JP4287924B2 - 負荷時タップ切換器 - Google Patents

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Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は、バイパス開閉器が二つの固定バイパス接点と二つの可動バイパス接点を有し、固定バイパス接点の各々がタップ選択器の可動接点に電気接続し、両方の固定バイパス接点が橋絡し、共通に負荷引出部に電気接続するか、両方の固定バイパス接点の各々が単独で負荷引出部に電気接続するように、両方の可動バイパス接点が構成され操作できる、二つのタップ選択器と一つのバイパス開閉器を備えた変圧器の異なる巻線タップの間に対して通電を止めることなく切換開閉を行う反応開閉原理による負荷時タップ切換器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような負荷時タップ切換器は変圧器の異なった巻線タップの間を通電を止めることなく切り換える電力用変圧器に関連して利用され、通電を止めることなく電圧を調整するために使用されている。
【０００３】
その場合、一つの巻線タップから隣の巻線タップにゆっくりと切り換える間に、ステップ短絡を防止し、一定の負荷を与える切換インピーダンスが使用されている。
【０００４】
そのような負荷時タップ切換器は会社の出版物 “Load Tap Changer Type RMV II" Reinhausen Mnufacturing 社、フンボルト、米国、刊記、RM 05/91-1094/5000により既に周知である。この周知の負荷時タップ切換器では切換開閉のために真空バルブが使用されている。
【０００５】
図３には、単相に対してステップ（Ａ）からステップ（Ｂ）に切換開閉を行う際のそのような周知の同類の負荷時タップ切換器の典型的なシーケンスが示してある。
【０００６】
この場合、ｎとｎ＋１は変圧器のステップ巻線のタップである。Ｐ1 とＰ2 は切換時に操作すべきタップ選択器の可動接点である。Ｒ1 とＲ2 は既に説明した切換インピーダンスである。両方の分岐間には真空バルブＶが接続されている。負荷引出部Ｌへの対応する接続はバイパス開閉器Ｂにより行われる。
【０００７】
このバイパス開閉器Ｂは、その切換位置に応じて、タップ選択器の二つの可動接点の各々を個別にも共通にも負荷引出部Ｌに接続する。
【０００８】
このため、二つの固定バイパス接点と二つの可動バイパス接点が使用される。両方の可動バイパス接点は互いにリンク結合し、負荷引出部Ｌに接続する。
【０００９】
二つの固定バイパス接点の各々は真空バルブに対向するそれぞれの側でタップ選択器の可動接点Ｒ1,Ｒ2 に電気接続する。
【００１０】
定常状態では、バイパス開閉器は両方の固定バイパス接点を橋絡し、両者を共通に負荷引出部Ｌへ接続する。
【００１１】
切換開閉の開始では、両方の固定バイパス接点の間、従ってタップ選択器の可動接点の間の上記の接続は中断され、図３に示す切換シーケンスでは、バイパス開閉器が元の巻線タップｎの上にあるタップ選択器の可動接点Ｐ1 のみを負荷引出部Ｌへ接続する。次いで、真空バルブＶが開き、それに続きタップ選択器の可動接点Ｐ2 が新しい巻線タップｎ＋１に達し、真空バルブＶが再び閉じ、最後にバイパス開閉器Ｂが再び初期位置、つまり定常位置を占める。
【００１２】
二つの固定バイパス接点および機械的にも電気的にも互いに接続する可動バイパス接点を有する上に説明した周知のバイパス開閉器はドイツ特許第 40 11 019号明細書にも詳しく説明されている。
【００１３】
しかし、この周知のバイパス開閉器には多数の難点がある。即ち、
・両方の可動パイパス接点が電気的にも機械的にも接続し、絡み合った動きをさせるリンク機構が複雑で製造に経費がかかる。
・同じことは、個々のディスクで形成され、一つの枠に保持されている固定バイパス接点にも当てはまる。
・高い電流容量を必要とすれば、非常に大きな（固定および可動）バイパス接点となり、これも望ましくない。
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、簡単に作製され、僅かな個別部品から成り、加えて簡単に操作でき、寸法が小さくても電流容量の大きいバイパス開閉器を備えている更に発展させた同類の負荷時タップ切換器を提供することにある。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、この発明により、冒頭に述べた種類の負荷時タップ切換器にあって、
接触ホルダー（２）が旋回する時、両方の可動バイパス接点（２.１，２.２）が一緒に操作されるように、両方の可動バイパス接点（２.１，２.２）が互いに一定間隔（ｃ）で互いに電気接続する状態で前記接触ホルダー（２）上に固定された軸（１）で回転する接触ホルダー（２）を備えていること、
可動バイパス接点（２.１，２.２）が操作時に固定バイパス接点（３.１，３.２）を引きずり接触するように、両方のバイパス接点（３.１，３.２）を同芯の円軌跡上にセグメント状に延びる状態で配置されていること、
個々の可動バイパス接点（２.１，２.２）の長手方向の延び（ａ）が可動バイパス接点（２.１，２.２）の間の間隔（ｃ）より大きいこと、
個々の固定バイパス接点（３.１，３.２）の間の間隔（ｂ）が可動バイパス接点（２.１，２.２）の間の間隔（ｃ）より小さいこと、
負荷引出部が（Ｌ）が、固定バイパス接点と共に同芯状に配置された唯一の導電性の摺動リング（４）で形成され、両方の可動バイパス接点（２.１，２.２）がそれぞれ一つの接点端部を前記摺動リング（４）に電気接続すること、および
可動バイパス接点（２.１，２.２）が互いに同一であり、かつ各々その内側接点端部と外側接点端部が同一であるように対称に形成されていること
によって解決されている。
【００１６】
【発明の実施の形態】
この発明によれば、機械的に固く連結している二つの可動バイパス接点は切換動作時毎に一緒に動く。これには、両方の可動バイパス接点の接触面を何らかの外来層から同時自己浄化する他の利点がある。
【００１７】
【実施例】
以下、図面に示す実施例に基づきこの発明を更に詳しく説明する。
【００１８】
図１および図２に示すように、この負荷時タップ切換器にはバイパス開閉器を操作するため切換軸１があり、この切換軸１は、負荷時タップ切換器の駆動部、通常、モータ駆動部に接続している。図示していない制御伝達機構により、図３に示す所定のシーケンスの一回の切換時に全ての接点が操作されることを保証する。
【００１９】
３つの相全てのバイパス開閉器を操作する軸１は、負荷切換毎に、切換方向に応じて、一定角度の回転運動を行い、次いで再び初期位置に戻る。この軸１には、切り換えるべき各相に対して一つの接触ホルダー２が配置され、この接触ホルダー２は二つの可動バイパス接点２.1，２.2を担持している。これ等の可動バイパス接点２.1，２.2は旋回時に一緒に動くように、接触ホルダー２の上に互いに不動となる相対位置に固定されている。
【００２０】
従って、これに合わせて、図示していない絶縁板上に固定バイパス接点３.1と３.2が配置されている。これ等の固定バイパス接点３.1，３.2は軸１の周りの同芯の円軌跡の上にセグメント状に延びるように形成されているので、回転時に可動バイパス接点２.1，２.2の外部接点端部が固定バイパス接点３.1，３.2をかすめて接触する。
【００２１】
図１に示すように、固定バイパス接点３.1，３.2の長手方向の延びａと固定バイパス接点３.1，３.2の間の間隔ｂは、両方の可動バイパス接点２.1，２.2でそれぞれ橋絡され、両方の可動バイパス接点２.1，２.2が両方の固定バイパス接点３.1，３.2の何れか一つに共通に載るように設計されている。
【００２２】
固定バイパス接点３.1，３.2が存在する部分円の領域での両方の可動バイパス接点２.1，２.2の間の間隔をｃで表せば、説明した寸法設計はａがｃより大きく、ｂがｃより小さいようにされている。
【００２３】
負荷引出部は導電性の同芯状摺動リング４で形成され、この摺動リング４の上で両方の可動バイパス接点２.1，２.2がそれぞれの内部接触端部を引きずる。
【００２４】
この発明の特に有利な構成では、可動バイパス接点２.1，２.2がそれぞれ移動方向に対して垂直に形成されている。つまり、外側と内側の接触端部が同一である。
【００２５】
両方の可動バイパス接点２.1，２.2は好ましくは接触ホルダー２の上にネジ止めされている。その結果、これ等の可動バイパス接点２.1，２.2を簡単に交換できるか、あるいは特別な要請により、より広い接点あるいは他の材料の接点にも交換できる。これは、ただ一つの前提条件、寸法ａ，ｂとｃの間に付いて上に述べた関係を維持するだけで簡単に可能となる。
【００２６】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明の負荷時タップ切換器により、簡単に作製され、僅かな個別部品から成り、加えて簡単に操作でき、寸法が小さくても大きい電流容量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 両方の可動バイパス接点が両方の固定バイパス接点を橋絡し、一緒に負荷引出部へ接続する定常（静止）状態のこの発明による負荷時タップ切換器の１相に対するバイパス開閉器、
【図２】 両方の可動バイパス接点が共通にただ一つの固定バイパス接点だけに載り、この接点のみを負荷引出部へ接続する時、その時点での負荷時タップ切換器を切り換える間の１相に対するバイパス開閉器、
【図３】 第一動作位置ｎから第二動作位置ｎ＋１への同類の負荷時タップ切換器の周知の切換シーケンスを示す模式図である。
【符号の説明】
１ 切換軸
２ 接点ホルダー
２.1．２.2 可動バイパス接点
３.1．３.2 固定バイパス接点
４ 摺動リング
ａ 固定バイパス接点の長手方向の延び
ｂ 固定バイパス接点の間の間隔
ｃ 固定バイパス接点が存在する部分円の領域での両方の可動
バイパス接点の間の間隔
Ｂ バイパス開閉器
ｎ，ｎ＋１ ステップ巻線のタップ
Ｐ1,Ｐ2 タップ選択器の可動接点
Ｒ1,Ｒ2 切換インピーダンス
Ｌ 負荷引出部

Claims (1)

  1. バイパス開閉器（Ｂ）が二つの固定バイパス接点（３.１，３.２）と二つの可動バイパス接点（２.１，２.２）を有し、固定バイパス接点（３.１，３.２）の各々がタップ選択器の可動接点（Ｐ１，Ｐ２）に電気接続し、両方の固定バイパス接点（３.１，３.２）が橋絡し、共通に負荷引出部（Ｌ）に電気接続するか、両方の固定バイパス接点（３.１あるいは３.２）の各々が単独で負荷引出部（Ｌ）に電気接続するように、両方の可動バイパス接点（２.１，２.２）が構成され操作できる、二つの可動なタップ選択器（Ｐ１，Ｐ２）と一つのバイパス開閉器（Ｂ）を備えた変圧器の異なる巻線タップ（ｎ，ｎ＋１）の間に対して通電を止めることなく切換開閉を行う反応開閉原理による負荷時タップ切換器において、
    接触ホルダー（２）が旋回する時、両方の可動バイパス接点（２.１，２.２）が一緒に操作されるように、両方の可動バイパス接点（２.１，２.２）が互いに一定間隔（ｃ）で互いに電気接続する状態で前記接触ホルダー（２）上に固定された軸（１）で回転する接触ホルダー（２）を備えていること、
    可動バイパス接点（２.１，２.２）が操作時に固定バイパス接点（３.１，３.２）を引きずり接触するように、両方のバイパス接点（３.１，３.２）を同芯の円軌跡上にセグメント状に延びる状態で配置されていること、
    個々の可動バイパス接点（２.１，２.２）の長手方向の延び（ａ）が可動バイパス接点（２.１，２.２）の間の間隔（ｃ）より大きいこと、
    個々の固定バイパス接点（３.１，３.２）の間の間隔（ｂ）が可動バイパス接点（２.１，２.２）の間の間隔（ｃ）より小さいこと、
    負荷引出部が（Ｌ）が、固定バイパス接点と共に同芯状に配置された唯一の導電性の摺動リング（４）で形成され、両方の可動バイパス接点（２.１，２.２）がそれぞれ一つの接点端部を前記摺動リング（４）に電気接続すること、および
    可動バイパス接点（２.１，２.２）が互いに同一であり、かつ各々その内側接点端部と外側接点端部が同一であるように対称に形成されていることを特徴とする負荷時タップ切換器。
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