JP4227896B2 - 折畳式ルーフを備えた自動車用後部パネル - Google Patents

Description

本発明は、後部格納部に折畳み収納可能なルーフを備えた自動車用後部パネルに関する。より詳細には、パネルを、このパネルが自動車のシャーシ部材と格納部蓋部の前方端の間にほぼ水平に配置される使用位置から、パネルがほぼ垂直に配置されることによってルーフがシャーシ部材と前方端の間を通過するための空間を設ける格納位置まで移動させ得る手段を備えた自動車用後部パネルに関する。

後部格納部内へのルーフの収納又は取り出しのために使用位置から格納位置まで回動する後部パネルが公知である。
しかし、パネルがある位置から他の位置まで通過するときにその側端がルーフ後部の内装に衝突することがあるとの問題があった。

このため、特許文献１及び特許文献２には、上記の位置を取り得る中央部材と２つの側部部材とを備えたこの種類のパネルの製造が提案されている。
より詳細には、特許文献１には側部部材は、ほぼ長手方向軸の周りにそれぞれ中央部材の１つの横断方向端に連接されている。

しかし、側部部材の制御方法は複雑であり、十分なものではなかった。
ドイツ特許第１９７４９５５２号明細書 米国特許第５９２１６０８号明細書

本発明はこの問題を緩和することを目的とする。
より詳細には、本発明は、折畳みルーフが設けられた車両のための後部パネルにおいて、１つの位置から他の位置まで通過させるときにパネルの側端を引き込むための手段が設けられている後部パネルを提供することを目的とする。

従って、本発明の第１の目的は、自動車用の後部パネルにある。自動車には後部格納部内に収納可能なルーフと、パネルを、同パネルが自動車のシャーシ部材と格納部蓋部の前方端の間にほぼ水平に配置される使用位置から、パネルがほぼ垂直に配置されることによってルーフがシャーシ部材と前方端の間を通過するための空間を設ける格納位置まで移動させ得る手段とが設けられ、パネルは、
使用位置及び格納位置を取り得る中央部材と、
それぞれが中央部材の横断方向の端縁にてほぼ長手方向にあるシャフト７の周りに連接された２つの側部部材６とを備える。同パネルは、
側部部材６のうちの１つに固定されるとともに、シャーシに固定されたカムトラックとそれぞれ協働可能な２つのカムフォロワと、
中央部材と側部部材の間にありカムフォロワをカムトラックに当接させることが可能な弾性手段と、
カムフォロワ、カムトラック及び弾性部材は、パネルが使用位置にあるときには側部部材を中央部材５のなす平面と同一面に配置し、及びパネル４が格納位置にあるときには側部部材を中央部材５に相対して傾斜させて配置するように設けられていることとを備えることを特徴とする。

従って、パネルの中央部材が格納位置に移動するときには、側部部材はそれらを中央部材に対して傾斜させるために長手方向軸の周りに単純な方式で回動し、その結果ルーフの内装品に通路を確保する。

車両内の利用可能なスペース、及びパネルの特定の運動に従って、パネルの側部部材は、その使用位置に対して上方へも下方へも回動可能である。

本発明の２つの実施形態を、図面を参照して、限定的でない例として説明する。
図１に示されているように、折畳式ルーフを備えた車両は、シャーシ１、後部格納部の蓋部２、及びシャーシ１の後方端を蓋部２の前方端に長手方向にて連結させる後部パネル４を備える。

長手方向とは、車両のフロントからリアへの方向をいう。
車両のルーフは複数の部材からなり、それらの後部部材３のみが示されている。車両ルーフが車室を覆う位置では、ルーフの後方端はパネル４の後方端と蓋部２の前方端の間の連結との高さに到達する。

ルーフの後部格納部への収納を可能とするために、パネル４はほぼ垂直位置まで傾斜され、蓋部２の前方部分は持ち上げられる。
後部パネル４は、中央部材５と、中央部材にほぼ長手方向となるシャフト７上で連接される２つの側部部材６とからなる。

シャフト７の周りの連接は側部部材６の、中央部材５に相対した上方向（図１〜３）、又は下方向（図４）の移動を可能とさせる。
第１の実施形態によると、図１〜３に示されているように、側部部材６は車両の底部に向かって引き込まれるため、パネル４を移動する前にルーフを引き込むことが必要ではなくなる。

このため、第１の別例によると、図１，２に示されているように、関節のあるアーム８が設けられ、一端においてパネル４に固定され、他端においてシャーシ１に固定されている。これらアーム８に直接に取り付けられた（図２）連結部材９は、連結ロッドのシステム（図示せず）を用いて側部部材６が下方に回動することを可能にする。

第１実施形態の第２の別例（図３）によると、側部部材６の下方を指向した回動は側部部材６に固定された突起１０を利用して行われる。この突起１０は、シャーシ１に固定された支持部１２に設けられるカムトラック１１と協働可能なカムフォロワを形成する。

突起１０とパネルの中央部材５上に設けられた突起１３との間に配置されたバネ１４はこのような回動を生じさせるべく構成されている。
図４Ａ，４Ｂに示された第２の実施形態によると、側部部材６は車両の上部を指向して引き上げられるため、何らかの適切な方法によってパネル４の移動前にルーフを撤収しておく必要がある。

このため、側部部材６には雁首状のカムフォロワ１５が設けられ、その端部１６にはパネル４の中央部材５上に回動自在に載置されている。カムフォロワ１５はシャーシ１に固定された支持部１２上に設けられたカムトラック１７と協働するように構成されている。

伸縮バネ１８は一端にカムフォロワ１５の突出部１９が固定され他端にパネル上に設け
られた突起２０が固定されている。このバネ１８は、パネル４が使用位置（図４Ａ）にあるときにカムフォロワ１５の突出部１９をカムトラック１７に当接させることを可能にする。パネル４が持ち上げられたときに、バネ１８はカムフォロワ１５の突出部１９を上方へと推進し、この移動が側部部材６の上昇と、同側部部材の中央部材５に相対した回動とを生じさせる。

パネルの中央部材５を、図２Ａ，３Ａ，４Ａに示されている車両のシャーシ１と後部格納部蓋部の前方端の間に結合を提供する使用位置から、シャーシと上記前方端の間におけるルーフ部材の自由な通過を確保する格納位置まで通過させるために、公知の手段（図示せず）が設けられている。

パネルが第１実施形態に従って製造され、折畳式ルーフを備えた車両の一部を示す縦断面図。 使用位置にある第１実施形態のパネルを供えた車両の横断面半図。 格納位置にある第１実施形態のパネルを供えた車両の横断面半図。 第１実施形態の別例によって製造されたパネルを使用位置にて示す図２と同様な横断面半図。 第１実施形態の別例によって製造されたパネルを格納位置にて示す図２と同様な横断面半図。 使用位置にある第２実施形態のパネルを供えた車両の横断面半図。 格納位置にある第２実施形態のパネルを供えた車両の横断面半図。

Claims (2)

1. 自動車用後部パネル４と、前記自動車には後部格納部内に収納可能なルーフと、パネル４を、同パネルが前記自動車のシャーシ部材と前記格納部蓋部の前方端の間にほぼ水平に配置される使用位置から、前記パネルがほぼ垂直に配置されることによって前記ルーフが前記シャーシ部材と前記前方端の間を通過するための空間を設ける格納位置まで移動させ得る手段とが設けられていることと、
   前記使用位置及び格納位置を取り得る中央部材５と、
   それぞれが前記中央部材５の横断方向の端縁にてほぼ長手方向にあるシャフト７の周りに連接された２つの側部部材６とを備える後部パネルにおいて、
   前記側部部材６のうちの１つに固定されるとともに、前記シャーシに固定されたカムトラック１１，１７とそれぞれ協働可能な２つのカムフォロワ１０，１５と、
   前記中央部材５と側部部材６の間にあり前記カムフォロワ１０，１５を前記カムトラック１１，１７に当接させることが可能な弾性手段１４，１８と、
   前記カムフォロワ、カムトラック及び弾性部材は、前記パネル４が使用位置にあるときには前記側部部材６を前記中央部材５のなす平面と同一面に配置し、及び前記パネル４が格納位置にあるときには前記側部部材６を前記中央部材５に相対して傾斜させて配置するように設けられていることとを備えることを特徴とする後部パネル。
2. 請求項１に記載の後部パネル４を備えることを特徴とする自動車。

Images