JP4229510B2 - 難燃性電解液および非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性に優れた非水電解液、詳細には、N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物、さらに必要に応じてリン化合物を含有する難燃性電解液、および該難燃性電解液を用いてなる非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ノート型パソコン、ビデオカメラ、携帯電話などの携帯機器の小型軽量化のために、より高いエネルギー密度を持つ二次電池の必要性が高まっている。また、大気汚染物質を排出しない電気自動車の実用化が検討されている。しかし、電気自動車の実用化のためには、現状の鉛電池よりも高いエネルギー密度を持つ電池の開発が必要である。
【0003】
このような高いエネルギー密度を有する電池として、リチウム電池が知られている。リチウム電池には非水電解液として、高誘電率溶媒であるプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン等の溶媒と、低粘度の溶媒であるジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等とを混合した溶媒に、LiBF4 、LiPF6 、LiClO4、LiAsF6、LiCF3 SO3 、LiAlCl4 、LiSiF6等の電解質を溶解したものが用いられている。
【0004】
しかし、このような非水電解液に用いられる溶媒は、燃えやすい化合物であるため、ショートなどにより火災の原因となる恐れがある。リチウム電池において、放電反応では、負極を構成する負極活性物質中から電解液中にリチウムイオンが溶け出すと同時に、電解液中のリチウムが正極を構成する正極活物質中に取り込まれる。一方、充電反応では、電解液中のリチウムイオンが負極活物質中にリチウムとして取り込まれる。この場合、リチウムイオンはリチウム金属として析出すると同時に、正極活物質中のリチウムイオンは電解液中に溶け出していく。一般に、この様な充電反応が起こる充電時に、負極においてリチウム金属として析出したリチウムが、リチウム表面に均一に析出せず、局所的に析出すると、そこを成長核としてリチウムが樹枝状に成長し(デンドライトと呼ばれる)、電解液中を成長し、最後に正極と接触し、ショートを引き起こす。この時、短時間に大電流が流れるために発火する場合がある。特に、高エネルギー密度化された電池では、万一ショートした場合、その電池の持つ高いエネルギーを一度に放出することになるため、火災を防止する対策は不可欠である。
【0005】
従来は、外部安全装置を用いて、過充電、過放電、外部ショートによる火災を回避する方法が取られてきた。しかし、電池内部でショートした場合には、外部安全機構は作用しないという問題があった。そこで、外部安全機構に依存しない、安全な電池の開発が必要となっている。
【0006】
また、上記負極活物質がリチウムまたはリチウム合金でなく、リチウムイオンを吸蔵放出する物質、例えば炭素材料であっても、過充電時には、炭素表面にリチウム金属が析出し、ここが成長核となって、デンドライトが成長しショートを引き起こすこともある。
【0007】
従来から、外部安全装置に依存しない安全化のための方法として溶媒の難燃化が知られている。難燃化方法としては、電解液にリン酸エステル、ハロゲン化合物などの難燃性化合物を添加することが提案されている。例えば、特開平4−184870号公報、特開平6−283205号公報および特開平8−22839号公報には、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル化合物を用いることが提案されているが、十分な難燃性を得るためには多量にリン酸エステル化合物を添加する必要があった。しかし、これらの化合物を多量に用いた場合には充放電効率が低下したり、充電時にリチウムが樹枝状に析出する欠点があり、実用上満足できるものではなかった。
【0008】
また、特開平2−244565号公報には、電解液のセパレーターへの含浸性を改善するためにホスフェート、ホスホネート等のリン化合物を少量用いることが提案されているが、電解液の難燃性を改善するためにリン酸エステル化合物が有効であることは全く記載されていない。
【0009】
さらに、特開平10−154531号公報には、電池の破裂反応を改善するためにヒンダードアミン系化合物を添加することが提案されているが、電解液の難燃性に関しては何ら記載もされていない。
【0010】
従って、本発明の目的は、電気特性に悪影響を与えずに、電解液の発火が抑制され、電池の安全性向上に有効な優れた難燃性を有する難燃性電解液および該難燃性電解液を用いた非水電解液二次電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、種々検討を重ねた結果、N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物を含有させた難燃性電解液が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0012】
本発明は、上記知見に基づき成されたもので、電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液において、該有機溶媒が下記〔化4〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(1)で表される、N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物を含有することを特徴とする非水電解液二次電池用難燃性電解液を提供するものである。
【化4】
【0013】
また、本発明は、電解液として、上記難燃性電解液を用いたことを特徴とする非水電解液二次電池を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、先ず、本発明の難燃性電解液をその好ましい実施形態に基づいて詳述する。
【0015】
本発明の難燃性電解液の有機溶媒に含有されるN−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物は、上記〔化4〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(1)で表される。
【0017】
上記一般式(1)で表される化合物において、X中のR1で表されるアルカントリイル基としては、エタントリイル、プロパントリイル、ブタントリイル、トリメチルプロパントリイル、トリメチルエタントリイル等があげられる。Aで表されるN−R2 中のR2 で表されるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチル、アミル、第2アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第2オクチル、2−エチルヘキシル等があげられる。Bで表されn価のアシル基またはカルバモイル基としては例えば、アセチル、ベンゾイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、サリチロイル、オキザロイル、マロニル、スクシニル、アジポイル、フタロイル、プロパン−1,2,3−トリカルボニル、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボニル等があげられる。B中のR3 で表されるアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン等があげられる。BおよびR4 で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチル、アミル、第2アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第2オクチル、2−エチルヘキシル、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエチル等があげられる。R2 とBが結合して形成するアルキレン基としてはエチレン、1,2−プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン等があげられ、オキサジアルキレン基としてはオキサジエチレン等があげられる。
【0018】
従って、上記一般式(1)で表される化合物としては、下記化合物No.1〜No.17等があげられる。しかし、これにより本発明はなんら制限されるものではない。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】
【化21】
【0036】
N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物の使用量は、電解液を構成する有機溶媒中、0.01〜30重量%が好ましく、0.1〜20重量%が特に好ましい。0.01重量%未満では十分な難燃化効果が得られないおそれがあり、30重量%を超えて添加すると電池としての特性を低下させるおそれがあるので好ましくない。
【0037】
有機溶媒としては、N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物以外に、通常非水電解液二次電池の電解液に用いられる有機溶媒が含まれる。このような有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、カーボネート化合物、ラクトン化合物、エーテル化合物、スルホラン化合物、ジオキソラン化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、ハロゲン化炭化水素化合物等があげられ、具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジメチルカーボネート、プロピレングリコールジメチルカーボネート、エチレングリコールジエチルカーボネート、ビニレンカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、モノグライムなどのエーテル類;スルホラン、3−メチルスルホランなどのスルホラン類;1,3−ジオキソランなどのジオキソラン類;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;その他メチルフォルメート、ジメチルホルムアミド、ジメチルチオホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、また、これらの複数の混合物であってもよい。これら有機溶剤のうち、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、スルホラン類およびジオキソラン類からなる群より選ばれた非水溶媒の一種以上を用いると電解質の溶解性、誘電率および粘度を向上させる点で優れるので好ましい。
【0038】
また、本発明に用いられる電解質塩としては、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4、LiAsF6、CF3 SO3 Li、N(CF3 SO2)2 Li、C(CF4SO2 )3Li 、LiI 、LiAlCl4 、NaClO4、NaBF4 、NaI 等があげられ、中でも、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4、LiAsF6などの無機塩並びにCF3 SO3 Li、N(CF3 SO2 )2Li、C(CF3SO2)3 Li などの有機塩からなる群より選ばれる一種または二種以上が電気特性に優れるので好ましい。
【0039】
上記電解質塩は、その電解液中の濃度が、0.1〜3.0モル/リットル、特に0.5〜2.0モル/リットルとなるように前記有機溶媒に溶解することが好ましい。該電解液の濃度が0.1モル/リットルより小さいと充分な電流密度が得られないことがあり、3.0モル/リットルより大きいと電解液の安定性を損なうことがある。
【0040】
また、有機溶媒には、N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物に加えて、さらに下記〔化22〕(前記〔化2〕と同じ)の一般式(2)または下記〔化23〕(前記〔化3〕と同じ)の一般式(3)で表されるリン化合物を含有させることにより難燃性がさらに向上する。
【0041】
【化22】
【0042】
【化23】
【0043】
上記一般式(2)または(3)で表されるリン化合物において、R1 、R2 、R3 、R4 で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、t−ブチル、イソブチルなどがあげられる。また、フッ素原子置換アルキル基としては、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、モノフルオロエチル、ペンタフルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、1,1,1−トリフルオロイソプロピル、1,3−ジフルオロ―2−プロピル、ヘキサフルオロイソプロピル、2,2,3,3,4,4,4−へプタフルオロイソプロピル、2,2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロピル、3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、パーフルオロ−t−ブチルなどがあげられる。R5 で表される炭素数2〜8の直鎖状または分枝状のアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、エチルエチレン等があげられる。
【0044】
上記一般式(2)で表されるリン化合物としては、トリメチルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルエチルプロピルホスフェート、メチルジエチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルメタンホスホネート、ジエチルメタンホスホネート、ジメチルエタンホスホネート、ジ−(2,2,2−トリフルオロエチル)メタンホスホネート、ジ−(2,2,2−トリフルオロエチル)エタンホスホネート等があげられる。
また、上記一般式(3)で表されるリン化合物としては、メチルエチレンホスフェート、メチルトリメチレンホスフェート、エチルエチレンホスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルエチレンホスフェート、メチル−2、2−ジメチル−1,3−プロピレンホスフェート、エチレンメタンホスホネート、エチレンエタンホスホネート等があげられる。
【0045】
上記一般式(2)または(3)で表されるリン化合物の使用量は、電解液を構成する有機溶媒100重量部に対して5〜200重量部が好ましく、10〜100重量部が更に好ましい。5重量部未満では十分な難燃化効果が得られないおそれがあり、200重量部を超えると、電気伝導率を低下させてしまうため、電池性能が低下するおそれがある。
【0046】
本発明の難燃性電解液は、有機溶媒に通常公知の方法により、N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物および必要に応じてリン化合物および前記電解質塩を溶解することにより調製することができる。
本発明の難燃性電解液は、一次または二次電池、特に、後述する非水電解液二次電池を構成する非水電解液として好適に用いられる。
【0047】
次に、本発明の非水電解液二次電池について詳述する。
本発明の非水電解液二次電池は、電解液として前述した本発明の難燃性電解液を用いたものである。
本発明の非水電解液二次電池を構成する有機溶媒および電解質塩以外の構成材料、即ち正極、負極、セパレーター等については特に制限を受けず、従来、非水電解液二次電池に用いられている種々の材料をそのまま使用することができる。
【0048】
ここで、上記正極を構成する正極活物質としては、例えば、TiS2、TiS3、MoS 3 、FeS2、Li(1-X) MnO2、Li(1-X) Mn2O4 、Li(1-X) CoO2、Li(1-X) NiO2、V2O 5 、V6O13 等があげられる。なお、該正極活物質の例示におけるXは0〜1の数を示す。
【0049】
また、上記負極を構成する負極活物質としては、例えば、リチウム、リチウム合金、スズ化合物等の無機化合物、炭素質材料、導電性ポリマー等があげられる。
【0050】
また、上記セパレーターとしては、例えば、熱可塑性樹脂製セパレーターが用いられ、該熱可塑性樹脂製セパレーターの製造に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリジメチルシロキサン等およびこれらの混合物があげられるが、特に、ポリオレフィンが成形加工性、耐薬品性、機械的強度などの観点から好ましい。
【0051】
また、上記熱可塑性樹脂製セパレーターは、短絡による発熱による電池内容物の噴出または爆発を防止するために、低融点熱可塑性樹脂製膜と高融点熱可塑性樹脂製膜あるいは不織布とを積層させたものなどの複層構造であってもよい。
【0052】
上記構成からなる本発明の非水電解液二次電池は、その形状には特に制限を受けず、偏平型(ボタン型)、円筒型、角型等、種々の形状の電池として使用できる。本発明の非水電解液二次電池としては、リチウムにより構成されるリチウム二次電池等があげられるが、これに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲において適宜その構成を変更したものも採用することができる。図1は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型の例を示したものである。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明は下記の実施例によって制限されるものではない。図2は、本発明の難燃性電解液を用いた、非水電解液二次電池であるリチウム二次電池の基本構成を示す概略図である。
【0054】
図2に示す非水電解液二次電池10であるリチウム二次電池は、少なくともリチウムまたはリチウム合金を活物質として構成される負極1、負極集電体2、正極3、正極集電体4、本発明の難燃性電解液である電解液5、セパレーター6、正極端子7及び負極端子8から構成されている。
尚、該リチウム二次電池は必要に応じて、非水電池に通常用いられる上記以外の構成材料を使用することが出来る。
【0055】
上記リチウム二次電池は、上記電解液5として、N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物(好ましくは前記一般式(1)で表される化合物)、さらに必要に応じて前記式一般式(2)または(3)で表されるリン化合物を含む本発明の難燃性電解液を用いているため、電解液の発火が抑制され、電池の安全性向上に有効なものである。
【0056】
〔電解液の難燃性および電気伝導率の評価方法〕
プロピレンカーボネート(PC):N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物:リン化合物=100:X:Y〔重量比〕からなる有機溶媒にLiPF6 を1モル/リットルの濃度で溶解した電解液を2mlシャーレに測り取り、5cmの炎のバーナーで5秒間燃焼させた後、バーナーを遮断してさらに3分間燃焼し続ける時の酸素指数(O.I.)を測定した。
また、インピーダンスメータを用い、10kH zで電気伝導率(cs/sm) を測定した。その結果を表1および表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【化24】
【0060】
【化25】
【0061】
上記の表1の結果より、電解液に本発明に係る化合物以外の2,2,6,6−テトラメチル−4 −ピペリジル化合物を含有させても、難燃性の向上効果は認められないばかりか、電気伝導率を低下させてしまう。また、ホスフェート化合物による難燃性の向上効果は小さく、多量に配合した場合には電気伝導率を低下させてしまう。
【0062】
これに対し、N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物、さらに必要に応じてリン化合物を含む本発明の難燃性電解液を用いると、少量の添加で電解液の難燃性を向上することが可能であり、安全性向上に有効である。
【0063】
【発明の効果】
本発明の難燃性電解液は、N−オキシル−2 、2 、6 、6 −テトラメチル−4−ピペリジル化合物、更に必要に応じて特定のリン化合物の添加することにより、電池としての性能を低下させることなく高度の難燃性を有するものである。
また、本発明の非水電解液二次電池は、電池としての性能に優れ、且つ、高度の難燃性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の非水電解液二次電池としてのリチウム二次電池(円筒型)の内部構造を断面として示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の非水電解液二次電池としてのリチウム二次電池の基本構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 負極
2 負極集電体
1' 負極板
1" 負極リード
3 正極
4 正極集電体
3' 正極板
3" 正極リード
5 電解液
6 セパレーター
7 正極端子
8 負極端子
10 非水電解液二次電池
11 ケース
12 絶縁板
13 ガスケット
14 安全弁
15 PTC素子
Claims (5)
- 上記有機溶媒が、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、スルホラン類およびジオキソラン類からなる群から選ばれた非水溶媒の一種以上を含む請求項1記載の非水電解液二次電池用難燃性電解液。
- 上記電解質塩が、リチウムイオンとPF6、BF4、ClO4およびAsF6の中から選ばれたアニオンとから形成される無機塩並びにリチウムイオンとSO3CF3、N(CF3SO2)2、C(CF3SO2)3およびこれらの誘導体の中から選ばれたアニオンとから形成される有機塩からなる群より選ばれる一種または二種以上である請求項1又は2記載の非水電解液二次電池用難燃性電解液。
- 電解液として、請求項1〜4の何れかに記載の難燃性電解液を用いたことを特徴とする非水電解液二次電池。
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