JP4228989B2 - カーナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
こうした車両等の移動体に搭載されるHDDを振動、衝撃からから守る技術についてはこれまでにも幾つかの技術が開示されている。例えば、特許文献1には振動予測センサを用いて走行中に発生する振動を予測する技術が開示されている。また、特許文献2には、外部電源からの電流供給が停止されている場合を車両の停止状態と判断し、補助電源で記憶用半導体素子に記憶していたデータをその停止状態中に記憶媒体に書き込む技術が開示されている。
該走行地点検出手段で把握した走行地点情報と地図データベースとに基づき走行経路上で車両に振動が発生する個所を予測する振動発生個所予測手段と、
該振動発生個所予測手段により予測した振動発生個所を通過する時間帯を予測する振動発生時間帯予測手段と、
ナビゲーションに必要なデータを記憶するディスク形記憶装置と、
ナビゲーションのプログラムを実行する制御手段と、を備え、
該制御手段は、前記ディスク形記憶装置へのデータの書き込みまたは前記ディスク形記憶装置からのデータの読み出しが必要となった場合には該データの書き込みまたは読み出しに要する時間を予測した上で前記振動発生時間帯予測手段にて予測した振動発生時間帯に入る前に該データの書き込みまたは読み出し動作が終了するか否かを判定し、終了すると判定した場合には前記ディスク形記憶装置に対して該データの書き込みまたは読み出し動作を開始させ、終了しないと判定した場合には終了可能となる状態になるまで待機した後に書き込みまたは読み出し動作を開始させることを特徴とするカーナビゲーション装置である。
このような構成のカーナビゲーション装置によれば、車両に振動や衝撃が加わっている期間中にディスク形記憶装置にアクセスが行なわれることが防止される。従って、書き込み/読み出し用ヘッドや記憶媒体の損傷、記憶されているデータの破壊、誤ったデータの書き込み/読み出しといった問題の発生が防止される効果を奏する。
図7は本発明に係るカーナビゲーション装置の構成例をブロック図で示したものである。本実施形態のカーナビゲーション装置1は、図に示すようにGPS受信機2、車速センサ2、振動センサ3、カメラ装置4、通信装置6、操作スイッチ群7、表示装置8、HDD(ハードディスク駆動装置)9、制御回路10を備えて構成されている。
操作スイッチ群7は、制御回路10への各種情報入力のための手段で、例えばカラー液晶ディスプレイ上に形成されたタッチスイッチやリモコンスイッチ等で構成される。表示装置8は、道路地図、車両の現在位置、経路案内等の情報を表示するためのもので、例えばカラー液晶ディスプレイで構成される。
本カーナビゲーション装置1を動作させるプログラムには、後述する本発明の機能を発揮させるためのプログラムの他に一般的なカーナビゲーション機能を実行するためのプログラム、例えばGPS受信機2からの信号に基づいて現在位置を算出する機能、算出した現在位置を地図上に位置付けるマップマッチング処理機能、目的地や経由地の指定を受けて現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索機能、その経路探索結果に応じた案内ルートを地図画面上に表示して案内する経路案内機能、VICS(Vehicle Information & Communication System)からの道路交通情報を受信して運転者に知らせる機能などを実行するためのプログラム等も含まれる。
これらのうちRAM12には、プログラム実行時の一時データや表示装置8に表示する地図データなどが一時的に格納されるほか、HDD9に格納されている前述の各種プログラムがCPU11による実行のために読み出されて格納される。ROM13には電源立ち上げ直後にハードウェアを初期化するための初期化プログラム、HDD9からプログラムをRAM12上に読み出すためのブートプログラム、重要な制御情報などが格納されている。
次に、以上のような構成の下でカーナビゲーション装置1がHDD9にアクセス中に振動、衝撃等が加わって記憶媒体である磁気ディスクやHDD9が損傷するのを防止する動作について説明する。その基本的考えは、振動発生中及び振動発生が予想される時間帯においてはHDD9へのアクセスを中止し、振動発生が予想されず且つ振動が発生していない時間帯に必要なアクセスを行なうことにある。
最初のステップS1では、自車の現在位置を検出する。現在位置は、GPS受信機2の受信信号に基づいて現在の緯度、経度を算出し、算出した位置をマップマッチング処理により地図上の道路上に位置付ける修正を行なって確定する。
振動の発生が予測されるか否かは、地図データベースに予め格納されている道路データ、交差点データ等に基づいて判断する。例えば、鉄道の踏切、交差点は振動発生が予測される。橋梁と道路との継ぎ目部分、橋梁と橋梁との継ぎ目部分も振動発生が予測される。また、曲率半径の小さいカーブ、急勾配の坂も振動発生が予測される。このような判断基準により振動発生が予測される個所があるか否かの判断を行なう。振動発生が予測される個所が存在する場合にはステップS3に移る。
ステップS5の終了後、及びステップS4にて振動発生が予測されなかった場合にはステップS6に移る。ステップS5では、今度はカメラ装置5からの情報に基づいて近距離に振動発生が予測される個所があるか否かの判断を行なう。カメラ装置5は前述したように、車両前方を撮影した画像を解析して障害物の有無、路面の凸凹の有無等を判断する。そして、通過時に車両に振動が発生するような地点が存在する場合には、現在位置からその地点までの距離及び振動が継続する距離を算出して制御回路10に通報する。振動発生の予測通報を受信していた場合にはステップS7に移る。
制御回路10はこのような処理を繰り返し実行する。なお、ステップS3、S5、S7において振動発生予測時間帯が複数存在した場合には、一番近い時間帯のみを図3の振動発生予測時間帯の時刻として記憶する。制御回路10が上述したような予測処理を繰り返し実行するために、図3の(1)、(2)、(3)に記憶される時間帯の数値は、車両が前進するに従って変化する。通常は車両の前進と共に振動開始までの時間は短くなる。しかし、振動開始時刻は車速に基づいて予測されるため、車両が減速している場合には前進しているにもかかわらず振動開始予測時刻が後ろにずれることがある。
制御回路10はナビゲーションのための多数のタスクをその優先順位に従い、あるいは割り込み処理により時分割で並行処理している。HDD9へのアクセス要求はそれら多数のタスクからバラバラに発せられる。しかし、アクセス対象のHDD9は1台のみであるので、それらのアクセス要求を整理して実行するタスクが必要となる。
最初にHDD9へのデータの書き込みを必要とするタスク(以下、書き込み要求タスクという。)がアクセス処理タスクに対して書き込み要求を発する場合の処理を図5のフロー図で説明する。HDD9へのデータの書き込みが必要となった書き込み要求タスクは、ステップA1にて図4の(1)に示した書き込みバッファエリア内の書き込み要求フラグがON状態になっているか否かを判定する。書き込み要求フラグがON状態の場合は書き込みバッファエリアは使用中、ON状態でない場合は書き込みバッファエリアは空き状態で使用可能であることを意味する。
続いて書き込みデータエリアに書き込んだデータサイズを書き込みバッファエリア内のデータサイズに書き込む(ステップA4)。その後に書き込み要求フラグをON状態とする(ステップA5)。これによりアクセス処理タスクに対して書き込み要求が発せられたことになる。最後に書き込み禁止を解除しておく(ステップA6)。書き込み要求フラグがON状態とされているのでアクセス処理タスクにより書き込み要求フラグがOFF状態にされるまでは、他の書き込み要求タスクによって書き込みバッファエリアが上書きされることはない。書き込み要求を受けてアクセス処理タスクが行なう書き込み処理については後述する。
従って、読み出し要求を発した読み出し要求タスクは、読み出し要求フラグがOFF状態、読み出し完了フラグがON状態となるのをステップB8、B9にて判定しながら待機する(ステップB21)。読み出し要求フラグがOFF状態、読み出し完了フラグがON状態となったことを確認したならばステップB10に移り、読み出しデータエリア内に読み出されたデータを自己の必要な個所に転送する。最後に読み出し完了フラグをOFF状態として読み出しデータエリアが空き状態となったことを他のタスクに知らせる。以上の処理により読み出し要求タスクは、要求したデータを受け取ることができる。
最初のステップC1では、現在の時刻が図3に示した3種類の振動発生予測時間帯の何れかに入っているか否かを判定する。振動発生予測時間帯中にあれば、振動が発生しているか発生する危険性が高いために何もせずにステップC1に戻る。戻る際には若干の待機時間を設けて戻るとよい。振動発生予測時間帯に入っていなければステップC2に移行し、現在、振動が発生中か否かを判定する。これは、振動発生予測時間帯以外でも実際に振動が発生する場合があるからである。振動中であるか否かは、振動センサ4で検出された振動が所定レベル以上であるか否かで判定する。
ステップC3、C4、C6の要件が満たされない場合にはステップC11に移る。ステップC11より後のフローはデータ書き込み可能性の判定と書き込み動作を行なうフローである。ステップC11では書き込み要求フラグがON状態か否か判定する。OFF状態と判定された場合にはステップC1に戻る。ステップC1に戻るのは、読み出し要求フラグがON状態となっている筈だからである。
なお、特許請求の範囲に記載した各手段は、本実施形態では次ような構成要素により実現されている。走行地点検出手段は、GPS受信機2、制御回路10、地図データベースとそれらを制御するプログラムにより実現されている。振動発生個所予測手段は、地図データベース、振動区間データベース、カメラ装置5、通信装置6、制御回路10とそれらを制御するプログラムにより実現されている。振動発生時間帯予測手段は、車速センサ3、地図データベース、制御回路10とそれらを制御するプログラムにより実現されている。
Claims (5)
- 自車位置を検出して地図情報と照らし走行地点を把握する走行地点検出手段と、
該走行地点検出手段で把握した走行地点情報と地図データベースとに基づき走行経路上で車両に振動が発生する個所を予測する振動発生個所予測手段と、
該振動発生個所予測手段により予測した振動発生個所を通過する時間帯を予測する振動発生時間帯予測手段と、
ナビゲーションに必要なデータを記憶するディスク形記憶装置と、
ナビゲーションのプログラムを実行する制御手段と、を備え、
該制御手段は、前記ディスク形記憶装置へのデータの書き込みまたは前記ディスク形記憶装置からのデータの読み出しが必要となった場合には該データの書き込みまたは読み出しに要する時間を予測した上で前記振動発生時間帯予測手段にて予測した振動発生時間帯に入る前に該データの書き込みまたは読み出し動作が終了するか否かを判定し、終了すると判定した場合には前記ディスク形記憶装置に対して該データの書き込みまたは読み出し動作を開始させ、終了しないと判定した場合には終了可能となる状態になるまで待機した後に書き込みまたは読み出し動作を開始させることを特徴とするカーナビゲーション装置。 - 請求項1に記載のカーナビゲーション装置において、更に車両の振動を検出する振動センサを備え、前記制御手段は前記データの書き込みまたは読み出しが前記振動発生時間帯に入る前に終了すると判定した場合においても、該振動センサで検出された振動が所定の値以上となっている場合には、前記ディスク形記憶装置に対してデータの書き込みまたは読み出し動作を開始させないようにすることを特徴とするカーナビゲーション装置。
- 請求項1または2に記載のカーナビゲーション装置において、前記振動発生個所予測手段は振動の発生が予測される道路区間を記録した振動区間データベースを更に備え、前記走行地点検出手段にて把握した走行地点情報と該振動区間データベースとに基づき走行経路上で車両に振動が発生する個所を予測することを特徴とするカーナビゲーション装置。
- 請求項1乃至3の何れかに記載のカーナビゲーション装置において、前記振動発生時間帯予測手段は車速センサを備え、該車速センサで検出した車速と、前記走行地点検出手段にて把握した走行地点情報と、前記振動発生個所予測手段にて予測した振動発生個所の情報とに基づいて自車に振動が発生する時間帯を予測することを特徴とするカーナビゲーション装置。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のカーナビゲーション装置において、前記振動発生個所予測手段は更に車両前方を撮影するカメラ装置を備え、該カメラ装置にて撮影した路面状況から車両に振動が発生する個所を予測することを特徴とするカーナビゲーション装置。
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