JP2019006126A5 - - Google Patents

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JP2019006126A5
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印刷版、該印刷版を備えた印刷装置、および積層セラミック電子部品の製造方法
本発明は、グラビア印刷版などの印刷版、印刷装置、および積層セラミック電子部品の製造方法に関し、詳しくは、例えば、電子部品の製造工程において導電性ペーストやセラミックペーストなどの印刷ペーストをセラミックグリーンシートなどの印刷対象物に印刷するために用いられる印刷版、該印刷版を備えた印刷装置、および積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
容量形成用の内部電極を備えた積層セラミックコンデンサや、配線回路を備えたセラミック多層基板などを製造する場合、内部電極や、配線回路を形成する方法として、例えば、凹版印刷用の印刷版を用いてセラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷する、グラビア印刷法などの方法が広く知られている。
なお、電子部品の製造工程で、絶縁膜や、抵抗膜などを形成する場合にもセラミックペーストや抵抗ペーストを印刷する方法として、上述のような凹版印刷用の印刷版を用いて印刷を行う方法が広く適用されている。
ところで、電子部品の電極形成用の導電性ペーストとしては、例えば、1〜40Pa・s程度の粘度を有するものが用いられる。
そして、導電ペーストは製品である電子部品の特性に合わせて適宜選択して用いられるため、電子部品の種類によって導電性ペーストの粘度も変わることになる。広い粘度範囲を有する導電性ペーストを印刷するにあたっては、一律に同じ印刷パターンを有する印刷版を用いた場合には、意図するような図形パターン(印刷塗膜)が得られるように印刷することは難しいのが実情である。
すなわち、粘度の異なる導電性ペーストを印刷して、意図するような図形パターンが得られるように印刷するためには、導電性ペーストの粘度に合わせた印刷パターンを備えた印刷版が必要であるが、導電性ペーストと印刷パターンのすりあわせを行うことは容易ではないという問題点がある。
また、印刷に用いられる導電性ペーストの粘度の領域も、近年0.01〜80Pa・sとより広い範囲に広がり、印刷塗膜の平滑性、平坦性が悪化する現象が発生するようになっている。
このようなグラビア印刷に関する技術として、特許文献1には、円筒状のグラビアロールの外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが複数形成されており、印刷パターンが、屈曲部を有し、略印刷方向に沿って伸びる複数の印刷方向土手を互いに略平行に配設することにより形成されたグラビア印刷用版が開示されている。
そして、特許文献1には、図17に示すように、印刷パターンP1を構成する印刷方向土手113の屈曲部112の角度θを、図17に示すように鋭角にしたり、図18に示すように、印刷パターンP1の屈曲部112を湾曲した形状としたりすることが開示されている。なお、図17および図18に印刷パターンP1においては、矢印Aで示す方向が印刷方向となる。
しかしながら、特許文献1のグラビア印刷版の場合、屈曲部(折り返し部分)112における導電性ペーストの転写・糸引きの挙動が、導電性ペーストの粘度により変化し、印刷厚、塗膜の平滑性などにばらつきが生じるという問題点がある。
また、導電性ペーストが印刷されることにより形成される図形パターンの周縁部が盛り上がる、いわゆるサドル現象の発生を抑制防止するために、図17、図18に示すように、印刷パターンP1の周辺領域では印刷方向土手113の幅を大きくする(すなわち、大幅部113aを設ける)ようにしているが、特許文献1では印刷パターンP1が上述のような屈曲パターンとされているため、印刷された図形パターンの外周の直線性が悪化するという問題点がある。
また、特許文献1のグラビア印刷版の場合、印刷方向(矢印Aで示す方向)に直交する方向の寸法である幅方向寸法が、例えば200μm以下の細い図形パターンを形成する場合においては、印刷方向に平行な側縁部の直線性が低下する傾向がある。
また、従来の印刷パターンとして、例えば図19に示すように、矩形のセル121が複数個連続して配置され、セル121間の土手122によって、隣り合うセルが仕切られた構成を有する印刷パターンP2が考えられている。しかし、このように構成された印刷パターンP2の場合、高粘度の導電性ペーストの印刷膜を平滑に形成することが難しいという問題点がある。
そこでそのような問題点を解決するために、図20に示すように、印刷方向(矢印Aで示す方向)に隣り合うセル131の間を仕切る土手132に、印刷方向に沿って、交互の位置に切欠き133を形成した印刷パターンP3が考えられ、実際に用いられている。この印刷パターンP3の場合、セル131に充填された導電性ペーストは、セラミックグリーンシートなどの印刷対象物に印刷(転写)される際に、土手132上でセル131から、印刷対象物への糸引きを安定して発生させながら転写されるため、印刷された図形パターンの平滑性を確保することが可能になる。
しかしながら、この印刷パターンP3の場合、印刷ペーストが印刷されることにより形成される図形パターン(印刷図形)の幅方向の寸法(印刷方向と直交する方向の寸法)が小さくなると、上述のようなセルが印刷方向に直交する方向に複数個配設された構成を実現することができなくなるため、幅方向の寸法の小さい、細い図形パターンには対応できないという問題点がある。
また、特に図示しないが、特許文献2にも、印刷方向に直交する方向の両側の端部に端部土手が形成されているとともに、印刷方向に直交する方向の中央領域にも複数の土手が配設された印刷パターンが提案されている。しかし、この印刷パターンの場合も、幅方向の寸法の小さい、細長い図形パターンには対応できないという問題点がある。
特開2006−110916号公報 特開2012−71533号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、例えば導電性ペーストを印刷して内部電極パターンなどの図形パターンを形成する場合、特に、印刷方向に直交する方向の寸法(幅方向寸法)が小さい図形パターンを形成する場合において、印刷方向に沿う側縁部(側辺)の直線性に優れ、かつ、平坦性が良好な図形パターンを形成することが可能な印刷版、該印刷版を備えた印刷装置、および積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の印刷版は、
印刷ペーストを所定の図形パターンとなるように印刷対象物上に印刷するための凹版印刷用の印刷版であって、
版材の表面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが複数形成され、
前記印刷パターンは、印刷が進行する方向である印刷方向に沿う一方側縁部から、前記一方側縁部に対向する他方側縁部に向かって突出する、前記印刷方向に所定の間隔をおいて配設された複数の一方側土手と、前記他方側縁部から、前記一方側縁部に向かって突出する、前記印刷方向に所定の間隔をおいて配設された複数の他方側土手と、前記一方側土手と前記他方側土手との間に配設され、前記印刷方向に沿う方向に伸びる印刷方向土手とを備えること
を特徴としている。
本発明の印刷版においては、前記印刷方向土手は、1つだけ配設されていてもよい。
また、前記印刷方向土手は、印刷開始側から印刷終了側まで連通する土手であってもよい
また、前記印刷方向土手には、前記印刷方向に所定の間隔をおいて切り欠きが形成されていてもよい。
また、前記印刷方向土手には、前記印刷方向における所定の位置から前記一方側土手あるいは前記他方側土手に向かって突出する突出土手が配設されていてもよい。
また、前記印刷方向土手は、前記印刷方向における所定の位置から前記一方側土手および前記他方側土手に向かって突出する突出土手が配設されていてもよい。
また、前記印刷パターンの前記印刷方向に直交する方向の寸法は、100μm以上300μm以下であってもよい。
本発明の印刷版においては、前記一方側土手が前記他方側縁部に向かって、前記他方側土手が前記一方側縁部に向かって、それぞれ前記印刷方向に対して直交する方向に突出していてもよい。
一方側土手と他方側土手が、対向する他方側縁部あるいは一方側縁部に向かって、印刷方向に対して直交する方向に突出している場合、一方側土手および他方側土手の基端部で、印刷ペーストの糸引きを連続して、安定的に発生させることが可能になり、印刷方向に沿う側縁部の直線性に優れ、かつ、平坦性の良好な、図形パターン(印刷図形)を確実に形成することが可能になる。
また、複数の前記一方側土手のそれぞれと、複数の前記他方側土手のそれぞれとが、前記印刷方向に対して直交する方向において、互いに正対する位置に配設されていてもよい。
上記構成とすることにより、印刷ペーストの糸引きを安定して生じさせることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、複数の前記一方側土手のそれぞれと、複数の前記他方側土手のそれぞれとが、前記印刷方向に対して直交する方向において、互いに正対しない位置に配設されていてもよい。
本発明の印刷版においては、一方側土手のそれぞれと、他方側土手のそれぞれとが、印刷方向に対して直交する方向において、互いに正対しない位置に配設することも可能である。
このように構成することにより、良好な印刷を行うために必要な土手どうしの間隔、すなわち、一方側土手と他方側土手の間隔、一方側土手どうしの間隔、他方側土手どうしの間隔を十分に確保しつつ、印刷パターンの幅を狭くすることが可能になる。その結果、一方側土手と他方側土手とを正対させている場合には困難な、印刷方向に直交する方向の寸法が100μm以下、特に30μm程度の細い図形パターン(印刷図形)を、印刷方向に沿う側縁部の直線性および厚みの均一性を確保しつつ形成することが可能になる。
なお、一方側土手と他方側土手とが正対しないように両者を配設する態様としては、一方側土手のそれぞれが、印刷方向に所定の間隔をおいて配設されている他方側土手の中間に位置し、他方側土手のそれぞれが、印刷方向に所定の間隔をおいて配設されている一方側土手の中間に位置するように配設されている態様が例示されるが、場合によっては、中間からずれた位置に配設することも可能である。
また、前記印刷パターンを、前記印刷方向に沿う方向についてみた場合に、前記一方側土手の先端領域が、前記他方側土手の先端と重なり合わないように構成されていてもよい。
印刷パターンを、印刷方向に沿う方向についてみた場合に、一方側土手の先端が、他方側土手の先端と重なり合わないように構成されている場合、セル部の印刷方向に直交する方向の内側には、印刷方向に沿って、一方側土手も他方側土手も存在しないセル部が形成されるため、セル部に充填される印刷ペーストの量を十分に確保して、必要な厚みを有する図形パターンを形成することが可能になる。
また、前記一方側土手の先端と、前記他方側土手の先端とが、前記印刷方向上流側に曲折していてもよい。
一方側土手の先端と、他方側土手の先端を、印刷方向上流側に曲折させることにより、転写時の印刷ペーストの糸引きが円滑になり、印刷ペーストが印刷されることにより形成される図形パターンの形状を安定化させることが可能になるとともに、平坦性(厚みの均一性)を向上させることができる。
また、互いに隣り合う前記一方側土手の、前記他方側縁部に向かっての基端部からの寸法が異なり、かつ、互いに隣り合う前記他方側土手の、前記一方側縁部に向かって突出寸法が異なるように構成することも可能である。
互いに隣り合う一方側土手の、他方側縁部に向かっての基端部からの寸法を異ならせ、かつ、互いに隣り合う他方側土手の、一方側縁部に向かって突出寸法を異ならせるように構成することによっても、印刷ペーストの性状や、印刷条件などにかかわらず、印刷ペーストの糸引きの状態を、安定させることが可能になり、信頼性の高い印刷を行うことが可能になる。
また、前記一方側土手の間隔が一定で、かつ、前記他方側土手の間隔が一定になるように構成されていてもよい。
一方側土手と他方側土手のそれぞれを、印刷方向に等間隔で配設するようにした場合、印刷ペーストの糸引きの状態を、印刷パターン内の位置によらずに安定させることが可能になり、信頼性の高い印刷を行うことが可能になる。
また、前記一方側土手、前記他方側土手、および、前記印刷方向土手が占める領域を除いた領域であって、前記印刷ペーストが充填される領域であるセル部の底部の一部領域に、他の領域よりも深さの深い凹部が形成されていてもよい。
セル部の底部の一部領域に、他の領域よりも深さの深い凹部を設けることによりセル部に充填される印刷ペーストの量を増やすことが可能になり、塗膜厚みの厚い図形パターンを形成することが可能になる。
また、本発明の印刷装置は、上記本発明の印刷版を具備することを特徴としている。
また、本発明のセラミック電子部品の製造方法は、上記本発明の印刷版を用いて、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に印刷ペーストとして導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を備えていることを特徴としている。
本発明の印刷版において、印刷パターンは、印刷方向に沿う一方側縁部から、一方側縁部に対向する他方側縁部に向かって突出する、印刷方向に所定の間隔をおいて配設された複数の一方側土手と、他方側縁部から、一方側縁部に向かって突出する、印刷方向に所定の間隔をおいて配設された複数の他方側土手と、一方側土手と他方側土手との間に配設され、印刷方向に沿う方向に伸びる印刷方向土手とを備えていることから、本発明の印刷版を用いて印刷ペーストを印刷することにより、印刷ペーストがセル部からセラミックグリーンシートなどの印刷対象物に転写(印刷)される際に、連続した糸引きを、安定して発生させることが可能になる。そして、その結果として、印刷ペーストが印刷されることにより形成される図形パターン(印刷図形)の、印刷方向に沿う側縁部の直線性に優れ、かつ、平坦性が良好で厚みの均一な図形パターンを形成することが可能になる。
すなわち、印刷方向に沿う側縁部の直線性と平坦性に優れた図形パターンが得られるようにするためには、印刷パターンからの印刷ペーストの転写時に、各セルで糸引きが安定して生じるようにすることが重要であるが、本発明の印刷版によれば、印刷ペーストの転写時における糸引きが、印刷パターンを構成する上記一方側土手および他方側土手の基端部、つまり、印刷パターンの一方側縁部および他方側縁部で連続して発生し、印刷パターン全体で一つのセルから、まとまって印刷ペーストが印刷対象物に転写されることになるため、一方側土手および他方側土手が設けられていない印刷版を用いる場合に比べて、連続して、安定的に糸引きを発生させることが可能になる。
そして、このような連続した糸引きが安定して発生することにより、印刷方向に沿う側縁部の直線性に優れ、かつ、平坦性の良好な、図形パターン(印刷図形)が得られる。
また、本発明の印刷装置は、上記の印刷版を備えているので、この印刷装置を用いて、印刷ペーストを印刷することにより、形状精度に優れ、厚みの均一な図形パターンを効率よく形成することが可能になる。
また、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、上記の印刷版を用いて、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に印刷ペーストとして導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を備えているので、厚みが均一で、形状精度の高い内部電極を備えた、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
本発明の実施例にかかる印刷装置の構成を説明するための図である。 図1に示す印刷装置に用いられるグラビアロールを示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンを示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンの他の例を示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明と関連する発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンを示す図である。 本発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンの他の例を示す図である。 本発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 本発明の実施例にかかる印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 従来の印刷版を構成する印刷パターンを示す図である。 従来の印刷版を構成する印刷パターンを他の例を示す図である。 従来の印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。 従来の印刷版を構成する印刷パターンのさらに他の例を示す図である。
以下では、本発明の印刷版について説明する前に、本発明と関連する発明の参考実施例について説明し、その後に、本発明の実施例について詳しく説明する。なお、以下では、グラビア印刷に用いられるグラビアロールの表面に設けられた凹版印刷用の印刷版(グラビア印刷版)を例にとって説明する。
1は本願発明の一実施例にかかる印刷版を用いたグラビア印刷装置の概略構成を示す図、図2は図1のグラビア印刷装置を構成するグラビアロールを示す斜視図である。
グラビア印刷装置50は、幅の細い内部電極を備えた積層セラミックコンデンサなどの電子部品の製造工程において、セラミックグリーンシート55に内部電極形成用の導電性ペースト(印刷ペースト)52を印刷して、内部電極パターン(図形パターン)56を形成するために用いられる印刷装置である。
この印刷装置50は、図1および図2に示すように、表面に複数の印刷パターンPを備えたグラビアロール51と、導電性ペースト52を収容するペースト槽57と、グラビアロール51に付着した余剰の導電性ペースト52をかき取るかき取り手段53と、バックロール(圧胴)54と、セラミックグリーンシート(印刷対象物)55を矢印Bの方向に搬送する搬送ロールなどの搬送手段(図示せず)とを備えている。
そして、セラミックグリーンシート55を、グラビアロール51とバックロール54の間を通過させ、グラビアロール51の表面の印刷パターンPに保持された導電性ペースト52をセラミックグリーンシート55の表面に転写することにより、セラミックグリーンシート55上に内部電極パターン56を印刷することができるように構成されている。
この実施例にかかる印刷版10は、円筒状のグラビアロール51を版材とし、このグラビアロール51の外周面に複数の印刷パターンPを配設することにより形成されている。
なお、印刷ペースト56の印刷方向は、セラミックグリーンシート55の搬送方向(図1において、矢印Bで示す方向)と逆の方向(図1、図3などにおいて、矢印Aで示す方向)となる。
[参考実施例1]
印刷パターンPは、図3に示すように、印刷方向(矢印Aで示す方向)に沿う一対の側縁部のうちの一方側縁部12aから、一方側縁部12aに対向する他方側縁部12bに向かって突出する複数の一方側土手21と、他方側縁部12bから、一方側縁部12aに向かって突出する複数の他方側土手22とを備えている。そして、一方側土手21および他方側土手22が占める領域を除いた領域が、印刷ペースト52(図1参照)が充填される領域であるセル部23となるように構成されている。
この印刷版10は、セラミックグリーンシートなどの印刷対象物に形成すべき図形パターン56として、印刷方向に直交する方向の寸法(幅)が50μm以上、200μm以下、印刷方向の寸法(長さ)が500μm以上の長方形の図形パターン56を印刷する場合に好適に用いられるものである。
そして、印刷版10を構成する印刷パターンPは、上述の図形パターン56の幅に対応するように、印刷方向に直交する方向の寸法である幅W1が50μm以上、200μm以下、印刷方向の寸法である長さL1が500μm以上となるようにすることが好ましい。
また、印刷パターンPのセル部23の深さは、5μm以上、50μm以下とすることが好ましい。
また、この印刷版10を構成する印刷パターンPにおいて、一方側土手21は他方側縁部12bに向かって、他方側土手22が一方側縁部12aに向かって、それぞれ印刷方向に対して直交する方向に突出しているとともに、複数の一方側土手21のそれぞれと、複数の他方側土手22のそれぞれとが互いに正対する位置に配設されている。
また、上述の一方側縁部12aから他方側縁部12bに向かって突出する複数の一方側土手21と、他方側縁部12bから一方側縁部12aに向かって突出する複数の他方側土手22とは、印刷方向に一定の間隔をおいて(所定のピッチで)配設されている。
また、一方側土手21の長さ(印刷方向に直交する方向の寸法)は、一方側土手21の配設ピッチの30%以上、200%以下とすることが好ましく、他方側土手22の長さは、他方側土手22の配設ピッチの30%以上、200%以下とすることが好ましい。
なお、具体的には、一方側土手21および他方側土手22の幅は、例えば、3〜30μm、長さは、最短で10μm、最長は、図形パターン56の幅の1/2から15μmを引いた値とすることが好ましい。
また、印刷方向に隣り合う一方側土手21および他方側土手22の配設ピッチは、最小値である一方側土手21および他方側土手22の幅に30μmを加えた値と、最大値である100μmの範囲にあることが好ましい。
また、一方側土手21および他方側土手22の互いに対向する先端部21a,22a間の距離(先端部21a,22aの間隔)は、30μm以上であることが好ましい。
また、印刷パターンPの印刷開始側端部(図3では左側端部)と、一方側土手21または他方側土手22のうちの印刷開始側端部に最も近いものとの距離は、一方側土手21および他方側土手22の配設ピッチと同じかそれより小さいことが好ましい。
また、印刷パターンPの印刷終了側端部(図3では右側端部)と、一方側土手21または他方側土手22のうちの印刷終了側端部に最も近いものとの距離は、一方側土手21および他方側土手22の配設ピッチの半分(1/2)以下とすることが好ましい。
上記構成を備えた参考実施例1の印刷版10を用いることにより、印刷方向に直交する方向の寸法(幅)が50μm〜200μmで、印刷方向に沿う側縁部(側辺)の直線性に優れ、かつ、平坦性が良好な図形パターン56(図1)を形成することができる。
なお、上記構成を備えた印刷版10を用いて、印刷ペースト(導電性ペースト)52をセラミックグリーンシート55に印刷する際(図1参照)に、上述の一方側土手21および他方側土手22が、印刷ペースト52がセラミックグリーンシート55に印刷される(転写される)きっかけとなり、セル23(図3)内の印刷ペースト52が、一方側土手21および他方側土手22を介してセラミックグリーンシート55に濡れ広がり、同時にセル部23から印刷ペースト52が吸い上げられる。
そして、一方側土手21および他方側土手22を伝わって転写される印刷ペースト52は、印刷版10とセラミックグリーンシート55が分離する際に、印刷パターンPの一方側縁部12a、他方側縁部12bのエッジで印刷方向の糸引きを発生させる。これにより、印刷パターンPの一方側縁部12a、他方側縁部12bでより多くの印刷ペースト52が直線的に転写される。
さらに、セラミックグリーンシート55へ印刷(転写)後、レベリングが進むことで、図形パターン56の、印刷方向に沿う側縁部の直線性が向上する。
また、一方側土手21および他方側土手22は、配設ピッチが一定で、等間隔に配置されているので、印刷ペースト52の転写量が安定し、図形パターン56の平滑性が高くなる。
なお、一方側土手21と他方側土手22の間隔、一方側土手21どうし、および他方側土手22どうしの間隔は30μm以上であることが好ましい。この間隔が30μm未満になると、転写時の印刷ペースト52の糸引きが不安定になって、印刷性が悪化する。
なお、印刷ペースト52の物性により、転写量・レベリング性が変化するが、この参考実施例1の印刷版においては、印刷ペースト52の物性に合わせて、一方側土手21と他方側土手22の長さや配設ピッチなどを調整することで、より平滑な図形パターン56を得ることができる。
また、印刷ペースト52を印刷することにより形成される図形パターン56は、その上面が平坦であることが重要であるとともに、周縁部(エッジ部)の立ち上がりが急峻であることも重要であるが、参考実施例1の印刷版10を用い、一方側土手21と他方側土手22のパターンを制御して、エッジ部分の塗膜厚を図形パターン56の中央より厚くなるようにしたりすることにより、平坦で、周縁部(エッジ部)の立ち上がりが急峻な図形パターンを得ることができる。
なお、図形パターンの周縁部(エッジ部)がなだらかで、急峻でない場合、図形パターンの一定厚以下の領域が、意図する機能を果たさない場合があり、好ましくない。
参考実施例2]
図4は、本発明と関連する発明の他の実施例(参考実施例2)にかかる印刷版を示す図である。
この参考実施例2の印刷版10を構成する印刷パターンPは、図4に示すように、先端部21a,22bが、印刷方向上流側(印刷開始側)に曲折するよう構成された一方側土手21および他方側土手22を備えている。
なお、一方側土手21および他方側土手22の先端部21a,22aの曲折角度は、印刷方向に直交する方向に対して、0゜以上、90°以下の範囲とすることが好ましい。
この図4の印刷パターンPの場合も、一方側土手21と他方側土手22の間隔および、一方側土手21どうし、他方側土手22どうしの間隔は30μm以上であることが好ましい。この間隔が30μm未満になると、転写時の印刷ペーストの糸引きが不安定になって、印刷性が悪化する。
この参考実施例2のように、一方側土手21の先端部21aと他方側土手22の先端部22aを印刷方向上流側(印刷開始側)に曲折させることにより、セル部23に充填した印刷ペーストを、セラミックグリーンシート55に転写する際に、転写きっかけの長さを長くして、転写量を多くすることができる。
また、曲折させた一方側土手21および他方側土手22から、一方側土手21および他方側土手22の基端部、すなわち、一方側土手21および他方側土手22の、側縁部に接続する部分に、印刷ペーストの糸引きをスムーズに移動させることが可能になり、図形パターンのエッジ部(印刷方向に沿う側縁部)における転写を安定させ、直線性を向上させることができる。
参考実施例3]
図5は、本発明と関連する発明のさらに他の実施例(参考実施例3)にかかる印刷版を示す図である。
この参考実施例3の印刷版10を構成する印刷パターンPにおいては、上述の参考実施例1の印刷パターンPを構成する、一方側土手21の先端部21aと他方側土手22の先端部22aとの間に、印刷方向に沿う方向に、セル部23の他の領域よりも深さの深い一本の凹部(溝)24が配設されている。なお、凹部(溝)24の深さは、セル部23の他の領域の深さの1.5倍以上、3倍以下であることが好ましい。
上記参考実施例1の印刷パターンの場合、図形パターンの幅が100μm以下になると、セル部23の体積が小さくなり、印刷ペーストの転写量が少なくなって、印刷パターン(印刷図形)の膜厚が薄くなる傾向があり、また、図形パターンの幅が100μmを超えると、エッジ部の膜厚に比べ、中央部の塗膜厚みが不足する傾向があるが、この参考実施例3のように、セル部23の幅方向の中央に、セル部23の他の領域に比べて深さの深い凹部(溝)24を形成することで、セル部23からの印刷ペーストの転写量を増加させることが可能になり、図形パターンの幅が100μm以下の場合において、印刷パターンの膜厚が薄くなることを防止し、図形パターンの幅が100μmを超える場合において、図形パターンの中央の膜厚不足の問題を解消することが可能になる。
参考実施例4]
図6は、本発明と関連する発明のさらに他の実施例(参考実施例4)にかかる印刷版を示す図である。
この参考実施例4の印刷版10を構成する印刷パターンPにおいては、上述の参考実施例2の印刷パターンPを構成する、一方側土手21の先端部21aと他方側土手22の先端部22aとの間に、印刷方向に沿う方向に、セル部23の他の領域よりも深さの深い一本の凹部(溝)24が配設されている。なお、凹部(溝)24の深さは、セル部23の1.5倍以上、3倍以下であることが好ましい。
上記参考実施例2の印刷パターンの場合、図形パターンの幅が100μm以下になると、セル部23の体積が小さくなり、印刷ペーストの転写量が少なくなって、印刷パターンの膜厚が薄くなる傾向があり、また、図形パターンの幅が100μmを超えると、エッジ部の膜厚に比べ、中央部の塗膜厚みが不足する傾向があるが、この参考実施例4のように、セル部23の幅方向の中央に、セル部23の他の領域に比べて深さの深い凹部(溝)24を形成することで、セル部23からの印刷ペーストの転写量を増加させることが可能になり、図形パターンの幅が100μm以下の場合において、印刷パターンの膜厚が薄くなることを防止し、図形パターンの幅が100μmを超える場合において、図形パターンの中央の膜厚不足の問題を解消することが可能になる。
参考実施例5]
図7は、本発明と関連する発明のさらに他の実施例(参考実施例5)にかかる印刷版を示す図である。
この参考実施例5の印刷版10を構成する印刷パターンPにおいては、上述の参考実施例1の印刷パターンPを構成する、一方側土手21の先端部21aと他方側土手22の先端部22aとの間のそれぞれに、セル部23の他の領域よりも深さの深い凹部25が複数形成されている。なお、各凹部25の深さは、セル部23の1.5倍以上、3倍以下であることが好ましい。
この参考実施例5の印刷版10においても、上述の参考実施例3の場合と同様の効果を得ることができる。
また、特に図示しないが、上述の参考実施例2の印刷パターンPを構成する、一方側土手21の曲折した先端部21aと他方側土手22の曲折した先端部22aとの間のそれぞれに、セル部23の他の領域よりも深さの深い凹部25が複数形成された構成とすることも可能である。その場合も、上述の参考実施例4の場合と同様の効果を得ることができる。
参考実施例6]
図8は、本発明と関連する発明のさらに他の実施例にかかる印刷版を示す図である。
この参考実施例6の印刷版10を構成する印刷パターンPにおいては、一方側土手21は他方側縁部12bに向かって、他方側土手22が一方側縁部12aに向かって、それぞれ印刷方向に対して直交する方向に突出しているが、複数の一方側土手21のそれぞれと、複数の他方側土手22のそれぞれとは、互いに正対しない位置に配設されている。
すなわち、この参考実施例6では、複数の一方側土手21のそれぞれの配設ピッチと、複数の他方側土手22のそれぞれの配設ピッチは同じであるが、一方側土手21と他方側土手22とがそれぞれ1/2ピッチずれた位置に配設されている。
この参考実施例6の印刷版10は、上述のように、一方側土手21と他方側土手22とがそれぞれ、1/2ピッチずれた位置に配設されて、互いに正対しない位置に配設されているので、一方側土手21と他方側土手22の間隔を30μm以上確保し、かつ、一方側土手21の先端部21aと他方側縁部12bの間隔、および、他方側土手22の先端部22aと一方側縁部12aの間隔を30μm以上確保しつつ、印刷パターンPの幅方向の寸法を、例えば、60μm程度にまで小さくすることが可能になり、幅の狭い図形パターンを印刷する場合への対応性に優れた印刷版を提供することができる。
なお、この参考実施例6の印刷版10を用いて印刷を行うことにより、参考実施例1の印刷版を用いた場合には形成することが必ずしも容易でなかった、例えば幅が30μmの程度の細い図形パターンであって、印刷方向に沿う側縁部の直線性に優れた図形パターンを形成することが可能になる。
参考実施例7]
図9は、本発明と関連する発明のさらに他の実施例にかかる印刷版を示す図である。
この参考実施例7の印刷版10を構成する印刷パターンPは、印刷方向に沿う方向についてみた場合に、一方側土手21の先端21aが、他方側土手22の先端部22aと重なり合うように構成されている。すなわち、この実施例7の印刷版10においては、一方側土手21と他方側土手22の長さ(印刷方向に直行する方向の寸法)が、印刷パターンPの幅方向の寸法の1/2を超えており、一方側土手21の先端部21aが、各他方側土手22の先端部22aを結ぶ線よりも、他方側縁部12bに近い位置まで入り込み、他方側土手22の先端部22aが、各一方側土手21の先端部21a部を結ぶ線よりも、一方側縁部12aに近い位置まで入り込んでいる。
また、一方側土手21と他方側土手22の配設ピッチが、例えば、参考実施例6の場合に比べて、大きくなるように構成されている。その結果、一方側土手21および他方側土手22の長さが印刷パターンPの幅方向の寸法の1/2より長く形成されている場合にも、各土手間の距離(間隔)を十分に確保することが可能になる。参考実施例7の印刷版の場合、例えば、幅が50μm程度の細い図形パターンを形成する場合に対応することができる。
この参考実施例7の印刷版10の場合、印刷パターンPにおける、一方側土手21と他方側土手22の配設ピッチが大きく、一方側土手21と他方側土手22の占める割合に対して、セル部23の占める割合が大きくなることから、平坦性に優れた図形パターンを得ることが可能になる。
参考実施例8]
図10は、本発明と関連する発明のさらに他の実施例(参考実施例8)にかかる印刷版を示す図である。この参考実施例8の印刷版10を構成する印刷パターンPは、上述の参考実施例7の一方側土手21と他方側土手22の配設ピッチを、各土手間の間隔(例えば、一方側土手21と他方側土手22の先端部21a,22a間の距離)が30μm以上確保される範囲で小さくしたものである。
このように構成することにより、印刷ペーストの転写時に、互い違いに配置した一方側土手21と他方側土手22で糸引きを連続的に発生させることが可能になる。そして、その結果、例えば、幅が60μm程度の細い図形パターンを形成する場合に、印刷方向に沿う側縁部の直線性に優れ、安定して平滑な図形パターンを形成することが可能になるとともに、図形パターンに必要な厚みを付与することが可能になる。
また、上述の参考実施例7のように、一方側土手21と他方側土手22の配設ピッチが大きい場合、印刷方向に沿う側縁部の直線性が悪化する傾向があるが、この参考実施例8の印刷版10のように、一方側土手21と他方側土手22の配設ピッチを小さくすることにより、印刷方向に沿う側縁部の直線性を良好にすることができる。
参考実施例9]
図11は、本発明と関連する発明のさらに他の実施例(参考実施例9)にかかる印刷版を示す図である。
この参考実施例9の印刷版10を構成する印刷パターンPは、印刷方向に直交する方向の寸法である長さの長い一方側土手21と対向する位置に長さの短い他方側土手22を設けるとともに、長さの短い各一方側土手21と対向する位置に長さの長い他方側土手22を設けたものである。言い換えると、印刷方向に直交する方向の寸法である長さの長い、他方側土手22と対向する位置に、長さの短い一方側土手21とを設け、長さの短い各他方側土手22と対向する位置に長さの長い一方側土手21を設けたものである。
この参考実施例9の印刷版10においても、各土手間の間隔は30μm以上確保されるように構成されている。
この参考実施例9の印刷版10の場合、印刷パターンPにおける、一方側土手21と他方側土手22の占める割合に対する、セル部23の占める割合を大きく減らすことなく、一方側土手21と他方側土手22の配設ピッチを小さくすることが可能になり、印刷パターンの印刷方向に沿う側縁部の直線性を良好にすることが可能になる。
以下では、本発明の実施例について詳しく説明する。
12〜図16は、本発明の実施例の印刷版を示す図である。
図12の印刷版10は、印刷パターンPを構成する一方側土手21と他方側土手22との間に、印刷方向に沿う方向に、印刷開始側から印刷終了側まで連通する一本の印刷方向土手26を形成したものである。この印刷パターンPは、印刷方向に直交する方向の寸法である幅が100μm以上、300μm以下の、比較的寸法の大きい図形パターンを印刷する場合に適した印刷パターンである。
すなわち、幅が100以上、300μm以下の比較的広い印刷パターンにおいて、一方側土手21と他方側土手22を配設しただけでは、図形周縁部においてのみ転写が進み、印刷パターンの中央部の厚み(塗膜厚み)が不足する傾向があるが、一方側土手21と他方側土手22との間に印刷方向土手26を配置することにより、中央部における転写きっかけが増加し、印刷パターンの中央部の厚みの不足が解消される。
なお、図12の印刷パターンPにおいては、印刷方向土手26と、一方側土手21および他方側土手22の最短距離が30μm以上、一方側土手21と他方側土手22の先端間の距離が70μm以上となるようにすることが好ましい。
また、図13の印刷版10は、先端部21aが印刷方向上流側に曲折した一方側土手21と、先端部22bが印刷方向上流側に曲折した他方側土手22の間に、印刷方向に沿う方向に、印刷開始側から印刷終了側まで連通する一本の印刷方向土手26を形成したものである。この印刷パターンPは、印刷方向に直交する方向の寸法である幅が100μm以上、300μm以下の、比較的寸法の大きい図形パターンを印刷する場合に適した印刷パターンである。
すなわち、幅が100〜300μmの幅が比較的広い印刷パターンにおいて、一方側土手21と他方側土手22を配設しただけでは、図形周縁部においてのみ転写が進み、印刷パターンの中央部の厚み(塗膜厚み)が不足する傾向があるが、一方側土手21と他方側土手22との間に印刷方向土手26を配置することにより、中央部における転写きっかけが増加し、印刷パターンの中央部の厚み(塗膜厚み)の不足が解消される。
なお、図13の印刷パターンPにおいても、印刷方向土手と、一方側土手21および他方側土手22の最短距離が30μm以上、一方側土手21と他方側土手22の先端間の距離が70μm以上となるようにすることが好ましい。
また、図14の印刷版10は、図12の印刷パターンPにおける、印刷開始側から印刷終了側まで連通する一本の印刷方向土手26に、印刷方向に所定の間隔をおいて切り欠き(スリット)27を形成したものである。
この図14の印刷パターンPのように構成することにより、印刷パターンPにおいてセル部23の占める割合を大きくして、印刷ペーストの転写量を確保することが可能になり、塗膜の中央での塗布厚低下を防止することができる。すなわち、切り欠きのない一連の印刷方向土手26を設けた場合には、セル部23の占める割合が小さくなり、印刷パターン中央への印刷ペーストの転写量が不足することになるが、図14の印刷パターンPのように構成した場合には、そのような課題を解決することができる。
また、図15の印刷版10は、一方側土手21と他方側土手22の先端間の距離が100μm以上の場合に用いるのに適したものである。この印刷版10を構成する印刷パターンPにおいては、印刷方向に直交する方向の寸法である長さの長い一方側土手21と対向する位置に長さの短い他方側土手22が、長さの短い一方側土手21と対向する位置に長さの長い他方側土手22が設けられ(すなわち、長さの長い他方側土手22と対向する位置に長さの短い一方側土手21が設けられ、長さの短い他方側土手22と対向する位置に長さの長い一方側土手21が設けられ)ているとともに、一方側土手21と他方側土手22の間に、印刷開始側から印刷終了側まで連通する土手(印刷方向土手)26が形成されている。そして、印刷方向土手26の、長さの短い一方側土手21あるいは長さの短い他方側土手22に対向する領域には、短い一方側土手21あるいは長さの短い他方側土手22に向かって突出する突出土手(片側突出土手)26aが配設されている。
なお、この印刷パターンPにおいても、各土手間の間隔が30μm以上確保されることが好ましい。
この図15の印刷版10のように、300μm程度までの比較的幅の広い図形パターンを形成する場合において、上述のような突出土手(片側突出土手)26aを備えた構成を有する印刷方向土手26を配置することにより、突出土手26aによって印刷ペーストの転写きっかけが増加して転写量が増加し、印刷パターンの厚み不足が解消される。
また、図16の印刷版10を構成する印刷パターンPは、図15の印刷版10を構成する印刷パターンPの場合と同様に、一方側土手21と他方側土手22の先端間の距離が100μm以上の場合に用いるのに適したものである。この印刷版10を構成する印刷パターンPにおいては、印刷パターンPを構成する、印刷方向に直交する方向の寸法である長さが同じ一方側土手21と、他方側土手22が正対する位置に配設されているとともに、一方側土手21と他方側土手22の間に、印刷開始側から印刷終了側まで連通する一本の土手(印刷方向土手)26を形成されている。そして、印刷方向土手26の、一方側土手21および他方側土手22に対向する領域には、一方側土手21および他方側土手22に向かって突出する突出土手(両側突出土手)26bが配設されている。
なお、この印刷パターンにおいても、各土手間の間隔が30μm以上確保されることが好ましい。
この図16の印刷版10のように、300μm程度までの比較的幅の広い図形パターンを形成する場合において、上述のような突出土手(両側突出土手)26bを備えた構成を有する印刷方向土手26を配置することにより、突出土手26bによって印刷ペーストの転写きっかけが増加して転写量が増加し、印刷パターン(塗膜)の厚み不足が解消される。
なお、本発明の印刷版においては、上記の各実施例の特徴的な構成を複数組み合わせた構成とすることも可能である。
また、上記実施例では、積層セラミックコンデンサ用の内部電極パターン形成用の導電性ペーストを印刷する場合を例にとって説明したが、本発明は積層セラミックコンデンサ以外の種々の電子部品を製造する場合において、電極パターンを形成する場合に広く適用することが可能である。
また、本発明の印刷版は、導電性ペーストに限らず、セラミックペースト、誘電体ペースト、抵抗ペーストなど種々のペースト(印刷ペースト)を印刷する場合に適用することが可能である。
また、上記実施例では、印刷版としてグラビアロールを用いた例を示したが、平板状の版材に印刷パターンが形成された平版の印刷版を用いることも可能である。
また、本発明の印刷版は、オフセット印刷法などを含む、凹版印刷全般に用いることも可能である。
例えば、オフセット印刷法を実施する場合は、印刷版と被印刷物の両方に当接するように中間転写体(例えば、ブランケットロール)を配設し、印刷版の印刷パターン内に充填された印刷ペーストを、中間転写体を介して、被印刷物に転写するように構成することも可能である。
本発明はさらに他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
10 印刷版
12a 一方側縁部
12b 他方側縁部
21 一方側土手
21a 一方側土手の先端部
21b 一方側土手の基端部
22 他方側土手
22a 他方側土手の先端部
22b 他方側土手の基端部
23 セル部
24 一本の溝状の凹部(溝)
25 複数配設された凹部
26 印刷方向土手
26a 突出土手(片側突出土手)
26b 突出土手(両側突出土手)
27 切り欠き(スリット)
50 グラビア印刷装置
51 グラビアロール
52 導電性ペースト(印刷ペースト)
53 かき取り手段
54 バックロール
55 セラミックグリーンシート(印刷対象物)
56 図形パターン(印刷図形)
57 ペースト槽
A 印刷方向
B セラミックグリーンシートの搬送方向
P 印刷パターン

Claims (17)

  1. 印刷ペーストを所定の図形パターンとなるように印刷対象物上に印刷するための凹版印刷用の印刷版であって、
    版材の表面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが複数形成され、
    前記印刷パターンは、印刷が進行する方向である印刷方向に沿う一方側縁部から、前記一方側縁部に対向する他方側縁部に向かって突出する、前記印刷方向に所定の間隔をおいて配設された複数の一方側土手と、前記他方側縁部から、前記一方側縁部に向かって突出する、前記印刷方向に所定の間隔をおいて配設された複数の他方側土手と、前記一方側土手と前記他方側土手との間に配設され、前記印刷方向に沿う方向に伸びる印刷方向土手とを備えること
    を特徴とする印刷版。
  2. 前記印刷方向土手は、1つだけ配設されていることを特徴とする請求項1記載の印刷版。
  3. 前記印刷方向土手は、印刷開始側から印刷終了側まで連通する土手であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷版。
  4. 前記印刷方向土手には、前記印刷方向に所定の間隔をおいて切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷版。
  5. 前記印刷方向土手には、前記印刷方向における所定の位置から前記一方側土手あるいは前記他方側土手に向かって突出する突出土手が配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷版。
  6. 前記印刷方向土手は、前記印刷方向における所定の位置から前記一方側土手および前記他方側土手に向かって突出する突出土手が配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷版。
  7. 前記印刷パターンの前記印刷方向に直交する方向の寸法は、100μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の印刷版。
  8. 前記一方側土手が前記他方側縁部に向かって、前記他方側土手が前記一方側縁部に向かって、それぞれ前記印刷方向に対して直交する方向に突出していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の印刷版。
  9. 複数の前記一方側土手のそれぞれと、複数の前記他方側土手のそれぞれとが、前記印刷方向に対して直交する方向において、互いに正対する位置に配設されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の印刷版。
  10. 複数の前記一方側土手のそれぞれと、複数の前記他方側土手のそれぞれとが、前記印刷方向に対して直交する方向において、互いに正対しない位置に配設されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の印刷版。
  11. 前記印刷パターンを、前記印刷方向に沿う方向についてみた場合に、前記一方側土手の先端領域が、前記他方側土手の先端と重なり合わないように構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の印刷版。
  12. 前記一方側土手の先端と、前記他方側土手の先端とが、前記印刷方向上流側に曲折していることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の印刷版。
  13. 互いに隣り合う前記一方側土手の、前記他方側縁部に向かっての基端部からの寸法が異なり、かつ、互いに隣り合う前記他方側土手の、前記一方側縁部に向かっての基端部からの寸法が異なっていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の印刷版。
  14. 前記一方側土手の間隔が一定で、かつ、前記他方側土手の間隔が一定になるように構成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の印刷版。
  15. 前記一方側土手、前記他方側土手、および、前記印刷方向土手が占める領域を除いた領域であって、前記印刷ペーストが充填される領域であるセル部の底部の一部領域に、他の領域よりも深さの深い凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の印刷版。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の印刷版を具備することを特徴とする印刷装置。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の印刷版を用いて、セラミックグリーンシートまたはキャリアフィルム上に印刷ペーストとして導電性ペーストを印刷して、内部電極形成用の図形パターンを形成する工程を備えていることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
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