JP4233162B2 - ガス流を制御するための弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス流を制御するための弁であって、制御すべきガスのための入口と制御されたガスのための出口と、弁開口を持つ弁座と、制御可能な軸を含む可動な閉鎖部材とを備える弁ケーシングを有しており、閉鎖部材の端部が、閉鎖部材が弁開口を閉鎖かつ開放し、並びに弁開口を通過するガス流を制御するように、弁座と閉鎖部材との間に配置されたシール部材に対して影響を与えることができるように構成された形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の形式の弁は米国特許第5265594号明細書に図示され、かつ記載されている。呼吸装置へ接続された患者へのガス供給の関係では、大小のガス量がこのような弁を用いて大きな精度と反復可能性とで制御されることが重要である。これを達成するためには、シール部材(上記の米国特許明細書では弁ケーシングへ固定されたダイアフラム)が開放時に弁座から弁座に平行に持ち上げられ、かつ閉鎖時には軸端部によって均一に分配された力で弁座に対して押圧されることが必要である。ダイアフラムがこのような軸(ここではこの軸はソレノイド軸)によって完璧に見えるこのような運動パターンに従うとしても、ダイアフラムを弁座から持ち上げなければならない場合には、問題が、特に弁開口の開放に関係して生じることがある。例えばダイアフラムが第1の運動モーメントにおいて弁座にくっついており、次に突然開放する場合にダイアフラムの損耗またはダイアフラムの老化と関係する問題が生じ、この場合には流れの正確な反復される制御を達成するのは、特に少量に係る場合には困難である。ソレノイド軸を作動する際にソレノイド軸を磁化する時に生じることがある遅延またはヒステリシスもまた、上記の否定的な結果を伴う弁開口の開放に関係する不都合なガス流の制御を惹起することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特に少量のガス流が大きな精度と大きな動力学(Dynamik)でもって反復制御され得る、冒頭に記載の形式の弁を見出すことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、本発明によれば、閉鎖部材の端部の面と弁座の面とが角度を形成しており、閉鎖部材の端部が、該端部が弁開口を連続的に(successive)閉鎖もしくは開放するように弁座に対して押圧され、もしくは弁座から離され得るように構成されていることによって解決される。
【0005】
【発明の効果】
上記の角度によって開放もしくは閉鎖の瞬間にシール部材と弁座との間に、またはシール部材が弁座に取り付けられている場合にはシール部材と閉鎖部材の端部との間に常に隙間が形成され、隙間はシール部材もしくは弁座の当接面の比較的小さいな部分にわたって延び、弁開口の連続的な開放もしくは閉鎖が、弁が急激に開放されるもしくは閉鎖されることなしに行われる。これによって大きな量のガス流も少量のガス流も大きな精度と大きな動力学でもって繰り返し制御することができることが保証される。
【0006】
本発明による弁の有利な実施形においては、弁座の面が弁座の中心軸線に対して斜めに位置していることが提案される。このような実施形では閉鎖部材の端部の面はその中心軸線に対して垂直に位置する。
【0007】
本発明による弁の別の実施形に関係して、閉鎖部材の端部の面がその中心軸線に対して斜めに位置することが提案される。
【0008】
本発明によれば、上記の面相互間の角度は0.3〜2度、有利に0.7度であってよい。上記の角度は有利に弁開口の寸法およびシール部材の厚さに適合せしめられる。
【0009】
本発明による弁の別の有利な実施形においては、シール部材が弁ケーシングに固定的に締め付けられたダイアフラムであり、かつダイアフラムが剛性の平らなプレートを備えており、プレートが厳密に弁座の前に配置されており、かつ少なくとも弁座の面寸法を持つ面寸法を有し、かつダイアフラムに影響を与える閉鎖部材の端部の部分が弁座の面寸法よりも小さな面寸法を有していることが提案される。ダイアフラムもしくはプレートに影響を与える閉鎖部材の端部の部分の面寸法に基づいて、弁開口の開放および閉鎖に際して剛性のプレートが上記の端部に対して傾倒することができるので、弁開口はプレートによって連続的に開放もしくは閉鎖され得る。プレートは有利にダイアフラムに一体化されていてよく、またはダイアフラムに不動に接合されていてもよい。ダイアフラムの構成により弁座の面は所望であれば、中心軸線に対して大きな角度を持つことができる。さらに、プレートは閉鎖部材の端部に対して傾倒することができることによって、ダイアフラムが場合により変形しても常に弁座の連続的な開放と閉鎖が得られる。有利に閉鎖部材の端部は丸みを付けられている。
【0010】
冒頭に記載の形式の弁に係る本発明の課題は、有利に、閉鎖部材の端部と弁座との間に弁座に対して斜めに配置された、前成形された部材が取り付けられており、該部材が少なくとも弁座の面寸法に相当する面寸法を有しており、斜め配置の前成形された部材が弁開口を連続的に閉鎖もしくは開開放するように、閉鎖部材の端部が斜め配置の前成形された部材を弁座に対して押圧し、もしくは弁座から離すように閉鎖部材の端部が配置されていることによっても解決される。このような斜め配置の前成形された部材でもって、上記の角度を形成する面に関連して挙げられた利点が得られる。斜め配置の前成形された部材によって、閉鎖部材の端部の面または弁座の面は中心軸線に対して角度を持つ必要がない。
【0011】
本発明による弁の有利な発展形においては、斜め配置の部材に影響を与える閉鎖部材の端部の部分が弁座の面寸法よりも小さな面寸法を持つことが提案される。端部は有利に丸みを付けられた構成にされている。これによってシール部材が場合により変形しても弁座の連続的な開放および閉鎖は常に得られる。
【0012】
本発明による弁の有利な構成においては、斜め配置の部材が弁ケーシングに固定された、らせん形の板の一部分であることが提案される。したがって板およびさらには斜め配置の部材が別個の部材であり、この部材は必要により交換することができる。
【0013】
斜め配置の部材は弁ケーシングに固定された板ばねの一部分であってよい。斜め配置の部材はこの場合も必要により交換することができる。
【0014】
斜め配置の部材は本発明によれば板もしくは板ばねに対して角度を有し、この角度は5〜40度、有利に30度である。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1には本発明による弁の可能な実施形が一部断面図で示されている。ここでは弁は開いた状態で示されている。弁は弁外被1を有し、外被内に弁ケーシング2およびソレノイド3が配置されている。弁ケーシング2は制御されるべきガス流のための貫通路を設けられ、通路は入口4と出口5とこれらの間に配置された弁座12を持つ弁開口6とに分割されている。弁開口6に厳密に対向してダイアフラム7が取り付けられており、ダイアフラムは弁ケーシング2に固定的に締め付けられており、かつソレノイド軸8の端部9を用いて、図示されないベンチレータと組み合わせて患者へのガス流を制御するために使用される。図には、弁座12の面10がその中心軸線11に対して斜めの構成を有し、ソレノイド軸8の端部9の面と弁座12の面10とはこのようにして角度を有していることが示されている。上記の面間の角度は0.3〜2度、有利に0.7度である。
【0016】
図1に示されているように、弁の開放状態を得るためにはソレノイド3へケーブル13を介して多少の電流が供給される。これによって軸8はソレノイドケーシング内へ引き込まれ、すなわちこの図1で見て下方へ移動せしめられ、ダイアフラム7は材料のばね力および入口側でのガス圧力によって所望の仕方で弁座12から持ち上げられ、その結果ガスは弁開口6および出口5を介してさらに患者まで流れることができる。ソレノイド3への電流供給が遮断されると、その軸8は無力とされ、その場合軸8は圧縮ばね14を用いてダイアフラム7に対して弁座12の方向へ十分な力でもって押圧され、その結果弁開口6は図2に示されているように閉鎖される。これによって所期の安全面が達成される、すなわち電流断絶時に弁が閉鎖し、患者への制御されないガスの放出は回避される。
【0017】
図3には、弁開口6の開放時にダイアフラム7が先ずソレノイド軸8の端部9に対して最大距離を持つ弁座12の部分領域から持ち上げられることが示されている。このために弁座12とダイアフラム7との間のこの部分に開放の瞬間に常に隙間15が形成される。ダイアフラム7は上記の弁座12の構成によって弁開口6を順々に開放することができる。弁開口6の閉鎖時にはダイアフラム7が軸端部によって弁座12に対して連続的に押圧され、その際にダイアフラムが弁座12に対して最終的に密着する前に隙間15がまた現れる。
【0018】
図4に示されたもう1つの実施例ではダイアフラム7の弁座12とは反対の面に剛性の平らなプレート16が備えられている。プレート16は弁座12の面寸法よりも若干大きな面寸法を持つ。この図には、ソレノイド軸8の端部9がプレート16に対して当接していることが示され、その場合軸の端部9は有利に丸みを付けられている。図4では弁開口6は開放状態で示されている。ダイアフラム7は弁開口6の閉鎖時に軸端部9を介して斜めに前成形された弁座12の方向へ押圧されると、ダイアフラム7は先ずダイアフラム7に対して最小距離を持つ弁座12の部分領域へ当接する。次いでプレート16が、したがってダイアフラム7が丸みを付けられた軸端部9に対して傾倒し、それによりダイアフラム7が次第に弁座12へ密に当接せしめられる。弁座12とダイアフラム7との間の1点鎖線17はこのことを明示するものである。弁開口6の開放時には、プレート16が、したがってダイアフラム7が丸みを付けられた軸端部9に対して傾倒し、ダイアフラム7は弁座12との結合を次第に解くことができる。閉鎖瞬間にもまた開放瞬間にも弁座12とダイアフラム7との間に隙間18が生じる。プレート16は1点鎖線が暗示するようにダイアフラム7内に一体化されていてもよい。
【0019】
図5には別の実施例において、ソレノイド軸8の端部9の面が中心軸線19に対して斜めの構成を持つことが示されている。このような場合には弁座12の面はその中心軸線11に対して垂直である。弁開口6の開放・閉鎖の際の過程は上記の図1〜図3に関連した説明とほぼ同じである。
【0020】
図6には図1に示されて、それに関連して詳説された弁に相当する弁が示されている。唯一の違いは、図6の弁では弁座12の面10がその中心軸線11に対して垂直に延びていることである。この弁ではソレノイド軸8の端部9と弁座12との間に弁座12に対して斜めに位置する部材20が配置され、この部材20は後で詳述される弁ケーシング2内に固定されたらせん形の板21の一部分であってよい。ダイアフラム7は図示されているように板21と弁座12との間に取り付けられていてよい。軸端部9の面は1点鎖線による輪郭で示されているように弁座12の面10に対して平行に配置されていてもよいが、やはり丸みを有していると有利である。弁座の開放・閉鎖の際の過程は図4に関して説明されたものとほぼ同じであり、かつこの例に関連して得られた利点を持つ。
【0021】
図6には弁開口6の開放状態が示されている。図7には半分開かれた状態の弁開口6が示され、ここでは弁開口6を連続的に閉鎖するために軸端部9が部材20を用いてダイアフラム7を弁座12の部分領域に対して押圧している。開放および閉鎖の瞬間に上述のようにダイアフラム7と弁座12との間に隙間が生じる。
【0022】
図8には斜めに形成された部材20を持つ板21の平面図が示されている。板21は、すべての状態で図示の斜め位置を取ろうとするような材料から製作される。
【0023】
図9には板21の側面図が示されている。斜めに位置する部材20は板21の面に対して角度5〜40度、有利に30度を有する。
【0024】
図10および図11には板ばね23と斜めに配置される部材24とを有する別の板22が示されている。
【0025】
ここまでシール部材は弁ケーシング内に固定されたダイアフラムの形状のものが記載されてきた。可能である場合に本発明の範囲内でダイアフラムの代わりに別のシール部材を使用することができ、シール部材は有利に弁座、ソレノイド軸の端部または斜めに配置された部材に対して適用される。ダイアフラムは最後に挙げたシール部材と組み合わせることもできる。このような場合にはダイアフラムは単にソレノイドと弁ケーシングとの間の可動の隔壁であり、ガスがソレノイド内へ侵入するのを阻止する。
【0026】
図12にはガス流がグラフで示されている。グラフは垂直軸に沿ってガス流/分が、そして水平軸に沿ってソレノイド軸へ供給される電圧が示されている。右側の流れ曲線25は従来技術による弁の流れ経過を、かつ左側の流れ曲線26は本発明による弁の流れ経過を記載する。右側の流れ曲線25の上昇曲線部におけるシャープな屈曲は、弁開口の比較的急激な開放が行われることを示す。降下曲線も、シャープな屈曲によって弁開口の急激な閉鎖が行われることを示す。したがって流れ曲線25は公知の弁に関する問題、特に少量を高い精度および反復性でもって制御する問題を示す。左側の流れ曲線26は、本発明による弁における弁開口の連続的な開放と閉鎖とが曲線の形状をどのように変えるかを示す。曲線形は連続的に経過し、閉鎖位置から開放位置への、かつこの逆の比較的なだらかな移行が達成されている。
【0027】
上記の弁座とシール部材との間の隙間でもって開始もしくは終了する弁開口の上記の連続的な開放と閉鎖は特に少量のガスを大きな精度と反復性および大きな力学でもって制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弁開口が開く位置にある閉鎖部材を有する本発明による弁の原理図である。
【図2】閉鎖部材が閉鎖位置にある図1による弁の部分断面図である。
【図3】閉鎖部材が開放位置にある図1による弁の部分断面図である。
【図4】図1から図3に示されたものとは異なる閉鎖部材の実施形を持つ図1による弁の部分断面図である。
【図5】閉鎖部材の別の実施形を持つ図1による弁の部分断面図である。
【図6】弁開口が開く位置にある、別の実施形の閉鎖部材を有する本発明による弁の原理図である。
【図7】閉鎖部材が一部開いた位置にある図6による弁の部分断面図である。
【図8】図6と図7に示された閉鎖部材に関して設けられた部材を有する板の平面図である。
【図9】図8による板の側面図である。
【図10】図6と図7に示された閉鎖部材に関して設けられた部材を有する別の板の平面図である。
【図11】図10による板の側面図である。
【図12】ガス流図である。
【符号の説明】
2 弁ケーシング、 3 ソレノイド、 4 入口、 5 出口、 6 弁開口、 7 シール部材、 8 閉鎖部材、 9 端部、 10 面、 11,19 中心軸線、 12 弁座、 15,18 隙間

Claims (7)

  1. ガス流を制御するための弁であって、制御すべきガスのための入口(4)と制御されたガスのための出口(5)と、入口(4)と出口(5)との間に配置された弁開口(6)を持つ弁座(12)と、制御可能な軸を含む可動な閉鎖部材(8)とを備える弁ケーシング(2)を有しており、閉鎖部材の端部(9)が、弁座(12)と閉鎖部材(8)との間に配置されたシール部材(7)に対して、閉鎖部材(8)が弁開口(6)を閉鎖かつ開放し、並びに弁開口(6)を通過するガス流を制御するように、影響を与えることができるように構成された形式のものにおいて、前記閉鎖部材(8)の端部(9)と前記弁座(12)との間に該弁座(12)に対して斜めに配置された、前成形された斜めに配置された部材(20,24)が設けられており、該斜めに配置された部材(20,24)が少なくとも前記弁座(12)の面寸法に相当する面寸法を有しており、前記斜めに配置された部材(20,24)が前記弁開口(6)を連続的に閉鎖又は開放するように、前記閉鎖部材(8)の端部(9)が前記斜めに配置された部材(20,24)を弁座(12)に対して押圧するか又は弁座(12)から離すように、前記閉鎖部材(8)の端部(9)が配置されていることを特徴とする、ガス流を制御するための弁。
  2. 前記斜めに配置された部材(20,24)に影響を与える閉鎖部材(8)の端部(9)の部分が弁座(12)の面寸法よりも小さな面寸法を持つ、請求項1記載の弁。
  3. 前記閉鎖部材(8)の端部(9)が丸みを持つ構成にされている、請求項1又は2のいずれか1項記載の弁。
  4. 前記閉鎖部材(8)の端部(9)の面と前記弁座(12)の面(10)とが互いに平行に配置されている、請求項1又は2のいずれか1項記載の弁。
  5. 前記斜めに配置された部材(20)がらせん形の板(21)の部分であり、板(21)が弁ケーシング(2)に固定されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の弁。
  6. 前記斜めに配置された部材(24)が板ばね(23)の部分であり、板ばね(23)が弁ケーシング(2)に固定されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の弁。
  7. 前記斜めに配置された部材(20,24)が板(21)もしくは板ばね(23)の面に対して5〜40度の角度を有している、請求項5又は6のいずれか1項記載の弁。
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