JP4231498B2 - 画像形成装置用転写ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置、特にカラー複写機、カラーレーザープ
リンターなどのカラー画像形成装置において、感光ドラム上のトナー像を転写材(紙)に
転写するために用いられる画像形成装置用転写ベルトに関するものである。
カラー複写機、カラーレーザープリンターなどのカラー画像形成装置における画像の転
写方式として、感光ドラム上に形成されたトナー像を、画像形成装置用転写ベルトを用い
て転写材(紙)に転写する方式が、標準的になりつつある。
図6は、この方式の1つである中間転写方式の概略を示す説明図である。図6に示す通
り、トナー1と現像ローラ2により、感光ドラム3上に、トナー像が形成される。この方
式は、4連タンデム方式であるため、4色のトナーとそれぞれに対応する現像ローラ、感
光ドラムが、設けられている。感光ドラム3上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ
4と、感光ドラム3と、画像形成装置用転写ベルト5とにより、画像形成装置用転写ベル
ト5に転写される。形成されたカラー画像は、二次転写ローラ6と、画像形成装置用転写
ベルト5と、転写材(紙)7とにより、転写材(紙)7に転写され、定着ローラ(図示さ
れていない。)により定着される。多重転写方式の場合も、基本的な原理は、同様である
これらの方式で用いられる画像形成装置用転写ベルトについては、ベルトの周方向の大
きな抵抗率(表面抵抗率)、および表面抵抗率よりは小さい厚み方向の抵抗率(体積抵抗
値)を有し、かつこれらの抵抗率がベルト面上の位置、使用環境、電圧などにより変動し
ないこと、ベルトの周方向の引張弾性率が高いこと、表面が平滑でかつ接触角が大きくト
ナーがベルトから転写材(紙)に転写されやすいこと(優れた離トナー性)、感光ドラム
やトナーなどを化学的に汚染しないこと(優れた非汚染性)、難燃性であること、などの
特性が望まれている。
単層の画像形成装置用転写ベルトにより、これらの多数の特性を満たすことは困難であ
るので、多層からなる画像形成装置用転写ベルトが提案されており、例えば、特開200
2−287531号公報には、低抵抗値の熱可塑性エラストマーのベース層と、高抵抗値
の熱可塑性エラストマーの表層とを有し、前記ベース層と前記表層とが加熱成形により形
成されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトが開示されている。
また、近年は、厚み方向に弾性を有する画像形成装置用転写ベルトも望まれており、こ
の性質を満たす画像形成装置用転写ベルトとして、上記のようなベース層と表層に加えて
、弾性体により形成される弾性層を有するものも考えられる。
この多層の画像形成装置用転写ベルトにおいては、ベルトの周方向の高引張弾性率はベ
ース層により、厚み方向の弾性は弾性層により達成される。一方、安定した体積抵抗値は
、ベース層および弾性層を形成する材質の選択などにより制御される。また、大きな表面
抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性は、表層により達成されることが望まれる。
しかし、従来は、これらの特性を十分に満足する画像形成装置用転写ベルトは得られて
いなかった。
このような要求を満足させられる画像形成装置用転写ベルトとして、本発明者らは、以
下の発明をするに至った。即ち、ベース層と、前記ベース層上に設けられたエラストマー
により形成される弾性層と、前記弾性層上に設けられたフッ素含有ポリマーにより形成さ
れる表層を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを発明した。
前記発明は、表層として、フッ素含有ポリマーにより形成される表層が用いられている
ため、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性を達成することができ、ま
たベース層と表層の間に、ウレタン等のエラストマーにより形成される弾性層が設けられ
ているため、厚み方向の十分な柔軟性を有しており、トナーを潰すことなく、搬送ができ
、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルトが得られる。
しかし、前記発明の場合、表層を構成するフッ素含有ポリマーと、弾性層を構成するウ
レタン等のエラストマーとの接着は、一般的にはプラズマ処理やブラストなどの物理的処
理、あるいはプライマーによるが、前者の場合、過大な労力、時間を要し、コスト高にな
り、後者の場合、薄い表層を通して汚染物質がブリードする可能性がある。
特開2002−287531号公報(請求項1)
本発明は、ベース層と、前記ベース層上に設けられたエラストマーにより形成される弾
性層と、前記弾性層上に設けられたフッ素含有ポリマーにより形成される表層を有するこ
とを特徴とする画像形成装置用転写ベルトにおける、大きな表面抵抗率、優れた離トナー
性、優れた非汚染性、さらに安定した体積抵抗値などを有すると共に、過大な労力、時間
を要することなく、また汚染物質のブリードの問題が発する可能性もなく、表層と弾性層
との優れた接着力が確保された画像形成装置用転写ベルトを提供することをその課題とす
る。
本発明者は、鋭意検討の結果、フッ素含有ポリマーにより形成される表層と、エラスト
マーにより形成される弾性層との間に、特定のバインダー層を設けることにより前記課題
が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本発明の請求項1は、
ベース層と、
前記ベース層上に設けられ、エラストマーにより形成される弾性層と、
前記弾性層上に設けられたバインダー層と、
前記バインダー層上に設けられ、フッ素含有ポリマーにより形成される表層
を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトであって、
前記バインダー層は、前記バインダー層の融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解
点以下であり、前記バインダー層の熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上であ
る材料により形成されている
ことを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
本発明は、表層として、フッ素含有ポリマーにより形成される表層が用いられているた
め、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性を達成することができる。
特に近年、画像形成装置のカラー化、高画質化に対応できるトナーの開発が活発に進め
られており、これらの中には、離型性、耐汚染性が不十分なものが多く、従来のポリイミ
ド、ポリアミドイミドなどの単層の画像形成装置用転写ベルトや、ウレタンやシリコン等
をスプレーコートした多層の画像形成装置用転写ベルトでは、これらに十分対応すること
ができなかった。しかし、本発明により、これらに十分対応することができ画像形成装置
用転写ベルトが得られるようになった。
さらに、本発明は、ベース層と表層の間に、エラストマーにより形成される弾性層が設
けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有している。
本発明により、従来の単層の画像形成装置用転写ベルトでは得られなかった弾性により
、トナーを潰すことなく、搬送ができ、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルト
が得られるようになった。
さらに、本発明は、表層と弾性層との間に、バインダー層が設けられており、前記バイ
ンダー層の融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下であり、前記バインダー層
の熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されている。
このように、前記バインダー層は、融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下
であるため、前記バインダー層および前記弾性層の融点以上で、前記バインダー層および
前記弾性層の熱分解点以下の温度に加熱しながら、前記バインダー層と前記弾性層とを圧
着させることにより、強固に接着させることができる。
また、前記バインダー層は、熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上である材
料で構成されているため、前記表層の融点以上、かつ前記表層の熱分解点以下の温度に加
熱することにより両者を融着させることができる。
このように、前記バインダー層の形成には、過大な労力、時間を要することもなく、さ
らにプライマーの様に表層を汚染する物質が混入されておらず、薄い表層を通して汚染物
質がブリードする可能性もない。
本発明は、本明細書に規定された各層の直上に、本明細書に規定された他の層が設けら
れている構成に限られず、本発明の目的を損なわない範囲において、ベース層と弾性層の
間、弾性層とバインダー層の間、バインダー層と表層の間に、本明細書に規定されていな
い他の層が設けられている構成を含む。
本発明の転写ベルトは、画像形成装置用であり、感光ドラムなどに形成されたトナー像
を、紙などの転写材に転写する機能を有するものである。ここで、画像形成装置としては
、電子写真方式を用いた複写機、レーザープリンターなどが挙げられるが、これらに限定
されず、トナー像を形成し、これを転写材に転写することにより転写材上に画像を形成す
る機能を有する装置全てを含む。
本発明の画像形成装置用転写ベルトのベース層は、高弾性率の材質から形成され、画像
形成装置用転写ベルトに高い引張弾性率を与えるものである。
ベース層を形成する高弾性率の材質としては、弾性率1GPa以上の材質が好ましく、
特に、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、またはポリビニリデンフロラ
イド(PVDF)が好ましい。なかでも、カーボン導電化されたポリイミド(PI)、カ
ーボン導電化されたポリアミドイミド(PAI)、またはカーボン導電化されたポリビニ
リデンフロライド(PVDF)が、高い弾性率を有するため好ましい。
請求項2は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベル
トであって、ベース層が、カーボン導電化されたポリイミド(PI)、カーボン導電化さ
れたポリアミドイミド(PAI)、またはカーボン導電化されたポリビニリデンフロライ
ド(PVDF)により形成されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供
するものである。
ベース層の厚みは、画像形成装置用転写ベルトの周方向の高い引張弾性率を画像形成装
置用転写ベルトに付与する点等から、30〜100μmの範囲が好ましく、特に40〜8
0μmの範囲が好ましい。
弾性層のエラストマーとしては、ウレタン、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレ
ンゴム、シリコンゴム、ポリアミド等が挙げられるが、ウレタンを用いることが、最も好
ましい。
請求項3は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベル
トであって、弾性層を形成するエラストマーが、ウレタンであることを特徴とする画像形
成装置用転写ベルトを提供するものである。
弾性層のエラストマーは、イオン導電化されることにより、体積抵抗値を安定的に制御
することができる。イオン導電化は、イオン導電性物質を分散させて、導電性を持たせる
などの方法により行なうことができる。
請求項4は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベル
トであって、弾性層を形成するエラストマーが、イオン導電化されたエラストマーである
ことを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
画像形成装置用転写ベルトにおいては、主にベース層により、抵抗値を制御した場合、
面内ばらつきや、電圧依存性が出てしまう。このため、弾性層により抵抗値を制御するこ
とが好ましいこと、そのためには、弾性層の抵抗値を、ベース層の抵抗値より大きくすれ
ばよいことが分かった。
請求項5は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベル
トであって、弾性層の抵抗値(Ω)が、ベース層の抵抗値(Ω)より大きいことを特徴と
する画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
弾性層の抵抗値は、より画像形成装置用転写ベルトの抵抗値を安定して制御する観点、
および実用上の観点より、抵抗値をΩで表した場合、ベース層の抵抗値(Ω)の10倍以上、10倍以下であることが好ましい。
請求項6は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベル
トであって、弾性層の抵抗値(Ω)が、ベース層の抵抗値(Ω)の10倍以上、10
以下であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
弾性層の体積抵抗値は、トナー受け渡しの点より、10〜1014Ω・cmであるこ
とが好ましい。
請求項7は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベル
トであって、弾性層の体積抵抗値が、10〜1014Ω・cmであることを特徴とする
画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
弾性層の厚みは、厚み方向の適度な弾性(柔軟性)を画像形成装置用転写ベルトに付与
する点等から、50〜300μmの範囲が好ましく、特に100〜250μmの範囲が好
ましい。
表層を形成するフッ素含有ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE
)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)が、接触角
が高く(大きく)、トナー等の付着物をきれいに剥がせることができるため好ましい。
請求項8は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベル
トであって、表層を形成するフッ素含有ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、またはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)
であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
バインダー層を形成する材料は、溶剤に溶ける材料であることが好ましい。即ち、前記
バインダー層を構成する材料を、溶剤に溶かし、スプレー法やディップ法により表層に塗
布するのみで接着させることができる。
請求項9は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベル
トであって、バインダー層を形成する材料が、溶剤に溶ける材料であることを特徴とする
画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
バインダー層は、フッ素含有ポリマーであることが好ましく、中でも四フッ化成分を含
んでいるためPTFE、PFAと接着しやすいこと、融点が110℃と低いグレード品が
あること、分解点が400℃(PTFEの融点以上)と高いこと、ウレタン等との接着性
に優れていること、柔かいこと等の理由より、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロ
プロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることが特に好まし
い。
特に、バインダー層が、THVであり、表層が、PTFEあるいはPFAである場合が
、最も好ましい。
請求項10は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベ
ルトであって、バインダー層が、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、
およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることを特徴とする画像形成装置
用転写ベルトを提供するものである。
前記の通り、本発明の画像形成装置用転写ベルトの表層として用いられているフッ素含有ポリマーは離トナー性に優れている。このようなフッ素含有ポリマーを表層に用いる場合は、バインダー層もフッ素含有ポリマーで形成することにより、両層の接着は充分強固である。また、表層を形成するフッ素含有ポリマーと同一のフッ素含有ポリマーをバインダー層のポリマーに添加することにより、両層の接着力をより高めることができる。この方法では、たとえバインダー層がフッ素含有ポリマーでなくても表層との接着ができる。
バインダー層に含有させるフッ素含有ポリマーは、粉状物として、バインダー層を形成する材料に含有させることが好ましい。この場合、粉状物の粒径は0.01〜10μmであることが好ましい。粒径が0.01μm未満の粉状物は製造が困難であり、一方粒径が10μmを越えると沈降の問題が発生しやすく、さらに表面荒さが悪くなり易いためである。
次に、バインダー層に含有させるフッ素含有ポリマーの量は、少な過ぎると充分な接着力向上の効果が得られず、一方、多過ぎるとバインダー層の主たる構成材料であるTHV等の特性への影響が大きくなる。以上を考慮したバインダー層に含有させるフッ素含有ポリマーの好ましい量は、バインダー層を形成する材料100部に対して、1〜300部である。特に、表層がPFAから形成され、バインダー層がTHVから形成される場合は、THVにPFAが10〜100部含有されていることが好ましい。
請求項11は、前記の好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、バインダー層に、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
前記の通り、本発明は、本発明の目的を損なわない範囲において、ベース層と弾性層の
間、弾性層とバインダー層の間、バインダー層と表層の間に、本明細書に規定されていな
い他の層が設けられている構成を含む。
しかし、このような場合においても、表層の厚みは、1〜15μmの範囲であることが
好ましい。この範囲であれば、十分な耐摩耗性と柔軟性を両立させることができる。
請求項12は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベ
ルトであって、表層の厚みが、1〜15μmであることを特徴とする画像形成装置用転写
ベルトを提供するものである。
バインダー層の厚みは、厚くなると、体積抵抗値が上がり、薄くなると、接着力が落ち
る。このような観点から、0.1〜10μmであることが好ましい。
請求項13は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベ
ルトであって、バインダー層の厚みが、0.1〜10μmであることを特徴とする画像形
成装置用転写ベルトを提供するものである。
ベース層は、画像形成装置用転写ベルトに周方向の引張弾性率を与え、弾性層は、積層
方向の弾性率を与える。また、ベース層の抵抗値を下げすぎると、電流は積層方向に流れ
ずに、周方向に流れるので、これを避ける必要がある。ベース層の厚さと、弾性層の厚さ
には、適切な関係にあることが好ましく、弾性層の厚みが、ベース層の厚みの1〜10倍
、特に2〜4倍であることが好ましい。
請求項14は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベ
ルトであって、弾性層の厚みが、ベース層の厚みの1〜10倍であることを特徴とする画
像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
本発明の画像形成装置用転写ベルトには、転写と定着を同時に行なう画像形成装置用転
写定着ベルトも含まれ、特に効率化の面からこのような画像形成装置用転写ベルトに、本
発明を適用することは好ましいことである。
本発明の請求項15は、この好ましい態様に該当し、上記の画像形成装置用転写ベルト
であって、画像形成装置用転写ベルトが、画像形成装置用転写定着ベルトであることを特
徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
本発明は、表層として、フッ素含有ポリマーにより形成される表層が用いられているた
め、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性を達成することができる。
さらに、本発明は、ベース層と表層の間に、エラストマーにより形成される弾性層が設
けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有している。
さらに、エラストマーとして、イオン導電化されたエラストマーが用いられているため
、体積抵抗値を安定的に制御することができる。
さらに、本発明は、表層と弾性層との間に、バインダー層が設けられており、前記バイ
ンダー層が、融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が、前
記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されている。このためバインダー
層の形成には、過大な労力、時間を要することもなく、またプライマーの様に表層を汚染
する物質が混入されておらず、薄い表層を通して汚染物質がブリードする可能性もない。
また、弾性層の抵抗値が、ベース層の抵抗値より大きい場合は、弾性層のみにより、画
像形成装置用転写ベルトの安定した抵抗値の制御ができる。
以下に実施例を示すが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。本発明と
同一および均等の範囲内において、以下の実施例に対して種々の変更を加えることが可能
である。
先ず、図2に示す通り、内面を鏡面加工した熱膨張係数1.76×10−5/℃の鋼鉄製の外筒8の内面に、PTFE(融点327℃、熱分解点400℃)を、ディップ法により塗布し、380℃で焼成し、表層9を設けた。
さらに、THVポリマー(融点120℃、熱分解点400℃)を酢酸ブチルに溶融し、
表層9上に、ディップ法により製膜して、乾燥させ、バインダー層14を設けた。さらに
、バインダー層14をPTFEとTHVの融点以上の350℃で加熱し、表層9に密着さ
せた。
次に、図3に示す通り、ドラム状金型10表面に、カーボン導電処理を行い、体積抵抗
値を調整したポリイミドを製膜し、380℃で焼成し、ベース層11を設けた。
さらに、ベース層11上に、イオン導電処理を行い、体積抵抗率が、ベース層11の体
積抵抗率の10倍になる様に調整したイオン導電化された水性ウレタン(融点120℃、
熱分解点180℃)をディップ法により塗布し、乾燥させて弾性層12を設けた。
イオン導電処理は、水性ウレタンに、イオン導電剤を分散させることにより行った。
次に、ドラム状金型10表面に設けられたベース層11と弾性層12の複合体を、ドラ
ム状金型10から剥がし、円筒状に形成された複合体を、図4に示す通り、MCナイロン
製の熱膨張係数8.0×10−5/℃の中子13外周に嵌め込んだ。
次に、図5に示す通り、ベース層11と弾性層12の複合体が嵌め込まれた中子13を
、バインダー層14と表層9の複合層が内面に設けられた外筒8に挿入し、真空中で15
0℃に加熱した。この加熱により、外筒8と中子13の熱膨張係数には差があるため、熱
膨張した中子13が、外筒8の内面を押圧し、ベース層11と弾性層12の複合層と、バ
インダー層14と表層9の複合層との図1に示される4層構造の複合体が得られた。
次に、中子13、外筒8を冷却し、これらから4層構造の複合体を分離し、画像形成装
置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み60μmのベース層(ポリイミド)上に、
厚み200μmの弾性層(イオン導電化されたウレタン)と、厚み3μmのバインダー層
(THV)と、厚み5μmの表層(PTFE)を有する画像形成装置用転写ベルトであり
、表面抵抗率、離トナー性、非汚染性共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることが
できた。
また、画像形成装置用転写ベルトの体積抵抗値は、弾性層12により安定して制御され
ていた。
さらに、表層とバインダー層の間、バインダー層と弾性層の間は、強固に接着されてお
り、ブリードも発生していなかった。
また、バインダー層のTHVポリマーの融点は、120℃であるが、表層のPTFEの
融点は、327℃であるため、スプレー法を利用して、ベース層より順次、弾性層、バイ
ンダー層、表層を設ける方法では、表層を焼成することが困難であるが、前記製法による
ことにより、弾性層とバインダー層を強固に接着することができた。
図2に示す通り、内面を鏡面加工した熱膨張係数1.76×10−5/℃の鋼鉄製の外筒8の内面に、PFA(デュポン社製350Jディスパージョン、粒径0.2μm)(融点295℃)を、ディップ法により塗布し、380℃で焼成し、表層9を設けた。
さらに、THVポリマー(住友3M社製THV220)(融点120℃、熱分解点400℃)を酢酸ブチルに溶融し、表層9上に、ディップ法により製膜して、乾燥させ、バインダー層14を設けた。さらに、バインダー層14をPFAとTHVの融点以上の350℃で加熱し、表層9に密着させた。他は実施例1と同じ方法により画像形成装置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み60μmのベース層(ポリイミド)上に、
厚み200μmの弾性層(イオン導電化されたウレタン)と、厚み3μmのバインダー層
(THV)と、厚み5μmの表層(PFA)を有する画像形成装置用転写ベルトであり、表面抵抗率、離トナー性、非汚染性共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることができた。
また、画像形成装置用転写ベルトの体積抵抗値は、弾性層12により安定して制御されていた。
さらに、表層とバインダー層の間、バインダー層と弾性層の間は、強固に接着されており、ブリードも発生していなかった。
また、バインダー層のTHVポリマーの融点は、120℃であるが、表層のPFAの融点は、295℃であるため、スプレー法を利用して、ベース層より順次、弾性層、バインダー層、表層を設ける方法では、表層を焼成することが困難であるが、前期製法によることにより、弾性層とバインダー層を強固に接着することができた。
バインダー層を設けるにあたり、THVポリマー(住友3M社製THV220)に表層を形成するPFAの粉状物(デュポン社製340J、粒径0.2μm)をTHVポリマー100部に対して60部予め添加して、THVポリマーを酢酸ブチルに溶融した。他は実施例2と同じ方法により画像形成装置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み60μmのベース層(ポリイミド)上に、厚み200μmの弾性層(イオン導電化されたウレタン)と、厚み3μmのバインダー層(THV)と、厚み5μmの表層(PFA)を有する画像形成装置用転写ベルトであり、表面抵抗率、離トナー率、非汚染製共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることができた。
次に実施例1ないし実施例3で得られた画像形成装置用転写ベルトの表層とバインダー層の接着力を測定した。測定は以下の方法により行った。
即ち表層とバインダー層に1cm幅の切り込みを入れて設けた測定箇所において、両層を引きはがすために必要な力を接着力として測定した。
測定の結果、実施例1、実施例2の場合は接着力が0.06kg/cmであったが、実施例3の場合には0.35kg/cmであった。以上の結果より、バインダー層に、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されていることにより、表層とバインダー層の接着力が向上することが確認できた。
なお、前記各実施例においては、中子13により外筒8の内面を押圧し、ベース層11と弾性層12の複合層と、バインダー層14と表層9の複合層との複合体を得る方法として、中子13と外筒8の熱膨張係数の差を利用したが、このような方法以外の、例えば空気圧を利用したり、瞬時の爆発力を利用して、ベース層11と弾性層12の複合体を、バインダー層14と表層9の複合層に押圧し、画像形成装置用転写ベルトを得る方法によってもよい。
本発明の画像形成装置用転写ベルトの一例を示す断面図である。 本発明の画像形成装置用転写ベルトの製造方法の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置用転写ベルトの製造方法の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置用転写ベルトの製造方法の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置用転写ベルトの製造方法の一例を示す図である。 画像形成装置用転写ベルトが用いられる画像転写方式の概略を示す説明図である。
符号の説明
1 トナー
2 現像ローラ
3 感光ドラム
4 一次転写ローラ
5 画像形成装置用転写ベルト
6 二次転写ローラ
7 転写材
8 外筒
9 表層
10 ドラム状金型
11 ベース層
12 弾性層
13 中子
14 バインダー層

Claims (15)

  1. ベース層と、
    前記ベース層上に設けられ、エラストマーにより形成される弾性層と、
    前記弾性層上に設けられたバインダー層と、
    前記バインダー層上に設けられ、フッ素含有ポリマーにより形成される表層
    を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトであって、
    前記バインダー層は、前記バインダー層の融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解
    点以下であり、前記バインダー層の熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上であ
    る材料により形成されている
    ことを特徴とする画像形成装置用転写ベルト。
  2. ベース層が、カーボン導電化されたポリイミド(PI)、カーボン導電化されたポリア
    ミドイミド(PAI)、またはカーボン導電化されたポリビニリデンフロライド(PVD
    F)により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用転写ベルト
  3. 弾性層を形成するエラストマーが、ウレタンであることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の画像形成装置用転写ベルト。
  4. 弾性層を形成するエラストマーが、イオン導電化されたエラストマーであることを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  5. 弾性層の抵抗値(Ω)が、ベース層の抵抗値(Ω)より大きいことを特徴とする請求項
    1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  6. 弾性層の抵抗値(Ω)が、ベース層の抵抗値(Ω)の10倍以上、10倍以下である
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置用転写ベルト。
  7. 弾性層の体積抵抗値が、10〜1014Ω・cmであることを特徴とする請求項1な
    いし請求項6のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  8. 表層を形成するフッ素含有ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ま
    たはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  9. バインダー層を形成する材料が、溶剤に溶ける材料であることを特徴とする請求項1な
    いし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  10. バインダー層が、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリ
    デンフロライドの共重合体(THV)であることを特徴とする請求項1ないし請求項9の
    いずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  11. バインダー層に、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  12. 表層の厚みが、1〜15μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいず
    れかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  13. バインダー層の厚みが、0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1ないし請求
    項12のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  14. 弾性層の厚みが、ベース層の厚みの1〜10倍であることを特徴とする請求項1ないし
    請求項13のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  15. 画像形成装置用転写ベルトが、画像形成装置用転写定着ベルトであることを特徴とする
    請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
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