JP4237195B2 - 血圧計用腕帯のコアの製造方法及び血圧計用腕帯 - Google Patents
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Description
このため、上記のおっくうな作業を改善し、老人等でも一人で容易に測定できるように、様々な技術が開発されてきた。
たとえば、特許文献1には、可撓性部材により湾曲した形状に形成された湾曲板を、湾曲方向両端部より中央部に向かって徐々に厚くすることで、中央部の剛性を両端部の剛性より大きし、力が加わったときに、湾曲板が均一に拡がるようにし、細い腕にも太い腕にもカフ帯が滑らかにフィットするようにした血圧計のカフ帯の技術が開示されている。
また、血圧計用腕帯には、より使い勝手に優れた製品を提供するために、腕を挿脱する際の操作性や腕を締め付けた際のフィット性をさらに向上させる必要があった。
このようにすると、第一コアの有する可撓性と第二コアの有する形状維持性(剛性及び復元力)の両方の機能を兼ね備えたコアを実現することができ、腕を挿脱する際に、コアをほぼ円筒形状に維持するとともに、腕を締め付ける際には、様々な腕形状に対するフィット性を向上させることができる。
このようにすると、既製の平板シートを裁断して使用することができるので、製造原価のコストダウンを図ることができる。
このようにすると、第二コアの両端部によって、第一コアを効果的に湾曲させることができる。
このようにすると、コアを締め付ける際、コアの円周方向全体から締め付けることができ、使用者にとって違和感なく腕への締付けを行うことができる。
このようにすると、締付手段を容易かつ強固にコアに取り付けることができる。
このようにすると、第一コアの有する可撓性と第二コアの有する形状維持性(剛性)の両方の機能を兼ね備えたコアを、容易にかつ廉価な製造原価で製造することができる。
このようにすると、容易に接合できるとともに、第二コアの両端部によって、第一コアを効果的に湾曲させることができる。
以下、本発明の血圧計用腕帯の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の血圧計用腕帯の一実施形態の概略斜視図を示している。
また、図2は、図1の概略上面図を示しており、図3は、図1の概略側面図を示している。
図1,2,3において、血圧計用腕帯1は、第一コア21及び第二コア22からなるコア2、締付手段3、並びに、パイプ121が設けられた空気袋12などを備えている。
この血圧計用腕帯1は、血圧測定の際、円筒状に回曲されたコア2を巻き締めることにより縮径させて、コア2が腕(図示せず)に巻き付けられる。
図4は、本発明の血圧計用腕帯の一実施形態にかかる、コアの構造を説明するための要部の概略斜視図を示している。
また、図5は、本発明の血圧計用腕帯の一実施形態にかかる、第二コアの概略斜視図を示している。
さらに、図6は、図5の概略上面図を示している。
図4,5,6において、コア2は、可撓性を有するシート状の第一コア21と、この第一コア21の外側に重ねるようにして取り付けられ、湾曲状に形成された第二コア22とからなっている。
なお、本実施形態では、第一コア21の外側に、第二コア22を取り付けているが、これに限定されるものではなく、たとえば、第一コア21の内側に第二コア22を取り付けてもよい。
また、第一コア21は、内面に、円筒状の空気袋12が貼り付けられている。この空気袋12は、腕方向にパイプ121が突設されており、血圧を測定する際には、パイプ121を介して空気が送圧される。
さらに、コア2は、一般的に、射出成形によって製作されるが、第二コア22は、第一コア21に比べて長手寸法が短く小型化されている。このようにすると、射出成形に使用される金型も小型化されるので、その分製造原価のコストダウンを図ることができる。
本実施形態の締付手段3は、図2,3に示すように、基台31、ベルト32、撮み33、開放レバー34、連結板35及びピニオンギア36などを備えている。基台31は、ボルト(図示せず)などによって、第二コア22の保持板224に固定されている。この基台31は、回動自在に取り付けられた連結板35、締付機能を実現するための、撮み33と連結され、回転自在に取り付けられたピニオンギア36、保持機能を実現するための保持用ピン(図示せず)、保持用ピンによる保持状態を解除するための開放レバー34、及び、ベルト32が移動自在に装入される装入口(図示せず)を有している。また、ベルト32は、幅方向のほぼ中央部であって、かつ、長手方向に、ピニオンギア36と噛み合うラック37が形成され、さらに、幅方向の上部及び下部に、保持用ピンが係入される保持用孔38が並設されている。このベルト32は、一端が連結板35に取り付けられ、かつ、コア2の外周に巻かれた状態で、他端が装入口に装入されている。このようにすると、コア2を締め付ける際、コア2の円周方向全体から締め付けることができ、使用者にとって違和感なく腕への締付けを行うことができる。
なお、本実施形態の締付手段3は、コア2の一端が該コア2の他端の内側に巻き込まれた状態を保持する固定手段としての機能と、コア2を腕に締め付ける締付機能を有する構成としてあるが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、面ファスナーなどの固定手段を用いた単純な構成としてもよい。
まず、血圧を測定する血圧計用腕帯1の使用者は、開放レバー34を押下する。これにより、血圧計用腕帯1は、コア2の復元力により、ベルト32が開放方向に移動し、コア2周回径が最大直径Dまで大きくなる。
続いて、使用者は、撮み33が上方を向くように、血圧計用腕帯1を横置きとして、空気袋12に、たとえば、左腕を挿入する。
また、本発明は、血圧計用腕帯のコアの製造方法の発明としても有効である。
次に、血圧計用腕帯のコアの製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の血圧計用腕帯のコアの製造方法は、上記血圧計用腕帯1のコア2の製造方法としてあり、まず、可撓性を有するシートを裁断して第一コア21を形成する(ステップS1)。ここで、上記シートとして、市販されている平板シートを使用するとよく、このようにすると、裁断するたけで第一コア21を製造することができるので、製造原価のコストダウンを図ることができる。また、この薄肉のシートを射出成形法により製造しようとしても、薄肉であるために厚さの寸法精度が低下し、部分的に可撓性がばらついてしまい、フィット性が低下する。これに対し、既製の平板シートの厚さの寸法精度は、極めて優れているので、フィット性が低下するといった不具合を回避することができる。
また、ここで、好ましくは、第二コア22のほぼ中央部を、第一コア21のほぼ中央部表面に固定するとよい。このようにすると、容易に接合できるとともに、第二コア22の両端部によって、第一コア21を効果的に湾曲させることができる。
例えば、上記実施形態では、第二コア22の一部が、第一コア21と接合されているが、これに限定されるものではなく、たとえば、第二コア22のほぼ全体が第一コア21に接合された構造及び方法としてもよい。
また、上記実施形態では、コア2が、第一コア21と第二コア22からなる構成としてあるが、たとえば、第一コア21と第二コア22の間に、第三番目の補助的な機能を有する部材などを積層し、多層構造(三層以上の構造)とすることも可能である。
2 コア
3 締付手段
21 第一コア
22 第二コア
31 基台
32 ベルト
33 撮み
34 開放レバー
35 連結板
36 ピニオンギア
37 ラック
38 保持用孔
12 空気袋
121 パイプ
211a 外側端部
211b 内側端部
212 固定孔
221 ベルト部
221a 開放側端部
221b 締付側端部
222 固定板
223 固定孔
224 保持板
225 取付孔
226 突起部
Claims (10)
- 空気袋と、該空気袋の外側に配置されたコアを有する血圧計用腕帯において、
前記コアが、可撓性を有するシート状の第一コアと、湾曲形状に形成され、前記第一コアに重ねて取り付けられるとともに、該第一コアを湾曲させる第二コアとからなることを特徴とする血圧計用腕帯。 - 前記第一コアが、平板シートからなることを特徴とする請求項1に記載の血圧計用腕帯。
- 前記第二コアの長手寸法が、前記第一コアの長手寸法より短いことを特徴とする請求項1又は2に記載の血圧計用腕帯。
- 前記第二コアのほぼ中央部が、前記第一コアのほぼ中央部表面に接合されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の血圧計用腕帯。
- 前記コアの一端が該コアの他端の内側に巻き込まれた状態を保持する固定手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の血圧計用腕帯。
- 前記コアを生体の一部に締め付ける締付手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の血圧計用腕帯。
- 前記締付手段が、前記コアの外周に巻かれた状態で設けられた締付用ベルトを備えていることを特徴とする請求項6に記載の血圧計用腕帯。
- 前記第二コアが、前記締付手段を保持する保持手段を有していることを特徴とする請求項6又は7に記載の血圧計用腕帯。
- 空気袋と、該空気袋の外側に配置されたコアを有する血圧計用腕帯のコアの製造方法であって、
可撓性を有するシートを裁断して第一コアを形成する工程と、
前記第一コアと当接し、該第一コアを湾曲させる第二コアを成形する工程と、
前記第一コアと第二コアを重ねた状態で接合する工程と
を有することを特徴とする血圧計用腕帯のコアの製造方法。 - 前記第一コアと第二コアを重ねた状態で接合する工程において、前記第二コアのほぼ中央部が、前記第一コアのほぼ中央部表面に接合されることを特徴とする請求項9に記載の血圧計用腕帯のコアの製造方法。
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