JP4232547B2 - 添加剤含有重合体粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、添加剤含有重合体粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重合体粒子に添加剤が含有された添加剤含有重合体粒子は、熱可塑性樹脂フィルムの改質剤などとして有用である。かかる添加剤含有重合体粒子の製造方法として、特許文献1〔特開平11−12327号公報〕には、添加剤を溶解させた溶媒に重合体粒子を浸漬させることで、重合体粒子に添加剤を含浸させる方法が開示されており、得られた添加剤含有重合体粒子は、浸漬後、直ちに濾別により溶媒から取り出されている。
【0003】
しかし、かかる従来の製造方法では、溶媒に溶解させた添加剤のうち、重合体粒子に含浸させうる添加剤の割合が少なく、溶媒に溶解させた添加剤の多くが無駄になってしまうという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−012327号公報
【特許文献2】
特開平10−218935号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、溶媒に溶解させた添加剤を無駄なく重合体粒子に含浸させて、効率よく添加剤含有重合体を製造できる方法を開発するべく鋭意検討した結果、添加剤として疎水性のものを用い、有機溶媒に、この添加剤が溶解され、重合体粒子が分散された有機溶媒混合物から、有機溶媒を除去するとともに水を添加することとすれば、より多くの添加剤を重合体粒子に容易に含浸させ得ることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、有機溶媒に重合体粒子が分散され、疎水性添加剤が溶解された有機溶媒混合物から、有機溶媒を除去しながら水を添加して、疎水性添加剤を重合体粒子に含浸させることを特徴とする添加剤含有重合体粒子の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法で用いる有機溶媒混合物は、重合体粒子が有機溶媒に分散されたものである。
【0008】
重合体粒子とは粒子状の重合体であり、重合体としては、例えば分子内にラジカル重合可能な二重結合を有するビニル単量体を重合させて得られる重合体が挙げられる。
【0009】
ビニル単量体としては、例えば分子内にラジカル重合可能な二重結合を一つ有するビニル単官能単量体が挙げられる。ビニル単官能単量体としては、例えばメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸系単量体、
アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸系単量体、
スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレンクロロスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル単量体、
メタクリロニトリル、アクリロニトリルなどのアミド系ビニル単量体、
マレイン酸、イタコン酸などのカルボン酸、
無水マレイン酸、無水イタコン酸などのカルボン酸無水物などが挙げられる。かかるビニル単官能単量体はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0010】
重合体は、かかるビニル単官能単量体を単独で用いて重合させることで得られるものであってもよいし、ビニル単官能単量体をビニル多官能単量体と共重合させて得られる共重合体であってもよい。
【0011】
ビニル多官能単量体としては、例えばジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、桂皮酸アリル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメリット酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0012】
かかる重合体粒子の粒子径は、通常0.1μm〜5mm程度であり、均一に含浸し得る点では1mm以下程度であることが好ましい。かかる重合体粒子は、例えば分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法などの方法によって製造されたものをそのまま用いてもよい。また、上記の方法や、キャスト重合法などの方法で得られた重合体を粉砕して得てもよい。重合体を加熱溶融してペレットなどのような粒状に成形して製造してもよい。重合体粒子の形状は、真球状であってもよいし、円柱状であってもよい。また不定形に粉砕された形状であってもよい。
【0013】
有機溶剤としては、重合体粒子を溶解しないものが用いられ、好ましくは重合体粒子を膨潤させうるものが用いられ、重合体粒子の種類に応じて適宜選択して用いられる。かかる有機溶媒として具体的には、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、
メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブなどのエーテルアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、
ヘキサン、オクタン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類などが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられ、2種以上を組み合わせて用いる場合には通常、それぞれ相互に溶解し得る有機溶媒が用いられる。
【0014】
有機溶媒の使用量は、重合体粒子に対して通常は1質量倍〜100質量程度、好ましくは2質量倍〜30質量倍程度である。
【0015】
かかる有機溶媒混合物は、疎水性添加剤が有機溶媒に溶解されている。疎水性添加剤は、水に対する溶解度よりも有機溶剤に対する溶解度の方が大きな添加剤であり、目的とする物性に応じて適宜選択されて用いられる。例えば重合体粒子に耐熱安定性を付与したい場合には、酸化防止剤、好ましくはフェノール系酸化防止剤が用いられる。重合体粒子を着色したい場合には、染料が用いられる。難燃性を付与したい場合には難燃剤が用いられる。可塑性を付与したい場合には、可塑剤が用いられる。紫外線を吸収させたい場合には、紫外線吸収剤が用いられる。
【0016】
疎水性のフェノール系酸化防止剤としては、例えば1,3,5−トリス[(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ヘキサメチレン ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレン ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートなどが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。なお、重合体粒子に含有させて用いられる添加剤の多くは疎水性添加剤である。
【0017】
疎水性添加剤の使用量は、用いる疎水性添加剤の種類、目的などにより異なるが、重合体粒子100質量部あたり通常は0.001質量部〜30質量部程度であり、例えばフェノール系酸化防止剤の場合は、好ましくは0.01質量部〜1質量部程度である。
【0018】
かかる有機溶媒混合物は、例えば有機溶媒中でビニル単量体を分散重合させる方法によって得られた重合体粒子を含む重合混合物であってもよい。有機溶媒中でビニル単量体を分散重合させるには、例えば有機溶媒としてビニル単量体を溶解し得、重合体粒子は溶解しない有機溶媒を用い、この有機溶媒中でビニル単量体を重合させればよい。
【0019】
有機溶媒としては、有機溶媒混合物において上記したと同様の有機溶媒が挙げられる。
【0020】
重合は、例えば有機溶媒およびビニル単量体を混合し、重合温度まで加熱したのち、重合温度で重合開始剤を添加すればよい。
【0021】
重合開始剤としては、例えばラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤とは、自ら分解してラジカルを生ずる化合物であって、生じたラジカルによってビニル単量体の重合を開始するものである。
【0022】
かかるラジカル重合開始剤としては、例えばラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec−ブチルパーオキシジカーボネートなどの過酸化物系ラジカル重合開始剤、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系ラジカル重合開始剤などが通常用いられ、その使用量はビニル単量体100質量部あたり通常1質量部〜5質量部である。
【0023】
重合は通常、分散安定剤の共存下に行われる。分散安定剤は、重合により生成した重合体粒子が有機溶媒中で互いに凝集することを防止するものであり、水の中では重合体粒子を凝集させるものであることが好ましい。かかる分散安定剤は、用いる有機溶媒の種類、ビニル単量体の種類などに応じて適宜選択して用いられ、例えば有機溶媒として炭素数1〜4程度のアルコールを用い、ビニル単量体としてメタクリル酸単量体を主成分として用いる場合には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロースなどのセルロース誘導体などを用いることができる。
【0024】
重合開始剤は、全量を一時に添加してもよいし、徐々に添加してもよい。重合温度は、用いた有機溶媒の種類、ビニル単量体の種類、重合開始剤の種類や使用量などにより異なるが、通常は50℃〜100℃程度である。ビニル単量体は、水の共存下に重合させてもよい。
【0025】
かくしてビニル単量体が重合して重合体が得られるが、生成した重合体は、有機溶媒に溶解しないので、粒子状となって有機溶媒中に分散する。ビニル単量体は全量(100質量%)が重合していてもよいが、実用的には、その70質量%以上、好ましくは90質量%以上が重合していればよい。
【0026】
かくして有機溶媒中でビニル単量体が重合して重合体粒子が生成し、スラリー状の重合混合物を得ることができる。得られた重合混合物は、そのまま疎水性添加剤を添加して、本発明の製造方法に用いる混合物とすることができる。また、分散重合に際して、有機溶媒およびビニル単量体と共に疎水性添加剤を含有させもよい。疎水性添加剤を含有させて分散重合させることで、重合後の重合混合物として、本発明の製造方法で用いる有機溶媒混合物を得ることができる。
【0027】
本発明で用いる有機溶媒混合物は、別途に重合して得た重合体粒子を疎水性添加剤と共に有機溶媒と混合する方法によっても得ることができる。
【0028】
本発明の製造方法では、かかる有機溶媒混合物から有機溶媒を除去しながら水を添加する。加熱により揮発しうる有機溶媒を用いた場合には、加熱しながら水を添加すればよい。有機溶媒として水と共沸し得る有機溶媒を用いた場合には、有機溶媒単独の沸点よりも低い共沸温度で有機溶媒を揮発させることができるので、有機溶媒をより容易に除去できて好ましい。
【0029】
加熱と水の添加とを同時に行い得る点で、特許文献2〔特開平10−218935号公報〕に記載されるように、加熱水蒸気(スチーム)を混合物に吹き込んでもよい。加熱水蒸気を吹き込むことで、有機溶媒混合物に水蒸気として水が添加されると同時に、有機溶媒は、加熱されて揮発するか、有機溶媒として水と共沸し得るものを用いた場合には水と共沸して、除去される。
【0030】
かくして有機溶媒を除去しながら水を添加することで、より多くの疎水性添加剤は重合体粒子に含浸されて、目的の添加剤含有重合体粒子が生成する。有機溶剤は、全量(100質量%)が除去されてもよいが、実用的には90質量%以上、好ましくは95質量%以上が除去されれば、疎水性添加剤を重合体粒子に十分に含浸させることができる。
【0031】
有機溶媒を除去しつつ、水を添加した後の混合物から、目的の添加剤含有重合体粒子を取り出すには、通常と同様に固液分離をすればよい。具体的には、自然濾過、遠心濾過、加圧濾過などの濾過法、デカンター、サイクロンなどを用いた遠心沈降法などの方法で固液分離して、目的の添加剤含有重合体粒子を得ることができる。得られた添加剤含有重合体粒子には水分が残っていることもあるが、かかる水分は、通常の加熱乾燥、真空乾燥、風乾などの方法で除去してもよい。また、若干の水分、例えば添加剤含有樹脂粒子に対して5質量%以上の水分を残したままであってもよく、重合体粒子の粒子径が小さい場合に、舞い上がることを防止し得る点で好ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、より多くの量の添加剤を重合体粒子に容易に含浸させて、添加剤含有重合体粒子を製造することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
【0034】
なお、以下の実施例における各物性値は以下の方法で測定した。
(1)重量平均粒子径
光回折散乱粒径測定機〔リーズ・アンド・ノースラップ社製、「マイクロトラックFRA」〕を用いて測定した。
(2)耐熱温度
示差熱熱重量同時測定装置〔セイコー・インスツルメンツ社製、「TG/DTA6300」〕を用い空気流量200mL/分(大気圧)にて50℃から20℃/分の昇温速度で500℃まで昇温し、昇温前の質量に対して95%の質量となった温度を測定して、この温度を耐熱温度とした。この温度が高いほど、より多くのフェノール系酸化防止剤が重合体粒子に含浸されていることを示す。
【0035】
実施例1
室温で、攪拌翼付ガラスフラスコにメタクリル酸メチル92質量部およびメタクリル酸アリル8質量部を仕込み、攪拌しながらヒドロキシプロピルセルロース6質量部を加え、次いでメタノール693質量部を加えた。その後も攪拌を続け、ヒドロキシプロピルセルロースがメタノールに完全に溶解したのちに、攪拌しながらイオン交換水203質量部を加えた。その後、窒素気流下に攪拌しながら、55℃に昇温した。55℃に達した時点で、t−ブチルパーオキシネオデカノエートの溶液〔「トリゴノックス23C−70」、化薬アクゾ(株)製、純度70質量%〕2.9質量部をメタノール5質量部に予め溶解させた溶液を添加した。その後も同温度で4時間、攪拌を続けて重合させた。重合後の重合混合物は、重量平均粒子径2.4μmの重合体粒子を含むスラリー状であった。
【0036】
上記で重合混合物130質量部を別の攪拌翼付ガラスフラスコに仕込み、フェノール系酸化防止剤〔1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン〕0.065質量部をメタノール10質量部に予め溶解させた溶液を添加した。その後、攪拌下、オイルバスで加熱しながら、揮発してきたメタノールおよび水の混合物をコンデンサーで回収しつつ、ガラスフラスコ内の液面が一定となるようにイオン交換水を添加した。その間、液温は徐々に上昇し、加熱開始後、6時間経過したときには94℃に達していた。この時点で、加熱を止め、冷却して、スラリー状の混合物を得た。得られた混合物では、重合体粒子は凝集していた。
【0037】
この混合物を濾紙(定性濾紙No.5)を用いて濾過し、濾過残渣を風乾して添加剤含有重合体粒子を得た。得られた添加剤含有樹脂粒子の耐熱温度は301℃であった。
【0038】
比較例1
添加剤を加えない以外は実施例1と同様に操作して、重合体粒子を得た。得られた重合体粒子の耐熱温度は244℃であった。
【0039】
比較例2
実施例1と同様に操作して得た重合混合物を攪拌翼付ガラスフラスコに仕込んだ後、攪拌下、オイルバスで加熱しながら、揮発してきたメタノールおよび水の混合物をコンデンサーで回収しつつ、ガラスフラスコ内の液面が一定となるようにイオン交換水を添加した。その間、液温は徐々に上昇し、加熱開始後、6時間経過したときには94℃に達していて、内容物は重合体粒子と水との混合物であり、スラリー状であった。この時点で、加熱を止めた。この混合物に添加剤〔1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン〕0.065質量部をメタノール10質量部に予め溶解させた溶液を添加し、90℃で1時間攪拌した。その後、実施例1と同様にして濾過することで水を除去して、添加剤含有重合体粒子を得た。得られた重合体粒子の耐熱温度は270℃であった。
Claims (3)
- 有機溶媒に重合体粒子が分散され、疎水性添加剤が溶解された有機溶媒混合物から、有機溶媒を除去しながら水を添加して、疎水性添加剤を重合体粒子に含浸させることを特徴とする添加剤含有重合体粒子の製造方法。
- ビニル単量体を有機溶媒中で分散重合させて得られた重合混合物に疎水性添加剤を加えて、有機溶媒混合物を得る、請求項1に記載の製造方法。
- 疎水性添加剤がフェノール系酸化防止剤である請求項1に記載の製造方法。
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