JP4377720B2 - 高速鉄道車両用騒音吸収パネル - Google Patents

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Description

本発明は、高速鉄道車両用の騒音吸収パネルに関するものであり、特に、高速鉄道車両の車体下部の騒音を吸収するのに好適な高速鉄道車両用騒音吸収パネルに関するものである。
従来より、新幹線などの高速鉄道車両においては、種々の騒音対策を施すことにより、その騒音レベルが所定の騒音環境規制値を下回るようにしている。鉄道車両の走行に伴って発生する騒音は、図7(A)に示すように、車輪101とレール102との接触音や車輪101の駆動音など台車103周りからの騒音、パンタグラフ104の風切り音やパンタグラフ104と架線105との接触音などパンタグラフ104周りからの騒音、車体106と空気との摩擦による空力音などの車体106周りからの騒音など三つに大別することができる。
車体106周りの騒音を低減させるものとして、図7(B)に示すような構造の吸音パネル107が知られている。この吸音パネル107は、車体106側に取り付けられるベース部材108と、断面コ字形状の支持部材109と、支持部材109によりベース部材108から所定距離離間した位置に配置され、発泡アルミなどの多孔質素材からなる吸音材110と、吸音材110の表側に配置され、吸音材110を支持部材109に固定する帯板111とで構成されている。
この吸音パネル107には、吸音材110の裏側に、ベース部材108と支持部材109とにより空洞部112が形成されており、この空洞部112により共振させることで騒音を低減させることができ、吸音材110と共に作用させることで騒音を吸収するようになっている。なお、この吸音パネル107の表側にさらにパンチングメタルと布を配置して、空力音をさらに低減させるものも提案されている。
また、台車103や鉄道車両100の床下機器から発生する騒音に対しては、図7(A)に示すように、防音壁113などを設けることで対応していた。
出願人は、本願出願時において、以上の技術情報が記載されている文献として、以下のものを知見している。
特開2002−67941号
ところで、今後、高速鉄道車両のより高速化が予想され、例えば、現在、最高営業速度が275km/hであるのに対し、これが360km/hとなった場合、騒音は速度の二乗に略比例することから、その騒音は現行のおよそ70%以上増大する恐れがあるが、パンタグラフ104周りや、車体106周りの騒音については、現行の技術によりある程度対応することが可能であるのに対して、車体106下部の台車103周りや図示しない床下機器などから発生する騒音については、防音壁113だけでは不十分であり、鉄道車両100側でも騒音対策をする必要がある。
そこで、車体106の吸音パネル107を用いて、車体106の下部全面を覆うことで、台車103周りや床下機器などからの騒音を低減することが考えられるが、従来の吸音パネル107は、図2のグラフに示すように、その空洞部112の厚さT(図7(B)参照)と吸音率との間には相関関係があり、空洞部112の厚さTが厚くなるほど吸音率が向上すると供に、その吸音率のピーク値が低周波数側、すなわち、台車周りなどの騒音の大きい周波数側へシフトするという特性を有しており、吸音パネル107の厚さを厚くする必要があるが、厚さを厚くすると床下機器の収容空間が狭くなり、床下機器を収容できない恐れがある。因みに、二点鎖線はT=20mm、破線はT=45mm、一点鎖線はT=50mmである。
また、従来の吸音パネル107では、空洞部112の共振により騒音を吸収しており、そのため、図2に示すように、特定の周波数において吸音性能を発揮するものであり、吸収できる騒音の周波数帯域が狭く、例えば、500Hz〜2000Hzといった広い周波数帯域において吸音特性を発揮することができなかった。
さらに、従来の吸音パネル107において、その表面の吸音材110は、構造的には弱く、高速鉄道車両がトンネルに出入りする際に、およそ200Paの気圧変動が発生し、その気圧変動により吸音材110が大きく変形するため、支持部材109の間隔を狭くすると共に数を増やすことで吸音材110の変形を防ぐようにすることが考えられるが、吸音材110は、支持部材109のフランジ部分と帯板111とで取り付けられており、この取り付け部分では吸音効果が望めず、支持部材109を増やすと吸音効果を発揮しない部分が増えることとなり、所望の吸音性能を得られなくなるという問題がある。加えて、帯板111は吸音材110の表面から突出しており、この帯板111が空力音の発生源となっている。
また、吸音パネル107の支持部材109を増やすことにより、吸音パネル107の重量が増大し、吸音パネル107の取り扱いが煩雑になると共に、その製造に係るコストが大幅に増加する問題がある。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、高速鉄道車両の車体下部の騒音を良好に吸収することができると共に、薄型且つ軽量で低コストな、高速鉄道車両用騒音吸収パネルの提供を課題とするものである。
本発明に係る高速鉄道車両用騒音吸収パネル(以下、単に騒音吸収パネルとも称す)は、「アルミ短繊維をマット状に形成した多孔質吸音材と、該多孔質吸音材の一方の面に接着されセラミック繊維に不燃性樹脂を含浸させたハニカムコアと、該ハニカムコアの各セル内に充填され、発泡樹脂からなる充填材と、前記ハニカムコアの前記多孔質吸音材を接着した側とは反対側に接着される板材とを具備し、前記多孔質吸音材側を高速鉄道車両の外側へ向けて該高速鉄道車両の車体下部に装着する」構成とするものである。また、本発明に係る高速鉄道車両用騒音吸収パネルは、「前記高速鉄道車両における車体下部の側面に装着する」構成とすることもできる。また、本発明に係る高速鉄道車両用騒音吸収パネルは、「前記板材または前記多孔質吸音材の何れか一方の側から他方の側に向けて所定深さのスリットを複数さらに備え、前記高速鉄道車両における車体側面の曲面に略沿うように折り曲げる」構成とすることもできる。更に、本発明に係る高速鉄道車両用騒音吸収パネルは、「前記高速鉄道車両における車体下部の下面に装着する」構成とすることもできる。
本発明の高速鉄道車両用騒音吸収パネルによると、多孔質吸音材と板材とをハニカムコアにより接着結合し、ハニカムコアの各セル内に充填材を充填したものであり、これにより、騒音吸収パネルをハニカム構造とすることで、その剛性と強度を高めることができ、高速鉄道車両がトンネルなどに出入りする際の気圧変動などにより騒音吸収パネルが破損するのを防止することが可能となる。
また、多孔質吸音材をハニカムコアと接着結合しているので、従来のコ字形状の支持部材109のフランジ部と比較してその接着部分は極めて細く、多孔質吸音材の吸音面積の減少が数%以下となり、多孔質吸音材の吸音特性を十分に発揮させることができると共に、高速鉄道車両用騒音吸収パネルを軽量で低コストなものとすることが可能となる。
さらに、ハニカム構造により剛性と強度が高められているので、ハニカムコアの各セル内に吸音特性に優れた発泡樹脂からなる充填材を充填することで、多孔質吸音材と強度の低い充填材とを組み合わせることが可能となり、それらの組み合わせにより優れた吸音特性を発揮することができる。また、従来のように空洞部の共振作用により吸音特性を発揮させる場合に比べて、より広い範囲の周波数帯域において吸音特性を発揮することが可能となると共に、騒音吸収パネルの厚さを薄くすることが可能となり、車体下部に用いても、床下機器などの収容空間を十分に確保することができる。
また、多孔質吸音材をハニカムコアと接着結合しているので、従来のように、帯板などがその表面から突出することがなく、帯板などによる空力音が発生することがない。
ところで、従来の吸音パネル107に、所定間隔のスリットを備えることで車体下部カバーの曲面に沿うように折り曲げることが考えられるが、従来の吸音パネル107は、空洞部112の共振により吸音特性を得るようにしているため、空洞部112にスリットが入るとその部分の吸音特性が著しく低下する問題があり、スリットを備えることができなかった。
本発明の高速鉄道車両用騒音吸収パネルによると、騒音吸収パネルに複数のスリットを形成することで折り曲げ可能とし、車体下部カバー本体の曲面に沿うように折り曲げた上で、車体下部のカバー本体に装着するもので、これにより、騒音吸収パネルを平板状に形成したものを用いることが可能となり、騒音吸収パネルの製造にかかるコストを低く抑えることができる。
また、スリットを備えることで、ハニカムコアのリボン方向を所定方向としてその直角方向に沿って曲げ易くする上述の構成のみでは対応しきれないような曲率の小さい曲面形状にも対応することが可能となる。なお、スリットを備える構成と、ハニカムコアのリボン方向を所定方向に向ける構成とを組み合わせることで、高速鉄道車両用騒音吸収パネルを滑らかに曲げることが可能となる他、三次元曲面形状にも容易に曲げることができる。
また、本発明の騒音吸収パネルは、多孔質吸音材と発泡樹脂からなる充填材により吸音特性を発揮するものであるので、従来の吸音パネル107のようにスリットを備えることで吸音特性が著しく低下することがなく、スリットを備えてもその優れた吸音特性を維持することができ、曲面形状の車体下部カバーに好適に用いることができる。
なお、スリットは、騒音吸収パネルの製造段階において、予めスリットを備えるように製造しても良いし、騒音吸収パネルの製造後に、ダイヤモンドカッターなどを用いてスリットを備えるようにしても良く、ダイヤモンドカッターなどを用いてスリットを備えるようにすることで、スリットの間隔などを容易に変更することが可能となると共に、スリットを容易に備えることができる。
本発明の高速鉄道車両用騒音吸収パネルによると、ハニカムコアをセラミック繊維により形成すると共に、不燃性樹脂を含浸させており、騒音吸収パネルの難燃性を高めることができると共に、セラミック繊維に水分などが吸収されるのを防止し、重量が増加したり、吸収された水分が凍結することにより騒音吸収パネルに不具合が発生するのを防ぐことが可能となる。
上記のように本発明によると、高速鉄道車両の車体下部の騒音を良好に吸収することができると共に、薄型且つ軽量で低コストな、高速鉄道車両用騒音吸収パネルを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態である高速鉄道車両用騒音吸収パネルについて、図1乃至図5に基づき説明する。図1(A)は本発明の高速鉄道車両用騒音吸収パネルを車体下部に装着した状態で示す概略断面図であり、(B)は騒音吸収パネルの拡大断面図であり、(C)は騒音吸収パネルの一部を切り欠いて示す拡大正面図である。図2は本発明の高速鉄道車両用騒音吸収パネルの周波数と吸音率との関係を従来のものと比較して示すグラフであり、図3は車体下部カバーの下側カバーに装着された高速鉄道車両用騒音吸収パネルをその断面と共に示す斜視図であり、図4は車体下部カバーの側面カバーに装着された高速鉄道車両用騒音吸収パネルをその断面と共に示す斜視図であり、図5は図4の高速鉄道車両用騒音吸収パネルを分解して示す斜視図である。
本実施形態の高速鉄道車両用騒音吸収パネルは、図1(A)に示すように、高速鉄道車両1の車体下部2に主に用いられるものであり、車体下部2の左右両側および床下機器3の下側を覆うように装着され、床下機器3や台車周りからの騒音を吸収するものである。
本実施形態の騒音吸収パネル4は、平板状に形成されたものであり、図1(B)にその断面を拡大して示すように、短繊維をマット状に形成した多孔質吸音材5と、多孔質吸音材5の一方の面に接着結合され、セラミック繊維からなり不燃性樹脂を含浸させたハニカムコア6と、ハニカムコア6の各セル内部に充填された発泡樹脂からなる充填材7と、ハニカムコア6の多孔質吸音材5とは反対側の面に接着結合される板材8とから構成されている。
多孔質吸音材5は、本例ではアルミの短繊維をマット状に形成したものであり、この多孔質吸音材5のみでも、ある程度の吸音特性を備えているものである。また、ハニカムコア6は、本例ではセラミック繊維に不燃性樹脂としてフェノール樹脂を含浸させたものであり、難燃性を高めると共に、セラミック繊維の吸湿作用を抑制しハニカムコア6に水分が吸収されて重量の増加や、低温時にその水分が凍結することで不具合が発生するのを防止するものである。
このハニカムコア6は、図1(C)に示すように、六角形状の複数のセルを備えており、本例では図中左右方向がリボン方向とされている。つまり、ハニカムコア6を構成する帯材により形成される辺のうち、図中左右方向に延びる辺同士が互いに接着されており、この辺は他の辺と比較してその剛性が高いものとなっているため、リボン方向に対してその直角方向に沿う方向には曲げ易くなっている。
充填材7は、本例ではフェノール樹脂など不燃性樹脂を所定の倍率で発泡させたものであり、その内部は連立気泡、すなわち、気泡により形成された空間が独立することなく互いに連通した状態となっており、入射された騒音が散乱・乱反射して、そのエネルギーを減衰させることで、効率よく吸収することができるものである。また、板材8は、アルミ合金などの強度のある部材からなっている。
なお、本例の騒音吸収パネル4は、上記の構成により、その厚さがおよそ30mmであり、その強度がおよそ10MN/mである。
次に、図2は、本実施形態の高速鉄道車両1の騒音吸収パネル4における周波数と吸音率との関係を示すグラフである。本例の騒音吸収パネル4の吸音率は実線で示すように、多孔質吸音材5側から入射された騒音に対して、広い周波数帯域において高い吸音率を示していることが判る。特に500〜4000Hzの間の周波数帯域において、0.7以上の高い吸音率を示している。これは、まず多孔質吸音材5においてある程度の騒音が吸収された上で、ハニカムコア6の各セル内の発泡樹脂からなる充填材7にさらに吸収され、それらの相乗効果により広い周波数帯域において高い吸音率を発揮しているものと思われる。一方、同図に合わせて示す従来の吸音パネルでは、高い吸音率を示す周波数帯域が狭く、その厚さTが45mm以上であっても、特定の狭い範囲内でしかその能力を発揮しておらず、その厚さも含めて本発明品がいかに優れているかが判る。
続いて、本実施形態の騒音吸収パネル4を車体下部2に装着する方法について図面を基に説明する。図1(A)に示すように、高速鉄道車両1の車体下部2には、床下機器3や図示しない台車などを覆う車体下部カバー9が備えられている。この車体下部カバー9は、床下機器3の下側に配置される下面カバー10と、側面に配置される側面カバー11とから構成されており、それら下面カバー10および側面カバー11は、所定の大きさに分割された上で、高速鉄道車両1の車体下部2に取り付けられている。
車体下部カバー9の下面カバー10は、図3に詳しく示すように、一方に断面コ字形状の嵌入部12を備えた装着金具13を枠状に形成した下面カバー本体14と、下面カバー本体14の嵌入部12に外周を嵌入装着される平板状の騒音吸収パネル4とから構成されており、騒音吸収パネル4は、その多孔質吸音材5が下側を向くように下面カバー本体14に装着されている。
下面カバー本体14の外周には、その面方向に延出し高速鉄道車両1に取り付けるためのフランジ部15が備えられている。本例では、車両の幅方向に対して下面カバー10が三つ配置されており、下面カバー10同士の接続部分にあってはフレーム16に、下面カバー10と後述の側面カバー11との接続部分にあってはフレーム17に、夫々下面カバー本体14のフランジ部15を介してボルトなどの図示しない取付具により取り付けられている。
一方、車体下部カバー9の側面カバー11は、図4および図5に詳しく示すように、所定の曲面形状に形成され、騒音吸収パネル4を収容可能な凹部18を備えた側面カバー本体19と、板材8側から所定深さのスリット20が複数備えられ側面カバー本体19の曲面形状に沿って折り曲げられた騒音吸収パネル4とから構成され、騒音吸収パネル4は、その多孔質吸音材5が表側に露出するように側面カバー本体19の凹部18に収容装着されている。なお、騒音吸収パネル4は、側面カバー本体19に、リベット、ボルト・ナット、或いは、接着剤などの結合手段により固定されている。
この側面カバー本体19は、アルミ合金製の押し出し型材とされ、その凹部18が車両の外側に開口するように備えられていると共に、凹部18の上下にはフレーム21およびフレーム17に取り付けるためのフランジ部22およびフランジ部23が備えられている。そして、側面カバー本体19は、そのフランジ部22,23を介して図示しない取付具によりフレーム21,17に取り付けられている。なお、上記フレーム16,17,21は、高速鉄道車両1に夫々固定されている。
側面カバー本体19の凹部18に装着される騒音吸収パネル4は、当初、平板状に形成したものに、ダイヤモンドカッターなどにより、その板材8側から所定深さで、車両の前後方向に延びるスリット20を適宜間隔で複数備えた後に、それらスリット20を利用して側面カバー本体19の曲面形状に略沿うように折り曲げて形成したものである。
また、この騒音吸収パネル4は、部分的に拡大して示すように、そのハニカムコア6のリボン方向が、側面カバー本体19の曲面に沿った方向に対して略直角方向に向くように配置されている。換言すると、ハニカムコア6のリボン方向が、車両の前後方向と略同じ方向とされており、騒音吸収パネル4は、スリット20以外の場所でも、側面カバー本体19の曲面形状に略沿うように曲がっており、滑らかな曲面形状となっている。
また、この騒音吸収パネル4は、図示するように、その多孔質吸音材5がハニカムコア6などよりも大きく延出した延出部24を備えており、この延出部24により、側面カバー本体19のフランジ部22,23の一部を覆うような形態となっている。これにより、側面カバー11全体の吸音特性を高めている。
なお、本例の下面カバー本体14および側面カバー本体19は、本発明の車体下部のカバー本体に夫々相当するものである。
このように、本実施形態の高速鉄道車両用騒音吸収パネルによると、多孔質吸音材5と板材8とをハニカムコア6により接着結合し、ハニカムコア6の各セル内に充填材7を充填したものであり、これにより、騒音吸収パネル4をハニカム構造とすることで、その剛性と強度を高めることができ、高速鉄道車両1がトンネルなどに出入りする際の気圧変動により騒音吸収パネル4が破損するのを良好に防止することが可能となる。
また、多孔質吸音材5をハニカムコア6と接着結合しているので、従来のコ字形状の支持部材109のフランジ部と比較してその接着部分は極めて細く、多孔質吸音材5の吸音面積の減少が数%以下となり、多孔質吸音材5の吸音特性を十分に発揮させることができると共に、騒音吸収パネル4を軽量なものとすることが可能となる。これにより、高速鉄道車両1に車体下部カバー9を備えて騒音対策を施しても、高速鉄道車両1の重量の増加を最小限に抑えることが可能となると供に、低コストで実現することができる。
さらに、ハニカム構造により剛性と強度が高められているので、ハニカムコア6の各セル内に吸音特性に優れた発泡樹脂からなり強度の低い充填材7を充填することで、それらを組み合わせることが可能となり、より優れた吸音特性を発揮することができる。また、従来のように空洞部112の共振作用により吸音特性を発揮させる場合に比べて、より広い範囲の周波数帯域において吸音特性を発揮することが可能となると共に、騒音吸収パネル4の厚さを薄くすることが可能となり、車体下部2に用いても、床下機器3などの収容空間を十分に確保することができる。
また、多孔質吸音材5をハニカムコア6と接着結合しているので、従来のように、帯板111などがその表面から突出することがなく、帯板111などによる空力音が発生することがない。なお、多孔質吸音材5は、塗装することも可能であり、これにより、意匠性を高めることができる。
さらに、ハニカムコア6のリボン方向が、車体下部カバー9の側面カバー本体19の曲面に沿った周方向に対して略直角方向に向けて配置されているので、容易に側面カバー本体19の曲面に沿うように曲げることが可能となると共に、さらに、複数のスリット20が備えられているので、曲率の小さい曲面に対しても対応させることができるので、平板状に形成した騒音吸収パネル4を用いることが可能となり、騒音吸収パネル4の製造にかかるコストを低く抑えることができる。
また、騒音吸収パネル4と、下面カバー本体14や側面カバー本体19とを別体としているので、小石など異物が衝突して騒音吸収パネル4が破損した場合でも、破損した騒音パネル4のみを交換すればよく、修理にかかるコストを抑制することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の高速鉄道車両1用の騒音吸収パネル4では、車体下部カバー9のカバー本体、すなわち、下面カバー本体14および側面カバー本体19と、騒音吸収パネル4とが別体となったものを示したが、これに限定するものではなく、騒音吸収パネル4の板材8を車体下部カバー9のカバー本体としたものでも良い。例えば、図6に示す側面カバー25は、騒音吸収パネル26の板材をカバー本体としての側面カバー本体27としたものであり、なお、上記の実施形態と同じ構成のものについては、同一の符号を付し、説明は省略する。この側面カバー25でも、上記と同様の効果を奏することができる他に、側面カバー25自体を騒音吸収パネル26としているので、別途板材を備える必要がなく、部品点数を少なくすることができると共に、より軽量化することができる。
また、本実施形態の高速鉄道車両1用の騒音吸収パネル4では、ハニカムコア6のリボン方向を車体下部カバー9における側面カバー本体19の曲面に沿った周方向に対して略直角方向に向けて配置すると共に、所定深さのスリット20を複数備えたものを示したが、これに限定するものではなく、ハニカムコア6のリボン方向の向き、および、スリット20の何れかの構成のみのものとすることもできる。例えば、ハニカムコア6のリボン方向の向きのみの構成とした場合、騒音吸収パネル4にスリット20を備える必要がないので、騒音吸収パネル4のコストを抑えることができると共に、スリット20を備えていないので吸音特性が高く維持することができる。
さらに、本実施形態の高速鉄道車両1用の騒音吸収パネル4では、ハニカムコア6のリボン方向を車体下部カバー9における側面カバー本体19の曲面に沿った周方向に対して略直角方向、すなわち、車両の前後方向に向けて配置すると共に、所定深さのスリット20を車両の前後方向に延びるように備えたものを示したが、これに限定するものではなく、ハニカムコア6のリボン方向と、スリット20の延びる方向とを互いに直交するように備えても良い。これにより、騒音吸収パネル4を三次元曲面形状に容易に曲げることが可能となり、例えば、台車カバーや車両の先頭部分など、三次元曲面形状となった部分にも適用することが可能となり、高速鉄道車両1の騒音をさらに低減することができる。
(A)は本発明の高速鉄道車両用騒音吸収パネルを車体下部に装着した状態で示す概略断面図であり、(B)は騒音吸収パネルの拡大断面図であり、(C)は騒音吸収パネルの一部を切り欠いて示す拡大正面図である。 本発明の高速鉄道車両用騒音吸収パネルの周波数と吸音率との関係を従来のものと比較して示すグラフである。 車体下部カバーの下側カバーに装着された高速鉄道車両用騒音吸収パネルをその断面と共に示す斜視図である。 車体下部カバーの側面カバーに装着された高速鉄道車両用騒音吸収パネルをその断面と共に示す斜視図である。 図4の高速鉄道車両用騒音吸収パネルを分解して示す斜視図である。 図4とは異なる形態の側面カバーを示す断面図である。 (A)は従来の鉄道車両における騒音の問題点を示す説明図であり、(B)は従来の吸音パネルを示す断面図である。
符号の説明
1 高速鉄道車両
2 車体下部
4 騒音吸収パネル
5 多孔質吸音材
6 ハニカムコア
7 充填材
8 板材
9 車体下部カバー
14 下面カバー本体(カバー本体)
19 側面カバー本体(カバー本体)
20 スリット
25 側面カバー
26 騒音吸収パネル
27 側面カバー本体(カバー本体)

Claims (4)

  1. アルミ短繊維をマット状に形成した多孔質吸音材と、
    該多孔質吸音材の一方の面に接着されセラミック繊維に不燃性樹脂を含浸させたハニカムコアと、
    該ハニカムコアの各セル内に充填され、発泡樹脂からなる充填材と、
    前記ハニカムコアの前記多孔質吸音材を接着した側とは反対側に接着される板材と
    を具備し、
    前記多孔質吸音材側を高速鉄道車両の外側へ向けて該高速鉄道車両の車体下部に装着することを特徴とする高速鉄道車両用騒音吸収パネル。
  2. 前記高速鉄道車両における車体下部の側面に装着することを特徴とする請求項1に記載の高速鉄道車両用騒音吸収パネル。
  3. 前記板材または前記多孔質吸音材の何れか一方の側から他方の側に向けて所定深さのスリットを複数さらに備え、
    前記高速鉄道車両における車体側面の曲面に略沿うように折り曲げることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高速鉄道車両用騒音吸収パネル。
  4. 前記高速鉄道車両における車体下部の下面に装着することを特徴とする請求項1に記載の高速鉄道車両用騒音吸収パネル。
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