JP4236457B2 - プレストレストコンクリート緊張材用塗布組成物 - Google Patents

プレストレストコンクリート緊張材用塗布組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレストレストコンクリート(PC)のポストテンション工法において、緊張材として用いられるPC鋼材等の表面に、防錆、防食およびコンクリートとの一体化の目的で塗布される塗布組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種建築物に用いられるコンクリートは、引張力に弱いという欠点があるので、こうした特性を補ったものとして、PC緊張材を用いてコンクリートに予め圧縮力を加えて耐引張力を向上したコンクリート(プレストレストコンクリート)が知られている。またこうしたプレストレストコンクリートを製造する方法としては、代表的なものとしてポストテンション工法が知られている。
【0003】
このポストテンション工法によってプレストレストコンクリートを製造するには、通常次のようにして行われている。即ち、コンクリート打設前にコンクリート内にシースを配設しておき、このシース材の中にPC緊張材(PC鋼線、PC鋼撚線、PC硬鋼線、PC鋼棒、連続繊維等)を挿入し、コンクリート硬化後にPC緊張材を緊張器によって緊張させる。その後、PC緊張材の防錆、防食、およびコンクリートとの付着や一体化を目的として、シース材とPC緊張材との間にセメントミルク等を注入するようにしている。
【0004】
しかしながらこの方法では、PC緊張材をシース材に挿入することや、セメントミルク等を注入する作業が非常に煩雑であり、多大な時間と労力を必要としてコストアップを招くという欠点がある。しかも、挿入されたPC緊張材とシース材との間隙は非常に狭く、またPC緊張材は曲線状に配筋されるので、セメントミルク等をシース材全長に亘って完全に注入することは困難であり、不完全に注入された領域で緊張材が腐食するという恐れもある。
【0005】
上記の様な問題を解決するために、緊張材の表面に塗布材料を予めコーティングしておく方法が提案されている(例えば、特許文献1、2等参照)。これらの方法は、大別して(1)防錆や防食効果を発揮させるもの、(2)防錆や防食と共にコンクリートと緊張材との付着を向上させるものの2種類がある。
【0006】
このうち上記(1)の例としては、緊張材としてのPC鋼材の表面に塗布材料であるエポキシ樹脂を静電塗布する方法が代表的なものとして挙げられる。しかしながらこうした方法では、防錆や防食には効果が発揮されるにしても、塗布材料が緊張材表面で完全に硬化した状態となるので、ポストテンション工法で使用するには、通常のポストテンション工法と同様にシース材中に緊張材を挿入したり、コンクリートと緊張材とを一体化するためのグラウト作業が必要となり、コストアップの問題は依然として解消できない。
【0007】
一方、上記(2)の例としては、緊張材としてのPC鋼材の表面に塗布材料であるグリースを塗布し、それをポリエチレン等のシース材で被覆した所謂アンボンド用PC鋼材を用いる方法が挙げられる。この方法では、コンクリート打設前に上述のアンボンド用PC鋼材を配筋し、コンクリ−ト硬化後にそのPC鋼材を緊張して施工するが、その施工に当たってはPC鋼材を緊張した時に、コンクリートとPC鋼材との間に流動性のグリースがあるので、緊張力がPC鋼材の全長に亘って伝達されるという特徴を有するものである。このために、通常のポストテンション工法で用いられる金属製のシース材が不要となり、その結果シース材への緊張材の挿入の必要も無く、またセメントミルク等を注入するグラウト作業も不要になって、通常のポストテンション工法において欠点であったコストアップの問題が解消できるものとなる。
【0008】
しかしながらこの方法では、塗布材料であるグリースが硬化しないものであって、緊張材とコンクリートとの間は永久に付着しないので、コンクリートの曲げ耐力や疲労強度が劣るという欠点がある。
【0009】
上記のようなアンボンド用鋼材を用いる方法における欠点を解消する技術として、塗布材料である熱硬化性組成物を未硬化の状態でPC鋼材表面に塗布しておき、上記アンボンド用PC鋼材の場合と同様の方法で施工し、PC鋼材を緊張した後に高周波加熱などの手段で鋼材を加熱することによって、それに塗布された熱硬化性の組成物を硬化させ、PC鋼材とコンクリートを付着するような方法も提案されている。しかしながら、こうした技術では、緊張した緊張材を加熱することになるので、加熱による緊張材の強度低下という事態と招く恐れがあり、非常に危険であるという問題がある。しかも、大型のコンクリート構造物中における所定の材料領域だけを精度良く加熱することは困難であり、全長に亘って完全に付着させることができないという欠点がある。
【0010】
こうした問題を解決するという観点から、硬化時間を調整した塗布材料(硬化性塗布組成物)をPC緊張材の表面に塗布することによって、上記のような問題を生じさせることなく、PC緊張材の防錆、防食効果を発揮させると共に、コンクリートとPC緊張材との付着力を確保する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、この技術で用いられる硬化性組成物としては、エポキシ樹脂を主成分とすると共に、ジヒドラジド類、ジフェニルジアミノスルホン、ジシアンジアミド、イミダゾールおよびその誘導体等の潜在性硬化剤を配合し、必要によって第3級アミン化合物などの硬化促進剤を含有させたものが使用されている。
【0011】
こうした技術の開発によって、PC緊張材としての効果を有効に発揮できたが、こうした技術によっても解決すべき若干の問題が残されている。即ち、大型コンクリート構造物の場合には、コンクリート打設後の発熱温度が90℃を超えることになり、また長時間高温保持した状態となるので、硬化性塗布組成物が硬化を開始してしまい、コンクリート硬化後にはPC緊張材を緊張させることができないという事態が生じる。
【0012】
一方、コンクリート硬化時の発熱が高温でも使用できるものとして、エポキシ樹脂と湿気硬化性硬化剤を含む硬化性塗布材料をPC緊張材表面に塗布することによって、高温でも硬化時間を調整しつつ使用できる技術も提案されている(例えば、特許文献4)。また、この技術では、上記湿気硬化性硬化剤としてケチミンが使用されている。
【0013】
上記ケチミンは、水分と反応して硬化剤を生成するものであるが、工業的に製造されるケチミンはケトン類で1級アミン類をブロックしたものであり、このブロック化率が80〜90%程度であるので、活性アミンが10〜20%程度残存することになる。従って、この硬化性塗布材料では、残存した活性アミンによって徐々に増粘することになるので、貯蔵安定性が十分でないという欠点がある。即ち、貯蔵安定性が十分でない硬化性塗布組成物では、製造段階からPC緊張材への塗布までの期間中に反応によって増粘してしまい、塗布作業性が悪くなったり、製品ライフが短くなるという問題が生じることになる。
【0014】
【特許文献1】
特公平3−28551号公報 特許請求の範囲
【特許文献2】
特公昭53−47609号公報 特許請求の範囲
【特許文献3】
特公平8−11791号公報 特許請求の範囲
【特許文献4】
特開2000−281967号公報 特許請求の範囲
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は、大型コンクリート構造物に適用した場合においてもコンクリートの硬化後においても効果的に緊張できると共に、貯蔵安定性にも優れたPC緊張材用塗布組成物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決する為の手段】
上記の目的を達成し得た本発明のPC緊張鋼材用塗布組成物とは、PC緊張材の表面に塗布して用いられる組成物であって、この組成物はエポキシ樹脂、多官能イソシアネート化合物、酸化カルシウムおよび水を含むものであり、コンクリート打設後30日以降にPC緊張材による緊張が発揮できるようにその硬化時間が調整されたものである点に要旨を有するものである。
【0017】
本発明の塗布組成物で用いるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を平均2個以上有すると共に、ヒドロキシ基が1個未満であるものが好ましい。また、前記水は、イソシアネート基に対して当量比:0.5〜2.0の割合で含有することが好ましい。
【0018】
また本発明の組成物には、必要によって更に吸水性ポリマーを含むことも有用であり、こうした吸水性ポリマーを含む場合には、その含有量は組成物に対して5〜30質量%程度であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成することのできるPC緊張材用塗布組成物の実現を目指して様々な角度から検討した。その結果、上記の組成物の組成を規定して、コンクリートの打設後30日以降に緊張材の緊張ができるように硬化時間を調整したものでは、上記目的が見事に達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0020】
本発明で塗布組成物を構成する成分であるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を平均2個以上有するものが好ましいが、特に限定するものではない。こうしたエポキシ樹脂としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称:ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(通称:ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(通称:ビスフェノールAD)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称:TBA)、ハイドロキノン、レゾルシンのような、多価フェノールのポリグリシジル化物の他、エチレングリコール、グリセリンのような多価アルコール、フタル酸のような多価カルボン酸のポリグリシジル化物等が挙げられる。
【0021】
上記のようなエポキシ樹脂において、ヒドロキシ基が1分子中に1個以上あるものを使用する場合には、酸無水物等を用いてヒドロキシ基が1個未満となるように調整することが好ましい。ヒドロキシ基が1分子中に1個以上のものを使用すると、硬化剤との反応によって粘度が顕しく高くなって、貯蔵安定性が低下することになる。
【0022】
本発明の塗布組成物では、硬化剤としての多官能イソシアネート化合物と水(必要によって吸水性ポリマー)を適切な割合で配合することによって、エポキシ樹脂の硬化時間を調整するものであるが、このとき用いる硬化剤としては、下記(1)〜(10)に示す各種の系の多官能イソシアネート化合物が挙げられる。
(1)脂肪族ポリイソシアネート
エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアト−4−イソシアナトメチルオクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテル−ω,ω’−ジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチレントリイソシアネートおよび2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等
(2)脂環族ポリイソシアネート
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアネート、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナト−n−ブチリデン)ペンタエリスリト−ル、ダイマ酸ジイソシアネート、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,1]−へプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,1,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,1,1]−へプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,1,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,1,1]−へプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,2,1]−へプタン、2,5−ビスイソシアナートメチルノルボルナンおよび2,6−ビスイソシアナートメチルノルボルナン等
(3)芳香族ポリイソシアネート
フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピレンフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチルナフタレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジベンジル−4,4’−ジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメリックMDI[商品名:「コスモネートM−200」三井武田ケミカル(株)製]、ナフタレントリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4−メチル−ジフェニルメタン−3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアネート、フェニルイソシアナトメチルイソシアネート、フェニルイソシアナトエチルエチルイソシアネート、テトラヒドロナフチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ベンゾフェノンジイソシアネート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ジベンゾフランジイソシアネート、カルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイソシアネートおよびジクロロカルバゾールジイソシアネート等
(4)含硫脂肪族イソシアネート
チオジエチルジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、ジメチルスルフォンジイソシアネート、ジチオジメチルジイソシアネート、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオプロピルジイソシアネート、ジシクロヘキシルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート等
(5)芳香族スルフィド系イソシアネート
ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、3,3’,4,4’−ジイソシアナトベンジルチオエーテル、ビス(4−イソアナトメチルベンゼン)スルフィドおよび4,4’−メトキシベンゼンチオエチレングリコール−3,3’−ジイソシアネート等
(6)脂肪族ジスルフィド系イソシアネート
ジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6’−ジイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3、3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネートおよび4,4’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3’−ジイソシアネート等
(7)芳香族スルホン系イソシアネート
ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、ベンジディンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、4−メチルジフェニルメタンスルホン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトシキジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネートジベンジルスルホン、4,4’−ジメチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジ−tert−ブチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシベンゼンエチレンジスルホン−3,3’−ジイソシアネートおよび4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート等
(8)スルホン酸エステル系イソシアネート
4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4’−イソシアナトフェノールエステルおよび4−メトキシ−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4’−イソシアナトフェノールエステル等
(9)芳香族スルホン酸アミド系イソシアネート
4,4’−ジメチルベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−4,4’−ジイソシアネート、4,4−ジメトキシベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−3,3’−ジイソシアネートおよび4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニルアニリド−4−メチル−3’−イソシアネート等
10 )含硫複素環化合物
チオフェン−2,5−ジイソシアネート、チオフェン−2,5−ジイソシアナトメチル、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアネートおよび1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアナトメチル等
また、これらのアルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や、多価アルコールとのブレンドホリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化或はトリマー化反応生成物等も使用できるが、上記化合物以外の多官能イソシアネート化合物も使用しても良い。また、これらの多官能基イソシアネート化合物は、1種または2種以上の混合物で使用することができる。
【0023】
上記化合物のうち、多官能イソシアネート化合物の入手のし易さの面からすれば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,5−ビスイソシアナートメチルノルボルナン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、2,6−ビスイソシアナートメチルノルボルナン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートおよびこれらの誘導体等が好ましく用いることができる。
【0024】
また、得られる塗布組成物の硬化性の面からすれば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,5−ビスイソシアナートメチルノルボルナン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ビスイソシアナートメチルノルボルナン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジジイソシアネート、およびこれらの誘導体等が特に好ましく用いることができる。
【0025】
更に、塗布組成物の貯蔵安定性の面からすれば、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が好ましく用いることができる。
【0026】
これら多官能イソシアネート化合物の配合量によって、エポキシ樹脂の硬化性(硬化時間)の調整ができ、本発明ではエポキシ基/イソシアネート基(当量比)で1.000/0.017〜1.000/0.17の範囲となるように配合することが好ましい。即ち、エポキシ基/イソシアネート基(当量比)が1.000/0.017よりも小さくなると硬化が遅すぎるものとなり、1.000/0.17よりも大きくなると硬化が速すぎるものとなる。尚、この範囲は、より好ましくは1.000/0.034〜1/0.154程度である。
【0027】
本発明の塗布組成物では、酸化カルシウムを含有するものであるが、この酸化カルシウムは系内で発生する炭酸ガスを補足して発泡を抑えるために有用なものである。こうした作用を発揮させるためには、酸化カルシウムの配合量は、少なくともイソシアネート基と同量(当量比)程度が好ましい。
【0028】
一方、水は多官能基イソシアネート化合物と反応して1級アミンを生成し、この1級アミンはエホキシ樹脂と反応して架橋構造を形成して強靭性を発揮することになる。こうした作用を発揮させる為には、原料および製造工程からくる水分をも考慮して(合計で)、水の含有量がイソシアネート基に対し、当量比で0.5〜2.0の範囲となる様にその添加量を調整することが好ましい。即ち、上記当量比(水/イソシアネート基)が0.5よりも小さくなると1級アミンの生成が低下し、2.0よりも大きくなると残存水による物性低下を招くことになる。
【0029】
本発明の塗布組成物には、必要によって、吸水性ポリマーを含有することも有用であり、この吸水性ポリマーはその組成物中の系内水分量を一定に保持するために有効である。こうした作用を発揮させるためには、吸水性ポリマーの含有量は組成物に対して5〜30質量%程度であることが好ましい。即ち、吸水性ポリマーの含有量が5質量%未満になると、系内水分保持率が低下し、30質量%を超えると物性低下を招くことになる。尚、本発明で用いることがある吸水性ポリマーとしては、例えばアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物である「アクアリックCA ML−20」、「アクアリックK4」、「アクアリックH2」「アクアリックH3」[商品名:いずれも(株)日本触媒製]等が挙げられる。
【0030】
本発明の塗布組成物には、必要によって、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、着色顔料等、塗料や接着剤に充填剤として一般的に使用されているものを併用することもできる。これらの充填剤は、粘性やチキソトロピック性の調整に有用である。また、粘性調整のために、活性水素を有さない有機溶剤や分散剤、消泡剤等も併用することができる。
【0031】
本発明の塗布組成物を製造する方法については、特に限定するものではないが、例えば次のような方法が挙げられる。まず、エポキシ基を1分子中に平均2個以上有し、ヒドロキシ基が1個未満のエホキシ樹脂と、硬化剤である多官能イソシアネート化合物の配合比(当量比)が1.000/0.017〜1.000/0.170の範囲となるように調整し、次いで酸化カルシウム、水、および必要に応じて吸水性ポリマーや上記した充填剤を加えて攪拌混合する。混合終了後、真空下にて脱泡を行い塗布材料とする。
【0032】
本発明の塗布組成物をポストテンション工法で使用する場合には、これをPC緊張材の表面に塗布し、表面および内面に凹凸が形成されたポリエチレンなどの樹脂のシース材で被覆する。コンクリートは、打設後に所定強度に達するまでは2週間程度であり、また緊張までは工事日程により更に2週間程度必要の場合がある。従って、塗布組成物の硬化時間はコンクリート打設後少なくとも30日間は緊張可能なように調整されていることが必要である。また、PC緊張材を緊張した後は、1〜2年で硬化するように調整されていることが好ましい。
【0033】
本発明の塗布組成物による効果を有効に発揮させるためには、塗布組成物の塗布厚みは20μm以上であることが好ましい。この塗布厚みが20μm未満になると、緊張時にPC鋼材とコンクリートまたはシース材との間の縁切が十分でなくなり、摩擦係数が大きくなるからである。また、塗布方法については、PC緊張材表面に均一に塗布できれば、特に限定するものではないが、例えば樹脂の満たされた樹脂ボックスに鋼材を通過させ、樹脂ボックスの出口に設けられた、塗布後の径と同じ径の穴によって余分な樹脂が取り除かれた計画された量の樹脂を均一に塗布する方法が挙げられる。
【0034】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0035】
【実施例】
[製造例1]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:72.30g、酸化カルシウム:13.77g、炭酸カルシウム:10.21g、アエロジル:1.38gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0036】
次に、イソホロンジイソシアネート(IPDI):2.17gを添加し、10分間攪拌混合し、更に水:0.17gを添加し、10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。
【0037】
得られた塗布組成物を、直径:12.7mmのPC鋼材(鋼棒)上に0.5〜1.0mmの厚みで塗布し、表面および内面に凹凸が形成されたポリエチレン製のシース材で被覆し、コンクリート中に埋設してまず30日後にコンクリートの中から当該塗布組成物を取り出して、この塗布組成物の粘度を測定し(但し、粘度が測定できる柔らかさを保持している場合)、1.5年後に再びコンクリート中から塗布組成物を取り出し、この塗布組成物の硬度をタイプDデュロメータによって測定した。また、この塗布組成物をガラス製密閉容器に入れて、23℃の恒温室にて保存して貯蔵安定性を、経時による粘度変化によって評価した。
【0038】
尚、コンクリート打設時の最高発熱温度を測定したところ、95℃であった。また、30日後の粘度はブルックフィールド粘度計で、貯蔵安定性における粘度はE型粘度計で夫々測定した。
【0039】
[製造例2]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:72.17g、酸化カルシウム:13.74g、炭酸カルシウム:10.20g、アエロジル:1.37gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0040】
次に、IPDI:2.17gを添加し、10分間攪拌混合し、更に水:0.35gを添加し、10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0041】
[製造例3]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:72.05g、酸化カルシウム:13.71g、炭酸カルシウム:10.17g、アエロジル:1.37gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0042】
次に、IPDI:2.17gを添加し、10分間攪拌混合し、更に水:0.53gを添加し、10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布材組成物を得た。得られた塗布材料に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0043】
[製造例4]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:70.41g、酸化カルシウム:13.41g、炭酸カルシウム:9.94g、アエロジル:1.34gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0044】
次に、IPDI:4.22gを添加し、10分間攪拌混合し、更に水:0.68gを添加し、10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0045】
[製造例5]
エホキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:68.72g、酸化カルシウム:13.08g、タルク:9.69g、アエロジル:1.31gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0046】
次に、IPDI:6.19gを添加し、10分間攪拌混合し、更に水:1.01gを添加し、10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0047】
[製造例6]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:68.87g、酸化カルシウム:13.11g、炭酸カルシウム:9.72g、アエロジル:1.31gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0048】
次に、吸水性ポリマー(アクアリックCA ML−20):4.76g、水:0.16gを添加し、10分間攪拌混合し更にIPDI:2.07gを添加し、10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0049】
[製造例7]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:69.76g、酸化カルシウム:13.09g、炭酸カルシウム:9.71g、アエロジル:1.31gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0050】
次に、吸水性ポリマー(アクアリックCA ML−20):4.75g、水:0.32gを添加し10分間攪拌混合し、更にIPDI:2.06gを添加し10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
[製造例8]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:63.83g、酸化カルシウム:12.16g、炭酸カルシウム:9.01g、アエロジル:1.22gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0051】
次に、吸水性ポリマー(アクアリックCA ML−20):9.09g、水:0.92gを添加し10分間攪拌混合し、更にIPDI:3.77gを添加し、10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布材組成物を得た。得られた塗布材料に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0052】
[製造例9]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:56.77g、酸化カルシウム:10.81g、炭酸カルシウム:8.02g、アエロジル:1.08gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、水分を測定したところ、0.02%であった。
【0053】
次に、吸水性ポリマー(アクアリックCA ML−20):16.67、水:1.63gを添加し10分間攪拌混合し、更にIPDI:5.02gを添加し、10分間攪拌混合し、更に水:1.63gを添加し、10分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0054】
[製造例10]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:72.42g、IPDI:2.17、酸化カルシウム:13.80g、炭酸カルシウム:10.23g、アエロジル:1.38gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。
【0055】
得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0056】
[製造例11]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:56.92g、ベンジルアルコール:6.32g、ジシアンジアミド(DICY):4.43g、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(TAP):0.08g、タルク:31.62g、アエロジル:0.63gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0057】
[製造例12]
エポキシ樹脂R140[三井化学(株)製]:59.88g、ケチミン[ジャパンエポキシレジン(株)製;商品名「エピキュアH3」]:5.99g、炭酸カルシウム:29.94g、ベンジルアルコール:4.19gをミキサーに入れて30分間攪拌混合後、減圧下で脱泡処理を行い、塗布組成物を得た。このとき水分を測定したところ、0.02%であった。得られた塗布組成物に対して、上記製造例1と同様にして、粘度、硬度および貯蔵安定性を評価した。
【0058】
上記各塗布組成物の配合割合を下記表1、2に示す。また、各塗布組成物の粘度、硬度および貯蔵安定性を一括して下記表3に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004236457
【0060】
【表2】
Figure 0004236457
【0061】
【表3】
Figure 0004236457
【0062】
これらの結果から、次の様に考察できる。まず、製造例1〜9で製造された塗布組成物は、本発明で規定する要件の全てを満足するものであり、コンクリート打設後30日以降で緊張可能であり、しかも1.5年後には硬化し、且つ1ヶ月後の粘度倍率が低い貯蔵安定性に良い塗布材料が得られていることが分かる。
【0063】
これに対して、製造例10〜12で製造された塗布組成物は本発明で規定するいずれかの要件を満足しないものであり、いずれかの特性が劣化していることが分かる。
【0064】
即ち、製造例10のものでは、貯蔵安定性は優れており、また30日後で緊張可能であるが、1級アミンの生成が不十分であるので、1.5年後ではまだ十分に硬化していない。また、製造例11のものでは、貯蔵安定性は優れているものの、硬化を開始してしまうので、30日以降で緊張を実現することができない。更に、製造例12のものでは、30日以降に緊張可能であるが、残存活性アミンで硬化が進行するので、30日後の粘度倍率が高い貯蔵安定性の劣る塗布組成物である。
【0065】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、コンクリート打設後30日以降でも緊張でき、緊張後は所定時間で硬化し、また貯蔵安定性にも優れたPC緊張材用塗布組成物が実現できた。こうした特性を発揮することによって、本発明の塗布組成物は、大型コンクリート構造物の場合に、コンクリート打設後の発熱温度が90℃を超える場合でも緊張可能であり、緊張材の防錆、防食効果が得られ、コンクリートとPC緊張材との間の付着力も十分なものとなる。更に、塗布組成物の貯蔵安定性も良好であるので、使用後の増粘による作業性低下もなくなる上で有用である。

Claims (5)

  1. プレストレストコンクリート緊張材の表面に塗布して用いられる組成物であって、この組成物はエポキシ樹脂、多官能イソシアネート化合物、酸化カルシウムおよび水を含むものであり、コンクリート打設後30日以降にプレストレストコンクリート緊張材による緊張が発揮できるようにその硬化時間が調整されたものであることを特徴とするプレストレストコンクリート緊張材用塗布組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を平均2個以上有すると共に、ヒドロキシ基が1個未満である請求項1に記載のプレストレストコンクリート緊張材用塗布組成物。
  3. 前記水は、イソシアネート基に対して当量比で0.5〜2.0の割合で含有する請求項1または2に記載のプレストレストコンクリート緊張材用塗布組成物。
  4. 更に吸水性ポリマーを含むものである請求項1〜3のいずれかに記載のプレストレストコンクリート緊張材用塗布組成物。
  5. 前記吸水性ポリマーは組成物に対して5〜30質量%の割合で含むものである請求項4に記載のプレストレストコンクリート緊張材用塗布組成物。
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