JP2019210394A - 蓄熱材、伝熱装置及びエネルギーハーベスタ - Google Patents

蓄熱材、伝熱装置及びエネルギーハーベスタ Download PDF

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Abstract

【課題】できるだけ温度変化が小さい蓄熱材を実現する。【解決手段】蓄熱材4を、少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、水よりも比熱が大きい混合液からなるものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄熱材、伝熱装置及びエネルギーハーベスタに関する。
従来から、例えばエネルギーハーベスタ、熱電変換モジュール、伝熱装置、空気調和装置、冷却装置などに蓄熱材が用いられる。
特開2012−72929号公報 国際公開第2016/132533号
例えば、エネルギーハーベスタ、熱電変換モジュール、伝熱装置に蓄熱材を用いる場合、発電量を増大させるために、蓄熱材の温度変化をできるだけ抑制することが考えられる。
なお、例えば空気調和装置や冷却装置の冷媒として蓄熱材を用いる場合にも、冷媒の温度が上がらないようにするために、冷媒として用いられる蓄熱材の温度変化をできるだけ抑制することが考えられる。
本発明は、できるだけ温度変化が小さい蓄熱材を実現することを目的とする。
1つの態様では、蓄熱材は、少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、水よりも比熱が大きい混合液からなる。
1つの態様では、伝熱装置は、容器と、容器内に設けられた蓄熱材と、蓄熱材に熱的に接続された放熱フィンとを備え、蓄熱材は、少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、水よりも比熱が大きい混合液からなる。
1つの態様では、エネルギーハーベスタは、熱電変換素子と、容器と、容器内に設けられた蓄熱材と、熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、かつ、蓄熱材に熱的に接続された放熱フィンとを備え、蓄熱材は、少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、水よりも比熱が大きい混合液からなる。
1つの側面として、できるだけ温度変化が小さい蓄熱材を実現できるという効果を有する。
本実施形態にかかる蓄熱材、伝熱装置及びエネルギーハーベスタの構成を示す模式図である。 本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールであるメタノールの濃度(モル分率)と比熱の関係を示す図である。 本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールであるエタノールの濃度(モル分率)と比熱の関係を示す図である。 本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールであるプロパノールの濃度(モル分率)と比熱の関係を示す図である。 本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールであるブタノールの濃度(モル分率)と比熱の関係を示す図である。 本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールであるtert-アミルアルコールの濃度(モル分率)と比熱の関係を示す図である。 (A)は本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールであるプロパノールの構造による比熱の違いを水の比熱との関係で説明するための図であり、(B)は本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールであるブタノールの構造による比熱の違いを水の比熱との関係で説明するための図である。 本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールの炭素数と溶解度の最大値(異性体中)との関係を示す図である。 本実施形態にかかる蓄熱材に用いられる一価のアルコールの比熱が最大となる濃度(モル分率)と凝固点を示す図である。 二価のアルコールであるエチレングリコールの濃度(モル分率)と比熱の関係を示す図である。 (A)〜(C)は、実施例1及び比較例1の各々の蓄熱材を用いた熱電発電装置における発電実験の結果を示す図であって、(A)は出力電圧(開放電圧)の測定結果を示しており、(B)は発電量の測定結果を示しており、(C)は発電量の増加率を示している。 第2実施形態にかかるセンサモジュールの構成を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュールを用いた情報処理システムの構成を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第1適用例を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第2適用例を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第3適用例を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第4適用例を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第5適用例を示す模式図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる蓄熱材、伝熱装置、エネルギーハーベスタ、センサモジュール及び情報処理システムについて説明する。
[第1実施形態]
まず、本実施形態にかかる蓄熱材、伝熱装置及びエネルギーハーベスタについて、図1〜図18を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるエネルギーハーベスタは、環境発電として熱電発電を行なう場合に、後述の蓄熱材を用いることで、熱電変換素子の両側に温度差を生じさせて、従来よりも高効率な発電電力を得ることができるものである。
本実施形態では、図1に示すように、エネルギーハーベスタ1は、熱電変換素子2と、容器3と、容器3内に設けられた蓄熱材4と、熱電変換素子2の一方の側に熱的に接続され、かつ、蓄熱材4に熱的に接続された放熱フィン5とを備える。
なお、エネルギーハーベスタ1を、環境発電装置、発電装置、熱電変換モジュール、熱電モジュール、熱電発電装置、電源モジュールともいう。また、熱電変換素子2を、熱電デバイス又は熱電素子ともいう。また、放熱フィン5を、フィン又は伝熱フィンともいう。また、容器3をケース又は蓄熱材容器ともいう。
この場合、容器3と、蓄熱材4と、放熱フィン5とによって、伝熱装置6が構成される。つまり、本実施形態にかかるエネルギーハーベスタ1は、容器3と、蓄熱材4と、放熱フィン5とによって構成される伝熱装置6を備える。
このような伝熱装置6は、エネルギーハーベスタ1以外の他の用途、例えば後述の冷却装置などの他の用途に用いることもできる。
つまり、本実施形態にかかる伝熱装置6は、容器3と、容器3内に設けられた蓄熱材4と、蓄熱材4に熱的に接続された放熱フィン5とを備え、例えばエネルギーハーベスタ1や後述の冷却装置などの種々の用途に用いることができる。
ここで、熱電変換素子2は、例えば、配線を形成した2枚の基板間にp型熱電材料とn型熱電材料を交互に並べて接続した構造になっている。そして、熱電変換素子2は、一方の側が放熱側となり、一方の側の反対側が熱源側となるように設けられる。つまり、熱電変換素子2の一方の側には、放熱フィン5が熱的に接続され、一方の側の反対側には、熱源7が熱的に接続される。
容器3には、断熱材8が取り付けられている。例えば、容器3の断熱性が十分でない場合に、容器3に断熱材8を取り付けて、断熱層を備えるものとすることが望ましい。このように、容器3は周囲と断熱されていることが望ましい。これにより、容器3内に入れられた蓄熱材4と外部とが断熱されることになる。
なお、これに限られるものではなく、例えば樹脂などの断熱材からなる断熱容器(例えば樹脂製容器)を用いても良い。
放熱フィン5は、熱電変換素子2の一方の側に熱的に接続されており、容器3よりも熱伝導率が高く、容器3内で蓄熱材4の中に入れられており、かつ、熱電変換素子2から離れる方向へ延びている。
ここでは、放熱フィン5は、ベース部(底板)9にその表面から突出するように設けられており、放熱フィン5及びベース部9の全体が容器3内に設けられている。
そして、ベース部9は、熱電変換素子2の一方の側に熱的に接続され、かつ、蓄熱材4に接しないようにし、放熱フィン5が、蓄熱材4の中に部分的に浸漬されて、蓄熱材4に熱的に接続されている。
ここでは、ベース部9、即ち、放熱フィン5の底板は、熱電変換素子2に伝熱グリースを介して接続されている。
この場合、熱電変換素子2に伝わった熱は、ベース部9を介して放熱フィン5へ伝わり、放熱フィン5から蓄熱材4へ伝わることになる。これにより、蓄熱材4への熱伝導の効率化を図ることができる。
ここで、放熱フィン5及びベース部9は、例えば金属等の高熱伝導率の材料からなる。本実施形態では、放熱フィン5及びベース部9をアルミニウムからなるものとしている。
なお、フィンはピンも含むものとする。また、放熱フィン5及びベース部9をまとめてヒートシンクともいう。
蓄熱材4は、容器3内に設けられ、放熱フィン5に熱的に接続されている。ここでは、容器3内に入れられた蓄熱材4の中に放熱フィン5の少なくとも一部を浸漬している。
本実施形態では、さらに、容器3に設けられ、容器3よりも熱伝導率が高い伝熱部材10を備える。この伝熱部材10は、例えば金属等の高熱伝導率の材料からなる。なお、伝熱部材10を伝熱部品ともいう。
そして、熱電変換素子2は、容器3内に設けられており、一方の側の反対側、即ち、放熱フィン5が熱的に接続されている側の反対側が伝熱部材10に熱的に接続されている。ここでは、伝熱部材10は、熱電変換素子2に伝熱グリースを介して接続されている。つまり、熱電変換素子2は、伝熱グリースを介して、伝熱部材10と放熱フィン5の底板(ベース部9)の間に挟まれた構造になっている。なお、ここでは、伝熱グリースを伝熱部材10と熱源7との間にも塗布し、熱抵抗を下げるようにしている。
ここでは、容器3の開口部に伝熱部材10が設けられており、伝熱部材10は外部の熱源7に熱的に接続されており、容器3外の熱源7からの熱が、伝熱部材10を介して熱電変換素子2に伝わり、熱電変換素子2を介してベース部9及び放熱フィン5に伝わって、放熱フィン5から蓄熱材4へ伝熱(放熱)されるようになっている。
ところで、本実施形態では、蓄熱材4は、顕熱を利用する蓄熱材(顕熱利用蓄熱材;顕熱蓄熱材)である。
特に、本実施形態では、蓄熱材4は、少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、水よりも比熱が大きい混合液からなる。ここでは、混合液は、少なくとも一種類、即ち、一種類以上の一価のアルコールを含むアルコール水溶液である。
ここで、一価のアルコールは、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではないアルコール、即ち、直鎖のアルコール以外のアルコールである。なお、nは炭素数である。また、直鎖ではないアルコールを、枝分かれのあるアルコール、分枝のあるアルコール又は側鎖のあるアルコールともいう。
ここでは、少なくとも一種類の一価のアルコールとして、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、tert-アミルアルコールの少なくとも一種類を含む。
ここで、少なくとも一種類の一価のアルコールとしては、一価のアルコールを一種類のみ含むものとしても良いし、複数種類含むものとしても良い。
例えば、一価のアルコールでは、炭素数、即ち、C2n+1OHのnが大きくなるほど、融点(凝固点)が下がる一方、水には溶け難くなる。
このため、水に溶け易く、比熱を水よりも大きくすることができる一価のアルコールと、水には溶け難いが融点を下げることができる一価のアルコールとを混合することで、比熱を水よりも大きくしながら、より融点を下げることも可能である。
この場合、少なくとも一種類の一価のアルコールとして、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではない第1アルコールと、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではないアルコールであって、第1アルコールよりもnが大きい第2アルコールとを含むものとすれば良い。
例えば、C2n+1OHのnが2であるエタノール約10mol%とC2n+1OHのnが5であるtert-アミルアルコール約2mol%の混合水溶液とすることで、エタノール約10mol%のみの水溶液と比較して比熱は小さくなるが(但し、水よりも比熱は大きい)、融点(凝固点)は−15℃となり、エタノールのみの場合の−11℃よりも下げることができる。
以下、具体的に説明する。
顕熱を利用する蓄熱材を用いる場合、熱容量が大きいほど有効であるが、重量が同じであるときは、材料の比熱が効いてくる。
水は常温で比熱が最大の単体である。このため、冷媒として最適であるとして利用されている。
このような背景の下、鋭意検討した結果、本発明者は、一価のアルコールC2n+1OHで、n(炭素数)が5以下で、かつ、nが3以上では直鎖ではないアルコールと水の混合液は、比熱が水よりも増大することを見出した。つまり、少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含む混合液は、比熱が水よりも増大することを見出した。
ここで、図2は、メタノールの約20℃における比熱の測定結果を示している。また、図3は、エタノールの約20℃における比熱の測定結果を示している。また、図4は、プロパノールの約20℃における比熱の測定結果を示している。また、図5は、ブタノールの約20℃における比熱の測定結果を示している。また、図6は、tert-アミルアルコールの約20℃における比熱の測定結果を示している。
まず、図2に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが1であるメタノール(CHOH)を含むメタノール水溶液は、比熱が水よりも大きくなることがわかる。
つまり、図2に示すように、水のモル数に対するメタノールのモル数の割合であるモル分率(濃度)が0mol%である場合の比熱は、水の比熱に相当するが、これは約4.2J/gKである。これに対し、少なくともモル分率が約0mol%よりも大きく、約15mol%以下のメタノール水溶液は、比熱が水の比熱(約4.2J/gK)よりも大きくなることがわかる。
次に、図3に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが2であるエタノール(COH)を含むエタノール水溶液は、比熱が水よりも大きくなることがわかる。
つまり、図3に示すように、水のモル数に対するエタノールのモル数の割合であるモル分率(濃度)が0mol%である場合の比熱は、水の比熱に相当するが、これは約4.2J/gKである。これに対し、少なくともモル分率が約0mol%よりも大きく、約15mol%以下のエタノール水溶液は、比熱が水の比熱(約4.2J/gK)よりも大きくなることがわかる。
次に、図4に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが3であり、かつ、直鎖ではないアルコールであるプロパノールの一種のIPA(isopropyl alcohol;イソプロピルアルコール;COH)を含むIPA水溶液は、比熱が水よりも大きくなることがわかる。
つまり、図4に示すように、水のモル数に対するプロパノールのモル数の割合であるモル分率(濃度)が0mol%である場合の比熱は、水の比熱に相当するが、これは約4.2J/gKである。これに対し、少なくともモル分率が約0mol%よりも大きく、約15mol%以下のIPA水溶液は、比熱が水の比熱(約4.2J/gK)よりも大きくなることがわかる。
次に、図5に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが4であり、かつ、直鎖ではないアルコールであるブタノールの一種のTBA(tert-butyl alcohol;tert-ブチルアルコール;COH)を含むTBA水溶液は、比熱が水よりも大きくなることがわかる。
つまり、図5に示すように、水のモル数に対するブタノールのモル数の割合であるモル分率(濃度)が0mol%である場合の比熱は、水の比熱に相当するが、これは約4.2J/gKである。これに対し、少なくともモル分率が約0mol%よりも大きく、約5mol%以下のTBA水溶液は、比熱が水の比熱(約4.2J/gK)よりも大きくなることがわかる。
なお、ここでは、一価のアルコールC2n+1OHでnが4であり、かつ、直鎖ではないアルコールであるブタノールの一種のTBA(tert-butyl alcohol;tert-ブチルアルコール;COH)を含むTBA水溶液を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。
例えば、一価のアルコールC2n+1OHでnが4であり、かつ、直鎖ではないアルコールであるブタノールの一種のsec-ブチルアルコール(sec- butyl alcohol;COH)についても同様である。
つまり、一価のアルコールC2n+1OHでnが4であり、かつ、直鎖ではないアルコールであるブタノールの一種のsec-ブチルアルコール(sec- butyl alcohol;COH)を含む水溶液は、比熱が水よりも大きくなる。具体的には、少なくともモル分率が約0mol%よりも大きく、約5mol%以下で、比熱が水の比熱(約4.2J/gK)よりも大きくなる。
次に、図6に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが5であり、かつ、直鎖ではないアルコールであるペンタノール(ペンチルアルコール;アミルアルコール)の一種のtert-アミルアルコール(C11OH)を含む水溶液は、比熱が水よりも大きくなることがわかる。
つまり、図6に示すように、水のモル数に対するtert-アミルアルコールのモル数の割合であるモル分率(濃度)が0mol%である場合の比熱は、水の比熱に相当するが、これは約4.2J/gKである。これに対し、少なくともモル分率が約0mol%よりも大きく、約2.5mol%以下のtert-アミルアルコール水溶液は、比熱が水の比熱(約4.2J/gK)よりも大きくなることがわかる。なお、モル分率が約2.5mol%よりも大きくなると水に溶解しにくくなり、その有効性を確認するのが難しくなる。
なお、図4、図5に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが5以下で、かつ、nが3以上の直鎖のアルコールを含むアルコール水溶液は、比熱が水よりも小さくなることがわかる。
つまり、図4に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが3の直鎖のアルコールである1−プロパノールを含む水溶液は、比熱が水よりも小さくなることがわかる。また、図5に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが4の直鎖のアルコールである1−ブタノールを含む水溶液は、比熱が水よりも小さくなることがわかる。
例えば、図7(A)に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが3の直鎖のアルコールである1−プロパノールを含む水溶液の比熱の最大値は、水の比熱よりも小さくなる。これに対し、一価のアルコールC2n+1OHでnが3の直鎖ではないアルコールであるIPAを含む水溶液の比熱の最大値は、水の比熱よりも大きくなる。
また、例えば、図7(B)に示すように、一価のアルコールC2n+1OHでnが4の直鎖のアルコールである1−ブタノールを含む水溶液の比熱の最大値は、水の比熱よりも小さくなる。これに対し、一価のアルコールC2n+1OHでnが4の直鎖ではないアルコールであるTBAを含む水溶液の比熱の最大値は、水の比熱よりも大きくなる。
なお、一価のアルコールC2n+1OHでnが5の場合も同様である。つまり、一価のアルコールC2n+1OHでnが5の直鎖のアルコールを含むアルコール水溶液は、比熱が水よりも小さくなる。例えば、一価のアルコールC2n+1OHでnが5の直鎖のアルコールを含むアルコール水溶液の比熱の最大値は、水の比熱よりも小さくなる。これに対し、一価のアルコールC2n+1OHでnが5の直鎖ではないアルコール(例えばtert-アミルアルコール)を含むアルコール水溶液の比熱の最大値は、水の比熱よりも大きくなる。
また、一価のアルコールC2n+1OHでnが6以上のものは、溶解度が小さくなりすぎて、比熱が水よりも大きくなるか、その有効性が確認できない。
ここで、図8は、一価のアルコールの炭素数と溶解度の最大値(異性体中)との関係を示している。
図8に示すように、一価のアルコールC2n+1OHは、n(炭素数)が大きくなると、溶解度が小さくなり、水に溶け難くなる。
具体的には、n(炭素数)が1から4までは、溶解度が大きく、水によく溶けるため、比熱が水よりも顕著に大きくなる。n(炭素数)が5になると、溶解度が小さくなり、水に溶け難くなるものの、比熱が水よりも大きくなり、その有効性は確認できる。これに対し、n(炭素数)が6以上になると、溶解度が小さくなりすぎて、ほとんど水に溶けなくなるため、比熱が水よりも大きくなるか、その有効性が確認できない。
上述のように、少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含む混合液、即ち、一価のアルコール水溶液は、比熱が水よりも増大するため、これを蓄熱材4に用いることで、できるだけ温度変化が小さい蓄熱材を実現することができる。
ところで、蓄熱材4として、上述のような一価のアルコール水溶液を用いることで、比熱を水よりも大きくすることができるだけでなく、凝固点(融点)を下げることも可能である。
つまり、例えば寒冷地で用いる場合を考慮して、凝固点(融点)を下げるために、蓄熱材4として、上述のような一価のアルコール水溶液を用いることも可能である。
ここで、図9は、上述のような一価のアルコール水溶液のそれぞれの比熱が最大となる濃度(モル分率)と凝固点(融点)を示している。なお、図9では、一価のアルコールがエタノール、IPA、TBAのそれぞれの場合を例示している。
図9に示すように、例えば、一価のアルコールがエタノールの場合、比熱が最大となる濃度は約10mol%であり、そのときの凝固点(融点)は約−11.2℃である。
また、例えば、一価のアルコールがIPAの場合、比熱が最大となる濃度は約10mol%であり、そのときの凝固点(融点)は約−19.6℃である。
また、例えば、一価のアルコールがTBAの場合、比熱が最大となる濃度は約3.5mol%であり、そのときの凝固点(融点)は約−9℃である。
ここでは、IPAが最も凝固点(融点)が低くなっているが、エタノール、TBAも−10℃前後まで低くなる。このうち、TBAは、より低濃度で、エタノールと同等の凝固点(融点)まで下がっており、例えば体積や重量を抑えたい場合などに有効であると考えられる。
なお、例えば凍結防止剤としてよく用いられるエチレングリコールは、二価のアルコールであり、エチレングリコールの水への添加量、即ち、エチレングリコール水溶液におけるエチレングリコールの添加量を増やすほど、凝固点(融点)は下がっていく。
しかしながら、図10に示すように、エチレングリコールの水への添加量を増やすほど、即ち、エチレングリコールの濃度(モル分率)を高くするほど、比熱も下がっていき、比熱が水よりも小さくなってしまう。
また、エチレングリコールの場合、水への添加量を増やすほど凝固点は下がっていくが、その下がり方は緩やかであるため、凝固点を大きく下げたいときには、添加量を多くしなければならない。
これに対し、上述のような一価のアルコール水溶液の場合は、エチレングリコールの場合と比較して、水への添加量を増やしたときの凝固点の下がり方が急であるため、添加量をそれほど多くしなくても良い。
このように、蓄熱材4に上述のような一価のアルコール水溶液を用いることで、比熱が大きく、かつ、凝固点(融点)の低い蓄熱材を実現することができるため、同じ熱電変換素子2を用いた発電装置でも、熱源7の温度変化が小さい場合にも、かつ、寒冷地にも、適用範囲を拡大することが可能となる。
また、蓄熱材4に比熱の大きい材料を用いることで、サイズ制限による発電量の低下を抑制することが可能となる。
例えば、下水道水位センシングのため、マンホールの蓋の裏面に熱電発電装置を設置する場合、マンホールの開閉作業の妨げとならないように、設置する熱電発電装置には高さ制限があり、マンホールの蓋の裏面のリムの高さ(例えば約5cm程度)以下に抑えなければならない。
蓄熱材として水を用いる場合、必要量を確保するために、蓄熱材容器に断熱層を設けることができず、その結果、発電量が約30%以上低下してしまう。
これに対し、上述のような一価のアルコール水溶液を蓄熱材4として用いることで、比熱が大きくなるため、重量を減らすことが可能となり、同時に体積も減少することになる。このため、蓄熱材容器3に断熱層8を設けることができ、適正な体積に収められたのみならず、想定通りの発電量を確保することが可能となる。
ところで、上述の実施形態のように、放熱フィン5をアルミニウムからなるものとする場合、蓄熱材4はアルカリ性であることが好ましい。つまり、上述のエネルギーハーベスタ1や伝熱装置6において、放熱フィン5は、アルミニウムからなり、蓄熱材4は、アルカリ性であることが好ましい。この場合、蓄熱材4は、アンモニアが添加されていることが好ましい。
なお、これに限られるものではなく、例えば、放熱フィン5は、銅からなるものとしても良い。また、例えば、放熱フィン5は、アルミニウムからなり、表面にアルコールによる腐食を防止する層がコーティングされているものとしても良い。これらの構成を採用する場合には、蓄熱材4はアルカリ性でなくても良い。
以下、具体的に説明する。
上述のようなエネルギーハーベスタ1では、熱電変換素子2と蓄熱材4との熱交換を担う放熱フィン5は、金属、それも熱伝導率の大きいアルミニウム又は銅からなることが多く、一般的には、コストの安いアルミニウムが使用されることが多い。
アルミニウムは、アルコール水溶液に溶解する。特に、高温で反応が促進される。
熱源7が温度変化する場合、蓄熱材4の温度は一時的に約50℃以上の高温になることもあり、アルミニウムの脆化が懸念される。反応式を以下に示す。
3COH+3e→3C+3/2H・・・(1)
Al→Al3++3e・・・(2)
3C+Al→3Al(CO)・・・(3)
この場合、第1の方法として、蓄熱材4をアルカリ性にすること、第2の方法として、放熱フィン5にアルミニウム以外の材料を用いること、第3の方法として、放熱フィン5の主原料にアルミニウムを用い、その表面をコーティングすることが考えられる。
まず、第1の方法について説明する。
上述の反応において、アルコールは酸のように働いている(プロトンが金属を酸化することで金属がイオン化する)。塩基性の水溶液中においては、水はアルコールよりも酸性度が高く、アニオン交換して水酸化物イオン(OH−)を生成するため、定量的にアルコキシド(C)を生成することはできない、つまり、(1)の反応は起こりにくい。
そこで、第1の方法として、蓄熱材4をアルカリ性にすることが考えられる。
但し、アルミニウムは酸とともに塩基にも溶解するため、放熱フィン5の材料にアルミニウムを用いる場合、PH<10程度の弱アルカリに抑えることが望ましい。
一方、添加物を加えるごとに比熱が低下する可能性がある。
アンモニアは、単体で唯一、水よりも比熱が高い物質である。このため、アンモニアを添加することによって、蓄熱材4の比熱を低下させることなくアルカリ性にすることが可能と考えられる。
この場合、上述のような一価のアルコール水溶液において、アンモニアの濃度(mol濃度)は、約0.01mol/LとするとPH≒10であるため、これ以下の濃度とするのが良いと考えられる。
なお、蓄熱材4をアルカリ性にするための添加材は、水よりも比熱が高い物質であるアンモニアに限られるものではなく、水よりも比熱が低い物質を用いることもできる。
例えば、蓄熱材4をアルカリ性にするための添加材としては、アンモニア(NH)、ピリジン(CN)、アニリン(CNH)、酢酸ナトリウム(CHCOONa)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸水素ナトリウム(NaHPO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(N(CHOH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(N(COH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化ストロンチウム(Sr(OH))、水酸化バリウム(Ba(OH))、水酸化ユウロピウム(Eu(OH))、水酸化タリウム(Tl(OH))、グアニシン(HN=V(NH)、ジアンミン銀(I)水酸化物([Ag(NH]OH)、テトラアンミン銅(II)水酸化物([Cu(NH]OH)、水酸化トリメチルスルホニウム(S(CHOH)、水酸化ジフェニルヨードニウム(I(COH)などを用いることができる。
次に、第2の方法について説明する。
第2の方法として、放熱フィン5に、アルミニウム以外の材料、例えば銅を用いることが考えられる。
銅はアルコールによる反応が起こりにくく、また、熱伝導率もアルミニウムよりも大きい。但し、銅はアルミニウムよりも高価で高密度であるため、低コスト化には限界があり、重量も増大してしまうことになる。
次に、第3の方法について説明する。
上述の第2の方法よりも低コストの方法として、放熱フィン5の材料に低コストの材料を使用して、表面をコーティングすることが考えられる。
アルミニウムの場合、アルマイト処理が一般的であるが、アルマイトはアルミニウムと同様に、条件によってアルコールに反応して溶解してしまう。
このため、コーティング剤としては、アルコールによって腐食されにくい材料、例えば、銅、チタン、ニッケル、亜鉛、錫、クロムなどを用いるのが望ましい。
したがって、本実施形態にかかる蓄熱材、伝熱装置及びエネルギーハーベスタによれば、できるだけ温度変化が小さい蓄熱材4を実現でき、伝熱装置6の性能を向上させることができ、エネルギーハーベスタ1の発電量を増大させることができるという効果を有する。
ところで、上述のように構成しているのは、以下の理由による。
例えばセンサーネットワークを構築する場合などに課題となる電源線及び信号線が不要となる、環境発電の利用が有望である。環境発電としては、太陽光発電のほかに、温度差があれば発電できる熱電変換素子を用いた発電が有力である。
熱電変換素子は、主に複数のp型熱電半導体及びn型熱電半導体から構成されており、熱エネルギーを電気エネルギーに、また、電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換する機能を持つ。その熱電変換素子の両側に温度差を与えると、ゼーベック効果によって電圧を発生する。この電圧を電気エネルギーとして取り出すようにしたものが熱電発電装置である。
このような熱電発電装置によって、熱エネルギーから電気エネルギーへの直接エネルギー変換が可能となり、廃熱利用に代表されるような熱エネルギーの有効な利用方法の一つとして注目されている。
一般的な熱電変換素子は、ほぼ同じ長さで柱状のp型熱電半導体とn型熱電半導体の両端部で対にして熱電対を作り、この熱電対を複数個平面的に並べて、p型熱電半導体とn型熱電半導体が交互に規則的になるように配置し、その熱電対を電気的に直列に接続した構造を有する。
電気的に接続するための配線を形成するのは、例えばSiやセラミック材料などからなる2枚の基板で、この基板は、p型熱電半導体/n型熱電半導体及びこれらを接続する電極の厚さ分の隙間をあけて向かい合った構造となっている。
一枚の基板を熱源(発熱源)に接するようにし、もう一方の基板から放熱するようにすることで、熱電半導体対に温度差が生じる。持続的に温度差を発生させるためには、放熱側の基板には放熱部品を付けることになる。
冷却方法として一般的なのは空冷である。空冷には自然空冷と強制空冷があるが、どちらも放熱部品としては、アルミにアルマイト処理(陽極酸化)し、表面に酸化アルミの膜を形成したヒートシンクを用いるのが一般的である。
熱源に熱電変換素子を装着し、熱源から熱電変換素子を通った熱はヒートシンクを介して大気に放熱され、熱電変換素子内に温度差を発生させることによって発電する。
エネルギーハーベスティングにおいては、強制空冷が想定される場合は限定的で、例えば、モータ廃熱を利用した発電では、モータの冷却ファンからの送風を利用することが可能であるが、ほとんどの場合は自然空冷での冷却である。
自然空冷では、ヒートシンクの冷却効果には限界があり、ヒートシンクが設けられた熱電変換素子の冷却面を外気温と同一にすることは困難である。
このため、熱電変換素子の上下面の間に生じる温度差は、外気温と熱源との温度差よりも小さくなる。したがって、エネルギーハーベスタ(熱電変換モジュール)で発生できる発電量も小さくなる。
冷却方法としては、水冷など液冷もあるが、冷媒を循環させる等、設備が必要となるため、様々な場所に、簡単に設置する必要のあるエネルギーハーベスティングにはあまり適していない。
もう1つの方法として、蓄熱材を用いる方法がある。
蓄熱材が有効であるのは、熱源の温度が定期的に変化する場合である。熱源の温度の経時変化を利用し、蓄熱材と熱電変換素子に温度差を生じさせて発電する。
熱源の温度は時間によって周期的に温度が変化するものが利用される。例えば、熱源には、断続的に稼働と休止を繰り返すモータやボイラーが用いられる。あるいは、日中と夜間の間の温度変化を利用して、外部に放置されているもの、例えば建物の鉄骨、外壁、屋上や自動車等の乗り物のエンジンや外装などが、熱源として利用される。
このような周期的な温度変化のある熱源の場合、最も多くの発電量を得るためには、熱電変換素子の冷却側の温度が熱源の平均温度で一定に保たれることである。
このために最も適切な手段としては、熱電変換素子の冷却側に熱源の平均温度を融点とする潜熱蓄熱材を設けることである。
しかしながら、屋外で使用する場合は、熱源の平均温度が四季で変化するため、年間平均温度に融点が一致する潜熱蓄熱材を選択しても、一年の大半で潜熱を利用することができない。
そこで、上述のように、蓄熱材4として、比熱の高い材料を用いた顕熱蓄熱材を利用することによって、一年を通じて大きい発電量が得られるようにしている。
また、上述のように構成する場合、発電量は、熱電変換素子2の開放電圧の二乗に比例し、開放電圧は、熱源7と蓄熱材4との温度差に比例する。
この温度差は蓄熱材4の温度が変化し難いほど大きくなるため、できるたけ蓄熱材4の温度変化を抑制することで、発電量を増大させることが可能となる。
また、顕熱を利用する蓄熱材を用いる場合、蓄熱材の温度変化は蓄熱材の熱容量で決まるが、蓄熱材が同じである場合、例えば装置や蓄熱材の体積が限定されている、あるいは、重量に制限があるなどの場合、発電量を増大させる手段がほとんどない。
そこで、従来の蓄熱材に代えて、上述のような蓄熱材4を用いることで、蓄熱材4の温度変化ができるだけ抑制されるようにして、装置や蓄熱材の体積が限定されている、あるいは、重量に制限があるなどの場合であっても、発電量を増大させることができるようにしている。
つまり、装置や蓄熱材の体積、あるいは、重量を増大させずに、発電量を増大させることができるようにしている。なお、発電量を確保しながら、装置の小型化を図ることも可能となる。
これにより、エネルギーハーベスタや熱電変換モジュールの高性能化を実現することに大きく寄与することになる。
なお、例えば空気調和装置や冷却装置の冷媒として蓄熱材を用いる場合にも、従来の冷媒(例えば水)に代えて、上述のような蓄熱材4を用いることで、冷媒として用いられる蓄熱材の温度変化ができるだけ抑制されるようにして、冷媒の温度が上がらないようにすることができる。
このように、上述のような蓄熱材4を冷媒として用いることで、冷媒にたくさんの熱を溜め込むことが可能となり、冷媒の温度が上がらないようにすることができ、これにより、装置の性能を向上させることが可能となる。
このため、上述の実施形態のような用途だけでなく、他の用途に、例えば、コンピュータに備えられるCPU(Central Processing Unit)などを液冷によって冷却するための冷却装置の冷媒として、上述のような蓄熱材4を用いることも考えられる。
そして、上述のような蓄熱材4を冷媒として用いることで、比熱が水よりも大きくなるため、冷媒の体積や重量を低減することが可能となる。
このため、特に、ノートPC(Personal Computer)、モバイル機器などの冷却を液冷で行なう場合に、体積や重量を低減することが可能であるため、有用である。
また、上述のような蓄熱材4を冷媒として用いる場合、冷媒が腐食を防止できるアルコール水溶液となるため、この点でも有用である。
[実施例]
次に、本発明を更に具体的に説明するために実施例を挙げる。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ここでは、発電量を増大させることができるという本発明の効果を評価した。
実施例1では、エネルギーハーベスタ(熱電発電装置)1を構成する熱電変換素子2にThermalforce製熱電変換素子TEG254-200-12を用い、蓄熱材4にtert-butyl alcohol水溶液でアルコール濃度を約3.5mol%としたもの(t-BtOH3.5mol%)を約0.5kg用い、放熱フィン5にアルミニウムの表面にNiめっきを形成したものを用いて樹脂容器3に入れられた蓄熱材4に部分的に浸漬した(例えば図1参照)。
また、比較例1では、蓄熱材に水(H2O)を約0.5kg用い、それ以外は実施例1と同様にした。
そして、実施例1及び比較例1の各々の蓄熱材による熱電発電装置を、マンホール蓋の裏面に設置し、2017/4/18から4/23までの開放電圧(出力電圧)及び発電量を測定したところ、図11(A)〜図11(C)に示すような結果が得られた。
なお、DCDCコンバータはテキサスインスツルメンツ製BQ25505を用いた。
図11(A)〜図11(C)に示すように、蓄熱材4にtert-butyl alcohol水溶液を用いた実施例1の場合、蓄熱材に水を用いた比較例1の場合と比べて、最大約30%発電量が増加することが確認できた。
[実施例2]
ここでは、蓄熱材4をアルカリ性とした場合の発電量に対する影響を評価した。
実施例2では、蓄熱材4として、isopropyl alcohol水溶液でアルコール濃度を約10mol%とし、何も添加しない中性のままものと、水よりも比熱が高い物質であるアンモニアを添加してアルカリ性に調整したものとを用意し、これらを約0.5Lずつ、断熱材8で被覆した容器3に入れた(例えば図1参照)。
ここでは、アンモニアを添加してアルカリ性に調整したものとして、isopropyl alcohol水溶液でアルコール濃度を約10mol%としたものに、約0.01mol/L以下のアンモニアを添加してPH<10の弱アルカリ性に調整したものを用意した。
放熱フィン5としてはアルミニウムからなるものを用い、容器3に入れられたそれぞれの蓄熱材4に部分的に浸漬した(例えば図1参照)。
熱源7(例えば図1参照)の温度変化は、約10℃で約1h→約40℃で約2h→約10℃で約1hのように設定した。昇温には約10分、降温には約30分要した。
熱電変換素子2(例えば図1参照)はThermalforce製熱電変換素子TEG254-200-12を用いた。
例えば図1に示すような熱電発電装置1において、熱源7から熱電変換素子2、放熱フィン5を介して蓄熱材4に伝導した熱による、蓄熱材4の温度と、熱電変換素子2の開放電圧から、蓄熱材4の蓄熱量を類推した。
この結果、アンモニア添加の有無によらず、蓄熱材4の温度は最大約26.4℃、開放電圧の最大値は約1.9Vであった。
このことから、蓄熱材4がアルカリ性であることによって蓄熱量に変化はないことが確認できた。
[実施例3]
ここでは、蓄熱材4に水よりも比熱が低い物質を添加してアルカリ性とした場合の発電量に対する影響を評価した。
実施例3では、蓄熱材4として、isopropyl alcohol水溶液でアルコール濃度を約10mol%とし、何も添加しない中性のままものと、水よりも比熱が低い物質である炭酸水素ナトリウムを添加してアルカリ性に調整したものとを用意し、これらを約0.5Lずつ、断熱材8で被覆した容器3に入れた(例えば図1参照)。
ここでは、炭酸水素ナトリウムを添加してアルカリ性に調整したものとして、isopropyl alcohol水溶液でアルコール濃度を約10mol%としたものに、炭酸水素ナトリウム水溶液で炭酸水素ナトリウムの濃度を約0.1mol%としたものを約0.2L加えて、PH=8.5の弱アルカリ性に調整したものを用意した。
放熱フィン5としてはアルミニウムからなるものを用い(ここではアルミ製のピンタイプのフィン)、容器3に入れられたそれぞれの蓄熱材4に部分的に浸漬した(例えば図1参照)。
熱源7(例えば図1参照)の温度変化は、約10℃で約1h→約40℃で約2h→約10℃で約1hのように設定した。昇温には約10分、降温には約30分要した。
熱電変換素子2(例えば図1参照)はKELK社製熱電変換素子KTGS066A00を用いた。
例えば図1に示すような熱電発電装置1において、熱源7から熱電変換素子2、放熱フィン5を介して蓄熱材4に伝導した熱による、蓄熱材4の温度と、熱電変換素子2の開放電圧から、蓄熱材4の蓄熱量を類推した。
この結果、水よりも比熱が低い物質である炭酸水素ナトリウムの添加の有無によらず、蓄熱材4の温度は最大約26.4℃、開放電圧の最大値は約1.9Vであった。
このことから、蓄熱材4に水よりも比熱が低い物質を添加してアルカリ性とした場合であっても蓄熱量に変化はないことが確認できた。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムについて、図12〜図18を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるセンサモジュールは、一体型モジュールであって、図12に示すように、この一体型モジュール160は、発電モジュール161と、蓄電モジュール162と、センサ163と、コントローラ164と、メモリ165と、通信回路166と、アンテナ167を備える。
発電モジュール161には、例えば、上述の第1実施形態の熱電変換モジュール(エネルギーハーベスタ)1が適用される。
このため、本センサモジュール160は、少なくとも、センサ163と、センサ163に電気的に接続された、上述の第1実施形態の熱電変換モジュール(エネルギーハーベスタ)7とを備える。
つまり、本センサモジュール160は、センサ163と、センサ163に電気的に接続された熱電変換素子2と、容器3と、容器3内に設けられた蓄熱材4と、熱電変換素子2の一方の側に熱的に接続され、かつ、蓄熱材4に熱的に接続された放熱フィン5とを備え、蓄熱材4は、少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、水よりも比熱が大きい混合液からなる。
蓄電モジュール162は、発電モジュール161に接続され、発電モジュール161で発生した電力を蓄える。蓄電モジュール162としては、電力を蓄える機能を持つものであれば良い。この蓄電モジュール162としては、例えば、全固体二次電池が省スペースで且つ安全性が高い点から好ましい。
発電モジュール161及び蓄電モジュール162は、電力供給部168を構成する。この電力供給部168を構成する発電モジュール161及び蓄電モジュール162の少なくとも一方からは、センサ163、コントローラ164、及び、通信回路166に電力が供給される。発電モジュール161によって安定した電力を供給できる場合には、蓄電モジュール162が省かれても良い。
センサ163には、例えば、温度、湿度、圧力、光、音、電磁波、加速度、振動、ガス、微粒子等を検出するセンサが適用可能である。さらに、センサ163には、例えば、赤外線を対象物に出射すると共に対象物から反射した光を受けることで対象物との距離を測定する測距センサ、対象物の重量を測定する重量センサ、及び、水位等のデータを検出する水位センサ等が適用可能である。
コントローラ164は、例えば、センサ163が検出した各種データを、通信回路166及びアンテナ167を介してサーバ175(図13参照)へ送信する。コントローラ164は、例えば、センサ163が検出した各種データと他のデータとに基づいた二次データをサーバ175(図13参照)へ送信しても良い。また、コントローラ164は、例えば、センサ163が検出した各種データを用いて所定の演算を行って二次データを算出し、この二次データをサーバ175(図13参照)へ送信しても良い。
メモリ165は、センサ163が検出した各種データや、算出された二次データをコントローラ164の命令により記憶する。記憶された情報は、コントローラ164の命令により読み出される。
通信回路166及びアンテナ167は、通信部169を構成する。通信部169は、コントローラ164とサーバ175(図13参照)との間でデータの送受信を行う。なお、図12に示される例では、アンテナ167を用いた無線通信が採用されるが、無線通信の代わりに、有線通信が採用されても良い。
上述の一体型モジュール160は、例えば、図13に示されるように、本実施形態にかかる情報処理システム170に適用される。
この情報処理システム170は、複数の一体型モジュール160と、サーバ175とを備える。つまり、本情報処理システム170は、上述の一体型モジュール(センサモジュール)160と、この一体型モジュール160によって得られたデータを処理するサーバ(コンピュータ)175とを備える。ここでは、情報処理システム170は、マンホール176から得られる情報を処理するシステムである。このため、複数の一体型モジュール160は、マンホール176に設置される。この複数のマンホール176に設置された複数の一体型モジュール160は、ネットワーク177を介してサーバ175と接続される。
なお、例えば、サーバ175を備えた車両を走行させ、この車両が各マンホール176に設置された一体型モジュール160に近接するたびに一体型モジュール160からサーバ175に近距離無線通信でデータが送信されるようになっていても良い。また、一体型モジュール160は、マンホール176の構造体であれば、どこに設置されても良い。
この一体型モジュール160は、センサ163の検出対象又はセンサ163の種類に応じて、マンホール176の構造体である蓋178やコンクリート管179などに固定される。一体型モジュール160に備えられた熱電変換素子は、マンホール176の構造体と熱的に接続され、マンホール176の構造体と外気又はマンホール176内部の温度との温度差により発電する。
以下、本実施形態にかかる情報処理システム170の具体的な適用例について説明する。
[第1適用例]
第1適用例では、図14に示すように、情報処理システム170は、マンホール176の構造体(蓋178やコンクリート管179)の劣化を把握するために利用される。
センサ163は、マンホール176内の温度、湿度、及び、マンホール176の構造体に作用する振動(加速度)等を検出し、センサ163で検出されたデータは、メモリ165に蓄積される。
道路上を走る測定用の車両180がマンホール176上を通過する際に、コントローラ164は、通信回路166及びアンテナ167を介してメモリ165に蓄積されたデータを送信する。測定用の車両180に設けられたサーバ175は、データを回収する。
サーバ175は、GPS(Global Positioning System)による車両180の位置情報と回収されたデータとを組み合わせて、車内モニタに映し出された地図上に、回収されたデータを表示させる。温度、湿度、振動等が表示された情報から各マンホール176におけるコンクリート管179の劣化の度合いを推定することが可能となる。
また、測定用の車両180の下部に、受信装置181に加え、マンホール176の蓋178の画像を取得するカメラ182を取り付け、マンホール176の蓋178(鉄部)の劣化を画像認識で判断することができるようにしても良い。この結果を元に、マンホール176の蓋178の交換時期を自治体に情報として販売するようにしても良い。ここで、データを回収する車両としては、特別な測定用の車両でなくとも、例えば自治体が運用するごみ収集車でも良い。ごみ収集車の底部に受信装置181やカメラ182を設置することで、回収費用をかけずに定期的にデータを回収することができる。
また、センサ163は、マンホール176内に発生したガスの濃度を検出するものであっても良い。マンホール176内に発生するガスとしては、例えば、硫化水素ガスがある。下水道183で発生する硫化水素ガスは、マンホール176の構造体を急激に劣化させることが知られている。硫化水素ガスの発生は、近隣住民の苦情要因でもある。センサ163として硫化水素ガスセンサを用いることで、マンホール176の構造体の劣化予測精度向上とともに、住民の苦情に迅速に対応できるようになる。
なお、第1適用例では、センサ163は、マンホール176内の温度、湿度、振動、及び、マンホール176内に発生したガスの濃度のうち少なくとも一つを検出できるものであれば良い。
また、マンホール176内では湿度が常に高く、下水道183(又は上水道)の水がマンホール176内にあふれる可能性もある。また、マンホール176内部はほぼ一定温度だが、例えば蓋178では夏は高温、冬は低温になるうえ、さまざまな金属を溶かす硫化水素ガスなどが発生することが知られている。このような過酷な環境にあって、センサ163などの電子部品及び熱電変換素子を守り、かつ長期的な信頼性を保つことは重要である。この場合、一体型モジュール160を、センサ163などの電子部品及び熱電変換素子が樹脂で封止されたものとして構成することで、長期的な信頼性を保つことが可能となる。
[第2適用例]
第2適用例では、図15に示すように、情報処理システム170は、マンホール176と接続される下水道183の流量を予測するために利用される。
センサ163には、例えば、水位計や流量計が用いられる。マンホール176に水位計や流量計であるセンサ163が設置されることで、きめ細かい下水道183の水位や流量の把握が可能となる。なお、図15において、センサ163は一体型モジュール160に組み込まれているが、例えば、センサ163の代わりに、外部のセンサの動作を制御するセンサ制御部を設けても良い。この場合、センサ制御部は、下水道の183に配置された水位計や流量計などの図示していないセンサを制御し、そのセンサが検出した情報を取得するようにすれば良い。また、そのセンサが検出した情報は無線でセンサ制御部に送信されるようにしても良い。
具体的には、下水道183の水位や流量は、1日に1回、あるいは1時間に1回、センサ163によって検出され、センサ163によって検出されたデータは、高速通信回線を通じてデータセンタ184のサーバ175に集められる。センサ163によって検出された下水道183の水位や流量のデータは、計測と同時に送信されるようにしても良いし、消費電力を低減するために、1日、あるいは1週間分を蓄積してから送信されるようにしても良い。なお、第1適用例と同様に、測定用の車両がデータを回収するようにしても良い。
通常、雨水は、下水道183に流れ込むため、下水道183の水位や流量の予測は、降雨データと強く連動する。このため、センサ163によって集められた下水道183の水位や流量のデータと、気象庁の降雨データとを組み合わせて解析することで、例えば、下水道183の水が流れ込む河川の氾濫予測、注意報・警報情報を提供することが可能となる。
下水道183の水位や流量のデータと、気象庁の降雨データとの解析結果から気象現象と下水道183の水位や流量との関係を確立することも可能となる。そして、気象庁の降雨データから各地における下水道183の水位や流量を予測して、この予測データを提供及び配信することに対して課金するようにしても良い。なお、住宅建築や居住状況、土地開発状況に応じて下水道183の水位や流量は年々変わるので、継続的なデータの更新が可能な本情報処理システム170は有用である。
また、第2適用例において、情報処理システム170は、局所的な集中豪雨などが発生した場合における下水道183の水位や流量の計測にも利用可能である。都市の局所的な集中豪雨の際には、下水道183の作業者の安全確保や下水道183の氾濫を防ぐため、分単位で下水道183の水位や流量の測定及び情報発信が必要になる。この場合には、相対的に標高の低い少数のマンホール176に設置された一体型モジュール160に限定してデータを収集するようにすれば良い。
水位を測定する一体型モジュール160の蓄電モジュール162には、前もって十分な蓄電を行っておくことが好ましい。コントローラ164は、通信回路166及び高速通信回線を通じて逐次データをサーバ175へ送信する。サーバ175は、受信したデータを作業者や氾濫近傍の居住者のスマートフォンやタブレットに警報を発させることができる。あるいは、特定のマンホール176上に測定用の車両が駐車して、近距離無線通信によって車両に設けたサーバにデータが回収されるようにしても良い。
[第3適用例]
第3適用例では、図16に示すように、情報処理システム170は、マンホール176のセキュリティ及び作業履歴に利用される。
センサ163は、マンホール176の蓋178の開閉を検出する。このセンサ163には、例えば、加速度センサや開閉スイッチが用いられる。このセンサ163は、マンホール176の蓋178の開閉を検出するために、マンホール176の蓋178に生ずる加速度、及び、マンホール176の蓋178の開閉状態のうち少なくとも一つを検出すれば良い。マンホール176の蓋178の開閉に応じてセンサ163から出力されたデータ(信号)は、データセンタ184のサーバ175にて受信される。
この情報処理システム170によれば、下水道183等のセキュリティ対策(例えば、対爆弾テロなど)や、下水道183の清掃作業における作業履歴の確認を行うことができる。
[第4適用例]
第4適用例では、図17に示すように、情報処理システム170は、道路交通情報の取得に利用される。
センサ163は、マンホール176上を通過する車両185,186,187を検出する。このセンサ163には、例えば、加速度センサ、磁気センサ、マイクロフォン等が用いられる。センサ163からは、マンホール176上を通過する車両の数に応じた信号が得られる。センサ163から出力されたデータ(信号)は、サーバ175にて受信される。
この情報処理システム170によれば、現在の道路交通情報通信システムでは計測していないような細い道路や路地などでも渋滞情報を得ることができる。これにより、きめ細かい渋滞情報の提供が可能になる。
また、センサ163の検出値の強弱から、マンホール176上を通過する車両185,186,187の種類(例えば、小型車、普通車、トラック等)を検出するようにしても良い。この場合、センサ163の検出値と車両の種類とを関連付けたデータセットを予めメモリ165に記憶しておけば良い。そして、コントローラ164が、センサ163の検出値と上記データセットとから車の種類を判定し、この車の種類の情報をサーバ175へ送信するようにすれば良い。これにより、マンホール176上を通過する車両の種類を把握することが可能となる。
さらに、センサ163によって、マンホール176上を通過する車両185,186,187の個体識別情報が検出されても良い。例えば、センサ163として磁気センサが用いられた場合には、磁気センサの反応によって、車両の特徴が得られる可能性がある。つまり、例えば、車ごとに特徴的な磁気を発する媒体を車両に搭載することにより、個々の車両を識別できる。車種による都市の車の流れの違いを解析することで、特定の車両を特定の道路に誘導する計画立案など、都市道路のコントロールや都市評価につながる。
なお、第4適用例では、センサ163は、マンホール176上を通過する車両の数、種類、個体識別情報のうち少なくとも一つを検出できるものであれば良い。
[第5適用例]
第5適用例では、図18に示すように、情報処理システム170は、降雨量の測定に利用される。
センサ163には、例えば、気象予測用のXバンドレーダが用いられる。Xバンドレーダの電波は、例えば豪雨時に豪雨エリアの先に届かず、また、山など大きな物体を超えられない。また、現状のレーダでは、突然発生したり急発達したりする豪雨エリアの発見及び追跡が困難なことが多い。高精度予測には高時間空間分解能が必要とされる。
通常、Xバンドレーダの分解能は250mであるが、平均間隔が30mあまりのマンホール176にセンサ163が設置されることで、はるかにきめ細かい気象観測が可能になり、局所的な集中豪雨などの計測及び予測に役立つと考えられる。センサ163から出力されたデータ(信号)は、サーバ175にて受信される。
なお、上述の第1〜第5適用例では、専用のサーバ175が用いられていたが、汎用のコンピュータがサーバ175として利用されても良い。また、サーバ175として機能する汎用のコンピュータにコントローラ164やサーバ175が行った動作を実行させるプログラムがインストールされ実行されても良い。また、この場合に、プログラムは、記録媒体で供給されても良いし、ネットワークからダウンロードされても良い。
[その他]
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、適宜組み合わせることも可能である。
以下、上述の実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、前記水よりも比熱が大きい混合液からなることを特徴とする蓄熱材。
(付記2)
前記一価のアルコールは、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではないアルコールであることを特徴とする、付記1に記載の蓄熱材。
(付記3)
前記少なくとも一種類の一価のアルコールとして、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、tert-アミルアルコールの少なくとも一種類を含むことを特徴とする、付記1又は2に記載の蓄熱材。
(付記4)
前記少なくとも一種類の一価のアルコールとして、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではない第1アルコールと、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではないアルコールであって、前記第1アルコールよりもnが大きい第2アルコールとを含むことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱材。
(付記5)
容器と、
前記容器内に設けられた蓄熱材と、
前記蓄熱材に熱的に接続された放熱フィンとを備え、
前記蓄熱材は、
少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、前記水よりも比熱が大きい混合液からなることを特徴とする伝熱装置。
(付記6)
前記放熱フィンは、アルミニウムからなり、
前記蓄熱材は、アルカリ性であることを特徴とする、付記5に記載の伝熱装置。
(付記7)
前記蓄熱材は、アンモニアが添加されていることを特徴とする、付記6に記載の伝熱装置。
(付記8)
前記放熱フィンは、銅からなることを特徴とする、付記5に記載の伝熱装置。
(付記9)
前記放熱フィンは、アルミニウムからなり、表面にアルコールによる腐食を防止する層がコーティングされていることを特徴とする、付記5に記載の伝熱装置。
(付記10)
熱電変換素子と、
容器と、
前記容器内に設けられた蓄熱材と、
前記熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、かつ、前記蓄熱材に熱的に接続された放熱フィンとを備え、
前記蓄熱材は、
少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、前記水よりも比熱が大きい混合液からなることを特徴とするエネルギーハーベスタ。
(付記11)
前記放熱フィンは、アルミニウムからなり、
前記蓄熱材は、アルカリ性であることを特徴とする、付記10に記載のエネルギーハーベスタ。
(付記12)
前記蓄熱材は、アンモニアが添加されていることを特徴とする、付記11に記載のエネルギーハーベスタ。
(付記13)
前記放熱フィンは、銅からなることを特徴とする、付記10に記載のエネルギーハーベスタ。
(付記14)
前記放熱フィンは、アルミニウムからなり、表面にアルコールによる腐食を防止する層がコーティングされていることを特徴とする、付記10に記載のエネルギーハーベスタ。
(付記15)
センサと、
前記センサに電気的に接続された熱電変換素子と、
容器と、
前記容器内に設けられた蓄熱材と、
前記熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、かつ、前記蓄熱材に熱的に接続された放熱フィンとを備え、
前記蓄熱材は、
少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、前記水よりも比熱が大きい混合液からなることを特徴とするセンサモジュール。
(付記16)
センサモジュールと、
前記センサモジュールによって得られたデータを処理するコンピュータとを備え、
前記センサモジュールは、
センサと、
前記センサに電気的に接続された熱電変換素子と、
容器と、
前記容器内に設けられた蓄熱材と、
前記熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、かつ、前記蓄熱材に熱的に接続された放熱フィンとを備え、
前記蓄熱材は、
少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、前記水よりも比熱が大きい混合液からなることを特徴とする情報処理システム。
1 エネルギーハーベスタ(熱電変換モジュール;熱電発電装置)
2 熱電変換素子
3 容器
4 蓄熱材
5 放熱フィン
6 伝熱装置
7 熱源
8 断熱材
9 ベース部(底板)
10 伝熱部材
160 一体型モジュール
161 発電モジュール
162 蓄電モジュール
163 センサ
164 コントローラ
165 メモリ
166 通信回路(通信部)
167 アンテナ
168 電力供給部
169 通信部
170 情報処理システム
175 サーバ(コンピュータ)
176 マンホール
177 ネットワーク
178 蓋
179 コンクリート管
180 車両
181 受信装置
182 カメラ
183 下水道
184 データセンタ
185,186,187 車両

Claims (10)

  1. 少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、前記水よりも比熱が大きい混合液からなることを特徴とする蓄熱材。
  2. 前記一価のアルコールは、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではないアルコールであることを特徴とする、請求項1に記載の蓄熱材。
  3. 前記少なくとも一種類の一価のアルコールとして、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、tert-アミルアルコールの少なくとも一種類を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の蓄熱材。
  4. 前記少なくとも一種類の一価のアルコールとして、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではない第1アルコールと、C2n+1OHで表され、nが5以下で、かつ、nが3以上の場合は直鎖ではないアルコールであって、前記第1アルコールよりもnが大きい第2アルコールとを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱材。
  5. 容器と、
    前記容器内に設けられた蓄熱材と、
    前記蓄熱材に熱的に接続された放熱フィンとを備え、
    前記蓄熱材は、
    少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、前記水よりも比熱が大きい混合液からなることを特徴とする伝熱装置。
  6. 前記放熱フィンは、アルミニウムからなり、
    前記蓄熱材は、アルカリ性であることを特徴とする、請求項5に記載の伝熱装置。
  7. 前記蓄熱材は、アンモニアが添加されていることを特徴とする、請求項6に記載の伝熱装置。
  8. 前記放熱フィンは、銅からなることを特徴とする、請求項5に記載の伝熱装置。
  9. 前記放熱フィンは、アルミニウムからなり、表面にアルコールによる腐食を防止する層がコーティングされていることを特徴とする、請求項5に記載の伝熱装置。
  10. 熱電変換素子と、
    容器と、
    前記容器内に設けられた蓄熱材と、
    前記熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、かつ、前記蓄熱材に熱的に接続された放熱フィンとを備え、
    前記蓄熱材は、
    少なくとも一種類の一価のアルコールと水とを含み、前記水よりも比熱が大きい混合液からなることを特徴とするエネルギーハーベスタ。
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