JP4229043B2 - グラビア印刷用版、積層セラミック電子部品の製造方法およびグラビア印刷装置 - Google Patents

グラビア印刷用版、積層セラミック電子部品の製造方法およびグラビア印刷装置 Download PDF

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Description

本願発明は、グラビア印刷用版、該グラビア印刷用版を用いてセラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の製造方法およびグラビア印刷装置に関する。
積層セラミック電子部品の代表的なものの1つである積層セラミックコンデンサは、例えば、図10に示すように、セラミック素子41中に、複数の内部電極42a,42bがセラミック層43を介して積層され、かつ、セラミック層43を介して互いに対向する内部電極42a,42bが交互にセラミック素子41の逆側の端面44a,44bに引き出されて、該端面に形成された外部電極45a,45bに接続された構造を有している。
このような構造を有する積層セラミックコンデンサは、通常、導電ペーストを印刷して表面に内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層するとともにその上下両面側に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層し、圧着することにより得られる積層体を焼成した後、焼成後の積層体(セラミック素子)の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて一対の外部電極を形成することにより製造されている。
そして、近年、生産性向上などの観点から、グラビア印刷法を用いて上述のような内部電極パターンなどの印刷を行う方法が広く用いられるようになっている。
このグラビア印刷法は、例えば、図11に示すように、セラミックグリーンシート51を、グラビアロール52とバックロール53の間を通過させ、グラビアロール52の表面の印刷パターン61(図12)に保持された導電性ペーストを、セラミックグリーンシート51の表面に転写することにより、セラミックグリーンシート51上に内部電極パターン54の印刷を行う方法であり、セラミックグリーンシートを間欠搬送する必要がなく、連続的に搬送しながら印刷を行うことができるため、近年注目されるに至っている。
ところで、グラビア印刷法においては、図12に示すように、円柱状のグラビアロール52の外周面に、印刷すべき図形パターン(内部電極パターン)54に対応する形状の印刷パターン(画線部)61が形成された版(グラビア印刷用版)が用いられており、印刷パターン61は、所定量の導電性ペースト(印刷ペースト)を確実に保持することができるように、一般に、図13に示すように、土手62で区切られた複数のセル63から構成されている(特許文献1)。
また、セラミックグリーンシートヘの導電性ペーストを目的とするものではないが、グラビアロール(グラビア円筒)への彫刻方法に関し、図14に示すように、千鳥状に曲がりくねった土手71を組み合わせてセル72を構成する方法が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、内部電極形成用の導電性ペースト(印刷ペースト)は一般的に高粘度であり、上記特許文献1のような、マトリックス状に配設された方形の複数のセルから印刷パターンが構成されたグラビア印刷用版を用いて、導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷すると、導電性ペーストがセラミックグリーンシートに転写される際に、導電性ペーストの糸引きが生じる。そして、この糸引きがランダムな方向に生じてしまうと、糸状の導電性ペーストどうしが重なったり、交差したりして印刷されることにより形成される図形パターン(印刷塗膜)の表面の平滑性が悪化し、図形パターンの形状精度の低下や、厚みばらつきを招いたりするという問題点がある。
また、上記特許文献2のように、千鳥状に曲がりくねった土手を組み合わせてセルを構成するようにした場合にも、斜めに隣り合ったセルの間(例えば、図14のセル72aとセル72bの間)で糸引きが生じやすいという問題がある。
そして、糸引きがランダムに発生すると、例えば、積層セラミックコンデンサ製造用のセラミックグリーンシートに内部電極パターンを印刷する場合に表面に凹凸が生じ、圧着時に局部的に応力が集中し、層間で内部電極パターンがつながってショート不良を引き起こしたり、局部的にセラミックシートの膜厚が薄くなり絶縁不良を引き起こしたりするという問題点がある。また、内部電極パターンの表面の平滑性が損なわれると、内部電極の周辺部に凹凸(輪郭の滲み)が発生し、容量のばらつきやセラミック積層体の側面と内部電極の周辺部との距離(ギャップ)が小さくなることによる品質劣化や不良率の増大を引き起こすという問題点がある。
特開平6−316174号公報 特開平7−261376号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、印刷ペーストである導電性ペーストまたはセラミックペーストを確実に保持するとともに、糸引きがランダムに発生することを抑制することが可能で、グラビア印刷により、平滑性や厚みの均一性に優れた図形パターンを形成することが可能なグラビア印刷用版、それを用いた積層セラミック電子部品の製造方法およびグラビア印刷装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)のグラビア印刷用版は、
グラビア印刷法により、印刷ペーストとして導電性ペーストまたはセラミックペーストを所定の図形パターンとなるように被印刷物上に印刷するためのグラビア印刷用版であって、
円筒状のグラビアロールの外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが複数形成されており、
前記印刷パターンが、屈曲部を有し、略印刷方向に沿って伸びる複数の印刷方向土手を互いに略平行に配設することにより形成されていること
を特徴としている。
また、請求項2のグラビア印刷用版は、請求項1記載のグラビア印刷用版の構成において、前記印刷方向土手が千鳥状に屈曲していることを特徴としている。
また、請求項3のグラビア印刷用版は、請求項1または2記載のグラビア印刷用版の構成において、互いに隣り合う前記印刷方向土手に挟まれた、印刷方向に伸びる開口領域、および、印刷パターンの略印刷方向に沿う側縁部と、複数の前記印刷方向土手のうち、前記側縁部に最も近い印刷方向土手との間に形成される開口領域の少なくとも一方を、印刷方向に所定の間隔をおいて仕切る印刷ペースト溜め用土手が配設され、かつ、各印刷ペースト溜め用土手の少なくとも一箇所に、前記印刷ペーストの印刷方向への流動を許容する切り欠き部が形成されていることを特徴としている。
また、請求項4のグラビア印刷用版は、請求項1〜3のいずれかに記載のグラビア印刷用版の構成における、各印刷パターンにおいて、前記印刷方向土手以外の開口領域の平面面積の、印刷パターンの単位面積に対する割合を、所定の領域において他の領域と異ならせたことを特徴としている。
また、請求項5のグラビア印刷用版は、請求項1〜4のいずれかに記載のグラビア印刷用版の構成における、各印刷パターンにおいて、前記印刷方向土手以外の開口領域の平面面積の、印刷パターンの単位面積に対する割合を、印刷方向に直交する方向の両端側において小さくしたことを特徴としている。
また、請求項6のグラビア印刷用版は、請求項1〜4のいずれかに記載のグラビア印刷用版の構成における、各印刷パターンにおいて、前記印刷方向土手以外の開口領域の平面面積の、印刷パターンの単位面積に対する割合を、印刷パターンの周辺部において、印刷パターンの中央部よりも小さくしたことを特徴としている。
また、本願発明(請求項7)の積層セラミック電子部品の製造方法は、請求項1〜6のいずれかに記載のグラビア印刷用版を用いて、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を備えていることを特徴としている。
また、本願発明(請求項8)のグラビア印刷装置は、
請求項1〜6のいずれかに記載のグラビア印刷用版と、
グラビア印刷用版に印刷ペーストとして、導電性ペーストまたはセラミックペーストを供給するペースト供給手段と、
グラビア印刷用版上の余剰の印刷ペーストをかき取るかき取り手段と、
グラビア印刷用版の印刷パターン内に充填された印刷ペーストを被印刷体に転写する転写部と、
前記転写部まで被印刷体を搬送する搬送手段と
を具備することを特徴としている。
本願発明(請求項1)のグラビア印刷用版は、グラビア印刷法により、印刷ペーストとして、導電性ペーストまたはセラミックペーストを所定の図形パターンとなるように被印刷物上に印刷するためのグラビア印刷用版において、円筒状のグラビアロールの外周面に、屈曲部を有し、略印刷方向に沿って伸びる複数の印刷方向土手を、互いに略平行に配設することにより、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンを形成するようにしているので、屈曲部を有する印刷方向土手により、印刷ペーストである導電性ペーストまたはセラミックペーストが印刷方向に流れ過ぎることを抑制し、屈曲部近傍の開口領域(屈折部開口領域)に必要な量印刷ペーストを溜めることが可能になるとともに、印刷ペーストの糸引きを、屈曲部を有する印刷方向土手に沿って生じさせることが可能になり、糸引きの重なりを抑制して、図形パターン(印刷塗膜)の平滑性や厚みの均一性を向上させることが可能になる。
なお、印刷方向に延びる直線状の土手を複数本形成した場合には、直線状の土手と土手との間には必要な量の印刷ペーストを溜めることができないが、本願発明のように、屈曲部を有する形状とすることにより、屈曲して袋小路状になった部分に印刷ペーストを溜めることが可能になる。
また、本願請求項1の発明にかかるグラビア印刷用版においては、印刷パターンが、屈曲はしているが印刷方向土手のみで形成されているため、版の設計を簡略化することが可能になり、製版を安定して、かつ、容易に行なうことが可能になるとともに、印刷方向土手の幅や深さのばらつきを小さくすることが可能になり、製版コストを抑えることが可能になる。
したがって、本願発明のグラビア印刷用版を用いることにより、コストの増大を招くことなく、グラビア印刷により、形状精度に優れ、厚みの均一な図形パターンを得ることが可能になる。
なお、本願発明において、印刷方向土手の具体的な形状や構成に特別の制約はなく、屈曲部を有する直線形状としたり、屈曲部を有する曲線形状としたりすることが可能である。また、主要部は直線形状で屈曲部のみを湾曲した形状にすることも可能である。すなわち、本願発明において、印刷方向土手は、曲線のみ、直線同士の組合せ、直線と曲線の組合せのいずれの態様で構成することも可能である。
また、通常、印刷方向土手の高さは、各印刷方向土手において等しく、また、個々の印刷方向土手の各部においても等しいことが望ましい。
なお、電子部品の内部電極パターン形成用のグラビア印刷用版においては、特殊なセル形状のものが使用されており、一般的には、エッチング製版の方法により製造されている。そして、エッチング製版においてセルの深さを変えるためには、エッチング時間やエッチング液の濃度を変化させる方法がとられる。しかしながら、このときサイドエッジ(エッチングにより形成される凹部の側壁)のエッチング量も変化し、印刷方向土手などの土手の幅・長さも変化することになる。そして、印刷方向土手の幅・長さが変動すると、印刷により形成される図形パターン(内部電極パターン)の平滑性が損なわれ、塗布厚を目標通りに制御することができなくなる。一方、印刷方向土手の幅・長さを一定にしたままエッチング深さを変えようとするとエッチング条件を決定するために、多くの労力を必要とし、特に、電子部品の内部電極パターンのように、品種や導電性ペーストのロット毎に塗布厚の変更が必要になるような用途の場合、その労力はさらに膨大となる。
これに対し、本願発明によれば、開口領域(セル)の深さを変えずに、印刷方向土手の設計(セルの設計)のみで塗布厚をコントロールすることが可能になり、エッチング条件を決定するための労力を大きく低減することが可能になり製版コストの低減を図ることが可能になる。
また、請求項2のグラビア印刷用版のように、印刷方向土手を千鳥状に屈曲した形状とすることにより、比較的簡単な構成で、印刷ペーストが印刷方向に流れ過ぎることを抑制して、必要な印刷ペーストを屈折部開口領域に溜めることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることが可能になる。
また、請求項3のグラビア印刷用版のように、互いに隣り合う前記印刷方向土手に挟まれた、印刷方向に伸びる開口領域、および、印刷パターンの略印刷方向に沿う側縁部と、複数の前記印刷方向土手のうち、前記側縁部に最も近い印刷方向土手との間に形成される開口領域の少なくとも一方を、印刷方向に所定の間隔をおいて仕切るように印刷ペースト溜め用土手を配設し、かつ、各印刷ペースト溜め用土手の少なくとも一箇所に、印刷ペーストの印刷方向への流動を許容する切り欠き部を形成するようにした場合、屈曲部開口領域に印刷ペーストを溜めることができるようになり、塗布厚のコントロール範囲を拡げることが可能になる。また、切り欠き部を形成することによって、そこから印刷ペーストが安定して流れるため、糸引きも切り欠き部に沿って生じることになり、糸引きがランダムに生じることによる、図形パターン(印刷塗膜)の表面の平滑性の低下を防止して、グラビア印刷により、形状精度に優れ、厚みの均一な図形パターンを形成することが可能になる。
また、請求項4のグラビア印刷用版のように、各印刷パターンにおいて、印刷方向土手以外の開口領域の平面面積の、印刷パターン(印刷方向土手と開口領域の両方を含む)の単位面積に対する割合を、所定の領域において他の領域と異ならせることにより、印刷パターンが印刷されることにより形成される図形パターンの、所定の領域における厚みを制御することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることが可能になる。
また、請求項5のグラビア印刷用版のように、各印刷パターンにおいて、印刷方向土手以外の開口領域の平面面積の、印刷パターン(印刷方向土手と開口領域の両方を含む)の単位面積に対する割合を、印刷方向に直交する方向の両端側において小さくした場合、印刷方向に直交する方向の両端側が厚くなりすぎることを抑制、防止して、厚みの均一な図形パターンを形成(印刷)することが可能になる。
また、請求項6のグラビア印刷用版のように、各印刷パターンにおいて、印刷方向土手以外の開口領域の平面面積の、印刷パターンの単位面積に対する割合を、印刷パターンの周辺部では、印刷パターンの中央部より小さくすることにより、被印刷物に形成された図形パターンがいわゆるサドル状(中央部の厚みが薄く、周辺部の厚みが厚い形状)になることを確実に防止して、厚みの均一な図形パターンを確実に形成することが可能になる。
また、本願発明(請求項7)の積層セラミック電子部品の製造方法は、請求項1〜6のいずれかに記載のグラビア印刷用版を用いて、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を備えているので、厚みが均一で、形状精度の高い内部電極を備えた、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、本願発明(請求項8)のグラビア印刷装置は、請求項1〜6のいずれかに記載のグラビア印刷用版と、グラビア印刷用版に印刷ペーストとして、導電性ペーストまたはセラミックペーストを供給するペースト供給手段と、グラビア印刷用版上の余剰の印刷ペーストをかき取るかき取り手段と、グラビア印刷用版の印刷パターン内に充填された印刷ペーストを被印刷体に転写する転写部と、転写部まで被印刷体を搬送する搬送手段とを備えているので、このグラビア印刷装置を用いて、印刷ペーストを印刷することにより、形状精度に優れ、厚みの均一な図形パターンを効率よく形成することが可能になる。なお、このグラビア印刷装置により、例えば、セラミックグリーンシート(被印刷体)に導電性ペーストを印刷することにより、形状精度が高く、厚みの均一な内部電極パターンを効率よく形成することが可能になる。
なお、本願発明のグラビア印刷装置においては、印刷ペーストである導電性ペーストまたはセラミックペーストの供給手段として、印刷ペーストを溜めたペースト槽にグラビアロールを浸漬するようにしたものや、グラビアロールの表面に印刷ペーストを注ぎかけるようにしたものなど、種々の構成のものを用いることが可能である。
また、グラビア印刷用版上の余剰の印刷ペーストをかき取るかき取り手段としては、ゴム製のブレードなどが例示されるが、その他の構成のものを用いることも可能である。
また、グラビア印刷用版の印刷パターン内に充填された印刷ペーストを被印刷体に転写する転写部の構成としては、圧胴により被印刷体(例えば、セラミックグリーンシート)をグラビアロールに押し付けるようにした構成のものなどが例示されるが、転写部の具体的な構成はこれに限られるものではなく、その他の構成とすることも可能である。
また、転写部まで被印刷体を搬送する搬送手段としては、巻き取りローラにより被印刷体(例えば、キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートなど)を巻き取って搬送するようにしたものや、ベルトコンベアを利用したものなどが例示されるが、その他の構成とすることも可能である。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本願発明の一実施例にかかるグラビア印刷用版を示す図、図2はこのグラビア印刷用版を備えたグラビア印刷装置の概略構成を示す図である。
本願発明のグラビア印刷用版を用いたグラビア印刷装置10は、積層セラミックコンデンサの製造工程において、セラミックグリーンシートに内部電極パターン形成用の導電性ペーストを印刷するために用いられるグラビア印刷装置であり、図2に示すように、表面に複数の印刷パターンPを備えたグラビアロール(グラビア印刷用版)1、導電性ペースト2を収容するペースト槽3、グラビアロール1に付着した過剰の導電性ペースト2をかき取るかき取り手段(ブレード)(例えばドクターブレードなど)4、バックロール(圧胴)5、セラミックグリーンシート6を搬送する巻き取りローラ(図示せず)などの搬送手段を備えている。なお、バックロール(圧胴)5によりセラミックグリーンシート6をグラビアロール1に押し付けることにより導電性ペースト2をセラミックグリーンシート6に転写する部分が本願発明のグラビア印刷装置における転写部となる。
そして、セラミックグリーンシート6を、グラビアロール1とバックロール5の間を通過させ、グラビアロール1の表面の印刷パターンPに保持された導電性ペースト2を、セラミックグリーンシート6の表面に転写することにより、セラミックグリーンシート6上に内部電極パターン7を印刷することができるように構成されている。
グラビアロール1への導電性ペースト2の供給は、上述のようなペースト槽3に溜めた導電性ペースト2へのグラビアロール1の浸漬により行われる。なお、上記ペースト槽3およびグラビアロール1を浸漬させる機構(図示せず)が本願発明のグラビア印刷装置におけるペースト供給手段を構成することになる。
ただし、グラビアロール1への導電性ペースト2の供給方法は、これに限られるものではなく、グラビアロール1の表面に導電性ペースト2を注ぎかける方法などを採用することも可能である。
なお、上述のようにして内部電極パターン7が印刷されたセラミックグリーンシートを、積層・圧着し、焼成および外部電極の形成を行うことにより、積層セラミックコンデンサが製造される。なお、キャリアフィルム上に導電性ペーストを印刷して、セラミックグリーンシートに転写して内部電極パターンとすることも可能である。
そして、グラビア印刷装置に用いられているグラビア印刷用版は、円筒状のグラビアロール1の外周面に、複数の印刷パターンPを配設することにより形成されており、印刷パターンPは、図1に示すように、屈曲部12を有し、印刷方向(矢印Aで示す方向)に沿って伸びる複数の印刷方向土手13を、互いに略平行に配設することにより形成されている。なお、この実施例1では、印刷方向土手13は千鳥状に屈曲している。
また、印刷パターンPを構成する印刷方向土手13のうち、隣り合う一対の印刷方向土手13についてみると、印刷方向Aに直交する方向についてみた場合、一対の印刷方向土手13の間隔Gは、印刷方向のいずれの位置においてもほぼ同一となっている。
各印刷パターンPにおいて、印刷方向土手13以外の開口領域14、例えば、隣り合う印刷方向土手13により挟まれて形成される開口領域(凹部)14a、印刷パターンPの略印刷方向Aに沿う側縁部Psと、複数の印刷方向土手13のうち、側縁部Psに最も近い印刷方向土手13(113)との間に形成される開口領域(凹部)14bの平面面積の、印刷パターンP(印刷方向土手13と開口領域14(14a,14b)の両方を含む)の単位面積に対する割合が、印刷パターンPの周辺部においては、印刷パターンPの中央部よりも小さくなるように構成されている。なお、この実施例では、印刷パターンPの周辺領域では印刷方向土手13の幅を大きくする(すなわち、大幅部13aを設ける)ことにより、印刷パターンPの周辺部においては、開口領域(凹部)14bの平面面積の、印刷パターンPの単位面積に対する割合が、印刷パターンPの中央部よりも小さくなるようにしている。
なお、上述の印刷パターンPの各部の条件は以下の通りである。
印刷方向土手の幅:5μm,20μm(大幅部)
印刷方向土手の屈曲部の角度(屈曲角度)θ:36°
屈曲部のピッチp1:200μm
印刷方向土手の間隔G:170μm
印刷方向土手の印刷方向Aに直交する方向の屈曲部間距離H:170μm
開口領域(凹部)の深さ:21μm(セル中央部)
上述のように外周面にグラビア印刷用版が形成された(グラビアロール)1を備えたグラビア印刷装置10を用い、図2に示すように、セラミックグリーンシート6を、グラビアロール1とバックロール5の間を通過させ、グラビアロール1の表面の印刷パターンPに保持された導電性ペースト2を、セラミックグリーンシート6の表面に転写することにより、セラミックグリーンシート6上に、厚みが均一で、表面の平滑性に優れた内部電極パターン7を印刷することが可能になる。
なお、上記実施例1のグラビア印刷用版においても、通常のグラビア印刷用版と同様に、通常は、内部電極パターン(図形パターン)7の印刷開始部のカスレや印刷終了部のニジミを防止するための対策をとることが必要になるが、本願発明はかかる対策をとることを何ら妨げるものではなく、本願発明の構成は、内部電極パターン(図形パターン)7のうち、印刷開始部のカスレや印刷終了部を除く部分に適用することができる。なお、印刷ペーストの特性により、印刷開始部のカスレや印刷終了部のニジミを防止するための対策をとることが必要でない場合には、内部電極パターン(図形パターン)の全面に適用することも可能である。
また、図3は、本願発明のグラビア印刷用版の変形例を示す図である。この図3のグラビア印刷用版では、印刷方向土手13の間隔を、図1に示す上記実施例1のグラビア印刷用版と同一にする一方、屈曲部12のピッチp1を300μm(図1の上記実施例1では200μm)とし、かつ、印刷方向土手の屈曲部の角度(屈曲角度)θを62°(上記実施例1では36°)とした。なお、図3において、図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
上述のように、屈曲部12のピッチp1を大きくするとともに、屈曲角度θを62°と大きくすることにより、屈曲し、袋小路状になった屈曲部開口領域14cに溜まるペースト量が少なくなり、導電性ペースト2の塗布厚を薄くすることが可能になる。
なお、図1に示す実施例1のグラビア印刷用版と、図3に示す変形例のグラビア印刷用版を用い、屈曲部12のピッチp1と、屈曲部の角度(屈曲角度)θ以外の条件を同一とし、
導電性ペーストの粘度:20Pa・S
印刷速度15m/min
の条件で導電性ペースト2を印刷した結果、形成された図形パターンの厚みは、表1に示すように、実施例1のグラビア印刷用版を用いた場合には1.2μmであるのに対し、変形例(図3)のグラビア印刷用版を用いた場合には1.0μmとなり、図形パターンの厚みが薄くなることが確認された。
Figure 0004229043
また、図4は、本願発明のグラビア印刷用版の他の変形例を示す図である。
この図4のグラビア印刷用版においては、進行方向に直交する方向の中央領域では印刷方向土手13の配設間隔を広くし、進行方向に直交する方向の両端側領域では、印刷方向土手13の配設間隔を狭くするとともに、印刷方向に沿う方向の前方側領域と、後方側領域では、印刷方向土手13の幅を大きくすることにより、開口領域14a,14bの平面面積の、印刷パターンPの単位面積に対する割合が、印刷パターンPの中央部よりも小さくなるようにしている。なお、図4において、図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
この図4に示すように構成されたグラビア印刷用版を用いた場合にも、セラミックグリーンシート6上に、厚みが均一で、表面の平滑性に優れた内部電極パターン7を印刷することが可能になる。
なお、印刷方向土手13の間隔が200μm程度(通常は、例えば100〜350μmの範囲)の場合には、印刷方向土手13の間隔が狭くなるにつれて塗布厚は薄くなり、間隔が広くなるにつれて塗布厚は厚くなる傾向がある。なお、隣り合う印刷方向土手13の間隔が広くなりすぎると導電性ペースト2が印刷方向に流動してしまい、かえって塗布厚が薄くなる傾向がある。
また、図5は本願発明のさらに他の実施例にかかるグラビア印刷用版を示す図である。このグラビア印刷用版は、印刷方向土手13の平面形状を曲線形状としたものであり、屈曲部12を湾曲した形状としたものである。その他の構成は、図1に示すグラビア印刷用版と同様であることから、重複を避けるため説明を省略する。なお、図5において、図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
この図5のグラビア印刷用版のように、印刷方向土手13の形状を曲線状とすることにより、印刷パターンPへの導電性ペースト2の供給時および印刷時に導電性ペースト2をより円滑に流動させることが可能になる。また、版からの不要な導電性ペーストの除去(掃除)も容易になり、残留導電性ペーストに起因する不具合の発生を抑制する見地からも望ましい。
なお、図6(a),(b)は、導電性ペースト2の供給時における導電性ペースト2の流動状態、図7(a),(b)は、印刷時における導電性ペースト2の流動状態を示す図である。
図6(a),(b)に示すように、ブレードにてグラビア印刷用版上の余分な導電性ペースト2を掻き取る際には、矢印Yで示すような導電性ペースト2の流動が生じ、屈曲し、袋小路状になった屈曲部開口領域14cに導電性ペースト2が充填される。なお、屈曲し、袋小路状になった屈曲部開口領域14cに導電性ペースト2が溜められることにより、印刷パターンPに、良好な印刷を行うために必要な量の導電性ペースト2を保持させることが可能になる。
なお、図6(a),(b)において、図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
また、転写時には、互いに隣り合う2本の印刷方向土手13により囲まれた開口領域14aにおいては、図7(a),(b)に示すように、糸引き方向が印刷方向の一方向に限定される。
特に隣り合う印刷方向土手13の印刷方向に直交する方向の間隔が、印刷方向のいずれの位置においてもほぼ同一であることから、ブレードによる掻き取り時の導電性ペースト2の流れや転写時の糸引きが隣り合う印刷方向土手間で交わることが抑制される。そのため電子部品の電極形成用の導電性ペーストのように、金属含有率が高く、高粘度の導電性ペーストを印刷ペーストとして用いる場合にも、糸引きが印刷方向と斜めに走ることが抑制され、糸引きの離散・融合・中断などがアトランダムに発生することがない。その結果、導電性ペーストが印刷されることにより形成される図形パターン(塗膜)の表面の凹凸を小さくして、平滑性に優れ、厚みの均一な図形パターン(内部電極パターン)を形成することが可能になる。
なお、図7(a),(b)において、図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
上述の実施例1および各変形例のグラビア印刷用版のように、屈曲部を有する印刷方向土手13のみから印刷パターンを形成することにより、版の設計を簡単に行うことが可能になるとともに、製版を安定して行うことが可能になり、コストの低減を図ることができる。
また、この実施例1および各変形例のように構成されたグラビア印刷用版を用いることにより、被印刷物上に、効率よくしかも高い形状精度で導電性ペースト(図形パターン)を印刷することができるようになるため、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
なお、電子部品の電極形成用の導電性ペーストの粘度は、0.1〜40Pa・S程度と、通常のグラビア印刷に使用されているインクの粘度より高く、また、印刷塗布厚も0.5〜2μmと、通常のグラビア印刷に使用されているインクの塗布厚よりも厚いが、このような条件下においても、上述のようなグラビア印刷用版を用いることにより、平滑な図形パターンを得ることができる。
図8は本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるグラビア印刷用版を示す図である。このグラビア印刷用版においては、互いに隣り合う印刷方向土手13に挟まれた、印刷方向(矢印Aで示す方向)に伸びる領域(開口領域)14(14a)、印刷パターンPの略印刷方向Aに沿う側縁部Psと、複数の印刷方向土手13のうち、側縁部Psに最も近い印刷方向土手13(113)との間に形成される開口領域(凹部)14bを、印刷方向に所定の間隔をおいて仕切るように印刷ペースト溜め用土手23が配設されており、各印刷ペースト溜め用土手23の少なくとも一箇所には、印刷ペースト(導電性ペースト)2の印刷方向への流動を許容する切り欠き部23aが形成されている。
なお、その他の構成は、図1のグラビア印刷用版と同様であることから、重複を避けるため、説明を省略する。なお、図8において、図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
この実施例2のグラビア印刷用版のように、切り欠き部23aを備えた印刷ペースト溜め用土手23を設けることにより、印刷ペーストが粘度の低いペーストである場合にも、印刷ペーストを印刷することにより形成される図形パターン(塗膜)の表面の凹凸を小さくすることが可能になる。また、印刷ペースト溜め用土手23と印刷方向土手13の屈曲部12の相乗効果により、ブレードによる掻き取り後にも、必要な印刷ペーストを開口領域14(特に屈曲部開口領域14cの近傍)に溜めることが可能になり、信頼性の高い印刷を行って、形状精度の高い図形パターンを得ることが可能になる。
なお、図1に示す実施例1のグラビア印刷用版と、図8に示すこの実施例2のグラビア印刷用版を用い、以下の条件で、導電性ペーストを印刷した結果、形成された図形パターンの厚みは、表2に示すとおりである。
印刷方向土手の幅:実施例1および実施例2とも5μm,20μm(大幅部)
印刷方向土手の屈曲部の角度(屈曲角度)θ:実施例1;36°、実施例2;62°
屈曲ピッチp1:実施例1;200μm、実施例2;350μm
印刷方向土手の間隔G:実施例1および実施例2とも170μm
印刷方向土手の印刷方向Aに直交する方向の屈曲部間距離H:実施例1;170μm、実施例2;120μm
開口領域(凹部)の深さ:実施例1および実施例2とも21μm(セル中央部)
導電性ペーストの粘度:25Pa・S
印刷速度:15m/min
Figure 0004229043
また、図9(a),(b),(c)は上記実施例2のグラビア印刷用版の変形例を示す図である。
図9(a),(b),(c)に示すように、印刷ペースト溜め用土手23を配設する位置により、導電性ペーストを印刷することにより形成される図形パターン(塗膜)の厚みの増加程度が変化する。
すなわち、図9(a)に示すように、屈曲部12の山側に印刷ペースト溜め用土手23を設けた場合には、図形パターンの厚みが大きくなる。これは、各印刷ペースト溜め用土手23の切り欠き部23aが、1本の印刷ペースト溜め用土手についてみた場合に、印刷方向にジグザグに配設されているため、ブレードにより導電性ペースト2を掻き取る際に、導電性ペースト2が流れにくく、導電性ペースト2の保持量が多くなることによる。
一方、図9(c)に示すように、屈曲部12の谷側に印刷ペースト溜め用土手23を設けた場合には、図形パターンの厚みが薄くなる。これは、各印刷ペースト溜め用土手23の切り欠き部23aが、1本の印刷ペースト溜め用土手についてみた場合に、印刷方向に直線上に並ぶことになるため、ブレードにより導電性ペースト2を掻き取る際に、導電性ペースト2が流れやすくなることによる。
また、図9(b)は上述の図9(a)と図9(c)の中間となる。
このように、印刷ペースト溜め用土手23の配設位置により、図形パターンの厚みをコントロールすることが可能である。
なお、印刷ペースト溜め用土手23の切り欠き部23aの幅H1(図8)は、電子部品の内部電極パターン形成用の高粘度の導電性ペーストを印刷する場合には、印刷ペースト溜め用土手23の幅H2(図8)より広いことが望ましい。また、この切り欠き位置は形成すべき図形パターンの形状や、目標とする印刷厚みなどを考慮して定めることが望ましい。
また、上記実施例では、積層セラミックコンデンサ用の内部電極パターンを印刷する際に用いられるグラビア印刷用版を例にとって説明したが、本願発明は積層セラミックコンデンサ以外の種々の電子部品を製造する場合において、その電極パターンを印刷する場合に適用することが可能である。
また、本願発明のグラビア印刷用版は、導電性ペーストを印刷する場合に限らず、セラミックペーストを印刷する場合に適用することが可能であり、セラミックペーストを印刷してセラミックグリーンシートを形成する場合などにも適用することが可能である。
なお、本願発明は、その他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、印刷パターンや図形パターン、印刷パターンを構成する印刷方向土手や印刷ペースト溜め用土手の具体的な形状や配設数、本願発明のグラビア印刷用版を用いて、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、コストの増大を招くことなく、グラビア印刷により、形状精度に優れ、厚みの均一な図形パターンを得ることが可能になる。
したがって、本願発明は、グラビア印刷装置などの分野や、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品の製造工程などに広く用いることが可能である。
本願発明の一実施例にかかるグラビア印刷用版を示す図である。 本願発明の一実施例にかかるグラビア印刷用版を備えたグラビア印刷装置の概略構成を示す図である。 本願発明の一実施例にかかるグラビア印刷用版の変形例を示す図である。 本願発明の一実施例にかかるグラビア印刷用版の他の変形例を示す図である。 本願発明の一実施例にかかるグラビア印刷用版のさらに他の変形例を示す図である。 (a),(b)は本願発明の実施例にかかるグラビア印刷用版に印刷ペースト(導電性ペースト)を供給し、ブレードによりかき取る際の印刷ペースト(導電性ペースト)の流れを説明する図である。 (a),(b)は本願発明の実施例にかかるグラビア印刷用版を用いて印刷ペースト(導電性ペースト)を印刷する際の印刷ペースト(導電性ペースト)の流れを説明する図である。 本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるグラビア印刷用版を示す図である。 (a),(b),(c)は本願発明の実施例2のグラビア印刷用版の変形例を説明する図である。 積層セラミックコンデンサの構造を示す断面図である。 グラビア印刷法の概要を説明する図である。 表面に印刷パターン(画線部)を備えたグラビアロールを示す斜視図である。 従来のグラビア印刷用版の構成を示す図である。 従来の他のグラビア印刷用版を示す図である。
符号の説明
1 グラビアロール(グラビア印刷用版)
2 導電性ペースト
3 ペースト槽
4 かき取り手段(ブレード、ドクターブレード)
5 バックロール(圧胴)
6 セラミックグリーンシート
7 内部電極パターン
10 グラビア印刷装置
11 印刷パターン
12 屈曲部
13 印刷方向土手
13a 大幅部
14 開口領域
14a 開口領域(凹部)
14b 開口領域(凹部)
14c 屈曲部開口領域
23 印刷ペースト溜め用土手
23a 切り欠き部
113 側縁部に最も近い印刷方向土手
A 印刷方向
P 印刷パターン
p1 屈曲部のピッチ
Ps 側縁部
G 印刷方向土手の間隔
H 屈曲部間距離
H1 切り欠き部の幅
H2 印刷ペースト溜め用土手の幅
Y 矢印
θ 屈曲部の角度

Claims (8)

  1. グラビア印刷法により、印刷ペーストとして導電性ペーストまたはセラミックペーストを所定の図形パターンとなるように被印刷物上に印刷するためのグラビア印刷用版であって、
    円筒状のグラビアロールの外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが複数形成されており、
    前記印刷パターンが、屈曲部を有し、略印刷方向に沿って伸びる複数の印刷方向土手を互いに略平行に配設することにより形成されていること
    を特徴とするグラビア印刷用版。
  2. 前記印刷方向土手が千鳥状に屈曲していることを特徴とする請求項1記載のグラビア印刷用版。
  3. 互いに隣り合う前記印刷方向土手に挟まれた、印刷方向に伸びる開口領域、および、印刷パターンの略印刷方向に沿う側縁部と、複数の前記印刷方向土手のうち、前記側縁部に最も近い印刷方向土手との間に形成される開口領域の少なくとも一方を、印刷方向に所定の間隔をおいて仕切る印刷ペースト溜め用土手が配設され、かつ、各印刷ペースト溜め用土手の少なくとも一箇所に、前記印刷ペーストの印刷方向への流動を許容する切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のグラビア印刷用版。
  4. 開口領域の平面面積の、印刷パターンの単位面積に対する割合を、所定の領域において他の領域と異ならせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグラビア印刷用版。
  5. 各印刷パターンにおいて、前記印刷方向土手以外の開口領域の平面面積の、印刷パターンの単位面積に対する割合を、印刷方向に直交する方向の両端側において小さくしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のグラビア印刷用版。
  6. 各印刷パターンにおいて、前記印刷方向土手以外の開口領域の平面面積の、印刷パターンの単位面積に対する割合を、印刷パターンの周辺部において、印刷パターンの中央部よりも小さくしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のグラビア印刷用版。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のグラビア印刷用版を用いて、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を備えていることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のグラビア印刷用版と、
    グラビア印刷用版に印刷ペーストとして、導電性ペーストまたはセラミックペーストを供給するペースト供給手段と、
    グラビア印刷用版上の余剰の印刷ペーストをかき取るかき取り手段と、
    グラビア印刷用版の印刷パターン内に充填された印刷ペーストを被印刷体に転写する転写部と、
    前記転写部まで被印刷体を搬送する搬送手段と
    を具備することを特徴とするグラビア印刷装置。
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