JP4234505B2 - 油圧駆動車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車軸駆動装置に走行用油圧モータと旋回用油圧モータとを備え、前記走行用油圧モータにより左右の車輪を同一回転数で駆動させて直進する一方、前記旋回用油圧モータにより左右の車輪を差動的に回転駆動させて旋回する油圧駆動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧駆動車両において、車軸駆動装置に走行用油圧モータと旋回用油圧モータとを備え、前記走行用油圧モータにより左右の車輪を同一回転数で駆動させて直進する一方、前記旋回用油圧モータにより左右の車輪を差動的に回転駆動させて旋回する構成としたものが公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。そして、この文献では、後側に前記車軸駆動装置を配して左右の後輪車軸を駆動させるとともに、右側に配される後輪車軸と右側に配される前輪車軸のそれぞれに設けたスプロケットを駆動チェンで巻回し、左側に配される後輪車軸と左側に配される前輪車軸のそれぞれに設けたスプロケットを駆動チェンで巻回することにより、左右の前後車軸をそれぞれ連動して駆動させる四輪駆動車両の構成について開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−168381号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、四輪駆動車両は、起伏の多い不整地走行での走破性に優れるものである。しかし、上記のように、後輪車軸と前輪車軸とを駆動チェンにより連動させる構成では、前記不整地走行には適した構成ではないといえる。不整地走行においては、前後車軸の高さ関係や、傾き関係が変化するため、駆動チェンの歯飛びによる駆動の伝達不良や、さらには、引っ張り荷重による駆動チェンの緩みや破損といった問題が生じるからである。また、前後車軸間で駆動チェンを巻回するためのスペースが必要とされ、グラウンドクリアランスの十分な確保ができないといった問題も生じる。これらの問題は、駆動ベルトとプーリによる構成とした場合でも同様に生じるものである。そこで、本発明では、車軸駆動装置に走行用油圧モータと旋回用油圧モータとを備える油圧駆動車両における新規な四輪駆動の構成を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
請求項1においては、車体の前後に配置される一対の車軸駆動装置(2・3)のそれぞれに、一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を差動連結する差動機構(20・30)を設け、各差動機構(20・30)につき、前記一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を同一速度で駆動するための走行用油圧モータ(22M・32M)と、前記一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を差動回転させるための旋回用油圧モータ(21M・31M)とを設けており、前記両差動機構(20・30)の走行用油圧モータ(22M・32M)同士の出力を同期させているとともに、前記差動機構(20・30)の旋回用油圧モータ(21M・31M)同士の出力を同期させているものである。
【0006】
請求項2においては、前記両車軸駆動装置(2・3)のうちの一つの車軸駆動装置(2)の車軸に取り付ける車輪(2L・2R)の径長を、他の車軸駆動装置(3)の車軸に取り付ける車輪(3L・3R)の径長と異なるものとし、当該径長の差に対応すべく、同期し合う両走行用油圧モータ(22M・32M)間、および同期し合う両旋回用油圧モータ(21M・31M)間にて、出力回転速度差を設けて、両車軸駆動装置(2・3)間での車輪走行速度差をなくしているものである。
【0007】
請求項3においては、前記両走行用油圧モータ(22M・32M)のうち少なくとも一つ、または、前記両旋回用油圧モータ(21M・31M)のうち少なくとも一つを可変容積型とし、その容積調整により、前記の出力回転速度差を設けているものである。
【0008】
請求項4においては、前記両車軸駆動装置(2・3)のうち、少なくとも一つの車軸駆動装置において、前記走行用油圧モータ(22M)を走行用油圧ポンプ(12P)に流体接続し、前記旋回用油圧モータ(21M)を旋回用油圧ポンプ(11P)に流体接続するとともに、前記走行用油圧ポンプ(12P)と前記旋回用油圧ポンプ(11P)とが、一体的に構成され、該走行用油圧ポンプ(12P)と該旋回用油圧ポンプ(11P)とが前記車軸駆動装置(2・3)より分離して構成されているものである。
【0009】
請求項5においては、前記走行用油圧ポンプ(12P)と前記旋回用油圧ポンプ(11P)とは共通の入力軸(13)を通じて駆動される構造としているもである。
【0010】
請求項6においては、前記各車軸駆動装置(2・3)において、各々の前記走行用油圧モータ(22M・32M)を各々の走行用油圧ポンプ(12FP・12BP)に流体接続し、各々の前記旋回用油圧モータ(21M・31M)を各々の旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)に流体接続するとともに、各々の前記走行用油圧モータ(22M・32M)と各々の前記旋回用油圧モータ(21M・31M)とがそれぞれの車軸駆動装置(2・3)と一体的に構成され、各々の前記走行用油圧ポンプ(12FP・12BP)と、各々の旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)とがそれぞれの前記車軸駆動装置(2・3)毎に、分離して構成されているものである。
【0011】
請求項7においては、各々の前記走行用油圧ポンプ(12FP ・12BP)と、各々の前記旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)とは共通の入力軸(13F・13B)を通じて駆動される構造としているものである。
【0012】
請求項8においては、前記両走行用油圧モータ(22M・32M)または前記両旋回用油圧モータ(21M・31M)のうち、少なくともいずれかが、一つの油圧ポンプ(11P・12P)の回路上に直列に設けられているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る油圧駆動車両の第一の実施形態の構成を示す図、図2は同実施形態のタンデムポンプの油圧回路構成を示す図、図3は同じくタンデムポンプの構成を示す側面一部断面図、図4は同じく油圧モータの構成を示す平面一部断面図、図5は本発明に係る油圧駆動車両の第二の実施形態の構成を示す図、図6は本発明に係る油圧駆動車両の第三の実施形態を示す図、図7は同実施形態のタンデムポンプの油圧回路構成を示す図、図8は本発明に係る油圧駆動車両の第四の実施形態を示す図、図9は本発明に係る油圧駆動車両の第五の実施形態を示す図、図10は同実施形態において旋回用油圧モータを可変容積型としたものを示す図である。
【0014】
本発明に係る油圧駆動車両1は、図1及び図6に示される実施形態のごとく、車体の前後に配置される一対の車軸駆動装置2・3のそれぞれに、一対の車軸52L・52R、車軸53L・53Rを差動連結する差動機構20・30を設け、各差動機構20・30につき、前記一対の車軸52L・52R、車軸53L・53Rを同一速度で駆動するための走行用油圧モータ22M・32Mと、前記一対の車軸を差動回転させるための旋回用油圧モータ21M・31Mとを設けており、前記両差動機構20・30の走行用油圧モータ22M・32M同士の出力を同期させているとともに、前記両差動機構20・30の旋回用油圧モータ21M・31M同士の出力を同期させている構成とするものである。以下、実施形態について説明する。
【0015】
(1)第一の実施形態
図1に示す構成の油圧駆動車両1は、前後方向に前側車軸駆動装置2・後側車軸駆動装置3が配されており、各車軸駆動装置2・3では、それぞれ車輪2L・2R、車輪3L・3Rが駆動される。各車軸駆動装置2・3には、旋回用油圧モータ21M・31Mがそれぞれ備えられており、両旋回用油圧モータ21M・31Mは、旋回用油圧ポンプ11Pとシリーズ接続にて流体接続されている。また、各車軸駆動装置2・3には、走行用油圧モータ22M・32Mがそれぞれ備えられており、両走行用油圧モータ22M・32Mは、走行用油圧ポンプ12Pとシリーズ接続にて流体接続されている。また、各車軸駆動装置2・3には、油圧駆動車両1を旋回するための旋回用差動装置24・34と、油圧駆動車両1を走行駆動するための走行用差動装置25・35がそれぞれ備えられている。旋回用差動装置24・34には、前記旋回用油圧モータ21M・31Mの出力がそれぞれ入力され、走行用差動装置25・35には、前記走行用油圧モータ22M・32Mの出力がそれぞれ入力される。また、図2に示すごとく、前記旋回用油圧ポンプ11Pと走行用油圧ポンプ12Pとは、共通の入力軸としてのポンプ軸13に対して同軸上に配置されて駆動されるものであり、前記旋回用油圧モータ21M・31Mと、走行用油圧モータ22M・32Mとを共働するタンデムポンプユニット10を構成している。そして、以上の構成では、前後の各車軸駆動装置2・3において、走行用油圧モータ22M・32Mにより車輪2L・2R、車輪3L・3Rが駆動されるとともに、各車輪2L・2R、車輪3L・3Rは、旋回用油圧モータ21M・31Mによって互いに差動回転される。
【0016】
以下、上記の構成を詳述する。図1乃至図3に示すごとく、前記タンデムポンプユニット10は、旋回用油圧ポンプ11P、走行用油圧ポンプ12P、チャージポンプ15などを備えている。該タンデムポンプユニット10には、駆動源38の動力が駆動ベルト39を介してポンプ軸13に入力される。該ポンプ軸13の回転により、旋回用油圧ポンプ11P、走行用油圧ポンプ12Pのシリンダブロックが回転し、旋回用油圧ポンプ11Pと前記旋回用油圧モータ21M・31M、走行用油圧ポンプ12Pと走行用油圧モータ22M・32Mとの間で作動油の給排が行われる。また、前記旋回用油圧ポンプ11Pは、可動斜板11aを備える可変容積型とするものである。前記可動斜板11aは、リンク42a、リバースロジック機構45、リンク42bを介して接続されるステアリングハンドル41により斜板角度の変更操作がされる。尚、ステアリングハンドル41が直進方向である場合、つまり、旋回操作がされない場合には、前記可動斜板11aは中立位置(斜板傾倒角度ゼロ)となるように設定されており、旋回用油圧ポンプ11Pからの作動油の吐出は行われないようにしている。また、リバースロジック機構45は、後述の走行ペダル43の操作方向に応じて前記リンク42aの移動方向を切り替えるものである。尚、走行ペダル43の操作方向は、図示せぬリンクや、電気的信号等によりリバースロック機構45に入力される構成とするものであり、その形態については、特に限定されるものでない。同じく、前記走行用油圧ポンプ12Pは、可動斜板12aを備える可変容積型とするものである。前記可動斜板12aは、リンク44を介して接続される走行ペダル43により斜板角度の変更操作がされる。尚、走行ペダル43が操作されない場合、つまり、車両が停車中では、前記可動斜板12aは中立状態(斜板傾倒角度ゼロ)となるように設定されており、走行用油圧ポンプ12Pからの作動油の吐出は行われないようにしている。また、以上の可動斜板11a・12aの作動は、機械的リンクによる他、油圧アクチュエータ等により作動するものであってもよく、また、ステアリングハンドル41、走行ペダル43の操作方向や操作量を電気的に検知してコントロールされるようにしてもよい。また、前記ポンプ軸13は、チャージポンプ15をも回転駆動するようにしており、該チャージポンプ15により油タンク17からチャージ回路18に汲み上げた作動油を、チェックバルブ18a・18b・18c・18dを介して各油圧ポンプ11P・12Pの回路にチャージするようにしている。また、前記チャージ回路18には、チャージリリーフバルブ16が設けられている。
【0017】
図1及び図2に示すごとく、前記タンデムポンプユニット10は、前側車軸駆動装置2及び後側車軸駆動装置3に備える油圧モータ21M・22M・31M・32Mに配管50・51にて流体接続される。タンデムポンプユニット10内の走行用油圧ポンプ12Pは、配管51を介して両車軸駆動装置2・3内の走行用油圧モータ22M・32Mにシリーズ接続される。各走行用油圧モータ22M・32Mの出力は、各車軸駆動装置2・3において、モータ軸56、小径ギア57、大径ギア58を介して、走行用差動装置25・35に入力されることにより、車軸52L・52R、車軸53L・53Rが回転駆動される。尚、走行用差動装置25・35は、前後の車軸駆動装置2・3において同一構成とするものであり、サンギア61L・61R、キャリア62L・62R、プラネタリギア63・63・・、インターナルギア64L・64Rより遊星歯車機構に構成される。また、走行用油圧モータ22M・32Mのモータ軸56の一側端部にはブレーキ装置59が設けられている。一方、タンデムポンプユニット10内の旋回用油圧ポンプ11Pは、配管50を介して両車軸駆動装置2・3内の旋回用油圧モータ21M・31Mにシリーズ接続される。各旋回用油圧モータ21M・31Mの出力は、旋回用差動装置24・34に入力され、各車軸駆動装置2・3において左右の車軸52L・52R、車軸53L・53Rを差動回転させる。尚、該旋回用差動装置24・34は、前後の車軸駆動装置2・3において同一構成とするものであり、旋回用油圧モータ21M・31Mの出力は、該旋回用油圧モータ21M・31Mのモータ軸65に取付けたベベルギア66より左右に分岐され、第一中間ギア67L・67R、第二中間ギア68L・68Rを逆方向に回転させ、前記インターナルギア64L・64Rの一方を増速、他方を減速するように構成される。
【0018】
また、タンデムポンプユニット10の具体的な構成については、図3に示すごとく、前記旋回用油圧ポンプ11Pと、走行用油圧ポンプ12Pとは、図において上下方向に並設して配されており、両ポンプの各シリンダブロック81a・81bには、互いに同芯配置されるポンプ軸13a・13bが相対回転不能に取付けられている。ポンプ軸13aの下端部と、ポンプ軸13bの上端部は、両ポンプのセンターセクション82a・82bのポンプ軸穴に挿入されてその端面同士が互いに対向している。そして、両ポンプ軸13a・13bは、連結部材83により互いに相対回転不能に係合されて一本の入力軸を構成し、これにより、シリンダブロック81a・81bが共通の入力軸(ポンプ軸13a・13b)を通じて駆動されるように構成される。尚、ポンプ軸13aの上端部はハウジング85aの内部から上方に突出されており、ここに駆動源より駆動力が入力される。また、タンデムポンプユニット10は、例えば、ポンプ軸13a・13bを水平方向に配置して横型に構成してもよく、ポンプ軸13a・13bを上下方向に配置する縦型の構成には、特に限定されない。また、各油圧ポンプ11P・12Pにおいて、ハウジング85a・85bの内部には、可動斜板11a・12aがそれぞれ傾倒自在に配されている。該各可動斜板11a・12aは、コントロール軸86a・86bを中心に回動するコントロールアーム87a・87bとそれぞれ係合されており、前記ステアリングハンドル41、走行ペダル43によるコントロール軸86a・86b、コントロールアーム87a・87bの操作によって、該可動斜板11a・12aの斜板角度が変更される。また、該可動斜板11a・12aには、スラストベアリング88a・88bがそれぞれ嵌設されており、該スラストベアリング88a・88bには、各シリンダブロック81a・81bに摺動自在に設けたピストン89a・89bの突出端を当接させるようにしている。また、該可動斜板11a・12aの構成部材には、一定厚の鋼材間に制振性の優れた粘弾性樹脂を挟装して形成される制振鋼板が用いられ、前記ピストン89a・89bや、スラストベアリング88a・88bのボールなどの振動がハウジング85a・85bに伝播するのをダンピングする、即ち、前記振動を減衰させることにより、前記振動に起因してハウジング85a・85bが振動することにより生じる騒音を低減するようにしている。尚、可動斜板11a・12aには、トラニオン軸を備える構成としてもよく、この場合は、該トラニオン軸や、トラニオン軸支持部材を制振鋼板により構成するのが望ましい。また、以上のタンデムポンプユニット10は、車軸駆動装置2・3とは分離して構成されるものであり、車体フレーム等に搭載されるものである。
【0019】
また、前記旋回用油圧モータ21M・31M、走行用油圧モータ22M・32Mの構成においては、各油圧モータとも略同一な構成とするものであり、図4に示される旋回用油圧モータ21Mでは、モータ軸65に相対回転不能に取付けられるシリンダブロック91をセンターセクション92に摺接させるとともに、シリンダブロック91に摺動自在に設けたピストン93a・93aの突出端を固定斜板94に当接させるようにしている。尚、固定斜板94の構成部材においても、前記可動斜板11a・12aと同様、制振鋼板が用いられ、ピストン93a・93aとベアリング95との間で発生する振動を減衰することにより、モータ軸65を支承するベアリング96の破損防止が図られている。
【0020】
以上のように、各車軸駆動装置2・3においては、走行用差動装置25・35、及び旋回用差動装置24・34により、それぞれ、差動機構20・30が構成される。そして、各車軸駆動装置2・3において、前記走行用油圧モータ22M・32Mを走行用油圧ポンプ12Pに流体接続し、前記旋回用油圧モータ21M・31Mを旋回用油圧ポンプ11Pに流体接続するとともに、前記走行用油圧モータ22M・32Mと前記旋回用油圧モータ21M・31Mとが該車軸駆動装置2・3と一体的に構成されており、該走行用油圧ポンプ12Pと該旋回用油圧ポンプ11Pとが前記車軸駆動装置2・3より分離して構成されている。このように構成される油圧駆動車両1では、ステアリングハンドル41が直進方向に保持される場合では、旋回用油圧ポンプ11Pによる旋回用油圧モータ21M・31Mへの作動油の供給が行われないため、各車軸駆動装置2・3にて車軸52L・52R、車軸53L・53Rが差動回転することがない。これにより、前記走行ペダル43を前進側、或いは後進側に操作すると、走行用油圧ポンプ12Pから走行用油圧モータ22M・32Mへ作動油が供給され、走行用差動装置25・35より車軸52L・52R、車軸53L・53Rは同一の回転数で駆動され、油圧駆動車両1が直進することになる。一方、ステアリングハンドル41が旋回操作された場合には、旋回用油圧ポンプ11Pから旋回用油圧モータ21M・31Mへの作動油の供給が行われる。そして、ステアリングハンドル41の旋回の方向によって作動油の流れの方向が切り替わるため、ステアリングハンドル41による右旋回操作と、左旋回操作では、各油圧モータ21M・31Mのモータ軸65の回転方向が逆となる。これにより、右旋回操作とする場合には、車軸52R・53Rの回転数が減少する一方、車軸52L・53Lの回転数が増加し、油圧駆動車両1が右方向に旋回される。左旋回操作の場合では、この逆となる。また、前記リバースロジック機構45により、前進の場合と後進の場合における可動斜板11aの傾倒方向が切り替わるため、前進・後進のいずれの場合においても、右旋回操作と左旋回操作のためのステアリングハンドル操作41の方向は同じとなる。そして、以上の構成では、配管51により、走行用油圧モータ22M・32Mを走行用油圧ポンプ12Pに、配管50により、旋回用油圧モータ21M・31Mを旋回用油圧ポンプ11Pに、それぞれシリーズ接続により流体接続する構成としており、二つの油圧モータの駆動を一つの油圧ポンプでまかなう構成とし、部品点数の削減が図られたものとなっている。尚、各油圧モータを各油圧ポンプに接続する構成、即ち、走行用油圧モータ22M・32Mを走行用油圧ポンプ12Pにそれぞれ個別の配管で接続する、また、旋回用油圧モータ21M・31Mを旋回用油圧ポンプ11Pにそれぞれ個別の配管で接続する構成としてもよい。このように、配管の接続形態については、いずれの形態にも限定されるものではなく、配管の接続形態の設計の自由度は広いものとなっている。
【0021】
そして、以上の構成によれば、前後の車軸52L・52R、車軸53L・53Rの回転数の同期が、配管50・51を介してインラインで行われることから、従来の駆動チェンや駆動ベルトによる回転数の同期の構成に比べ、駆動伝達系のレイアウトのシンプル化が図られる。また、前後車軸間で駆動チェンを巻回するためのスペースが必要とされることもなく、配管接続による以上の構成では、グラウンドクリアランスの十分な確保が可能となる。また、旋回用、走行用の油圧ポンプの斜板操作を、ステアリングハンドル41及び走行ペダル43により行うことにより、自動車感覚の操作性とすることができる。また、斜板操作のみが必要とされるため、操作系のリンク設計は簡易なものとなる。また、旋回用油圧ポンプ11Pと走行用油圧ポンプ12Pとが共通の入力軸を通じて駆動される一つのタンデムポンプユニット10を構成しているので、油圧ポンプの配置に必要となるスペースを縮小して車両全体のコンパクト化が図られるとともに、部品点数削減による製作コスト削減が図られる。また、該走行用油圧ポンプ12Pと該旋回用油圧ポンプ11Pとが前記車軸駆動装置2・3より分離して構成されているため、前後の車軸駆動装置2・3を共通化することができ、部品点数削減による製作コスト削減が図られる。
【0022】
(2)第二の実施形態
本実施形態は、図5に示すごとく、旋回用油圧ポンプ11Pと走行用油圧ポンプ12Pが、各別にそれぞれのポンプ軸13u・13vにて駆動される構成とし、両ポンプ軸13u・13vが、ベルトやプーリ等からなる駆動伝達手段37により同期回転するように構成されるものである。他の構成については、上記第一の実施形態と同等である。本実施形態では、旋回用油圧ポンプ11Pと走行用油圧ポンプ12Pとが別体に構成されるため、これらポンプ11P・12Pの車体フレーム等への配置レイアウトの自由度が広いものとなっている。
【0023】
(3)第三の実施形態
図6に示す構成の油圧駆動車両100は、前後方向に前側車軸駆動装置2・後側車軸駆動装置3が配されており、各車軸駆動装置2・3では、それぞれ車輪2L・2R、車輪3L・3Rが駆動される。各車軸駆動装置2・3には、旋回用油圧モータ21M・31Mがそれぞれ備えられており、各旋回用油圧モータ21M・31Mは、それぞれ、旋回用油圧ポンプ11FP・11BPと流体接続されている。また、各車軸駆動装置2・3には、走行用油圧モータ22M・32Mがそれぞれ備えられており、各走行用油圧モータ22M・32Mは、それぞれ、走行用油圧ポンプ12FP・12BPと流体接続されている。
また、各車軸駆動装置2・3には、油圧駆動車両100を旋回するための旋回用差動装置24・34と、油圧駆動車両100を走行駆動するための走行用差動装置25・35がそれぞれ備えられている。旋回用差動装置24・34には、前記旋回用油圧モータ21M・31Mの出力がそれぞれ入力され、走行用差動装置25・35には、前記走行用油圧モータ22M・32Mの出力がそれぞれ入力される。そして、前記旋回用油圧ポンプ11FPと走行用油圧ポンプ12FP、また、前記旋回用油圧ポンプ11BPと走行用油圧ポンプ12BPとは、それぞれ、共通の入力軸としてのポンプ軸13F・13B(図7参照)に対して同軸上に配置されて駆動されるものであり、前記旋回用油圧モータ21M・31Mと、走行用油圧モータ22M・32Mとを共働するタンデムポンプユニット70を構成している。以上の構成では、前後の各車軸駆動装置2・3において、走行用油圧モータ22M・32Mにより車輪2L・2R、車輪3L・3Rがそれぞれ駆動されるとともに、各車輪2L・2R、車輪3L・3Rは、旋回用油圧モータ21M・31Mによってそれぞれ互いに差動回転される。
【0024】
以下、上記の構成を詳述する。図6及び図7に示すごとく、前記タンデムポンプユニット70は、旋回用油圧ポンプ11FP、走行用油圧ポンプ12FPを組み合わせてなるタンデムポンプ70Fと、同じく、旋回用油圧ポンプ11BP、走行用油圧ポンプ12BPを組み合わせてなるタンデムポンプ70Bと、チャージポンプ15などを備えている。前記両タンデムポンプ70F・70Bは、同一構成としており、互いのポンプ軸13F・13Bに取付けられる駆動ギア19F・19Bを噛合させるとともに、駆動ベルト39を介してポンプ軸13Fに駆動源38の動力を入力することにで、ポンプ軸13F・13Bが同期回転するように構成されている。尚、前記ポンプ軸13F・13Bは、各別に油圧ポンプ11FP・12FP、油圧ポンプ11BP・12BPのシリンダブロックを駆動するポンプ軸を連結部材により連結して一体とする構成、即ち、二軸を連結して一軸に構成されるものであってもよい。以上の構成により、タンデムポンプ70Fの油圧ポンプ11FP・12FPは、それぞれ、旋回用油圧モータ21M、走行用油圧モータ22Mとの間で作動油の給排を行う一方、タンデムポンプ70Bの油圧ポンプ11BP・12BPは、それぞれ、旋回用油圧モータ31M、走行用油圧モータ32Mとの間で作動油の給排を行うようにしている。また、前記旋回用油圧ポンプ11FP・11BPは、それぞれ、可動斜板11Fa・11Baを備える可変容積型とするものである。前記両可動斜板11Fa・11Baは、リンク42a、リバースロジック機構45、リンク42bを介して接続されるステアリングハンドル41により斜板角度の変更操作が連動して行われる。尚、ステアリングハンドル41が直進方向である場合、つまり、旋回操作がされない場合には、前記可動斜板11Fa・11Baは中立位置(斜板傾倒角度ゼロ)となるように設定されており、旋回用油圧ポンプ11FP・11BPからの作動油の吐出は行われないようにしている。また、リバースロジック機構45は、後述の走行ペダル43の操作方向に応じて前記リンク42aの移動方向を切り替えるものである。尚、走行ペダル43の操作方向は、図示せぬリンクや、電気的信号等によりリバースロック機構45に入力される構成とするものであり、その形態については、特に限定されるものでない。同じく、前記走行用油圧ポンプ12FP・12BPは、それぞれ、可動斜板12Fa・12Baを備える可変容積型とするものである。前記両可動斜板12Fa・12Baは、リンク44を介して接続される走行ペダル43により斜板角度の変更操作が連動して行われる。尚、走行ペダル43が操作されない場合、つまり、車両が停車中では、前記両可動斜板12Fa・12Baは中立状態(斜板傾倒角度ゼロ)となるように設定されており、走行用油圧ポンプ12FP・12BPからの作動油の吐出は行われないようにしている。また、以上の可動斜板11Fa・11Ba・12Fa・12Baの作動は、機械的リンクによる他、油圧アクチュエータ等により作動するものであってもよく、また、ステアリングハンドル41、走行ペダル43の操作方向や操作量を電気的に検知してコントロールされるようにしてもよい。また、前記ポンプ軸13Fは、チャージポンプ15をも回転駆動するようにしており、該チャージポンプ15により油タンク17からチャージ回路18に汲み上げた作動油を、チェックバルブ18a・18b・・・を介して各油圧ポンプ11FP・12FP・11BP・12BPの回路にチャージするようにしている。また、前記チャージ回路18には、チャージリリーフバルブ16が設けられている。また、以上のタンデムポンプユニット70は、車軸駆動装置2・3とは分離して構成されるものであり、車体フレーム等に搭載されるものである。
【0025】
また、図6に示すごとく、前記タンデムポンプユニット70は、前側車軸駆動装置2及び後側車軸駆動装置3に備える油圧モータ21M・22M・31M・32Mに配管71・72・73・74にて流体接続される。タンデムポンプユニット70の走行用油圧ポンプ12FPは、配管71を介して前側車軸駆動装置2内の走行用油圧モータ22Mに流体接続される。同様に、走行用油圧ポンプ12FBは、配管72を介して後側車軸駆動装置3内の走行用油圧モータ32Mに流体接続される。各走行用油圧モータ22M・32Mの出力は、各車軸駆動装置2・3において、モータ軸56、小径ギア57、大径ギア58を介して、走行用差動装置25・35に入力されることにより、車軸52L・52R、車軸53L・53Rが回転駆動される。尚、走行用差動装置25・35は、前後の車軸駆動装置2・3において同一構成とするものであり、サンギア61L・61R、キャリア62L・62R、プラネタリギア63・63・・、インターナルギア64L・64Rより遊星歯車機構に構成される。また、走行用油圧モータ22M・32Mのモータ軸56の一側端部にはブレーキ装置59が設けられている。一方、タンデムポンプユニット70内の旋回用油圧ポンプ11FPは、配管73を介して前側車軸駆動装置2内の旋回用油圧モータ21Mに流体接続される。同様に、旋回用油圧ポンプ11BPは、配管74を介して後側車軸駆動装置3内の旋回用油圧モータ31Mに流体接続される。各旋回用油圧モータ21M・31Mの出力は、旋回用差動装置24・34に入力され、各車軸駆動装置2・3において左右の車軸52L・52R、車軸53L・53Rを差動回転させる。尚、該旋回用差動装置24・34は、前後の車軸駆動装置2・3において同一構成とするものであり、旋回用油圧モータ21M・31Mの出力は、該旋回用油圧モータ21M・31Mのモータ軸65に取付けたベベルギア66より左右に分岐され、第一中間ギア67L・67R、第二中間ギア68L・68Rを逆方向に回転させ、前記インターナルギア64L・64Rの一方を増速、他方を減速するように構成される。
【0026】
以上のように、各車軸駆動装置2・3においては、走行用差動装置25・35、及び旋回用差動装置24・34により、それぞれ、差動機構20・30が構成される。そして、前記各車軸駆動装置2・3において、各々の前記走行用油圧モータ22M・32Mを各々の走行用油圧ポンプ12FP・12BPに流体接続し、各々の前記旋回用油圧モータ21M・31Mを各々の旋回用油圧ポンプ11FP・11BPに流体接続するとともに、各々の前記走行用油圧モータ22M・32Mと各々の前記旋回用油圧モータ21M・31Mとが車軸駆動装置2・3と一体的に構成され、各々の前記走行用油圧ポンプ12FP・12BPと各々の旋回用油圧ポンプ11FP・11BPとがそれぞれの前記車軸駆動装置2・3より分離して構成されている。このように構成される油圧駆動車両100では、ステアリングハンドル41が直進方向に保持される場合では、各旋回用油圧ポンプ11FP・11BPによる旋回用油圧モータ21M・31Mへの作動油の供給が行われないため、各車軸駆動装置2・3にて車軸52L・52R、車軸53L・53Rが差動回転することがない。これにより、前記走行ペダル43を前進側、或いは後進側に操作すると、走行用油圧ポンプ12FP・12BPから走行用油圧モータ22M・32Mへ作動油が供給され、走行用差動装置25・35より車軸52L・52R、車軸53L・53Rは同一の回転数で駆動され、油圧駆動車両100が直進することになる。一方、ステアリングハンドル41が旋回操作された場合には、旋回用油圧ポンプ11FP・11BPから旋回用油圧モータ21M・31Mへの作動油の供給が行われる。そして、ステアリングハンドル41の旋回の方向によって作動油の流れの方向が切り替わるため、ステアリングハンドル41による右旋回操作と、左旋回操作では、各油圧モータ21M・31Mのモータ軸65の回転方向が逆となる。これにより、右旋回操作とする場合には、車軸52R・53Rの回転数が減少する一方、車軸52L・53Lの回転数が増加し、油圧駆動車両100が右方向に旋回される。左旋回操作の場合では、この逆となる。また、前記リバースロジック機構45により、前進の場合と後進の場合における可動斜板11aの傾倒方向が切り替わるため、前進・後進のいずれの場合においても、右旋回操作と左旋回操作のためのステアリングハンドル操作41の方向は同じとなる。
【0027】
そして、以上の構成によれば、前後の車軸52L・52R、車軸53L・53Rの回転数の同期が、配管71・72・73・74を介してインラインで行われることから、従来の駆動チェンや駆動ベルトによる回転数の同期の構成に比べ、駆動伝達系のレイアウトのシンプル化が図られる。また、旋回用、走行用の油圧ポンプの斜板操作を、ステアリングハンドル41及び走行ペダル43により行うことにより、自動車感覚の操作性とすることができる。また、斜板操作のみが必要とされるため、操作系のリンク設計は簡易なものとなる。また、このリンク設計においては、走行用油圧ポンプ12FP・12BPの可動斜板12Fa・12Baを連動操作し、旋回用油圧ポンプ11FP・11BPの可動斜板11Fa・11Baを連動操作する構成としているため、一つのステアリングハンドル41による二つの可動斜板12Fa・12Baの操作、同じく一つの走行ペダル43による二つの可動斜板11Fa・11Baの操作を可能としており、前記自動車感覚の操作性を実現している。また、旋回用油圧ポンプ11FPと走行用油圧ポンプ12FP、さらに、旋回用油圧ポンプ11BPと走行用油圧ポンプ12BPとが、それぞれ共通の入力軸を通じて駆動される一つのタンデムポンプユニット70を構成しているので、油圧ポンプの配置に必要となるスペースを縮小して車両全体のコンパクト化が図られるとともに、部品点数削減による製作コスト削減が図られる。また、該タンデムポンプ70が前記車軸駆動装置2・3より分離して構成されているため、前後の車軸駆動装置2・3を共通化することができ、部品点数削減による製作コスト削減が図られる。
【0028】
(4)第四の実施形態
本実施形態は、図8に示すごとく、旋回用油圧ポンプ11FPと走行用油圧ポンプ12FPとからなるタンデムポンプユニット70Fと、旋回用油圧ポンプ11BPと走行用油圧ポンプ12BPとからなるタンデムポンプユニット70Bとを、別体に構成し、両タンデムポンプユニット70F・70Bが、それぞれポンプ軸13F・13Bにて駆動される構成とし、両ポンプ軸13F・13Bが、ベルトやプーリ等からなる駆動伝達手段37により同期回転するように構成されるものである。他の構成については、上記第三の実施形態と同等である。本実施形態では、両タンデムポンプユニット70F・70Bが別体に構成されるため、これらポンプユニット70F・70Bの車体フレーム等への配置レイアウトの自由度が広いものとなっている。尚、各車軸駆動装置2・3においては、ポンプユニット70F・70Bを構成するほか、旋回用油圧ポンプ11FP、走行用油圧ポンプ12FP、旋回用油圧ポンプ11BP、走行用油圧ポンプ12BPをそれぞれ別体に構成し、各別にポンプ軸を駆動する構成としてもよい。
【0029】
(5)第五の実施形態
本実施形態では、上記構成の油圧駆動車両1・100において、前記両車軸駆動装置2・3のうちの一つの車軸駆動装置の車軸に取り付ける車輪の径長を、他の車軸駆動装置の車軸に取り付ける車輪の径長と異なるものとし、当該径長の差に対応すべく、同期し合う両走行用油圧モータ22M・32M間、および同期し合う両旋回用油圧モータ21M・31M間にて、出力回転速度差を設けて、両車軸駆動装置間での車輪走行速度差をなくす構成とするものである。また、前記両走行用油圧モータ22M・32Mのうち少なくとも一つ、または前記両旋回用油圧モータ21M・31Mのうち少なくとも一つを可変容積型とし、その容積調整により、前記の出力回転速度差を設ける構成とするものである。図9に示す構成では、前側の車軸駆動装置2に配される車輪2L・2Rの径長を小さくするものであり、可変容積型とした走行用油圧モータ22Mの斜板角を調整して容積を小さくすることで、車軸52L・52Rの回転数を、車軸53L・53Rの回転数よりも大きくすることにより、前後の車輪2L・2R、車輪3L・3Rの走行速度差をなくす構成とするものである。また、図10に示す構成では、前側の車軸駆動装置2に配される車輪2L・2Rの径長を小さくするものであり、走行用油圧モータ22Mを走行用油圧モータ32Mよりも容積の小さい固定容積型とするとともに、さらに、旋回用油圧モータ21Mを可変容積型とし、車両の直進時における前後の車輪2L・2R、車輪3L・3Rの走行速度差をなくすとともに、旋回時においては、旋回用油圧モータ21Mの回転数を大きくして、左右の車輪2L・2Rの差動回転を大きくする構成とすることにより、旋回時に前輪側が増速される旋回性の優れた車両とすることもできる。
【0030】
以上の実施形態では、前後の車輪2L・2R、車輪3L・3Rを異径とする場合でも、前後の車輪2L・2R、車輪3L・3Rの間での車輪走行速度差をなくすことで、車両の直進走行を可能としている。このようにして、車輪の径長の自由な設定が可能となる。例えば、車体の重量バランスを後側に位置させる車両設計においては、後輪を大径とすることで大重量に対応させることや、ホイールローダ等において前輪を小径としてバケットアームのレイアウトを確保する等、最適な車両設計ができるようになる。尚、上述の出力回転速度差をなくすための構成については、油圧モータを可変容積型とすることや、固定容積型の油圧モータの容積を前後の車軸駆動装置2・3で異ならせることによる他、差動機構20・30の減速比を異ならせることでも生じさせることができる。また、特に図5、図8に示される構成においては、駆動伝達手段37における前後のプーリ比を変更することで対応できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1に記載のごとく、車体の前後に配置される一対の車軸駆動装置(2・3)のそれぞれに、一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を差動連結する差動機構(20・30)を設け、各差動機構(20・30)につき、前記一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を同一速度で駆動するための走行用油圧モータ(22M・32M)と、前記一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を差動回転させるための旋回用油圧モータ(21M・31M)とを設けており、前記両差動機構(20・30)の走行用油圧モータ(22M・32M)同士の出力を同期させているとともに、前記差動機構(20・30)の旋回用油圧モータ(21M・31M)同士の出力を同期させているので、従来の駆動チェンや駆動ベルトによる回転数の同期の構成に比べ、駆動伝達系のレイアウトのシンプル化が図られる。また、前後車軸間で駆動チェンを巻回するためのスペースが必要とされることもなく、グラウンドクリアランスの十分な確保が可能となる。
【0032】
請求項2に記載のごとく、前記両車軸駆動装置(2・3)のうちの一つの車軸駆動装置(2)の車軸に取り付ける車輪(2L・2R)の径長を、他の車軸駆動装置(3)の車軸に取り付ける車輪(3L・3R)の径長と異なるものとし、当該径長の差に対応すべく、同期し合う両走行用油圧モータ(22M・32M)間、および同期し合う両旋回用油圧モータ(21M・31M)間にて、出力回転速度差を設けて、両車軸駆動装置(2・3)間での車輪走行速度差をなくしているので、車輪の径長の自由な設定が可能となる。
【0033】
請求項3に記載のごとく、前記両走行用油圧モータ(22M・32M)のうち少なくとも一つ、または、前記両旋回用油圧モータ(21M・31M)のうち少なくとも一つを可変容積型とし、その容積調整により、前記の出力回転速度差を設けているので、前後の車輪での車輪走行速度差をなくすことで、車両の直進走行が可能となる。
【0034】
請求項4に記載のごとく、前記両車軸駆動装置(2・3)のうち、少なくとも一つの車軸駆動装置において、前記走行用油圧モータ(22M)を走行用油圧ポンプ(12P)に流体接続し、前記旋回用油圧モータ(21M)を旋回用油圧ポンプ(11P)に流体接続するとともに、前記走行用油圧ポンプ(12P)と前記旋回用油圧ポンプ(11P)とが、一体的に構成され、該走行用油圧ポンプ(12P)と該旋回用油圧ポンプ(11P)とが前記車軸駆動装置(2・3)より分離して構成されているので、前後の車軸駆動装置を共通化することができ、部品点数削減による製作コスト削減が図られる。
【0035】
請求項5に記載のごとく、前記走行用油圧ポンプ(12P)と前記旋回用油圧ポンプ(11P)とは共通の入力軸(13)を通じて駆動される構造としているので、油圧ポンプの配置に必要となるスペースを縮小して車両全体のコンパクト化が図られるとともに、部品点数削減による製作コスト削減が図られる。
【0036】
請求項6に記載のごとく、前記各車軸駆動装置(2・3)において、各々の前記走行用油圧モータ(22M・32M)を各々の走行用油圧ポンプ(12FP・12BP)に流体接続し、各々の前記旋回用油圧モータ(21M・31M)を各々の旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)に流体接続するとともに、各々の前記走行用油圧モータ(22M・32M)と各々の前記旋回用油圧モータ(21M・31M)とがそれぞれの車軸駆動装置(2・3)と一体的に構成され、各々の前記走行用油圧ポンプ(12FP・12BP)と、各々の旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)とがそれぞれの前記車軸駆動装置(2・3)毎に、分離して構成されているので、前後の車軸駆動装置を共通化することができ、部品点数削減による製作コスト削減が図られる。
【0037】
請求項7に記載のごとく、各々の前記走行用油圧ポンプ(12FP ・12BP)と、各々の前記旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)とは共通の入力軸(13F・13B)を通じて駆動される構造としているので、油圧ポンプの配置に必要となるスペースを縮小して車両全体のコンパクト化が図られるとともに、部品点数削減による製作コスト削減が図られる。
【0038】
請求項8に記載のごとく、前記両走行用油圧モータ(22M・32M)または前記両旋回用油圧モータ(21M・31M)のうち、少なくともいずれかが、一つの油圧ポンプ(11P・12P)の回路上に直列に設けられているので、二つの油圧モータの駆動を一つの油圧ポンプでまかなう構成とし、部品点数の削減が図られたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る油圧駆動車両の第一の実施形態の構成を示す図である。
【図2】 同実施形態のタンデムポンプの油圧回路構成を示す図である。
【図3】 同じくタンデムポンプの構成を示す側面一部断面図である。
【図4】 同じく油圧モータの構成を示す平面一部断面図である。
【図5】 本発明に係る油圧駆動車両の第二の実施形態を示す図である。
【図6】 本発明に係る油圧駆動車両の第三の実施形態を示す図である。
【図7】 同実施形態のタンデムポンプの油圧回路構成を示す図である。
【図8】 本発明に係る油圧駆動車両の第四の実施形態を示す図である。
【図9】 本発明に係る油圧駆動車両の第五の実施形態を示す図である。
【図10】 同実施形態において旋回用油圧モータを可変容積型としたものを示す図である。
【符号の説明】
2・3 車軸駆動装置
20・30 差動機構
21M・31M 旋回用油圧モータ
22M・32M 走行用油圧モータ
52L・52R 車軸
53L・53R 車軸

Claims (8)

  1. 車体の前後に配置される一対の車軸駆動装置(2・3)のそれぞれに、一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を差動連結する差動機構(20・30)を設け、各差動機構(20・30)につき、前記一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を同一速度で駆動するための走行用油圧モータ(22M・32M)と、前記一対の車軸(52L・52R)(53L・53R)を差動回転させるための旋回用油圧モータ(21M・31M)とを設けており、前記両差動機構(20・30)の走行用油圧モータ(22M・32M)同士の出力を同期させているとともに、前記差動機構(20・30)の旋回用油圧モータ(21M・31M)同士の出力を同期させている、ことを特徴とする油圧駆動車両。
  2. 前記両車軸駆動装置(2・3)のうちの一つの車軸駆動装置(2)の車軸に取り付ける車輪(2L・2R)の径長を、他の車軸駆動装置(3)の車軸に取り付ける車輪(3L・3R)の径長と異なるものとし、当該径長の差に対応すべく、同期し合う両走行用油圧モータ(22M・32M)間、および同期し合う両旋回用油圧モータ(21M・31M)間にて、出力回転速度差を設けて、両車軸駆動装置(2・3)間での車輪走行速度差をなくしている、ことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動車両。
  3. 前記両走行用油圧モータ(22M・32M)のうち少なくとも一つ、または、前記両旋回用油圧モータ(21M・31M)のうち少なくとも一つを可変容積型とし、その容積調整により、前記の出力回転速度差を設けている、ことを特徴とする請求項2記載の油圧駆動車両。
  4. 前記両車軸駆動装置(2・3)のうち、少なくとも一つの車軸駆動装置において、前記走行用油圧モータ(22M)を走行用油圧ポンプ(12P)に流体接続し、前記旋回用油圧モータ(21M)を旋回用油圧ポンプ(11P)に流体接続するとともに、前記走行用油圧ポンプ(12P)と前記旋回用油圧ポンプ(11P)とが、一体的に構成され、該走行用油圧ポンプ(12P)と該旋回用油圧ポンプ(11P)とが前記車軸駆動装置(2・3)より分離して構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動車両。
  5. 前記走行用油圧ポンプ(12P)と前記旋回用油圧ポンプ(11P)とは共通の入力軸(13)を通じて駆動される構造としている、ことを特徴とする請求項4記載の油圧駆動車両。
  6. 前記各車軸駆動装置(2・3)において、各々の前記走行用油圧モータ(22M・32M)を各々の走行用油圧ポンプ(12FP・12BP)に流体接続し、各々の前記旋回用油圧モータ(21M・31M)を各々の旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)に流体接続するとともに、各々の前記走行用油圧モータ(22M・32M)と各々の前記旋回用油圧モータ(21M・31M)とがそれぞれの車軸駆動装置(2・3)と一体的に構成され、各々の前記走行用油圧ポンプ(12FP・12BP)と、各々の旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)とがそれぞれの前記車軸駆動装置(2・3)毎に、分離して構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動車両。
  7. 各々の前記走行用油圧ポンプ(12FP ・12BP)と、各々の前記旋回用油圧ポンプ(11FP・11BP)とは共通の入力軸(13F・13B)を通じて駆動される構造としている、ことを特徴とする請求項6記載の油圧駆動車両
  8. 前記両走行用油圧モータ(22M・32M)または前記両旋回用油圧モータ(21M・31M)のうち、少なくともいずれかが、一つの油圧ポンプ(11P・12P)の回路上に直列に設けられている、ことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動車両。
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