JP4137099B2 - 画像形成装置用転写ベルトの製造方法と製造装置および画像形成装置用転写ベルト - Google Patents

画像形成装置用転写ベルトの製造方法と製造装置および画像形成装置用転写ベルト Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置用転写ベルトの製造方法と製造装置および画像形成装置用転写ベルトに関し、特にカラー複写機、カラーレーザープリンターなどの電子写真方式を用いたカラー画像形成装置において、感光ドラム上のトナー像を転写材(紙)に転写するために用いられる画像形成装置用転写ベルトの製造方法と製造装置およびそれらの製造方法または製造装置によって製造された画像形成装置用転写ベルトに関する。
カラー複写機、カラーレーザープリンターなどのカラー画像形成装置における画像の転写方式として、感光ドラム上に形成されたトナー像を、画像形成装置用転写ベルトを用いて転写材(紙)に転写する方式が、標準的になりつつある。
図8は、この方式の1つである中間転写方式の概略を示す説明図である。図8に示す通り、トナー1と現像ローラ2により、感光ドラム3上に、トナー像が形成される。この方式は、4連タンデム方式であるため、4色のトナーとそれぞれに対応する現像ローラ、感光ドラムが、設けられている。感光ドラム3上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ4と、感光ドラム3と、画像形成装置用転写ベルト5とにより、画像形成装置用転写ベルト5に転写される。形成されたカラー画像は、二次転写ローラ6と、画像形成装置用転写ベルト5と、転写材(紙)7とにより、転写材(紙)7に転写され、定着ローラ(図示されていない。)により定着される。多重転写方式の場合も、基本的な原理は、同様である。
これらの方式で用いられる画像形成装置用転写ベルトについては、ベルトの周方向の大きな抵抗率(表面抵抗率)、および表面抵抗率よりは小さい厚み方向の抵抗率(体積抵抗値)を有し、かつこれらの抵抗率がベルト面上の位置、使用環境、電圧などにより変動しないこと、ベルトの周方向の引張弾性率が高いこと、表面が平滑でかつ接触角が大きくトナーがベルトから転写材(紙)に転写されやすいこと(優れた離トナー性)、感光ドラムやトナーなどを化学的に汚染しないこと(優れた非汚染性)、難燃性であること、などの特性が望まれている。
単層の画像形成装置用転写ベルトにより、これらの多数の特性を満たすことは困難であるので、多層からなる画像形成装置用転写ベルトが提案されており、例えば、特開2002−287531号公報には、低抵抗値の熱可塑性エラストマーのベース層と、高抵抗値の熱可塑性エラストマーの表層とを有し、前記ベース層と前記表層とが加熱成形により形成されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトが開示されている。
また、近年は、厚み方向に弾性を有する画像形成装置用転写ベルトも望まれており、この性質を満たす画像形成装置用転写ベルトとして、上記のようなベース層と表層に加えて、弾性体により形成される弾性層を有するものも考えられる。
この多層の画像形成装置用転写ベルトにおいては、ベルトの周方向の高引張弾性率はベース層により、厚み方向の弾性は弾性層により達成される。一方、安定した体積抵抗値は、ベース層および弾性層を形成する材質の選択などにより制御される。また、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性は、表層により達成されることが望まれる。
しかし、従来は、これらの特性を十分に満足する画像形成装置用転写ベルトは得られていなかった。
このような要求を満足させられる画像形成装置用転写ベルトとして、本発明者らは、以下の画像形成装置用転写ベルトを見出した。
即ち、ベース層と、前記ベース層上に設けられたウレタン等のエラストマーにより形成される弾性層と、前記弾性層上に設けられたフッ素含有ポリマーにより形成される表層を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを見出した。
前記の画像形成装置用転写ベルトは、表層として、フッ素含有ポリマーにより形成される表層が用いられているため、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性を達成することができ、またベース層と表層の間に、ウレタン等のエラストマーにより形成される弾性層が設けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有しており、トナーを潰すことなく、搬送ができ、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルトが得られる。
しかし、前記発明の場合、表層を構成するフッ素含有ポリマーと、弾性層を構成するウレタン等のエラストマーとの接着は、一般的にはプラズマ処理やブラストなどの物理的処理、あるいはプライマーによるが、前者の場合、過大な労力、時間を要し、コスト高になり、後者の場合、薄い表層を通して汚染物質がブリードする可能性がある。
また、表層を形成する物質を、弾性層を形成するウレタン等にスプレー法やディップ法により塗布し、その後焼成することが考えられるが、弾性層のウレタン等の熱分解点が、表層の焼成温度より低いため、表層を焼成することができない。
また、ベース層と弾性層により形成した成型体に、押し出しチューブ状の表層をはめ込む方法も考えられるが、小さい径(Φ100mm未満)の画像形成装置用転写ベルトしか製造することができない。また、30μm未満の薄肉の表層を得ることが困難である。
さらにこのような問題に加え、画像形成装置用転写ベルトの場合、エンドレス形状に製造する必要がある。
特開2002−287531号公報(請求項1)
本発明は、ベース層と、前記ベース層上に設けられた弾性層と、前記弾性層上に設けられたフッ素含有ポリマーにより形成される表層を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトについて、より大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性、安定した体積抵抗値などを有すると共に、汚染物質のブリードの問題が発生する可能性もなく、さらに表層と弾性層との優れた接着力が確保された画像形成装置用転写ベルトを、過大な労力、時間を要することなく、また弾性層が融けたり、熱変形することもなく製造する方法や製造装置、およびその製造方法や製造装置によって製造された画像形成装置用転写ベルトの開発が望まれていた。
また、近年の信頼性と耐久性に対するユーザの要求は益々厳しくなっており、このため弾性層とフッ素含有ポリマーにより形成される表層とを従来以上に確実かつ効率的に接着する技術の開発が望まれていた。
さらに、かかる接着を行う製造方法や装置の開発が望まれていた。
本発明者は、鋭意検討の結果、各層に画像形成装置用転写ベルトとして最適の材質を選定すると共に、表層と弾性層との間に、特定のバインダー層を設け、さらに表層とバインダー層からなる複合体と、ベース層と弾性層からなる複合体を、それぞれ別個に製造し、その後両複合体を合体させること、またエンドレス形状にするために、表層とバインダー層からなる複合体を、外筒内面に形成することにより前記課題が達成されることを見出した。
また、バインダー層に表層と共通する物質を配合することにより接着性が改善されることを見出した。
また、それぞれ別個に製造された表層とバインダー層からなる第1複合体と、ベース層と弾性層からなる第2複合体とを確実、効率的に接着する方法とその方法を実施する装置を開発した。
本発明の請求項1は、
外筒内面に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)からなる表層を設けた後、前記表層上に、バインダー層を設けて、第1複合体を形成する第1複合体形成工程と、
ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、およびポリビニリデンフロライド(PVDF)からなる群から選択された少なくとも1つからなるベース層上に、エラストマーからなる弾性層を設けて、第2複合体を形成する第2複合体形成工程と、
前記第1複合体のバインダー層と、前記第2複合体の弾性層とを熱融着させる複合体融着工程とを有し、
前記バインダー層が、融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されていること、
を特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
本発明では、画像形成装置用転写ベルトの表層として、フッ素含有ポリマーの中でも、表面抵抗率、非汚染性に優れると共に、接触角が高く(大きく)、トナー等の付着物をきれいに剥がせることができるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)が用いられている。
また、弾性層として、弾性力のあるエラストマーが用いられている。
さらに、ベース層として、画像形成装置用転写ベルトとしての引張弾性率、弾性層との接着性などの点で特に優れるポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)などが用いられている。
そして、本発明では、このような優れた層を有する画像形成装置用転写ベルトについて、前記の通り、表層と前記の特定のバインダー層からなる第1複合体を形成し、別途、ベース層と弾性層からなる第2複合体を形成し、前記バインダー層と前記弾性層を熱融着させて画像形成装置用転写ベルトを製造する。
そして、前記製造法を実現させるため、本発明のバインダー層としては、融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が、前記表層を形成する材料の融点以上である材料が用いられている。
即ち、前記バインダー層は、融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下であるため、前記バインダー層および前記弾性層の融点以上で、前記バインダー層および前記弾性層の熱分解点以下の温度に加熱しながら、前記バインダー層と前記弾性層とを圧着させることにより、強固に接着させることができる。
また、前記バインダー層は、熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上である材料で構成されているため、前記表層の融点以上、かつ前記表層の熱分解点以下の温度に加熱することにより両者を融着させることができる。
このように、前記バインダー層の形成には、過大な労力、時間を要することもなく、さらにプライマーの様に表層を汚染する物質が混入されておらず、薄い表層を通して汚染物質がブリードする可能性もない。
また、弾性層に欠陥があっても、バインダー層と熱融着させる際に、前記弾性層が溶融するため、このような欠陥を消去することができる。
また、大口径(Φ100mm以上)の画像形成装置用転写ベルトを製造することができる。さらに、30μm未満、特に1μm程度の薄肉の表層を得ることも容易にでき、一方厚肉の表層にも対応することができる。
このように、本発明は、特定の優れた層が組み合わされた画像形成装置用転写ベルトについて、特定の材質の層を追加しながら前記課題を達成する製造方法を見出したものである。
なお、本発明の製造方法においては、前記した各層の直上に、前記した他の層が設けられている構成に限られず、本発明の目的を損なわない範囲において、各層の間に、接着層その他の他の層が設けられていることを妨げない。
画像形成装置用転写ベルトにおいては、離トナー性を向上させるために、表層表面の粗さを小さくすることが好ましい。本発明においては、外筒内面を鏡面加工することだけで、この要請に容易に対応することができる。
請求項2は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、前記外筒内面が、鏡面加工されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
前記の外筒内面に第1複合体が形成されるため、第2複合体は、前記外筒内に設ける必要がある。このような第2複合体の形成は、円筒状金型上に、前記ベース層を設け、前記ベース層上に、前記弾性層を設け、前記ベース層と前記弾性層よりなる第2複合体を、前記円筒状金型より分離する工程によることにより効率的に製造することができる。
請求項3は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、
第2複合体形成工程が、
円筒状金型上に、前記ベース層を設ける工程と、
前記ベース層上に、前記弾性層を設ける工程と、
前記ベース層と前記弾性層よりなる複合体を、前記円筒状金型より分離し、円筒状の第2複合体を形成する工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
外筒内面に、前記表層と前記バインダー層とからなる第1複合体を形成した後、前記第1複合体と、別途形成した前記ベース層と前記弾性層とからなる円筒状の第2複合体とを、前記第1複合体のバインダー層と、前記第2複合体の弾性層とを熱融着させて合体させる必要がある。
この融着方法としては、円筒状の前記第2複合体を外筒内部に挿入した後、前記第2複合体を加熱すると共に、膨張させて、外筒内面に形成された前記第1複合体に圧接する方法が、効率的であり好ましい。
このような方法としては、火薬など爆発力を利用する方法などがあるが、熱膨張係数の差を利用する方法が、加熱手段と共用できるため好ましい。
具体的には、円筒状の前記第2複合体の内面に、熱膨張係数が外筒の熱膨張係数より大きい中子を挿入し、前記中子を前記外筒内に挿入し、前記外筒と前記中子を加熱して、2つの複合体を熱融着させる方法が効率的である。
請求項4は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、
前記複合体融着工程が、
円筒状に形成された前記第2複合体の内面に、熱膨張係数が外筒の熱膨張係数より大きい中子を挿入する中子第1挿入工程と、
前記第2複合体に挿入された前記中子を前記外筒に挿入する中子第2挿入工程と、
前記外筒と前記中子を加熱し、前記第1複合体のバインダー層と前記第2複合体の弾性層を熱融着させる複合体融着工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
中子は、熱膨張係数が大きい材質により形成されていることが好ましく、特にMCナイロンまたはフッ素樹脂により形成されていることが好ましい。
請求項5は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、前記中子が、MCナイロンまたはフッ素樹脂により形成されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
他の好ましい方法としては、流体圧を使用する方法がある。この方法においては加熱を併用するだけでなく、接着は真空雰囲気で行われるため、接着面にガスが残らず、確実な接着がなされることとなる。
請求項6の発明は、この好ましい製造方法に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、
前記複合体融着工程が、
内部に充填されている流体の圧力を調節して半径を増減させることが可能な、両端が閉じられた中空円筒状のウォーターバックの外周に前記第2複合体をはめ込み、さらにその状態で外筒内面側に固着されている前記第1複合体内に挿入するウォーターバック挿入ステップと、
前記ウォーターバック挿入ステップの終了後、前記ウォーターバックの周囲を真空にする真空ステップと、
前記ウォーターバック挿入ステップの終了後、前記ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を上げて前記ウォーターバックの直径を大きくし、その外周にある前記第2複合体の外周面を、前記第1複合体の内周面に押圧させる押圧ステップと、
前記真空ステップと前記押圧ステップの終了後、前記真空室の内部を加熱して前記第2複合体の外周面と前記第1複合体の内周面とを接着させる接着ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
この製造方法では、両端部が閉じられた中空円筒状のウォーターバックにベース層と弾性層を有する第2複合体をはめ込んだ状態で、外筒内面側に固着されている第1複合体内に挿入し、圧力調整用ポンプによりウォーターバック内に充填されている流体の圧力を上げてウォーターバックの径を第2複合体ごと増加させ、その外側面を第1複合体の内側面に押付け、この状態で真空にし、真空室ごと加熱して第1複合体と第2複合体の接着を行う。両方の複合体の接着が終了し、圧力を元の大気圧とし、さらに温度を低下させた後、ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を下げてウォーターバックの径を減少させ、第1複合体と第2複合体がしっかりと接着された樹脂製ベルトからウォーターバックを引抜くこととなる。
さらに、最後に、この樹脂製ベルトが、外筒の内面から剥される。
ここに、ウォーターバックは、内部の流体により径を制御可能であれば、その材質は問わない。
また、流体とは、水に限定されず、ガス、シリコンオイル等をも含む。特に、接着時に150℃以上に加熱する場合には、蒸気圧が低いオイルの方が水より好ましい。
また、圧力調整用ポンプとは、ウォーターバック内の圧力を制御、調節可能であれば、ポンプには限定されない。
なお、接着時に真空にしているのは、接着面にガスが取残され、ボイドが発生することを防止するためである。
また、第1複合体の内側面と第2複合体の外側面との接着は、第1複合体をその外側面が金属円筒製の外筒に固定された状態とし、第2複合体をその内側から半径方向外部側に押圧した状態でなされるため、両方の複合体の接着が確実に成され、寸法精度も良好となる。
また、接着は真空中でなされるため、接着面にガスが取残されたりする等の不具合の発生がなく、この面からも良好な接着と寸法の確保がなされる。
さらに、接着時に第1複合体を内側から半径方向外部側に押圧するウォーターバックは、内部の流体圧を制御することにより外径を伸縮可能であるため、接着前の第1複合体への挿入、接着後の両方の複合体が接着されたベルトの取外しも容易となる。
この際、ウォーターバックは、シリコンゴム製であれば、少なくとも樹脂層の接着時に押圧する円筒状の部分は、200〜250℃程度の高温まで柔軟性を失わず、また樹脂との離型性が優れるため接着処理終了後に第1複合体と第2複合体が接着してなる樹脂製ベルトからウォーターバッグを引抜く作業が容易になるので好ましい。
請求項7の発明は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、
前記ウォーターバックは、外周面にシリコンゴムを使用しているものであることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
バインダー層を形成する材料は、溶剤に溶ける材料であることが好ましい。即ち、前記バインダー層を構成する材料を、溶剤に溶かし、スプレー法やディップ法により表層に塗布するのみで接着させることができる。
請求項8は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、バインダー層を形成する材料が、溶剤に溶ける材料であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
バインダー層は、フッ素含有ポリマーであることが好ましく、中でも四フッ化成分を含んでいるためPTFE、PFAと接着しやすいこと、融点が110℃と低いグレード品があること、分解点が400℃(PTFEの融点以上)と高いこと、ウレタン等との接着性に優れていること、柔かいこと等の理由より、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることが特に好ましい。
特に、バインダー層がTHVであり、表層がPTFEであり、弾性層がウレタンである場合が、最も好ましい。
請求項9は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、バインダー層が、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
前記の通り、本発明の画像形成装置用転写ベルトの表層として用いられているフッ素含有ポリマーは離トナー性に優れている。このようなフッ素含有ポリマーを表層に用いる場合は、バインダー層もフッ素含有ポリマーで形成することにより、両層の接着は充分強固である。また、表層を形成するフッ素含有ポリマーと同一のフッ素含有ポリマーをバインダー層のポリマーに添加することにより、両層の接着力をより高めることができる。この方法では、たとえバインダー層がフッ素含有ポリマーでなくても表層との接着ができる。
バインダー層に含有させるフッ素含有ポリマーは、粉状物として、バインダー層を形成する材料に含有させることが好ましい。この場合、粉状物の粒径は0.01〜10μmであることが好ましい。粒径が0.01μm未満の粉状物は製造が困難であり、一方粒径が10μmを越えると沈降の問題が発生しやすく、さらに表面荒さが悪くなり易いためである。
次に、バインダー層に含有させるフッ素含有ポリマーの量は、少な過ぎると充分な接着力向上の効果が得られず、一方、多過ぎるとバインダー層の主たる構成材料であるTHV等の特性への影響が大きくなる。以上を考慮したバインダー層に含有させるフッ素含有ポリマーの好ましい量は、バインダー層を形成する材料100部に対して、1〜300部である。特に、表層がPFAから形成され、バインダー層がTHVから形成される場合は、THVにPFAが10〜100部含有されていることが好ましい。
請求項10は、前記の好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、バインダー層に、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
弾性層のエラストマーとしては、ウレタン、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンゴム、シリコンゴム、ポリアミド等が挙げられるが、ウレタンを用いることが、最も好ましい。
また、エラストマーは、イオン導電化されたエラストマーを用いることが、体積抵抗値を安定させる観点より好ましい。
請求項11は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の画像形成装置用転写ベルトの製造方法であって、エラストマーが、ウレタンであることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法を提供するものである。
前記の製造方法により得られる画像形成装置用転写ベルトは、より大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性、さらに安定した体積抵抗値などを有すると共に、汚染物質のブリードの問題が発生する可能性もなく、また表層と弾性層との優れた接着力が確保されており、高画質に対応できる画像形成装置用転写ベルトである。
請求項12は、この好ましい態様に該当するものであり、前記の各製造方法によって製造されることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを提供するものである。
このような画像形成装置用転写ベルトにおける好ましい層厚は、表層は1〜15μm、バインダー層は0.1〜10μm、弾性層は50〜300μm、ベース層は30〜100μmである。
請求項1から請求項3および請求項6から請求項11のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造は、製造方法の発明である請求項6の発明を製造装置から捉えた、第1複合体と第2複合体の接着面を押圧するウォーターバックとその圧力調整用ポンプ、押圧時のウォーターバックを収納する真空室、および真空室内を加熱するヒータとを有する装置を使用して行われることが好ましい。
請求項13の発明は、この好ましい態様に該当するものであり、
請求項1から請求項3および請求項6から請求項11のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法に使用する製造装置であって、
前記第2複合体を外周にはめ込んだ状態で前記外筒内面側に固着されている第1複合体内に挿入され、さらに内部に充填されている流体の圧力を調節して半径を増減させることが可能な中空円筒状のウォーターバックと、
前記ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を調節する圧力調整用ポンプと、
前記ウォーターバックが前記圧力調整用ポンプに連通されている状態で内部に設置可能な真空室と、
前記真空室の内部を加熱するヒータと、
を有していることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造装置を提供するものである。
この製造装置の発明においても、請求項7の発明と同じく、ウォーターバックはシリコンゴムであることが好ましい。
請求項14の発明は、この好ましい態様に該当するものであり、
前記ウォーターバックは、外周面にシリコンゴムを使用していることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造装置を提供するものである。
なお、本発明の画像形成装置用転写ベルトには、転写と定着を同時に行なう画像形成装置用転写定着ベルトも含まれ、特に効率化の面からこのような画像形成装置用転写ベルトに本発明を適用することは好ましいことである。
本発明により、より大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性、安定した体積抵抗値などを有すると共に、汚染物質のブリードの問題が発生する可能性もなく、さらに表層と弾性層との優れた接着力が確保された画像形成装置用転写ベルトを、過大な労力、時間を要することなく、また弾性層が融けたり、熱変形することもなく製造することができる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えてもよい。
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、表層の内面側にバインダー層を形成した第1複合体の内面側に、ベース層の外面側に弾性体層を形成した第2複合体層を挿入し、両層の接着に中子を使用するものである。
先ず、図1に示す通り、内面を鏡面加工した熱膨張係数1.76×10−5/℃の鋼鉄製の外筒8の内面に、PTFE(融点327℃、熱分解点400℃)を、ディップ法により塗布し、380℃で焼成し、表層9を設けた。
さらに、THVポリマー(融点120℃、熱分解点400℃)を酢酸ブチルに溶融し、表層9上に、ディップ法により製膜して、乾燥させ、バインダー層14を設けた。さらに、バインダー層14をPTFEとTHVの融点以上の350℃で加熱し、表層9に密着させた。
次に、図2に示す通り、ドラム状金型10表面に、カーボン導電処理を行い、体積抵抗値を調整したポリイミドを製膜し、380℃で焼成し、ベース層11を設けた。
さらに、ベース層11上に、イオン導電化された水性ウレタン(融点120℃、熱分解点180℃)をディップ法により塗布し、乾燥させて弾性層12を設けた。
イオン導電処理は、水性ウレタンに、イオン導電剤を分散させることにより行った。
次に、ドラム状金型10表面に設けられたベース層11と弾性層12の複合体を、ドラム状金型10から剥がし、円筒状に形成された複合体を、図3に示す通り、MCナイロン製の熱膨張係数8.0×10−5/℃の中子13外周に嵌め込んだ。
次に、図4に示す通り、ベース層11と弾性層12の複合体が嵌め込まれた中子13を、バインダー層14と表層9の複合層が内面に設けられた外筒8内に挿入し、真空中で150℃に加熱した。この加熱により、外筒8と中子13の熱膨張係数には差があるため、熱膨張した中子13が、外筒8の内面を押圧し、ベース層11と弾性層12の複合層と、バインダー層14と表層9の複合層との図5に示される4層構造の複合体が得られた。
次に、中子13、外筒8を冷却し、これらから4層構造の複合体を分離し、画像形成装置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み65μmのベース層(ポリイミド)上に、厚み200μmの弾性層(イオン導電化されたウレタン)と、厚み3μmのバインダー層(THV)と、厚み7μmの表層(PTFE)を有する画像形成装置用転写ベルトであり、表面抵抗率、離トナー性、非汚染性共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることができた。
また、表層とバインダー層の間、バインダー層と弾性層の間は、強固に接着されており、ブリードも発生していなかった。
また、バインダー層のTHVポリマーの熱分解点は、120℃であるが、表層のPTFEの融点は、327℃であるため、スプレー法などを利用して、ベース層より順次、弾性層、バインダー層、表層を設ける方法では、表層を焼成することが困難であるが、前記製法によることにより、確実な表層の焼成ができた。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されているバインダー層に関する。
図1に示す通り、内面を鏡面加工した熱膨張係数1.76×10−5/℃の鋼鉄製の外筒8の内面に、PFA(デュポン社製350Jディスパージョン、粒径0.2μm)(融点295℃)を、ディップ法により塗布し、380℃で焼成し、表層9を設けた。
さらに、THVポリマー(住友3M社製THV220)(融点120℃、熱分解点400℃)を酢酸ブチルに溶融し、表層9上に、ディップ法により製膜して、乾燥させ、バインダー層14を設けた。さらに、バインダー層14をPFAとTHVの融点以上の350℃で加熱し、表層9に密着させた。他は第1の実施の形態と同じ方法により画像形成装置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み60μmのベース層(ポリイミド)上に、
厚み200μmの弾性層(イオン導電化されたウレタン)と、厚み3μmのバインダー層
(THV)と、厚み5μmの表層(PFA)を有する画像形成装置用転写ベルトであり
、表面抵抗率、離トナー性、非汚染性共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることが
できた。
また、画像形成装置用転写ベルトの体積抵抗値は、弾性層12により安定して制御されていた。
さらに、表層とバインダー層の間、バインダー層と弾性層の間は、強固に接着されており、ブリードも発生していなかった。
また、バインダー層のTHVポリマーの融点は、120℃であるが、表層のPFAの融点は、295℃であるため、スプレー法を利用して、ベース層より順次、弾性層、バインダー層、表層を設ける方法では、表層を焼成することが困難であるが、前記製法によることにより、弾性層とバインダー層を強固に接着することができた。
(第3の実施の形態)
本実施の形態も、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されているバインダー層に関する。
バインダー層を設けるにあたり、THVポリマー(住友3M社製THV220)に表層を形成するPFAの粉状物(デュポン社製340J、粒径0.2μm)をTHVポリマー100部に対して60部予め添加して、THVポリマーを酢酸ブチルに溶融した。他は実施例2と同じ方法により画像形成装置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み60μmのベース層(ポリイミド)上に、厚み200μmの弾性層(イオン導電化されたウレタン)と、厚み3μmのバインダー層(THV)と、厚み5μmの表層(PFA)を有する画像形成装置用転写ベルトであり、表面抵抗率、離トナー率、非汚染製共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることができた。
次に、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態で得られた画像形成装置用転写ベルトの表層とバインダー層の接着力を測定した。測定は以下の方法により行った。
即ち表層とバインダー層に1cm幅の切り込みを入れて設けた測定箇所において、両層を引きはがすために必要な力を接着力として測定した。
測定の結果、第1の実施の形態、第2の実施の形態の場合は接着力が0.06kg/cmであったが、第3の実施の形態の場合には0.35kg/cmであった。以上の結果より、バインダー層に、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されていることにより、表層とバインダー層の接着力が向上することが確認できた。
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、第1複合体と第2複合体の接着にウォーターバックを使用するものである。
先ず、装置について説明する。
第1複合体と第2複合体の接着を、図6、図7を参照しつつ説明する。図6において、50はウォーターバック全体を指し、実線で示す51はその胴部であり、破線で示す52は径が増大した状態の胴部であり、55は胴部の上下両端のエンドプレート(鏡板)であり、59はポンプである。60は真空室であり、61はその蓋であり、62は真空ポンプである。図7において、70は取り外し可能な電気ヒータである。
ウォーターバック50は全体が一種の液体容器となっており、さらにその胴部51はシリコンゴム製である。このため、図6に示す様にポンプ59により内部の流体の圧力を増加させることにより、その胴部51を膨らますことができる。なお、胴部51の厚さは、自立性を持たせるため10mmとしているが、これは膨張性に何等悪影響を及ぼさない。
また、接着面の中央から側部方向に良好にガスが抜ける様に、ゴムの中央部は少し薄めにしている。
また、真空室60は一種の容器であり、外周に半製品の樹脂ベルトを巻いたウォーターバック50を外部にあるポンプ59と連結した状態でその内部に出し入れ可能となっている。このため、その上部には開閉自在の蓋61が設けられおり、また内部は真空ポンプ62に接続されている。
なお、実際にはこれら各部は、例えばウォーターバック50の胴部51とエンドプレート55との接続には複雑なシール機構を有している等、構造は多少複雑であるが、本発明の趣旨には関係が薄いので、それらは図示していない。
次に、接着を行っている時の様子を、図7を参照しつつ説明する。
図7は、ベース層11と弾性層12からなる半製品の第2複合体が嵌め込まれたウォーターバック50を、バインダー層14と表層9からなる半製品の第1複合体が内側面に固着された外筒8内に挿入し、さらに真空室60内部に設置し、内部の流体の圧力を上昇させた状態を示す。
このため、4層の樹脂層からなる半製品の樹脂ベルトは、ウォーターバック50の内圧で膨らんだ胴部52により、外筒8の内面に押付けられている。
なおこの際、外筒8はステンレス製であり全く変形しない。一方、ウォーターバック50の胴部51、52はシリコンゴム製の膜であるため、ウォーターバック50内の流体圧を100気圧に上げると、両端のエンドプレート55の有る無しに無関係に、全体が均一に樹脂層を外筒8の内側面に押圧することとなる。
この際、真空室60内部の空気も真空ポンプ62により排出されおり、このため真空室60内部は真空になっている。
この状態で、真空室60内部を120℃に保持して4層からなるエンドレス樹脂を加熱した。この加熱時にウォーターバック50の膨らんだ胴部52が、外筒8を内面側から均一に押圧し、ベース層11と中間層12からなる第2複合体と、バインダー層14と表層9からなる第1複合体とがしっかりと接着した4層構造の樹脂ベルトが得られた。
次に、真空室60内を大気圧に戻し、併せて室温に低下させ、その後ウォーターバック50内の流体圧を低下させて内側面に4層の樹脂層が付着した外筒8を真空室60外に取り出した。そしてさらに、外筒8から4層構造の樹脂ベルトを取外し、画像形成装置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み60μmのベース層(ポリイミド)上に、厚み200μmの中間層(ウレタン)と、厚み1μmのバインダー層(THV)と、厚み5μmの表層(PTFE)を有する画像形成装置用転写ベルトであり、表面抵抗率、離トナー性、非汚染性共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることができた。
さらに、中間層とバインダー層との接着性も良好であった。
外筒の内面に第1複合体を形成している様子を概念的に示す図である。 ドラム状金型の外面に第2複合体を形成している様子を概念的に示す図である。 第2複合体の内部に中子を嵌め込んだ様子を概念的に示す図である。 外筒の内面の第1複合体内に、第2複合体内に嵌め込まれた状態の中子を挿入している様子を概念的に示す図である。 本発明にかかわる画像形成装置用転写ベルトの一実施の形態の断面図である。 ウォーターバックを使用して第1複合体と第2複合体の接着を行う装置の構成を概念的に示す図である。 上記装置を使用して接着を行っている様子を概念的に示す図である。 画像形成装置用転写ベルトが用いられる画像転写方式の概略説明図である。
符号の説明
1 トナー
2 現像ローラ
3 感光ドラム
4 一次転写ローラ
5 画像形成装置用転写ベルト
6 二次転写ローラ
7 転写材
8 外筒
9 表層
10 ドラム状金型
11 ベース層
12 弾性層
13 中子
14 バインダー層
50 ウォーターバック
51 胴部
52 膨張した胴部
55 エンドプレート
59 ポンプ
60 真空室
61 蓋
62 真空ポンプ
70 ヒータ

Claims (14)

  1. 外筒内面に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)からなる表層を設けた後、前記表層上に、バインダー層を設けて、第1複合体を形成する第1複合体形成工程と、
    ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、およびポリビニリデンフロライド(PVDF)からなる群から選択された少なくとも1つからなるベース層上に、エラストマーからなる弾性層を設けて、第2複合体を形成する第2複合体形成工程と、
    前記第1複合体のバインダー層と、前記第2複合体の弾性層とを熱融着させる複合体融着工程とを有し、
    前記バインダー層が、融点が、前記弾性層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が、前記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されていること、
    を特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  2. 前記外筒内面が、鏡面加工されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  3. 第2複合体形成工程が、
    円筒状金型上に、前記ベース層を設ける工程と、
    前記ベース層上に、前記弾性層を設ける工程と、
    前記ベース層と前記弾性層よりなる複合体を、前記円筒状金型より分離し、円筒状の第2複合体を形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  4. 前記複合体融着工程が、
    円筒状に形成された前記第2複合体の内面に、熱膨張係数が外筒の熱膨張係数より大きい中子を挿入する中子第1挿入工程と、
    前記第2複合体に挿入された前記中子を前記外筒に挿入する中子第2挿入工程と、
    前記外筒と前記中子を加熱し、前記第1複合体のバインダー層と前記第2複合体の弾性層を熱融着させる複合体融着工程と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  5. 前記中子が、MCナイロンまたはフッ素樹脂により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  6. 前記複合体融着工程が、
    内部に充填されている流体の圧力を調節して半径を増減させることが可能な、両端が閉じられた中空円筒状のウォーターバックの外周に前記第2複合体をはめ込み、さらにその状態で外筒内面側に固着されている前記第1複合体内に挿入するウォーターバック挿入ステップと、
    前記ウォーターバック挿入ステップの終了後、前記ウォーターバックの周囲を真空にする真空ステップと、
    前記ウォーターバック挿入ステップの終了後、前記ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を上げて前記ウォーターバックの直径を大きくし、その外周にある前記第2複合体の外周面を、前記第1複合体の内周面に押圧させる押圧ステップと
    前記真空ステップと前記押圧ステップの終了後、前記真空室の内部を加熱して前記第2複合体の外周面と前記第1複合体の内周面とを接着させる接着ステップと、
    を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  7. 前記ウォーターバックは、外周面にシリコンゴムを使用しているものであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  8. 前記バインダー層を形成する材料が、溶剤に溶ける材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  9. 前記バインダー層が、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  10. 前記バインダー層に、表層を形成するフッ素含有ポリマーが含有されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
  11. 前記エラストマーがウレタンであることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の製造方法によって製造されることを特徴とする画像形成装置用転写ベルト。
  13. 請求項1から請求項3および請求項6から請求項11のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルトの製造方法に使用する製造装置であって、
    前記第2複合体を外周にはめ込んだ状態で前記外筒内面側に固着されている第1複合体内に挿入され、さらに内部に充填されている流体の圧力を調節して半径を増減させることが可能な中空円筒状のウォーターバックと、
    前記ウォーターバック内に充填されている流体の圧力を調節する圧力調整用ポンプと、
    前記ウォーターバックが前記圧力調整用ポンプに連通されている状態で内部に設置可能な真空室と、
    前記真空室の内部を加熱するヒータと、
    を有していることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトの製造装置。
  14. 前記ウォーターバックは、外周面にシリコンゴムを使用していることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置用転写ベルトの製造装置。
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