JP4227594B2 - 騒音吸収パネル - Google Patents

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Description

本発明は、騒音吸収パネルに関するものであり、特に、高速で移動する高速移動体の騒音を吸収するのに好適な騒音吸収パネルに関するものである。
従来より、高速移動体として、高速鉄道車両では、種々の騒音対策を施すことにより、その騒音レベルが所定の騒音環境規制値を下回るようにしている。鉄道車両の走行に伴って発生する騒音は、図8(A)に示すように、車輪101とレール102との接触音や車輪101の駆動音など台車103周りからの騒音、パンタグラフ104の風切り音やパンタグラフ104と架線105との接触音などパンタグラフ104周りからの騒音、車体106と空気との摩擦による空力音などの車体106周りからの騒音など三つに大別することができる。
車体106周りの騒音を低減させるものとして、図8(B)に示すような構造の吸音パネル107が知られている。この吸音パネル107は、車体106側に取り付けられるベース部材108と、断面コ字形状の支持部材109と、支持部材109によりベース部材108から所定距離離間した位置に配置され、発泡アルミなどの多孔質素材からなる吸音材110と、吸音材110の表側に配置され、吸音材110を支持部材109に固定する帯板111とで構成されている。
この吸音パネル107には、吸音材110の裏側に、ベース部材108と支持部材109とにより空洞部112が形成されており、この空洞部112により共振させることで騒音を低減させることができ、吸音材110と共に作用させることで騒音を吸収するようになっている。なお、この吸音パネル107の表側にさらにパンチングメタルと布を配置して、空力音をさらに低減させるものも提案されている(特許文献1)。
しかしながら、上記の吸音パネル107では、空洞部112の厚さと吸音率とは相関関係を有しており、吸音特性を上げると厚さが厚くなり、設置スペースを広く必要としたり、重量が重くなったりする問題があった。そこで、図9に示すような吸音パネル115が提案されている(特許文献2)。この吸音パネル115は、ハニカムコア116のセル内に吸音材117を充填し、ハニカムコア116の一方の面にガラス繊維からなる織布を樹脂で固めた表層材118を固定すると共に、ハニカムコア116の他方の面に遮音材119を固定した形態とされており、表層材118及び吸音材117により騒音を吸収することで、吸音率を高めると共に、薄型で軽量なものとなっている。
出願人は、本願出願時において、以上の技術情報が記載されている文献として、以下のものを知見している。
特開2002−67941号 特開2004−116118号
しかしながら、従来の吸音パネル115では、その表面が、ガラス繊維からなる織布を樹脂で固めただけのものであるため、高速移動体の高速移動に伴う衝撃(例えば、トンネル内への突入やすれ違い時に生じる圧力変動、異物の衝突、等による衝撃)に対しては強度的に弱く、破損する恐れがあり、衝撃により破損した場合、ハニカムコアが露出し内部の吸音材117が漏出する問題があった。なお、表層材118をパンチングメタルに代えることで強度を向上させることが考えられるが、パンチングメタル単体では強度的に不充分であり、破損する恐れがあった。
また、従来の吸音パネル115は、表層材118がガラス繊維の織布とされ、その繊維間の目(隙間)を通って騒音が吸音材117に吸収されるようになっているので、意匠性を高めるために吸音パネルに塗装する場合、塗料により繊維間の目が詰まり易くなり、吸音特性が低下してしまう問題があった。そのため、特殊な方法で、目詰まりしないように塗装する必要があり、塗装にかかるコストが増大すると共に、塗膜の厚さも薄くなるため、塗装の耐久性が低下する問題があった。
また、従来の吸音パネル115は、吸音材117として一般には、ガラスウールや多孔質発泡体を用いているので、保水性に優れており、雨水等が浸入することで、その水を保水してしまい、重量が増加したり、吸音特性が低下したりして、耐水性に問題があった。
また、従来の吸音パネル115は、火災などの熱により、表層材118に含まれる樹脂や、ハニカムコア116のセル内の吸音材117が燃えてしまう恐れがあった。そのため、それらを燃え難い難燃材を用いることが考えられるが、表層材118とハニカムコア116とは、接着剤により接着固定されているため、火災などの熱がその接着剤に作用して接着力を弱め、破損する恐れがあり、耐火性に問題があった。
更に、従来の吸音パネル115は、ハニカムコア116の両面に接着される表層材118と遮音材119との接着箇所を接着後に検査することが困難であり、接着信頼性に欠けるものであった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、騒音を良好に吸収すると共に、所望の表面強度を有し、耐衝撃性、耐水性などに優れた薄型・軽量で低コストな騒音吸収パネルの提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る騒音吸収パネルは、「複数の貫通孔を有した第一面板及び第二面板と、前記第一面板を一方の面に、前記第二面板を他方の面に夫々接着固定されるハニカム状のコア材とを備え、強度剛性及び通気性を有したサンドイッチパネルからなる保護部材と、該保護部材の後面に配置され吸音特性を有した板状の吸音手段とを具備する」構成とするものである。
ところで、本発明の吸音手段に相当する従来の吸音パネルでは、一体となったパネルで、強度特性と吸音特性とが両立するようにしていた。つまり、強度特性を上げれば吸音特性が低下し、吸音特性を上げれば強度特性が低下するので、所定の大きさや重量の範囲内では、得られるものが限られていた。そのため、例えば、従来の吸音パネルを高速移動体に用いた場合、所望の吸音特性は得られるものの、強度特性は不充分であり、今後予想される高速移動体の更なる高速化に対応可能な強度特性及び吸音特性を備えたものを得るのは困難であった。
本発明によると、吸音手段の前面にサンドイッチパネルからなる保護部材を配置したものである。つまり、保護部材により騒音吸収パネルにかかる機械的な強度を支持させると共に、通気性を有することで良好に騒音を透過させ、その後面に配置された吸音手段が騒音を吸収するものである。これにより、騒音吸収パネルに求められる強度特性と、吸音特性とを保護部材と吸音手段とで夫々に役割分担させることが可能となり、所望の強度特性と吸音特性とを備えた騒音吸収パネルとすることができる。
また、保護部材をサンドイッチパネルとしているので、その構成している層の強度を夫々異ならせることで、衝撃吸収性を高めることが可能となり、強度特性と共に、耐衝撃性に優れたものとすることができる。なお、保護部材の通気性の度合を適宜設定することにより、通気抵抗を付与させて、その通気抵抗により保護部材を通過する騒音をある程度減衰させることができ、保護部材においても、吸音特性を備えたものとすることができる。
ここで、「貫通孔」としては、特に限定するものではないが、通気性を有することで騒音を透過し易いものであれば良く、丸孔、角孔、長孔、などその形状については、適宜設定することができる。また、貫通孔の大きさは、直径で1〜4mmの範囲内であれば良く、例えば、1.5mm,2mm,3mm等とすることができ、これよりも単位面積当りの貫通孔の数が多くなることでコストが増加するためであり、これよりも大きいと意匠性が悪くなるためである。更に、面板に対する貫通孔の開口率は、25〜40%の範囲内、更には30〜35%の範囲内が望ましく、これよりも小さいと騒音の透過が少なくなり所望の吸音特性が発揮できなくなるためであり、これよりも大きいと面板の強度が低下して所望の強度特性が得られなくなるためである。
本発明によると、ハニカム状のコア材の両面に、複数の貫通孔を有した第一面板と第二面板とを接着固定したものである。つまり、ハニカムサンドイッチ構造としたもので、これにより、所望の強度特性を備えたものとすることができると共に、衝撃吸収性が高いので異物などが当たっても、その衝撃を吸収することができ、大きく破損して吸音手段が露出したり漏出したりするのを防止することができる。
また、第一面板と第二面板には、夫々複数の貫通孔を有しているので、その貫通孔を介して騒音を良好に吸音パネル側に透過させることができる。また、貫通孔を所定の大きさとすることで、表面を塗装しても、塗料により目詰まりすることが無く、意匠性を高められると共に、騒音の透過が低下するのを防止することができる。
更に、第一面板と第二面板には、夫々複数の貫通孔を有しているので、その貫通孔を介して、夫々の面板とコア材との接着状況を検査することが可能となり、接着不良などを排除することができるので、より信頼性の高いものを提供することができる。
なお、保護部材をアルミ等の金属製とした場合、熱伝導率が高くなるので、火災などにより熱が作用しても、その熱を速やかに拡散させることができ、温度が上昇するのを抑制することができるので、燃え難くなり、耐火性に優れたものとすることができる。
また、複数の貫通孔が、第一面板と第二面板において、夫々互い違いとなるように配置することで、保護部材の外側から雨水や異物などの物が、第一面板の貫通孔を通過した上で第二面板の貫通孔を通過して直接吸音手段に当たる確率が低くなり、物による吸音手段への影響を低く抑えることができる。
本発明に係る騒音吸収パネルは、上記の構成に加えて、「前記吸音手段は、発泡材からなる板状の吸音部材と、該吸音部材の表面の内、少なくとも前記保護部材と対向する側の面に配置され通気性を有した防水シートとを備えている」構成とするものである。
本発明によると、吸音部材を発泡材としたことで吸音特性の高いものとすることができる反面、吸水性が高くなるので、吸音部材の少なくとも保護部材と対向する面に通気性を有した防水シートを配置することで、吸音部材へ騒音を良好に伝達させると共に、雨水等の液体が吸音部材に浸入することを防止し、耐水性を向上させることで、吸水による重量の増加を防止すると共に、吸音特性の優れたものとすることができる。なお、通気性を有した防水シートは、通気抵抗を有しているので、防水シートを通過する騒音をある程度減衰させることができ、防水シートを備えることで、更に吸音特性を高めることができる。
本発明に係る騒音吸収パネルは、上記の構成に加えて、「前記保護部材と前記吸音手段との間、又は、前記吸音部材と前記防水シートとの間の少なくとも一方の間に配置され、浸入した液体を下方へ誘導する液体誘導手段を更に具備する」構成とすることもできる。
ここで、「液体誘導手段」としては、特に限定するものではないが、夫々の部材同士が直接接触するのを防ぎ、所定の空間を形成するものであれば良く、例えば、ナイロンなど樹脂によりメッシュ状に形成されたもの、波打ち状に形成されたもの、簾状のもの、などを例示することができる。なお、メッシュ状に形成されたものとした場合は、そのメッシュが垂直方向に対して傾斜するように配置することが望ましく、それにより、液体をより下方に誘導させることができる。
本発明によると、保護部材側から雨水などの液体が浸入しても、液体誘導手段により下方に誘導されて排出されるので、吸音手段、特に、吸音部材に液体が浸入するのを好適に防止することができる。
本発明に係る騒音吸収パネルは、上記の構成に加えて、「前記吸音手段を所定の形状に保持する保形手段を更に具備する」構成とすることもできる。
ところで、吸音手段として、発泡材や吸音フォーム、ガラス繊維のマット等、吸音特性の高いものは、脆弱で、変形し易いものであることが多く、組立作業を行う際に、破損したり、変形したりして、組立が困難となる問題があった。そこで、本発明によると、保形手段により吸音手段を所定形状に保持しているので、騒音吸収パネルを構築する際に、吸音手段が変形したり、破損したりするのを防止して、容易に取り扱うことが可能となり、組立性を向上させることができる。
上記のように本発明によると、騒音を良好に吸収すると共に、所望の表面強度を有し、耐衝撃性、耐水性などに優れた薄型・軽量で低コストな騒音吸収パネルを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態である騒音吸収パネルについて、図1及び図2に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の騒音吸収パネルの一例を示す側面断面図であり、図2は、図1の騒音吸収パネルの一部を切り欠いて示す斜視図である。
図示するように、本実施形態の騒音吸収パネル10は、高速で移動する高速鉄道車両などの高速移動体の騒音を吸収するのに好適なものである。この騒音吸収パネル10は、強度剛性及び通気性を有したハニカムサンドイッチパネルからなる保護部材11と、保護部材11の後面に配置され吸音特性を有した板状の吸音手段12とから構成されている。これら保護部材11と吸音手段12と、保護部材11と吸音手段12との間に配置され浸入した液体を下方へ誘導する液体誘導手段14aと、吸音手段12を所定の形状に保持する保形手段15とを備えている。この騒音吸収パネル10は、保護部材11が表面に露出するように所定の支持枠16内に固定支持されている。
保護部材11は、複数の貫通孔17を有した第一面板18及び第二面板19と、第一面板18を表面に、第二面板19を裏面に夫々接着固定されたハニカム状のコア材20とから構成されており、第一面板18と第二面板19の貫通孔17が、夫々互い違いとなるように配置されている。
この保護部材11は、本例では、アルミ合金製からなるハニカムサンドイッチパネルとされており、第一面板18及び第二面板19は、所謂、ジュラルミンと呼ばれる2000系のアルミ合金を用いたパンチングメタルであり、その板厚は、1.0mmとされ、貫通孔17の直径は2mm、開口率は約35%とされている。なお、板厚は0.8mmでも良く、0.6mm〜1.2mmの範囲内であれば良い。また、貫通孔17の直径は1〜4mmの範囲内であれば良く、1.5mm〜3mmの範囲内が望ましい。更に、貫通孔17の開口率は25〜45%の範囲内が望ましい。更に、第一面板18及び第二面板19は、その表面に燐酸フッ素酸化皮膜処理(リン酸アノダイズ処理)を施した上で、接着前処理兼腐食防止用のエポキシプライマーを塗布しており、耐候性、及び塗装性に優れたものとなっている。
吸音手段12は、発泡材からなる板状の吸音部材21と、吸音部材21の外周面の全面を覆うように配置される通気性を有した防水シート22とから構成されており、本例では、吸音部材21の表面側(図1中上側)の面と防水シート22との間に液体誘導手段14bが配置されている。吸音部材21は、本例ではフェノール樹脂など不燃性樹脂を所定の倍率で発泡させたものであり、その内部は連立気泡、すなわち、気泡により形成された空間が独立することなく互いに連通した状態となっており、入射された騒音が散乱・乱反射して、そのエネルギーを減衰させることで、効率よく吸収することができるものである。また、防水シート22は、液体が透過することのない超微細孔を多数穿設した薄膜の樹脂シートと、その樹脂シートを保持する布とから構成され、樹脂シートが表面側となるように用いられている。なお、本例では、防水シートとして、商標名「ゴアテックス」(登録商標)を用いている。
液体誘導手段14は、図2に示すように、所定の大きさの桝目を有した網状の部材であって、本例では、厚さ約1mmのナイロンメッシュとされており、この液体誘導手段14は、図示は省略するが、その厚さは一定ではなく、所定の範囲内で波打つように変化しており、厚さの薄い部分において、所定の空間が形成されるようになっている。また、本例では、保護部材11と吸音手段12との間の液体誘導手段14aは、その桝目の並ぶ方向が斜め方向となるように配置されており、浸入した液体が容易に下方へ誘導されるようになっている。なお、同図では、防水シート22と吸音部材21との間の液体誘導手段14bを、その桝目が上下左右方向に並ぶように配置したものを示しているが、保護部材11と吸音手段12との間の液体誘導手段14aと同様に、斜めに並ぶように配置しても良い。
保形手段15は、図2示すように、ハニカム状に形成された部材であり、本例では、ハニカムサンドイッチパネルに用いられるハニカムコアとされており、吸音手段12の吸音部材21内に埋設することで、吸音部材21の形状を保持すると共に、吸音部材21に剛性を付与している。なお、本例では、保形手段15は、吸音部材21の両面から埋設した形態としている。
支持枠16は、表面側(図1中上側)が開口し、裏面側が閉鎖された形態の枠とされており、その側面内周には、保護部材11を保持するための第一溝23と、第一溝23の下側に配置され吸音手段12を保持する第二溝24とが形成されている。これら第一溝23、第二溝24に夫々保護部材11、吸音手段12が嵌合保持されている。つまり、騒音吸収パネル10は、支持枠16により、その外周が保持された状態となっている。
なお、本例の保護部材11の厚さt1は約6mm、吸音部材21の厚さt2は約20mmであり、支持枠16の厚さt3は約32mmである。因みに、騒音吸収パネル10のみの厚さは約28mmである。また、騒音吸収パネル10の単位面積当りの重量は約7kg/m、曲げ応力は約2kg/mmである。
ところで、本例の騒音吸収パネル10における吸音手段12は、その全面を覆う防水シート22が、その防水機能を発揮する薄膜の樹脂シートが表面側となるように用いられているので、騒音吸収パネル10を組み立てる際に破損したり、長期に亘る使用よって保護部材11や支持枠16などと擦れ合って摩耗したりして、防水機能が損なわれることが考えられる。そこで、図3に示すように、吸音手段12に防水シート22を保護するための保護手段として、各隅部に装着する隅部材30を備えたものとしても良く、更に、図中破線で示すように、各隅部材30同士を固定すると共に、吸音手段12における角部の防水シートを保護するように粘着テープ31を貼り付けても良い。これにより、防水シート22を保護して耐久性を高めることができる。
次に、本実施形態の騒音吸収パネル10の効果について図4乃至図7を基に詳細に説明する。図4は、本発明の騒音吸収パネルと従来の吸音パネルとを、吸音率と周波数との関係を比較して示すグラフである。図5は、本発明の騒音吸収パネルと図4に示した従来の吸音パネルとは異なる従来の吸音パネルとを、吸音率と周波数との関係を比較して示すグラフである。図6は、構成の異なる本発明の騒音吸収パネルの吸音率と周波数との関係を比較して示すグラフである。図7は、衝撃試験の試験方法を示す説明図である。
まず、図4及び図5に示す従来例1は、図9に示す従来の吸音パネル115の表層材118としてガラス繊維の代わりにアルミファイバーメッシュを用いたものであり、全体の厚さが約35mmとされているものである。また、従来例2及び従来例3は、図8(B)に示す空洞部112を有した吸音パネル107であり、従来例2のものは吸音パネル107の表面にパンチングメタルと布を配置したものである。これら従来例2及び従来例3のものの厚さは約50mmとされている。
図4及び図5に示すように、本例の騒音吸収パネル10(図中本発明例と表記)は、従来例1〜3のものと比較しても、その吸音率(吸音特性)が遜色のない略同等の性能を有していることが判る。そして、従来例1〜3は何れも異物などの衝突による衝撃に弱く、また、従来例2及び従来例3はその厚さが約50mmと、本例の騒音吸収パネル10に対して約1.5倍も厚く、薄型で高性能と言う点では、本例の騒音吸収パネル10の方が優れていることが判る。
ところで、本発明の騒音吸収パネルは、上述の騒音吸収パネル10以外の構成としても良く、その構成の違いによる吸音率と周波数との関係を示したものが図6である。同図において、本発明例1は上述の騒音吸収パネル10であり、ハニカムサンドイッチパネルと吸音部材と防水シートとで構成されたものである。また、本発明例2は上述の騒音吸収パネル10から防水シート22を取り除いて構成したもので、つまり、ハニカムサンドイッチパネルと吸音部材とで構成されたものである。なお、図中参考例は、吸音部材のみのものを示している。
図6に示すように、本発明例1及び2は、参考例と比較して吸音率が優れていることが判る。つまり、吸音部材のみの構成のものよりも、本発明のようにハニカムサンドイッチパネルを加えた構成のものの方が、吸音率が優れている。これは、ハニカムサンドイッチパネル単体でも、そのパネルが通気抵抗を有していることから、通過する騒音をある程度減衰させることができ、図8(B)に示すような従来の吸音パネルと同様の吸音効果が発現し、吸音部材との相乗効果により、より優れた吸音率(吸音特性)が得られているものと思われる。
また、図6において、本発明例1と2とを比較すると、本発明例1の方が優れていることが判る。つまり、防水シート22を備えたものの方が、より吸音率が高くなっている。これは、防水シート22単体でも、通気抵抗を有しているので通過する騒音を減衰させることができる等、ある程度の吸音特性を有しており、ハニカムサンドイッチパネル、吸音部材、防水シートの三つの相乗効果により、更に優れた吸音特性が得られているものと思われる。
次に、図7は、衝撃試験として、図示するように、騒音吸収パネル10に、7.5mの高さから、重さが約2kg、直径が約8cmの鉄球25を落下させたものである。この試験の結果、騒音吸収パネル10の第一面板18,第二面板19の破断が確認されたものの、鉄球25の貫通は無く、保護手段12が充分に機能することが確認された。
また、耐水性の試験として、騒音吸収パネル10の表面に対して約45度の角度から約15分間散水する試験を行った結果、試験前と試験後とでは重量の増加が殆ど認められなかった。因みに、鉄道車両などの車体の洗浄等に用いられるウォータージェットを用いた場合でも、吸音手段12に殆ど影響の無いことを確認した。これは、保護部材11において、第一面板18と第二面板18の貫通孔17を夫々互い違いにしたことにより、保護部材11の内部において水圧が減衰させられると共に、水圧が直接吸音手段12にかかるのを防止しているからである。
このように、本実施形態の騒音吸収パネル10によると、保護部材11により騒音吸収パネル10にかかる機械的な強度を支持させると共に、複数の貫通孔17により良好に騒音を透過させ、その後面に配置された吸音手段12が騒音を吸収するものである。これにより、騒音吸収パネル10に求められる強度特性と、吸音特性とを保護部材11と吸音手段12とで夫々に役割分担させることが可能となり、所望の強度特性と吸音特性とを備えた騒音吸収パネル10とすることができる。
また、保護部材11をハニカムサンドイッチ構造としているので、所望の強度特性を備えたものとすることができると共に、衝撃吸収性が高いので異物などが当たっても、その衝撃を吸収することができ、大きく破損して吸音手段12が露出したり漏出したりするのを防止することができる。また、保護部材11をアルミ合金製としているので、熱伝導率が高く、火災などにより熱が作用しても、その熱を速やかに拡散させることができ、温度が上昇するのを抑制することができるので、燃え難くなり、耐火性に優れたものとすることができる。
また、第一面板18と第二面板19に備えられた複数の貫通孔17は、所定の大きさとされており、表面を塗装しても、塗料により目詰まりすることを防止して騒音の透過が低下するのを抑制することができると共に、その表面にはプライマーが塗布されているので、塗料の接着性が高められており、耐候性に優れたものとすることができる。また、表面を再塗装する場合でも、特殊な塗装を施す必要がなく、そのコストを削減することができる。
更に、吸音部材21を、通気性を有した防水シート22で覆うと共に、液体誘導手段14を吸音部材21の前面に配置しているので、吸音部材21へ騒音を良好に伝達させると共に、雨水等の液体が吸音部材21に浸入するのを防止すると共に、浸入した液体を下方に排出させることができるので、吸水による重量の増加を防止し、良好な耐水性を得られると共に、吸音特性の優れたものとすることができる。また、洗浄用のウォータージェットにも耐えられるので、高速移動体として高速鉄道車両等に用いるのに好適である。なお、騒音吸収パネル10を構成する素材を洗浄剤などの化学薬品に対する耐化学薬品性の優れたものを用いても良いことは言うまでもない。
また、保形手段15を備えているので、騒音吸収パネル10を構築する際に、吸音部材21が変形したり、破損したりするのを防止して、容易に取り扱うことが可能となり、組立性を向上させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の騒音吸収パネル10では、保護部材11をアルミ合金製のサンドイッチパネルとしたものを示したが、これに限定するものではなく、ステンレス等の鋼製とすることもでき、これにより、耐候性を高めることができる。或いは、カーボンファイバー等の複合材料を用いたサンドイッチパネルとすることもでき、これにより、より軽量化することができる。
また、本実施形態の騒音吸収パネル10では、吸音部材21と防水シート22との間に液体誘導手段14を配置したものを示したが、これに限定するものではなく、吸音部材21と防水シート22との間の液体誘導手段14を廃止しても良い。これにより、部品点数を削減することができるので、コストを低減させることができる。
更に、本実施形態の騒音吸収パネル10では、保形手段15として、ハニカムコアを用いたものを示したが、これに限定するものではなく、網状の部材や、枠状の部材、等を用いることもできる。
本発明の騒音吸収パネルは、高速移動体として、高速鉄道車両、航空機、乗用車やトラックなどの自動車、の他に、鉄道、高速道路、空港等で高速移動体の近くに配置される防音壁などに利用することができる。
本発明の騒音吸収パネルの一例を示す側面断面図である。 図1の騒音吸収パネルの一部を切り欠いて示す斜視図である。 図1に示す騒音吸収パネルの吸音手段における防水シートの保護手段を備えた例を示す斜視図である。 本発明の騒音吸収パネルと従来の吸音パネルとを、騒音の周波数と吸音率との関係で比較して示すグラフである。 本発明の騒音吸収パネルと図4に示した従来の吸音パネルとは異なる従来の吸音パネルとを、吸音率と周波数との関係を比較して示すグラフである。 構成の異なる本発明の騒音吸収パネルの吸音率と周波数との関係を比較して示すグラフである。 衝撃試験の試験方法を示す説明図である。 (A)は従来の鉄道車両における騒音の問題点を示す説明図であり、(B)は従来の吸音パネルを示す断面図である。 図8とは異なる従来の吸音パネルを示す斜視図である。
符号の説明
10 騒音吸収パネル
11 保護部材
12 吸音手段
14 液体誘導手段
15 保形手段
16 支持枠
17 貫通孔
18 第一面板
19 第二面板
20 コア材
21 吸音部材
22 防水シート

Claims (4)

  1. 複数の貫通孔を有した第一面板及び第二面板と、前記第一面板を一方の面に、前記第二面板を他方の面に夫々接着固定されるハニカム状のコア材とを備え、強度剛性及び通気性を有したサンドイッチパネルからなる保護部材と、
    該保護部材の後面に配置され吸音特性を有した板状の吸音手段と
    を具備することを特徴とする騒音吸収パネル。
  2. 前記吸音手段は、
    発泡材からなる板状の吸音部材と、
    該吸音部材の表面の内、少なくとも前記保護部材と対向する側の面に配置され通気性を有した防水シートと
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の騒音吸収パネル。
  3. 前記保護部材と前記吸音部材との間に配置され、浸入した液体を下方へ誘導する液体誘導手段を更に具備することを特徴とする請求項2に記載の騒音吸収パネル。
  4. 前記吸音手段を所定の形状に保持する保形手段を更に具備することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の騒音吸収パネル。
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