JP6358384B2 - 熱電変換モジュール、センサモジュール及び情報処理システム - Google Patents

熱電変換モジュール、センサモジュール及び情報処理システム Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換モジュール、センサモジュール及び情報処理システムに関する。
例えばセンサーネットワークを構築する場合などに課題となる電源線及び信号線が不要となる、環境発電の利用が有望である。環境発電としては、太陽光発電のほかに、温度差があれば発電できる熱電変換素子を用いた発電が有力である。
例えば、熱源の温度の経時変化を利用して熱電変換素子に温度差を生じさせるものがある。この場合、熱電変換素子の一方の面に熱源を接触させ、他方の面には蓄熱材を接触させる。そして、熱源の温度が経時的に変化することによって、蓄熱材との間に温度差が発生し、この温度差に応じて熱電変換素子が発電する。
しかしながら、蓄熱材は極めて熱伝導率が低いため、熱電変換素子に蓄熱材を接触させただけでは、熱電変換素子に隣接する部分の蓄熱材だけが融解・凝固を繰り返すことになり、熱電変換素子から距離が離れた部分の蓄熱材まで熱が伝わらず、蓄熱材全体としての性能を引き出すことが困難である。
そこで、熱電変換素子に接触させたフィンを、蓄熱材内に挿入することで、蓄熱材への熱伝導の効率化を図ったものがある。
特開2005−269738号公報 特開2013−175620号公報
しかしながら、フィンを用いて蓄熱材への伝熱を行なう場合、フィンの先端側までは熱が伝わりにくいため、蓄熱材の融解は、フィンの熱電変換素子に近い側(熱源に近い側)の周囲でフィンの熱電変換素子から遠い側(先端側)の周囲よりも早くはじまる。そして、蓄熱材の融解が蓄熱材の全体に及ぶ前に、フィンの熱電変換素子に近い側の周囲で顕熱による温度上昇がはじまってしまう。
つまり、蓄熱材の全体が融解し終わるまで、潜熱利用によって蓄熱材の温度が融点に維持され、この融点と熱源との温度差を利用して熱電変換素子によって大きな電力を得られるはずである。しかしながら、フィンの熱電変換素子に近い側の周囲から温度上昇がはじまってしまい、熱電変換素子に生じさせることができる温度差が小さくなってしまうため、期待される発電量よりもかなり目減りした発電量しか得られない。
そこで、フィンの熱電変換素子から遠い側の蓄熱材にも伝熱されるようにして、熱電変換素子に生じさせることができる温度差を大きくし、発電量を増大させたい。
本熱電変換モジュールは、熱電変換素子と、第1容器と、熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、第1容器よりも熱伝導率が高く、第1容器内で熱電変換素子から離れる方向へ伸びているフィンと、熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、フィンよりも熱伝導率が高く、第1容器内でフィンの熱電変換素子から遠い側まで伸びている第1放熱部材と、第1容器内に設けられ、フィン及び第1放熱部材と熱的に接続された第1蓄熱材とを備える。
本センサモジュールは、センサと、センサに電気的に接続された、上述の熱電変換モジュールとを備える。
本情報処理システムは、上述のセンサモジュールと、センサモジュールによって得られたデータを処理するコンピュータとを備える。
したがって、本熱電変換モジュール、センサモジュール及び情報処理システムによれば、フィンの熱電変換素子から遠い側の蓄熱材にも伝熱されるようにして、熱電変換素子に生じさせることができる温度差を大きくし、発電量を増大させることができるという利点がある。
第1実施形態にかかる熱電変換モジュールの構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかる熱電変換モジュールの構成を示す模式的断面図である。 (A)は、5月22日から5月30日に測定したマンホールの蓋の温度変化を示す図であり、(B)は、2月3日から3月3日に測定したマンホールの蓋の温度変化を示す図である。 (A)〜(C)は、本発明の課題を説明するための模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態にかかる熱電変換モジュールによる作用・効果を説明するための模式的断面図である。 第1実施形態にかかる熱電変換モジュールの変形例の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかる熱電変換モジュールの変形例の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかる熱電変換モジュールの変形例の構成を示す模式的断面図である。 (A)〜(D)は、実施例1の熱電変換モジュールによる効果を説明するための図であって、(A)は実施例1の熱電変換モジュールの構成を示す模式的断面図であり、(B)は実施例1の熱電変換モジュールを用いた場合のヒータの温度変化、蓄熱材の温度変化及び出力電圧(開放電圧)の変化を示す図であり、(C)は比較例の熱電変換モジュールの構成を示す模式的断面図であり、(D)は比較例の熱電変換モジュールを用いた場合のヒータの温度変化、蓄熱材の温度変化及び出力電圧(開放電圧)の変化を示す図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュールの構成を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュールを用いた情報処理システムの構成を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第1適用例を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第2適用例を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第3適用例を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第4適用例を示す模式図である。 第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムの第5適用例を示す模式図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる熱電変換モジュール、センサモジュール及び情報処理システムについて説明する。
[第1実施形態]
まず、本実施形態にかかる熱電変換モジュールについて、図1〜図9を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる熱電変換モジュールは、環境発電の中の温度差があれば発電できる熱電変換素子を用いた発電に用いられるものである。
本実施形態の熱電変換モジュールは、蓄熱材を用いて熱電変換素子の両側に温度差を生じさせるものであって、図1に示すように、熱電変換素子1と、容器(第1容器)2と、フィン3と、放熱部材(第1放熱部材)4と、蓄熱材(第1蓄熱材)5とを備える。
なお、熱電変換素子1を、熱電変換デバイス、熱電素子又は熱電デバイスともいう。また、熱電変換モジュール6を熱電モジュール、熱電発電モジュール又は電源モジュールともいう。また、フィン3を放熱フィン又は放熱器(第1放熱器)ともいう。また、放熱部材4を放熱器(第2放熱器)ともいう。また、容器2を蓄熱材容器ともいう。
ここで、熱電変換素子1は、例えば、配線を形成した2枚の基板間にp型熱電材料とn型熱電材料を交互に並べて接続した構造になっている。そして、熱電変換素子1は、一方の側が放熱側となり、一方の側の反対側が熱源側となるように設けられる。つまり、熱電変換素子1の一方の側には、放熱器(後述のフィン3及び放熱部材4)が熱的に接続され、一方の側の反対側には、熱源8が熱的に接続される。
容器2は、例えば樹脂などの断熱材からなる断熱容器(例えば樹脂製容器)である。これにより、容器2内に入れられた蓄熱材5と外部とが断熱されることになる。
フィン3は、熱電変換素子1の一方の側に熱的に接続されており、容器2よりも熱伝導率が高く、容器2内で熱電変換素子1から離れる方向へ伸びている。ここでは、フィン3は、ベース部3Aにその表面から突出するように設けられており、フィン3及びベース部3Aの全体が容器2内に設けられている。そして、ベース部3Aは蓄熱材5に接しないようにしている。ここで、フィン3及びベース部3Aは、例えば金属等の高熱伝導率の材料からなる。本実施形態では、フィン3及びベース部3Aをアルミ製としている。なお、フィン3はピンも含むものとする。また、フィン3及びベース部3Aをまとめてヒートシンク3Xともいう。
放熱部材4は、熱電変換素子1の一方の側に熱的に接続されており、フィン3よりも熱伝導率が高く、容器2内でフィン3の熱電変換素子1から遠い側(先端側)まで伸びている。ここでは、放熱部材4は、フィン3の周辺を囲うように設けられている。本実施形態では、放熱部材4は、全体が容器2内に設けられており、フィン3及びベース部3Aの全体を覆うように設けられている。また、放熱部材4は、熱電変換素子1の一方の側の表面に接しており、フィン3の熱電変換素子1から遠い側の蓄熱材5まで伸びている。
本実施形態では、アルミ製のフィン3を用いているため、これよりも熱伝導率が高い放熱部材4にはグラファイトシートを用いている。ここで、アルミの熱伝導率は約238W/m*K(一般的にはアルミ合金を用いるため、これ以下の熱伝導率となる)であるのに対し、グラファイトシートの熱伝導率は約500〜約1500W/m*Kであり、熱伝導率は2倍以上である。
なお、本実施形態では、フィン3をアルミ製とし、放熱部材4をグラファイトシートとしているが、これに限られるものではない。例えば、フィン3をアルミ製とし、放熱部材4を銀シート(銀箔)又は銅シート(銅箔)としても良い。ここで、銀の熱伝導率は約420W/m*K、銅の熱伝導率約398W/m*Kである。また、例えば、フィン3を銅製とし、放熱部材4を銀シート(銀箔)又はグラファイトシートとしても良い。また、例えば、フィン3を鉄製とし、放熱部材4をグラファイトシート、アルミシート(アルミ箔)、銀シート(銀箔)又は銅シート(銅箔)としても良い。ここで、鉄の熱伝導率は約84W/m*Kである。このように、フィン3の材料には、アルミ、銅、鉄などを用いることができ、放熱部材4の材料には、グラファイト、銀、銅、アルミなどを用いることができる。
蓄熱材5は、容器2内に設けられ、フィン3及び放熱部材4と熱的に接続されている。ここでは、容器2内に入れられた蓄熱材5の中にフィン3及び放熱部材4が部分的に浸漬されている。
ここで、蓄熱材5は、潜熱蓄熱材であって、例えば、無機水和塩、無機塩、金属、水(化学式HO:融点0℃、融解潜熱336kJ/kg)、有機物化合物などを用いることができる。
例えば、無機水和塩としては、塩化カルシウム水和物(化学式CaCl・6HO:融点28.7℃、融解潜熱192kJ/kg)、硫酸ナトリウム水和物(化学式NaSO・10HO:融点32.4℃、融解潜熱251kJ/kg)、チオ硫酸ナトリウム水和物(化学式Na・5HO:融点48℃、融解潜熱197kJ/kg)、酢酸ナトリウム水和物(化学式CHCOOH・3HO:融点58℃、融解潜熱264kJ/kg)などがある。また、例えば、無機塩としては、塩化ナトリウム(化学式NaCl:融点800℃、融解潜熱483kJ/kg)などがある。また、例えば、金属としては、アルミニウム(化学式Al:融点661℃、融解潜熱397kJ/kg)などがある。また、例えば、有機物化合物としては、パラフィン(化学式C2n+2:融点−30℃〜45℃、融解潜熱150〜250kJ/kg)、エリスリトール(化学式C10:融点118℃、融解潜熱314kJ/kg)などがある。
本実施形態では、さらに、容器2に設けられ、容器2よりも熱伝導率が高い伝熱部材7を備える。この伝熱部材7は、例えば金属等の高熱伝導率の材料からなる。そして、熱電変換素子1は、容器2内に設けられており、一方の側の反対側、即ち、フィン3及び放熱部材4が熱的に接続されている側の反対側が伝熱部材7に熱的に接続されている。なお、伝熱部材7を伝熱部品ともいう。
ここでは、容器2の開口部に伝熱部材7が設けられており、伝熱部材7は外部の熱源8に熱的に接続されており、容器外の熱源8からの熱が、伝熱部材7を介して熱電変換素子1に伝わり、熱電変換素子1を介してフィン3及び放熱部材4に伝わって、フィン3及び放熱部材4から蓄熱材5へ放熱されるようになっている。
より具体的には、本実施形態では、図2に示すように、開口部10Aを有し、電子部品9が搭載されている基板10を備える。そして、熱電変換素子1は、基板10の開口部10Aに設けられ、基板10に電気的に接続されている。また、基板10は、外部接続端子11に接続されている。なお、基板10を回路基板ともいう。
特に、本実施形態では、上述のように、熱電変換素子1から蓄熱材5に熱を伝える放熱器として、フィン3に加え、フィン3よりも熱伝導率が高い放熱部材4が設けられている。つまり、熱電変換素子1から蓄熱材5へ放熱するのに用いる放熱器として、熱伝導率が異なる2種類の放熱器3、4を用いるようにしている。
また、熱伝導率が高い放熱器である放熱部材4の少なくとも一部が、これよりも熱伝導率が低い放熱器であるフィン3の周辺(周囲)に位置するように設けられている。
そして、熱伝導率が高い放熱器である放熱部材4は、これよりも熱伝導率が低い放熱器であるフィン3よりも、熱源8からより離れた場所に位置する蓄熱材5に熱を伝えられるように配置されている。
ここでは、熱電変換素子1の一方の側の表面に、グラファイトシート4、アルミ製ヒートシンク3Xの順に、例えば放熱グリースなどを介して接続し、グラファイトシート4とアルミ製フィン3の少なくとも一部を蓄熱材5に浸漬させている。そして、グラファイトシート4は、アルミ製フィン3の先端よりもさらに熱電変換素子1から離れた場所に位置する蓄熱材5に届くように設置されている。
これにより、熱源8からの熱が分散して蓄熱材5に伝えられることになる。この結果、フィン3だけが設けられているものと比較して、高効率な発電を行なうことができ、発電量(発電電力量)を増大させることが可能となる。つまり、熱伝導率の異なる2種類の放熱器3、4を用いることによって、1種類の放熱器3を用いる場合と比較して、蓄熱材5に伝えられる熱量は同じであっても、より効率良く分散され、より均一に蓄熱材5が融解することになる。つまり、蓄熱材5の潜熱利用効率が上がる。これにより、顕熱化、即ち、顕熱によって蓄熱材の温度が融点以上の温度に上昇してしまうのが遅くなり、温度差が確保され、熱電変換素子1からより多くの発電量が得られることになる。
このため、例えばマンホールのように、昼夜で構造物の一方の面と他方の面とで温度差が逆転するような環境下で、熱電変換素子1を用いて、昼夜問わず発電することが可能となる。
例えば、マンホールの蓋の温度は、季節ごとに変化するが、1週間〜1ヶ月単位でみると、ほぼ同じような振幅の周期変動をする。晴れの日においては最大値と最小値の差は夏場で25〜30℃、冬場で15〜20℃とかなり大きい。ここで、図3(A)は、5月22日から5月30日に測定したマンホールの蓋の温度変化を示しており、図3(B)は、2月3日から3月3日に測定したマンホールの蓋の温度変化を示している。
このような周期的な温度変化を繰り返すマンホールの蓋が熱源である場合、冷却側(放熱側)に蓄熱材を用いることは最適な選択である。この場合、マンホールの蓋の周期的な温度変化の最大値と最小値の中心となる温度に融点をもつ蓄熱材を使用することで、一日周期で融解・凝固を繰り返し、蓄熱材の潜熱量を最大限利用することができる。
マンホールの蓋の温度を利用した熱電発電では、マンホールの蓋の温度とマンホール内の温度との温度差を利用した発電が考えられるが、蓄熱材を用いずにヒートシンクだけを用いた発電では、熱電変換素子に生じる温度差は、マンホールの蓋の温度とマンホール内の温度との温度差よりもはるかに少ない温度差となってしまう。このため、少ない発電量しか得られない。これに対し、蓄熱材を冷却側に用いることで、熱電変換素子に生じる温度差は、マンホールの蓋の温度と蓄熱材の温度との温度差となり、温度差が大きくなるため、大きな発電量を得ることができる。例えば、無線通信によるデータ送信を想定したマンホールセンサに必要十分な発電量を得ることが可能となる。また、経年劣化なく、大きな発電量を得ることが可能となる。
ところで、上述のように構成しているのは、以下の理由による。
熱電変換素子は、主に複数のp型熱電半導体及びn型熱電半導体から構成されており、熱エネルギーを電気エネルギーに、また、電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換する機能を持つ。この熱電変換素子の両側に温度差を与えると、ゼーベック効果によって電圧を発生する。この電圧を電気エネルギーとして取り出すようにしたものが熱電発電装置である。
このような熱電発電装置によって、熱エネルギーから電気エネルギーへの直接エネルギー変換が可能となり、廃熱利用に代表されるような熱エネルギーの有効な利用方法の一つとして注目を浴びている。
一般的な熱電変換素子は、ほぼ同じ長さで柱状のp型熱電半導体とn型熱電半導体の両端部で対にして熱電対を作り、この熱電対を複数個平面的に並べて、p型熱電半導体とn型熱電半導体が交互に規則的になるように配置し、この熱電対を電気的に直列に接続した構造を有する。
電気的に接続するための配線を形成するのは、例えばSiやセラミック材料などからなる2枚の基板で、この基板は、p型熱電半導体/n型熱電半導体及びこれらを接続する電極の厚さ分の隙間をあけて向かい合った構造となっている。
一枚の基板を熱源(発熱源)に接するようにし、もう一方の基板から放熱するようにすることで、熱電半導体対に温度差が生じる。持続的に温度差を生じさせるためには、放熱側の基板には放熱部品を付けることになる。
自然空冷の場合、放熱部品としては、アルミにアルマイト処理(陽極酸化)し、表面に酸化アルミの膜を形成したヒートシンクを用いるのが一般的である。
熱電変換素子による発電は、温度差のあるとこならどこでも発電することが可能であるが、自然に発生する温度に依存するため、そこはまさに自然任せである。
例えば、熱源として、太陽熱で温められるコンクリートや金属などを選択し、それに熱電変換素子を装着した場合、熱源からの熱をヒートシンクを介して大気に放熱し、熱電変換素子内に温度差を発生させることによって発電する。
しかしながら、熱電変換モジュールでは、ヒートシンクのフィンの表面積を大きくしても、熱電変換素子のヒートシンクが設けられた側を外気温と同一にすることは困難である。
このため、熱電変換素子の上下面の間に生じる温度差は、外気温と高温熱源との温度差よりも小さくなる。したがって、熱電変換モジュールで発生できる発電量も小さくなる。
また、熱電変換モジュールには、熱源の温度の経時変化を利用して熱電変換素子に温度差を生じさせるものがある。このような熱電変換モジュールでは、熱電変換素子の一方の面に熱源を接触させ、他方の面には蓄熱材を接触させる。このケースで使用される熱源の温度は一定ではなく、時間によって温度が変化するものが利用される。
例えば、熱源には、断続的に稼働と休止を繰り返すモーターやボイラーが用いられる。あるいは、日中と夜間の間の温度変化を利用して、外部に放置されているもの、例えば建物の外壁・屋上や自動車等の乗り物のエンジンや外装などが、熱源として利用される。
ここで、蓄熱材は、有機・無機材料で各々あるが、一般的に用いられているのは扱いが比較的容易な飽和炭化水素系の有機物である。融点は、−30℃から40℃くらいまで様々な温度があり、空冷に使用されているほか、建材にも適用が検討されている。
また、蓄熱材は、材料が相変化を起こすことによって、一定の温度を保つ性質を有する。このため、熱源の温度が経時的に変化することによって、蓄熱材との間に温度差が発生し、この温度差に応じて熱電変換素子が発電する。
この場合、熱源の温度の時間変化に伴う熱電変換素子への流入熱量や、熱電変換素子からの流出熱量を見積もって、これらの熱量が蓄熱材のもつ潜熱量よりも小さいことが必要であり、これが熱電変換素子の上下面の間に常に温度差を発生させる条件になる。
蓄熱材は、熱源から熱電変換素子を介して伝達される熱によって融解(溶融)するが、蓄熱材は全て融解し終わるまでは一定の温度を保つ性質を有する。このため、熱電変換モジュール全体において、熱源以外との熱のやりとりが無視できると考えた場合、熱源から熱電変換素子を介して蓄熱材に流れ込んだ熱量の積分値が、蓄熱材の潜熱量に達すると蓄熱材が全て融解する。したがって、蓄熱材の潜熱量を越えると、蓄熱材が全て融解してしまって、熱電変換素子の上下面の間に温度差を生じさせることが困難になるからである。
このタイプの熱電変換モジュールでは、蓄熱材と熱電変換素子との間、あるいは、熱源表面と熱電変換素子との間での熱伝導を利用して熱電変換素子の上下面の間に温度差を生じさせる。このため、外気との熱伝達を利用するタイプの熱電変換モジュールに比べて確実に温度差を発生させることができる。
ところが、一般に、蓄熱材は極めて熱伝導率が低く、代表的な値は0.1W/mK〜0.5W/mKであることが知られている。このため、熱電変換素子に蓄熱材を接触させただけでは、熱電変換素子に隣接した蓄熱材部分のみが融解・凝固を繰り返すだけである。この結果、熱電変換素子から距離が離れた部分の蓄熱材まで熱が伝わらず、蓄熱材全体としての性能を引き出すことが困難である。
そこで、例えば図4(A)に示すような熱電変換モジュールでは、フィン3及びベース部3Aを有する金属製のヒートシンク3Xのフィン3を蓄熱材5に挿入することによって、蓄熱材5との間の熱伝導の効率化を図っている。フィン3は、熱電変換素子1に接触させられると共に、蓄熱材5内に平行に複数挿入される。より詳細には、各々のフィン3が蓄熱材5の上方から所定の深さまで蓄熱材5内に挿入される。このように蓄熱材5内にフィン3を挿入することによって、蓄熱材5が融解される部分が上表面側からフィン3に沿って下側へと進行する。これによって、蓄熱材5がより広い領域で融解し易くなる。
しかしながら、フィン3を有するヒートシンク3Xを用いて、蓄熱材5への伝熱を、フィン3を介して行なう場合も、本質的な課題は残る。
つまり、蓄熱材5は熱伝導率が低く、流動性に劣るため、蓄熱材5の融解はフィン3の周囲からはじまるが、融解がひろがり蓄熱材5の全体に及ぶ前に、フィン3の周囲から温度上昇がはじまり、蓄熱材5の温度は融点以上の温度に上昇してしまう(顕熱化)。融解がすべて終わるまで、潜熱利用により蓄熱材5の温度は融点を維持していて、その融点と熱源との温度差を利用した大きな電力を得られる発電が可能なはずが、フィン3の周囲から温度が上昇してしまうため、期待される発電量よりは、かなり目減りした発電量しか得られない。例えば、蓄熱材5の潜熱量を100%利用した場合に得られることが期待される発電量に対し、実際に得られる発電量は30〜40%程度と低い。
更には、図4(B)に示すように、ヒートシンク3Xは熱源8から近い側から温度上昇するが、ヒートシンク3Xに直接接している蓄熱材5は、ヒートシンク3Xから熱を奪う。ヒートシンク3Xの周囲が空気の場合と比べ、蓄熱材5の熱伝導率は空気の約10倍近くあるため、ヒートシンク3Xのフィン3の熱源8側から先端まで熱伝導する時間が遅くなる。つまり、熱源8に近い側のフィン3の周囲の蓄熱材5における顕熱化が先端と比べて早く、ヒートシンク3Xと蓄熱材5の温度差が小さくなって、更にそれが先端に及んでいくため、期待される発電量(開放電圧)が得られない。
この場合、図4(C)に示すように、ヒートシンク3Xのベース部3Aの側の蓄熱材5の温度、即ち、表面付近の蓄熱材5の温度をT1とし、ヒートシンク3Xのフィン3の中間部の周囲の蓄熱材の温度、即ち、中間部の蓄熱材5の温度をT2とし、ヒートシンク3Xのフィン3の先端側の蓄熱材の温度、即ち、底部付近の蓄熱材5の温度をT3とすると、底部付近の蓄熱材5の温度T3がほとんど上がらないのに対し、表面付近の蓄熱材5の温度T1が非常に高くなってしまう。
そこで、フィン3の熱電変換素子1から遠い側の蓄熱材5にも伝熱されるようにして、熱電変換素子に生じさせることができる温度差を大きくし、発電量を増大させるために、上述のように構成している。
特に、図5(A)に示すように、熱電変換素子1から蓄熱材5に熱を伝える放熱器として、フィン3に加え、フィン3よりも熱伝導率が高い放熱部材4が設けられている。そして、放熱部材4が、フィン3よりも熱源8からより離れた場所に位置する蓄熱材5に熱を伝えられるように配置されている。このため、フィン3だけが設けられているもの[図4(A)、図4(B)参照]と比較して、図5(B)に示すように、熱源8からの熱が分散して蓄熱材5に伝えられることになる。
この場合、図5(C)に示すように、ヒートシンク3Xのベース部3Aの側の蓄熱材5の温度、即ち、表面付近の蓄熱材5の温度をT1′とし、ヒートシンク3Xのフィン3の中間部の周囲の蓄熱材の温度、即ち、中間部の蓄熱材5の温度をT2′とし、ヒートシンク3Xのフィン3の先端側の蓄熱材の温度、即ち、底部付近の蓄熱材5の温度をT3′とすると、表面付近の蓄熱材5の温度T1′がそれほど高くならず、また、底部付近の蓄熱材5の温度T3′も上がることになる。つまり、フィン3だけが設けられているもの[図4(A)、図4(B)参照]と比較して、表面付近の蓄熱材5の温度T1′が低くなり(T1′<T1)、底部付近の蓄熱材5の温度T3′が高くなる(T3′>T3)。
このように、フィン3に加え、フィン3よりも熱伝導率が高い放熱部材4が設け、放熱部材4を、フィン3よりも熱源8からより離れた場所に位置する蓄熱材5に熱を伝えられるように配置することで、フィン3だけが設けられているもの[図4(A)、図4(B)参照]と比較して、熱源8からの熱を効率良く分散し、より均一に蓄熱材5が融解するようにすることができる。これにより、顕熱によって蓄熱材の温度が融点以上の温度に上昇してしまうのが遅くなり、温度差が確保され、熱電変換素子からより多くの発電量が得られることになる。
さらに、ヒートシンク3Xのベース部3Aは、熱源8に最も近く、体積もあるため、より多くの熱がためられており、ベース部3Aが蓄熱材5に接していると、まず、ベース部3Aに接している蓄熱材5から融解が始まり、ほどなく顕熱化して温度上昇に転じてしまう。このため、図1に示すように、本実施形態では、ベース部3Aと蓄熱材5が接しないように隙間を設けている。なお、これに限られるものではなく、ベース部3Aと蓄熱材5との間に、断熱材として、例えば樹脂板などを挿入するようにしても良い(例えば図6参照)。
したがって、本実施形態にかかる熱電変換モジュールによれば、フィン3の熱電変換素子1から遠い側の蓄熱材5にも伝熱されるようにして、熱電変換素子1に生じさせることができる温度差を大きくし、発電量を増大させることができるという利点がある。
つまり、熱電変換素子1からの熱を蓄熱材5中に分散して放熱することが可能になるため、ヒートシンク3Xのみを備えるものよりも温度差が大きくなり、発電量を増大させることができ、効率良い発電を実現することが可能となる。また、蓄熱材5の融解・凝固の変化が均一に進むため、熱電変換モジュール6の高性能化を実現することも可能となる。
なお、上述の実施形態では、容器2に伝熱部材7を備えるものとし、熱電変換素子1を、容器2内に設け、一方の側の反対側が伝熱部材7に熱的に接続されるようにしているが、これに限られるものではない。
例えば、図6に示すように、容器(第1容器)2外に設けられた伝熱部材7を備えるものとし、熱電変換素子1を、容器2外に設け、一方の側の反対側が伝熱部材7に熱的に接続されるようにしても良い。つまり、伝熱部材7及び熱電変換素子1を容器2外に設け、フィン3及び放熱部材4を部分的に容器2内に入れられている蓄熱材5の中に挿入・浸漬するようにしても良い。ここでは、ヒートシンク3Xのベース部3Aは容器2外に設けられている。なお、熱電変換素子1が設けられる基板10も容器2外に設けられることになるが、この場合、熱電変換素子1の周囲に空間ができるように封止材12によって封止するのが好ましい。なお、上述の実施形態のものにおいても、同様に、熱電変換素子1の周囲に空間ができるように封止材によって封止するようにしても良い。
また、例えば、図7に示すように、容器2(第1容器)に設けられ、容器2よりも熱伝導率が高い第1伝熱部材7Xと、容器2外に設けられた第2伝熱部材7とを備えるものとし、熱電変換素子1を、容器2外に設け、一方の側が、第1伝熱部材7Xを介して、フィン3(ヒートシンク3X)及び放熱部材4(第1放熱部材)に熱的に接続され、一方の側の反対側が、第2伝熱部材7に熱的に接続されるようにしても良い。つまり、上述の実施形態のものにおいて、熱電変換素子1及び伝熱部材7を容器2外に設け、熱電変換素子1の一方の側とフィン3及び放熱部材4とを他の伝熱部材7Xを介して熱的に接続するようにしても良い。この場合、第1伝熱部材7Xを、容器2内に設けられた基板10の開口部10Aに設け、熱電変換素子1を、例えばコネクタ13を介して、基板10に電気的に接続すれば良い。また、第1伝熱部材7Xと第2伝熱部材7との間に挟まれた熱電変換素子1の周囲に空間ができるように封止材12によって封止するのが好ましい。また、第2伝熱部材7が熱源8に熱的に接続されることになる。なお、第1伝熱部材7Xを放熱側伝熱部材ともいい、第2伝熱部材7を熱源側(吸熱側)伝熱部材ともいう。
また、上述の実施形態のものにおいて、さらに、熱電変換素子1の一方の側に熱的に接続され、フィン3よりも熱伝導率が高く、かつ、第1放熱部材4と異なる熱伝導率を有し、容器2内でフィン3の熱電変換素子1から遠い側まで伸びている第2放熱部材4Xを備えるものとしても良い(例えば図8参照)。つまり、放熱部材として、熱伝導率の異なる少なくとも2つの放熱部材4、4Xを備えるものとしても良い。この場合、少なくとも2つの放熱部材4、4Xは、熱伝導率の異なる材料からなるものとすれば良い。
この場合、例えば図8に示すように、第1容器2内に設けられ、内部にフィン3、第1放熱部材4及び第1蓄熱材5が設けられている第2容器2Xと、第1容器2内、かつ、第2容器2X外に設けられ、少なくとも第2放熱部材4Xと熱的に接続され、第1蓄熱材5と異なる融点を有する第2蓄熱材5Xとを備えるものとしても良い。つまり、放熱部材として、熱伝導率の異なる少なくとも2つの放熱部材4、4Xを備え、蓄熱材として、融点の異なる少なくとも2種類の蓄熱材5、5Xを備えるものとしても良い。例えば、フィン3の熱伝導率をλ1とし、第1放熱部材4の熱伝導率をλ2とし、第2放熱部材4Xの熱伝導率をλ3とした場合、λ1<λ2>λ3(λ1<λ3<λ2)となるようにすれば良い。また、例えば、第1蓄熱材5の融点をT1とし、第2蓄熱材5Xの融点をT2とした場合、T1≠T2となるようにすれば良い。また、第1放熱部材4の一端側を第1蓄熱材5に浸漬し、他端側を第2蓄熱材5Xに浸漬し、第2放熱部材4Xを第2蓄熱材5Xに浸漬するようにしても良い。このようにして、第1放熱部材4と第2放熱部材4Xを、それぞれ、融点の異なる第1、第2蓄熱材5、5Xに浸漬し、第1、第2蓄熱材5、5Xの融点の差を利用することで、一日の、もしくは、季節ごとの気温に応じてより長期間発電することが可能となる。
[実施例]
次に、本発明を更に具体的に説明するために実施例を挙げる。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例1及び比較例では、熱電変換モジュールを構成する熱電変換素子にYAMAHA社製GKB10を用い、蓄熱材にJX日航日石エネルギー社製エコジュールTS8(融点26℃、融解潜熱250kJ/kg)100gを用い、ヒートシンクにアルミ製ヒートシンクであるアルファ社製N60−40B(ピンタイプヒートシンク:サイズ60×60×40mm)を用い、放熱部材にパナソニック社製PGSグラファイトシート(厚さ100μm、サイズ60×100mm)を用い、伝熱部材にアルミ部材を用い、容器として樹脂製のタッパーウェアを用いた。
図9(C)に示すように、熱電変換素子1の一方の側にグラファイトシート4を間に挟んでアルミ製ヒートシンク3Xを接続し、容器2であるタッパーウェアに入れられた蓄熱材5の中にアルミ製ヒートシンク3Xのフィン3及びグラファイトシート4を部分的に浸漬し、タッパーウェア2に取り付けられた伝熱部材7としてのアルミ部材に熱電変換素子1の一方の側の反対側を接続して、本実施例1の熱電変換モジュール6を作製した。
また、図9(A)に示すように、グラファイトシートを挟まずに熱電変換素子1の一方の側にアルミ製ヒートシンク3Xを接続し、容器2であるタッパーウェアに入れられた蓄熱材5の中にアルミ製ヒートシンク3Xのフィン3を部分的に浸漬し、タッパーウェア2に取り付けられた伝熱部材7としてのアルミ部材に熱電変換素子1の一方の側の反対側を接続して、比較例の熱電変換モジュール6Xを作製した。
そして、伝熱部材7としてのアルミ部材を介して熱電変換素子1をヒータ加熱した。このヒータ加熱は、室温から60℃まで4時間で昇温し、60℃で30分維持し、再び室温まで4時間かけて降温する加熱プロファイルとした。
ここで、図9(D)は、本実施例1の熱電変換モジュール6(グラファイトシート有り)の場合のヒータ温度の変化、蓄熱材の温度の変化、開放電圧(出力電圧)の変化を示している。また、図9(B)は、比較例の熱電変換モジュール6X(グラファイトシート無し)の場合のヒータの温度変化、蓄熱材の温度変化、開放電圧(出力電圧)の変化を示している。なお、図9(D)、図9(B)では、ヒータの温度変化を実線Aで示しており、蓄熱材の温度変化を実線Bで示しており、開放電圧の変化を実線Cで示している。
図9(D)に示すように、本実施例1の熱電変換モジュール6の場合、比較例の熱電変換モジュール6Xと比較して、出力電圧の最大値が約0.57Vから約0.61Vに上がり、また、蓄熱材5の温度変化が遅くなり、全体的に右側にシフトすることによって、ヒータの温度と蓄熱材5の温度との温度差ΔTが全時間において大きくなり、発電量は約15%増大した。
[実施例2]
本実施例2では、熱電変換モジュール6を構成する熱電変換素子1にKELK製KTG5066A00を用い、蓄熱材5にJX日航日石エネルギー社製エコジュールTS20(融点36.9℃、融解潜熱249kJ/kg)50gを用い、ヒートシンク3Xにアルミ製ヒートシンクであるアルファ社製N50−25B(ピンタイプヒートシンク:サイズ50×50×25mm)を用い、放熱部材4にパナソニック社製PGSグラファイトシート(厚さ100μm、サイズ50×80mm)を用い、伝熱部材7にアルミ部材を用い、容器2として樹脂製のタッパーウェアを用いた[図9(D)参照]。
そして、熱水と冷水が交互に循環する工場の排水管に、本実施例2の熱電変換モジュール6を取り付け、工場内の温湿度センサやガスセンサなどからのデータを取得し、無線通信するための電源として用いた。ここで、熱水温度は80℃、冷水温度は20℃で、一時間おきに交互に10分間程度放出される。
この結果、本実施例2の熱電変換モジュール6では、出力電圧が最大0.8V得られ、蓄熱材5の温度(融点)と熱水の温度との温度差を確保することができ、十分な発電量を得ることができた。
[実施例3]
本実施例3では、熱電変換モジュール6を構成する熱電変換素子1にYAMAHA社製GKB10を用い、蓄熱材5にカネカ社製パッサーモF15(融点15.1℃、融解潜熱190kJ/kg)100g又はJX日航日石エネルギー社製エコジュールTS9(融点30℃、融解潜熱184kJ/kg)100gを用い、ヒートシンク3Xにアルミ製ヒートシンクであるアルファ社製N60−40B(ピンタイプヒートシンク:60×60×40mm)を用い、放熱部材4にパナソニック社製PGSグラファイトシート(厚さ100μm、サイズ60×100mm)を用い、伝熱部材7にアルミ部材を用い、容器2として樹脂製のタッパーウェアを用いた[図9(D)参照]。
そして、道路に設置された下水管のマンホールの蓋の裏面に、本実施例3の熱電変換モジュール6を取り付け、下水の水量、腐食ガス量、管内温度などをセンシングして、無線送信するための電源として用いた。
ここで、マンホールの蓋の温度は、東京都心で、夏場は25〜60℃程度、冬場は5〜25℃程度であるため、蓄熱材として上述の2種類の蓄熱材5を用いた。つまり、夏場は、蓄熱材5としてJX日航日石エネルギー社製エコジュールTS9(融点30℃、融解潜熱184kJ/kg)100gを備える熱電変換モジュール6を用い、冬場は、蓄熱材5としてカネカ社製パッサーモF15(融点15.1℃、融解潜熱190kJ/kg)100gを備える熱電変換モジュール6を用いた。
この結果、本実施例3の熱電変換モジュール6では、出力電圧が夏場で最大0.6V、冬場で最大0.2V得られ、蓄熱材5の温度(融点)とマンホールの蓋の温度との温度差を確保することができ、十分な発電量を得ることができた。
[実施例4]
本実施例4では、熱電変換モジュール6を構成する熱電変換素子1にYAMAHA社製GKB10を用い、第1蓄熱材5にカネカ社製パッサーモF15(融点15.1℃、融解潜熱190kJ/kg)100gを用い、第2蓄熱材5XにJX日航日石エネルギー社製エコジュールTS9(融点30℃、融解潜熱184kJ/kg)100gを用い、ヒートシンク3Xにアルミ製ヒートシンクであるアルファ社製N60−40B(ピンタイプヒートシンク:60×60×40mm)を用い、第1放熱部材4にパナソニック社製PGSグラファイトシート(厚さ100μm、サイズ60×200mm)を用い、第2放熱部材4XにAgシート(厚さ100μm、サイズ60×200mm)を用い、伝熱部材7にアルミ部材を用い、第1容器2及び第2容器2Xとして樹脂製容器を用いた(例えば図8参照)。
ここでは、第1容器2の中に、内部に第1蓄熱材5が入れられている第2容器2Xを入れ、第1容器2内、かつ、第2容器2X外に、第2蓄熱材5Xを入れた。つまり、第2蓄熱材5Xが入れられた第1容器2の中に、内部に第1蓄熱材5が入れられている第2容器2Xを入れた入れ子構造とした。第2容器2Xとして樹脂製容器を用いているため、第1蓄熱材5と第2蓄熱材5Xとはほぼ断熱されている。そして、アルミ製ヒートシンク3Xのフィン3を第1蓄熱材5に部分的に浸漬し、第2放熱部材4XとしてのAgシートを第2蓄熱材5Xに部分的に浸漬し、第1放熱部材4としてのグラファイトシートを第1蓄熱材5及び第2蓄熱材5Xの両方に部分的に浸漬し、熱電変換素子1からの熱が、アルミ製ヒートシンク3X、Agシート4X及びグラファイトシート4のそれぞれを介して、第1蓄熱材5及び第2蓄熱材5Xに伝わるようにした。
そして、道路に設置された下水管のマンホールの蓋の裏面に、本実施例4の熱電変換モジュール6を取り付け、下水の水量、腐食ガス量、管内温度などをセンシングして、無線送信するための電源として用いた。
ここで、マンホールの蓋の温度は、東京都心で、夏場は25〜60℃程度、冬場は5〜25℃程度であるため、蓄熱材として上述の第1蓄熱材5及び第2蓄熱材5Xを用いた。
また、上述のように入れ子構造とすることで、1つの熱電変換モジュール6で対応できるようにした。
この結果、本実施例4の熱電変換モジュール6では、出力電圧が夏場で最大0.4V、冬場で最大0.2V得られ、蓄熱材5、5Xの温度(融点)とマンホールの蓋の温度との温度差を確保することができ、十分な発電量を得ることができた。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかるセンサモジュール及び情報処理システムについて、図10〜図16を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるセンサモジュールは、一体型モジュールであって、図10に示すように、この一体型モジュール160は、発電モジュール161と、蓄電モジュール162と、センサ163と、コントローラ164と、メモリ165と、通信回路166と、アンテナ167を備える。
発電モジュール161には、例えば、上述の第1実施形態の熱電変換モジュール6が適用される。つまり、この発電モジュール161は、熱電変換素子1と、容器2と、フィン3と、放熱部材4と、蓄熱材5とを備える。このため、本センサモジュールは、少なくとも、センサ163と、センサ163に電気的に接続された、上述の第1実施形態の熱電変換モジュール6とを備える。
蓄電モジュール162は、発電モジュール161に接続され、発電モジュール161で発生した電力を蓄える。蓄電モジュール162としては、電力を蓄える機能を持つものであれば良い。この蓄電モジュール162としては、例えば、全固体二次電池が省スペースで且つ安全性が高い点から好ましい。
発電モジュール161及び蓄電モジュール162は、電力供給部168を構成する。この電力供給部168を構成する発電モジュール161及び蓄電モジュール162の少なくとも一方からは、センサ163、コントローラ164、及び、通信回路166に電力が供給される。発電モジュール161によって安定した電力を供給できる場合には、蓄電モジュール162が省かれても良い。
センサ163には、例えば、温度、湿度、圧力、光、音、電磁波、加速度、振動、ガス、微粒子等を検出するセンサが適用可能である。さらに、センサ163には、例えば、赤外線を対象物に出射すると共に対象物から反射した光を受けることで対象物との距離を測定する測距センサ、対象物の重量を測定する重量センサ、及び、水位等のデータを検出する水位センサ等が適用可能である。
コントローラ164は、例えば、センサ163が検出した各種データを、通信回路166及びアンテナ167を介してサーバ175へ送信する。コントローラ164は、例えば、センサ163が検出した各種データと他のデータとに基づいた二次データをサーバ175へ送信しても良い。また、コントローラ164は、例えば、センサ163が検出した各種データを用いて所定の演算を行って二次データを算出し、この二次データをサーバ175へ送信しても良い。
メモリ165は、センサ163が検出した各種データや、算出された二次データをコントローラ164の命令により記憶する。記憶された情報は、コントローラ164の命令により読み出される。
通信回路166及びアンテナ167は、通信部169を構成する。通信部169は、コントローラ164と図示しないサーバ175との間でデータの送受信を行う。なお、図10に示される例では、アンテナ167を用いた無線通信が採用されるが、無線通信の代わりに、有線通信が採用されても良い。
上述の一体型モジュール160は、例えば、図11に示されるように、本実施形態にかかる情報処理システム170に適用される。
この情報処理システム170は、複数の一体型モジュール160と、サーバ175とを備える。つまり、本情報処理システム170は、上述の一体型モジュール(センサモジュール)160と、この一体型モジュール160によって得られたデータを処理するサーバ(コンピュータ)175とを備える。ここでは、情報処理システム170は、マンホール176から得られる情報を処理するシステムである。このため、複数の一体型モジュール160は、マンホール176に設置される。この複数のマンホール176に設置された複数の一体型モジュール160は、ネットワーク177を介してサーバ175と接続される。
なお、例えば、サーバ175を備えた車両を走行させ、この車両が各マンホール176に設置された一体型モジュール160に近接するたびに一体型モジュール160からサーバ175に近距離無線通信でデータが送信されるようになっていても良い。また、一体型モジュール160は、マンホール176の構造体であれば、どこに設置されても良い。
この一体型モジュール160は、センサ163の検出対象又はセンサ163の種類に応じて、マンホール176の構造体である蓋178やコンクリート管179などに固定される。一体型モジュール160に備えられた熱電変換素子は、マンホール176の構造体と熱的に接続され、マンホール176の構造体と外気又はマンホール176内部の温度との温度差により発電する。
以下、本実施形態にかかる情報処理システム170の具体的な適用例について説明する。
[第1適用例]
第1適用例では、図12に示すように、情報処理システム170は、マンホール176の構造体(蓋178やコンクリート管179)の劣化を把握するために利用される。
センサ163は、マンホール176内の温度、湿度、及び、マンホール176の構造体に作用する振動(加速度)等を検出し、センサ163で検出されたデータは、メモリ165に蓄積される。
道路上を走る測定用の車両180がマンホール176上を通過する際に、コントローラ164は、通信回路166及びアンテナ167を介してメモリ165に蓄積されたデータを送信する。測定用の車両180に設けられたサーバ175は、データを回収する。
サーバ175は、GPS(Global Positioning System)による車両180の位置情報と回収されたデータとを組み合わせて、車内モニタに映し出された地図上に、回収されたデータを表示させる。温度、湿度、振動等が表示された情報から各マンホール176におけるコンクリート管179の劣化の度合いを推定することが可能となる。
また、測定用の車両180の下部に、受信装置181に加え、マンホール176の蓋178の画像を取得するカメラ182を取り付け、マンホール176の蓋178(鉄部)の劣化を画像認識で判断することができるようにしても良い。この結果を元に、マンホール176の蓋178の交換時期を自治体に情報として販売するようにしても良い。ここで、データを回収する車両としては、特別な測定用の車両でなくとも、例えば自治体が運用するごみ収集車でも良い。ごみ収集車の底部に受信装置181やカメラ182を設置することで、回収費用をかけずに定期的にデータを回収することができる。
また、センサ163は、マンホール176内に発生したガスの濃度を検出するものであっても良い。マンホール176内に発生するガスとしては、例えば、硫化水素ガスがある。下水道183で発生する硫化水素ガスは、マンホール176の構造体を急激に劣化させることが知られている。硫化水素ガスの発生は、近隣住民の苦情要因でもある。センサ163として硫化水素ガスセンサを用いることで、マンホール176の構造体の劣化予測精度向上とともに、住民の苦情に迅速に対応できるようになる。
なお、第1適用例では、センサ163は、マンホール176内の温度、湿度、振動、及び、マンホール176内に発生したガスの濃度のうち少なくとも一つを検出できるものであれば良い。
また、マンホール176内では湿度が常に高く、下水道183(又は上水道)の水がマンホール176内にあふれる可能性もある。また、マンホール176内部はほぼ一定温度だが、例えば蓋178では夏は高温、冬は低温になるうえ、さまざまな金属を溶かす硫化水素ガスなどが発生することが知られている。このような過酷な環境にあって、センサ163などの電子部品及び熱電変換素子を守り、かつ長期的な信頼性を保つことは重要である。この場合、一体型モジュール160を、センサ163などの電子部品及び熱電変換素子が樹脂で封止されたものとして構成することで、長期的な信頼性を保つことが可能となる。
[第2適用例]
第2適用例では、図13に示すように、情報処理システム170は、マンホール176と接続される下水道183の流量を予測するために利用される。
センサ163には、例えば、水位計や流量計が用いられる。マンホール176に水位計や流量計であるセンサ163が設置されることで、きめ細かい下水道183の水位や流量の把握が可能となる。なお、図13において、センサ163は一体型モジュール160に組み込まれているが、例えば、センサ163の代わりに、外部のセンサの動作を制御するセンサ制御部を設けても良い。この場合、センサ制御部は、下水道の183に配置された水位計や流量計などの図示していないセンサを制御し、そのセンサが検出した情報を取得するようにすれば良い。また、そのセンサが検出した情報は無線でセンサ制御部に送信されるようにしても良い。
具体的には、下水道183の水位や流量は、1日に1回、あるいは1時間に1回、センサ163によって検出され、センサ163によって検出されたデータは、高速通信回線を通じてデータセンタ184のサーバ175に集められる。センサ163によって検出された下水道183の水位や流量のデータは、計測と同時に送信されるようにしても良いし、消費電力を低減するために、1日、あるいは1週間分を蓄積してから送信されるようにしても良い。なお、第1適用例と同様に、測定用の車両がデータを回収するようにしても良い。
通常、雨水は、下水道183に流れ込むため、下水道183の水位や流量の予測は、降雨データと強く連動する。このため、センサ163によって集められた下水道183の水位や流量のデータと、気象庁の降雨データとを組み合わせて解析することで、例えば、下水道183の水が流れ込む河川の氾濫予測、注意報・警報情報を提供することが可能となる。
下水道183の水位や流量のデータと、気象庁の降雨データとの解析結果から気象現象と下水道183の水位や流量との関係を確立することも可能となる。そして、気象庁の降雨データから各地における下水道183の水位や流量を予測して、この予測データを提供及び配信することに対して課金するようにしても良い。なお、住宅建築や居住状況、土地開発状況に応じて下水道183の水位や流量は年々変わるので、継続的なデータの更新が可能な本情報処理システム170は有用である。
また、第2適用例において、情報処理システム170は、局所的な集中豪雨などが発生した場合における下水道183の水位や流量の計測にも利用可能である。都市の局所的な集中豪雨の際には、下水道183の作業者の安全確保や下水道183の氾濫を防ぐため、分単位で下水道183の水位や流量の測定及び情報発信が必要になる。この場合には、相対的に標高の低い少数のマンホール176に設置された一体型モジュール160に限定してデータを収集するようにすれば良い。
水位を測定する一体型モジュール160の蓄電モジュール162には、前もって十分な蓄電を行っておくことが好ましい。コントローラ164は、通信回路166及び高速通信回線を通じて逐次データをサーバ175へ送信する。サーバ175は、受信したデータを作業者や氾濫近傍の居住者のスマートフォンやタブレットに警報を発させることができる。あるいは、特定のマンホール176上に測定用の車両が駐車して、近距離無線通信によって車両に設けたサーバにデータが回収されるようにしても良い。
[第3適用例]
第3適用例では、図14に示すように、情報処理システム170は、マンホール176のセキュリティ及び作業履歴に利用される。
センサ163は、マンホール176の蓋178の開閉を検出する。このセンサ163には、例えば、加速度センサや開閉スイッチが用いられる。このセンサ163は、マンホール176の蓋178の開閉を検出するために、マンホール176の蓋178に生ずる加速度、及び、マンホール176の蓋178の開閉状態のうち少なくとも一つを検出すれば良い。マンホール176の蓋178の開閉に応じてセンサ163から出力されたデータ(信号)は、サーバ175にて受信される。
この情報処理システム170によれば、下水道183等のセキュリティ対策(例えば、対爆弾テロなど)や、下水道183の清掃作業における作業履歴の確認を行うことができる。
[第4適用例]
第4適用例では、図15に示すように、情報処理システム170は、道路交通情報の取得に利用される。
センサ163は、マンホール176上を通過する車両185,186,187を検出する。このセンサ163には、例えば、加速度センサ、磁気センサ、マイクロフォン等が用いられる。センサ163からは、マンホール176上を通過する車両の数に応じた信号が得られる。センサ163から出力されたデータ(信号)は、サーバ175にて受信される。
この情報処理システム170によれば、現在の道路交通情報通信システムでは計測していないような細い道路や路地などでも渋滞情報を得ることができる。これにより、きめ細かい渋滞情報の提供が可能になる。
また、センサ163の検出値の強弱から、マンホール176上を通過する車両185,186,187の種類(例えば、小型車、普通車、トラック等)を検出するようにしても良い。この場合、センサ163の検出値と車両の種類とを関連付けたデータセットを予めメモリ165に記憶しておけば良い。そして、コントローラ164が、センサ163の検出値と上記データセットとから車の種類を判定し、この車の種類の情報をサーバ175へ送信するようにすれば良い。これにより、マンホール176上を通過する車両の種類を把握することが可能となる。
さらに、センサ163によって、マンホール176上を通過する車両185,186,187の個体識別情報が検出されても良い。例えば、センサ163として磁気センサが用いられた場合には、磁気センサの反応によって、車両の特徴が得られる可能性がある。つまり、例えば、車ごとに特徴的な磁気を発する媒体を車両に搭載することにより、個々の車両を識別できる。車種による都市の車の流れの違いを解析することで、特定の車両を特定の道路に誘導する計画立案など、都市道路のコントロールや都市評価につながる。
なお、第4適用例では、センサ163は、マンホール176上を通過する車両の数、種類、個体識別情報のうち少なくとも一つを検出できるものであれば良い。
[第5適用例]
第5適用例では、図16に示すように、情報処理システム170は、降雨量の測定に利用される。
センサ163には、例えば、気象予測用のXバンドレーダが用いられる。Xバンドレーダの電波は、例えば豪雨時に豪雨エリアの先に届かず、また、山など大きな物体を超えられない。また、現状のレーダでは、突然発生したり急発達したりする豪雨エリアの発見及び追跡が困難なことが多い。高精度予測には高時間空間分解能が必要とされる。
通常、Xバンドレーダの分解能は250mであるが、平均間隔が30mあまりのマンホール176にセンサ163が設置されることで、はるかにきめ細かい気象観測が可能になり、局所的な集中豪雨などの計測及び予測に役立つと考えられる。センサ163から出力されたデータ(信号)は、サーバ175にて受信される。
なお、上述の第1〜第5適用例では、専用のサーバ175が用いられていたが、汎用のコンピュータがサーバ175として利用されても良い。また、サーバ175として機能する汎用のコンピュータにコントローラ164やサーバ175が行った動作を実行させるプログラムがインストールされ実行されても良い。また、この場合に、プログラムは、記録媒体で供給されても良いし、ネットワークからダウンロードされても良い。
[その他]
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、適宜組み合わせることも可能である。
1 熱電変換素子
2 容器(第1容器)
2X 第2容器
3 フィン
3A ベース部
3X ヒートシンク
4 放熱部材(第1放熱部材)
4X 第2放熱部材
5 蓄熱材(第1蓄熱材)
5X 第2蓄熱材
6 熱電変換モジュール
7 伝熱部材(第2伝熱部材)
7X 第1伝熱部材
8 熱源
9 電子部品
10 基板
10A 開口部
11 外部接続端子
12 封止材
13 コネクタ
160 一体型モジュール
161 発電モジュール
162 蓄電モジュール
163 センサ
164 コントローラ
165 メモリ
166 通信回路(通信部)
167 アンテナ
168 電力供給部
169 通信部
170 情報処理システム
175 サーバ(コンピュータ)
176 マンホール
177 ネットワーク
178 蓋
179 コンクリート管
180 車両
181 受信装置
182 カメラ
183 下水道
184 データセンタ
185,186,187 車両

Claims (9)

  1. 熱電変換素子と、
    第1容器と、
    前記熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、前記第1容器よりも熱伝導率が高く、前記第1容器内で前記熱電変換素子から離れる方向へ伸びているフィンと、
    前記熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、前記フィンよりも熱伝導率が高く、前記第1容器内で前記フィンの前記熱電変換素子から遠い側まで伸びている第1放熱部材と、
    前記第1容器内に設けられ、前記フィン及び前記第1放熱部材と熱的に接続された第1蓄熱材とを備えることを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 前記第1容器に設けられ、前記第1容器よりも熱伝導率が高い伝熱部材を備え、
    前記熱電変換素子は、前記第1容器内に設けられており、前記一方の側の反対側が前記伝熱部材に熱的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記第1容器外に設けられた伝熱部材を備え、
    前記熱電変換素子は、前記第1容器外に設けられており、前記一方の側の反対側が前記伝熱部材に熱的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記第1容器に設けられ、前記第1容器よりも熱伝導率が高い第1伝熱部材と、
    前記第1容器外に設けられた第2伝熱部材とを備え、
    前記熱電変換素子は、前記第1容器外に設けられており、前記一方の側が、前記第1伝熱部材を介して、前記フィン及び前記第1放熱部材に熱的に接続されており、前記一方の側の反対側が、前記第2伝熱部材に熱的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱電変換モジュール
  5. 前記第1放熱部材は、前記フィンの周辺を囲うように設けられていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱電変換モジュール。
  6. 前記熱電変換素子の一方の側に熱的に接続され、前記フィンよりも熱伝導率が高く、かつ、前記第1放熱部材と異なる熱伝導率を有し、前記第1容器内で前記フィンの前記熱電変換素子から遠い側まで伸びている第2放熱部材を備えることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱電変換モジュール。
  7. 前記第1容器内に設けられ、内部に前記フィン、前記第1放熱部材及び前記第1蓄熱材が設けられている第2容器と、
    前記第1容器内、かつ、前記第2容器外に設けられ、少なくとも前記第2放熱部材と熱的に接続され、前記第1蓄熱材と異なる融点を有する第2蓄熱材とを備えることを特徴とする、請求項に記載の熱電変換モジュール。
  8. センサと、
    前記センサに電気的に接続された、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱電変換モジュールとを備えることを特徴とするセンサモジュール。
  9. 請求項に記載のセンサモジュールと、
    前記センサモジュールによって得られたデータを処理するコンピュータとを備えることを特徴とする情報処理システム。
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