JP4236985B2 - ゲートバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲートバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、LSIやLCD等の製造装置では、互いに隣接する処理装置の間にゲートバルブが介挿される。このゲートバルブは、弁体をスライドさせることにより、各処理装置間を開放あるいは密閉状に閉鎖とするためのものである。また、このようなゲートバルブは、各処理装置の真空雰囲気を乱さないように気密構造になっている。また、近年、製造装置の大型化により、シール性が良く、開閉時間の短い安価な大口径ゲートバルブの需要が高まっている。
【0003】
例えば特開昭64−39376号公報には、このようなゲートバルブにおける弁体の駆動機構の一例が開示されている。この駆動機構は、エアーシリンダーの直線運動をラック&ピニオン機構を用いて回転運動に変換し、この回転運動によってレバーの傾斜を可変することにより当該レバーの先端部に取り付けられた弁体をスライドさせるものである。また、この駆動機構の場合、気密構造とするためにピニオンの回転軸がシールされる。
【0004】
一方、特開平2−129470号公報には、エアーシリンダーのロッドの先端部に弁体を直接取り付ける駆動機構が開示されている。この駆動機構の場合には、気密構造とするためにロッドの周面がシールされる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭64−39376号公報
【特許文献2】
特開平2−129470号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開昭64−39376号公報の駆動を機構を用いた場合、ピニオンの回転軸がシール部になるので、真空漏れが発生する可能性は低いが、弁体を各処理装置のシール面に密着させるために駆動源を別途設ける必要があるので、構造が複雑化してコスト高になるという問題点がある。これに対して、特開平2−129470号公報の駆動を機構を用いた場合には、弁体を各処理装置のシール面に密着させるために駆動源を別途設ける必要はないが、ロッドの周面がシール部になるので、ゲートバルブの大型化によりシール摺動距離がロッド長に伴って長くなり、真空漏れが発生する可能性が高いという問題点がある。また、弁大が加熱される場合、ロッドに塗布してある真空グリースの蒸発により清浄な真空を得ることができないという問題点もある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、上記2つの従来技術の各長所を両方備えた大口径ゲートバルブを実現すること、つまり真空漏れ及び真空の清浄劣化を低く抑えつつ弁体を各処理装置のシール面に密着させるための安価な構成を有するゲートバルブを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、第1の手段として、平板状の弁体を開閉レバーの方向変換運動によって筐体の開口に対向する位置に移動させ、さらに前記開閉レバーの直線運動によって弁体を開口に押圧して密閉するゲートバルブであって、筐体外に配置された外部駆動源の駆動力を軸の回転力として筐体内に伝達する力伝達機構と、前記軸の回転力を直線力に変換する力変換機構と、該力変換機構に連結されると共に突起部を有する開閉レバーと、該開閉レバーの先端部に摺動自在に連結され、前記弁体間に位置する弁体支持板と、前記突起部が嵌め合わされる案内溝を有し、該案内溝が前記開閉レバーを方向変換運動させる湾曲部と直線運動させる直線部とを有する方向規制部材とを具備する、という構成を採用する。
【0009】
また、第2の手段として、上記第1の手段において、開閉レバーは2つの突起部を有し、方向規制部材は、各突起部に対応する案内溝を有する、という構成を採用する。
【0010】
第3の手段として、上記第1または第2の手段において、力変換機構はラック&ピニオン機構である、という構成を採用する。
【0011】
第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、力伝達機構は、外部駆動源の駆動力を回転駆動力として軸に伝達するラック&ピニオン機構である、という構成を採用する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1〜3は本ゲートバルブの外観構成を示す図であり、このうち図1は正面図、図2は上面図、図3は右側面図である。これら図において、符号1は筐体、2は開口、3はOリング、4はエアーシリンダ(外部駆動源)、5は第1ラック&ピニオン機構(力伝達機構)である。筐体1は、SUS材等の複数の金属部材を中空箱型に組上げたものである。
【0013】
開口2は、筐体1の中央から左寄りの位置に矩形状に形成されている。Oリング3は、上記開口2の周縁部に設けれており、本ゲートバルブの両側に各々配置される処理装置のシール面に密着することにより当該処理装置との機密性を維持するものである。なお、図1では、筐体1の正面側に設けられた開口2を示している、裏面側にも当該開口2に符合する位置に同形状の開口が形成され、またその周縁部には上記Oリング3と同一のOリングが設けられている。
【0014】
エアーシリンダ4は、図1及び3に示すようにロッド4aの移動方向が上下方向となる姿勢で、筐体1の右側面に設けられた駆動源である。第1ラック&ピニオン機構5は、図1に示すように筐体1の正面側に設けられており、上記エアーシリンダ4によって駆動される。この第1ラック&ピニオン機構5は、ラック5aとピニオン5bとから構成されている。ラック5aは、ブラケットを介して上記ロッド4aの先端部に固定されており、ロッド4aと共に直線的に上下動する。ピニオン5bは、回転軸が筐体1側に設けられており、ラック5aの上下動に応じて回転することによりエアーシリンダ4の動力を筐体1内の内部機構に伝達する。
【0015】
図4は、内部機構を裏面側から見た図、また図5は当該図4におけるA−A線矢視図ある。また、図6において、(a)は図4の部分拡大図、(b)は当該部分拡大図に対応する右側面図である。
【0016】
これら図4〜6において、符号6は第2ラック&ピニオン機構(力変換機構)、7は開閉レバー、8は方向規制部材、9は弁体支持板、10,11は弁体、12は回転軸である。第2ラック&ピニオン機構6は、ピニオン6aとラック6bとから構成されている。ピニオン6aは、図5及び図6に示すように、回転軸12によって上述した第1ラック&ピニオン機構5のピニオン5bと同軸接続されている。一方、ラック6bは、図4及び図6に示すように、開閉レバー7の後端部に取り付けられている。
【0017】
ここで、第1ラック&ピニオン機構5は、筐体1の外側に位置し、一方、第2ラック&ピニオン機構6は筐体1の内側に位置している。そして、このような第1ラック&ピニオン機構5のピニオン5b及び第2ラック&ピニオン機構6のピニオン6aは、回転軸12によって連結されている。この回転軸12には、図6(b)等に示すように、筐体1の内部を気密状態にするためにピニオン5bとピニオン6aとの間に真空シール12a(Oリングあるいは磁性流体シール等)が設けられている。
【0018】
開閉レバー7は、上記第2ラック&ピニオン機構6と弁体支持板9との間に設けられた可動棒であり、上記第2ラック&ピニオン機構6の駆動力と方向規制部材8の案内機能とによって傾斜運動及び進退運動をする。この開閉レバー7の後端部には、図4及び図6に示すように、上側にローラ7aが、また下側にローラ7bがそれぞれ取り付けられている。また、開閉レバー7の先端部には、ローラ7cが取り付けられている。
【0019】
方向規制部材8は、図4及び図6に示すように案内溝8a,8bが形成されており、当該案内溝8a,8bによって上記開閉レバー7の運動方向を規制するものである。案内溝8aは、図6(a)に示すように湾曲部P1と直線部P2とを有し、ローラ7aが嵌め合わされている。一方、案内溝8bは、図6(a)に示すように湾曲部P3と直線部P4とを有し、ローラ7bが嵌め合わされている。
【0020】
弁体支持板9は、弁体10,11の間に挿入された矩形平板であり、上下方向に延在する長穴9a、下辺両端部に設けられた支持ローラ9b,9c、及び周縁部近傍に離間配置された複数の押圧ローラ9d等を有する。長穴9aには、上記開閉レバー7の先端部に設けられたローラ7cが嵌め合わされている。支持ローラ9b,9cは、筐体1の内面に当接することによって弁体支持板9を支持する。押圧ローラ9dは、回転軸が上下方向に設定されている。
【0021】
弁体10,11は、上記弁体支持板9に対して水平方向に所定距離だけ摺動可能に支持された矩形平板である。この弁体10,11には、図5に示すように、弁体支持板9と対向する側の面(内側面)の上記押圧ローラ9dと符合する位置に楔部材10a,11aがそれぞれ設けられている。これら楔部材10a,11aは、図5に示すように、弁体10,11の内側面からの高さがテーパー状に形成されている。
【0022】
次に、このように構成された本ゲートバルブの動作及び作用について図7をも参照して説明する。
【0023】
図7では、上段が全開状態を示し、下段が全開状態を示している。すなわち、本ゲートバルブでは、エアーシリンダ4のロッド4aが上下動することにより当該ロッド4aの直線運動が第1ラック&ピニオン機構5によって回転軸12の回転運動に変換され、当該回転軸12の回転運動が第2ラック&ピニオン機構6によって開閉レバー7の直線運動に変換される。
【0024】
また、このような開閉レバー7の動力の伝達に加え、開閉レバー7は、方向規制部材8によって垂直面内における方向が規制される。すなわち、例えば全開状態から全開状態に移行する場合(図8においてロッド4aの先端が上方に移動する場合)、開閉レバー7に規定されたローラ7aは案内溝8aの湾曲部P1を通過し、一方、ローラ7bは案内溝8bの湾曲部P3を通過するので、開閉レバー7の方向は、徐々に水平状態に近づき、ローラ7aが湾曲部P1から直線部P2に差し掛かる状態、またローラ7bが湾曲部P3から直線部P4に差し掛かる状態では完全に水平状態となる。
【0025】
一方、このような開閉レバー7の方向変換と同時に、当初、弁体支持板9の長穴9aの上端部位に位置していたローラ7cは、長穴9aに沿って徐々に下方に移動し、開閉レバー7が完全に水平状態になった時点で長穴9aの下端部位に移動する。そして、このような開閉レバー7の方向変換と当該開閉レバー7の先端部(ローラ7c)と弁体支持板9(長穴9a)との係合関係の変化に伴って弁体支持板9及び弁体10,11は徐々に左側に移動し、開閉レバー7が完全に水平状態になった時点では、弁体10,11が各開口2,2に対峙する状態となる。
【0026】
そして、このような状態からロッド4aの先端がさらに上方に移動することにより、ローラ7aは案内溝8aの直線部P2を通過し、一方、ローラ7bは案内溝8bの直線部P4を通過するので、開閉レバー7は、水平状態のまま先端方向(つまり左側)に押し出される。この結果、弁体10,11は固定状態を維持し、弁体支持板9のみがさらに左側に所定寸法dだけ移動して、図8の上段に示す全閉状態となる。
【0027】
図5は、この全閉状態におけるにおける弁体支持板9と弁体10,11との位置関係を示している。すなわち、この図5では、押圧ローラ9dが弁体10の楔部材10aと弁体10の楔部材11aとの間に挟まれて押圧している状態になっているが、弁体支持板9のみが上記所定寸法dだけ移動する前段階では、押圧ローラ9dは、楔部材10a,11aよりも若干右側に位置しており、楔部材10a,11aを押圧する状態にはない。
【0028】
しかしながら、開閉レバー7が左側に押し込まれることにより、押圧ローラ9dが楔部材10a,11aの表面(テーパー面)上を徐々に左側に移動して、結果的に図5に示す状態となる。この楔部材10a,11aに対する押圧ローラ9dの左側移動によって、弁体10,11には弁体支持板9を中心として外側つまり開口2側に押し開くような方向の力が作用するので、弁体10,11は、各開口2を圧接密閉する。
【0029】
なお、このような全閉状態から全開状態に移行する場合には、弁体10,11が固定した状態で開閉レバー7の右側移動に伴って弁体支持板9のみが右側に所定寸法dだけ移動することにより上記圧接密閉状態が解除されて、バネが縮むことで弁体10,11がシール面より離れる。さらに開閉レバー7が水平状態から徐々に垂直状態に移行することにより弁体支持板9及び弁体10,11が右側に移動し、この結果開口2が開放される。
【0030】
このような本ゲートバルブによれば、案内溝8aが湾曲部P1と直線部P2とを有し、また案内溝8bが湾曲部P3と直線部P4とを有しているので、湾曲部P1,P3によって開閉レバー7の方向変換運動を実現し、直線部P2,P4によって開閉レバー7の左方向への直線運動を実現することができる。すなわち、開閉レバー7の方向変換運動による弁体10,11の水平方向の移動と開口2への圧接密閉をエアーシリンダ4の1動作で連続して実現することができる。
また、案内溝8aにローラ7aを嵌め合わせると共に案内溝8bにローラ7bを嵌め合わせる構成としたので、開閉レバー7の方向変換をスムーズに行わせることができる。
【0031】
なお、上記実施形態では、力伝達機構として第1ラック&ピニオン機構5を採用し、力変換機構として第2ラック&ピニオン機構6を採用したが、力伝達機構及び力変換機構は、このようなラック&ピニオン機構に限定されるものではない。例えば力伝達機構としては、ピニオン5bにモータを直結させ、当該モータによってピニオン5bを直接回転させる構造を採用しても良い。
【0032】
また、上記実施形態は2枚の弁体10,11を有するゲートバルブに関するものであるが、本発明は1枚の弁体を有するゲートバルブにも適用可能である。このような1枚の弁体を有するゲートバルブの場合、シール面の反対側の弁箱内に楔部材を取り付けることによって弁体を押し付けることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、突起部が嵌め合わされる案内溝を有し、案内溝が開閉レバーを方向変換運動させる湾曲部と直線運動させる直線部とを有するので、単一の駆動源の駆動力によって、弁体を開口間に移動させるための開閉レバーの方向変換運動と各弁体を開口に各々押圧するための開閉レバーの直線運動とを実現することができる。
【0034】
すなわち、開閉レバーを方向変換させるための駆動源と開閉レバーを直線運動させるための駆動源を個別に備える必要がないと共に、筐体外に設けられた駆動源の駆動力が回転軸を介して筐体内に伝達されるので、真空漏れの発生を抑制することができる。
【0035】
また、弁体が加熱される場合でも真空の清浄度が劣化しないと共に弁体の開閉時間を短縮することができる。さらに、弁体の開閉時における振動を小さくすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わるゲートバルブの外観構成を示す正面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係わるゲートバルブの外観構成を示す上面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係わるゲートバルブの外観構成を示す右側面図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係わるゲートバルブの内部機構を裏面側から見た図である。
【図5】 上記図4におけるA−A線矢視図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係わるゲートバルブの内部機構の拡大図であり、(a)は図4の部分拡大図、(b)は当該部分拡大図に対応する右側面図である。
【図7】 本発明の一実施形態に係わるゲートバルブの全閉状態及び全開状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1…… 筐体
2…… 開口
3…… Oリング
4…… エアーシリンダ(外部駆動源)
5…… 第1ラック&ピニオン機構(力伝達機構)
6…… 第2ラック&ピニオン機構(力変換機構)
7…… 開閉レバー
8…… 方向規制部材
9…… 弁体支持板
10…… 弁体
11…… 弁体
12…… 回転軸
Claims (3)
- 平板状の弁体を開閉レバーの方向変換運動によって筐体の開口に対向する位置に移動させ、さらに前記開閉レバーの直線運動によって弁体を開口に押圧して密閉するゲートバルブであって、
筐体外に配置された外部駆動源の駆動力を軸の回転力として筐体内に伝達する力伝達機構と、
前記軸の回転を直線運動に変換するラック&ピニオン機構と、
該ラック&ピニオン機構に連結されると共に突起部を有する前記開閉レバーと、
該開閉レバーの先端部に摺動自在に連結され、前記弁体間に位置する弁体支持板と、
前記開閉レバーを方向変換運動させる湾曲部と直線運動させる直線部とを有すると共に前記突起部が嵌め合わされる案内溝を有する方向規制部材と
を具備することを特徴とするゲートバルブ。 - 前記開閉レバーは2つの突起部を有し、前記方向規制部材は、各突起部に対応する案内溝を有する、ことを特徴とする請求項1記載のゲートバルブ。
- 前記力伝達機構は、外部駆動源の駆動力を回転駆動力として前記軸に伝達するラック&ピニオン機構である、ことを特徴とする請求項1または2記載のゲートバルブ。
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CN103174841A (zh) * | 2011-12-21 | 2013-06-26 | 麦丰密封科技股份有限公司 | 密封组件 |
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- 2003-05-06 JP JP2003128198A patent/JP4236985B2/ja not_active Expired - Fee Related
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