JP4235290B2 - 負荷時タップ切換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空切換セルを用いて中断しないで切換え開閉するためのリアクトル式切換原理による負荷時タップ切換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
負荷時タップ切換器は変圧器の異なる巻線タップの間で中断しないで切換えるために変圧器と関連して使用され、それによって中断しないで電圧調整する働きをする。
負荷時タップ切換器のためには、異なる2つの基本的切換原理が世界的に存在する。
1.ゆっくり切換えるリアクトル式開閉器。このリアクトル式開閉器は今日では米国と前のソ連の一部において数多く使用されている。その際、切換インピーダンスが設けられ、この切換インピーダンスは一方の巻線タップから次の巻線タップにゆっくり切り替える間のステップ短絡を阻止し、持続負荷に適している。
2.迅速に切り替える抵抗式開閉器。この抵抗式開閉器の発明者に従って、しばしば“ヤンセン(Jansen)開閉器”と呼ばれる。この開閉器は世界の残りの国で普及している。この場合、巻線タップから次の巻線タップへの切換えは迅速に、すなわち急激に行われ、遷移抵抗が設けられている。この遷移抵抗は、この切換え原理の場合に非常に短い時間だけ発生し得るステップ短絡を阻止する。
【0003】
本発明は最初に述べたリアクトル式切換原理による負荷時タップ切換器に関する。
このような負荷時タップ切換器は、ラインハウゼン マニュファクチャリング社(Reinhausen Manufacturing)(Humboldt ,Tenessee ,USA ,Impressum RM05/91 〜1094/5000)の“ 負荷時タップ切換器(Load Tap Changer )RMVII型" によって既に知られている。この公知の負荷時タップ切換器の場合には、固有の負荷時切換のための真空切換セルが役立つ。この真空切換セルは機械式負荷時タップ切換器切換接触子と比べて数多くの利点、特に寿命が長いという利点を有する。このような真空切換セルを使用する場合には、取り囲む油の汚染は完全に除去される。機械式負荷切換接触子の場合には、油の汚染はアーク発生および接触子焼損によって発生する。
【0004】
図7には、このような公知の負荷時タップ切換器の、位相のための一方のステップAから隣接するステップBへの切換時の代表的な順序が示してある。その際、Nとn+1は変圧器のステップ巻線の隣接するタップである。P1,P2は切換え時に操作される可動の選択器接触子である。R1,R2は切換え時に操作既に述べた切換えインピーダンスである。両分岐部の間には真空切換セルVが接続配置され、負荷アースに対する接続はバイパス接触子Bによって行われる。静止切換え位置では、可動の両選択器接触子は両方共同じタップ、すなわち同じ固定の選択器接触子上にある。負荷切換えが行われた後の次の静止切換え位置では、一方の可動の選択器接触子が第1の固定の選択器接触子上にあり、他方の可動の選択器接触子が隣接する他の固定の選択器接触子上にある。この順序は他の負荷切換えの度に繰り返される。
【0005】
公知の負荷時タップ切換器は三相状に形成され、油を案内するケーシングと、選択器接触子と、予選択器接触子と、真空切換セルと、バイパス接触子を備えている。その際、予選択器接触子とは、転移切換器と極性切換器のための接触子である理解すべきである。この両切換え方法は技術水準でよく知られている。その側方に別個に設けられたケーシング部分内には、個々の接触子と真空切換セルを操作するための駆動機構が設けられている。ケーシング内には端子板が設けられている。この端子板上には空間的に分離されて、切換えられる3つの位相の各々のために、選択器接触子と切換器接触子が設けられている。他の板には、各々の位相のために、真空切換セルとそれに所属するバイパス接触子が次のように設けられている。
【0006】
端子板寄りの他の板の側には、固定と可動のバイパス接触子が設けられ、板の他方の側には、真空切換セルを操作するための蓄勢機構をそれぞれ1個ずつ備えた真空切換セルが設けられている。
蓄勢機構はドイツ連邦共和国特許第4126824号公報によって知られている。
【0007】
すべての位相のすべての切換え要素は、1本の絶縁軸によって操作される。この絶縁軸は側方のケーシング部分内にある駆動機構からケーシング全体を通過している。そのために、3個のゼネバ機構が、各々の位相のために1個ずつ設けられている。このゼネバ機構は同様に端子板上に設けられている。このゼネバ機構は駆動軸の回転運動から、選択器接触子と切換器接触子を操作するための運動と、バイパス接触子を操作するための運動と、協働する真空切換セルを操作するための蓄勢機構の蓄勢動作を、図7に示すような所定の順序で発生する。
【0008】
要約すると、前述の公知の負荷時タップ切換器の場合には、1本の絶縁軸が3個の別個のゼネバ機構を操作する。各々のゼネバ機構は端子板上に配置されたそれぞれの位相の要素、すなわち選択器接触子を操作し、ゼネバ機構上の別個のピンを用いて切換器接触子を操作する。同様に各々の位相のために別々に、所属の他の板上に配置されたそれぞれの位相の要素、すなわちバイパス接触子と真空切換セルの蓄勢機構が、回転可能なディスクの両側の溝によって操作される。
【0009】
両側に制御輪郭を備えたこのようなディスクはドイツ連邦共和国特許第4011019号公報によって知られている。
このような構造は比較的に複雑であり、機械的な要求が厳しい。ゼネバ機構も複雑であり、高い精度が要求され、従って製作コストが高い。
同じことが、バイパス接触子と真空切換セルを同時に操作するための両側の輪郭を備えたディスクについても言える。両輪郭はその延長形状が同一ではなく、同様に製作コストが高い。公知の蓄勢機構も複雑であり、同じことが当てはまる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、冒頭に述べた負荷時タップ切換器を簡単化し、必要な部品の数、特に必要なゼネバ機構の数を減らすことである。本発明の課題は更に、バイパス接触子と真空切換セルの操作を簡単化し、それに関連して簡単で信頼性のある蓄勢機構を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題は本発明に従い、各々の位相のために分離されたすべての固定接触子とすべての可動接触子とこの位相の真空切換セルが、1個の位相板上に一緒に配置され、3本の絶縁軸がケーシングを貫通して延びており、そして3枚の位相板が貫通しており、第1の絶縁軸がすべての可動の選択器接触子を操作し、第2の絶縁軸がすべての可動の予選択器接触子を操作し、第3の絶縁軸がすべての可動のバイパス接触子とすべての真空切換セルを操作し、駆動機構が1個のゼネバホイールを備え、このゼネバホイールが駆動軸に連結されたゼネバ機構によって駆動可能であり、かつ第1の絶縁軸に連結され、それによって各々の切換え時に、第1の絶縁軸が1つの切換えステップに相当する角度だけ回転可能であり、駆動機構が第2の絶縁軸に作用する第1の操作手段を備え、駆動機構が第3の絶縁軸に作用する第2の操作手段を備えていることによって解決される。従属請求項は本発明の有利な実施形を示している。
【0012】
本発明の負荷時タップ切換器は、伝動装置を1個だけ、特にゼネバ機構を1個だけしか必要としないという利点を有する。切換えられるすべての位相の選択器接触子、予選択器接触子、バイパス接触子および真空切換セルを操作するために必要なすべての運動、1個の伝動装置で発生し、別々の複数の絶縁軸を介して対応する要素に伝達されるので、機械的な手段が大幅に節約可能である。これは全体の構造を大幅に簡単化する。
【0013】
他の利点は、一つの位相のすべての切換え要素が1個の板、すなわちそれぞれ両側に装備した位相板上に配置されていることにある。これは構造を更に簡単にする。なぜなら、すべての位相板が同一に構成され、同じように装備されるからである。他の利点はそれぞれの真空切換セルを操作するための蓄勢機構が非常に簡単に形成されることにある。この蓄勢機構はそれにもかかわらず、このようなセルのための所望な切換え特性を理想的に発揮する。真空切換セルは蓄勢機構によって迅速に開放され、カムで制御されて閉鎖される。他の利点は機械的に簡単な端位置制限部にある。この端位置制限部は1個の伝動装置に設けられ、許容切換え範囲を越えた選択器接触子のそれ以上の切換えを防止する。それによって、それぞれの位相板上に必要な端位置制限部を直接設ける必要がなくなる。
【0014】
【実施の形態】
次に、図に基づいて本発明を例示的に詳しく説明する。
本発明による負荷時タップ切換器は油を漏らさぬケーシング1によって取り囲まれている。このケーシングの分解可能な前側面4が開放されている。ケーシング1の背面に、図示していない接続導体を、油を漏らさぬよう外へ案内するために、貫通板3を備えている。左側の壁には、伝動装置板2が設けられている。この伝動装置板は、選択器接触子と予選択器接触子を操作するための後で詳しく説明する1個のゼネバ機構と、バイパス接触子と真空切換セルを操作するための、同様に後で詳しく説明する駆動機構を備えている。この伝動装置板2に対して平行に、3個の位相板5が設けられている。この位相板は切換えられる位相のためにそれぞれ1個ずつ設けられている。各々の位相板5の右側には、円形に配置された固定の選択器接触子6が設けられている。この選択器接触子は中央に配置された回転可能な可動の接触子支持体7によって切換え可能である。この接触子支持体上に、2個の可動選択器接触子7.1,7.2が設けられている。可動の両選択器接触子7.1,7.2は互いに絶縁されて接触子支持体7上に設けられ、接触子支持体の回転によって一緒に動かされる。この側に更に、固定の予選択器接触子8が設けられている。この固定の予選択器接触子は可動の接触子支持体9によって切換え可能である。この接触子支持体上には可動の予選択器接触子9.1が設けられている。この側には更に、固定のバイパス接触子10が設けられている。この固定のバイパス接触子は他の接触子支持体11によって切換え可能である。この接触子支持体上には2個のバイパス接触子11.1,11.2が設けられている。可動の両バイパス接触子11.1,11.2は互いに電気的に接続されている。
【0015】
位相板5の左側には、適当な駆動機構を備えた真空切換セル12が設けられている。この真空切換セルについては後で詳しく説明する。
3個のすべての位相板はそれぞれ同一に形成されている。
伝動装置板2から3本の水平な絶縁軸13,14,15が共通のケーシング1を通って案内されている。絶縁軸は3つすべての位相板5を通過している。そのために、この位相板にはそれぞれ穴16,17,18が設けられている。第1の絶縁軸13はそれぞれ位相板5の穴16を通って案内され、接触子支持体7ひいては各々の位相の可動選択器接触子7.1,7.2に連結されている。図1において部分的に隠れた第2の絶縁軸14はそれぞれ位相板5の穴17を通って案内され、接触子支持体9ひいては各々の位相の可動選択器接触子9.1に連結されている。第3の絶縁軸15はそれぞれ各位相板5の穴18を通って案内され、接触子支持体11ひいては可動のバイパス接触子11.1,11.2と、各位相の対応する真空切換セル12に連結されている。第1の絶縁軸13は固定の選択器接触子6を切換える各々の位相の可動の選択器接触子7.1,7.2を操作する。第2の絶縁軸14は固定の予選択器接触子8を切換える各々の位相の可動の予選択器接触子9.1を操作する。第3の絶縁軸15は固定のバイパス接触子10を切換える各々の位相の可動のバイパス接触子11.1,11.2と、各々の位相の真空切換セル12を操作する。
【0016】
絶縁軸13,14,15自体は図1において左側に配置した1個のゼネバ機構と、伝動装置板2上に配置した他の部品によって一緒に操作される。
これについて次に詳しく説明する。
伝動装置板には、全部で3本の絶縁軸13,14,15が互いに独立して、かつ空間的に分離して回転可能に支承されている。図示していない駆動装置から駆動軸19が下方に向けてケーシング1内に案内されている。駆動軸19の自由端には、第1の伝動歯車20が設けられている。この伝動歯車はそれに対して垂直な第2の伝動歯車21にかみ合っている。この第2の伝動歯車21は伝動装置板2の軸受22に軸承され、ゼネバ機構23に固定連結されている。このゼネバ機構はその一端にローラ24を備えている。第2の伝動歯車は同時に第3の伝動歯車25にかみ合っている。この第3の伝動歯車自体は同様に、伝動装置板2の他の軸受51に軸承されている。この第3の伝動歯車25にはゆり腕26が固定されている。このゆり腕は回転可能に枢着されたレバー27に案内されている。このレバーの他方の自由端は他のゆり腕28に回転可能に枢着されている。この他のゆり腕は絶縁軸15に固定されている。それによって、それ自体公知のスライダクランク機構が形成されている。絶縁軸13にはゼネバホイール29が固定され、ゼネバホイール29の凹部はゼネバ機構23のローラ24と協働する。ゼネバホイール29には更に、1個の操作ローラ30が設けられている。この操作ローラはゼネバホイール29の所定の位置で、揺動可能なレバー31に係合する。このレバーは絶縁軸14に連結されている。
【0017】
この駆動装置の作用は次の通りである。
負荷時タップ切換器の操作時に、駆動軸19が回転する。この回転は第1の伝動歯車20を介して第2の伝動歯車21に伝達される。それによって、ゼネバ機構23が回転する。ゼネバ機構のローラ24はゼネバホイール29に係合し、このゼネバホイール29とその上にある切込みの寸法に依存する所定の角度だけゼネバホイールを回転させ、それによってゼネバホイールに連結された絶縁軸13を1つの切換ステップだけ回転させる。上述の寸法はゼネバホイール29が完全に1回転したときにすべての固定選択接触子6が擦過されるように採寸されている。それによって、各切換えの際に、各々の位相の可動の選択器接触子7.1,7.2が回転方向に応じて固定の選択器接触子から隣接する他の選択器接触子に切換えられる。
【0018】
同時に、回転運動が第3の伝動歯車25ひいてはゆり腕26に伝達される。その際、複数の伝動歯車は、各々の切換えの際に第3の伝動歯車25が180°だけ回転するように採寸されている。ゆり腕26は回転し、他のゆり腕28がレバー27を介して回転し、それによって絶縁軸15が所定の角度だけ回転し、続いて出発位置に再び回転して戻る。それによって、各位相の可動のバイパス接触子11.1,11.2が端位置から短時間移動し、開放され、続いて再び端位置に戻る。
【0019】
絶縁軸13が両切換え時に同じ方向に所定の角度だけ回転し、それによって完全な回転を行うことができるが、絶縁軸15は左側または右側に交互に所定の角度だけ回転し、再び戻り、この運動を可動のバイパス接触子11.1,11.2に伝達する。この可動のバイパス接触子は往復運動してその都度中央位置から端位置にそして再び方向を変えて戻る。
【0020】
所定の位置でレバー31の切込みに係合する、ゼネバホイール29上に設けたローラ30により、レバーは所定の角度だけ揺動し、レバーと共に絶縁軸14が揺動する。この絶縁軸は各々の位相の可動の予選択器接触子9.1を操作する。すなわち、予選択器の操作はゼネバホイール29が完全に回転した後で、ひいてはすべての固定の選択器接触子6が通過した後でのみ発生する。換言すると、ゼネバホイール29は完全に回転することができる。その際、固定のすべての選択器接触子は予選択器を接続することなく通過し、そして予選択器が操作され、固定のすべての選択器接触子6が、予選択器を接続することなく再度同じ回転方向に通過することができる。同様に、予選択器の戻し切換えは他の回転方向に完全に回転した後で生じる。
【0021】
図3には、それぞれの位相板5上における上記の異なる固定と可動の接触子の配置構造と、絶縁軸13,14,15による接触子の操作が示してある。互いに絶縁された可動の選択器接触子7.1,7.2は、隣接する2個の固定の選択器接触子6が接触できるように、かつこのような1個の接触子にのみ完全に載ることができるように採寸されている。これは図7に示した切換え順序を実現するために必要である。
【0022】
可動の予選択器接触子9.1はゼネバホイール29が1回転した後でその都度、一方の位置から他方の位置に切換えられ、それによって巻線の一部を接続または切り離すかあるいは巻線の方向を変える。これは予選択器が負荷時タップ切換変圧器のそれぞれの回路内で公知の転移選択器としてあるいは同様に公知の極性切換器として作動するどうかに依存する。その際、本発明による負荷時タップ切換器は構造に差異はない。
【0023】
互いに電気的に接続された可動のバイパス接触子11.1,11.2は、静止状態で両固定接触子10を架橋し、切換えときにこの固定接触子10の一方に一緒に載る。それぞれ回転可能な可動接触子7.1,7.2;9.1;11.1;11.2の接触子アースはそれぞれ同心的なスリップリング32,33,34によって行われる。その際、可動の両選択器接触子7.1,7.2の接触子アースのために、互いに絶縁された2個のスリップリング32が設けられている。このスリップリングは図3では重なっているので、上側のスリップリングだけしか見えない。
【0024】
図4には、それぞれの位相板5の他方の側にそれぞれ配置された要素が絶縁軸なしに示している。図5にはそれぞれの真空切換セル12を操作するための要素が単独で示してある。次に、この要素について詳しく説明する。
それぞれの位相板5上にはブラケット35が固定されている。このブラケットは真空切換セル12を支持する。駆動機構は絶縁軸15に連結された制御ディスク36と、ブラケット35に回転可能に支承された双腕状のレバー37からなっている。この双腕状のレバーは自由端にローラ38を備え、このレバーの他方の自由端は真空切換セル12、正確に言うと、その操作突棒45に作用している。ローラ38は制御ディスク36の制御カム39に対応している。制御ディスクの背面にはレリース輪郭40が設けられている。このレリース輪郭は制御ディスク36の所定の位置で係止爪41を移動させるように採寸されている。このレリース輪郭40が個々の2個のレリースカムによって形成されていると特に有利である。移動する係止爪41によってレバー37が開放される。そうでない場合、レバー37は移動しない係止爪41によってロックされる。
【0025】
更に、全部で3個のばねが設けられている。ばね42はブラケット35に支持され、レバー37のローラ38を制御カム39に押し付ける。他のばね43は係止爪41をレバー37に押し付け、このレバーを普通の状態に保持する。操作突棒45の第3のばね44は静止状態で接触子押圧力を高める。このばねは操作のためには必ずしも必要ではない。
【0026】
この構造の作用は次の通りである。
静止状態では、真空切換えセル12は閉じている。既に説明したように、切換えの度に絶縁軸15は中央位置から所定の角度だけ、駆動軸19の回転方向に応じて、右側および左側に往復運動を行い、続いて再び中央位置に戻る。切換え時に、絶縁軸15は先ず最初に所定の角度だけ回転する。この絶縁軸によって制御ディスク36が回転する。レバー37のローラ38は、ばね42によって制御カム39に追従しようとする。しかしこれは不可能である。なぜなら、レバーが係止爪41によって錠止されているからである。回転運動の所定の個所で初めて、レリース輪郭40がばね43の力に抗して係止爪41を移動させる。レバー37は急激に開放され、ばね42によって真空切換セル12を急激に開放する。続いて、絶縁軸15が回転し、それによって制御カム36が再び戻り回転する。ローラ38は制御カム39上を移動し、真空切換セル12を連続的に閉鎖する。所定の個所で、係止爪41は再びレバー37に係止され、レバーを保持する。すなわち、次の切換えのための端位置および同時に出発位置が達成される。絶縁軸15が先ず最初に他の方向に回転すると、全体の操作が同様に行われる。というのは、制御カム39とレリース輪郭40が中央位置の両側に対称に形成されているからである。この操作によって、真空切換セル12の迅速な開放がレバー37の急激な解放と、制御カム39上でのローラ38の走行による、カムに依存した連続的な閉鎖によって達成されるからである。制御カム39は静止状態でレバー37を形状補完的に錠止する。それによって、例えば振動による不意の解放が不可能である。
【0027】
図6にはゼネバ機構の細部、すなわち機械的端位置制限部が示してある。ゼネバホイール29が最大で2回転だけ各々の方向に回転し、その後端位置を保持しなければならないことを既に説明した。この端位置はこの方向におけるそれ以上の回転を阻止する。その際、“回転”は360°から2つの切換えステップに相当する回転角度を差し引いた角度の回転が1回転であると定義される。これはロックディスク46によって達成される。このロックディスクは絶縁軸13に支承され、絶縁軸と関係なく自由に回転可能であり、空間的には伝動装置板2とゼネバホイール29との間に配置されている。ロックディスク46は各々の側にそれぞれ連行体47,48を備えている。第1の連行体47は伝動装置板2上の固定されたストッパー49に対応し、第2の連行体48はゼネバホイール29上の少なくとも1個の他の連行体50に対応する。両連行体47,48が1個の円筒ピンによって実施されると特に有利である。この円筒ピンはロックディスク46を通過している。
【0028】
作用は次の通りである。
先ず最初に、連行体50が連行体48に当たるまで、ゼネバホイール29は1回転だけ各々の方向に回転することが可能である。同じ方向に更に回転すると、ロックッディスク46が一緒に回転させられる。ロックディスクが1回転だけ回転すると、連行体47はストッパー49に当たり、ロックディスク46とゼネバホイール29を保持する。このゼネバホイールはその後2回転すると、端位置に達する。反対方向に回転すると、上記経過が同様に繰り返される。浮動支承されたロックッディスク46は両方向においてそれぞれゼネバホイール29の2回転を許容し、その間すべての固定選択器接触子6を2回擦過する。1回は予選択器を接続して、1回は予選択器を接続しないで行われる。
【0029】
ゼネバホイール29上の同じ部分円上に2個の連行体50を配置することにより、制限された任意の切換え範囲のための端位置を予調節可能である。
連行体50が1個だけ設けられているときには、連行体の形状または大きさは任意に採寸可能である。それによって、端位置制限部を上記の許容回転に適合させることが簡単に可能である。この許容回転は360°の1回転全体ではなく、この回転の際それぞれ2つの切換えステップに相当する角度が不足している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による負荷時タップ切換器を前方から見た概略図である。
【図2】 この負荷時タップ切換器の伝動装置板を側方から見た図である。
【図3】 この負荷時タップ切換器の位相板の右側面図である。
【図4】 この位相板を左側から見た図である。
【図5】 図4の細部、すなわちそれに所属する駆動機構を備えた真空切換セルを示す図である。
【図6】 図2の細部、すなわち端位置制限部を側方から見た図である。
【図7】 公知の切換え順序を示す図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 伝動装置板
3 通過案内板
4 前側
5 位相板
6 固定の選択器接触子
7 接触子支持体
7.1 可動の選択器接触子
7.2 可動の選択器接触子
8 固定の予選択器接触子
9 接触子支持体
9.1 可動の予選択器接触子
10 固定のバイパス接触子
11 接触子支持体
11.1 可動のバイパス接触子
11.2 可動のバイパス接触子
12 真空切換セル
13 選択器接触子用絶縁軸
14 極性切換器接触子/転移切換器接触子用絶縁軸
15 バイパス接触子用絶縁軸
16 絶縁軸13用穴
17 絶縁軸14用穴
18 絶縁軸15用穴
19 第1の伝動歯車
20 第2の伝動歯車
22 軸受
23 ゼネバ機構
24 ローラ
25 第3の伝動歯車
26 ゆり腕
27 レバー
28 ゆり腕
29 ゼネバホイール
30 操作ローラ
31 レバー
32 第1の同心的なスリップリング
33 第2の同心的なスリップリング
34 第3の同心的なスリップリング
35 ブラケット
36 制御ディスク
37 レバー
38 ローラ
39 制御カム
40 レリース輪郭
41 係止爪
42 ばね
43 ばね
44 ばね
45 操作突棒
46 ロックディスク
47 連行体
48 連行体
49 ストッパー
50 連行体
51 軸受
Claims (10)
- ケーシング内に、各々の位相のための固定の選択器接触子が設けられ、この選択器接触子がそれぞれ可動の選択器接触子によって切換え可能であり、このケーシング内に更に、各々の位相のための固定の予選択器接触子が設けられ、この予選択器接触子がそれぞれ1個の可動の予選択器接触子によって切換え可能であり、このケーシング内に更に、各々の位相のための固定のバイパス接触子が設けられ、このバイパス接触子がそれぞれ可動のバイパス接触子によって切換え可能であり、このケーシング内に更に、各々の位相のための真空切換セルが設けられ、この真空切換セルがそれぞれ蓄勢機構によって操作可能であり、別個の側方のケーシング部分内に、すべての可動接触子とすべての真空切換セルを適当な切換え順序で操作するための駆動機構が設けられている、真空切換セルを用いて中断しないで切換え開閉するためのリアクトル式切換原理による負荷時タップ切換器において、各々の位相のために分離されたすべての固定接触子(6,8,10)とすべての可動接触子(7.1,7.2;9.1;11.1,11.2)とこの位相の真空切換セル(12)が、1個の位相板(5)上に一緒に配置され、3本の絶縁軸(13,14,15)がケーシング(1)を貫通して延びており、そして3枚の位相板(5)が貫通しており、第1の絶縁軸(13)がすべての可動の選択器接触子(7.1,7.2)を操作し、第2の絶縁軸(14)がすべての可動の予選択器接触子(9.1)を操作し、第3の絶縁軸(15)がすべての可動のバイパス接触子(11.1,11.2)とすべての真空切換セル(12)を操作し、駆動機構が1個のゼネバホイール(29)を備え、このゼネバホイールが駆動軸(19)に連結されたゼネバ機構(23)によって駆動可能であり、かつ第1の絶縁軸に連結され、それによって各々の切換え時に、第1の絶縁軸(13)が1つの切換えステップに相当する角度だけ回転可能であり、駆動機構が第2の絶縁軸(14)に作用する第1の操作手段を備え、駆動機構が第3の絶縁軸(15)に作用する第2の操作手段を備えていることを特徴とする負荷時タップ切換器。
- 第1の操作手段がゼネバホイール(29)上のローラ(30)と、対応するレバー(31)を備え、ゼネバホイール(29)の所定の位置のときにローラ(30)がレバー(31)の切込みに係合し、それによって回転方向に依存して第2の絶縁軸(14)が所定の回転角度だけ揺動可能であることを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換器。
- 第2の操作手段が他の伝動歯車(25)とこの伝動歯車に連結されたレバー駆動装置(26,27,28)を備え、このレバー駆動装置自体が第3の絶縁軸(15)に作用し、ゼネバホイール(29)の回転の度に第3の絶縁軸(15)が回転方向に依存して所定の角度だけ往復回転運動し、再び出発位置に戻ることを特徴とする請求項1または2記載の負荷時タップ切換器。
- 各々の位相板(5)の一方の側に固定および可動のバイパス接触子(10;11.1,11.2)が配置され、他方の側にそれぞれ真空切換セル(12)が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の負荷時タップ切換器。
- 各々位相のために2個の可動の選択器接触子(7.1,7.2)が設けられ、この選択器接触子が互いに電気的に絶縁されて1個の接触子支持体(7)上に配置され、かつ接触子支持体の回転によって一緒に動き、各々の位相のために2個の可動のバイパス接触子(11.1,11.2)が設けられ、このバイパス接触子が互いに電気的に接続されて他の1個の接触子支持体(11)上に配置され、かつ接触子支持体の回転によって一緒に動くことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の負荷時タップ切換器。
- それぞれの真空切換セル(12)を操作するための蓄勢機構が制御カム(39)を有する制御ディスク(36)を備え、この制御ディスクが第3の絶縁軸(15)に連結され、かつこの絶縁軸と共に回転可能であり、蓄勢機構が更に、双腕状のレバー(37)を備え、このレバーが一方の自由端にローラ(38)を備え、このローラが制御カム(39)上を走行し、かつ静止状態で係止爪(41)によって錠止され、レバーの他方の自由端が真空切換セル(12)の操作突棒(45)に作用し、制御カム(39)がその背面にレリース輪郭(40)を備え、レリース輪郭(40)が係止爪(41)と協働し、それによって所定の位置で第3の絶縁軸(15)ひいては制御ディスク(36)が係止爪(41)を解放し、それによって真空切換セル(12)が急に開放することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の負荷時タップ切換器。
- 真空切換セル(12)と、制御カム(39)と後側のレリース輪郭(40)を備えた制御ディスク(36)と、ローラ(38)を備えた双腕状のレバー(37)と、ばね(42,43)が、制御カム(39)上でのローラ(38)の形状補完的な移動と、レリース輪郭(40)による係止爪(41)の形状補完的な操作を許容し、各々の位相のために共通のブラケット(35)上にあり、そして各々のブラケット(35)が対応する位相板(5)に固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の負荷時タップ切換器。
- レリース輪郭(40)が2個のカムによって形成されていることを特徴とする請求項6または7記載の負荷時タップ切換器。
- 1個のゼネバホイール(29)が機械式端位置制限部と協働し、この端位置制限部が1個のロックディスク(46)を備え、このロックディスクが第1の絶縁軸(13)上に、空間的にはゼネバホイール(29)の範囲内にゼネバホイールとは関係なく自由に回転可能に配置され、ロックディスク(46)が各々の側に連行体(47,48)を備え、連行体(47)がケーシング(1)上の固定されたストッパー(49)と協働し、他の連行体(48)がゼネバホイール(29)上の他の連行体(50)と協働し、それによってゼネバホイール(29)がそれぞれの回転方向において2回転することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の負荷時タップ切換器。
- 両連行体(47,48)が1個の円筒ピンによって形成され、この円筒ピンがロックディスク(46)を貫通し、ゼネバホイール(29)の同じ部分円上に2個の連行体(50)が配置され、それによってゼネバホイール(29)の最大回転角度が制限されていることを特徴とする請求項9記載の負荷時タップ切換器。
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