JPH08219253A - 多連式hst - Google Patents

多連式hst

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JPH08219253A
JPH08219253A JP2376195A JP2376195A JPH08219253A JP H08219253 A JPH08219253 A JP H08219253A JP 2376195 A JP2376195 A JP 2376195A JP 2376195 A JP2376195 A JP 2376195A JP H08219253 A JPH08219253 A JP H08219253A
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pump
port block
motor
housing
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健次 新宮
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克臣 宇城
Yasuo Sugiura
泰雄 杉浦
Norihiko Sakamoto
訓彦 坂本
Koji Sakata
浩二 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧にて操向変速及び走行制御する走行車輌
に搭載する2ポンプ2モーター式のHSTにおいて、単
体HSTを複数個搭載することによる配設スペース、配
管等の問題を解消することを目的とする。 【構成】 ポートブロックPBを共用する、入力上手側
の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりなる多連式
HSTを構成し、ポンプ軸PS1・PS2を、直結、或
いはギア噛合等で連動させるか、またはモーター軸MS
1にポンプ軸PS2を連動させる構成にし、ハウジング
を分割した構成については、一つのハウジングに油戻し
口を設け、ポートブロックにハウジング同士を連通する
油路を穿設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧式の操向装置と走
行変速装置を併用するような農業機械や建設機械等に利
用され、着脱作業の容易化や油圧系の簡略化を図ること
を目的として構成した多連式HSTに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば走行用(前後進切換用、及
び走行変速用)と操向用(芯地旋回用)にHSTを使用
する走行車輌においては、図42の如く、走行用HST
と操向用HSTの別個の単体HSTを用意し、機関(エ
ンジン)より各HSTに並列的にポンプ入力していた。
(なお、図42中、P1は走行用HSTのポンプ、M1
は同じくモーター、P2は操向用HSTのポンプ、M2
は同じくモーター、g1・g2は減速ギア、Gは正逆転
切換用ギア機構、MAは中央車軸、LAは左車軸、RA
は右車軸であり、各部材の説明は、後の実施例における
図1の説明にて詳説する。)また、単体HSTにおける
油戻し構造については、実開昭60−89454、実開
昭60−162767、実開昭60−182557にて
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、複数の用途に
複数のHSTを使用する場合に、従来のように単体のH
STを複数個使用する方法では、各HSTについて別個
に、機関からの入力機構や、チャージポンプ、或いは配
管用のポートブロック等を設けなければならず、更に
は、油戻し構造も、従来は単体のHSTについてのみ開
示されていたものであって、これも各HSTにつき別個
に設けなければならず、構造が複雑化するとともに部品
点数が多く、コスト高を引き起こし、配設スペースも広
く取る必要があり、着脱作業も煩雑となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いるもので
ある。即ち、一つのポートブロックを共用する入力上手
側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりなる多連
式HSTであって、第一・第二HSTのポンプ同士を、
ポートブロックを隔てて直列に配設して、両ポンプ軸を
直結し、第一・第二HSTのモーター同士をポートブロ
ックの一面において並列に配設し、かつ、両モーターが
両ポンプに対して並列となるよう配設した。
【0005】また、前記構成の多連式HSTにおいて、
第一HSTを走行用に、第二HSTを操向用に適用し
た。
【0006】また、前記構成の多連式HSTにおいて、
ポートブロックの同一面に配設した一つのポンプと両モ
ーターを一体のハウジングにて構成した。
【0007】また、一つのポートブロックを共用する入
力上手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりな
る多連式HSTであって、ポートブロックの一面におい
て、第一・第二HSTのポンプ同士、第一・第二HST
のモーター同士、及び両モーターと両ポンプ同士が並列
となるよう配設し、かつ、両ポンプ軸をギア噛合させ
た。
【0008】また、一つのポートブロックを共用する入
力上手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりな
る多連式HSTであって、ポートブロックの一面に第一
HSTのポンプとモーターを並列に、ポートブロックの
他面に第二HSTのポンプとモーターを並列に配設し、
かつ、第一HSTのモーターと第二HSTのポンプを直
列に配設するとともに、第一HSTのモーター軸と第二
HSTのポンプ軸とを直結した。
【0009】また、一つのポートブロックを共用する入
力上手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりな
る多連式HSTであって、第一・第二HSTの両ポンプ
を、両ポンプ軸が水平方向になるように、ポートブロッ
クに直列又は並列に配設するとともに、ポートブロック
底面において、第一・第二HSTの両モーターを、両モ
ーター軸が垂直方向となるように、並列配設した。
【0010】また、一つのポートブロックを共用する入
力上手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりな
る多連式HSTであって、各ポンプ及びモーターの中の
一つまたは幾つかを内設する複数のハウジングをポート
ブロックに取り付けた構成のものにおいて、いずれか一
つのハウジングに油戻し口を設け、かつ、ポートブロッ
ク内に、油戻し口を設けたハウジングと他の各ハウジン
グとを連通させる油路を穿設した。
【0011】また、一つのポートブロックを共用する入
力上手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりな
る多連式HSTにおいて、いずれか一つのポンプ軸の端
部にチャージポンプを装着し、チャージポンプより吐出
する作動油を、ポートブロックを介して、第一・第二各
HSTに供給するよう構成した。
【0012】
【作用】上記の全ての多連式HSTにおいて、第一HS
Tと第二HSTは、一つのポートブロックを共用するこ
とにより、各HSTにつき別個にポートブロックを設け
る必要なく、また、配管も一箇所に集中される。
【0013】第一・第二HSTのポンプ同士を、ポート
ブロックを隔てて直列に配設して、両ポンプ軸を直結
し、第一・第二HSTのモーター同士をポートブロック
の一面において並列に配設し、かつ、両モーターが両ポ
ンプに対して並列となるよう配設した多連式HSTにお
いては、第二HSTのポンプ軸が第一HSTのポンプ軸
の駆動に連動し、第二HSTにおける入力機構が不要と
なる。
【0014】この構成の多連式HSTにおいて、ポンプ
軸の直結は、カップリング部材を使用するのが普通だ
が、このような部材を介設して下手側にある第二HST
のポンプ軸の駆動信頼性は、入力上手側の第一HSTの
ポンプ軸よりも劣る。そこで、この多連式HSTを走行
(前後進切換及び走行変速)用と操向用に用いる場合に
は、使用頻度から考慮して、第一HSTを頻度の高い走
行用HSTとすることが有効である。また、ポートブロ
ックの同一面に配設されることとなる一つのポンプと二
つのモーター(例えば第一HSTのモーターと第二HS
Tのポンプ及びモーター)は、一つのハウジングで一体
化することで、着脱も容易化し、コンパクトとなる。
【0015】また、ポートブロックの一面において、第
一・第二HSTのポンプ同士、第一・第二HSTのモー
ター同士、及び両モーターと両ポンプ同士が並列となる
よう配設し、かつ、両ポンプ軸をギア噛合させた構成の
多連式HSTにおいては、前記構成の多連式HSTに比
して、ポートブロック中におけるカップリング部材等に
よる両ポンプ軸の直結スペースが不要であり、その分、
ポートブロックを薄くでき、軽量化に繋がる。
【0016】また、ポートブロックの一面に第一HST
のポンプとモーターを並列に、ポートブロックの他面に
第二HSTのポンプとモーターを並列に配設し、かつ、
第一HSTのモーターと第二HSTのポンプを直列に配
設するとともに、第一HSTのモーター軸と第二HST
のポンプ軸とを直結した構成の多連式HSTにおいて
は、第二HSTのポンプ軸が第一HSTのモーター軸の
駆動速度と等しくなるので、第一HSTを走行用に、第
二HSTを操向用に適用すれば、走行速度に対して旋回
反応速度が比例し、車速の変位に関わらず、同一旋回半
径が得られる。
【0017】また、第一・第二HSTの両ポンプを、両
ポンプ軸が水平方向になるように、ポートブロックに直
列又は並列に配設するとともに、ポートブロック底面に
おいて、第一・第二HSTの両モーターを、両モーター
軸が垂直方向となるように、並列配設した構成の多連式
HSTにおいては、並列状の両ポンプを、トランスミッ
ションケースの上端を水平面にして、この上面に取り付
け、また、ポンプ軸も鉛直方向にトランスミッションケ
ース内に入軸させることができて、前記構成の多連式H
STが、モーター軸が水平方向となることから、トラン
スミッションケースの側方に取り付けられ、モーター軸
をトランスミッションケースに水平方向に入軸する構成
に比して、強度面で優れている。
【0018】また、幾つかに分割したハウジングをポー
トブロックに取り付けた構成の多連式HSTにおいて
は、一つのハウジングに油戻し口を設け、このハウジン
グより他のハウジングに連通する油路をポートブロック
内に穿設することにより、両HSTの全ポンプ及び全モ
ーターからの戻し油を、一つの油戻し口より一括的に抜
くことができる。
【0019】また、チャージポンプは、機関動力が駆動
している限り常時駆動するポンプ軸にて駆動されるよう
装着されるが、これを一つのポンプ軸の端部に装着し、
チャージポンプより吐出する作動油を、ポートブロック
を介して、第一・第二各HSTに供給するよう構成する
ことで、一つのチャージポンプで全HSTのポンプ及び
モーターに一括的に作動油供給できる。
【0020】
【実施例】本発明を、添付の図面を基にする実施例によ
り説明する。図1は多連式HSTを油圧変速式操向装置
に適用した場合のスケルトン図、図2は正逆切換用ギア
機構Gの内部構成を示す図1の拡大図、図3はポンプP
1・P2直結型の多連式HSTの一実施例であるハウジ
ングH1・H2・H3よりなる多連式HSTを示す正面
断面図、図4は同じく右側面図、図5はポートブロック
PB1の左側面図、図6は同じく右側面図、図7は同じ
くX−X断面図、図8は同じくY−Y断面図、図9は同
じく平面図、図10は同じく底面図、図11は同じくZ
−Z断面図、図12は同じく正面図、図13は同じく正
面断面図、図14はポンプP1・P2直結型の多連式H
STの一実施例であるハウジングH1・H4・H5より
なる多連式HSTのトランスミッションケースTMへの
取付構成を示す正面断面図、図15は同じく多連式HS
Tの正面断面図、図16は同じく右側面図、図17は同
じく平面断面図、図18はポートブロックPB2の左側
面図、図19は同じく右側面図、図20は同じくX’−
X’断面図、図21は同じくY’−Y’断面図、図22
は同じく正面図、図23は同じく平面図、図24はポン
プP1・P2直結型の多連式HSTの一実施例であるハ
ウジングH1・H6よりなる多連式HSTの正面断面
図、図25は同じく右側面図、図26はポンプP1・P
2並列型の多連式HSTのポンプP1・モーターM1の
配列構成を示す正面断面図、図27は同じくポンプP2
・モーターM2の配列構成を示す正面断面図、図28は
同じく左側面図、図29は同じく平面一部断面図、図3
0はモーターM1・ポンプP2連動型の多連式HSTの
正面断面図、図31は同じく左側面図、図32は同じく
右側面図、図33はポンプ軸・モーター軸直交型の多連
式HSTの一実施例であるポンプP1・P2直列型の多
連式HSTの正面断面図、図34は同じく左側面図、図
35はポンプ軸・モーター軸直交型の多連式HSTの一
実施例であるポンプP1・P2並列型の多連式HSTの
トランスミッションケースTMへの取付構成を示す正面
断面図、図36は同じく多連式HSTの正面断面図、図
37は同じく平面一部断面図、図38は同じく左側面
図、図39はポンプ軸・モーター軸直交型の多連式HS
Tの一実施例であるモーターM1・ポンプP2連動型の
多連式HSTの正面断面図、図40は同じく平面断面
図、図41は同じく左側面図である。
【0021】まず、図1より、多連式HSTを基とする
駆動系の概略構成を説明する。多連式HSTは、ポンプ
P1及びモーターM1よりなる第一HSTと、ポンプP
2及びモーターM2よりなる第二HSTを組み合わせて
構成されたものであって、この実施例では、第一HST
を走行用HSTに、第二HSTを操向用HSTに適用し
て、多連式HSTを油圧変速式操向装置に組み込んだ実
施例を開示している。この多連式HSTを有する油圧変
速式操向装置は、芯地旋回を必要とするクローラ走行装
置を有する建設機械(例えばバックホー)や農業機械
(例えばコンバイン)等に採用される。
【0022】機関(エンジン)の出力軸は、入力上手側
である走行用HSTのポンプP1に入軸され、ポンプP
1のポンプ軸を駆動し、このポンプ軸の駆動を基に走行
用HSTのモーターM1が駆動され、モーターM1の出
力軸を、減速ギアg1・g2の噛合を介して中央車軸M
Aに伝動しており、中央車軸MAの回転駆動は、正逆転
切換用ギア機構Gを介して、左右に突設された左右車軸
LA・RAに伝動される。図2により詳説すると、中央
車軸MAの両端に、リングギア39が固設されており、
各リングギア39内側のギア部には、二個の遊星ギア4
0・40を噛合させ、一リングギア39内の二個の遊星
ギア40・40間には太陽ギア41を介設噛合させてい
る。更に、各リングギア39内における二個の遊星ギア
40・40の中心に遊嵌された軸同士を連結して構成し
た連結部材42に、左右車軸LA・RAの各内側端を固
着しており、各左右車軸LA・RAは、各太陽ギア41
の中心部に遊嵌して左右に突出させている。このような
ギア機構により、モーターM1の出力軸より伝動されて
回転駆動する中央車軸MAと一体に左右リングギア39
・39が自転し、これによって、各リングギア39内の
二個の遊星ギア40・40が太陽ギア41を動かすこと
なく、その周囲を公転し、この公転駆動にて連結部材4
2が回転し、左右車軸LA・RAが連結部材42・42
と一体的に回転駆動して、走行するものである。
【0023】一方、走行用HSTの駆動(ポンプP1の
駆動、或いはモーターM1の駆動)を基に、入力下手側
の操向用HSTが駆動され(即ち、ポンプP2が駆動
し、それを基にモーターM2が駆動され)、モーターM
2の出力軸が正逆転切換用ギア機構Gに入軸されてい
て、この出力軸が回転駆動している場合に、その回転方
向によって、正逆転切換用ギア機構Gを介して、中央車
軸MAを左又は右に傾斜させて、中央車軸MA、正逆転
切換用ギア機構G、及び左右車軸LA・RAを一体に左
右に旋回させる。図2により詳説すると、モーターM2
の出力軸端にベベルギア43が固設されていて、その両
側にデフサイドギア44・44が噛合し、各デフサイド
ギア44のギア軸がデフヨーク軸45となっていて、そ
の外端部に固設した小ギア46を、前記の太陽ギア41
の外側に延設されて、左右車軸LA・RAを遊嵌する大
ギア47に噛合させている。モーターM2の出力軸及び
ベベルギア43が回転すると、左右のデフサイドギア4
4・44は、互いに反対方向に従動回転する。従って、
小ギア46・大ギア47を介して、左右の太陽ギア41
・41が互いに反対方向に回転する。太陽ギア41の回
転(自転)方向が、遊星ギア40・40の公転方向と同
じ側では、遊星ギア40・40の公転速度が増速され、
従って、その側の車軸LA又はRAの回転速度は増速さ
れる。その反対側では、太陽ギア41の回転方向が、遊
星ギア40・40の公転方向の逆方向となり、遊星ギア
40・40の公転速度は減速されて、この側の車軸LA
又はRAの回転速度は減速される。即ち、正逆転切換用
ギア機構Gは、差動装置となっている。また、遊星ギア
40・40の公転方向と逆方向に自転する太陽ギア41
の自転速度が、遊星ギア40・40の公転速度に比して
高くなると(或いは、走行停止により遊星ギア40・4
0が公転停止している場合に、太陽ギア41が逆回転す
ると)、遊星ギア40・40が太陽ギア41の回転方向
に回転して、その側の車軸LA又はRAは逆転駆動する
こととなる。
【0024】これにより、走行駆動中は、旋回側の車軸
を減速し、反対側の車軸を増速して旋回するものであ
り、走行停止、或いは走行速度が一定以下の場合には、
旋回側の車軸は逆転駆動し、反対側の車軸は正転駆動し
て、芯地旋回する構成となっている。モーターM2の出
力軸が駆動されていない場合は、左右車軸LA・RAは
両方等速度に正転駆動し、直進する。(後進時は、両方
とも同一速度で逆転駆動していることとなる。)
【0025】前記の図42に示す従来の、単体HSTを
併設して、それぞれ走行用と操向用に適用していた場合
に比べると、機関(エンジン)の出力軸が一つであって
も、それに対して、入力機構は、走行用HSTのポンプ
P1について設けるだけでよく、従来において、機関の
出力系を分岐させて、操向用HSTのポンプP2に入力
させる入力機構は不要となる。即ち、多連式HSTは、
まず、機関(エンジン)に対しての入力機構が一つです
むのである。
【0026】以下の多連式HSTの各実施例は、いずれ
も図1図示の駆動系を採用し、多連式HSTの入力上手
側である第一HSTを走行用HSTに、入力下手側であ
る第二HSTを操向用HSTに採用していることを前提
としている。また、いずれの多連式HSTも、正逆転切
換用ギア機構Gを内設し、左右車軸LA・RA及び中央
車軸MAを軸支するトランスミッションTMに取り付け
られている。
【0027】また、各実施例の多連式HSTについて、
各ポンプP1・P2及び各モーターM1・M2の各内部
構成は同様であるので、まず、これについて図3図示の
多連式HSTを基に説明しておく。各ポンプP1・P2
及び各モーターM1・M2とも作動油を満たしたハウジ
ング内にて構成されており、それぞれポンプ軸PS1・
PS2及びモーター軸MS1・MS2を軸支して、これ
にプランジャを内設するシリンダーブロックCBを環設
固定し、弁板を介して、ポートブロックPB(以下のポ
ートブロックPB1〜PB8の総称をポートブロックP
Bとする。)の側面に対峙させている。また、各ポンプ
P1・P2において、各ポンプ軸PS1・PS2には、
各シリンダーブロックCBの上手側において、各々ポン
プ操作レバーL1・L2にて操作される可動斜板1・2
を遊嵌環設しており、各モーターM1・M2において
は、各モーター軸MS1・MS2の各シリンダーブロッ
クCB下手側部位に固定斜板3・4を遊嵌環設してい
る。該ポンプ操作レバーL1・L2は、オペレーターが
操作する変速レバー及び旋回用ハンドルに対して、各々
リンク機構にて連結されている(図示せず)。
【0028】第一HSTのポンプP1は、多連式HST
における入力上手位置のポンプであるので、機関(エン
ジン)より動力を入力する。従って、ポンプ軸PS1
は、ハウジングより外部に突出させ、この部位に入力プ
ーリー5を環設固定している。また、各モーターM1・
M2のモーター軸MS1・MS2は、第一・第二各HS
Tの出力軸として、ハウジングより突出させて、トラン
スミッションケースTM内に入軸させる。
【0029】以上のことを前提として、以下、多連式H
STの各実施例について説明する。まず、図3乃至図2
5図示のポンプP1・P2直列型の多連式HSTより説
明する。図3乃至図25においては、三つの多連式HS
Tの実施例が開示されているが、これらの実施例の多連
式HSTは、いずれも、第一HSTのポンプP1一つを
内設するハウジングH1をポートブロックPBの一側面
に取り付け、一方、ポートブロックPBの反対側の側面
に、第二HSTのポンプP2、第一・第二HSTのモー
ターM1・M2の三つを取り付けた構成である。
【0030】図3乃至図13図示のものは、ポンプP2
と両モーターM1・M2配設側(本実施例では右側面)
において、ポンプP2一つを一つのハウジングH2に、
両モーターM1・M2を前後並列状に一つのハウジング
H3に内設して、図4の如く、二つのハウジングH2・
H3を、ポンプP2とモーターM2同士が上下並列状と
なるように、ポートブロックPB1の側面に固設した構
成となっており、図14乃至図23図示のものは、ポン
プP2とモーターM2を上下並列状にハウジングH4に
内設し、モーターM1のみをハウジングH5に内設させ
て、図16の如く、二つのハウジングH4・H5を、モ
ーターM1とモーターM2同士が前後並列状となるよう
に、ポートブロックPB2の側面に固設している。即
ち、この二つの実施例における多連式HSTは、三つの
ハウジングより構成されている。
【0031】図3乃至図13図示の多連式HSTは、前
後並列に配設されるモーターM1・M2を一つのハウジ
ングH3に内設している分、前後幅(モーター軸MS1
・MS2の軸間距離)が縮小されており、一方、図14
乃至図23図示の多連式HSTは、上下並列に配設され
るポンプP2とモーターM2とが、一つのハウジングH
4に内設されているので、上下幅(ポンプ軸PS2とモ
ーターMS2の軸間距離)が縮小されている。配設スペ
ースやトランスミッションケースTMの形状を考慮し
て、前後の配設スペースを縮めたい場合には、前者の多
連式HSTを、上下の配設スペースが限定されている場
合には、後者の多連式HSTを、というように選択して
配設するとよい。
【0032】図24及び図25図示のものは、ポンプP
2、両モーターM1・M2の全てが一つのハウジングH
6に内設され、一つのハウジングH6をポートブロック
PB3の側面に固設した構成になっている。即ち、二つ
のハウジングH1・H6より多連式HSTが構成されて
いる。前記の二つの多連式HSTに比べると、ポンプP
2と両モーターM1・M2が一つのハウジングに内設さ
れることから、ハウジング一つ分の部品点数が減り、更
に、ポンプP2・モーターM1・モーターM2同士の間
隔(ポンプ軸PS2・モーター軸MS1・モーター軸M
S2の軸間距離)を縮小できるので、ハウジングH6自
体の他、ポートブロックPB3もコンパクト化されてお
り、多連式HST全体のコンパクト化に繋がる。その
他、ポートブロックPB内における戻し油用の油路構成
においても効果をもたらすが、これについては後に詳述
する。
【0033】トランスミッションケースTMに対する取
り付け構成としては、上記三つの多連式HSTのいずれ
の場合にも、図14に示すように、トランスミッション
ケースTMの一側面の上部を切り欠き、その切欠部の側
面にポートブロックPBを固着するとともに、水平方向
に平行状に並列配設された両モーターM1・M2のモー
ター軸MS1・MS2を水平方向に入軸している。
【0034】そして、いずれの実施例においても、図
3、図15、図24に示す如く、ポートブロックPBを
隔てて、両ポンプP1・P2は、正面視、左右に直列状
に配設され、ポートブロックPB内にカップリング6が
内設されており、これに両ポンプ軸PS1・PS2が嵌
入されて、両ポンプ軸PS1・PS2が直結され、ポン
プ軸PS1の駆動にポンプ軸PS2が従動する構成とな
っている。入力プーリー5を具備して、機関より直接入
力駆動されるポンプ軸PS1は、カップリング6より外
れたとしても、ポンプ軸PS1の駆動が絶たれることは
ないが、ポンプ軸PS2にとっては、カップリング6か
ら外れることは、入力手段を絶たれることとなる。従っ
て、駆動信頼性は、ポンプ軸PS1を有するポンプP1
が、ポンプP2よりも高いので、図1の如く油圧変速式
走行装置に適用する場合には、ポンプP1を有する第一
HSTが、使用頻度の高い走行用HSTとして適用され
るのである。
【0035】なお、図3図示の如く、ポンプ軸PS1の
入力下手側の端部をハウジングH1より外部に突出さ
せ、これをチャージポンプCPに入軸しており、こうし
て駆動されるチャージポンプCPより吐出された作動油
は、ポートブロックPB1上端のチャージ口C等よりポ
ートブロックPB内に供給され、チェック弁7・7を介
して、後記の油路21・21、25・25内に作動油が
充填され、各ハウジング内のポンプP1・P2及び各モ
ーターM1・M2の作動油として補填される。これは、
他の二つの実施例においても同様である。このように、
一つのチャージポンプで第一・第二HSTの全ポンプ及
びモーターに作動油補填ができる。
【0036】また、図15図示の如く、チャージポンプ
CPの外側において、ポンプ軸P2をスプライン8にて
延長してPTO軸とし、PTOプーリー9を環設してい
る。ポンプ軸PS2を延長して、ポンプ軸PS2に直接
PTOプーリー9を環設しなかったのは、ポンプ軸2に
PTOプーリーにかかるベルト機構からの曲げ荷重が伝
わって、撓みが生じるのを防ぐためであり、PTOプー
リー9からの曲げ荷重は、スプライン8のみにて吸収さ
れてポンプ軸PS2には伝わらないのである。更に、チ
ャージポンプCP外端におけるスプライン8の軸受部を
PTOプーリー9の内側に遊嵌する構成にしており、P
TOプーリー9の曲げを、この軸受部が規制するように
している。ここに示したPTOプーリー9のチャージポ
ンプCPへの取付構成は、他の二つの実施例のみなら
ず、後記の全ての多連式HSTについて可能である。
【0037】更に、図3乃至図13図示の多連式HST
において、ポンプP2内蔵のハウジングH2の側面に
は、平時は閉栓されている油戻し口10が開孔されてい
る。そして、ポートブロックPB1には、図3、図6及
び図13の如く、ハウジングH1・H2の内部を連通す
る油戻し用油路11が穿設され、更に、油戻し用油路1
1より垂直状の油戻し用油路12、及び水平状の油戻し
用油路13を分岐穿設してハウジングH3の内部に連通
させている。これによって、この多連式HSTより油を
抜く際には、ハウジングH2に穿設した唯一の油戻し口
10より油を抜けば、ハウジングH1・H3内の作動油
も、油戻し用油路11・12・13を介してハウジング
H2内に流れ込み、一括してこの油戻し口10より抜く
ことができる。このように油戻し口10を一つ設けるだ
けで、多連式HST全体の油抜きが可能となっている。
【0038】図14乃至図23図示の多連式HSTにお
いては、油戻し口10はハウジングH4に設けられてい
て、油戻し栓が取り付けられており、ポートブロックP
B2内においては、図15及び図16の如く、ハウジン
グH1・H4の内部を連通する油戻し用油路11’が穿
設され、更に、ハウジングH4・H5間を連通する14
・15・16を穿設して、ハウジングH1・H5内の油
を、前記と同様に、ハウジングH4に設けた一つの油戻
し口10より抜くことができる。
【0039】そして、図24及び図25図示の多連式H
STにおいては、ハウジングH6に油戻し口10が設け
られて、油戻し栓が取り付けられており、ハウジングH
6には、ポンプP2と両モーターM1・M2を一体に内
設しているので、ポートブロックPB3には、ハウジン
グH1・H2を連通する油戻し用油路11”のみを穿設
するだけで、この一つの油戻し口10で、全体の油抜き
ができる。
【0040】次に、前記三つの多連式HSTにおけるポ
ートブロックPB1の構成について説明する。図3及び
図4図示のポンプP2と両モーターM1・M2を別個の
ハウジングH2・H3に内設した多連式HSTのポート
ブロックPB1は、図5乃至図13に図示し、図15及
び図16図示のポンプP2・モーターM1をハウジング
H4に内設し、モーターM1のみをハウジングH5に内
設した多連式HSTのポートブロックPB2は、図15
乃至図23に図示している。どちらも側面視L字状で、
上部には、両ポンプ軸PS1・PS2を嵌入するカップ
リング6を嵌挿するためのポンプ軸孔17が穿設され
て、ポンプP1取付側面にキドニーポート20・20
が、ポンプP2取付側面にキドニーポート21・21
が、ポンプ軸孔17の周囲にて穿設されている。また、
下部には、モーター軸MS1・MS2嵌挿用の各モータ
ー軸孔18・19が穿設されており、モーターM1・M
2取付側面にて、各モーター軸孔18・19の周囲に、
各々キドニーポート22・22、及び23・23が穿設
されている。
【0041】両多連式HSTにおける各ポートブロック
PB1・PB2内の油路の穿設構造ついて説明する。ま
ず、ポートブロックPB1においては、ハウジングH1
(ポンプP1)取付側寄りのX−X断面上にて、ポンプ
P1のキドニーポート20・20より垂直下方に圧油を
送るよう、鉛直方向の油路24・24が左右水平状に穿
設されている。更に、油路24・24より左右水平方向
に油路25・25が上下平行状に穿設され、各油路25
・25より、直交する油路26・26を介して、油路2
5・25に平行状の油路27・27を分岐穿設してお
り、油路27・27が、モーターM1のキドニーポート
22・22が連通している。即ち、油路24・25・2
6・27によって、ポンプP1よりモーターM1への油
路(P1−M1系油路)を構成している。一方、ポンプ
P2よりモーターM2への油路(P2−M2系油路)と
しては、ポートブロックPB1内のハウジングH2・H
3側寄りのY−Y断面上に、鉛直方向の油路28・28
を左右平行に穿設して、ポンプP2のキドニーポート2
1・21とモーターM2のキドニーポート23・23を
連通させている。
【0042】次に、ポートブロックPB2について説明
する。まず、ポートブロックPB2の形状面において、
図17や図23の如く、ハウジングH5(モーターM
1)の取付面Aが、ハウジングH4(ポンプP2及びモ
ーターM2)の取付面Bに比して内側寄り(ハウジング
H1取付面側寄り)の段差状になっている。(図17に
おいて、ポートブロックPB2の横幅が、L1<L2と
なっている。)そして、ポートブロックPB2の、ハウ
ジングH5取付面Aを含むハウジングH1取付面側寄り
のX’−X’断面上に、P1−M1系油路である鉛直状
の油路29・29、水平状の油路30・30、鉛直状の
油路31・31を、左右平行状に穿設して、ポンプP1
のキドニーポート20・20とモーターM1のキドニー
ポート22・22とを連通させている。また、モーター
M1取付面Aを含まないポンプP2及びモーターM2取
付面Bのみの部位におけるY’−Y’断面上に、P2−
M2系油路である鉛直方向の油路32・32を穿設し
て、ポンプP2のキドニーポート21・21とモーター
M2のキドニーポート23・23とを連通させている。
【0043】ポートブロックを構成する中で、特に加工
に厳密性を要するのは、キドニーポートであって、これ
があまり深くなりすぎないように油路或いはポートブロ
ック自体の形状を工夫する必要がある。前記のPB1・
PB2においては、ポンプP2とモーターM2とはポー
トブロックPBに対して同一側面に取り付けられている
ので、P2−M2系油路(油路28・28、32・3
2)をポンプP2及びモーターM2の取付側面に近く穿
設して、ポンプP2とモーターM2のキドニーポートは
浅くすることができるが、ポンプP1の取付側面とモー
ターM1の取付側面は、ポートブロックPBを隔てて互
いに反対側になっているので、P1─M1系油路を、ど
ちらかの側面に寄せて穿設すると、寄せた側のキドニー
ポートは浅くできるが、その反対側のキドニーポートが
深くなってしまうという不具合が生ずる。例えば、ポン
プP1寄りに穿設すれば、モーターM1のキドニーポー
トが深くなってしまうのである。
【0044】そこで、まず、ポートブロックPB1にお
いては、前記の如く、ハウジングH1側寄りに穿設され
ている水平方向の油路25・25より、平面視L字状に
油路26・26、及び油路27・27を分岐穿設し、油
路27・27をモーターM1に近づけて、モーターM1
のキドニーポート22・22を深くしなくてもよいよう
にしている。一方、ポートブロックPB2においては、
前記の如く、ポートブロックPBの形状自体に段差を設
けて、ハウジングH5取付面Aを、ハウジングH4取付
面Bに比して、ハウジングH1取付面側寄りにしている
ので、P1─M1系の油路29・29、30・30、及
び31・31が、モーターM1より遠くならず、モータ
ーM1のキドニーポート22・22が浅くてすむのであ
る。
【0045】なお、ポートブロックPB3は、油路構成
等を特に図示しないが、ポートブロックPB1で、ポン
プ軸孔17・モーター軸孔18・19間の間隔を縮小し
て構成すればよい。(ポンプ軸孔17とモーター軸孔1
9との間隔は、ポートブロックPB2と等しくなる。)
また、ポートブロックPB2におけるモーター軸孔18
・19間の間隔を縮小して構成してもよいが、この場合
には、ポートブロックPB2の側面形状に合わせて、ポ
ンプP2及び両モーターM1・M2を一体に内設するハ
ウジングH6の内側端を段差形状に加工しておく必要が
ある。
【0046】次に、図26乃至図29図示のポンプP1
・P2並列型多連式HSTの実施例について説明する。
この多連式HSTは、ポートブロックPBの一側面に、
第一HSTのポンプP1及びモーターM2、及び第二H
STのポンプP2及びモーターM2の全てを取り付けて
いるものである。即ち、両ポンプP1・P2を左右平行
状に内設するハウジングH7と、図3及び図4図示の多
連式HSTにて開示した、モーターM1・M2を前後平
行状に内設するハウジングH3とを、側面視略長方形状
のポートブロックPB4の一側面(本実施例では左側
面)に上下に取り付けられている。なお、第一HSTの
ポンプP1とモーターM1同士、及び第二HSTのポン
プP2とモーターM2同士は、互いに垂直上下に並設さ
れている。
【0047】この取付方法では、第一・第二HSTのど
ちらともポンプとモーターが同一側に取り付けられてい
るので、ポートブロックPB4内に穿設する油路につい
ては、図28及び図29に示す如く、P1─M1系油路
35・35、P2─M2系油路36・36とも、各キド
ニーポートが浅くすむような油路が、垂直方向に穿設す
るだけで構成でき、油路の構成が単純化されて加工が容
易であり、また、ポートブロックPB4の厚みは、前記
の多連式HSTのように、両ポンプ軸PS1・PS2を
直結するカップリング6を内設するスペースが不要であ
り、また、P1─M1系油路35・35とP2─M2系
油路36・36を前後にずらせて穿設しなくてよいの
で、薄くてすみ、従って横幅が縮小し、また、軽量化に
繋がる。
【0048】ポートブロックPB4内には、各ポンプ軸
PS1・PS2及び各モーター軸MS1・MS2が軸支
されている。両モーター軸MS1・MS2は、ポートブ
ロックPB4におけるハウジングH3取付面の反対側よ
り突出しており、トランスミッションケースTMへの取
付の際には、図26及び図27の如く、ポートブロック
PB4におけるハウジングH3の取付側と反対の側面
を、トランスミッションケースTMの上側部における切
欠部の側面に固着するとともに、両モーター軸MS1・
MS2の突出部をトランスミッションケースTMに水平
方向に入軸する。
【0049】一方、ポンプ軸PS1・PS2は、ポート
ブロックPB4のハウジングH7取付面の反対側面に入
力用ハウジングH8が取り付けられていて、両ポンプ軸
PS1・PS2の延長部が、この入力用ハウジングH8
内に入軸されており、この中で、図29の如く、両ポン
プ軸PS1・PS2が、ギア33・34にて噛合してい
る。ポンプ軸PS1は、図15図示の入力用プーリー5
を取り付ける等して、機関からの動力を入力するための
入力軸として、入力用ハウジングH8より突出させてい
る。
【0050】ハウジングH7には、ポンプP1・P2に
おける作動油を抜くための油戻し口10が開孔されてい
て、下部のハウジングH3と連通する油戻し用油路をポ
ートブロックPB4内に穿設すれば、該油戻し口10よ
り、第一HST全体(ポンプP1及びモーターM1)
の、及び第二HST全体(ポンプP2及びモーターM
2)の油を抜くことができる。
【0051】また、ハウジングH7の左側面には、チャ
ージポンプCPが取り付けられ、ポンプ軸PS1の外側
突出部が入軸されている。こうして、一本のポンプ軸P
S1にて駆動される一つのチャージポンプCPより吐出
される作動油は、ポートブロックPB4の各油路35・
35、36・36に対して、チェックバルブを介して供
給され、第一・第二HSTの各ポンプP1・P2及び各
モーターM1・M2の全てに補填される。
【0052】次に、図30乃至図32図示の多連式HS
Tの実施例について説明する。側面視略L字状のポート
ブロックPB5の一面の下部に、モーターM1・M2を
前後平行状に内設するハウジングH3’を取り付けてお
り、トランスミッションケースTMへの取付において
は、図30の如く、ハウジングH3’が、トランスミッ
ションケースTM内に嵌入され(従って、ハウジングH
3’は、トランスミッションケースTMへの嵌入に適し
た形状に加工されている。)、また、ハウジングH3’
より両モーター軸MS1・MS2が突出していて、トラ
ンスミッションケースTM内に入軸される。
【0053】ポートブロックPB5におけるハウジング
H3’取付面の反対側面には、上下平行状に、ポンプP
1を内蔵するハウジングH1’と、ポンプP2を内蔵す
るハウジングH2’が取り付けられている。各ハウジン
グH1’・H2’には油戻し口10・10が開孔されて
いて、それぞれの油戻し口10より、各々第一HST全
体の、又は第二HST全体の油を抜くことができる。ポ
ンプP1においては、ポンプ軸PS1の入力側端は、ハ
ウジングH3’より突出させて入力軸としており、ポー
トブロックPB5を隔てて反対側に、ポートブロックP
B5を貫通させてポンプ軸PS1を突出させ、チャージ
ポンプCPを装着している。チャージポンプCPからの
吐出作動油は、ポートブロックPB5に供給されて、チ
ェックバルブを介して、油路を通り、第一・第二HST
の全ポンプP1・P2及び全モーターM1・M2に補填
される。
【0054】モーターM1とポンプP2は、ポートブロ
ックPB5を隔てて、正面視、左右直列状に配設されて
おり、モーター軸MS1とポンプ軸PS2とを、ポート
ブロックPB5内に内設したカップリング6内に嵌入し
て、モーター軸MS1とポンプ軸PS2とを直結させて
いる。即ち、モーター軸MS1の駆動にポンプ軸PS2
を従動させるものであって、ポンプ軸PS2は、モータ
ー軸MS1が駆動している時にのみ、モーター軸MS1
の回転方向及び回転速度で回転駆動することとなる。
【0055】ポンプ軸PS1の回転方向及び回転速度
は、機関動力を入力して駆動しているので、常時一定で
あり、モーターM1におけるモーター軸MS1の駆動方
向及び速度は、変速レバー等によるポンプP1における
可動斜板1の傾斜角度の操作にて変位する。一方、ポン
プP2の可動斜板2は、左旋回・中立・右旋回の三位置
の切換位置が設定されていて、ポンプ軸PS2の回転速
度が一定でも、モーター軸MS2の回転速度は、可動斜
板2の切換位置により変化する。モーター軸MS1の回
転速度に関わらずモーター軸MS2の回転速度が一定で
あるとすれば、走行速度はモーター軸MS1の回転速度
に比例するので、走行速度が遅い場合には相対的に旋回
速度が速すぎて、旋回半径が小さくなってしまったり
(芯地旋回、或いは芯地旋回に近い状態となる。)、走
行速度が速い場合には相対的に旋回速度が遅くなって、
旋回半径が大きくなるという不具合を生じることとな
る。
【0056】そこで、前記の如く、ポンプ軸PS2を、
前記の如くモーター軸MS1に従動させれば、モーター
軸MS2の回転速度は、モーター軸MS1の回転速度に
比例することとなる。つまり旋回反応速度が走行速度に
比例することとなり、走行速度が遅ければゆっくりと旋
回し、走行速度が速ければ早く旋回するようになってど
の速度で走行しても、同一の旋回半径が得られるように
なる。従って、芯地旋回用の操向装置で、乗用車と同一
感覚のハンドル操作が可能となる。また、走行停止すれ
ば、モーター軸MS1の停止によって、必ずポンプ軸P
S2が駆動停止されている。つまり、第二HSTのポン
プ軸PS2が、第一HSTのモーターM1の駆動に関わ
らずに常時駆動している場合に生じるおそれのある、走
行停止中に不測の事態で第二HSTのモーターM2が駆
動してしまって芯地旋回してしまうという危険は皆無と
なっている。逆に言えば、この多連式HSTを用いる場
合には、走行停止中の芯地旋回は不可能となる。従っ
て、この多連式HSTは、走行停止時に芯地旋回させる
ような(例えばクローラ走行装置を有する構造の)走行
車輌ではなく、乗用車感覚で運転する走行車輌に利用さ
れるものである。
【0057】なお、モーター軸MS1は、前進時には正
転、後進時には逆転駆動するが、ポンプ軸PS2もこれ
に従動するので、後進時には、モーター軸MS2は、前
進時とは逆方向に回転駆動される。例えば、可動斜板2
を右旋回位置に切り換えたとすると、モーター軸MS2
は、前進時に回転した方向と逆の方向に回転し、正逆転
切換用ギア機構Gを介して、旋回側の右車軸RAに正転
駆動側の力を、反対側の左車軸LAには逆転駆動側の力
を加える。しかし、両車軸の回転駆動方向は、後進方
向、即ち、逆転方向であるから、右車軸RAは減速さ
れ、左車軸LAは増速されることとなり、後進しながら
右旋回できることとなる。従って、後進しながら、ハン
ドル操作等で、旋回したいと思う方向に操向操作すれ
ば、その方向に旋回できる構造となっている。即ち、後
進中の旋回も、乗用車と同一の感覚でハンドル操作でき
るようになっている。なお、モーターM2における可動
斜板3の操作機構は、ハンドルの左回転時、右回転時、
及び停止時にそれぞれONされる3つのスイッチをハン
ドル近傍にセットし、スイッチの一つがONした場合
に、それに基づいて、可動斜板2が、左旋回位置、右旋
回位置、及び中立位置になるように構成すればよい。
【0058】これに対して、前記の図3乃至図25図示
のポンプP1・P2直列型の各多連式HST、及び図2
6乃至図29図示のポンプP1・P2並列型の多連式H
STでは、第二HSTのポンプ軸PS2は、(カップリ
ング6による直結、またはギア33・34の噛合によ
り、)機関より直接伝動される第一HSTのポンプ軸P
S1に従動しているので、ポンプ軸PS1が一定に駆動
している限り、モーター軸MS1の回転方向、即ち、走
行方向が前進か後進かに関わらず、モーターM2におい
て可動斜板2をある位置に切り換えた場合、モーター軸
MS2は、常に同一方向に回転する。従って、後進時に
は、例えば右旋回位置に可動斜板2をセットした場合
に、右車軸RAが増速され、左車軸LAが減速されて、
左旋回することとなり、前進時に操作する側と反対側に
操作しないと、旋回しようとする側には旋回しない。従
って、後進時の旋回操作は、通常の感覚の逆の感覚にな
ってしまうので、旋回操作を自動車感覚と同様にするた
め、ポンプ軸PS1用のポンプ操作レバーL1が前進か
ら後進に切り換わる場合に、オペレーターの操作する旋
回用ハンドル(図示せず)とポンプ軸PS2の動きが逆
になるよう、該ハンドルとポンプ軸PS2用のポンプ操
作レバーL2との間のリンク機構を細工している(図示
せず)。
【0059】また、旋回速度にしても、ポンプ軸PS1
の回転速度が一定である限り、ポンプ軸PS2の回転速
度が常時一定であるから、旋回速度、即ちモーター軸M
S2の回転速度を変位させるには、可動斜板2の角度を
変位させなければならない。例えば可動斜板2の傾斜角
度をハンドルの回転速度に比例させる構成にすれば、ハ
ンドルを急に切れば早く旋回し、遅く切れば遅く旋回す
る乗用車の操向感覚と同様になる。
【0060】次に、図33乃至図41図示のポンプ軸・
モーター軸直交型の多連式HSTについて、三つの実施
例を説明する。三つの実施例に共通して、図35の如
く、トランスミッションケースTMの多連式HST取付
部は、上端に形成した水平面となっており、また、ポー
トブロックPB(PB6・7・8)は、正面視逆T字状
であり、ポートブロックPBの底面には、ポンプ軸MS
1・MS2を鉛直方向に軸支して、モーターM1・M2
を左右平行状に内設するハウジングH9が固設されてお
り、このハウジングH9の底面が水平面状になってい
て、一方、トランスミッションケースTMの上端が水平
面状に形成されていて、このトランスミッションケース
TMの上面にハウジングH9の底面を固設し、両モータ
ー軸MS1・MS2の下端をトランスミッションケース
TMの上面より鉛直方向に入軸している。
【0061】このように、多連式HSTの下部に取り付
けるモーターM1・M2のハウジングH9を縦型にし、
トランスミッションケースTMの上面に取り付けるの
で、図3乃至図32にて示したこれまでの実施例の如く
トランスミッションケースTMの側面部に取り付ける構
成に比べて、多連式HSTとトランスミッションケース
TMの双方に取付強度があり、また、モーターM1・M
2が、モーター軸MS1・MS2を鉛直方向にして、左
右並列に配設されているので、トランスミッションケー
スTMの前後方向の幅を縮小できるのである。
【0062】以上のように、モーターM1・M2のハウ
ジングH9の取付方法、及びトランスミッションケース
TMへの取付方法を共通にする図33乃至図41の多連
式HSTのうち、まず、図33及び図34図示のものに
ついて説明する。ポンプP1・P2を各々内設するハウ
ジングH1・H2が、ポートブロックPB6の底面部よ
り上方位置において、ポートブロックPB6を隔てて左
右直列状に配設されている。また、ポンプ軸PS1・P
S2は、図3及び図4図示の多連式HSTと同様に、各
ハウジングH1・H2内に水平方向に軸支されて、ポー
トブロックPB内に内設したカップリング6に嵌入して
直結しており、ポンプ軸PS1のハウジングH1からの
突出部は、機関から伝動される入力軸とし、ポンプ軸P
S2のハウジングH2からの突出部はチャージポンプC
Pに入軸して、チャージポンプ吐出の作動油をポートブ
ロックPB内に供給し、チェックバルブを介して各ハウ
ジングH1・H2・H9内に補填する構成となってい
る。また、ハウジングH2には油戻し口10が設けられ
ており、ポートブロックPB内にてハウジングH1・H
2の内部を連通する油戻し油路と、この油戻し油路より
分岐して、ハウジングH9内部に連通する油路を穿設し
て、ハウジングH2における一つの油戻し口10より第
一HST・第二HSTの全てのポンプ及びモーターから
の油抜きができるようになっている。即ち、前記のハウ
ジングH9の取付、及びトランスミッションケースTM
への取付における効果と、図3及び図4図示のポンプP
1・P2直列型の多連式HSTの効果を合わせ持つポン
プ軸・モーター軸直交型多連式HSTとなっているので
ある。
【0063】図35乃至図38図示の多連式HSTは、
ポートブロックPB7の上部部位において、一側面に両
ポンプP1・P2を前後平行に内蔵するハウジングH7
を固設し、反対側面に両ポンプ軸PS1・PS2を軸支
して、ギア33・34にて噛合せた入力ハウジングH8
を固設した構成は、図26乃至図29図示のポンプP1
・P2並列型多連式HSTと同様であり、従って、この
構成の多連式HSTと同様の効果を合わせ持つポンプ軸
・モーター軸直交型多連式HSTとなっているのであ
る。
【0064】図39乃至図41図示の多連式HSTは、
ポートブロックPB8の上部位においては、前記の図3
0乃至図32図示のモーターM1・ポンプP2連動型多
連式HSTと同様に、一側面にポンプP1・P2を前後
平行に内蔵するハウジングH7を固設している。なお、
RVはチャージリリーフバルブである。そして、ポート
ブロックPB8の他側面においては、ポンプ軸PS1・
PS2を軸支する伝動ハウジングH10を固設してい
る。ポンプ軸PS1の入力側端は伝動ハウジングH10
より突出させて、機関動力を伝動する入力軸としている
が、伝動ハウジングH10内におけるポンプ軸PS2の
端部には、ベベルギア38を固設しており、更にポート
ブロックPB8にカップリング6を貫設して、下方より
伝動ハウジングH10内にモーター軸MS1の上端部を
カップリング6に嵌入し、その上方に、延長モーター軸
MS1’を突出してハウジングH10内に入軸してお
り、その上端に固設したベベルギア37を、ポンプ軸P
S2付設のベベルギア38に噛合させることで、図30
乃至図32図示の実施例と同様に、第一HSTのモータ
ー軸MS1の駆動に第二HSTのポンプ軸PS2を従動
させる構成としており、この実施例と同様の効果を奏す
るのである。
【0065】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
次のような効果を奏する。まず、請求項1の如く構成し
た多連式HSTにおいて、機関からは第一HSTのポン
プより第一・第二HST両方の駆動力を一括して入力す
るよう構成しているので、入力機構が簡素化し、着脱の
容易さ、配設スペースの削減をもたらす。また、第一H
ST・第二HSTが、一つのポートブロックを共用する
ことにより、別個にポートブロックを用意するよりも部
材点数が省け、また、油路を集中的に設けられるので、
配設スペースが削減されるとともに、油圧系配管が一箇
所に集中され、また削減することができる。そして、こ
のような構成の多連式HSTを、例えば油圧変速式操向
装置として使用すると、農業機械や建設機械等、前後進
切換及び走行変速と、操向(芯地旋回)を油圧にて行う
構成の走行車輌に対する利用価値が大いに向上する。そ
して、以下に述べる各多連式HSTは、ここで説明した
効果を共通に有している。
【0066】請求項2の如く構成した多連式HSTにお
いては、カップリング等で直結される第一HSTと第二
HSTの両ポンプ軸のうち、カップリングより外れて
も、機関より直接入力されて、駆動が停止することのな
い第一HSTのポンプ軸が使用信頼度が高く、走行用と
操向用に両HSTを使用する場合に、使用頻度の高い走
行用としてこの第一HSTを適用しているので、この多
連式HSTを搭載した走行車輌の駆動系における信頼性
が高くなる。
【0067】請求項3の如く構成した多連式HSTにお
いては、ポートブロックの一面に取り付けられる一ポン
プ、二モーターの三つの部材が、一体のハウジングに内
蔵されて取り付けられるので、部品点数が削減されてコ
スト低下になり、また、別個のハウジングに内蔵した場
合よりも、ポンプ及びモーターの各ポンプ軸とモーター
軸との間隔が狭められ、これら三つの部材の取付スペー
スを縮小できる。更に油戻し口は、このハウジングに一
つ設けて、ポートブロックに、反対側のポンプと連通す
る油路さえ穿設すれば、第一・第二HSTの全ポンプ及
びモーターの油抜きが、この一つの油戻し口にて可能と
なり、油戻し口の配設点数及び配設スペースが削減され
る。
【0068】請求項4の如く構成した多連式HSTにお
いては、請求項1記載の多連式HSTと同様の効果を有
することに加え、ポートブロックを薄くすることがで
き、軽量化、省スペース化を実現できる。
【0069】請求項5の如く構成した多連式HSTにお
いては、第二HSTのポンプ軸が第一HSTのモーター
軸の駆動に従動するので、第一HSTを走行用に、第二
HSTを操向用に適用した油圧変速式操向装置を構成す
れば、第一HSTのモーター軸の駆動速度に比例する走
行速度に、第二HSTのモーター軸の回転速度、即ち旋
回速度が比例するので、遅い走行速度ではゆっくりと、
速い走行速度では急速に旋回することにより、旋回半径
が走行速度に関わらず一定となり、通常、芯地旋回を目
的とする油圧変速式操向装置を、普通の乗用車の操向感
覚による操向装置として使用することができる。また、
走行停止時には、第二HSTのポンプ軸が駆動しないの
で、不測の事態で旋回駆動してしまう危険性が皆無とな
る。
【0070】請求項6の如く構成した多連式HSTにお
いては、トランスミッションケースの上端を水平面状に
し、この上面に、並列配設したモーターの底面を取り付
け、かつ、モーター軸を垂直方向にトランスミッション
ケースに入軸することで、トランスミッションケースの
側面にモーターを取り付け、かつモーター軸を水平方向
に入軸する構成に比べて、多連式HST及びトランスミ
ッションケースの両方の取付強度が高まり、また、トラ
ンスミッションケースの横幅を縮小できて、省スペース
化、コスト低下を実現できる。また、ポンプの取付構成
は、前記の請求項1、4、又は5に記載する手段で取り
付ければ、それぞれにて述べた効果を奏することができ
る。
【0071】請求項7の如く構成した多連式HSTにお
いては、一つのハウジングに設けた一つの油戻し口よ
り、複数個の互いに隔離された全てのハウジング内の油
を、一括して抜くことができ、油抜き作業を容易化する
とともに、油戻し口を設けるスペースも一箇所ですみ、
部材点数を削減し、省スペース化、低コスト化を実現で
きる。
【0072】請求項8の如く構成した多連式HSTにお
いては、一つのポンプ軸の端部に装着した一つだけのチ
ャージポンプで、第一・第二HSTの全ポンプ及び全モ
ーターへの作動油充填ができ、チャージポンプが一つで
済むので、部材点数を削減して、省スペース化、低コス
ト化を実現でき、また、チャージポンプからポートブロ
ックに一つの配管を設けるだけでよいので、配管コスト
及び配管スペースの削減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多連式HSTを油圧変速式操向装置に適用した
場合のスケルトン図である。
【図2】正逆切換用ギア機構Gの内部構成を示す図1の
拡大図である。
【図3】ポンプP1・P2直結型の多連式HSTの一実
施例であるハウジングH1・H2・H3よりなる多連式
HSTを示す正面断面図である。
【図4】同じく右側面図である。
【図5】ポートブロックPB1の左側面図である。
【図6】同じく右側面図である。
【図7】同じくX−X断面図である。
【図8】同じくY−Y断面図である。
【図9】同じく平面図である。
【図10】同じく底面図である。
【図11】同じくZ−Z断面図である。
【図12】同じく正面図である。
【図13】同じく正面断面図である。
【図14】ポンプP1・P2直結型の多連式HSTの一
実施例であるハウジングH1・H4・H5よりなる多連
式HSTのトランスミッションケースTMへの取付構成
を示す正面断面図である。
【図15】同じく多連式HSTの正面断面図である。
【図16】同じく右側面図である。
【図17】同じく平面断面図である。
【図18】ポートブロックPB2の左側面図である。
【図19】同じく右側面図である。
【図20】同じくX’−X’断面図である。
【図21】同じくY’−Y’断面図である。
【図22】同じく正面図である。
【図23】同じく平面図である。
【図24】ポンプP1・P2直結型の多連式HSTの一
実施例であるハウジングH1・H6よりなる多連式HS
Tの正面断面図である。
【図25】同じく右側面図である。
【図26】ポンプP1・P2並列型の多連式HSTのポ
ンプP1・モーターM1の配列構成を示す正面断面図で
ある。
【図27】同じくポンプP2・モーターM2の配列構成
を示す正面断面図である。
【図28】同じく左側面図である。
【図29】同じく平面一部断面図である。
【図30】モーターM1・ポンプP2連動型の多連式H
STの正面断面図である。
【図31】同じく左側面図である。
【図32】同じく右側面図である。
【図33】ポンプ軸・モーター軸直交型の多連式HST
の一実施例であるポンプP1・P2直列型の多連式HS
Tの正面断面図である。
【図34】同じく左側面図である。
【図35】ポンプ軸・モーター軸直交型の多連式HST
の一実施例であるポンプP1・P2並列型の多連式HS
TのトランスミッションケースTMへの取付構成を示す
正面断面図である。
【図36】同じく多連式HSTの正面断面図である。
【図37】同じく平面一部断面図である。
【図38】同じく左側面図である。
【図39】ポンプ軸・モーター軸直交型の多連式HST
の一実施例であるモーターM1・ポンプP2連動型の多
連式HSTの正面断面図である。
【図40】同じく平面断面図である。
【図41】同じく左側面図である。
【図42】従来における複数の単体HSTを油圧変速式
操向装置に適用した場合のスケルトン図である。
【符号の説明】
P1・P2 ポンプ M1・M2 モーター PS1・PS2 ポンプ軸 MS1・MS2 モーター軸 L1・L2 ポンプ操作レバー PB(PB1〜8) ポートブロック TM トランスミッションケース H1〜H7 ハウジング H8 入力ハウジング H9 ハウジング H10 伝動ハウジング CP チャージポンプ 1・2 可動斜板 3・4 固定斜板 5 入力プーリー 6 カップリング 7 チェックバルブ 8 スプライン 9 PTOプーリー 10 油戻し口 11・11’・11”油戻し用油路 12〜16 油戻し用油路 17 ポンプ軸孔 18・19 モーター軸孔 20〜23 キドニーポンプ 24〜32 油路 33・34 ギア 35・36 油路 37・38 ベベルギア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 訓彦 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 (72)発明者 坂田 浩二 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つのポートブロックを共用する入力上
    手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりなる多
    連式HSTであって、第一・第二HSTのポンプ同士
    を、ポートブロックを隔てて直列に配設して、両ポンプ
    軸を直結し、第一・第二HSTのモーター同士をポート
    ブロックの一面において並列に配設し、かつ、両モータ
    ーが両ポンプに対して並列となるよう配設したことを特
    徴とする多連式HST。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多連式HSTにおいて、
    第一HSTを走行用に、第二HSTを操向用に適用した
    ことを特徴とする多連式HST。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の多連式HSTにおいて、
    ポートブロックの同一面に配設した一つのポンプと両モ
    ーターを一体のハウジングにて構成したことを特徴とす
    る多連式HST。
  4. 【請求項4】 一つのポートブロックを共用する入力上
    手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりなる多
    連式HSTであって、ポートブロックの一面において、
    第一・第二HSTのポンプ同士、第一・第二HSTのモ
    ーター同士、及び両モーターと両ポンプ同士が並列とな
    るよう配設し、かつ、両ポンプ軸をギア噛合させたこと
    を特徴とする多連式HST。
  5. 【請求項5】 一つのポートブロックを共用する入力上
    手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりなる多
    連式HSTであって、ポートブロックの一面に第一HS
    Tのポンプとモーターを並列に、ポートブロックの他面
    に第二HSTのポンプとモーターを並列に配設し、か
    つ、第一HSTのモーターと第二HSTのポンプを直列
    に配設するとともに、第一HSTのモーター軸と第二H
    STのポンプ軸とを直結したことを特徴とする多連式H
    ST。
  6. 【請求項6】 一つのポートブロックを共用する入力上
    手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりなる多
    連式HSTであって、第一・第二HSTの両ポンプを、
    両ポンプ軸が水平方向になるように、ポートブロックに
    直列又は並列に配設するとともに、ポートブロック底面
    において、第一・第二HSTの両モーターを、両モータ
    ー軸が垂直方向となるように、並列配設したことを特徴
    とする多連式HST。
  7. 【請求項7】 一つのポートブロックを共用する入力上
    手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりなる多
    連式HSTであって、各ポンプ及びモーターの中の一つ
    または幾つかを内設する複数のハウジングをポートブロ
    ックに取り付けた構成のものにおいて、いずれか一つの
    ハウジングに油戻し口を設け、かつ、ポートブロック内
    に、油戻し口を設けたハウジングと他の各ハウジングと
    を連通させる油路を穿設したことを特徴とする多連式H
    ST。
  8. 【請求項8】 一つのポートブロックを共用する入力上
    手側の第一HSTと入力下手側の第二HSTよりなる多
    連式HSTにおいて、いずれか一つのポンプ軸の端部に
    チャージポンプを装着し、チャージポンプより吐出する
    作動油を、ポートブロックを介して、第一・第二各HS
    Tに供給するよう構成したことを特徴とする多連式HS
    T。
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