JP4229904B2 - 橋桁の送出し工法および送出し制御システム - Google Patents
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Description
図示する橋梁の架設工事では、橋桁101などは予め構築された橋脚111〜113にクレーンで吊って架設されるが、桁下空間が利用できない線路をまたぐ橋脚114,115区間では、クレーンの設置が不可能であるため送出し工法が採用される。
送出し台車10,20は、3本の走行レール130上を走行するものであり、3つの鉛直ジャッキを備えて、各箇所で橋桁102の荷重をなるべく均等に分担するように鉛直ジャッキのストロークが調整される。ここで、図5及び図6は、橋桁102を搭載した送出し時の送出し台車10,20の概略を示した図であり、特に図5は送出し台車の側面を、図6は送出し台車の正面を示している。
すなわち、橋脚115にはキャタピラ150が設置され、橋桁102及び手延べ機140の荷重は、2台の送出し台車10,20に加えてこのキャタピラ150によって支えることになる。
また、本発明に係る橋桁の送出し工法は、前記押出しジャッキは走行レールを把持することができるクランプ手段を有し、そのクランプ手段による走行レールの把持および把持解放と、前記押出しジャッキによる伸縮を繰り返すことにより送出し台車を押し出すようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る橋桁の送出し制御システムは、前記押出しジャッキが、走行レールを把持することができるクランプ手段を有し、前記制御装置は、そのクランプ手段による走行レールの把持および把持解放と、前記押出しジャッキの伸縮とを制御することにより送出し台車を押し出すようにしたものであることを特徴とする。
そして、図1が、本実施形態における橋桁の送出しを行うための送出し制御システムを示した図である。なお、図1では、送出し台車10,20を構成する鉛直ジャッキなど、複数ある同一の構成要素については一つのみ示して他は省略している。
そして、詳しくは図示しないが、駆動モータ18,28から車輪の間には減速比の大きな減速機を介して当該車輪に大きなトルクが伝達できるように構成されている。また、送出し台車10,20には、走行を停止させるために電磁ブレーキが設けられている。
その押出しジャッキ32は、3本の走行レール130に対応して用意され、それぞれロッドが走行部11に後方から連結され、シリンダ本体には走行レール130を把持するクランプ手段33が連結されている。クランプ手段33は、複数のクランプシリンダ33aを備え、その伸張作動によって走行レール130を横から挟み込んで把持するように構成されている。
図4に示すような施工現場で送り出される橋桁102は、仮設備120の走行レール130上を移動する送出し台車10,20に載せられ、その先端には手延べ機140が連結されている。自走式の送出し台車10,20は、制御用コンピュータ2から送られる駆動信号により、台車走行制御装置38を介して駆動モータ18,28が駆動して前進する。駆動モータ18,28の回転は減速機を介して車輪に伝達され、走行レール130上を車輪が回転することによって前進する。この段階では押出しジャッキ32は使用されず、送出し台車10,20の自走によってのみ橋桁102が送り出される。そのため、押出しジャッキ32は、走行レール130のクランプ手段33が解放状態にあり、送出し台車10の走行に従って引っ張られていくだけである。
この反力管理制御では、一部の走行レール130に荷重が集中してしまって走行を緊急停止させなければならない事態を回避している。そのため、安定した走行を維持して短時間に橋桁102の送出しを完了させることができる。
後方の送出し台車20は、橋桁120を支えながら前方の送出し台車10に従って移動し、橋脚115上のキャタピラ150に支えられた手延べ機140とともに橋桁102が前方へと送り出される。
従って、そのままでは単に橋桁102を押し出すのに必要な推進力を出力するだけの押出しジャッキでは不十分であり、減速機の起動抵抗に打ち勝つだけの推進力を発揮する大型の押出しジャッキを用いる必要が生じる。また、そうした押出しジャッキを利用する場合には、クランプ手段33が反力で滑ってしまうことなく確実に走行レール130を掴むことができるようにするため、強力なクランプシリンダを必要とする。従って、押出しジャッキ32だけでなくクランプ手段33も大型化しなければならなくなる。
図3は、押出しジャッキ32による送出しに運転が切り替えられた場合の動作タイミングを示した図である。本実施形態では、このタイミングで押出しジャッキ32やクランプシリンダ33a、更に駆動モータ18,28を動作させるように、押出し制御プログラムがマスタコンピュータ3に格納されている。
その後、押出しジャッキ32が最大ストロークになったB2の時点で圧力油の供給が止められて伸張作動が停止する。そのため、送出し台車10,20の走行が止まって橋桁102の送出しが一旦停止する。
また、押出しジャッキ32による押し出しに切り替えた際、押出しジャッキ32の伸張作動による押出し開始時から所定時間、駆動モータ18,28に通電して車輪を回転させることにより減速機による起動抵抗を駆動モータ18,28の駆動力によって補償しているため、押出しジャッキ32は起動後の走行抵抗のみを負担すればよいことになる。従って、押出しジャッキ32によってスムーズに橋桁102の送出しを継続することができ、更に、減速機の抵抗負荷を考慮する必要がないため押出しジャッキ32やクランプ手段33を大型化させる必要がない。
2 制御用コンピュータ
3 マスタコンピュータ
10,20 送出し台車
11,21 走行部
12,22 鉛直ジャッキ
18,28 電動モータ
32 押出しジャッキ
33 クランプ手段
33a クランプシリンダ
38 台車走行制御装置
102 橋桁
120 仮設備
130 走行レール
140 手延べ機
Claims (4)
- 先端に手延べ機を連結した橋桁を前後方向に配置した複数の送出し台車に載せて支持し、その送出し台車の走行レールに沿った移動により、橋桁を一方の橋脚から他方の橋脚へ送り出すことによって架設する橋桁の送出し工法において、
前記手延べ機が送出し先の橋脚へ到達するまでは前記送出し台車が搭載する駆動モータによる車輪の回転によって自走するようにし、前記手延べ機が当該送出し先の橋脚へ到達した後は押出しジャッキによって前記送出し台車を押し出して移動させるようにしたものであり、当該押出しジャッキによる押出し起動時に前記駆動モータを一定時間駆動させるようにしたことを特徴とする橋桁の送出し工法。 - 請求項1に記載する橋桁の送出し工法において、
前記押出しジャッキは走行レールを把持することができるクランプ手段を有し、そのクランプ手段による走行レールの把持および把持解放と、前記押出しジャッキによる伸縮を繰り返すことにより送出し台車を押し出すようにしたことを特徴とする橋桁の送出し工法。 - 先端に手延べ機を連結した橋桁を前後方向に配置した複数の送出し台車に載せて支持し、その送出し台車の走行レールに沿った移動により、橋桁を一方の橋脚から他方の橋脚へ送り出すことによって架設する橋桁の送出し制御システムにおいて、
前記送出し台車は、駆動モータによって車輪を回転させる自走式であり、その一又は二以上の送出し台車に押出しジャッキが連結されたものであって、当該駆動モータの駆動や押出しジャッキの伸縮を制御する制御装置を有し、その制御装置が、前記手延べ機が送出し先の橋脚へ到達するまでは前記駆動モータによる車輪の回転によって前記送出し台車を自走させ、前記手延べ機が送出し先の橋脚へ到達した後は押出しジャッキによって前記送出し台車を押し出して移動するようにしたものであり、当該押出しジャッキによる前記送出し台車の押出しを行い、当該押出しジャッキの起動時には前記駆動モータを一定時間駆動させるようにしたものであることを特徴とする橋桁の送出し制御システム。 - 請求項3に記載する橋桁の送出し制御システムにおいて、
前記押出しジャッキは、走行レールを把持することができるクランプ手段を有し、前記制御装置は、そのクランプ手段による走行レールの把持および把持解放と、前記押出しジャッキの伸縮とを制御することにより送出し台車を押し出すようにしたものであることを特徴とする橋桁の送出し制御システム。
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