読み取り不良が生じる可能性は低いが、データの書き込みは、記録媒体の記録面にレーザを照射し、色素を分解してピットを形成することによって行うため、記録媒体が変形したり汚れや傷があると、所望の形状のピットが形成しにくくなり、これによりデータの書き込み不良や読み取り不良が生じやすい。また、第1の記録媒体9aとして書き換え可能なCD−RWやDVD−RWなどを用いた場合、これらの記録媒体は相変化を利用して情報の記録を行うため、CD−RやDVD−Rなどに比べて記録媒体の変形や汚れ、傷などに敏感であり、データの書き込み不良や読み取り不良が生じやすくなってしまう。
従って、データの書き込みと読み取りの双方を行う第1の記録媒体9aは、変形、汚れ、傷が発生しないように、データの読み取りのみを行う第2の記録媒体9bよりも安全に保管することが重要である。しかしながら、従来は、複数の記録媒体をセットにして提供する場合に、このような記録媒体の特徴に基づいて各々の記録媒体を保管していなかったため、第1の記録媒体9aへのデータの書き込みや読み取りができなくなる場合が生じるという問題があった。そこで、本実施例では、第1の記録媒体9aが第2の記録媒体9bよりも安全に保管されるように収納方法を規定する。
例えば、図15に示すように、表裏の蓋がその一辺(背表紙)を軸にして開閉可能に連結され、かつ、背表紙を軸にして表裏の蓋の内部で回動する内部収納部が接続されたシュリンクケース12aに複数の記録媒体を収納する場合、表裏の蓋は安定して記録媒体を保持することができるが、内部収納部は自在に回転するために表裏の蓋との接触によって記録媒体が離脱しやすい。従って、第1の記録媒体9aと第2の記録媒体9bとをシュリンクケース12aに収納する場合は、第1の記録媒体9aを相対的に安全な表裏の蓋側の収納部に収納し、第2の記録媒体9bを内部収納部に収納する。これにより、複数の記録媒体をより安全に保管することができる。
また、図16に示すように、複数の記録媒体を、表裏の蓋が背表紙を軸にして開閉可能に連結されたハードケース12bと、台紙の表面にビニールを貼り付けた収納ポケットを備えるソフトケース12cとに分けて収納する場合は、第1の記録媒体9aを相対的に安全なハードケース12bに収納し、第2の記録媒体9bをソフトケース12cに収納する。これにより、複数の記録媒体をより安全に保管することができる。
なお、図15及び図16では、第1の記録媒体9a及び第2の記録媒体9bを各々1枚ずつ収納する場合を示したが、本実施例は、1枚以上の第1の記録媒体9aと1枚以上の第2の記録媒体9bとを収納する任意の場合に適用することができ、例えば、2枚の第1の記録媒体9aと1枚の第2の記録媒体9bとをシュリンクケース12aに収納する場合は、図17に示すように、相対的に安全な表裏の蓋の各々に第1の記録媒体9aを収納し、内部収納部に第2の記録媒体9bを収納する構成とすることもできる。
また、図15乃至図17に示すように複数の記録媒体をケースに収納してユーザに提供する場合、複数の記録媒体を1枚ずつ使用する場合には使用した記録媒体は必然的に元の場所に収納されるため記録媒体の収納場所が入れ替わることはないが、複数の記録媒体装填部4に複数の記録媒体を同時に装填する場合には、間違った収納場所に各々の記録媒体を収納してしまう恐れがある。そのような場合には、例えば、図18に示すように、シュリンクケース12aの各々の記録媒体を収納する場所に、どの種類の記録媒体を収納するかをユーザに認識させる情報(例えば、その場所に収納する記録媒体を特定する識別番号、色、デザインなど)を表示してもよく、このような構成にすることによって記録媒体の収納場所が入れ替わるという不具合を未然に防止することができる。
また、複数の記録媒体をケース12に収納する際に、そのケース12の中にどのような種類の記録媒体が何枚収納されているかをユーザに認識させるために、例えば、図19に示すように、ケース12の外側に、収納されている記録媒体の構成が記載されたラベル12dを付加することもできる。
このように、本実施例の記録媒体及びその収納方法によれば、データの書き込みと読み取りの双方を行う第1の記録媒体9aを相対的に安全な場所に収納しているため、変形や汚れ、傷などに対して比較的弱い第1の記録媒体9aをより安全に保管することができ、これにより、第1の記録媒体9aに対するデータの書き込み不良や読み出し不良の発生を未然に防止して、ユーザの利便性を向上させることができる。
なお、上記各実施例は、本発明の記録媒体及びその収納方法の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいてその構成を変更することができ、例えば、第1の実施例と第2の実施例とを組み合わせてもよい。また、上記各実施例では、第1の記録媒体9aに画像データを記録する場合について記載したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、音楽データなどの他の種類のデータを記録する場合についても、同様に適用することができる。