JP4137099B2 - 画像形成装置用転写ベルトの製造方法と製造装置および画像形成装置用転写ベルト - Google Patents
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Description
さらにこのような問題に加え、画像形成装置用転写ベルトの場合、エンドレス形状に製造する必要がある。
さらに、かかる接着を行う製造方法や装置の開発が望まれていた。
また、それぞれ別個に製造された表層とバインダー層からなる第1複合体と、ベース層と弾性層からなる第2複合体とを確実、効率的に接着する方法とその方法を実施する装置を開発した。
外筒内面に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)からなる表層を設けた後、前記表層上に、バインダー層を設けて、第1複合体を形成する第1複合体形成工程と、
ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、およびポリビニリデンフロライド(PVDF)からなる群から選択された少なくとも1つからなるベース層上に、エラストマーからなる弾性層を設けて、第2複合体を形成する第2複合体形成工程と、
前記第1複合体のバインダー層と、前記第2複合体の弾性層とを熱融着させる複合体融着工程とを有し、
前記バインダー層が、融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されていること、
を特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
第2複合体形成工程が、
円筒状金型上に、前記ベース層を設ける工程と、
前記ベース層上に、前記弾性層を設ける工程と、
前記ベース層と前記弾性層よりなる複合体を、前記円筒状金型より分離し、円筒状の第2複合体を形成する工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
前記複合体融着工程が、
円筒状に形成された前記第2複合体の内面に、熱膨張係数が外筒の熱膨張係数より大きい中子を挿入する中子第1挿入工程と、
前記第2複合体に挿入された前記中子を前記外筒に挿入する中子第2挿入工程と、
前記外筒と前記中子を加熱し、前記第1複合体のバインダー層と前記第2複合体の弾性層を熱融着させる複合体融着工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
前記複合体融着工程が、
内部に充填されている流体の圧力を調節して半径を増減させることが可能な、両端が閉じられた中空円筒状のウォーターバックの外周に前記第2複合体をはめ込み、さらにその状態で外筒内面側に固着されている前記第1複合体内に挿入するウォーターバック挿入ステップと、
前記ウォーターバック挿入ステップの終了後、前記ウォーターバックの周囲を真空にする真空ステップと、
前記ウォーターバック挿入ステップの終了後、前記ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を上げて前記ウォーターバックの直径を大きくし、その外周にある前記第2複合体の外周面を、前記第1複合体の内周面に押圧させる押圧ステップと、
前記真空ステップと前記押圧ステップの終了後、前記真空室の内部を加熱して前記第2複合体の外周面と前記第1複合体の内周面とを接着させる接着ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
さらに、最後に、この樹脂製ベルトが、外筒の内面から剥される。
また、流体とは、水に限定されず、ガス、シリコンオイル等をも含む。特に、接着時に150℃以上に加熱する場合には、蒸気圧が低いオイルの方が水より好ましい。
また、圧力調整用ポンプとは、ウォーターバック内の圧力を制御、調節可能であれば、ポンプには限定されない。
なお、接着時に真空にしているのは、接着面にガスが取残され、ボイドが発生することを防止するためである。
また、接着は真空中でなされるため、接着面にガスが取残されたりする等の不具合の発生がなく、この面からも良好な接着と寸法の確保がなされる。
前記ウォーターバックは、外周面にシリコンゴムを使用しているものであることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
特に、バインダー層がTHVであり、表層がPTFEであり、弾性層がウレタンである場合が、最も好ましい。
また、エラストマーは、イオン導電化されたエラストマーを用いることが、体積抵抗値を安定させる観点より好ましい。
請求項1から請求項3および請求項6から請求項11のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法に使用する製造装置であって、
前記第2複合体を外周にはめ込んだ状態で前記外筒内面側に固着されている第1複合体内に挿入され、さらに内部に充填されている流体の圧力を調節して半径を増減させることが可能な中空円筒状のウォーターバックと、
前記ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を調節する圧力調整用ポンプと、
前記ウォーターバックが前記圧力調整用ポンプに連通されている状態で内部に設置可能な真空室と、
前記真空室の内部を加熱するヒータと、
を有していることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造装置を提供するものである。
前記ウォーターバックは、外周面にシリコンゴムを使用していることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造装置を提供するものである。
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、表層の内面側にバインダー層を形成した第1複合体の内面側に、ベース層の外面側に弾性体層を形成した第2複合体層を挿入し、両層の接着に中子を使用するものである。
イオン導電処理は、水性ウレタンに、イオン導電剤を分散させることにより行った。
本実施の形態は、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されているバインダー層に関する。
図1に示す通り、内面を鏡面加工した熱膨張係数1.76×10−5/℃の鋼鉄製の外筒8の内面に、PFA(デュポン社製350Jディスパージョン、粒径0.2μm)(融点295℃)を、ディップ法により塗布し、380℃で焼成し、表層9を設けた。
厚み200μmの弾性層(イオン導電化されたウレタン)と、厚み3μmのバインダー層
(THV)と、厚み5μmの表層(PFA)を有する画像形成装置用転写ベルトであり
、表面抵抗率、離トナー性、非汚染性共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることが
できた。
本実施の形態も、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されているバインダー層に関する。
バインダー層を設けるにあたり、THVポリマー(住友3M社製THV220)に表層を形成するPFAの粉状物(デュポン社製340J、粒径0.2μm)をTHVポリマー100部に対して60部予め添加して、THVポリマーを酢酸ブチルに溶融した。他は実施例2と同じ方法により画像形成装置用転写ベルトを得た。
即ち表層とバインダー層に1cm幅の切り込みを入れて設けた測定箇所において、両層を引きはがすために必要な力を接着力として測定した。
測定の結果、第1の実施の形態、第2の実施の形態の場合は接着力が0.06kg/cmであったが、第3の実施の形態の場合には0.35kg/cmであった。以上の結果より、バインダー層に、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されていることにより、表層とバインダー層の接着力が向上することが確認できた。
本実施の形態は、第1複合体と第2複合体の接着にウォーターバックを使用するものである。
第1複合体と第2複合体の接着を、図6、図7を参照しつつ説明する。図6において、50はウォーターバック全体を指し、実線で示す51はその胴部であり、破線で示す52は径が増大した状態の胴部であり、55は胴部の上下両端のエンドプレート(鏡板)であり、59はポンプである。60は真空室であり、61はその蓋であり、62は真空ポンプである。図7において、70は取り外し可能な電気ヒータである。
また、接着面の中央から側部方向に良好にガスが抜ける様に、ゴムの中央部は少し薄めにしている。
また、真空室60は一種の容器であり、外周に半製品の樹脂ベルトを巻いたウォーターバック50を外部にあるポンプ59と連結した状態でその内部に出し入れ可能となっている。このため、その上部には開閉自在の蓋61が設けられおり、また内部は真空ポンプ62に接続されている。
図7は、ベース層11と弾性層12からなる半製品の第2複合体が嵌め込まれたウォーターバック50を、バインダー層14と表層9からなる半製品の第1複合体が内側面に固着された外筒8内に挿入し、さらに真空室60内部に設置し、内部の流体の圧力を上昇させた状態を示す。
このため、4層の樹脂層からなる半製品の樹脂ベルトは、ウォーターバック50の内圧で膨らんだ胴部52により、外筒8の内面に押付けられている。
なおこの際、外筒8はステンレス製であり全く変形しない。一方、ウォーターバック50の胴部51、52はシリコンゴム製の膜であるため、ウォーターバック50内の流体圧を100気圧に上げると、両端のエンドプレート55の有る無しに無関係に、全体が均一に樹脂層を外筒8の内側面に押圧することとなる。
この状態で、真空室60内部を120℃に保持して4層からなるエンドレス樹脂を加熱した。この加熱時にウォーターバック50の膨らんだ胴部52が、外筒8を内面側から均一に押圧し、ベース層11と中間層12からなる第2複合体と、バインダー層14と表層9からなる第1複合体とがしっかりと接着した4層構造の樹脂ベルトが得られた。
さらに、中間層とバインダー層との接着性も良好であった。
2 現像ローラ
3 感光ドラム
4 一次転写ローラ
5 画像形成装置用転写ベルト
6 二次転写ローラ
7 転写材
8 外筒
9 表層
10 ドラム状金型
11 ベース層
12 弾性層
13 中子
14 バインダー層
50 ウォーターバック
51 胴部
52 膨張した胴部
55 エンドプレート
59 ポンプ
60 真空室
61 蓋
62 真空ポンプ
70 ヒータ
Claims (14)
- 外筒内面に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)からなる表層を設けた後、前記表層上に、バインダー層を設けて、第1複合体を形成する第1複合体形成工程と、
ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、およびポリビニリデンフロライド(PVDF)からなる群から選択された少なくとも1つからなるベース層上に、エラストマーからなる弾性層を設けて、第2複合体を形成する第2複合体形成工程と、
前記第1複合体のバインダー層と、前記第2複合体の弾性層とを熱融着させる複合体融着工程とを有し、
前記バインダー層が、融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されていること、
を特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法。 - 前記外筒内面が、鏡面加工されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
- 第2複合体形成工程が、
円筒状金型上に、前記ベース層を設ける工程と、
前記ベース層上に、前記弾性層を設ける工程と、
前記ベース層と前記弾性層よりなる複合体を、前記円筒状金型より分離し、円筒状の第2複合体を形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。 - 前記複合体融着工程が、
円筒状に形成された前記第2複合体の内面に、熱膨張係数が外筒の熱膨張係数より大きい中子を挿入する中子第1挿入工程と、
前記第2複合体に挿入された前記中子を前記外筒に挿入する中子第2挿入工程と、
前記外筒と前記中子を加熱し、前記第1複合体のバインダー層と前記第2複合体の弾性層を熱融着させる複合体融着工程と、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。 - 前記中子が、MCナイロンまたはフッ素樹脂により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
- 前記複合体融着工程が、
内部に充填されている流体の圧力を調節して半径を増減させることが可能な、両端が閉じられた中空円筒状のウォーターバックの外周に前記第2複合体をはめ込み、さらにその状態で外筒内面側に固着されている前記第1複合体内に挿入するウォーターバック挿入ステップと、
前記ウォーターバック挿入ステップの終了後、前記ウォーターバックの周囲を真空にする真空ステップと、
前記ウォーターバック挿入ステップの終了後、前記ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を上げて前記ウォーターバックの直径を大きくし、その外周にある前記第2複合体の外周面を、前記第1複合体の内周面に押圧させる押圧ステップと
前記真空ステップと前記押圧ステップの終了後、前記真空室の内部を加熱して前記第2複合体の外周面と前記第1複合体の内周面とを接着させる接着ステップと、
を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。 - 前記ウォーターバックは、外周面にシリコンゴムを使用しているものであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
- 前記バインダー層を形成する材料が、溶剤に溶ける材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
- 前記バインダー層が、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
- 前記バインダー層に、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記エラストマーがウレタンであることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
- 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の製造方法によって製造されることを特徴とする画像形成装置用転写ベルト。
- 請求項1から請求項3および請求項6から請求項11のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法に使用する製造装置であって、
前記第2複合体を外周にはめ込んだ状態で前記外筒内面側に固着されている第1複合体内に挿入され、さらに内部に充填されている流体の圧力を調節して半径を増減させることが可能な中空円筒状のウォーターバックと、
前記ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を調節する圧力調整用ポンプと、
前記ウォーターバックが前記圧力調整用ポンプに連通されている状態で内部に設置可能な真空室と、
前記真空室の内部を加熱するヒータと、
を有していることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造装置。 - 前記ウォーターバックは、外周面にシリコンゴムを使用していることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造装置。
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