JPH0615877Y2 - インスタント茄で麺用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、インスタントざるそばの如く包装用容器の
ままで蒸し上げて食べられる蒸し麺、或いは容器のみを
取り出し水通しをして冷やし麺の如くして食せる機能を
有する茹で麺用容器に関する。

（従来の技術） ざるそば収納用穿室に隣接してめんつゆ収納用窩室を一
体形成したインスタントざるそば用容器は既に存在して
いる。

該容器の使用は、ざるそば収納用窩室内にそばめんを袋
から取り出して入れたあと、熱湯を注いで蓋閉めして数
分経過させることにより茹であげ、容器自体を傾けて水
切りし、次いでめんつゆ収納窩室内にめんつゆ及びかや
く等を入れて食するのである。

（考案が解決しようとする課題） 上記した従来容器では、ざるそば収納窩室内で茹であげ
られたそばめんの水切りを行うさい、通常では箸で堰を
形成しながらそばめんの流出を防ぎつつ容器を斜めに傾
けて水を排除するようになすのであるが、９０度近くま
で傾けることは不可能なため、最後まで完全に水を排除
できず十分な水切りが果たされないのである。したがっ
て兎角そばめんが水っぽくなって食味が減じる等といっ
た問題がある。また、短時間に効率良く茹で上がらない
と言う問題がある。

本考案は斯有る問題点を解消させるために成されたもの
で、ざるそば等蒸し麺を短時間に効率よく茹で上げ且つ
水切りを十分に行って美味しく食べられるインスタント
の茹で麺用容器を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案の容器は、麺類収納窩室とめんつゆ収納窩室の境
界部をなす堰壁の上部一定範囲を若干の凹み面に形成
し、且つ麺類収納窩室には該室底部より少し高位置にそ
の底面を有する孔明きざる容器を内接状態に設けしめ、
該ざる容器はその上縁に前記窩室の上縁により支持され
るものとなるカラー部を具備せしめると共に該カラー部
の一部であって前記凹み面の上部箇所で水平方向に突出
した舌片の形成し、他方上記構成の容器本体を覆う蓋は
断面逆Ｕ字状であって、その周壁面には内方へ膨出され
た係合突条を一定間隔で適当数設ける構成としたことを
特徴とする。

なお本考案品の有用性を増大させるため、めんつゆ収納
窩室内に納まる単体構成のめんつゆ容器と、容器本体の
上面全体を覆う蓋とを付属せしめておくようになす。

（作用） 本考案品の使用のさいは、ざるそば収納窩室内のざる容
器中にそばめんを入れ熱湯を注ぎ蓋閉めして一定時間茹
であげ、次いでざる容器の舌片を指で摘んでざるを持ち
上げることにより水切りを行い、且つざるそば収納窩室
内に溜まっている水は容器全体を転倒させて排除し同窩
室内にざる容器を戻すようになす。

茹でる際、蓋が容器上面を完全密閉して熱湯蒸気が逃げ
ないことから、短時間で効果的に茹で上げられ、又茹で
上げ後に持ち上げられたざる容器はざるそばの水切りを
完全に行わしめるものとなり、また該ざる容器をざるそ
ば収納窩室内に戻した後にも該ざるは水切り作用を持続
するものとなるため、ざるそばはそれが食に供される間
中、完全な水切り状態を持続されるのである。

（実施例） 以下、本考案の具体的な実施例を図面により詳述する。

第１図は容器本体の斜視図、第２図はざる容器の斜視
図、第３図はめんつゆ容器の斜視図、第４図は容器本体
用の蓋の斜視図、第５図は容器本体にざる容器及びめん
つゆ容器を納めた状態を示す図である。

図に於いて、１は平面視楕円形をした合成樹脂製の容器
本体であってざるそば収納窩室２に隣接してめんつゆ収
納窩室３が形成されて成る。ざるそば収納窩室２は鍋形
に形成されていてその内周面２ａの一定高さ位置には段
部４が形成されている。一方、めんつゆ収納窩室３は平
面視三日月形に形成されているが、これに限定されるも
のではない。５は両窩室の境界を成す堰壁でその上部中
央箇所の一定範囲を適当な深さの凹み面５ａに形成され
ている。該凹み面５ａの深さは後述する舌片を摘み容易
とする関係で決定するのであり、凡そ５〜１５mm程度の
範囲である。

６は合成樹脂製のざる容器で底面が孔明きされると共に
前記ざるそば収納窩室２底面より少し高い位置で且つ周
壁面が概略内接する形状に成され、且つその上縁にはざ
るそば収納窩室２の上縁に支持されるカラー部７が形成
され、本例では該カラー部７は段部４に係合する下部カ
ラー７ａと張出状の上部カラー７ｂとで形成されて成
る。そして前記上部カラー７ｂの一部であって凹み面５
ａの上部に位置せしめる箇所に張出状の舌片８が一体的
に形成してある。該舌片８は任意な形状に定め得る。９
・・・はざる容器６の底部に設けられた多数の透孔であ
る。

１０は合成樹脂等で成形された単体構成のめんつゆ容器
で、めんつゆ収納窩室内に第５図に示す如く収容される
大きさと成されている。

さらに１２は容器本体１の上方からその全体を覆うため
の楕円形蓋で、全体を合成樹脂製で断面が逆Ｕ字状の薄
肉体に形成されて成る。そして周壁面１２ａには内方へ
膨出された係合突条１３・・・が一定間隔で適当数設け
られていて、該突条１３・・・が容器本体１の周縁１ａ
の裏面部に係合する構成としてある。

斯かる本考案品はそばめん等茹で麺、及び冷麺を食べる
さいの食器として専ら活用されるのである。

即ち、上記本考案品の販売段階ではざる容器６をそばめ
ん収納窩室２内に収めると共にざる容器６内に乾燥そば
めんを収容する一方、めんつゆ収納窩室３内にめんつゆ
容器１０とか袋詰め等されためんつゆ及びかやく等を収
容し、さらに蓋１２を被せた状態と成してその外周囲を
包装するようになす。

しかしてざるそばを食べるさいは、めんつゆ収納窩室３
からめんつゆ容器１０、めんつゆ及びかやく等を取り出
す一方、ざる６容器内に裸で存置せしめたそばめんに熱
湯を注ぎ込み、続いて容器本体１に蓋１２を被せて暫く
（数分間程度）待つようにしてそばめんを茹であげ、次
いで蓋１２を外し、舌片８を指で摘むように持ってざる
６を上方へ持ち上げることによりざるそばの水切りを行
い、さらに必要に応じてざるの上から水を注いでざるそ
ばを水洗いし、他方では容器本体１を反転する等してそ
ばめん収納窩室２内の水を排除すると共にめんつゆ収納
窩室３内にめんつゆを用意し、その後そのざる容器６を
そばめん収納窩室２内の一定位置に戻し、最後はそばめ
ん上にかやく等を振りかけて食に供するようになすので
ある。これによりそばめんはざる容器６の良好な水切り
性能のために完全に水切りされたものとなり、しかもそ
ばめんを食べている間にもそばめんはその収納窩室２内
でのざる容器６による水切り作用を受け続けるため完全
な水切り状態を維持し得るものとなる。

なお、めんつゆ容器１０にめんつゆを用意すれば、めん
つゆ容器１０を手に持って食べることが出来るため便利
である。

（考案の効果） 以上のような本考案によれば、熱湯を注いで茹でる際、
特殊に構成した蓋を使用して容器上面を完全覆蔽して行
うことが出来るため、短時間で効率良く茹で上がり、こ
れは腰のある茹で麺となるのであり、また水切りがざる
容器６の水切り作用により完全に行い得るのであり、ま
た食間中に於いてもそばめんを完全な水切り状態に維持
させることから非常に美味しく食することのできるもの
となり、また凹み面５ａの上方にざる容器６の舌片８を
位置せしめるようにしてあることから、その取り出しや
水切り操作も簡便に行えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は容器本体の斜視図、第２図はざる容器の斜視
図、第３図はめんつゆ容器の斜視図、第４図は容器本体
用の蓋の斜視図、第５図は容器本体にざる容器及びめん
つゆ容器を納めた状態を示す図である。 ２……ざるそば収納窩室、３……めんつゆ収納窩室、５
……堰壁、５ａ……凹み面、６……ざる容器、７……カ
ラー部、８……舌片、１０……めんつゆ容器、１２……
蓋。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】茹で麺収納窩室（２）に隣接してめんつゆ
   収納穿室（３）を一体形成すると共に、両窩室（２）
   （３）の境界堰壁（５）の上部中央の一定範囲を若干の
   凹み面（５ａ）に形成し、且つ茹で麺収納窩室（２）に
   は該窩室（２）底面より少し高位置にその底面を有する
   孔明きざる容器（６）を内接せしめ、該ざる容器（６）
   はその上縁に前記茹で麺収納窩室（２）の上縁により支
   持されるカラー部（７）、及び該カラー部（７）の一部
   のうち前記凹み面（５ａ）の上部箇所を水平方向に突出
   した舌片（８）に形成した構成を特徴とするインスタン
   ト茹で麺用容器。
2. 【請求項２】容器本体１の全体を覆う蓋（１２）は断面
   逆Ｕ字状であって、周壁面（１２ａ）には内方へ膨出さ
   れた係合突条（１３・・・）が一定間隔で適当数設けら
   れていることを特徴とする請求項１記載のインスタント
   茹で麺用容器。