JP4239926B2 - グラビアロール、グラビア印刷機および積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、グラビアロール、グラビア印刷機およびこれを用いて実施される積層セラミック電子部品の製造方法に関するもので、特に、グラビア印刷時の印刷ペーストの被印刷シートへの転写の円滑性を向上させかつグラビア印刷によって形成されるペースト膜の平滑性を向上させるための技術に関するものである。
積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を製造するため、たとえば、内部電極となる導電性ペースト膜をセラミックグリーンシート上に形成する工程が実施される。この導電性ペースト膜によって与えられる内部電極は、高いパターン精度を有していることが要求される。この要求を満たし得る技術として、グラビア印刷が注目されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1では、グラビア印刷によって形成されたペースト膜の外周部分での厚みを均一化することを目的として、グラビアロールの周面上に形成される、印刷ペーストが付与される画線部において形成される複数個のセルについて、外周部におけるセルの開口面積を、中央部におけるセルの開口面積よりも小さくし、かつ、外周部におけるセルの深さを、中央部におけるセルの深さよりも浅くしたものが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、画線部に形成される各セルは互いに独立しているため、画線部全体の面積に対するセルの部分の面積の比率が比較的低く、また、印刷時において、隣り合うセル間での印刷ペーストの流動が生じ得ないため、特に、比較的広い面積のペースト膜を形成するための印刷には不向きであり、印刷むらが生じやすい。
上述した問題を解決し得るものとして、電子部品の分野での適用を意図したものではないが、たとえば、特許文献2または特許文献3に記載されたものがある。
特許文献2では、画線部に形成される複数個のセルを規定する土手を、印刷方向に対して斜めに延びるように配置するとともに、セルを隣り合うものの間で連通状態とするため、各セルを区画する土手を細かく分断し、土手の交差部分において切欠きが設けられたものが提案されている。
上述の特許文献2に記載の技術によれば、画線部全体の面積に対する印刷ペーストを保持し得る領域(すなわち、セルおよび切欠き)の面積の比率を高めることができ、また、切欠きを通しての印刷ペーストの流動を期待できる。
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、切欠きの間隔が土手の幅より小さくされることが必須の要件となっているため、たとえば導電性ペーストのような粘度の比較的高い印刷ペーストを用いた場合、この印刷ペーストの隣り合うセル間での流動が制限される。その結果、印刷されたペースト膜にセルの痕跡が残ったり、平滑なペースト膜が形成されなかったりすることがある。
また、特許文献2に記載の技術では、画線部に形成される複数個のセルを規定する土手が、印刷方向に対して斜め方向に延びるように配置されながら、細かく分断され、このような土手の交差部分において切欠きが設けられているので、たとえば導電性ペーストのような粘度の比較的高い印刷ペーストを用いた場合、被印刷シートがグラビアロールから離れるときの印刷ペーストのいわゆる糸引きが安定して生じず、糸引きが頻繁に切れやすい。このことも、平滑なペースト膜の形成を阻害する原因となる。
他方、特許文献3では、画線部に形成される複数個のセルを規定する印刷方向土手とこれに直交する方向に延びる垂直方向土手との交差部分において、セルが互いに連通状態となるように食刻して除去したものが提案されている。
上述の特許文献3に記載の技術によれば、土手の交差部分にも印刷ペーストが充填されるので、ペースト膜の厚みの均一性ないしは平滑性の向上を期待できる。
しかしながら、特許文献3に記載の技術では、土手の交差部分での食刻除去によってもたらされる印刷ペーストのための経路は比較的浅くかつ細いため、ここを通る印刷ペーストの流動抵抗が大きい。そのため、たとえば導電性ペーストのような粘度の比較的高い印刷ペーストを用いた場合、隣り合うセル間での印刷ペーストの流動が実質的に生じ得ず、その結果、平滑なペースト膜が形成されないことがある。
また、特許文献3に記載の技術においても、たとえば導電性ペーストのような粘度の比較的高い印刷ペーストを用いた場合、糸引きが安定して生じず、糸引きが頻繁に切れやすく、その結果、平滑なペースト膜の形成が阻害されることがある。
特開平9−76459号公報 実公平5−41015号公報 特開昭59−232347号公報
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る、グラビアロール、グラビア印刷機およびこれを用いて実施される積層セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
この発明は、積層セラミック電子部品を製造するために用いられるものであり、積層セラミック電子部品に備える積層構造物の一部をなすパターニングされた層となるべきペースト膜を被印刷シート上にグラビア印刷によって形成するためのグラビア印刷機にまず向けられる。
このグラビア印刷機は、ペースト膜を与える印刷ペーストが付与される画線部をその周面上に形成しているグラビアロールを備えている。
画線部には、略印刷方向に延びる印刷方向土手と印刷方向土手に対して交差する方向に延びる交差方向土手とが設けられるとともに、印刷方向土手と交差方向土手とによって区画された、複数個のセルが形成される。また、印刷方向に隣り合うセル間を連通状態とするため、交差方向土手には切欠きが設けられる。
このような構成を備えるグラビア印刷機において、前述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
すなわち、少なくとも一部の交差方向土手については、上述の切欠きが印刷方向土手に接する位置に設けられ、それによって、印刷方向土手とは独立して位置するようにされていることを特徴としている。
なお、印刷方向土手が延びる方向を略印刷方向であるとしたのは、印刷方向に対して±5度程度の許容範囲があるためである。
前述のように、印刷方向土手とは独立して位置する交差方向土手は、画線部の少なくとも中央部において分布していることが好ましい。この場合、画線部の中央部に分布する交差方向土手の半数以上が、印刷方向土手とは独立して位置していることがより好ましく、最も好ましくは、画線部の中央部に分布する交差方向土手が、すべて印刷方向土手とは独立して位置していることである。
少なくとも一部の交差方向土手については、隣り合う印刷方向土手間の中間位置に切欠きがさらに設けられていてもよい。
交差方向土手は、前述したように、印刷方向土手に対して交差する方向に延びるものであるが、最も典型的には、印刷方向土手に対して垂直方向に延びるようにされる。
切欠きの開口幅は、交差方向土手の幅より大きくされることが好ましい。
印刷方向土手は、画線部における印刷始端から印刷終端に至るまで実質的に連続して延びるように設けられていることが好ましい。なお、印刷方向土手が実質的に連続して延びるとは、印刷方向土手が途中で数箇所途切れていてもよく、また、たとえば印刷始端や終端において溝が形成されていてもよいことを意味している。
の発明は、また、上述のようなグラビア印刷機を用いて実施される、積層セラミック電子部品の製造方法にも向けられる。
この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法において、グラビア印刷は、内部電極となる導電性ペースト膜を形成するために用いられることが好ましい。すなわち、前述した印刷ペーストとして導電性ペーストが用いられ、印刷ペーストによって形成されるペースト膜は、内部電極となる導電性ペースト膜であることが好ましい。
また、この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法において、グラビア印刷は、内部電極の厚みによる段差を吸収するために、内部電極が形成されない領域に形成される段差吸収用セラミック層を形成するために用いられることも好ましい。すなわち、前述した印刷ペーストとしてセラミックスラリーが用いられ、印刷ペーストによって形成されるペースト膜は、段差吸収用セラミック層であることが好ましい。
この発明は、さらに、積層セラミック電子部品を製造するために用いられるものであり、積層セラミック電子部品に備える積層構造物の一部をなすパターニングされた層となるべきペースト膜を被印刷シート上にグラビア印刷によって形成するためのグラビア印刷機に備える、グラビアロールにも向けられる。この発明に係るグラビアロールは、ペースト膜を与える印刷ペーストが付与される画線部をその周面上に形成しており、画線部には、略印刷方向に延びる印刷方向土手と印刷方向土手に対して交差する方向に延びる交差方向土手とが設けられるとともに、印刷方向土手と交差方向土手とによって区画された、複数個のセルが形成され、印刷方向に隣り合うセル間を連通状態とするため、交差方向土手には切欠きが設けられ、少なくとも一部の交差方向土手については、切欠きが印刷方向土手に接する位置に設けられ、それによって、印刷方向土手とは独立して位置するようにされていることを特徴としている。
以上のように、この発明に係るグラビア印刷機によれば、グラビアロールの周面上に形成される画線部には、印刷方向土手と交差方向土手とが設けられるとともに、印刷方向土手と交差方向土手とによって区画された、複数個のセルを隣り合うものの間で連通状態とするため、交差方向土手には切欠きが設けられ、少なくとも一部の交差方向土手については、上述の切欠きが印刷方向土手に接する位置に設けられ、それによって、印刷方向土手とは独立して位置するようにされているので、たとえば無機粉末コンテントが比較的高く、そのため、比較的高い粘度を有する導電性ペーストまたはセラミックスラリーのようなものを印刷ペーストとして用いても、印刷方向に隣り合うセル間で切欠きを通して印刷ペーストを円滑に流動させることができ、かつ、印刷ペーストの糸引きを安定して生じさせることができ、その結果、グラビア印刷によって形成されるペースト膜の平滑性を向上させることができる。
上述したような効果は、(1)印刷方向土手とは独立して位置する交差方向土手が、画線部の少なくとも中央部において分布しているとき、(2)画線部の中央部に分布する交差方向土手の半数以上が、印刷方向土手とは独立して位置しているとき、(3)画線部の中央部に分布する交差方向土手が、すべて印刷方向土手とは独立して位置しているとき、といった順で、より顕著に発揮される。
また、上述したような効果は、少なくとも一部の交差方向土手について、隣り合う印刷方向土手間の中間位置に切欠きがさらに設けられているとき、切欠きの開口幅が、交差方向土手の幅より大きくされるとき、あるいは、印刷方向土手が、画線部における印刷始端から印刷終端に至るまで実質的に連続して延びるように設けられているときにおいても、より顕著に発揮される。
交差方向土手が、印刷方向土手に対して垂直方向に延びるようにされると、印刷時における各セル内での印刷ペーストの動きがバランス良く生じる。このことも、ペースト膜の平滑性を向上させるように寄与する。
以上のようなことから、この発明に係るグラビア印刷機は、積層セラミック電子部品の製造に適用されたとき、より顕著な効果を発揮し得る。なぜなら、積層セラミック電子部品の製造に際しては、たとえば導電性ペーストまたはセラミックスラリーといった比較的高い粘度を有するものを印刷ペーストとして用いるからである。すなわち、この発明に係るグラビア印刷機用いて積層セラミック電子部品の製造に適用すれば、得られた積層セラミック電子部品の特性を安定なものとすることができるとともに、不良品の発生を抑制でき、製造の歩留まりを向上させることができる。
特に、この発明に係るグラビア印刷機によって、積層セラミック電子部品に備える内部電極となる導電性ペースト膜または段差吸収用セラミック層を形成するようにすれば、導電性ペースト膜または段差吸収用セラミック層の厚みを均一にすることができるので、得られた積層セラミック電子部品において、ショート不良を引き起こしたり、絶縁抵抗不良を引き起こしたりすることを防止することができる。
図1は、この発明の第1の実施形態によるグラビア印刷機1を概略的に示す正面図である。
グラビア印刷機1は、グラビアロール2と、グラビアロール2に対して、被印刷シート3を挟んで対向する圧胴4とを備えている。これらグラビアロール2および圧胴4は、それぞれ、矢印5および6方向に回転し、それによって、被印刷シート3は矢印7方向へ搬送される。なお、グラビア平版印刷機の場合のように、圧胴を備えないグラビア印刷機もあり得る。
グラビア印刷機1は、たとえば積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を製造するために用いられるものである。より特定的には、グラビア印刷機1は、積層セラミック電子部品に備える積層構造物の一部をなすパターニングされた層となるべきペースト膜を被印刷シート3上にグラビア印刷によって形成するために用いられる。より具体的には、図2に示すように、セラミックグリーンシート8上に、パターニングされた内部電極となるべき導電性ペースト膜9がグラビア印刷によって形成される。
セラミックグリーンシート8は、図2に示すように、キャリアフィルム10によって裏打ちされた状態にある。したがって、図1に示した被印刷シート3は、このようにキャリアフィルム10によって裏打ちされたセラミックグリーンシート8である。
グラビアロール2は、図1に示すように、タンク11内に収容された導電性ペースト12内に浸漬され、それによって、グラビアロール2の周面上に形成された複数個の画線部13(その一部が概略的に図示されている。)に導電性ペースト12が付与される。画線部13の詳細については、後述する。なお、グラビアロール2への導電性ペースト12の供給は、導電性ペースト12をグラビアロール2に向かって射出するなどの方法によってもよい。グラビアロール2の周面上の余分な導電性ペースト12は、ドクターブレード14によって掻き取られる。
画線部13は、その代表的なもののみが図3に概略的に図示されているように、図2に示した導電性ペースト膜9のパターンに対応するパターンを有している。この実施形態では、画線部13の長手方向がグラビアロール2の周方向に向くようにされている。
図4は、1個の画線部13を拡大して示す、グラビアロール2の周面の展開図である。図4において、印刷方向が矢印で示されているが、この印刷方向は、図1に示した矢印5に対応している。より詳細には、画線部13の図4における上端側が印刷始端側であり、下端側が印刷終端側である。したがって、印刷工程において、画線部13の、被印刷シート3に接触する領域は、図4における上端側から下端側へとその位置を変える。
画線部13には、印刷方向に延びる複数本の印刷方向土手15と、印刷方向土手15に対して交差する方向、図示の実施形態では、垂直方向に延びる複数本の交差方向土手16とが設けられる。そして、印刷方向土手15と交差方向土手16とによって区画された、複数個のセル17が形成される。
このような複数個のセル17の各々の開口面積について見ると、画線部13の側縁部に位置するセル17(A) は、画線部13の中央部に位置するセル17(B)に比べて小さくされている。また、画線部13の印刷終端側に位置するセル17(C) は、画線部13の印刷始端側に位置するセル17(D)に比べて小さくされている。このような構成を採用することにより、以下に説明するような、いわゆる「サドル現象」を生じさせにくくすることができる。
一般的に、グラビア印刷を適用してペースト膜を形成した場合、ペースト膜の周縁部が中央部よりも厚くなる、いわゆる「サドル現象」が生じやすい。このような「サドル現象」が生じた導電性ペースト膜を用いて積層セラミック電子部品を製造した場合、ショート不良や構造欠陥を招くことがある。上述のような構成は、このような「サドル現象」を抑制するのに効果的である。
前述したことを逆の観点から見れば、画線部13の印刷始端側に位置するセル17(D)は、画線部13の印刷終端側に位置するセル17(C) に比べて大きくされていることになる。これは、印刷かすれや導電性ペースト12の転写不足を防止するためである。
また、画線部13の周縁部には、印刷方向土手15および交差方向土手16のいずれもが届かないようにされ、それによって、所定の幅の溝18が形成されている。これは、印刷された導電性ペースト膜9の輪郭の直線性を向上させるためである。
印刷方向に隣り合うセル17間を連通状態とするため、交差方向土手16には切欠き19が設けられている。なお、画線部13の側縁部に位置する切欠き19は、前述した溝18の一部をなしている。
また、少なくとも一部の交差方向土手16については、すなわち、この実施形態では、画線部13の中央部に分布する交差方向土手16については、上述の切欠き19は印刷方向土手15に接する位置に設けられ、それによって、印刷方向土手15とは独立して位置している。このように、印刷方向土手15とは独立して位置する交差方向土手16は、画線部の中央部に分布する交差方向土手16の半数以上とされることが好ましく、より好ましくは、図示の実施形態のように、画線部13の中央部に分布する交差方向土手16のすべてとされる。
また、切欠き19の開口幅W1は、交差方向土手16の幅W2より大きくされることが好ましい。たとえば、交差方向土手16の幅W2が5〜20μmであるのに対し、切欠き19の開口幅W1は20〜40μmとされる。
また、各印刷方向土手15は、画線部13において印刷始端から印刷終端に至るまで実質的に連続して延びている。
このような構成を採用することにより、一般のグラビアインクに比べて、たとえば1〜100Pa・sといった高い粘度を有する導電性ペースト12を印刷ペーストとして用いても、また、一般のグラビア印刷でのインク膜の厚みより厚い、たとえば0.5〜2μmといった厚みのペースト膜を形成する場合であっても、全体的に平滑なペースト膜を有利に形成することができる。
より具体的には、印刷方向に隣り合うセル17間で切欠き19を通して導電性ペースト12を円滑に流動させることができ、かつ、導電性ペースト12の糸引きを安定して生じさせることができる。その結果、形成される導電性ペースト膜9の平滑性を向上させることができる。また、導電性ペースト膜9の外周の輪郭の直線性を優れたものとすることができる。
以上のように、グラビア印刷機1を用いて図2に示すような導電性ペースト9が形成されたセラミックグリーンシート8が得られた後、複数のセラミックグリーンシート8が積層されかつ圧着され、必要に応じてカットされ、次いで焼成されることによって、積層セラミック電子部品のための部品本体となる積層構造物が得られる。この積層構造物において、前述した導電性ペースト膜9は、内部電極を構成する。次に、必要に応じて、積層構造物の外表面上に外部電極等が形成されることによって、所望の積層セラミック電子部品が完成される。
このような積層セラミック電子部品において、前述したように、導電性ペースト膜9が全体にわたって平滑に形成されるため、圧着工程で局部的に応力が集中することがなく、そのため、内部電極がセラミック層を通して接触するといったショート不良を引き起こしたり、局部的にセラミック層の厚みが薄くなって絶縁抵抗不良を引き起こしたりすることを防止することができる。
図5、図6、図7および図8は、それぞれ、この発明の第2、第3、第4および第5の実施形態を説明するための図4の一部に相当する図である。図5ないし図8において、図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図5ないし図7に示した第2ないし第4の実施形態は、特に、交差方向土手16の形状についての変形例を与えるものであり、いずれも、交差方向土手16は直線状に延びていない。
図5に示した第2の実施形態では、交差方向土手16は、逆V字型をなしている。図6に示した第3の実施形態では、交差方向土手16は、V字型をなしている。図7に示した第4の実施形態では、交差方向土手16は、波型をなしている。
これらの交差方向土手16の形状の変更は、グラビア印刷を実施している際の画線部13内での導電性ペースト12の流動に対する抵抗を微妙に調整することを可能にする。そのため、印刷方向に隣り合うセル17間で流動する導電性ペースト12の量を調整でき、用いられる導電性ペースト12の粘度によっては、導電性ペースト膜9の表面の平滑性をより向上させることが可能になる。
たとえば、図5に示した第2の実施形態と図6に示した第3の実施形態とを比較すれば、第2の実施形態の方が、第3の実施形態に比べて、導電性ペースト12の流動が生じやすい。したがって、導電性ペースト12の粘度が比較的高い場合には、図5に示した第2の実施形態を適用することが望ましく、他方、導電性ペースト12の粘度が低い場合には、図6に示した第3の実施形態を適用することが望ましい。
図8に示した第5の実施形態では、交差方向土手16において、隣り合う印刷方向土手15間の中間位置に中間切欠き20がさらに設けられていることを特徴としている。このような中間切欠き20は、印刷方向に隣り合うセル17間での導電性ペースト12の流動をより生じやすくする。したがって、導電性ペースト12に対して要求される流動性に応じて、中間切欠き20の有無、中間切欠き20の開口幅、中間切欠き20の数および位置等を決定すればよい。
以上、この発明を図示した実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他、種々の変形例が可能である。
たとえば、図示の実施形態では、画線部13は、その形状が長方形であったが、グラビア印刷によって形成されるべき導電性ペースト膜9のパターンに応じて、画線部の形状を任意に変更することができる。
また、図示の実施形態では、被印刷シート3が、キャリアフィルム10によって裏打ちされたセラミックグリーンシート8であり、導電性ペースト膜9がセラミックグリーンシート8上に形成されたが、たとえばキャリアフィルム10のような樹脂シートのみを被印刷シート3として用い、この樹脂シート上に導電性ペースト膜9を形成するようにしてもよい。この場合には、樹脂シート上に形成された導電性ペースト膜9は、その後の工程において、セラミックグリーンシート8上に転写されることになる。
また、図示の実施形態では、グラビア印刷によって形成されるペースト膜が導電性ペースト膜9であったが、たとえば、セラミックスラリーのようなペースト状のものからなる膜であってもよい。より具体的には、たとえば積層セラミックコンデンサなどにおいて、内部電極の厚みによる段差を吸収するため、内部電極が形成されない領域に段差吸収用のセラミック層が形成されることがあるが、このようなセラミック層となるべきセラミックスラリーからなるペースト膜を形成しようとする場合にも、この発明を適用することができる。
この発明の第1の実施形態によるグラビア印刷機1を概略的に示す正面図である。 図1に示したグラビア印刷機1によって、被印刷シート3としてのキャリアフィルム10によって裏打ちされたセラミックグリーンシート8上に導電性ペースト膜9が形成された状態を示す断面図である。 図1に示したグラビアロール2を単独で示す斜視図である。 図3に示した1個の画線部13を拡大して示す、グラビアロール2の周面の展開図である。 この発明の第2の実施形態を説明するための図4の一部に相当する図である。 この発明の第3の実施形態を説明するための図4の一部に相当する図である。 この発明の第4の実施形態を説明するための図4の一部に相当する図である。 この発明の第5の実施形態を説明するための図4の一部に相当する図である。
符号の説明
1 グラビア印刷機
2 グラビアロール
3 被印刷シート
8 セラミックグリーンシート
9 導電性ペースト膜
12 導電性ペースト
13 画線部
15 印刷方向土手
16 交差方向土手
17 セル
19,20 切欠き

Claims (12)

  1. 積層セラミック電子部品を製造するために用いられるものであり、積層セラミック電子部品に備える積層構造物の一部をなすパターニングされた層となるべきペースト膜を被印刷シート上にグラビア印刷によって形成するためのグラビア印刷機であり、
    前記ペースト膜を与える印刷ペーストが付与される画線部をその周面上に形成しているグラビアロールを備え、
    前記画線部には、略印刷方向に延びる印刷方向土手と前記印刷方向土手に対して交差する方向に延びる交差方向土手とが設けられるとともに、前記印刷方向土手と前記交差方向土手とによって区画された、複数個のセルが形成され、
    印刷方向に隣り合う前記セル間を連通状態とするため、前記交差方向土手には切欠きが設けられ、
    少なくとも一部の前記交差方向土手については、前記切欠きが前記印刷方向土手に接する位置に設けられ、それによって、前記印刷方向土手とは独立して位置するようにされている、
    グラビア印刷機。
  2. 前記印刷方向土手とは独立して位置する前記交差方向土手は、前記画線部の少なくとも中央部において分布している、請求項1に記載のグラビア印刷機。
  3. 前記画線部の中央部に分布する前記交差方向土手の半数以上が、前記印刷方向土手とは独立して位置している、請求項2に記載のグラビア印刷機。
  4. 前記画線部の中央部に分布する前記交差方向土手は、すべて前記印刷方向土手とは独立して位置している、請求項3に記載のグラビア印刷機。
  5. 少なくとも一部の前記交差方向土手については、隣り合う前記印刷方向土手間の中間位置に前記切欠きがさらに設けられている、請求項1ないし4のいずれかに記載のグラビア印刷機。
  6. 前記交差方向土手は、前記印刷方向土手に対して垂直方向に延びている、請求項1ないし5のいずれかに記載のグラビア印刷機。
  7. 前記切欠きの開口幅は、前記交差方向土手の幅より大きくされている、請求項1ないし6のいずれかに記載のグラビア印刷機。
  8. 前記印刷方向土手は、前記画線部における印刷始端から印刷終端に至るまで実質的に連続して延びるように設けられている、請求項1ないし7のいずれかに記載のグラビア印刷機
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のグラビア印刷機を用いて実施される、積層セラミック電子部品の製造方法
  10. 前記印刷ペーストとして導電性ペーストが用いられ、前記ペースト膜は、内部電極となる導電性ペースト膜である、請求項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  11. 前記印刷ペーストとしてセラミックスラリーが用いられ、前記ペースト膜は、内部電極の厚みによる段差を吸収するために、内部電極が形成されない領域に形成される段差吸収用セラミック層である、請求項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  12. 積層セラミック電子部品を製造するために用いられるものであり、積層セラミック電子部品に備える積層構造物の一部をなすパターニングされた層となるべきペースト膜を被印刷シート上にグラビア印刷によって形成するためのグラビア印刷機に備える、グラビアロールであって、
    前記ペースト膜を与える印刷ペーストが付与される画線部をその周面上に形成しており、
    前記画線部には、略印刷方向に延びる印刷方向土手と前記印刷方向土手に対して交差する方向に延びる交差方向土手とが設けられるとともに、前記印刷方向土手と前記交差方向土手とによって区画された、複数個のセルが形成され、
    印刷方向に隣り合う前記セル間を連通状態とするため、前記交差方向土手には切欠きが設けられ、
    少なくとも一部の前記交差方向土手については、前記切欠きが前記印刷方向土手に接する位置に設けられ、それによって、前記印刷方向土手とは独立して位置するようにされている、
    グラビアロール。
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