JP4228437B2 - 薄膜積層コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜積層コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は薄膜積層コンデンサおよびその製造方法に関し、特にたとえば、小型で比較的大容量の薄膜積層コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の分野においては回路の高密度化に伴い、コンデンサ等の一層の小型化および高性能化が望まれている。
従来、積層セラミックコンデンサは、以下のような製造方法により製造されていた。すなわち、まず、所定の大きさにカットされたセラミック生シート上に電極ペーストを印刷し、乾燥後この生シートを重ねて圧着等を行った後、さらに所定の大きさにカットして焼成し、焼成後、外部電極ペーストを塗布し、焼き付けて製品としていた。
しかしながら、上記方法で積層セラミックコンデンサを作製する場合、セラミック原料粉末よりも誘電体層を薄くすることは不可能であり、その他誘電体層の欠陥によるショートや電極切れの問題から、厚み3μm以下の誘電体層を作製することは現状では困難で、積層セラミックコンデンサの小型化および大容量化には限界があった。
【0003】
この問題を解決するためにスパッタリング法で誘電体部分を作製する積層セラミックコンデンサの製造方法が提案されている(特開昭56−144523号)。ここでは、Al2 3 、SiO2 、TiO2 、BaTiO3 の薄膜および電極をスパッタリング法で作製する方法が開示されている。
しかしながら、Al2 3 、SiO2 、TiO2 等は、材料そのものの誘電率が低いので、コンデンサとしての容量を上げようとすると膜厚を非常に薄くする必要があり、リーク電流、絶縁耐圧等、電子デバイスとしての信頼性に問題がある。
【0004】
一方、BaTiO3 の他、SrTiO3 、(Ba,Sr)TiO3 、PbTiO3 、Pb(Zr,Ti)O3 、Pb(Mg,Nb)O3 等の誘電体は、材料としての誘電率は高いものの、薄膜状態で高誘電率を得るためには高酸素分圧下で成膜して薄膜の結晶性を向上させる必要がある。このため、一般的に、化学蒸着(以下、CVDと略す)法、スパッタリング法などで酸化物薄膜を作製する場合には、Pt,Ir等の耐酸化性の高い貴金属電極を使用する必要がある。
しかしながら、これらの電極材料は高価なので、薄膜積層コンデンサに占める電極材料費の割合が高くなってしまい、製造コストが上昇することとなる。また、これら貴金属は、その比抵抗がAu,Ag,Cu,Al等と比べて2〜6倍高いので、電極膜厚が小さくなると抵抗が高くなり、1MHz以上の高周波で使用しようとするとその抵抗成分の影響で損失が大きくなるという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題を解決するために、電極としてCu,Al等の比較的安価で比抵抗の小さい卑金属の電極材料を使用することが考えられる。しかし、その金属薄膜上に高温、高酸素分圧下で酸化物誘電体薄膜を形成すると電極の酸化が起こり、結果として電極抵抗が大きくなる。さらに、この酸化が進むと電極部の剥離が生じ積層コンデンサとして機能しなくなる。一方、電極の酸化を防止するために成膜時の酸素分圧をこれらの金属が酸化されないように低くすると、誘電特性が劣化する。これは、膜中の酸素空孔濃度が増大することが原因である。さらに、有機物を含む化合物を原料としてCVD法を用いて低酸素分圧下で成膜すると、条件によっては誘電体薄膜中に炭素が残留し、膜の誘電特性を著しく劣化させる。
【0006】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、比較的安価で比抵抗の小さい卑金属材料を電極に使用した場合にも良好な特性を発揮する薄膜積層コンデンサおよびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、基板上に電極薄膜を形成する第1工程と、電極薄膜上にCVD法で、(Ba 1-x Sr x )TiO 3 (ただし、0≦x≦1)で表される主成分に還元防止剤とアクセプタとを含有してなる誘電体薄膜を形成する第2工程と、第1および第2工程を少なくとも2回以上繰り返す第3工程と、電極薄膜に電気的に接続した外部電極を形成する第4工程とを含み、誘電体薄膜は、CVD原料を有機溶媒に溶解し、気化器に導入して気化した後、酸化剤で分解酸化させることにより形成され、誘電体薄膜形成中に、有機溶剤に溶解したCVD原料量と酸化剤量との比率を変化させることを特徴とする、薄膜積層コンデンサの製造方法である。本願発明にかかる薄膜積層コンデンサの製造方法において、誘電体薄膜形成初期の酸化剤量/原料量で表される比率を、それ以降に比べて小さくする。
【0008】
また、本願発明は、基板と、基板上に積層された複数の誘電体薄膜と、誘電体薄膜を挟んで形成された複数の電極薄膜と、電極薄膜に電気的に接続された外部電極とを含む薄膜積層コンデンサにおいて、誘電体薄膜は、(Ba 1-x Sr x )TiO 3 (ただし、0≦x≦1)で表される主成分にCaイオンからなる還元防止剤とMnイオンからなるアクセプタとを含有しており、誘電体薄膜の金属原子全量を100%としたときの、Ba原子の含有量が26.6〜29.8モル%であり、Sr原子の含有量が17.8〜19.9モル%であり、Ti原子の含有量が47.8〜50.1モル%であり、Ca原子の含有量が0.2〜5モル%であり、Mn原子の含有量が0.2〜5モル%であって、誘電体薄膜は、CVD法で形成され、電極薄膜は、Cu、AlあるいはNiのいずれかで形成され、静電容量:90nF以上、tanδ:3%未満、リーク電流:12nA以下である、薄膜積層コンデンサことを特徴とする、薄膜積層コンデンサである。
【0009】
本願発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の薄膜積層コンデンサの一例を示す断面図解図である。薄膜積層コンデンサ10は基板12を含む。基板12上には複数の酸化物誘電体薄膜層14と電極層16a,16b,16c,および16dとが、交互に積層されて積層体が形成されている。各酸化物誘電体薄膜層の厚み方向両側の電極層16a〜16dは、交互に基板12の幅方向の両端に引き出され、2つの外部電極18に接続される。
電極層16a〜16d用材料として卑金属を用いる場合、通常、酸化物誘電体成膜時にCVD原料である有機化合物を分解酸化させるための酸化剤によって電極層が酸化される不都合がある。この酸化を防ぐためには、成膜初期に酸化剤量/原料溶液導入量で表される比率を小さくすることにより、電極層表面を酸化雰囲気にすることなく誘電体薄膜を得ることができる。しかしながら、この状態で作製した誘電体薄膜は酸素欠陥が多く、そのままでは良好な誘電特性が得られない。そこで、誘電体薄膜が連続膜になった後、酸化剤量/原料溶液導入量で表される比率を大きくすることによって、酸素欠陥の少ない誘電体膜を成膜すると同時に初期成膜層への酸素拡散により誘電特性の良好な酸化物誘電体薄膜層14を得ることができる。
ただし、低酸素分圧下でのCVDによる酸化物誘電体/電極で表される薄膜積層体作製においては、すでに成膜されている誘電体層には上部誘電体層成膜の際に酸素が供給されにくく、結果として酸素欠陥ができやすい。そこで、誘電体層に還元防止剤としてのCaを添加することにより、この酸素欠陥の増加を防ぐことができる。また、誘電体層にアクセプタとしてのMnを添加することにより、残留した酸素欠陥付近の電荷が補償され、良好な誘電特性およびリーク特性を得ることができる。
【0011】
(実施例1)
電極材料としてCuを選択し、酸化物誘電体材料として(Ba,Sr)TiO3 (以下、BSTと略す)を選択した。電極薄膜の作製方法としてスパッタリング法を用い、酸化物誘電体薄膜の作製方法としてMOCVD( Metal Organic Chemical Vapor Deposition ) 法を用いた。図2はこの実施例で用いたMOCVD装置20を示す図解図である。このMOCVD装置20は、あらかじめ単一溶液に調整された原料溶液を貯蔵する原料容器22を含む。原料溶液は、液体マスフローコントローラー(MFC)24を介して気化器26としての流量調整バルブに送られる。また、気化器26の上流側からMFC36を介してArガスが送入される。気化器26の上流側の圧力は、900〜1000Torrに調節される。気化器26で気化した原料は、反応室28内に搬送される。気化しなかった原料は、非加熱のドレインタンク30に回収される。反応室28は真空ポンプ32によって吸引されている。真空ポンプ32にはトラップ34が接続される。
成膜は以下のような手順で行った。まず、厚さ200μmのMgO基板を準備し、図3の破線で示す部分を成膜面の反対側から深さ100μmまでダイシングソーを用いてハーフカットした。次に、MgO基板12上にメタルマスクを施し、RFマグネトロンスパッタ装置を使用して図3に示すパターンの厚さ20nmのCu薄膜16aを形成した(パターン▲1▼)。次に、MOCVD装置20を用いて基板12全面に誘電体層としてのBST薄膜14を作製した。このときの成膜条件を表1に示し、その内の具体的な原料濃度を表2に示す。BSTの膜厚が約50nmに達するまでは500CCM(cc/ 分)のO2 流量で成膜し、その後、BSTのトータルの膜厚が約250nmに至るまで2000CCMのO2 流量で成膜した。表1、試料番号1の条件では、膜厚約50nmに達するまで25分、その後膜厚約250nmに達するまで70分を要した。その他のサンプルでは成膜時間をTi原料濃度の逆数に比例して変化させた。なお、表中において、DPMはジピバロイルメタンの略であり、phenはフェナントロリンの略である。
【0012】
【表1】
Figure 0004228437
【0013】
【表2】
Figure 0004228437
【0014】
次にBST成膜面上にメタルマスクを用いて図4に示すパターンのCu薄膜16bをBSTの膜厚と同じ250nm成膜した(パターン▲2▼)。さらに、その上に図5に示すパターンのCu薄膜16cを200nm成膜した(パターン▲3▼)。そして再び、BSTを基板全面に成膜し、次に図6に示すパターンのCu薄膜16dを250nm成膜した(パターン▲4▼)。これらの手順を以下のように繰り返してBSTが11層積層されたBST/Cu積層体を得た。
MgO基板→パターン▲1▼→BST→パターン▲2▼→パターン▲3▼→BST→パターン▲4▼→パターン▲1▼→BST→パターン▲2▼→パターン▲3▼→BST→パターン▲4▼→パターン▲1▼→BST→パターン▲2▼→パターン▲3▼→BST→パターン▲4▼→パターン▲1▼→BST→パターン▲2▼→パターン▲3▼→BST→パターン▲4▼→パターン▲1▼→BST→パターン▲2▼→パターン▲3▼→BST→パターン▲4▼→パターン▲1▼→BST
【0015】
また、これとは別に、表2に示す試料番号4の原料溶液を用いてBST成膜時のO2 流量を500CCMに固定したサンプル(試料番号12)と、800CCMに固定したサンプル(試料番号13)もそれぞれ作製した。
【0016】
次に、図3〜図6に示した破線部で積層体をカットし、金属電極薄膜が露出した端面にAgの外部電極18を図1に示すように塗布し焼き付けて、薄膜積層コンデンサ10を得た。このとき、カットした積層体の一部については外部電極を焼き付けず、ICPによる組成分析に供した。その結果、得られた積層体の誘電体部は表3に示す組成(金属元素のみ)であることがわかった。
【0017】
【表3】
Figure 0004228437
【0018】
表4に薄膜積層コンデンサ10の電気特性を測定した結果を示す。なお、静電容量およびtanδは1kHz,100mVで測定した。また、リーク電流はDC3V印加時のものである。測定はn=20の平均値である。
【0019】
【表4】
Figure 0004228437
【0020】
本願発明の組成範囲内であるサンプルについては静電容量:100nF以上、tanδ:3%未満、リーク電流:12nA以下、ブレークダウン電圧(BDV):17V以上、ショート率10%以下の良好な特性を示した。しかし、Caを添加しない場合、tanδが著しく上昇した。また、Mnを添加しない場合、リーク電流が3桁上昇した。さらに、CaあるいはMnを5%より多く添加した場合、静電容量が100nF未満となった。また、BST成膜時にO2 流量を変更しない場合、500CCMに固定したサンプルでは静電容量は上昇するものの、tanδおよびリーク電流が著しく上昇した。2000CCMに固定したサンプルでは半数以上のサンプルで剥離が生じ測定できなかった(表4ではこれもショート率に含めた)。測定できたものは静電容量が極めて低かった。
このように、この実施例によれば、膜厚0.5μm以下の酸化物誘電体薄膜層と、安価で比抵抗の低い金属電極を用いた膜厚0.5μm以下の電極層とからなる薄膜積層コンデンサについて良好な特性を得ることができる。
【0021】
(実施例2)
電極材料としてAlを選択し、酸化物誘電体材料としてBSTを選択した。成膜手順は実施例1と同様である。BST成膜条件は表5、その内の具体的な原料濃度は表6の通りである。
【0022】
【表5】
Figure 0004228437
【0023】
【表6】
Figure 0004228437
【0024】
また、実施例1の場合と同様、試料番号17の原料溶液を用いてBST成膜時のO2 流量を500CCMに固定したサンプル(試料番号25)と、800CCMに固定したサンプル(試料番号26)もそれぞれ作製した。得られた積層体についてICPによる組成分析を行ったところ、誘電体部は表7に示す組成(金属元素のみ)であることがわかった。
【0025】
【表7】
Figure 0004228437
【0026】
表8に薄膜積層コンデンサの電気特性を測定した結果を示す。測定条件は実施例1の場合と同様である。
【0027】
【表8】
Figure 0004228437
【0028】
本願発明の組成範囲内であるサンプルについては静電容量:90nF以上、tanδ:3%未満、リーク電流:11nA以下、BDV:20V以上、ショート率5%以下の良好な特性を示した。しかし、Caを添加しない場合、tanδが著しく上昇した。また、Mnを添加しない場合、リーク電流が3桁上昇した。さらに、CaあるいはMnを5%より多く添加した場合、静電容量が50nF未満となった。また、BST成膜時にO2 流量を変更しない場合、500CCMに固定したサンプルでは静電容量は上昇するものの、tanδおよびリーク電流が著しく上昇した。800CCMに固定したサンプルは、ショート率が高く、測定できたものは静電容量が極めて低かった。このように、この実施例でも、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、電極材料としてNiを使用した場合も同様である。
【0029】
原料溶液の燃焼式
Ba(C11192 2 (C128 2 2 +58O2 →BaO+46CO2 +27H2 O+2N2
Sr(C11192 2 (C128 2 2 +58O2 →SrO+46CO2 +27H2 O+2N2
Ti(i−OC3 7 2 (C11192 2 +42O2 →TiO2 +28CO2 +26H2
Ca(C11192 2 +30O2 →CaO+22CO2 +19H2
2Mn(C11192 3 +179/2O2 →MnO2 +66CO2 +57H2
6 142 +17/2O2 →6CO2 +7H2
から考えると、近似的に原料の溶解によって溶液の堆積が増加しないとすれば原料溶液を完全燃焼させるためには
{(1.014×10-2×58+2.53×10-3×58+8.16×10-3×42+1.60×10-4×30+8.16×10-5×179/4)×0.4/1000+(0.4×0.90075 (C6H14O2の比重))/118.17(C6H14O2 の分子量) ×17/2}× 22400=590cm3/ 分
のO2 が必要になる。したがって、上述の実施例では、BST成膜初期はO2 流量は約15%不足しており、その結果、生成するBSTは酸素欠陥は多いものの電極であるCu、Alの酸化は生じない。BSTが連続膜になった後、O2 過剰とすると酸素欠陥が少ない膜が生成すると同時に酸素欠陥の多いBST膜に酸素が拡散し、結果として、電極を酸化することなく酸素欠陥の少ない膜が得られる。
【0030】
なお、ここでは2つの実施例について示したが、本願発明はこれに限定されるものではない。たとえば、BST成膜時にO2 流量を変更するのでなく原料溶液供給量を変化させれば酸化剤量/原料溶液導入量で表される比率を変えることができ、同様の効果が得られる。また、BST成膜後期の酸化剤量/原料溶液導入量で表される比率をさらに増やすことも可能である。この場合、電極が酸化しないようにするためには初期膜の膜厚を変化させればよい。また、有機溶媒を使用しない場合でも酸化ガスとともに還元ガスを反応室に導入すれば同様の効果が得られる。基板についても、実施例では分析精度を上げるためにMgOを使用したが、結晶化ガラス基板、アルミナ基板、YSZ基板など、任意の基板を選択することができる。
さらに、本願発明にかかる製造方法は、他の薄膜積層体構造を有する電子デバイスの製造にも応用可能なものである。
【0031】
【発明の効果】
本願発明によれば、比較的安価で比抵抗の小さい卑金属材料を電極に使用した場合にも良好な特性を発揮する薄膜積層コンデンサおよびその製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる薄膜積層コンデンサの一例を示す断面図解図である。
【図2】本願発明にかかる薄膜積層コンデンサの製造に用いたMOCVD装置を示す図解図である。
【図3】電極膜のパターン▲1▼を示す平面図である。
【図4】電極膜のパターン▲2▼を示す平面図である。
【図5】電極膜のパターン▲3▼を示す平面図である。
【図6】電極膜のパターン▲4▼を示す平面図である。
【符号の説明】
10 薄膜積層コンデンサ
12 基板
14 酸化物誘電体薄膜層
16 電極層
18 外部電極
20 MOCVD装置
22 原料容器
24 液体マスフローコントローラー
26 可変流量バルブ(気化器)
28 反応室
30 ドレインタンク

Claims (3)

  1. 基板上に電極薄膜を形成する第1工程と、
    前記電極薄膜上にCVD法で、(Ba 1-x Sr x )TiO 3 (ただし、0≦x≦1)で表される主成分に還元防止剤とアクセプタとを含有してなる誘電体薄膜を形成する第2工程と、
    前記第1および第2工程を少なくとも2回以上繰り返す第3工程と、
    前記電極薄膜に電気的に接続した外部電極を形成する第4工程とを含み、
    前記誘電体薄膜は、CVD原料を有機溶媒に溶解し、気化器に導入して気化した後、酸化剤で分解酸化させることにより形成され、
    前記誘電体薄膜形成中に、有機溶剤に溶解したCVD原料量と酸化剤量との比率を変化させることを特徴とする、薄膜積層コンデンサの製造方法。
  2. 前記誘電体薄膜形成初期の酸化剤量/原料量で表される比率を、それ以降に比べて小さくすることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜積層コンデンサの製造方法。
  3. 基板と、
    前記基板上に積層された複数の誘電体薄膜と、
    前記誘電体薄膜を挟んで形成された複数の電極薄膜と、
    前記電極薄膜に電気的に接続された外部電極とを含む薄膜積層コンデンサにおいて、
    前記誘電体薄膜は、(Ba 1-x Sr x )TiO 3 (ただし、0≦x≦1)で表される主成分にCaイオンからなる還元防止剤とMnイオンからなるアクセプタとを含有しており、
    前記誘電体薄膜の金属原子全量を100%としたときの、Ba原子の含有量が26.6〜29.8モル%であり、Sr原子の含有量が17.8〜19.9モル%であり、Ti原子の含有量が47.8〜50.1モル%であり、Ca原子の含有量が0.2〜5モル%であり、Mn原子の含有量が0.2〜5モル%であって、
    前記誘電体薄膜は、CVD法で形成され、
    前記電極薄膜は、Cu、AlあるいはNiのいずれかで形成され、
    静電容量:90nF以上、tanδ:3%未満、リーク電流:12nA以下である、薄膜積層コンデンサ。
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