JP4230822B2 - ブライン用配管内摩擦抵抗低減剤 - Google Patents

ブライン用配管内摩擦抵抗低減剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(1)発電所、下水処理場、ゴミ処理場、工場等の排熱発生地域と都市間のエネルギーネットワークシステム、(2)工場、病院、デパート、スーパー、ホテルなどのビルの冷暖房空調設備用ブライン循環システム、(3)ショウケースや食品保管庫などの温度調節設備用ブライン循環システム、(4)工場の空調、装置などの温度調節設備用ブライン循環システム、(5)高圧電線冷却設備用ブライン循環システム等、各種ブライン循環システムの省エネルギー熱輸送技術の確立に資するものである。
すなわち本発明は、(1)から(5)等におけるグリコール水溶液およびD−ソルビトール水溶液などの飽和鎖式炭化水素系多価アルコール水溶液、低級アルコール水溶液、無機塩水溶液等から選ばれる1種類又は2種類以上を混合したブラインを使用した高密度熱輸送システムにおいて、配管内の摩擦抵抗を低減し、搬送動力の低減、熱損失の低減、熱搬送媒体の増加(搬送エネルギーの増加)、配管径の縮小等、省エネルギー水系熱搬送技術に貢献する高密度熱輸送用界面活性剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
配管内を流れる温冷水にある種の鎖状高分子を添加すると配管内摩擦抵抗が著しく減少する現象(トムズ効果)が50年前に発見されている。トムズ効果は数ppm〜数千ppm程度の鎖状高分子を水に添加する事により得られ、管内輸送において摩擦損失の減少による流量増加やポンプ動力の減少が期待出来る。このトムズ効果のメカニズムは、添加した鎖状高分子が糸巻き状(ランダムコイル状)となって流体中に混合し、そのランダムコイルが乱流渦の発生や発達を抑止するためとされている。しかし、高分子はポンプの剪断力により壊され、配管内摩擦抵抗低減機能が失われるため循環系配管には不向きである。
【0003】
一方、約10年前にカチオン系界面活性剤であるセチルトリメチルアンモニウムプロマイド(CTAB)等の第四級アンモニウム塩は、その添加量を増大すると棒状のミセル構造を形成し、鎖状高分子のランダムコイルと同様に配管内摩擦抵抗低減効果がありポンプの剪断力を受けてもその機能を回復する事が発見され、その適用研究等が国内外で行われている。しかし、カチオン系界面活性剤単独では強い殺菌作用があることから廃棄に際して環境に対する負荷が大きく、又化合物中の塩素・臭素等のハロゲン元素は毒性及び腐食性が強く配管による熱輸送用界面活性剤として使用するのには問題があり、その実用化の阻害因子となっている。
【0004】
また、従来技術には、グリコール水溶液およびD−ソルビトール水溶液などの飽和鎖式炭化水素系多価アルコール水溶液、低級アルコール水溶液、無機塩水溶液等の1種類又は2種類以上を混合したブラインの配管内摩擦抵抗を低減する方法が特許文献1、同2に記載されている。しかし、特許文献1記載のアミンオキシド系非イオン性界面活性剤と他種界面活性剤の混合の水溶液から形成したミセルはサイズが小さい等適切な形状でないため配管内摩擦抵抗低減効果は弱い。又、特許文献2記載のカチオン性界面活性剤セチルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩は強い殺菌作用があることから廃棄に際して環境に対する負荷が大きく、又化合物中の塩素、臭素等のハロゲン元素は毒性及び腐食性が強く配管による熱輸送用界面活性剤として使用するのには問題があり、その実用化の阻害因子となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−304794
【特許文献2】
特開2002−285144
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って望ましい界面活性剤としては、グリコール水溶液およびD−ソルビトール水溶液などの飽和鎖式炭化水素系多価アルコール水溶液、低級アルコール水溶液、無機塩水溶液等から選ばれる1種類又は2種類以上を混合したブラインの配管内摩擦抵抗低減に効果があり、鎖状高分子化合物やこれまで検討された界面活性剤のようにポンプの剪断力により壊されて配管内摩擦抵抗低減機能が失われたり、減衰する事のない界面活性剤の開発が必要である。また、開発する界面活性剤は、低環境負荷型界面活性剤であることが望ましい。
【0007】
【問題を解決するための手段】
発明者らは研究の結果、グリコール水溶液およびD−ソルビトール水溶液などの飽和鎖式炭化水素系多価アルコール水溶液、低級アルコール水溶液、無機塩水溶液等から選ばれる1種類又は2種類以上を混合したブラインの配管内摩擦抵抗を低減させる方法として、ブラインに界面活性剤として下記一般式(1)で表されるアミンオキシド系界面活性剤を添加することにより、上記の課題を解決できることを見出した。
さらに、該アミンオキシド系界面活性剤を単独で又は2種類以上の組合せたものを重量部で99部から60部と陰イオン性界面活性剤、好ましくは下記一般式(2)、又は(3)、又は(4)、又は(5)、又は(6)、又は(7)、又は(8)で表される陰イオン性界面活性剤を単独で又はそれらの2種類以上の組合せを、1部から40部混合したものを添加することにより配管内摩擦抵抗の低減に適切なミセルが形成され、優れた配管内摩擦抵抗低減効果が得られる事を見出した。
【0008】
これらの界面活性剤を好ましくは0.005〜20重量%、特に好ましくは0.1〜1重量%の濃度で前記のブラインに添加し、−30℃〜30℃で使用した場合、高い効果が得られる。また、これらの界面活性剤を含有するブラインにアゾビス系銅用防錆剤(ベンゾトリアゾール、商品名ドーガード等)、有機酸塩系、亜硝酸塩系及びモリブデン酸塩系鉄用防錆剤、スケール防止剤、スライム処理薬剤、分散剤、防腐剤、消泡剤等の添加剤を必要に応じて所定量添加しても良い。
【0009】
【化9】
Figure 0004230822
式中Rは炭素数が6〜18であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基を示す。又、式中R及びRは、炭素数が1〜4のアルキル基、又は炭素数が2〜6のアルケニル基、又は−(OC2n−Hで表されるアルキレングリコールエーテル基である。nは2又は3又はそれらの混合(ランダム付加、ブロック付加のいずれでもよく、付加順序も特に限定されない)を意味する。mは0〜10の整数、pは1〜10の整数である。
【0010】
【化10】
Figure 0004230822
式中Rは炭素数が4〜22であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基を示す。mは2〜4の整数である。nは0〜30の整数である。Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残基、アルカノールアミン残基を示す。
【0011】
【化11】
Figure 0004230822
式中Rは炭素数が4〜22であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基を示す。mは2〜4の整数である。nは0〜30の整数である。Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残基、アルカノールアミン残基を示す。
【0012】
【化12】
Figure 0004230822
式中Rは炭素数が10〜22であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基を示す。Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残基、アルカノールアミン残基を示す。
【0013】
【化13】
Figure 0004230822
式中Rは炭素数が4〜22であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基を示す。Rは水素もしくはメチル基を示す。nは1または2である。Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残基、アルカノールアミン残基を示す。
【0014】
【化14】
Figure 0004230822
式中Rは炭素数が4〜22であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基を示す。Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残基、アルカノールアミン残基塩を示す。
【0015】
【化15】
Figure 0004230822
式中RはHまたはNOである。また、Zはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残基、アルカノールアミン残基を示す。qは1〜3の整数である
【0016】
【化16】
Figure 0004230822
式中Rは炭素数が4〜22であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基を示す。Rは炭素数が4〜22であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基、またはMを示す。mは2〜4の整数である。xおよびyは0〜30の整数である。Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残基、アルカノールアミン残基を示す。
【0017】
本発明に係わるブラインとは、熱搬送を目的に使用される水系媒体を指す。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール水溶液、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール水溶液、D−ソルビトール等の飽和鎖式炭化水素系多価アルコール水溶液その他の有機化合物水溶液、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の無機塩水溶液が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に示す方法でアミンオキシド系界面活性剤合成した。
1.アミンオキシド系界面活性剤
1.1 N−アルキル−N,N−ジメチルアミンオキシド(ADMAO)及びN−アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド(ADEAO)の合成
疎水基の炭素数を系統的に変えて、3段階の反応で合成した。
【0019】
(反応1)アルキル又はアルケニルクロライドの合成
Figure 0004230822
(反応2)三級アミン化反応
Figure 0004230822
Figure 0004230822
(反応3)オキシド化反応
Figure 0004230822
【0020】
〔合成結果〕
ADMAOとしてはN−セチル−N,N−ジメチルアミンオキシド(CDMAO)、又ADEAOとしてはN−オレイル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド(ODEAO)を合成した。赤外線吸収スペクトル及び表1、表2の測定結果から合成物が目標の化合物である事を確認した。
【0021】
【表1】
Figure 0004230822
【0022】
【表2】
Figure 0004230822
【0023】
1.2 N−ポリオキシエチレンアルキルエーテル−N,N−ジメチルアミンオキシド(EAMAO)及びN−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル−N,N−ジメチルアミンオキシド(PAMAO)の合成
疎水基の炭素数、PO(プロピレンオキサイド)付加モル数及び親水基のEO(エチレンオキサイド)付加モル数を系統的に変えて、4段階の反応で合成した。
【0024】
参考例1
N−オレイル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド(ODEAO)90部とラウリン酸ナトリウム(LAN)10部の混合品をエチレングリコール(50%)と水(50%)からなるブラインに添加して試験した。
【0025】
〔合成結果〕
Rがオレイル基でm=3のEOMAO、POMAOを合成した。赤外線吸収スペクトル及び表3、表4の測定結果から合成物が目標の化合物である事を確認した。
【0026】
【表3】
Figure 0004230822
【0027】
【表4】
Figure 0004230822
【0028】
参考例2
N−オレイル−N,N−ジメチルアミンオキシド(ODMAO)90部とポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(PELSN)10部の混合水溶液をエチレングリコール(46%)と水(54%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表7、表8に示す。
【0029】
【実施例】
〔実施例A〕
図1に示すように、A地点を出たエチレングリコール系ブライン水溶液がB地点で冷暖房に使用されて温度が変化し、またA地点に戻る事を想定して実験を行なった。また、ケースによっては、銅用防錆剤としてベンゾトリアゾール(BT−120)を使用した。
図2に本実施例で実験に用いたプロセスのフローを示した。流体貯蔵用タンク▲1▼の温度調節装置(ヒーター、冷凍機)▲2▼で一定温度にコントロールされた液を流動ポンプ▲3▼で助走区間▲4▼、測定用試験部▲6▼、電磁流量計▲7▼を通して流す。戻った液は流体貯蔵用タンクでまた温度コントロールされて循環する。ブライン水溶液の温度はヒーター、冷凍機にて調節する。また流量はインバータによりコントロールし、電磁流量計▲7▼にて流量を測定する。試験部両端の圧力を差圧発信器▲5▼で測定した。DR効果の測定は、測定した差圧から摩擦係数を計算して行った。
【0030】
実施例1
N−オレイル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド(ODEAO)90部とラウリン酸ナトリウム(LAN)10部の混合品をエチレングリコール(50%)と水(50%)からなるブラインに添加して試験した。
【0031】
参考例3
N−セチル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド(CDEAO)95部とラウリルスルホン酸ナトリウム(LSN)5部の混合品をエチレングリコール(46%)と水(54%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表9、表10に示す。
【0032】
【表5】
Figure 0004230822
【0033】
【表6】
Figure 0004230822
【0034】
参考例4
ODEAO 95部とラウリン酸メチルタウリンナトリウム(LMTN)5部の混合品をエチレングリコール(50%)と水(50%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表11、表12に示す。
【0035】
【表7】
Figure 0004230822
【0036】
【表8】
Figure 0004230822
【0037】
参考例5
N−テトラデシル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド(TDEAO)90部とラウロイルサルコシンナトリウム(LSN)10部の混合品をエチレングリコール(50%)と水(50%)からなるブラインに添加して試験した。〔試験結果〕試験結果は表13、表14に示す。
【0038】
【表9】
Figure 0004230822
【0039】
【表10】
Figure 0004230822
【0040】
参考例6
ODEAO60部と直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(L−DBSN)40部の混合品をエチレングリコール(30%)と水(70%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表15に示す。
【0041】
【表11】
Figure 0004230822
【0042】
【表12】
Figure 0004230822
【0043】
実施例5
N−テトラデシル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド(TDEAO)90部とラウロイルサルコシンナトリウム(LSN)10部の混合品をエチレングリコール(50%)と水(50%)からなるブラインに添加して試験した。〔試験結果〕試験結果は表13、表14に示す。
【0044】
【表13】
Figure 0004230822
【0045】
参考例8
ODMAO 95部とラウリルリン酸ナトリウム(LPN)5部の混合水溶液をエチレングリコール(46%)と水(54%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表18、表19に示す。
【0046】
実施例6
ODEAO60部と直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(L−DBSN)40部の混合品をエチレングリコール(30%)と水(70%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表15に示す。
【0047】
【表15】
Figure 0004230822
【0048】
実施例7
ODEAO 95部と3−ニトロフタル酸ナトリウム(NPN)5部の混合品をエチレングリコール(46%)と水(54%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表16、表17に示す。
【0049】
【表16】
Figure 0004230822
【0050】
【表17】
Figure 0004230822
【0051】
実施例8
ODMAO 95部とラウリルリン酸ナトリウム(LPN)5部の混合水溶液をエチレングリコール(46%)と水(54%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表18、表19に示す。
【0052】
【表18】
Figure 0004230822
【0053】
【表19】
Figure 0004230822
【0054】
実施例9
ODEAO 90部とNPN 8部とLPN 2部の混合水溶液をD−ソルビトール(30%)と水(70%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表20に示す。
【0055】
【表20】
Figure 0004230822
【0056】
実施例10
N−ポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル−N,N−ジメチルアミンオキシド(EOMAO)90部とNPN 10部の混合水溶液をエチレングリコール(30%)と水(70%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表21に示す。
【0057】
【表21】
Figure 0004230822
【0058】
実施例11
N−ポリオキシプロピレン(3)オレイルエーテル−N,N−ジメチルアミンオキシド(POMAO)95部とNPN 5部の混合水溶液をプロピレングリコール(40%)と水(60%)からなるブラインに添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表22に示す。
【0059】
【表22】
Figure 0004230822
【0060】
実施例12
ODEAO 8 5部とNPN 8部とBT−120 7部の混合品をエチレングリコール(46%)と水(54%)からなるブラインに添加して試験した。〔試験結果〕試験結果は表23,表24に示す。
【0061】
【表23】
Figure 0004230822
【0062】
【表24】
Figure 0004230822
【0063】
〔実施例B〕
A地点を出た塩化カルシウム30%水溶液がB地点で冷暖房に使用されて温度が変化し、またA地点に戻る事を想定して行なった。
実施例13
ODEAO 90部とNPN 8部とLPN 2部の混合水溶液を塩化カルシウム30%水溶液に添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表25、表26に示す。
【0064】
【表25】
Figure 0004230822
【0065】
【表26】
Figure 0004230822
【0066】
実施例14
EOMAO 85部とNPN 7.5部とBT−120 7.5部の混合水溶液を塩化カルシウム30%水溶液に添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表27に示す。
【0067】
【表27】
Figure 0004230822
【0068】
〔実施例C〕
A地点を出たエチルアルコール15%水溶液がB地点で冷暖房に使用されて温度が変化し、またA地点に戻る事を想定して行なった。
実施例15
ODEAO 95部とNPN 5部 LPN 2部の混合品をエチルアルコール15%水溶液に添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表28に示す。
【0069】
【表28】
Figure 0004230822
【0070】
実施例16
EOMAO 90部とNPN 10部の混合品をエチルアルコール15%水溶液に添加して試験した。
〔試験結果〕試験結果は表29に示す。
【0071】
【表29】
Figure 0004230822
【0072】
【発明の効果】
本発明は、グリコール水溶液およびD−ソルビトール水溶液などの飽和鎖式炭化水素系多価アルコール水溶液、低級アルコール水溶液、無機塩水溶液等から選ばれる1種類又は2種類以上を混合したブラインを使用した高密度熱輸送システムにおいて、配管内の摩擦抵抗を低減し、搬送動力の低減、熱損失の低減、熱搬送媒体の増加(搬送エネルギーの増加)、配管径の縮小等、省エネルギー水系熱搬送技術に貢献する高密度熱輸送用界面活性剤に関するものである。これは、従来技術にはなかった新しい技術であり、(1)発電所、下水処理場、ゴミ処理場、工場等の排熱発生地域と都市間のエネルギーネットワークシステム、(2)工場、病院、デパート、スーパー、ホテルなどのビルの冷暖房、(3)ショウケースや食品の保管庫などの温度調節設備、(4)工場の空調システム、装置・機械の温度調節、(5)ソーラシステム等における省エネルギー熱輸送の確立に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるブライン循環ライン概略図である。
【図2】本発明の実施例に係わる実験装置のフロー図である。
【符号の説明】
▲1▼ 流体貯蔵用タンク
▲2▼ 温度調節装置(ヒーター、冷凍機)
▲3▼ 流動ポンプ
▲4▼ 助走区間
▲5▼ 差圧発信器
▲6▼ 測定用試験部
▲7▼ 電磁流量計

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で表されるアミンオキシド系界面活性剤の1種又は2種以上の組合せを60〜99重量部と、下記一般式(7)で表される陰イオン性界面活性剤1〜40重量部を混合したものを含有するブライン用配管内摩擦抵抗低減剤。
    Figure 0004230822
    式中Rは炭素数が6〜18であり、飽和または不飽和であり、直鎖または分岐鎖である炭化水素基を示す。又、式中R及びRは、炭素数が1〜4のアルキル基、又は炭素数が2〜6のアルケニル基、又は−(CnHnO)−Hで表されるアルキレングリコールエーテル基である。nは2又は3又はそれらの混合(ランダム付加、ブロック付加のいずれでもよく、付加順序も特に限定されない)を示す。mは0〜10、pは1〜10の整数である。
    Figure 0004230822
    式中R はNである。また、Zはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残基、アルカノールアミン残基を示す。qは1〜3の数である。
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