JPH10508369A - 圧力媒体を制御するための磁石弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 磁石弁の弁部材（１）が平らな端面側のシール面（３）を有しており，このシール面は，球形に構成された弁座部材（６）に形成された弁座（１２）と協働し，この弁座は弁座部材（６）における圧力通路（５）の出口を取り囲んでいるようにした磁石弁を提案する。球形形状に基づいて，磁石弁を稼働するうちに，圧力通路（５）の出口に直接に隣接している範囲の変形によって，弁座面が増大し，これによって製作公差を補償する大きな弁座精度が生ぜしめられ，弁の大きな高圧シール性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 圧力媒体を制御するための磁石弁 背景技術 本発明は，請求項１の形式の磁石弁から出発する。EP-A2-0 331 200 によって 公知のこのような磁石弁においては，弁座は平面弁座として構成されていて，こ の平面弁座と，弁部材の端面の平らなシール面とが協働する。この場合，弁部材 は圧縮ばねによって閉鎖方向に負荷され，電磁石が励磁される際に接極子によっ て開放方向に操作される。この構成の欠点は，シール面と弁座との組み合わせ対 を高圧シール性にすることが困難なことである。このためには，組み合わせ対の 面が高精度で平行であるようにしなければならない。なかんずく，弁部材側で弁 座に隣接している室内に高圧が存在し，圧力通路内が低圧である場合には，非シ ール性が弁部材に開放方向でなお付加的に力を作用させることがないようにする ことが，ぜひとも必要である。 発明の利点 請求項１の特徴を具備した本発明による磁石弁によって，弁部材と，球冠の， 圧力通路の出口の縁部におけるその弁座面との高精度のシール対を生ぜしめる解 決策が達成される。弁座における弁座部材の支持面が わずかであるために，弁座に大きな面圧が生じる。磁石弁を稼働させているうち に，弁座における面圧が大きいために，圧力通路の出口の範囲の最初鋭い縁であ った弁座が環形の平面部に変形することがある。しかしこの平面部は常に，弁部 材の端面におけるシール面に対して高精度に平行であり，したがって持続的なシ ール性が保証されている。このことは，背景技術の構成に対する著しい改善であ る。磁石弁を稼働させているうちに，弁座がそれを受容している部材内に打ち込 まれるような場合には，材料が簡単に均一に流れ出たり，変形したりすることは ない。このようなことが生ずると，閉鎖位置で弁の非シール性が生ずる危険があ る。請求項２によれば，弁部材は閉鎖ばねの作用で弁座上に動かされ，弁部材は 弁座の変形に追従することもできる。 本発明による磁石弁は，特に，１０００ｂａｒを越える燃料噴射圧力のような 大きな圧力の制御に有利に使用することができる。 図面には本発明の１実施例が示されており，以下において詳細に説明する。 実施例の説明 図面には，磁石弁のうち本発明にとって重要な部分が弁部材１の形で示されて おり，この弁部材は，図示の矢印のように，磁石によって上方に動かされ，ばね 力によって下方に動かされる。弁部材はケーシング２ 内で案内されていて，弁部材の軸線に対して垂直な端面３を有している。この端 面に弁のシール面が形成されている。軸線４に対して同軸的に弁部材の端面に向 き合って，圧力通路５が弁座部材６から室７内に出ている。この室は例えば低圧 にして，逃がし導管に接続しておくことができる。これに対し，圧力導管５内は 高圧にして，弁が開かれた場合に室７内に高圧を逃がすようにすることができる 。 弁座部材は室７に向かって球冠形あるいは球形に構成されていて，特に，圧力 通路５の出口の範囲において球冠の形状を有しており，この球冠の球中心点８は ，弁部材１と圧力通路５とに共通な軸線４上に位置している。したがって，球形 の表面１０において圧力通路の出口に鋭い縁１１が形成され，この縁上に弁部材 のシール面３が弁部材の閉鎖位置においてシール作用をもって接触する。この箇 所において大きな面圧が生じ，この大きな面圧は大きなシール性を保証する。大 きな面圧に基づいて，磁石弁を稼働させているうちに，鋭い縁１１のところで材 料部分がいくぶんか変形することがある。この変形はこの場合シール面の形状に 正確に追従して行われる。いくぶんか誇張して，破線１２によって弁座部材６に おける変形の仮想最終状態が示されている。この場合シール面は，直径ｄの面を 差し引いて直径ｄ′によって形成される環状面に増大する。この面はシール面に 対して高精度に平行であり ，したがって，まだ引き続いて閉鎖圧力が大きい状態で，弁の極めて良好なシー ル性が達成される。この場合，弁部材の形状に基づいて，変形する材料が容易に 側方に向かって，圧力通路から離れる方向に動くことができるという利点が得ら れる。 弁のシール性は，シール面３の範囲における弁部材の直径が若干の稼働時間後 に生ずる弁座１２の面よりも大きい場合でも保証される。なぜなら既に室７内に ，弁部材の他方の側の圧力に相応する負圧が存在しているからである。したがっ て室７内の圧力を介して開放方向の力が作用することはない。 磁石弁のこのような構成によって，シール面３に対する弁座１２の面関係の精 度が大きい状態で，可能最小限のシール面を達成することができる。更に変形が 増大するにつれて，弁座の面が増大するので，単位面積当たりの平均的な力作用 は時間とともにわずかになり，特定の状態からは，閉鎖ばねを介して下方に動か される弁部材の力作用によるそれ以上の塑性変形はもはや生じない。他面におい て変形によって小さな製作公差の寸法ずれが極めて迅速に補償され，弁の大きな 高圧シール性が生ずる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 圧力媒体を制御するための磁石弁であって，電磁石によって操作される弁 部材（１）を有し，この弁部材はシール面としてのその平らな端面（３）をもっ て弁座（１２）と協働し，この弁座には，弁部材（１）の軸線（４）に対して同 軸的に圧力通路（５）が開口している形式のものにおいて，圧力通路（５）が， 弁部材に向いた表面が球冠の一部として形成されている弁座部材（６）に出てお り，この弁座部材の仮想球中心点（８）が弁部材の軸線（４）に対して同軸的な 圧力通路（５）の軸線上にあり，圧力通路の出口に弁座（１２）が形成されてい ることを特徴とする，圧力媒体を制御するための磁石弁。 ２． 弁部材（１）が閉鎖ばねの作用で弁座（１２）上に動かされ，電磁石の磁 力の作用で弁座（１２）から引き離されることを特徴とする，請求構１記載の磁 石弁。