上記サービスの利用形態は様々であり、写真店などに設置されたキオスクなどの端末を用いて記録媒体に画像データを書き込むユーザもいれば、自己が保有するパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器を用いて自宅で記録媒体に画像データを書き込むことを望むユーザもいる。また、画像データをコンピュータ機器でも画像再生機器でも再生できるようにするためには、これらの機器用のデータ以外に、画像データをコンピュータ機器で再生させるためのアプリケーションも必要となる。
ここで、キオスクなどの端末で画像データを書き込む場合は、ブランクの記録媒体を端末にセットすればアプリケーションやオリジナル画像データ、画像再生機器用に変換されたデータなどが自動的に記録媒体に書き込まれるが、自宅のコンピュータ機器などで画像データを書き込む場合は、オリジナル画像データや画像再生機器用に変換されたデータを書き込むことはできても、アプリケーションはユーザ自らが用意しなければならず不便である。そこで、このような場合は予め所定のアプリケーションが記録された記録媒体をユーザに提供する必要がある。
しかしながら、アプリケーションが予め記録されている記録媒体に画像再生機器用データを記録しても、画像再生機器では、記録媒体の所定の領域(通常は、ディスク型記録媒体の最内周の領域)に画像再生機器用データが記録されていないと再生することができないため、ユーザは画像再生機器用データを追記することができないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、DVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機のような画像再生機器用データを追記することができる記録媒体の作成方法及び作成装置並びに該方法で作成された記録媒体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の追記用記録媒体の作成装置は、特定種のデータを追記するためのディスク型記録媒体を作成する装置であって、前記ディスク型記録媒体の内側に、セッションの開始位置を示すリードイン・TOCと、データ本体と、前記セッションの終了位置を示すリードアウトとを記録する際に、前記リードイン・TOCに、少なくとも、次のセッションで追記される前記特定種のデータの開始アドレスを書き込み、前記データ本体に、少なくとも、前記特定種のデータと認識されるデータを書き込む記録手段を備えるものである。
また、本発明の追記用記録媒体の作成装置は、特定種のデータを追記するためのディスク型記録媒体を作成する装置であって、前記ディスク型記録媒体の内側に、セッションの開始位置を示すリードイン・TOCと、データ本体と、前記セッションの終了位置を示すリードアウトとを記録する際に、前記データ本体に、少なくとも、前記特定種のデータと認識されるデータであって、次のセッションで追記される前記特定種のデータを再生させるための再生指示情報を含むデータを書き込む記録手段を備えるものである。
本発明においては、前記記録手段では、前記データ本体に、更に、前記追記される前記特定種のデータの元となる画像データをコンピュータ機器で再生させるためのアプリケーションを記録する構成とすることができる。
また、本発明においては、前記特定種のデータは、Video−CD形式、DVD−Video形式、又は、HDTV形式のいずれかの形式のデータであることが好ましい。
また、本発明の追記目的用記録媒体の作成方法は、特定種のデータを追記するためのディスク型記録媒体を作成する方法であって、前記ディスク型記録媒体の内側に、セッションの開始位置を示すリードイン・TOCと、データ本体と、前記セッションの終了位置を示すリードアウトとを記録する際に、前記リードイン・TOCに、少なくとも、次のセッションで追記される前記特定種のデータの開始アドレスを書き込み、前記データ本体に、少なくとも、前記特定種のデータと認識されるデータを書き込むものである。
また、本発明の追記目的用記録媒体の作成方法は、特定種のデータを追記するためのディスク型記録媒体を作成する方法であって、前記ディスク型記録媒体の内側に、セッションの開始位置を示すリードイン・TOCと、データ本体と、前記セッションの終了位置を示すリードアウトとを記録する際に、前記データ本体に、少なくとも、前記特定種のデータと認識されるデータであって、次のセッションで追記される前記特定種のデータを再生させるための再生指示情報を含むデータを書き込むものである。
また、本発明の追記目的用記録媒体は、ディスク型記録媒体の内側に、セッションの開始位置を示すリードイン・TOCと、特定種のデータと認識されるデータを含むデータ本体と、前記セッションの終了位置を示すリードアウトとからなる第1セッションのデータが記録され、前記リードイン・TOCに、少なくとも、第2セッションで追記される前記特定種のデータの開始アドレスが記録されているものである。
また、本発明の追記目的用記録媒体は、ディスク型記録媒体の内側に、セッションの開始位置を示すリードイン・TOCと、特定種のデータと認識されるデータを含むデータ本体と、前記セッションの終了位置を示すリードアウトとからなる第1セッションのデータが記録され、前記特定種のデータと認識されるデータに、少なくとも、第2セッションで追記される前記特定種のデータを再生させるための再生指示情報が記録されているものである。
このように、本発明の構成によれば、ディスク型記録媒体には、所定のセッションのデータとして、該セッションの先頭に記録されるリードイン・TOCに、少なくとも次のセッションに追記する特定種のデータの開始アドレスが記録されると共に、データ本体に、特定種のデータであると認識されるデータなどが記録されるため、ユーザが該記録媒体に特定種のデータを追記したとしても、追記した特定種のデータを画像再生機器で認識し、再生することができ、予め必要なデータやアプリケーションが記録された記録媒体を追記用の記録媒体としてユーザに提供することができる。
また、所定のセッションのデータとして、データ本体に、特定種のデータであると認識されるデータであって、次のセッションに追記する特定種のデータを再生させるための情報を含むデータなどが記録されるため、この構成でも、追記した特定種のデータを画像再生機器で認識し、再生することができ、予め必要なデータやアプリケーションが記録された記録媒体を追記用の記録媒体としてユーザに提供することができる。
以上説明したように、本発明の追記目的用記録媒体の作成方法及び作成装置並びに該方法で作成された記録媒体によれば、予めダミーデータやアプリケーションが記録された記録媒体に、DVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機等の画像再生機器で再生可能な画像再生機器用データを追記することができる。
その理由は、CD−R/RWやDVD±R/RW、DVD−RAM、Blu−rayディスクのようなディスク型記録媒体には、第1セッションのデータとして、セッションの先頭に記録されるリードイン・TOCに、第1セッションのデータ本体に記録されるデータの開始アドレスに加えて、第2セッションに追記する画像再生機器用データの開始アドレスが記録されると共に、データ本体に、画像再生機器用データであると認識されるダミーの画像再生機器用データやコンピュータ機器で画像データを再生する際に利用される画像表示プログラムなどのアプリケーションが記録されるからである。
また、ディスク型記録媒体には、第1セッションのデータとして、リードイン・TOCに、第1セッションのデータ本体に記録されるデータの開始アドレスが記録されると共に、データ本体に、画像再生機器用データであると認識されるデータであって、第2セッションに追記する画像再生機器用データを再生させるための情報(再生指示情報)を含むダミーの画像再生機器用データやコンピュータ機器で画像データを再生する際に利用される画像表示プログラムなどのアプリケーションが記録されるからである。
そして、第1セッションに上記データが記録された記録媒体に、ユーザが画像再生機器用データを追記したとしても、リードイン・TOCやダミーの画像再生機器用データを参照して、追記した画像再生機器用データを画像再生機器で認識し、再生することができるため、予め必要なデータやアプリケーションが記録された記録媒体を追記用の記録媒体としてユーザに提供することができる。
上記実施形態について詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る追記目的用記録媒体の作成方法及び作成装置並びに該方法で作成された記録媒体について、図1乃至図14を参照して説明する。図1は、本実施例に係るデータ追記システムの構成を模式的に示す外観図であり、図2乃至図5は、追記目的用記録媒体作成装置の構成のバリエーションを示す図である。また、図6は、追記目的用記録媒体作成装置の機能を示すブロック図であり、図7は、記録装置の機能を示すブロック図である。また、図8は、本実施例の追記目的用記録媒体作成装置を用いた追記目的用記録媒体の作成手順を示すフローチャート図であり、図9は、本実施例の記録装置を用いたデータの追記手順を示すフローチャート図、図10は、データが追記された記録媒体の再生手順を示すフローチャート図である。また、図11は、各々のセッションの構成を示す図、図12は、記録媒体におけるデータの記録領域を示す図、図13は記録媒体(CD−R)の構造を模式的に示す図、図14は、記録媒体におけるデータの構成を示す図である。
図1に示すように、本実施例のデータ追記システム1は、追記目的用記録媒体(以下、単に記録媒体2と呼ぶ。)を作成する追記目的用記録媒体作成装置10と、該記録媒体2に少なくとも画像データ(静止画像データ、動画データ、画像情報を含むデータを総称して画像データと呼ぶ。)に基づいて作成された画像再生機器用データを追記する記録装置20と、画像再生機器用データが追記された記録媒体2aを用いて画像を再生するパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器30及びDVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機などの画像再生機器40とからなる。
また、追記目的用記録媒体作成装置10は、少なくとも、ブランクの記録媒体2又は所定の識別情報が記録された記録媒体2を装填する記録媒体装填部11を備えている。この追記目的用記録媒体作成装置10の構成をブロック図で示すと図6に示すようになり、追記される画像再生機器用データの記録媒体2上の開始アドレスや、画像再生機器用データであると認識されるデータ(以下、ダミーの画像再生機器用データと呼ぶ。)やアプリケーションなどを記憶する記憶手段12と、第1セッションのリードイン・TOC(データ群の単位である「セッション」の先頭に存在する、各セッションの情報(セッションの目次やトラック情報など)を記録した領域であり、TOCを含む領域をリードイン・TOCと呼ぶ。)に第1セッションに記録されるデータの開始アドレスと、上記追記される画像再生機器用データの開始アドレスとを記録すると共に、リードイン・TOCとリードアウト(各セッションの終端を示す領域)との間に記録されるデータ(以下、データ本体と呼ぶ。)に、書き込み順序を制御してダミーの画像再生機器用データやアプリケーションを記録する記録手段13とを備えている。
なお、図1では、追記目的用記録媒体作成装置10として、写真店やコンビニエンスストア等の店舗に設置可能なキオスク型の装置を記載しているが、追記目的用記録媒体作成装置10の形態は任意であり、例えば、図2に示すようにパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器としてもよいし、図3に示すように専用のセットトップボックスとしたり、図4に示すようにポータブルライタとしたり、図5に示すようにDVDレコーダやHDDレコーダとしてもよいし、演算処理機能を備えたカーナビゲーション機器などとしてもよい。
また、追記目的用記録媒体作成装置10によって第1セッションにデータが記録された記録媒体2に画像再生機器用データを追記する記録装置20は、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどの記録媒体(以下、メディア3と呼ぶ。)を装填するメディア装填部22、デジタルカメラ4(デジタルスチルカメラ及びデジタルムービーカメラの双方を含む。)やカメラ付き携帯電話機5等の撮影機器を有線又は無線、赤外線等によって接続するための機器接続部23、インターネット等の通信ネットワーク6を介してサーバ7から画像データなどをダウンロードするネットワーク接続部等と、メディア3やデジタルカメラ4から読み取った、又はサーバ7からダウンロードした画像データやDVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機などで再生可能な形式に変換されたデータなどが追記されるCD−R/RWやDVD±R/RW、DVD−RAM、Blu−rayディスク等の記録媒体2を装填する記録媒体装填部21と、ボタン、キーボード、マウス等の操作手段29及びLCD、CRT等の表示手段28とを備えている。
上記記録装置20の機能をブロック図で示すと図7のようになる。すなわち、メディア装填部22、機器接続部23、ネットワーク接続部等を用いて、画像データや必要に応じて音楽データ、アプリケーションなどを入力するデータ入力手段25と、入力した画像データから、DVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機などの画像再生機器で再生可能なVideo−CD、DVD−Video、HDTV等の形式のデータを生成したり、必要に応じてオリジナルの画像データのデータサイズを縮小したサムネイル画像データやスクリーンネイル画像データなどの縮小画像データを生成するデータ変換手段26と、記録媒体装填部21に装填された記録媒体2に、画像再生機器用データや必要に応じてオリジナル画像データ、縮小画像データなどを追記するデータ記録手段27と、表示手段28及び操作手段29とを備えている。
上記記録装置20の形態も任意であり、例えば、キオスク型の記録装置としてもよいし、専用のセットトップボックスとしたり、ポータブルライタとしたり、DVDレコーダやHDDレコーダとしてもよいし、演算処理機能を備えたカーナビゲーション機器などとしてもよい。
次に、上記構成の追記目的用記録媒体作成装置10を用いて、追記目的用の記録媒体2を作成する手順について、図8のフローチャート図を参照して説明する。
まず、ステップS101で、追記目的用記録媒体作成装置10の記録媒体装填部11に記録媒体2を装填する。次に、ステップS102で、装填された記録媒体2が本発明の記録媒体として適しているかをチェックする。例えば、既にセッションで区分されたデータが記録されてないかをチェックしたり、予め定められた領域に記録媒体2を識別するための識別情報などが記録されているかなどをチェックする。
例えば、識別情報に基づいて記録媒体2の適否を判定する場合、上記識別情報は不正なデータの記録を防止するために設けるものであるため、識別情報の記録場所や中身が容易に知られてしまうと識別情報自体もコピーされてしまい、不正なデータの記録を防止することができなくなってしまうため、識別情報の少なくとも一部はコンピュータのOSではアクセスできない領域(すなわち、論理アドレス領域外)、具体的にはディスク型記録媒体の論理アドレス領域の内側の領域に書き込まれていることが好ましい。
ここで、一般的な記録媒体2の構造について、図13を参照して説明すると、CD-Rは、ポリカーボネート基板100上に、シアニン、フタロシアニン、アゾなどの有機色素層101と銀などの反射層102と保護層103とが積層されて形成され、有機色素層101に所定のパワーのレーザ光を当てて色素を分解して基板を変形させることでピットを形成し、情報の記録を行っているが、レーザパワーは、レーザ光を照射するレーザヘッドの方式や使用する有機色素層101の種類に応じて最適な値が異なるため、情報の書き込み、読み出しを確実に行うためにはCD-Rがどのような色素を用いて製作されているかをドライブ側が認識する必要がある。そこで、CD−Rに用いる色素の種別やCD-Rを製作するメーカの名称(製造者コード)などの情報を記録媒体2の製造段階でその最内周に書き込み、その情報をドライブのファームウェアが読み取り、ファームウェアが独自にレーザヘッドを制御してレーザパワーの調整を行っている。このようにディスクの最内周の領域はCD-Rの素性に関する情報を記録する領域として使用され、通常、OSではアクセスすることができない領域であることから、この領域(論理アドレス領域外)に記録媒体2の識別情報を書き込むことにより、識別情報自体がコピーされないようにすることができる。
なお、この識別情報の具体的な構成は任意であるが、上記したように記録媒体2の論理アドレス領域外には製造者コードが予め記録されていることから、この製造者コードと記録媒体2に対して付与される番号(製造ID)や記録媒体2自体の特性(最大書込倍速)などとを識別情報として用いることにより、記録媒体2が正規に作成されたものか否かを簡単かつ確実に識別することができる。
次に、ステップS103で、記憶手段12から、第1セッションのリードイン・TOCに書き込む追記される画像再生機器用データの記録媒体2上の開始アドレスと、データ本体に書き込むダミーの画像再生機器用データ及び画像表示プログラムなどのアプリケーションとを読み出す。
なお、ここでは、第1セッションに書き込むデータ本体として、第1セッションのデータを画像再生機器40で再生させるためのダミーの画像再生機器用データ及び画像データをコンピュータ機器30で再生するための画像表示プログラムを例にして説明するが、データ本体としてはダミーの画像再生機器用データが含まれていればよく、アプリケーションが含まれていなくてもよいし、上記以外の他のデータやアプリケーションなどが含まれていてもよい。また、ダミーの画像再生機器用データとは、画像再生機器用データであることを認識させるための情報を意味し、画像再生機器用データとしての体裁を備えていない情報としてもよいし、画像再生機器用データのフォルダ構造を備えているが表示データを含まないデータとしてもよいし、予め定められた特定の情報(例えば、タイトル画面)のみが表示されるデータとしてもよい。このダミーの画像再生機器用データは記憶手段12に予め記憶されていてもよいし、追記目的用記録媒体作成装置10にデータ生成手段を設け、記録媒体2が記録媒体装填部11に装填されたら自動的にダミーの画像再生機器用データを生成するようにしてもよい。
また、追記される画像再生機器用データは第2セッションに記録されるものであるにも関わらず、その開始アドレスを特定できる理由について説明する。図11に示すように、第1セッションは、リードイン・TOCと、画像表示プログラム及びダミーの画像再生機器用データが記録されたデータ本体と、リードアウトとで構成されているが、画像表示プログラムは予め選択されたアプリケーションであるためそのデータ長は既知であり、ダミーの画像再生機器用データも何も表示させない又は予め定められた情報のみを表示されるデータであるため、そのデータ長も既知であり、このことからデータ本体のデータ長を特定できる。また、リードイン・TOC及びリードアウトは予めデータ長が定められている。従って、第1セッションに記録されるリードイン・TOCとデータ本体とリードアウトのデータ長を特定することができるため、第2セッションのデータ本体に追記される画像再生機器用データの開始アドレスbを事前に特定することができる。
次に、ステップS104で、記録手段13を用いて、記録媒体2の内側にリードイン・TOCを書き込む。その際、通常、リードイン・TOCにはそのセッション(ここでは第1セッション)内のデータ本体に書き込むデータに関する情報のみを書き込むが、本実施例では、上記情報に加えて、次のセッション(ここでは第2セッション)のデータ本体に書き込む予定の画像再生機器用データの開始アドレスも書き込む。すなわち、本実施例では、リードイン・TOCには、第1セッションのデータ本体の開始アドレス(図11の開始アドレスa)のみならず、第2セッションの画像再生機器用データの開始アドレス(図11の開始アドレスb)も書き込むことを特徴としている。
次に、記録手段13を用いてデータ本体の書き込みを行う。具体的には、ステップS105で、記憶手段12から読み込んだダミーの画像再生機器用データを書き込み、ステップS106で、画像表示プログラムなどのアプリケーションを書き込む。次に、ステップS107で、記録手段13を用いてデータ本体の外側にリードアウトを書き込み、第1セッションのデータの書き込みを終了する。
上記手順で作成された記録媒体2には図12に示すように各種情報が記録され、ディスク型記録媒体2の最も内側の論理アドレス領域外には、必要に応じて所定の形式(好ましくはファイル形式でないデータ形式)の識別情報が記録され、その外側の論理アドレス領域の内側には、第1セッションのデータ本体に書き込むデータと第2セッションに追記する画像再生機器用データの開始アドレスが記録されたリードイン・TOCと、ダミーの画像再生機器用データ及び所定のアプリケーションを含むデータ本体と、リードアウトと、からなる第1セッションデータが記録される。
次に、上記手順で作成された記録媒体2に、記録装置20を用いて画像再生機器用データを追記する手順について、図9のフローチャート図を参照して説明する。
まず、ステップS201で、記録装置20のメディア装填部22にメディア3を装填、又は、機器接続部23にデジタルカメラ4やカメラ付き携帯電話機5を接続、又はネットワーク接続部24を通信ネットワーク6に接続すると共に、記録媒体装填部21に記録媒体2を装填する。
ここで、本実施例の記録媒体2は画像再生機器用データを追記できるように作成されたものであることから、他の記録媒体と識別するために、ステップS202で、該記録媒体2が上記手順で作成された記録媒体2であるかをチェックする。この記録媒体のチェック方法として、記録媒体2に予め定められたデータ(ここでは、上記第1セッションのデータ)が記録されているかをチェックしてもよいし、記録媒体2の特定の領域(例えば、論理アドレス領域外)に予め特定の識別情報が書き込まれているかをチェックしてもよい。
次に、チェックの結果、OKの場合は、ステップS203で、データ入力手段25を用いて、デジタルカメラ4やメディア3に記録された画像データやサーバ7に記録された画像データ、必要に応じて、画像データを音楽付きスライドショーとして再生するためのBGMとして利用する音楽データなどを読み取り、必要に応じて、表示手段28や操作手段29を用いて記録媒体2に記録する画像データを選択する。
次に、ステップS204で、必要に応じて、データ変換手段26を用いて、読み取った画像データのデータサイズを縮小したサムネイル画像データやスクリーンネイル画像データなどの縮小画像データを作成する。この縮小画像データは入力した画像データよりもデータサイズが小さいものであればよく、例えば、画素数を減縮した画像データや色数、色再現域を減縮した画像データなどとすることができる。
次に、ステップS205で、データ変換手段26を用いて、読み取った画像データに基づいて動画データを生成した後、該動画データをDVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機等の画像再生機器40で再生可能なデータ(Video−CD形式、DVD−Video形式、HDTV形式などのデータ)に変換する。上記画像データから動画データを作成する方法は特に限定されないが、例えば、静止画像データをスライドショーのように表示する場合は、静止画像データにスライド表示の時間分の差分0のデータを付加して動画データを生成したり、静止画像データにスライドショープログラムで設定されたスライド効果に基づく差分データを付加して動画データを生成すればよい。
次に、ステップS206で、データ記録手段27を用いて、先に記録された第1セッションの外側にリードイン・TOCを書き込む。このリードイン・TOCには、データ本体として書き込む画像再生機器用データと必要に応じて書き込むオリジナル画像データや縮小画像データなどのデータに関する情報(開始アドレスなど)を書き込む。
次に、ステップS207で、データ記録手段27を用いて、リードイン・TOCの外側に、変換された画像再生機器用データや関連付けファイル等(以下、これらを総称して画像再生機器用データ群と呼ぶ。)を書き込み、引き続き、ステップS208で、必要に応じて、オリジナル画像データや縮小画像データや情報ファイル、音楽データなど(以下、これらを総称してコンピュータ機器用データ群と呼ぶ。)を書き込む。
次に、ステップS209で、データ記録手段27を用いて、データ本体の外側にリードアウトを書き込み、第2セッションのデータの書き込みを終了する。
上記手順で作成された記録媒体2には図12に示すように各種情報が記録され、先に記録された第1セッションデータの外側には、第2セッションに記録するデータ本体に関する情報を含むリードイン・TOCと入力した画像データに基づいて生成された画像再生機器用データを含むデータ本体とリードアウトとからなる第2セッションデータが記録される。
また、上記手順で作成された記録媒体2の記録構造は任意であるが、例えば、図14に示すようにすることができる。この構造では、”PS_Roll”フォルダ内の画像データ、サムネイル画像データ、スクリーンネイル画像データなどの複数の種別の画像データ(画像データ群)と、記録媒体2の識別情報などが記録された情報ファイル(info.txt)、”APPL”フォルダ内のスライドショープログラム、スライドショーの設定ファイル、自動起動ファイル(Autorun.inf)などの他のデータ群とでコンピュータ機器用データ群が構成され、”VCD”フォルダ内の画像データをVideo−CD形式、DVD−Video形式、HDTV形式用データ等として関連付けるファイル、”SEGMENT”フォルダ内のTV画面に表示する画像データ、”MPEGAV”フォルダ内の動画データ、”DAT”フォルダ内のTV画面に静止画像データを表示するためのアプリケーションなどでダミーの画像再生機器用データ及び追記した画像再生機器用データ等からなる画像再生機器用データ群が構成される。
上記画像データ群の記録に際して、画像データ群をデータ管理装置などにバックアップした場合における管理を容易にするために、予め定められたルールに従ってフォルダを構成し、そのフォルダにユニークな名称を付与することが好ましい。例えば、図14に示すように、画像データの格納場所を示すフォルダ(PS_Roll)の下位の階層にメディア3毎、機器毎、フィルム毎の画像データの格納場所を示すフォルダ(ROYYMMDDyyy_XXXXXXAABxxx、ここではRO030416001_12345601C001)を作成し、各々の要素を、YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、yyy:日毎のシーケンシャル番号、XXXXXX:ランダムなID番号、AA:メーカーコード(00〜ZZ)、B:ソフトウェア、機器の商品カテゴリー(0〜Z)、xxx:シーケンシャル番号などすることもできる。
次に、上記方法で画像再生機器用データが追記された記録媒体2aを画像再生機器40で再生する場合の動作について、図10のフローチャート図を参照して説明する。
まず、ステップS301で、上記手順で画像再生機器用データを追記した追記済み記録媒体2aを画像再生機器40に装填する。
すると、ステップS302で、画像再生機器40は、追記済み記録媒体2aの第1セッションに書き込まれたリードイン・TOCの情報を読み取り、公知の手法を用いて、その中に記録された開始アドレスに対応するデータの中から画像再生機器で再生可能なデータ(例えば、Video−CD形式、DVD−Video形式、HDTV形式などのデータ)を識別する。ここで、本実施例の追記済み記録媒体2aには、予め第1セッションのダミーの画像再生機器用データと第2セッションの追記した画像再生機器用データの2つの対象となるデータが記録されており、第1セッションのリードイン・TOCには第1セッションに記録されたダミーの画像再生機器用データの開始アドレスに加えて、追記した画像再生機器用データの開始アドレスが記録されているため、画像再生機器40はこの2つのデータを画像再生機器用データとして認識する。
次に、ステップS303で、対象となるデータにアクセスしてデータの再生を開始するが、まず、第1セッションのダミーの画像再生機器用データにアクセスしてデータを再生する。そして、ダミーの画像再生機器用データに表示すべきデータが含まれていない場合はステップS304でただちにダミーの画像再生機器用データの再生を終了し、予め定められた情報が記録されている場合は該情報を表示した後、ダミーの画像再生機器用データの再生を終了する。
ここで、従来の記録媒体では、第1セッションのリードイン・TOCには、第1セッション内のデータ本体の開始アドレスしか記録されておらず、また、画像再生機器40では、通常、2番目以降のセッションを認識することができないため、第2セッションに追記された画像再生機器用データを再生することができないが、本実施例の記録媒体2aには、第1セッションのリードイン・TOCに第2セッションのデータ本体の開始アドレスも記述されているため、ステップS305で、次の対象となるデータ(ここでは第2セッションの画像再生機器用データ)にアクセスしてデータを再生することができる。
そして、ステップS306で、追記された画像再生機器用データの再生を終了して、追記済み記録媒体2aの再生を終了する。
また、上記追記済み記録媒体2aをコンピュータ機器30で再生する場合は、複数のセッションに記録されたデータを読み込むことができるため、第1セッションから画像表示プログラムを読み出し、第2セッションからオリジナル画像データや縮小画像データを読み出し、画像表示プログラムを用いて上記オリジナル画像データや縮小画像データを表示手段上に表示したり、画像データを利用した各種処理を実行することができる。
このように、本実施例の記録媒体2には、第1セッションのリードイン・TOCには、ダミーの画像再生機器用データの開始アドレスを示す情報に加えて、第2セッションに追記される画像再生機器用データの開始アドレスも記録され、データ本体には、ダミーの画像再生機器用データと画像データをコンピュータ機器30で再生するための画像表示プログラムとが記録されているため、第2セッションに記録された画像再生機器用データも再生することが可能となる。
なお、前記した追記目的用記録媒体作成装置10では、リードイン・TOCに開始アドレスのみを記録する構成としたが、リードイン・TOCに対象となるデータの開始アドレスとデータ長とを記録することもできる。その場合、第1セッションの書き込みの段階では、記録装置20で入力する画像データの数量やデータサイズが分からないため、追記する画像再生機器用データのデータ長を知ることができず、第1セッションのリードイン・TOCに該データのデータ長を書き込むことができない。そのような場合には、第2セッションの画像再生機器用データを作成する際(ステップS205)に、入力された画像データにダミーの画像データを追加し、該ダミーデータの数量を調整することにより予め定められたデータ長の画像再生機器用データが生成されるようにすることができ、このようにしておけば、第1セッションのリードイン・TOCに第2セッションに追記する画像再生機器用データのデータ長を書き込むこともできる。
次に、本発明の第2の実施例に係る追記目的用記録媒体の作成方法及び作成装置並びに該方法で作成された記録媒体について、図15乃至図18を参照して説明する。図15は、追記目的用記録媒体作成装置の機能を示すブロック図である。また、図16は、本実施例の追記目的用記録媒体作成装置を用いた追記目的用記録媒体の作成手順を示すフローチャート図であり、図17は、データが追記された記録媒体の再生手順を示すフローチャート図である。また、図18は、各々のセッションの構成を示す図である。
前記した第1の実施例では、第1セッションのリードイン・TOCに、第1セッションのデータ本体の開始アドレスに加えて第2セッションに追記する画像再生機器用データの開始アドレスを書き込む構成としたが、第1セッションのリードイン・TOCには第1セッションのデータ本体の開始アドレスのみを記録しておき、データ本体に書き込むダミーの画像再生機器用データに第2セッションに追記する画像再生機器用データを再生させるための再生指示情報(例えば、追記する画像再生機器用データの開始アドレス)を書き込むことによっても、同様に追記した画像再生機器用データを画像再生機器40で再生させることができる。
この場合の、追記目的用記録媒体作成装置10の構成をブロック図で示すと図15のようになり、追記される画像再生機器用データの記録媒体2上の開始アドレスや、第1セッションに記録するアプリケーションなどを記憶する記憶手段12と、追記される画像再生機器用データを再生させるための再生指示情報を書き込んだダミーの画像再生機器用データを生成するダミーデータ生成手段14と、記録媒体2に第1セッションのデータを記録する記録手段13とを備えている。
なお、本実施例においても追記目的用記録媒体作成装置10の形態は任意であり、図1のようにキオスク型の記録装置20としてもよいし、図2に示すようにパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器としてもよいし、図3に示すように専用のセットトップボックスとしたり、図4に示すようにポータブルライタとしたり、図5に示すようにDVDレコーダやHDDレコーダとしてもよいし、演算処理機能を備えたカーナビゲーション機器などとしてもよい。また、上記記録装置20の形態も任意であり、例えば、キオスク型の記録装置としてもよいし、専用のセットトップボックスとしたり、ポータブルライタとしたり、DVDレコーダやHDDレコーダとしてもよいし、演算処理機能を備えたカーナビゲーション機器などとしてもよい。
次に、上記構成の追記目的用記録媒体作成装置10を用いて、追記目的用の記録媒体2を作成する手順について、図16のフローチャート図を参照して説明する。
まず、ステップS401で、追記目的用記録媒体作成装置10の記録媒体装填部11に記録媒体2を装填する。次に、ステップS402で、予め定められた領域に記録媒体2を識別するための識別情報などが記録されているかなど、装填された記録媒体2が本発明の記録媒体として適しているかをチェックする。
次に、ステップS403で、記憶手段12から、画像表示プログラムなどのアプリケーションと、追記される画像再生機器用データの記録媒体2上の開始アドレスとを読み出す。なお、本実施例でも、第1セッションに書き込むデータ本体として、第1セッションのデータを画像再生機器データとして認識させるためのダミーの画像再生機器用データ及び画像データをコンピュータ機器30で再生するための画像表示プログラムを例にして説明するが、データ本体としてはダミーの画像再生機器用データが含まれていればよく、アプリケーションが含まれていなくてもよいし、上記以外の他のデータやアプリケーションなどが含まれていてもよい。
次に、ステップS404で、ダミーデータ生成手段14を用いて、第2セッションに追記する画像再生機器用データを画像再生機器40で再生させる再生指示情報(例えば、追記する画像再生機器用データの開始アドレス)が書き込まれたダミーの画像再生機器用データを生成する。このダミーの画像再生機器用データの構成は特に限定されないが、例えば、画像再生機器用データを構成する関連付けファイルに、再生するデータとして第2セッションに記録した画像再生機器用データを指定するように再生指示情報を書き込むことができる。
次に、ステップS405で、記録手段13を用いて、リードイン・TOCに、第1セッションのデータ本体の開始アドレス(図18の開始アドレスa)のみを書き込み、ステップS406で、データ本体としてダミーデータ生成手段14で生成したダミーの画像再生機器用データと画像表示プログラムなどのアプリケーションとを書き込み、ステップS407で、データ本体の外側にリードアウトを書き込み、第1セッションのデータの書き込みを終了する。
次に、上記記録媒体2に、前記した第1の実施例と同様の手順で、記録装置20を用いて画像再生機器用データを追記する。次に、上記方法で画像再生機器用データが追記された記録媒体2aを画像再生機器40で再生する場合の動作について、図17のフローチャート図を参照して説明する。
まず、ステップS501で、上記手順で画像再生機器用データを追記した追記済み記録媒体2aを画像再生機器40に装填する。
すると、ステップS502で、画像再生機器40は、追記済み記録媒体2aの第1セッションに書き込まれたリードイン・TOCの情報を読み取り、公知の手法を用いて、その中に記録された開始アドレスに対応するデータの中から画像再生機器で再生可能なデータ(例えば、Video−CD形式、DVD−Video形式、HDTV形式などのデータ)を識別する。ここで、本実施例の追記済み記録媒体2aには、予め第1セッションのダミーの画像再生機器用データと第2セッションの追記した画像再生機器用データの2つの対象となるデータが記録されているが、画像再生機器40はダミーの画像再生機器用データのみを画像再生機器用データとして認識する。
次に、ステップS503で、第1セッションのダミーの画像再生機器用データにアクセスしてデータの再生を開始する。すると、ダミーの画像再生機器用データには、第2セッションの画像再生機器用データの再生を指示する再生指示情報が書き込まれているため、ステップS504でダミーの画像再生機器用データの再生をスキップして、ステップS504で、追記した画像再生機器用データの再生を開始する。
そして、ステップS506で、追記された画像再生機器用データの再生を終了して、追記済み記録媒体2aの再生を終了する。
このように、本実施例の記録媒体2には、第1セッションのデータ本体には、ダミーの画像再生機器用データと画像データをコンピュータ機器30で再生するための画像表示プログラムとが記録され、ダミーの画像再生機器用データには、第2セッションに追記される画像再生機器用データを再生させるための再生指示情報が書き込まれているため、第2セッションに記録された画像再生機器用データも再生することが可能となる。
なお、上記各実施例では、画像再生機器用のデータを追記する場合について記載したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、第1セッションに記録されたデータしか通常、再生することができない他の種類のデータに関しても、同様に適用することができる。