JP2007292887A - 画像形成装置用転写ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】ベース層と中間層と表層を有し、さらに各層の電気的性質が適切であるため、機械的性質のみならず画像形成能力にも一層優れた転写ベルトを提供する。
【解決手段】ベース層と、ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、中間層上に形成されたフッ素含有ポリマーよりなる表層とを有する画像形成装置用転写ベルトであって、ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、中間層の表面抵抗率より大きい画像形成装置用転写ベルト。ベース層と、ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、フッ素含有ポリマーよりなるバインダー層と、フッ素含有ポリマーよりなる表層を有し、さらにバインダー層は、融点が中間層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されている画像形成装置用転写ベルトであって、ベース層の表面抵抗率が、中間層の表面抵抗率より大きい画像形成装置用転写ベルト。
【選択図】図1
【解決手段】ベース層と、ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、中間層上に形成されたフッ素含有ポリマーよりなる表層とを有する画像形成装置用転写ベルトであって、ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、中間層の表面抵抗率より大きい画像形成装置用転写ベルト。ベース層と、ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、フッ素含有ポリマーよりなるバインダー層と、フッ素含有ポリマーよりなる表層を有し、さらにバインダー層は、融点が中間層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されている画像形成装置用転写ベルトであって、ベース層の表面抵抗率が、中間層の表面抵抗率より大きい画像形成装置用転写ベルト。
【選択図】図1
Description
本発明は画像形成装置用転写ベルトに関し、特にカラー複写機、カラーレーザープリンター等の電子写真方式を用いた画像形成装置における感光ドラム上のトナー像を転写材(紙)に転写するために用いられる画像形成装置用転写ベルトに関する。
カラー複写機、カラーレーザープリンター等のカラー画像形成装置における画像の転写方式として、感光ドラム上に形成されたトナー像を、画像形成装置用転写ベルトを用いて転写材(紙)に転写する方式が、標準的になりつつある。
図8は、この方式の1つである中間転写方式の概略を示す説明図である。図8に示す通り、トナー1と現像ローラ2により、感光ドラム3上に、トナー像が形成される。この方式は、4連タンデム方式であるため、黒(K)と3色(シアンC、マゼンタM、イエローY)のトナーとそれぞれに対応する現像ローラ、感光ドラムが、設けられている。感光ドラム3上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ4と、感光ドラム3と、画像形成装置用転写ベルト5とにより、画像形成装置用転写ベルト5に転写される。形成されたカラー画像は、二次転写ローラ6と、画像形成装置用転写ベルト5と、転写材(紙)7とにより、転写材(紙)7に転写され、定着ローラ(図示されていない。)により定着される。多重転写方式の場合も、基本的な原理は、同様である。
これらの方式で用いられる画像形成装置用転写ベルトについては、ベルトの周方向の大きな抵抗率(表面抵抗率)、および表面抵抗率よりは小さい厚み方向の抵抗率(体積抵抗値)を有し、かつこれらの抵抗率がベルト面上の位置、使用環境、電圧などにより変動しないこと、ベルトの周方向の引張弾性率が高いこと、表面が平滑でかつ接触角が大きくトナーがベルトから転写材(紙)に転写されやすいこと(優れた離トナー性)、感光ドラムやトナーなどを化学的に汚染しないこと(優れた非汚染性)、難燃性であること、等の特性が望まれている。
単層の画像形成装置用転写ベルトにより、これらの多数の特性を満たすことは困難であるので、多層からなる画像形成装置用転写ベルトが提案されており、例えば、特開2002−287531号公報には、低抵抗値の熱可塑性エラストマーのベース層と、高抵抗値の熱可塑性エラストマーの表層とを有し、前記ベース層と前記表層とが加熱成形により形成されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトが開示されている。
また、近年は、厚み方向に弾性を有する画像形成装置用転写ベルトも望まれており、この性質を満たす画像形成装置用転写ベルトとして、上記のようなベース層と表層に加えて、弾性体により形成される中間層(弾性層)を有するものも考えられる。
この多層の画像形成装置用転写ベルトにおいては、ベルトの周方向の高引張弾性率はベース層により、厚み方向の弾性は中間層により達成される。一方、安定した体積抵抗値は、ベース層および中間層を形成する材質の選択などにより制御される。また、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性は、表層により達成されることが望まれる。
しかし、従来は、これらの特性を十分に満足する画像形成装置用転写ベルトは得られていなかった。
このような要求を満足させられる画像形成装置用転写ベルトとして、本発明者らは、以下の発明をするに至った。即ち、ベース層と、前記ベース層上に設けられたエラストマーにより形成される中間層(弾性層)と、前記中間層上に設けられたフッ素含有ポリマーにより形成される表層を有することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを発明した。
前記発明は、表層として、フッ素含有ポリマーにより形成される表層が用いられているため、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性を達成することができ、またベース層と表層の間に、ウレタン等のエラストマーにより形成される中間層が設けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有しており、トナーを潰すことなく、搬送ができ、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルトが得られる。
前記発明は、表層として、フッ素含有ポリマーにより形成される表層が用いられているため、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性を達成することができ、またベース層と表層の間に、ウレタン等のエラストマーにより形成される中間層が設けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有しており、トナーを潰すことなく、搬送ができ、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルトが得られる。
しかし、前記発明の場合、表層を構成するフッ素含有ポリマーと、中間層を構成するウレタン等のエラストマーとの接着は、一般的にはプラズマ処理やブラストなどの物理的処理、あるいはプライマーによるが、前者の場合、過大な労力、時間を要し、コスト高になり、後者の場合、薄い表層を通して汚染物質がブリードする可能性がある。
このため、本発明者らは、さらにベース層上に設けられたエラストマーにより形成される中間層とフッ素含有ポリマーにより形成される表層との間にフッ素含有ポリマーにより形成されるバインダー層を有し、前記バインダー層を中間層と熱融着することが可能な材料で形成することを特徴とする画像形成装置用転写ベルトを発明した。
しかしながら、これらの多層からなる転写ベルトの場合、ただ単に各層の材料の選択と接着が良好になされ、その結果優れた機械的性質を有する様になっていても、各層の電気的性質が適切でなければ、製品としては不十分となる。即ち、電子写真方式においては、静電気や放電を利用して画像を形成するため、各層の抵抗値が適切であること、またこのため各層の体積抵抗値が安定的に制御可能であること等が要求される。
特に、ベース層の抵抗が中間層より小さいと、転写ローラと感光体間に電圧をかけた時に、電流が転写ローラから感光体に流れず、転写ローラに接触しているベース層の方に、即ち転写ベルトの両側に流れ、画像の乱れが生じる原因となる。
特開2002−287531号公報(請求項1)
特に、ベース層の抵抗が中間層より小さいと、転写ローラと感光体間に電圧をかけた時に、電流が転写ローラから感光体に流れず、転写ローラに接触しているベース層の方に、即ち転写ベルトの両側に流れ、画像の乱れが生じる原因となる。
このため、ベース層と、中間層と、フッ素含有ポリマーよりなる表層がこの順に積層された多層構造の画像形成装置用転写ベルトにおいて、表層と中間層との接着性が優れているだけでなく、各層の体積抵抗値が安定しかつ各層の抵抗値が適切であるため望ましくない電流が発生する様なことがなく、その結果、ただ単に耐久性、引張強度、厚み方向の弾性等の機械的性質が優れているだけでなく、画像形成能力が一層優れた画像形成装置用の転写ベルトの開発が望まれていた。
本発明者は、鋭意検討の結果、フッ素含有ポリマーにより形成される表層とエラストマーにより形成される中間層との接着性を改善すると共に、ベース層の抵抗値を中間層より大きくすることにより前記課題が達成されることを見出し、本発明を完成した。以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1記載の発明は、
ベース層と、前記ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、前記中間層上に形成されたフッ素含有ポリマーよりなる表層とを有する画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、前記中間層の表面抵抗率(Ω/□)より大きいことを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
ベース層と、前記ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、前記中間層上に形成されたフッ素含有ポリマーよりなる表層とを有する画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、前記中間層の表面抵抗率(Ω/□)より大きいことを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
本請求項の発明においては、ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、前記中間層の表面抵抗率より大きいため、転写ローラと感光体間に電圧をかけた時に、電流が転写ローラから感光体の方に流れ、ベース層の方に流れることがないため、画像の乱れ等が生じる恐れがない。
また、多層構造の転写ベルトであるため、各種の機械的性質にも優れる。
さらに、表層はフッ素含有ポリマーよりなるため、トナーの離型性にも優れる。
また、多層構造の転写ベルトであるため、各種の機械的性質にも優れる。
さらに、表層はフッ素含有ポリマーよりなるため、トナーの離型性にも優れる。
また、表層はフッ素含有ポリマーにより形成されているため、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性を達成することができる。
また、ベース層と表層の間に、エラストマーにより形成される中間層が設けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有している。
これにより、従来の単層の画像形成装置用転写ベルトでは得られなかった弾性を有し、トナーを潰すことなく、搬送ができ、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルトが得られる。
また、ベース層と表層の間に、エラストマーにより形成される中間層が設けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有している。
これにより、従来の単層の画像形成装置用転写ベルトでは得られなかった弾性を有し、トナーを潰すことなく、搬送ができ、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルトが得られる。
近年、画像形成装置のカラー化、高画質化に対応できるトナーの開発が活発に進められており、これらのトナーの中には、離型性、耐汚染性が不十分なものが多く、従来のポリイミド、ポリアミドイミド等の単層の画像形成装置用転写ベルトや、ウレタンやシリコン等をスプレーコートした多層の画像形成装置用転写ベルトでは、十分対応することができなかった。しかし、本発明においては、ベース層、弾性を有する中間層上にフッ素含有ポリマーにより形成された表層を有するため、これらに十分対応することができる。
なお、本発明の目的を損わない範囲において前記各層の他に他の層を有していても、本発明に含まれる。
また、「転写ベルト」とは、画像形成装置用であり、感光ドラムなどに形成されたトナー像を、紙等の転写材に転写する機能を有するものを指し、「画像形成装置」とは、電子写真方式を用いた複写機、レーザープリンター等に限定されず、トナー像を形成し、これを転写材に転写することにより転写材上に画像を形成する機能を有する装置全てを含む。
また、「転写ベルト」とは、画像形成装置用であり、感光ドラムなどに形成されたトナー像を、紙等の転写材に転写する機能を有するものを指し、「画像形成装置」とは、電子写真方式を用いた複写機、レーザープリンター等に限定されず、トナー像を形成し、これを転写材に転写することにより転写材上に画像を形成する機能を有する装置全てを含む。
請求項2に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記中間層は、イオン導電化されたエラストマーよりなることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記中間層は、イオン導電化されたエラストマーよりなることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
本請求項の発明においては、中間層のエラストマーはイオン導電化されているため、体積抵抗値が安定した値に制御されている。なお、イオン導電化は、イオン導電性物質を分散させて、導電性を持たせる等の方法により行なうことができる。
請求項3に記載の発明は、
ベース層と、前記ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、フッ素含有ポリマーよりなるバインダー層と、フッ素含有ポリマーよりなる表層を有し、さらに前記バインダー層は、融点が前記中間層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が前記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されている画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、前記中間層の表面抵抗率(Ω/□)より大きいことを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
ベース層と、前記ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、フッ素含有ポリマーよりなるバインダー層と、フッ素含有ポリマーよりなる表層を有し、さらに前記バインダー層は、融点が前記中間層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が前記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されている画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、前記中間層の表面抵抗率(Ω/□)より大きいことを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
本請求項の発明においては、ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、前記表面抵抗率の抵抗値より大きいため、転写ローラと感光体間に電圧をかけた時に、電流が転写ローラから感光体の方に流れ、ベース層の方に流れることがないため、画像の乱れ等が生じる恐れがない。
また、バインダー層の融点が中間層を構成する材料の熱分解点以下であるため、バインダー層および中間層の融点以上かつバインダー層および中間層の熱分解点以下の温度に加熱しながら、バインダー層と中間層とを押圧することにより、強固に熱融着させることができる。
また、バインダー層は、熱分解点が、表層を構成する材料の融点以上である材料で構成されているため、表層の融点以上、バインダー層の熱分解点以下の温度に加熱することにより両者を融着させることができる。
また、バインダー層の融点が中間層を構成する材料の熱分解点以下であるため、バインダー層および中間層の融点以上かつバインダー層および中間層の熱分解点以下の温度に加熱しながら、バインダー層と中間層とを押圧することにより、強固に熱融着させることができる。
また、バインダー層は、熱分解点が、表層を構成する材料の融点以上である材料で構成されているため、表層の融点以上、バインダー層の熱分解点以下の温度に加熱することにより両者を融着させることができる。
なお、バインダー層の形成には、過大な労力、時間を要することもなく、さらにプライマーの様に表層を汚染する物質が混入されておらず、薄い表層を通して汚染物質がブリードする可能性もない。
請求項4に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記中間層が、イオン導電化されたエラストマーよりなることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記中間層が、イオン導電化されたエラストマーよりなることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
中間層を形成するエラストマーがイオン導電化されているため、体積抵抗値を安定的に制御することが可能となる。イオン導電化は、イオン導電性物質を分散させる等の方法によりなされる。
請求項5に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、中間層の表面抵抗率(Ω/□)の200倍以上であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、中間層の表面抵抗率(Ω/□)の200倍以上であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
本請求項の発明においては、ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が充分大きいため、転写ローラと感光体間に電圧をかけた時に、電流が転写ローラから感光体の方に流れ、ベース層の方に流れることがないため、画像の乱れ等が生じる恐れがない。
なお、より好ましい値は、250倍以上である。
なお、より好ましい値は、250倍以上である。
請求項6に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層の表面抵抗率が1011Ω/□から1013Ω/□であり、体積抵抗値が108Ωcmから1011Ωcmであることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記ベース層の表面抵抗率が1011Ω/□から1013Ω/□であり、体積抵抗値が108Ωcmから1011Ωcmであることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
本請求項の発明においては、ベース層と中間層の材料の体積抵抗値が適切であるため、ベース層の抵抗値が中間層の抵抗値に比べて充分大きくなる。このため、前記のごとき好ましくない電流が発生せず、優れた画像形成能力を有する転写ベルトとなる。
なお、ベース層の好ましい体積抵抗値は、80μm程度の厚さの場合には、109Ωcm程度である。また、中間層の好ましい体積抵抗値は、200μm程度の厚さの場合には106Ωcmから108Ωcmであり、特に107Ωcm程度が好ましい。
なお、ベース層の好ましい体積抵抗値は、80μm程度の厚さの場合には、109Ωcm程度である。また、中間層の好ましい体積抵抗値は、200μm程度の厚さの場合には106Ωcmから108Ωcmであり、特に107Ωcm程度が好ましい。
請求項7に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層が、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、またはポリビニリデンフロライド(PVDF)により形成されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記ベース層が、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、またはポリビニリデンフロライド(PVDF)により形成されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
ベース層は、1GPa以上の弾性率を有することが望ましいが、ベース層を形成する材料としてポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、またはポリビニリデンフロライド(PVDF)を選択すれば、かかる弾性率が得られるのみならず、他の性質も優れたベース層となる。
請求項8に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層が、カーボン導電化されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記ベース層が、カーボン導電化されていることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
ベース層がカーボン導電化されているため、適切な体積抵抗値を有しつつ、高い弾性率を有することとなり、画像形成の面から好ましくなる。
請求項9に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記中間層が、ウレタン、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンゴム、シリコンゴム、ポリアミドから選ばれる1種もしくは複数種のエラストマーであることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記中間層が、ウレタン、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンゴム、シリコンゴム、ポリアミドから選ばれる1種もしくは複数種のエラストマーであることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
本請求項の発明においては、中間層が、ウレタン、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンゴム、シリコンゴム、ポリアミドから選ばれる1種もしくは複数種のエラストマーであるため、厚み方向に適度の柔軟性を有することとなり、画像形成の面から好ましくなる。
請求項10に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記表層を形成するフッ素含有ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの共重合体(THV)またはポリビニリデンフロライド(PVDF)であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記表層を形成するフッ素含有ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの共重合体(THV)またはポリビニリデンフロライド(PVDF)であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
表層を形成するフッ素含有ポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの共重合体(THV)またはポリビニリデンフロライド(PVDF)を使用しているため、接触角が高く(大きく)、トナー等の付着物をきれいに剥がすことができる。
ビニリデンフロライドを含む単量体の重合体の中でも、ポリビニリデンフロライド(PVDF)が、接触角が高いので好ましい。
また、ポリビニリデンフロライド(PVDF)は、フッ素含有ポリマーの中では、比較的融点が低く、ウレタン(分解温度約170℃)などの中間層を劣化させない温度(約160℃)で、アニール(焼付け)を行うことができる場合が多く、その結果、離トナー性を向上させることができるという利点も有する。
ビニリデンフロライドを含む単量体の重合体の中でも、ポリビニリデンフロライド(PVDF)が、接触角が高いので好ましい。
また、ポリビニリデンフロライド(PVDF)は、フッ素含有ポリマーの中では、比較的融点が低く、ウレタン(分解温度約170℃)などの中間層を劣化させない温度(約160℃)で、アニール(焼付け)を行うことができる場合が多く、その結果、離トナー性を向上させることができるという利点も有する。
また、ビニリデンフロライドを含む単量体の重合体の中でも、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの共重合体(THV)が、接触角が特に高く、ブリードが非常に少なく、非汚染性も特に優れており、特に好ましい。
また、ポリビニリデンフロライド(PVDF)同様に、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの共重合体(THV)は、フッ素含有ポリマーの中では、比較的融点が低く、ウレタン(分解温度約170℃)などの中間層を劣化させない温度(約160℃)で、アニール(焼付け)を行うことができる場合が多く、その結果、離トナー性を向上させることができるという利点も有する。
請求項11に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記バインダー層を形成するフッ素含有ポリマーが、溶剤に溶ける材料であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記バインダー層を形成するフッ素含有ポリマーが、溶剤に溶ける材料であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
バインダー層を形成するフッ素含有ポリマーが溶剤に溶けるので、溶剤に溶かしてスプレー法やディップ法により表層に塗布することができるため、製造が容易となる。
請求項12に記載の発明は、前記の画像形成装置用転写ベルトであって、
前記バインダー層を形成するフッ素含有ポリマーが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
前記バインダー層を形成するフッ素含有ポリマーが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることを特徴とする画像形成装置用転写ベルトである。
バインダー層は、フッ素含有ポリマーの中でも四フッ化成分を含んでいるためPTFE、PFAと接着しやすいこと、融点が110℃と低いグレード品があること、分解点が400℃(PTFEの融点以上)と高いこと、ウレタン等との接着性に優れていること、柔かいこと等の理由より、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることが特に好ましい。
特に、バインダー層が、THVであり、表層が、PTFEあるいはPFAである場合が、最も好ましい。
また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)は、柔軟性に富むため弾性層の弾性を阻害せず、さらにフッ素含有ポリマーの中では比較的融点が低く、中間層のウレタン(分解温度約170℃)等を劣化させない温度(約160℃)で表層と中間層を押圧することにより両層の熱融着を行うことができる。
特に、バインダー層が、THVであり、表層が、PTFEあるいはPFAである場合が、最も好ましい。
また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)は、柔軟性に富むため弾性層の弾性を阻害せず、さらにフッ素含有ポリマーの中では比較的融点が低く、中間層のウレタン(分解温度約170℃)等を劣化させない温度(約160℃)で表層と中間層を押圧することにより両層の熱融着を行うことができる。
電子写真方式は、静電気や放電を利用して画像を形成するため、各層の抵抗値が適切であること、またこのため各層の体積抵抗値が安定的に制御可能であること等が要求されるが、本発明においては、ベース層の抵抗が中間層より大きいため、転写ローラと感光体間に電圧をかけた時に、電流が転写ローラから感光体の方に適切に流れ、ベース層の方に流れることがないため、画像の乱れが生じることがなく、すぐれた画像形成能力を発揮することができる。
また、本発明においては、表層はフッ素含有ポリマーにより形成されているため、大きな表面抵抗率、優れた離トナー性、優れた非汚染性を達成することができる。
また、ベース層と表層の間に、エラストマーにより形成される中間層が設けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有している。
また、ベース層は適切な材料を選定しているため、優れた周方向の引張弾性率、耐磨耗性等を有している。
これらにより、従来の単層の画像形成装置用転写ベルトでは得られなかった弾性を有し、トナーを潰すことなく、搬送ができ、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルトが得られる。
また、ベース層と表層の間に、エラストマーにより形成される中間層が設けられているため、厚み方向の十分な柔軟性を有している。
また、ベース層は適切な材料を選定しているため、優れた周方向の引張弾性率、耐磨耗性等を有している。
これらにより、従来の単層の画像形成装置用転写ベルトでは得られなかった弾性を有し、トナーを潰すことなく、搬送ができ、高画質化に対応できる画像形成装置用転写ベルトが得られる。
さらに、表層と中間層との間に、バインダー層が設けられており、バインダー層が、融点が中間層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されている。このため表層と中間層の接着は、加熱による融着により確実に行える。
以下に実施例を示すが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施例に対して種々の変更を加えることが可能である。
(第1の実施の形態)
本第1の実施の形態は、表層のフッ素含有ポリマーとして、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの共重合体を使用するものである。
先ず、ベース層と中間層(中間層)の形成について説明する。
ドラム状の金型を回転させながら、その外側にポリイミドワニスを塗布し、その後型を加熱してイミド化反応を行い、金型の周囲を覆う厚み80μmのポリイミド層(ベース層)を形成した。次に、水性ウレタンに増粘剤を加え10Pa・s程度の粘度とし、さらに脱泡を行った後、該ポリイミド層の上にディップにより塗布した。塗布後、常温にて水分を乾燥させ、さらに160℃でアニールを行い、厚み200μmのウレタン層(中間層)を、ポリイミド層上に形成した。
この際、導電材として添加するカーボンブラックの量を加減して、ベース層は体積抵抗値が109Ωcmで表面抵抗率が1012Ω/□、中間層は体積抵抗値が108Ωcmで表面抵抗率は108Ω/□となる様にした。なお、測定は100Vで行った。これは、以下の第2、第3実施例でも同じである。
本第1の実施の形態は、表層のフッ素含有ポリマーとして、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの共重合体を使用するものである。
先ず、ベース層と中間層(中間層)の形成について説明する。
ドラム状の金型を回転させながら、その外側にポリイミドワニスを塗布し、その後型を加熱してイミド化反応を行い、金型の周囲を覆う厚み80μmのポリイミド層(ベース層)を形成した。次に、水性ウレタンに増粘剤を加え10Pa・s程度の粘度とし、さらに脱泡を行った後、該ポリイミド層の上にディップにより塗布した。塗布後、常温にて水分を乾燥させ、さらに160℃でアニールを行い、厚み200μmのウレタン層(中間層)を、ポリイミド層上に形成した。
この際、導電材として添加するカーボンブラックの量を加減して、ベース層は体積抵抗値が109Ωcmで表面抵抗率が1012Ω/□、中間層は体積抵抗値が108Ωcmで表面抵抗率は108Ω/□となる様にした。なお、測定は100Vで行った。これは、以下の第2、第3実施例でも同じである。
次に、表層の形成について説明する。テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの共重合体の溶液を、前記のウレタン層上に、乾燥、アニール後の厚みが、5μmになるような条件で、スプレーコートした。その後、乾燥および160℃でのアニールを行い、本発明の転写ベルトを得た。
得られた転写ベルトは、ベース層の抵抗値が中間層の抵抗値より大きいため、電流はベース層の両側方向でなく感光体の方に流れることとなり、その結果優れた画像形成能力を発揮した。
得られた転写ベルトは、ベース層の抵抗値が中間層の抵抗値より大きいため、電流はベース層の両側方向でなく感光体の方に流れることとなり、その結果優れた画像形成能力を発揮した。
(第2の実施の形態)
本第2の実施の形態は、表層と中間層の間にテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの共重合体からなるバインダー層を有し、さらに表層とバインダー層からなる第1複合体と、ベース層と中間層(弾性層)からなる第2複合体との接着を、即ちバインダー層と中間層との接着を、熱膨張差を利用した中子による押圧を使用して行うものである。図1に、本第2の実施の形態の画像転写ベルトの厚さ方向の断面を概念的に示す。図1において、9は表層であり、11はベース層であり、12は中間層であり、14はバインダー層である。
本第2の実施の形態は、表層と中間層の間にテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの共重合体からなるバインダー層を有し、さらに表層とバインダー層からなる第1複合体と、ベース層と中間層(弾性層)からなる第2複合体との接着を、即ちバインダー層と中間層との接着を、熱膨張差を利用した中子による押圧を使用して行うものである。図1に、本第2の実施の形態の画像転写ベルトの厚さ方向の断面を概念的に示す。図1において、9は表層であり、11はベース層であり、12は中間層であり、14はバインダー層である。
以下、製造方法について説明する。図2に示す通り、内面を鏡面加工した熱膨張係数1.76×107/℃の鋼鉄製の外筒8の内面に、PTFE(融点327℃)を、ディップ法により塗布し、380℃で焼成し、表層9を設けた。なお、表層の体積抵抗値は、1014Ωcmである。
さらに、THVポリマー(融点120℃)を酢酸ブチルに溶融し、表層9上に、ディップ法により製膜して、乾燥させ、バインダー層14を設けた。さらに、バインダー層14をPTFEとTHVの融点以上の350℃で加熱し、表層9に密着させた。
次に、図3に示す通り、ドラム状金型10表面に、カーボン導電処理を行い、体積抵抗値を109Ωcmに調整したポリイミドを製膜し、380℃で焼成し、厚さ80μmのベース層11を設けた。
さらに、ベース層11上に、イオン導電処理を行い、体積抵抗値が107Ωcmになる様に調整したイオン導電化された水性ウレタン(融点120℃、熱分解点180℃)をディップ法により塗布し、乾燥させて厚さ200μmの中間層12を設けた。
イオン導電処理は、水性ウレタンに、イオン導電剤を分散させることにより行った。
イオン導電処理は、水性ウレタンに、イオン導電剤を分散させることにより行った。
次に、ドラム状金型10表面に設けられたベース層11と中間層12からなる第2複合体を、ドラム状金型10から剥がし、円筒状に形成された第2複合体を、図4に示す通り、MCナイロン(ナイロン6を主材料とするナイロンの商品名)製の熱膨張係数8.0×107/℃の中子13外周に嵌め込んだ。
次に、図5に示す通り、ベース層11と中間層12からなる第2複合体が嵌め込まれた中子13を、バインダー層14と表層9からなる第1複合体が内面に設けられた外筒8に挿入し、真空中で150℃に加熱した。この加熱により、外筒8と中子13の熱膨張係数には差があるため、熱膨張した中子13が、外筒8の内面を押圧し、ベース層11と中間層12からなる第2複合体と、バインダー層14と表層9からなる第1複合体とが接着し、図1に示される4層構造の積層体が得られた。
次に、中子13、外筒8を冷却し、これらから4層構造の積層体を分離し、画像形成装置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み80μmのベース層(ポリイミド)上に、厚み200μmの中間層(イオン導電化されたウレタン)と、厚み3μmのバインダー層(THV)と、厚み5μmの表層(PTFE)を有する画像形成装置用転写ベルトであり、表面抵抗率、離トナー性、非汚染性、画像形成能力共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることができた。
また、画像形成装置用転写ベルトのベース層11と中間層12の体積抵抗値は、導電材の適切な配合により、安定して制御されていた。
また、転写ベルトは、ベース層の抵抗値が中間層より大きいため、電流は転写ローラからベース層の両側方向でなく感光体の方に流れることとなり、その結果優れた画像形成能力を発揮した。
また、転写ベルトは、ベース層の抵抗値が中間層より大きいため、電流は転写ローラからベース層の両側方向でなく感光体の方に流れることとなり、その結果優れた画像形成能力を発揮した。
さらに、表層とバインダー層の間、バインダー層と中間層の間は、強固に接着されており、ブリードも発生していなかった。
また、バインダー層のTHVポリマーの融点は、120℃であるが、表層のPTFEの融点は、327℃であるため、スプレー法を利用して、ベース層より順次、中間層、バインダー層、表層を設ける方法では、表層を焼成することが困難であるが、前記製法によることにより、中間層とバインダー層を強固に接着することができた。
(第3の実施の形態)
本第3の実施の形態は、バインダー層に低融点樹脂を使用すると共に、表層とバインダー層からなる第1複合体と、ベース層と中間層(弾性層)からなる第2複合体との熱融着を、加熱下、真空雰囲気中で流体を使用しての押圧により行うものである。
本第3の実施の形態は、バインダー層に低融点樹脂を使用すると共に、表層とバインダー層からなる第1複合体と、ベース層と中間層(弾性層)からなる第2複合体との熱融着を、加熱下、真空雰囲気中で流体を使用しての押圧により行うものである。
先ず、表層とバインダー層からなる第1複合体とベース層と中間層(弾性層)からなる第2複合体の接着とを熱融着を利用して行う装置について、図6、図7を参照しつつ説明する。図6において、50はウォーターバック全体を指し、実線で示す51はその胴部であり、破線で示す52は径が増大した状態の胴部であり、55は胴部の上下両端のエンドプレート(鏡板)であり、59はポンプである。60は真空室であり、61はその蓋であり、62は真空ポンプである。図7において、70は取り外し可能な電気ヒータである。
ウォーターバック50は全体が一種の液体容器となっており、さらにその胴部51はシリコンゴム製である。このため、図6に示す様にポンプ59により内部の流体の圧力を増加させることにより、その胴部51を膨らますことができる。なお、胴部51の厚さは、自立性を持たせるため10mmとしているが、これは膨張性に何等悪影響を及ぼさない。
また、接着面の中央から側部方向に良好にガスが抜ける様に、ゴムの中央部は少し薄めにしている。
また、真空室60は一種の容器であり、外周に半製品の樹脂ベルトを巻いたウォーターバック50を外部にあるポンプ59と連結した状態でその内部に出し入れ可能となっている。このため、その上部には開閉自在の蓋61が設けられおり、また内部は真空ポンプ62に接続されている。
また、接着面の中央から側部方向に良好にガスが抜ける様に、ゴムの中央部は少し薄めにしている。
また、真空室60は一種の容器であり、外周に半製品の樹脂ベルトを巻いたウォーターバック50を外部にあるポンプ59と連結した状態でその内部に出し入れ可能となっている。このため、その上部には開閉自在の蓋61が設けられおり、また内部は真空ポンプ62に接続されている。
なお、実際にはこれら各部は、例えばウォーターバック50の胴部51とエンドプレート55との接続には複雑なシール機構を有している等、構造は多少複雑であるが、本発明の趣旨には関係が薄いので、それらは図示していない。
次に、接着を行っている時の様子を、図7を参照しつつ説明する。
図7は、ベース層11と中間層12からなる半製品の第2複合体が嵌め込まれたウォーターバック50を、バインダー層14と表層9からなる半製品の第1複合体が内側面に固着された外筒8内に挿入し、さらに真空室60内部に設置し、内部の流体の圧力を上昇させた状態を示す。
このため、4層の樹脂層からなる半製品の積層体は、ウォーターバック50の内圧で膨張した胴部52により、外筒8の内面に押付けられている。
なおこの際、外筒8は鋼鉄製であり全く変形しない。一方、ウォーターバック50の胴部51、52はシリコンゴム製の膜であるため、ウォーターバック50内の流体圧を100気圧に上げると、両端のエンドプレート55の有る無しに無関係に、全体が均一に樹脂層を外筒8の内側面に押圧することとなる。
図7は、ベース層11と中間層12からなる半製品の第2複合体が嵌め込まれたウォーターバック50を、バインダー層14と表層9からなる半製品の第1複合体が内側面に固着された外筒8内に挿入し、さらに真空室60内部に設置し、内部の流体の圧力を上昇させた状態を示す。
このため、4層の樹脂層からなる半製品の積層体は、ウォーターバック50の内圧で膨張した胴部52により、外筒8の内面に押付けられている。
なおこの際、外筒8は鋼鉄製であり全く変形しない。一方、ウォーターバック50の胴部51、52はシリコンゴム製の膜であるため、ウォーターバック50内の流体圧を100気圧に上げると、両端のエンドプレート55の有る無しに無関係に、全体が均一に樹脂層を外筒8の内側面に押圧することとなる。
この際、真空室60内部の空気も真空ポンプ62により排出されており、このため真空室60内部は真空になっている。
この状態で、真空室60内部を120℃に保持して4層からなるエンドレス樹脂を加熱した。この加熱時にウォーターバック50の膨らんだ胴部52が、外筒8を内面側から均一に押圧し、第2複合体の中間層12と、第1複合体のバインダー層14とが熱融着でしっかりと接着した4層構造の積層体(樹脂ベルト)が得られた。
この状態で、真空室60内部を120℃に保持して4層からなるエンドレス樹脂を加熱した。この加熱時にウォーターバック50の膨らんだ胴部52が、外筒8を内面側から均一に押圧し、第2複合体の中間層12と、第1複合体のバインダー層14とが熱融着でしっかりと接着した4層構造の積層体(樹脂ベルト)が得られた。
次に、真空室60内を大気圧に戻し、併せて室温に低下させ、その後ウォーターバック50内の流体圧を低下させて内側面に4層構造の積層体が付着した外筒8を真空室60外に取り出した。そしてさらに、外筒8から4層構造の積層体を取外し、画像形成装置用転写ベルトを得た。
得られた画像形成装置用転写ベルトは、厚み80μmのベース層(ポリイミド)上に、厚み200μmの中間層(ウレタン)と、厚み1μmのバインダー層(THV)と、厚み5μmの表層(PTFE)を有する画像形成装置用転写ベルトであり、表面抵抗率、離トナー性、非汚染性、画像形成能力共に優れた画像形成装置用転写ベルトを得ることができた。
さらに、中間層とバインダー層との接着性も良好であった。
また、画像形成装置用転写ベルトのベース層11と中間層12の体積抵抗値は、導電材の適切な配合により、安定して制御されていた。
さらに、転写ベルトは、ベース層の抵抗値が中間層より大きいため、電流は転写ローラからベース層の両側方向でなく感光体の方に流れることとなり、その結果優れた画像形成能力を発揮した。
さらに、中間層とバインダー層との接着性も良好であった。
また、画像形成装置用転写ベルトのベース層11と中間層12の体積抵抗値は、導電材の適切な配合により、安定して制御されていた。
さらに、転写ベルトは、ベース層の抵抗値が中間層より大きいため、電流は転写ローラからベース層の両側方向でなく感光体の方に流れることとなり、その結果優れた画像形成能力を発揮した。
中間層とバインダー層との接着は、瞬時の爆発力を利用する等他の方法によってもよい。
1 トナー
2 現像ローラ
3 感光ドラム
4 一次転写ローラ
5 画像形成装置用転写ベルト
6 二次転写ローラ
7 転写材
8 外筒
9 表層
10 ドラム状金型
11 ベース層
12 中間層
13 中子
14 バインダー層
50 ウォーターバック
51 胴部
52 膨張した胴部
55 エンドプレート
59 ポンプ
60 真空室
61 蓋
62 真空ポンプ
70 ヒータ
2 現像ローラ
3 感光ドラム
4 一次転写ローラ
5 画像形成装置用転写ベルト
6 二次転写ローラ
7 転写材
8 外筒
9 表層
10 ドラム状金型
11 ベース層
12 中間層
13 中子
14 バインダー層
50 ウォーターバック
51 胴部
52 膨張した胴部
55 エンドプレート
59 ポンプ
60 真空室
61 蓋
62 真空ポンプ
70 ヒータ
Claims (12)
- ベース層と、前記ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、前記中間層上に形成されたフッ素含有ポリマーよりなる表層とを有する画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、前記中間層の表面抵抗率(Ω/□)より大きいことを特徴とする画像形成装置用転写ベルト。 - 前記中間層は、イオン導電化されたエラストマーよりなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用転写ベルト。
- ベース層と、前記ベース層上に形成されたエラストマーよりなる中間層と、フッ素含有ポリマーよりなるバインダー層と、フッ素含有ポリマーよりなる表層を有し、さらに前記バインダー層は、融点が前記中間層を構成する材料の熱分解点以下であり、熱分解点が前記表層を構成する材料の融点以上である材料により形成されている画像形成装置用転写ベルトであって、
前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、前記中間層の表面抵抗率(Ω/□)より大きいことを特徴とする画像形成装置用転写ベルト。 - 前記中間層が、イオン導電化されたエラストマーよりなることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記ベース層の表面抵抗率(Ω/□)が、中間層の表面抵抗率(Ω/□)の200倍以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記ベース層の表面抵抗率が1011Ω/□から1013Ω/□であり、体積抵抗値が108Ωcmから1011Ωcmであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記ベース層が、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、またはポリビニリデンフロライド(PVDF)により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記ベース層が、カーボン導電化されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記中間層が、ウレタン、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンゴム、シリコンゴム、ポリアミドから選ばれる1種もしくは複数種のエラストマーであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記表層を形成するフッ素含有ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの共重合体(THV)またはポリビニリデンフロライド(PVDF)であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記バインダー層を形成するフッ素含有ポリマーが、溶剤に溶ける材料であることを特徴とする請求項3ないし請求項10のいずれかに記載の画像形成装置用転写ベルト。
- 前記バインダー層を形成するフッ素含有ポリマーが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびビニリデンフロライドの共重合体(THV)であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置用転写ベルト。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013088599A (ja) * | 2011-10-18 | 2013-05-13 | Tokai Rubber Ind Ltd | 無端ベルト |
US9110409B2 (en) | 2012-10-25 | 2015-08-18 | Konica Minolta, Inc. | Intermediate transferrer, transfer device, and image forming apparatus |
JP2016166957A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 富士ゼロックス株式会社 | 転写ベルト、転写ベルトユニット、及び画像形成装置 |
-
2006
- 2006-04-21 JP JP2006118394A patent/JP2007292887A/ja active Pending
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