JP4231150B2 - 即席食品等の容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱湯を容器内に注湯することにより麺体を湯戻しした後に、排湯して適食となる乾燥麺、生麺等の食品を収納した即席食品等の容器に関し、さらに詳しくは、排湯操作を簡便、迅速に行うことができるようにした即席食品等の容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の注湯排湯構造の即席食品等の容器、たとえば、即席食品として袋入り生麺、調味料、かやく類等が収納された容器は、まず容器本体からプラスチック蓋を外して、包装袋に収容された生麺、調味料、かやく類等を取り出すと共に、包装袋を開封して取り出した生麺とかやく類を容器本体に戻して熱湯を注湯すると共に、生麺をほぐして後に、再度蓋をして所定時間湯通しし、次に蓋に欠設された切欠を起こして通孔を確保して後、容器を傾けて湯を通孔から排出して湯切りを行い、再度蓋を外して湯通しした麺上に包装袋を開封して調味料を投入し、再度熱湯を注湯すると共に、充分に攪拌して後に、七味等の薬味を加えて食していた。このように、熱湯の注湯と排湯をして適食となる乾燥麺、生麺等の食品を収納した即席食品等の容器には、次のような問題があった。
【0003】
すなわち、▲1▼容器本体に蓋を着脱する操作が面倒であるといった問題、▲2▼蓋に設けられた切欠を起こして通孔を確保する操作が結構手間であるといった問題、▲3▼手指等で容器を保持して排湯せねばならないが、容器容量に対して湯通し(湯戻し)に必要な湯量が多いために、熱湯をこぼす虞があり細心の注意を払わねばならないといった問題や、こぼした時には軽い火傷を負うといった問題、さらには、▲4▼排湯時、容器を傾けて湯を通孔から排出せねばならないが、湯を含んだ相当な重量の麺が一方に偏在するので、容器本体から蓋が外れないように容器本体と蓋とを所定以上の力で押さえつけなければならないといった問題、また、時には湯通し(湯戻し)した麺を容器からこぼしてしまうといった問題等があり、これらの問題を解決する即席食品等の容器が要望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、注湯排湯して適食となる即席焼きそばに代表される乾燥麺、生麺等を収納する即席食品等の容器であって、排湯操作の手間がかからずに簡便、迅速に、かつ、確実、安全に行うことができる即席食品等の容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の即席食品等の容器は、一方に開口部を有するように底板と該底板の周縁に設けられ、上部にフランジ部を有する周壁とからなる容器本体と、前記容器本体の開口部とほぼ同じ外形を有する蓋材とからなり、前記容器本体のフランジ部と前記蓋材とを剥離可能な熱接着部で密封した即席食品等を収納する容器において、前記蓋材にはその端縁から外方に突出する第1つまみ舌片が形成されると共に、前記第1つまみ舌片が形成された以外の端縁から外方に突出する第2つまみ舌片が形成され、前記第1つまみ舌片の前記蓋材の端縁との両付け根部の蓋材周縁に沿った両外側の前記蓋材の両端縁の一方から前記熱接着部を乗り越えて前記熱接着部の内側に延びて前記熱接着部の内側で略直線状の突条部を形成するように再度前記熱接着部を乗り越えて上記両端縁の他方に戻る切欠部形成用のハーフカットが前記容器本体側から形成され、前記ハーフカットが漏斗を縦方向に切断した断面略漏斗形状であって、前記蓋材の端縁側に漏斗の注入側がくると共に漏斗の脚部が容器本体の開口部の中心点方向に延びるように構成され、前記第1つまみ舌片を前記熱接着部を乗り越えて剥離することにより、前記ハーフカットと協働して湯切口を形成するように構成したことを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の即席食品等の容器において、前記第1つまみ舌片が前記蓋材の端縁から外方に突出した複数のつまみ舌片からなり、それぞれのつまみ舌片に前記ハーフカットが形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
このように構成することにより、蓋材に設けられた第2つまみ舌片を手指でもって蓋材を所定位置まで開封して注湯口を設けると共に、たとえば、即席焼きそば上に置かれたソース等の液体調味料を取り出した後に、該注湯口から熱湯を適量注湯し、蓋材の開封した部分を元に戻し、湯戻しが完了後に、今度は蓋材に設けられた第1つまみ舌片を手指でもって蓋材を剥離することにより、前記蓋材が前記ハーフカットに沿って切り欠かれて湯切口が形成され、この湯切口から余剰な湯を排出して湯切りを行い、その後、蓋材を容器本体から完全に取り去り、湯戻しした麺をほぐしながら別添のソースをまぶすことにより食せる状態となる。すなわち、前記第1つまみ舌片を剥離することにより、前記ハーフカットと協働して湯切口を形成するように構成されているので、前記第1つまみ舌片を剥離するだけで、誰でも同じ大きさの湯切口を確実に得ることができ、従来のように蓋に欠設された切欠を起こして排湯のための通孔を確保する場合に生じた湯切口の大きさのバラツキによる湯切り時間や残湯量に差を生じることがなく、メーカーが狙った食味や食感を誰もが等しく得ることができる。また、湯切時には、湯切口と注湯口を設けた以外の箇所は容器本体と蓋材とが熱接着により接着されているために取扱が容易であり、従来のように注湯した熱湯をこぼすこともなく、また、容器本体と蓋材とを強い力で押さえる必要もなく、さらに湯切り時に湯戻しした麺をこぼすこともない。また、メーカーが求める食味や食感を得ることができるようにハーフカットの形状、大きさ、あるいは、湯切口の個数等は麺の太さや湯切り時間等を考慮して、適宜設けることができる。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1、2のいずれかに記載の即席食品等の容器において、漏斗の脚部の付け根部が前記熱接着部の内縁より蓋材半径方向外側に位置するように構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、直線状の湯切口を、より確実に設けることができる。
【0009】
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の即席食品等の容器において、前記第1つまみ舌片の前記蓋材の端縁との両付け根部に切り込みが設けられていることを特徴とするものである。このように構成することにより、直線状の湯切口を、尚一層確実に設けることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、具体的な実施形態を図面等を用いて以下に更に詳しく説明する。
図1は本発明にかかる即席食品等の容器の一実施例を示す概略斜視図、図2は本発明にかかる即席食品等の容器の第1実施形態を示す平面図、図3はその使用状態を示す説明図、図4は本発明にかかる即席食品等の容器の第2実施形態を示す平面図、図5は本発明にかかる即席食品等の容器の第3実施形態を示す平面図、図6は本発明にかかる蓋材の層構成図であり、図中の1,1’,1''は即席食品等の容器、2は熱接着部、3,3’は第1つまみ舌片、4は第2つまみ舌片、5は突条部、6,6’は切欠部形成用ハーフカット、10,10’,10''は蓋材、20は容器本体、21はフランジ部、31は第1つまみ舌片の付け根部、32は切欠部形成用のハーフカットの切り欠き開始端、33は断面略漏斗形状の脚部の付け根部、40は基材、50は熱接着性接着層をそれぞれ示す。
【0011】
図1は本発明にかかる即席食品等の容器の一実施例を示す概略斜視図であって、即席食品等の容器1は、一方に円形状の開口部を有する丼状の容器本体20と、該容器本体20の開口部とほぼ同じ外形を有する蓋材10とからなり、前記容器本体20の開口縁部に設けられたフランジ部21と前記蓋材10とを剥離可能な熱接着部2で密封した構成からなり、さらに、前記蓋材10にはその一つの端縁から外方に突出する第1つまみ舌片3が形成されると共に、前記第1つまみ舌片と略対向する位置に第2つまみ舌片4が形成されている。
【0012】
図2は本発明にかかる即席食品等の容器の第1実施形態を示す平面図、すなわち、図1に示す即席食品等の容器を蓋材側から見た図であって、即席食品等の容器1の前記蓋材10には前記蓋材10に設けられた前記第1つまみ舌片3の前記蓋材10の端縁との両付け根部31、31から前記熱接着部2を乗り越えて前記熱接着部2の内側に平行に、かつ、前記容器本体20の開口部の中心点方向に突条部5を形成するように延びる切欠部形成用のハーフカット6が前記容器本体20側から形成され、前記第1つまみ舌片3を前記熱接着部2を乗り越えて剥離することにより、前記ハーフカット6と協働して前記蓋材10に前記突条部5の形状をした湯切口となる切欠部を形成するようにしたものである。
【0013】
次に、本発明の即席食品等の容器の使用方法について、即席食品が即席焼きそばの場合を例に挙げて、図2に示す本発明の第1実施形態の即席食品等の容器を用いて説明する(焼きそば等の内容物は図示せず)。まず、図1に示す本発明の即席食品等の容器1の蓋材10に設けられた第2つまみ舌片4を手指で摘んで捲り上げて、容器本体20から約1/2程度まで前記蓋材10を剥離して図3(a)に示すように注湯口Aを設け、この注湯口Aから内部に収納された調味料等を取り出して後に、また、場合によっては乾燥野菜等のかやくを入れた後に、この注湯口Aから内部に所要量熱湯を注湯してから、前記蓋材10の前記剥離した部分を再度容器に被せ(図1に示すような状態)、この状態で所要時間調理して後に(湯戻して後に)、次に前記蓋材10に設けられた第1つまみ舌片3を手指で摘んで前記蓋材に設けられた前記ハーフカット6に沿って捲り上げると共に、この捲り上げた部分を取り去ることにより、前記蓋材10に前記突条部5の形状をした湯切口となる切欠部を形成し、この切欠部が下側にとなるように傾けて、この切欠部から容器1内の残湯を図3(b)に示すように排出し(容器1の保持手段は図示せず)、その後、容器本体20から蓋材10を全部捲り取って容器開口部を露出させ、調味料等を添加して後に喫食する。このように、残湯を排出する湯切口が容器1の蓋材10に設けられた前記突条部5の形状をした切欠部で形成されているために、従来技術の項で説明した▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼の問題が生じることはない。
【0014】
また、前記第1つまみ舌片3の前記蓋材10の端縁との両付け根部31、31にIやVノッチ等の切り込みを設けることも可能であり、このような切り込みを設けることにより、湯切口となる突条部5の形状をした切欠部を一層スムーズに設けることができる。なお、説明を省略したが、本発明の即席食品等の容器1は、通常は、本容器1を使用する時まで、容器1に塵埃等の異物が付着しないように、また、改鼠防止を目的として容器1全体が熱収縮フィルム等で被覆されて保護されている。
【0015】
このような容器1に用いる容器本体20の構成としては、ポリスチレンペーパー、ハイインパクトポリスチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリアミドとポリエチレンないしポリプロピレンとの積層シート、ポリエチレンとポリプロピレンとの積層シート等を周知の真空成形法や圧空成形法で成形して容器としたもの、ポリプロピレン、ポリスチレン等の射出成形用樹脂を射出成形して容器としたもの、あるいは、発泡スチレン製容器、紙製容器、あるいは、これらからなる二重容器などの熱湯により調理する即席食品用容器として用いられている周知のものを挙げることができる。
【0016】
また、前記蓋材10としては、図6に示すように、基材40の一方の面に熱接着性接着層50を設けた構成からなる積層材であって、前記基材40としては、紙、アルミニウム等の金属箔、あるいは、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂やポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂製シート(合成紙を含む)の単体ないしこれらの組み合わせによる積層体を挙げることができる。また、前記熱接着性接着層50としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂等の単体ないし複合体を挙げることができる。これらの樹脂は、容器本体の構成に応じて、易開封性となるものを適宜選択して用いればよい。また、基材40には、通常印刷層が設けられている。
【0017】
また、前記蓋材10に設けるハーフカットは、前記熱接着性接着層50側から前記基材40の他方の面側の最表層の一部を少なくとも残すように設けられており、従来のプラスチック蓋からなる即席食品等の容器のように蓋の表面に切目や孔がないので見栄えもよく、また、容器内は密封された状態であり、埃やゴミなどが容器内に入る虞もなく、極めて衛生的である。
【0018】
図4は本発明にかかる即席食品等の容器の第2実施形態を示す図2に対応する平面図であって、即席食品等の容器1’は、図2に示した第1の実施形態の容器1の蓋材10に設けた第1つまみ舌片3より、該第1つまみ舌片3の前記蓋材10の端縁との両付け根部31、31間方向の幅が広く構成された第1つまみ舌片3’を有する蓋材10’からなり、前記第1つまみ舌片3’の前記両付け根部31、31の両外側の前記蓋材10’の両端縁32、32から漏斗を縦方向に切断した断面略漏斗形状で、かつ、前記両端縁32、32に漏斗の注入側がくると共に漏斗の脚部が容器本体20の開口部の中心点方向に延びるように構成され、さらに、漏斗の脚部の付け根部33が容器本体20と前記蓋材10’との熱接着部2の内縁より外側に位置するように構成された切欠部形成用のハーフカット6’が形成され、前記第1つまみ舌片3’を前記熱接着部2を乗り越えて剥離することにより、前記ハーフカット6’と協働して前記蓋材10’に突条部5の形状をした湯切口となる切欠部を形成するようにしたものである。当然、前記両端縁32、32が前記第1つまみ舌片3’を手指で摘んで捲り上げた際に前記切欠部形成用のハーフカット6’の切り欠き開始端となる。
【0019】
本第2実施形態の容器1’の使用方法については、図2に示した第1実施形態の容器1と同じであり説明は省略するが、第2実施形態の容器1’をこのように構成することにより、第1実施形態の蓋材10の第1つまみ舌片3より大きい第1つまみ舌片3’とすることができ、第1つまみ舌片を手指で摘まみ易くなる。また、第2実施形態においては、第1つまみ舌片3’は、第1つまみ舌片3’の前記両付け根部31、31の両外側の前記蓋材10’の両端縁32、32から断面略漏斗形状のハーフカット6’が設けられていることにより、湯切口を設ける際、第1つまみ舌片3’を手指で摘んで捲り上げた際に、たとえば、該断面略漏斗形状のハーフカット6’の前記両端縁32、32から切れ始めずに、第1つまみ舌片3’の両付け根部31、31から切れ始めたとしても、必ず断面略漏斗形状のハーフカット6’に達することになり、断面略漏斗形状のハーフカット6’に達して以降は断面略漏斗形状のハーフカット6’に沿って切れることになり、第1実施形態の構成に比べて、第1つまみ舌片と切欠部形成用のハーフカットの位置関係の許容幅が大きくなり、製造コストを安価にすることができる。また、第1実施形態において説明したが、IやVノッチ等の切り込みを前記両付け根部31、31ないし前記両端縁32、32ないし前記両付け根部31、31と前記両端縁32、32とで挟まれた前記蓋材10’の両端縁に設けることにより、湯切口となる突条部5の形状をした切欠部を一層スムーズに設けることができる。
【0020】
なお、図示はしないが、第1の実施形態と同じように、前記切欠部形成用のハーフカット6’の切り欠き開始端となる前記両端縁32、32は前記第1つまみ舌片3’の両付け根部31、31と同じであっても構わない。
【0021】
図5は本発明にかかる即席食品等の容器の第3実施形態を示す図2に対応する平面図であって、即席食品等の容器1''は図2の第1実施形態で説明した湯切口を形成するための第1つまみ舌片3と切欠部形成用のハーフカット6を平行に3つ設けた蓋材10''からなる以外は図2に示す本発明の第1の実施形態の即席食品等の容器1と同じであり説明は省略するが、湯切口となる突条部5の形状をした切欠部が3つ形成されるように構成されている。なお、この第3実施形態は、複数の湯切口を設ける場合の一実施例として挙げたものであり、湯切口の個数についてはこの実施例に限るものではなく、湯切り時間や麺の太さ等により適宜決めればよい。
【0022】
【実施例】
次に、上記の本発明について、以下に実施例を挙げて更に詳しく説明する。
実施例1
図2に示す本発明の即席食品等の容器を例に挙げて説明する。
外寸の直径(図示せず)が166mm で、フランジ部の幅(図示せず)が7mmの開口部を有し、深さ(図示せず)が80mmの発泡ポリスチレン製の丼形状の容器本体20(図1参照)と、積層構成が塗工紙79.1g/m2/ポリエチレン層20μm/アルミニウム箔7μm/熱接着性接着層25μmからなり、外寸の直径CTが166mm の円形状であって、対向する位置に突出長さTNが10mm、幅THが2mmの第1つまみ舌片3’と第2つまみ舌片4が突出するように設けられると共に、前記第1つまみ舌片3’の両付け根部31、31からそれぞれ前記蓋材10の中心点方向に平行に延びると共に、先端部において半径1mmの凸状半円形を形成するように互いに連結する幅KHが2mmで長さKNが60mmの突条部5を形成するように切欠部形成用のハーフカット6が前記熱接着性接着層側から前記塗工紙の一部を残して形成された蓋材10とを、前記容器本体( 図示せず) に湯戻し後に2.5mm の麺太さとなる包装袋に収納された生麺160gと調味料、かやく(図示せず)を充填して後に、前記容器本体20(図1参照)と前記蓋材10とを前記容器本体20(図1参照)のフランジ部(図1参照)で熱接着部2の幅NSが2mmとなるように熱接着して本発明の即席食品等の容器を作製した。
【0023】
この実施例1で作製したものを用いて、まず、前記蓋材10の第2つまみ舌片4を手指で掴んで捲り上げて、容器本体20(図1参照)から約1/2程度まで前記蓋材10を剥離して図3(a)に示すように注湯用開口部Aを設け、該注湯用開口部Aから包装袋に収納された生麺と調味料、かやく等(図示せず)を取り出すと共に、包装袋から取り出した生麺(図示せず)を再度前記注湯用開口部Aから前記容器本体20に戻し、その後にこの注湯用開口部Aから内部に所要量熱湯を注湯し、前記蓋材10の前記剥離した部分を再度容器本体20に被せ(図1に示すような状態)、この状態で所要時間調理して後に(湯戻して後に)、次に前記蓋材10に設けられた第1つまみ舌片3を手指で摘んで捲り上げると前記蓋材10に設けられた前記ハーフカット6に移行すると共に前記ハーフカット6に沿ってスムーズに、この捲り上げた部分を取り去ることができ、前記蓋材10に前記突条部5の形状をした湯切口となる切欠部を形成することができた。次に、この切欠部が下側となるように傾けて、この切欠部から容器1内の残湯を図3(b)に示すように排出(容器1の保持手段は図示せず)した。実施例1の容器は、従来技術の項で列挙した▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼等の問題が生じることなく、スムーズに残湯を排湯することができた。また、湯切り時間や残湯量に個人差もなく、良好な食味や食感を一様に得ることができた。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、今まで縷々説明したように、注湯排湯して適食となる即席焼きそばに代表される乾燥麺、生麺等を収納する即席食品等の容器であって、排湯操作の手間がかからずに簡便、迅速に、かつ、確実、安全に行うことができるという効果を奏するものであり、また、湯切り時間や残湯量に個人差がなく、良好な食味や食感を一様に得ることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる即席食品等の容器の一実施例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明にかかる即席食品等の容器の第1実施形態を示す平面図である。
【図3】その使用状態を示す説明図である。
【図4】本発明にかかる即席食品等の容器の第2実施形態を示す平面図である。
【図5】本発明にかかる即席食品等の容器の第3実施形態を示す平面図である。
【図6】本発明にかかる蓋材の層構成図である。
【符号の説明】
1,1’,1'' 即席食品等の容器
2 熱接着部
3,3’ 第1つまみ舌片
4 第2つまみ舌片
5 突条部
6,6’ 切欠部形成用ハーフカット
10,10’,10'' 蓋材
20 容器本体
21 フランジ部
31 第1つまみ舌片の付け根部
32 切欠部形成用のハーフカットの切り欠き開始端
33 断面略漏斗形状の脚部の付け根部
40 基材
50 熱接着性接着層

Claims (4)

  1. 一方に開口部を有するように底板と該底板の周縁に設けられ、上部にフランジ部を有する周壁とからなる容器本体と、前記容器本体の開口部とほぼ同じ外形を有する蓋材とからなり、前記容器本体のフランジ部と前記蓋材とを剥離可能な熱接着部で密封した即席食品等を収納する容器において、前記蓋材にはその端縁から外方に突出する第1つまみ舌片が形成されると共に、前記第1つまみ舌片が形成された以外の端縁から外方に突出する第2つまみ舌片が形成され、前記第1つまみ舌片の前記蓋材の端縁との両付け根部の蓋材周縁に沿った両外側の前記蓋材の両端縁の一方から前記熱接着部を乗り越えて前記熱接着部の内側に延びて前記熱接着部の内側で略直線状の突条部を形成するように再度前記熱接着部を乗り越えて上記両端縁の他方に戻る切欠部形成用のハーフカットが前記容器本体側から形成され、前記ハーフカットが漏斗を縦方向に切断した断面略漏斗形状であって、前記蓋材の端縁側に漏斗の注入側がくると共に漏斗の脚部が容器本体の開口部の中心点方向に延びるように構成され、前記第1つまみ舌片を前記熱接着部を乗り越えて剥離することにより、前記ハーフカットと協働して湯切口を形成するように構成したことを特徴とする即席食品等の容器。
  2. 前記第1つまみ舌片が前記蓋材の端縁から外方に突出した複数のつまみ舌片からなり、それぞれのつまみ舌片に前記ハーフカットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の即席食品等の容器。
  3. 前記ハーフカットは、漏斗の脚部の付け根部が前記熱接着部の内縁より蓋材半径方向外側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の即席食品等の容器。
  4. 前記第1つまみ舌片の前記蓋材の端縁との両付け根部に切り込みが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の即席食品等の容器。
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