JP3615215B1 - 鉄道車両の床板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重量増を最小限に押さえ、高い圧縮強度を保ち、騒音の低減が可能な鉄道車両の床板を提供する。
【解決手段】
板状かつ樹脂製の芯材層と、芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、芯材層と第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、第一の板材と芯材層との接合部及び、第二の板材と芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が1MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下である弾性材層と、を含む。弾性材層が振動低減層として機能し、かつ弾性材層が接着層を兼ねるため、構造が簡単でありながら軽量、剛性、防振の効果を発揮する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両の床板に関するものである。より詳しくは、床下からの振動が客室内へ伝わりにくい鉄道車両の床板に関する。
新幹線等の高速車両に使用される床板は、十分な剛性が要求される一方、車両の速度向上を図るために軽量化も求められている。これらの要求を満たすため、従来の床板には主として図10の断面図に示すものが採用されている。それはアルミハニカム100からなる芯材を使用し、2枚の金属板101で芯材を挟みこんで積層構造化したものである。軽くするために金属板101はアルミニウム合金で作られている。アルミハニカム100と金属板101は例えばエポキシ系接着剤のような硬質の接着剤によって接着され、一体化している。アルミハニカム100を芯材に用いているので、軽量でかつ高い剛性を示す。
ところが、上記の従来の床板は車内騒音が大きい問題点があった。車内騒音の発生要因は大まかに言うと2種類あって、一つは走行中の車両や駆動装置からの振動が床下から伝わり、床板を振動させて放射音を発生するものである。他の一つは床下で発生した騒音が床板を透過する音(透過音)である。放射音および透過音は客室へ伝わって騒音となり、乗客に不快感を与える要因になっていた。従来の床板はアルミハニカム100が振動伝達経路となり、床下からの振動が減衰されること無くそのまま伝播してしまい、床からの放射音が特に大きい。
そこで低騒音化の対策が検討された。一般に床板は厚いほど、また、重量があるほど防音性能が向上する。その理由は、床板が厚いほど透過音が減り、重量があるほど固体振動が伝播しにくくなって放射音が低減するからである。そのため芯材や金属板を厚くしたり、重い金属を使用したりする対策方法が考えられたが、重量増加に繋がるので車両床全面には採用されていない。
上記問題を解決するため、下記特許文献1および2にはコルクおよび木質の板材を重ね合わせた芯材を用いたり、ハニカム材に貫通穴を形成したりした鉄道車両の床板が開示されている。コルクおよび木質の板材を使用するのは、低い剛性を持つため、振動する床の曲げ波の波長が短くなり、振動放射音を下げられるからである。また、ハニカム材に貫通穴を形成するのは、貫通穴が抵抗となって音のエネルギーを損失させるためである。
特開2003−182572号公報 特開2003−226238号公報
これまで説明したように、軽量の床材は防音性に劣る。すなわち、芯材を改良するだけでは限界があり、軽量性と防音性を同時に改善することは難しい。そこでこの問題を解決するために、芯材の他に騒音を低減させるための研究が本出願人において長期間続けられてきた。
本発明は上述のような事情を背景になされたものであって、特に、重量増を最小限に押さえ、高い圧縮強度を保ち、放射音の低減が可能な鉄道車両の床板を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、鉄道車両の床板であって、板状かつ樹脂製の芯材層と、芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、芯材層と第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、第一の板材と芯材層との接合部及び、第二の板材と芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が1MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下である弾性材層と、を含み、弾性材層が振動低減層として機能し、かつ弾性材層が接着層を兼ねていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために本発明は、鉄道車両の床板であって、板状かつ硬質発泡樹脂製の芯材層と、芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、芯材層と第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、第一の板材と芯材層との接合部及び、第二の板材と芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が1MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下である弾性材層と、を含み、弾性材層が振動低減層として機能し、かつ弾性材層が接着層を兼ねていることを特徴とする。
本発明は芯材と板材との間にある弾性材層に振動低減効果をもたせようとするものである。その結果、床面からの放射音を低減することが可能となる。弾性材層はヤング率が1MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下であると効果的に放射音を低減することができる。
さらに本発明は弾性材層が、芯材層と板材との接着層を兼ねている。すなわち、芯材層の両面に第一及び第二の板材を配置して、これらを弾力性のある厚い接着剤で接着することで、接着層が弾性材層となるようにする。ここで使用可能な接着剤とは例えばヤング率が1MPa以上10MPa以下の範囲にあるウレタン系、シリコン系、変性シリコン系、エポキシ系、アクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系の接着剤である。このような接着剤は、ヤング率が10MPaを超える比較的硬い接着剤に比べて床下からの振動をより効果的に減衰でき、放射音の低減効果が高いため好適である。
また、弾性材層は、芯材層と第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、第一の板材と芯材層との接合部および、第二の板材と芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在している。すなわち、芯材層と第一の板材とを接着する弾性材層と、芯材層と第二の板材とを接着する弾性材層が、両方ともヤング率1MPa以上10MPa以下で、かつ厚さ0.1mm以上1.0mm以下であると、これら2つの弾性材層が両方とも床下からの振動の減衰に寄与するので、放射音の低減効果が高い。どちらか一方の弾性材層だけが上記ヤング率および厚さの条件を満たすようにする事も可能である。その場合は放射音の低減効果を示すものの、若干、効果が低くなる。
上記のような床板の構造によれば弾性材層が振動を減衰するので、軽量で剛性の高い芯材層を用いても放射音を低減させることができるようになる。芯材層は、床板として十分な剛性を持たせるために圧縮強度が1MPa以上の材料を使用するとよい。圧縮強度が1MPa未満では床板としては必ずしも十分とは言えない。また、軽量化を進めるために、硬質発泡樹脂を芯材として使用することができる。ここで硬質発泡樹脂とは合成樹脂に発泡剤を添加したり、機械的に泡立てたりして多数の気泡を内部に作った硬質樹脂のことであり、気泡を含むので軽い特徴がある。発泡倍率は例えば5倍〜20倍程度が望ましい。より望ましい発泡倍率は、5倍〜15倍である。特にアクリル系の発泡樹脂は軽量で圧縮強度が高く、好適に使用できる。他にはポリプロピレン、ポリエチレン、天然ゴム、クロロプレンゴムやSBR(スチレンブタジエンゴム)又はEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴム、ウレタン、フェノール樹脂、塩化ビニルなどもよい。
板材は高剛性および難燃性を備え、軽量な材料を用いるのが望ましく、具体的にはアルミニウムなどの金属、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂などがよい。金属板は不燃性なので特に良く、中でもアルミニウム製の金属板は軽量であり、板材に好適に使用できる。
以上のように、本発明では芯材層の両面にそれぞれ弾性材層を介して第一、第二の板材を配置し、接着することによって、この弾性材層によって振動低減効果を奏させるものである。床材として荷重を直接的に受ける部分は板材で形成されて、耐荷重性という点での高剛性を保持しつつ、弾性材層で防振性を高めることができる。しかも、その弾性材層は芯材と第一、第二の板材の接着機能を兼ねるので、別途専用の弾性材層が省略できる。仮に専用の弾性材層を配置する場合は図5の断面図に示すように、芯材層51と弾性材層53との間の接着剤層54と、弾性材層53と板材52との間の接着剤層54とが二重に必要で、上側と下側で同じ構造とすれば、2枚の弾性材層53と4層の接着剤層54が必要で、板材52を合わせれば全体で9層を有する構造となってしまう。これに対して、本発明では図1の断面図に示す構造となり、専用の弾性材層が不要で、弾性材層2が接着剤層を兼ねるので、芯材層1と上側及び下側の弾性材層2と上側および下側の板材3とのわずか5層の単純な構造でありながら、高剛性と防振性の両立を実現したものである。これによって、鉄道車両の床材に求められる高剛性、高防振性及び安価という3つの条件を満たすトリプル効果を奏する。また、芯材を硬質発泡樹脂とすることで高剛性を確保しつつ一層の軽量化が達成でき、これによって高剛性、高防振性、安価および軽量化という4つの顕著な効果を同時に奏することができる。
以上説明したように本発明によれば、芯材の両面にヤング率が1MPa以上10MPa以下で、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下の弾性材層を有するので、床下からの振動を弾性材層が広い周波数帯に渡って効率的に振動を減衰することができ、客室への騒音を有効に下げることができる。さらに、芯材に荷重耐圧が1MPa以上の硬質発泡樹脂材料を使用することで、軽量でかつ高い圧縮強度を備えることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は鉄道車両の床板の構造を示す概略縦断面図である。この床板の構造は、板状かつ樹脂製の芯材層1の両面に2枚の板材3が配置されている。そして芯材層1と各板材3の間には弾性材層2があり、弾性材層2が接着層を兼ねている。弾性材層2はヤング率が1MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下である。このようにすると弾性材層2は振動低減層として機能するので、床下から伝わる走行車両の振動が弾性材層2の内部で減衰する。そのため床上には振動があまり伝わらず、客室への放射音を低減できる。弾性材層は、ウレタン系、シリコン系、変性シリコン系、エポキシ系、天然ゴム系、合成ゴム系、液状ゴム系の接着剤が好適に使用でき、中でもウレタン系接着剤が最も好ましい。
軽量化を進め、かつ圧縮強度を高めるために、芯材層1として硬質発泡樹脂を使用することが望ましい。圧縮強度が1MPa以上の芯材を用いるとよく、特にアクリル系の発泡樹脂がよい。発泡樹脂の発泡倍率は5倍〜20倍が望ましく、より望ましくは5倍〜15倍である。発泡倍率が5倍未満だと密度が高くなり、必ずしも十分な軽量化を達成できない場合がある。また、発泡倍率が20倍を超えると圧縮強度が低くなり、床板として必ずしも十分な強度が得られない場合がある。なお、アクリル系発泡樹脂の他にはポリプロピレン、ポリエチレン、天然ゴム、クロロプレンゴムやSBR(スチレンブタジエンゴム)又はEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴム、ウレタン、フェノール樹脂、塩化ビニルなどの発泡樹脂も使用可能である。
板材3の上面には図示しない床敷物が敷設されており、客室の床面として使用される。板材3は前述したようにアルミニウムなどの金属、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂を使用でき、不燃性、高剛性および軽量化の観点から、アルミニウム製の金属板が最も望ましい。また、板材3の下面は、後述する床受けによって支持されている。
弾性材層のヤング率および厚さの臨界的意味を次に説明する。弾性材層のヤング率が1MPa未満になると柔らかすぎて、床として使用したときに、必ずしも十分な強度が保てない。10MPaを超えると硬すぎて、床下からの振動を効率的に減衰できず、放射音の低減効果が低くなる。より望ましいヤング率は2MPa以上5MPa以下である。
弾性材層の厚さが0.1mm未満になると、床下からの振動が必ずしも十分に減衰せず、放射音を十分に低減できない。1.0mmを超えると全体の重量が重くなる問題が生じ、軽量化と両立しにくくなる。より望ましい厚さは0.3mm以上0.5mm以下である。なお、上記厚さとは弾性材層1層分の厚さのことである。
次に、板材3、弾性材層2、芯材層1の厚さの、望ましい比率を説明する。板材3の厚さをA、弾性材層2の厚さをB、芯材層1の厚さをCとする。A/Bは0.2以上30以下とすることが望ましい。A/Bが30を超えると板材3が厚すぎて全体の重量が重くなる問題が生じ、必ずしも十分な軽量化ができない場合がある。A/Bが0.2未満だと板材3の厚さが薄すくなりすぎて、板材3が十分な強度を保ちにくくなる。また、B/Cは0.003以上0.35以下とすることが望ましい。B/Cが0.35を超えると弾性材層2が厚すぎる問題が生じ、必ずしも十分な軽量化ができない場合がある。B/Cが0.003未満だと弾性材層2の厚さが薄すぎて、接着強度が低くなる場合がある。
本発明においては、芯材層1と上面側の板材3を接着する弾性材層2と、芯材層1と下面側の板材3を接着する弾性材層2が、両方ともヤング率が1MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下であることが最も望ましい。弾性材層2が両方とも上記条件を満たすと、それぞれの弾性材層2が振動低減層として機能し、放射音を効果的に低減することができる。どちらか一方の弾性材層2だけが上記条件を満たすようにする事も可能である。その場合は、片方の弾性材層2だけが振動低減層として機能するので、放射音の低減効果はあるものの、若干、効果が低くなる。
本発明を鉄道車両に設置する形態について説明する。図6(a)は鉄道車両の概略縦断面図である。鉄道車両は図に示すように、台枠61、側構62、妻部63、屋根構64を含み、台枠61の上に床受け65が設置されている。そして本発明に係わる床板Fは床受け65上に固定されている。床板Fの上方は客室になっており、乗客68が滞在する。床板F内には後述するスペーサが埋設されており、床受け65および椅子67を固定するのに使用される。床下Fの下面側は床受け65との固定に使われ、上面側はウレタン、絨毯、塩化ビニルなどから成る床敷物60が敷かれている。台枠61と床板Fの間の空間には空調ダクト69が設置されており、該空調ダクト69によって客室内の空調が行われる。台枠61の下部には図示しない駆動装置が設置されており、走行中は駆動装置や車両本体、または車輪66などから振動が発せられるが、本発明においては上述したように、床板Fに振動を低減する工夫がなされているので、乗客が感じる騒音が少ない。図6(b)は鉄道車両の概略横断面図である。1枚の床板Fは例えば2m×3m程度の大きさとされ、鉄道車両の床面を構成するように複数の床板Fが配置されている。
隣接する床板の接続部分について、図7の断面図を参照して説明する。床板の周縁部は中空のフレーム73からなり、空洞76を含むことによって軽量化が進められるとともに、フレーム73の一部が接続部74,75を構成している。フレーム73は芯材層1と略同じ厚さであり、2枚の板材3が芯材層1およびフレーム73を挟み込んで積層体を構成している。空洞76を有するフレームを使用することで、周縁の強度を高めつつ、軽量化とコストダウンを実現している。一方の床板(図では左側)は、上面をなす板材3およびフレーム73の一部が突出して接続部74となっている。もう一方の床板(図では右側)は、接続部75が、床板の上面から前記接続部74の厚さだけ低い位置に、フレーム73の突出部として形成されている。これらの接続部によって、2枚の床板は各上面の高さが揃い、面一になるように接続されるとともに、僅かに隙間が空けられて、接続部74,75を貫通するリベット71によって固定される。隙間が空けられるのは夏季に温度が上がり、アルミニウム製の板材が熱膨張する場合があるからである。
本発明に係わる鉄道車両の床板の概略横断面図を図8(a)および図8(b)に示す。図において、椅子固定用スペーサ81及び、床受け接続用スペーサ82が予め定められた位置に埋設されている。これらのスペーサは後述する製造工程によって芯材の中に埋め込まれる。図8(a)の例では床受け接続用スペーサ82が車両進行方向に4列埋設され、その間に椅子固定用スペーサ81が埋め込まれている。これらのスペーサの位置は、車両内に設置される床板の位置によって一枚ずつ異なるものであり、図8(a)は、その一例を記載しているにすぎない。一方、床受け接続用スペーサ82の代わりに、図8(b)のように角パイプを配置して、角パイプに開いたホール84を使って床受け接続をすることも可能である。角パイプを使うと、個々のスペーサを埋設するのに比べて強度を高めることができる。椅子固定用スペーサ81および床受け接続用スペーサ82の拡大図を図8(c)および図8(d)に示す。椅子固定用スペーサ81は金属製でかつ円柱形で、その中心には雌ネジ83があり、椅子側の雄ネジをスペーサ内の雌ネジ83に挿入することで、これらを固定する。一方、床受け接続用スペーサ82は金属製でかつ四角柱であり、中心にホール84があって、床受に予め形成された突起をホール84に挿入することで、床板を固定する。
以上説明した鉄道車両の床板について、その製造方法の一例を、図9の概略工程図を用いて以下に説明する。まず上面板となるべき板材3を用意し(工程1)、所定の位置にドリル、タレットパンチ、レーザ等を用いて、上述した雌ネジ83またはホール84の開口径と略同じ大きを有する第一の穴90を穿孔する(工程2)。その後、芯材層1と板材3を重ね合わせ、第一の穴90を通し、マジックペンなどを用いて芯材1の表面に印をつける(工程3)。そして芯材層1と板材3を分離した後、上述した印を中心として、スペーサ81が入る大きさを有する第二の穴91を形成する(工程4)。板材3と芯材層1を弾性材層2(接着剤層)で接着する(工程5)。この弾性材層2は、ヤング率が1MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下である。次に第二の穴90にスペーサ81を挿入し、続いて下面板となる板材3を重ね合わせ、芯材層1と下面板を弾性材層2(接着剤層)で接着する(工程6)。スペーサ81は、ウレタンやアクリルなどの接着剤や、両面テープを使って板材3に固定される。
本発明の効果を確認するために加振試験を行った。実験に用いる板として、下記表1に示す実施例1、2および比較例1、2を作成した。
Figure 0003615215
実施例1および比較例1の製造条件について以下に説明する。アクリル系発泡樹脂からなり、圧縮強度が2MPaで厚さ19mmの芯材層を用意して、その両主表面にヤング率が3MPaのウレタン系接着剤を塗布した。その芯材にアルミニウム合金製で厚さ1.0mmの板材を貼り合わせて500g/cmでプレスした。このようにして両面の弾性材層(接着剤層)の厚さが0.3mmの床板体を作成して、本発明に属する実施例1とした。全体の大きさは430mm×430mmである。一方、図4に示すような、芯材にアルミハニカムを使用した従来の床板体を用意して、本発明外の比較例1とした。
試験装置を図2に示す。Fが試験対象となる床板体であって、弾性支持体28によって吊り下げられている。そして床板体Fの下面に連接棒26を介して加振器21を配置した。加振器21はノイズ発生器22から信号が送られ、それに応じて様々な周波数の振動Vを発生する。振動Vは連接棒26を通って床板体Fに伝わり、放射音を発生させる。床板体Fの上方に配置したインテンシティマイク24により床上空間への放射音を測定し、それをハイパスフィルターを介して直接積分型インテンシティ計25へ導いた。そして測定値をコンピュータに記憶した。
実施例1および比較例の測定結果を図3のグラフに示す。グラフから明らかなように、実施例1は100Hz〜4kHzに渡って際立ったピークが見られないとともに、比較例1よりオーバーオール値において約6dB低減した。
次に、片面にのみ弾性材層を形成した場合の比較実験を行った。そのために、上記表1に示す実施例2および比較例2を作成した。実施例2は、芯材層と一方の板材を厚さ0.3mm、かつヤング率3MPaの弾性材層で接着し、他方の板材をヤング率30MPaのエポキシ系硬質接着剤で接着した床板で、本発明に属する。実施例2の、弾性材層および接着剤層以外の条件は実施例1と同じにした。また、比較例2は、アクリル系発泡樹脂からなる芯材層の両面を硬質接着剤で接着した床板であり、弾性材層を含まない。これら実施例2および比較例2を、前述した実施例1および比較例1とともに、図2の試験装置を用いて放射音を測定し、比較した。その測定結果を図4に示す。図のオーバーオール値から明らかなように、放射音が大きい順に比較例1、比較例2、実施例2、実施例1となっており、両面とも弾性材層にした実施例1が最も放射音量が低く、片面だけ弾性材層にした実施例2がその次に低い。比較例2、実施例2、実施例1のオーバーオール値から、弾性材層が0層、1層、2層と増えるごとに放射音の低減効果が高くなることが分かる。
本発明に係る鉄道車両の床板の一実施形態を示す概略縦断面図。 加振試験に用いた装置の構成図。 加振試験の結果を示すグラフ。 片面のみ弾性材層を有する床板の、加振試験の結果を示すグラフ。 仮に専用の弾性板材を使用した場合の断面図である。 鉄道列車の一実施例を示す(a)縦断面図および(b)横断面図。 本発明に係わる鉄道車両の床板の、接続部の一実施例を示す概略縦断面図。 本発明に係る鉄道車両の床板の一実施形態を示す(a),(b)概略横断面図および、(c)椅子固定用スペーサ、(d)床受け接続用スペーサ。 本発明に係わる鉄道車両の床板の、製造方法の一例を示す概略工程図。 従来の床板の縦断面図。
符号の説明
1 芯材層
2 弾性材層
3 板材
53 専用の弾性材層
54 専用の接着層
100 アルミハニカム
F 床板体
V 振動

Claims (8)

  1. 鉄道車両の床板であって、
    板状かつ硬質発泡樹脂製の芯材層と、
    前記芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、
    前記芯材層と前記第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、前記第一の板材と前記芯材層との接合部及び、前記第二の板材と前記芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が1MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上1.0mm以下である弾性材層と、
    を含み、前記弾性材層が振動低減層として機能し、かつ前記弾性材層が接着層を兼ね、
    前記芯材層の発泡倍率は5倍以上20倍以下であり、
    前記芯材層の圧縮強度は1MPa以上であり、
    前記弾性材層の厚さに対する前記板材の厚さの比は0.2以上30以下、前記芯材層の厚さに対する前記弾性材層の厚さの比は0.003以上0.35以下であることを特徴とする鉄道車両の床板。
  2. 前記弾性材層は、ウレタン系接着剤層、シリコン系接着剤層、変性シリコン系接着剤層、エポキシ系接着剤層、アクリル系接着剤層、天然ゴム系接着剤層、合成ゴム系接着剤層のいずれか一つからなる請求項1記載の鉄道車両の床板。
  3. 前記芯材層は、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン、クロロプレンゴム、SBR(スチレンブタジエンゴム)、天然ゴム、合成ゴム、フェノール樹脂、塩化ビニルのいずれか一つからなる請求項1記載の鉄道車両の床板。
  4. 前記板材は金属板である請求項1記載の鉄道車両の床板。
  5. 前記芯材層の周辺には、その芯材層と略同一の厚さの、中空のフレームが配置され、前記第一及び第二の板材がそのフレームを挟み、前記弾性材層により前記フレームと前記第一及び第二の板材とが接着される請求項1記載の鉄道車両の床板。
  6. 隣接する2つの床板を接続するために、一方の床板の側面には前記フレームの一部が前記板材とともに突出した第一接続部が形成され、他方の床板の側面には前記フレームの一部のみが突出した第二接続部が形成され、これら第一及び第二接続部が接続されて、前記2つの床板の上面が面一となり、前記第一及び第二の接続部を貫通するリベットによって互いに固定される請求項5記載の鉄道車両の床板。
  7. 前記芯材層には、その芯材層と略同一の厚さの、金属製のスペーサが設置され、前記第一及び第二の板材がそのスペーサを挟み、これら芯材層と前記第一及び第二の板材が前記スペーサを固定する請求項1記載の鉄道車両の床板。
  8. 前記床板の上面に椅子が配置され、
    前記芯材層に金属製の椅子固定用スペーサが設置され、前記第一及び第二の板材が前記椅子固定用スペーサを挟み、これら芯材層と第一及び第二の板材とが前記椅子固定用スペーサを固定するとともに、
    前記椅子固定用スペーサは前記芯材層の厚さ方向に形成された雌ネジ部を有し、上面側の前記板材にはその雌ネジ部に対応する位置に、該雌ネジ部と略同一の直径の、貫通した穴が形成され、前記椅子を前記床板に固定するために、上面側から前記貫通した穴を通して雄ネジが前記雌ネジ部に挿入される請求項1記載の鉄道車両の床板。
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