JP2885505B2 - 車輌用積層ガラス - Google Patents

車輌用積層ガラス

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JP2885505B2 JP30140390A JP30140390A JP2885505B2 JP 2885505 B2 JP2885505 B2 JP 2885505B2 JP 30140390 A JP30140390 A JP 30140390A JP 30140390 A JP30140390 A JP 30140390A JP 2885505 B2 JP2885505 B2 JP 2885505B2
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glass
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラス板2枚を接着し積層一体化した積層
ガラス、あるいはガラス板と透明な合成樹脂フイルムと
を接着し積層一体化した積層ガラスであって、特にガラ
ス板の厚みを4mm以下とし、微細なワイヤを積層間に配
備して積層するなかで、前記積層ガラスの周辺端縁の端
面より突出させた少なくとも微細なワイヤを支持固定す
るようにしたことにより、ことに該積層ガラス板の特定
領域に前記した特異な微細なワイヤ、該ワイヤでなす特
異な大きさの網状目を配備し支持固定するようにし、該
支持固定部を包み込むように合成樹脂製モールを設ける
ようにしたことにより、微細なワイヤによる支持補強を
より効果的とならしめることができ、より軽量化ならび
により高安全性の達成等を兼ね備える車輌用積層ガラ
ス、ことに自動車用フロントガラス等としてより有用な
車輌用積層ガラスを提供するものである。
〔従来の技術〕
最近、地球環境の問題ならびに地球資源の問題等から
省エネルギーの必要性が殊に望まれてきており、自動車
等においても燃費の向上の対応策が行われようとしてい
て、その一つに自動車用窓ガラスにおける軽量化があ
る。また一方では快適な生活を行うための安全性、居住
性のより向上へのニーズが高まってきており、自動車等
においても種々の対応がさらに行われつつある。
例えば、特公昭45−2317号公報には、2枚のガラス板
に接着された透明プラスチック層によって平行に隔置さ
れた積層車輌壁体において、内側ガラス板が外側ガラス
板より薄く且圧縮内力を有する表面帯域によって強化さ
れており、該内側ガラス板が(a)鈍体に対して外側ガ
ラス板よりも大きな破壊抵抗と、(b)外側ガラス板よ
りも大きな可撓性と、(c)破損した場合に外側ガラス
板のように比較的大きな破片とならずに小さな粒子とな
る能力を有している積層車輌壁体が開示され、内側ガラ
ス板が約1.5〜2.25mmの厚さを、外側ガラス板が約1.75
〜3.0mmの厚さを有し、内側ガラス板が2mの高さから落
される225grの鋼球の衝撃に耐えるように強化されてお
り、外側ガラス板が225gr鋼球の2mからの落下衝撃によ
って破壊されること、さらに破壊した場合に衝撃地帯の
15.2cm半径以内における破片の面積が2.15cm2を越える
ことのない破壊態様を有するように強化されており、外
側ガラス板が破壊された場合は少なくとも衝撃帯域面積
の90%が6.45cm2より大きい面積を有する破片となるこ
と等が記載されている。また特公昭58−19616号公報に
は、外側ガラスは厚さ3mm以下の徐冷ガラス板とし、内
側ガラスは2500Kg/cm2以上の平均曲げ強度の厚み1.0mm
乃至1.9mmの強化ガラス板であって曲げ強度σと厚みt
の二乗の積σt2が60乃至97Kgに調整されている車輌用合
わせガラスが開示されている。さらに特開昭49−55776
号公報には、硬透明板状体と、厚さ0.025mm〜0.25mm、
抗張力352Kg/cm2以上であって、かつ150%以下の最終伸
びを有する非破壊性透明プラスチック膜とを、厚さ0.12
mm〜1.52mm抗張力457Kg/cm2以下で上記非破壊性透明プ
ラスチック板の抗張力以下であって、かつ150%以上の
最終伸びを有する透明プラスチック中間膜により接着し
た耐衝撃性透明合せ構成体が開示され、有機シリコン膜
である耐擦傷性被膜をPET膜上面に被覆してもよいこと
等が記載されている。さらにまた実開昭50−60375号公
報には、透明なガラス板あるいはプラスチック板よりな
る基材の表面、あるいはこれらの複数枚の間に金属製ネ
ットをポリ酢酸ビニル系接着剤で定着してなるネット入
り積層体が開示されている。さらにまた実公平2−2691
0号公報には、少なくとも一つの方向に、線径が0.3〜1m
mの太径金属線を、線ピッチが20〜200mmとなるよう複数
本設け、且つ線径が0.01〜0.3mmの細径金属線を線ピッ
チが0.2〜5mmとなるよう配設して形成される網を、併せ
て設けるようにし、さらに太径金属線の線径を細径金属
線の2倍以上とした細目・線入り板ガラスが開示されて
いる等である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述したような特公昭45−2317号公報ならびに特公昭
58−19616号公報に記載されているようなものは、薄板
ガラスによる合せガラス、殊に車内側ガラス板として車
外側ガラス板より薄い薄板強化ガラス板を用いること
で、自動車用フロント窓ガラスとして衝突時に乗員の受
ける衝撃の低減、顔面等に受ける裂傷の低減および合せ
ガラスにおける頭部の耐貫通性ならびに飛来小石等によ
る耐破壊性を改善しようとして、合せガラスに可撓性及
び弾力性を与えしかも高破壊抵抗を維持し、さらに破壊
時における非鋭利な小粒状破片化を備えるものを得よう
としているものの耐貫通性等において必ずしも前述した
最近のニーズ等に対し充分満足し得るものとは言い難い
ものである。また特開昭49−55776号公報に記載のもの
は、上述した諸々の要望をかなり満足するものとなって
いるものの、より充分で完璧に近づけようとする最近の
ニーズに対しては必ずしも充分とは言い難いものであ
る。さらに実開昭50−60375号公報に記載のものでは、
透視性が悪いことはもちろん、仮に透視性を改善したと
しても上述した各種強度等に対しても充分満足し得るも
のとは必ずしもならないものであって、自動車用窓ガラ
スとして採用し得るものとは言い難いものである。さら
にまた実公平2−26910号公報に記載のものは、透視性
が悪いことはもちろん、仮に透視性を改善しようとして
も前記太径金属線は目立ち過ぎ前記細径金属線は密集し
過ぎて人の衝突を未然に防止できる程度であって、必ず
しも自動車用窓ガラスとして採用し得るものとは言い難
いものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は前述したような問題点に鑑みてなしたもので
あって、薄板ガラス、透明な合成樹脂フィルム層、微細
なワイヤ入り薄板ガラスあるいは合成樹脂フィルム層な
らびに透明な接着層、微細なワイヤを種々組み合わせて
配備積層一体化した積層ガラスにおいて、該積層ガラス
の周辺端縁の端面より少なくとも微細なワイヤを突出さ
せて該部分を支持固定するようにしたことにより、さら
に効果的に、より軽量化するなかでより最適な可撓性お
よび弾力性を与え、しかも高耐破壊性を維持し、さらに
耐貫通性等をより改善でき、透視性も充分確保でき得
て、乗員に対してはもとより自動車窓ガラス内外での安
全性、居住性をより高めるとともにより省エネルギー化
を成し得るものとなる車輌用積層ガラスを提供するもの
である。
すなわち、本発明は、ガラス板2枚を積層一体化した
積層ガラス、あるいは、ガラス板と透明な合成樹脂フイ
ルムとを積層一体化した積層ガラスからなる車輌用積層
ガラスにおいて、 ガラス板は厚みが4mm以下とし、微細なワイヤを積層
間に配置し、該車輌用積層ガラスの周辺端縁部の端面よ
り該ワイヤの両端を突出させ、該微細なワイヤ自体の両
端をガラスの端面に支持固定してワイヤの長さ方向の積
層ガラスの引っ張り強度を補強して成ることを特徴とす
る車輌用積層ガラス。
並びに、前記車輌用積層ガラスの周辺端縁部におい
て、前記支持固定部を埋め込んで、合成樹脂で前記周辺
端縁部を囲繞するよう直接射出成形し一体的に成型した
モールを有することを特徴とする前記車輌用積層ガラ
ス。
さらに、該微細なワイヤは該車輌用積層ガラスの端縁
より200mm以内の領域あるいは/および該車輌用ガラス
の中心線に対称に巾100mm以内の領域に少なくとも一本
配置したことを特徴とする前記車輌用積層ガラス。
さらにまた、前記微細なワイヤを少なくとも大きさ10
cm2の網目状として配置したことを特徴とする前記車輌
用積層ガラス。
さらにまた、前記車輌用積層ガラスの周辺部における
セラミック焼き付け層の被覆部領域に、前記微細なワイ
ヤを配置したことを特徴とする前記車輌用積層ガラスを
提供するものである。
ここで、前記車輌用積層ガラスの周辺端縁の端面より
突出させた微細なワイヤを、自体で形成した支持部ある
いは/および前記微細なワイヤを締結支持した固定部材
を少なくとも一対配設するようにしたのは、前記積層ガ
ラス自体の面より端面の方が外圧等に耐え強く、該端面
で微細なワイヤを支持固定し、例えば車外側ガラス板へ
の外力等を緩和し得、車内側の各層・板をより補強し得
て、微細なワイヤをより効果あるものと成らしめ、前記
車輌用積層ガラス自体をより所期の軽量化、耐貫通性、
低裂傷性、高破壊抵抗性等を達成でき得るためである。
また前記車輌用積層ガラスの周辺端縁部において、前
記支持部あるいは/および前記固定部材の一部あるいは
/および全部を埋め込んで、合成樹脂で前記周辺端縁部
を囲繞するよう直接射出成形し一体的に成型したモール
を有するものとした方が好ましいとしたのは、前記支持
部ならびに前記固定部材が確実に保持保護されるものと
成って益々優れた効果を発現するからである。
さらに前記車輌用積層ガラスの端縁より200mm以内の
領域あるいは/および該車輌用積層ガラスの中心線に対
称に巾100mm以内の領域、または前記積層ガラス全領域
のうち、少なくとも一領域の接着層部に微細なワイヤを
少なくとも一本または/および該微細なワイヤでなす少
なくとも大きさ10cm2の網状目を複数個配備積層する方
が好ましいとしたのは、より透視性の確保、より軽量化
しつつ適宜可撓性と弾力性を調整してより耐破壊性、よ
り耐貫通性ならびにより耐放り出し性となるようにする
等のためであり、特に前記端縁より200mm以内の領域あ
るいは/および前記中心線に対称に巾100mm以内の領域
ならびに微細なワイヤについては主にフロントガラスま
たはリヤガラスにおいて、前記全領域ならびに前記網状
目については主にリヤガラス、サイドガラスならびにル
ーフガラスにおいて用いるのがそれぞれ好ましく、セラ
ミック焼き付け層部(例えば所謂黒枠)では一本以上す
なわち複数本あるいは/および前記網状目を配備すると
より好ましくなるものである。また前記耐貫通性等から
微細なワイヤの間隔については、少なくとも二本の微細
なワイヤが乗員の頭部に掛かる程度になるようすること
が好ましいものであり、前記網状目の大きさを10cm2
上としたのは、上述したことと透視性等からであり、好
ましくは25cm2程度以上である。
また前記厚み4mm以下のガラス板を少なくとも一枚用
いることとしたのは、例えば一枚のガラス板すなわち単
板ガラスに直接または接着層を介して透明な合成樹脂フ
ィルムあるいは合成樹脂層を被覆積層する際には、車外
側にガラス板を用い、該板厚は4mm以下、好ましくは3.5
mm〜1.1mm程度、より好ましくは3.0mm〜1.5mm程度であ
り、また例えば接着層あるいは接着層ならびに合成樹脂
フィルム層を介して車内外側にガラス板を用いる際に
は、車外側としては3.0mm〜1.1mm程度の板厚が好まし
く、より好ましくは2.5mm〜1.5mm程度であり、車内側と
しては2.0mm〜1.0mm程度の板厚が好ましく、より好まし
くは1.8mm〜1.2mm程度である。またガラス板としては無
機質あるいは有機質のどちらでもよく、例えば所謂ガラ
ス板、ポリカーボネート樹脂板、アクリル樹脂板等の透
明体であればよく、好ましくは無機質のガラス板であ
り、無色あるいは各種着色したものならびに赤外線や紫
外線吸収機能を持つもの、または膜被覆等の各種表面処
理して多機能化等をしたもの、さらには生板はもとより
強度アップしたものあるいは種々強化したものならびに
屈曲したもの等各種加工したものなどが用いられ、例え
ば車外側ガラス板では強度アップ、各種強化処理したも
の、車内側ガラス板では各種強化処理したものがそれぞ
れ好ましく、上述したこれらを巧みに組み合わすことに
よってさらに高機能で多機能となりより好ましくなるも
のである。
さらに透明な接着層としては、例えばポリビニルブチ
ラール(PVB)膜層、接着性熱可塑性ポリウレタン系樹
脂膜層、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系樹脂
膜層等の液状固着、フィルム状溶着等による層であり、
なかでもPVB膜がよいものであり、膜層の厚みとしては
約1000μm〜50μm程度であり、好ましくは800μm〜1
30μm程度、より好ましくは760μm〜350μm程度であ
る。
さらにまた透明な合成樹脂フィルム層としては、例え
ばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン
系、塩化ビニリデン系、塩化ポリビニル系等であり、な
かでもPETあるいはポリウレタン系がよいものであり、
厚みとしては1000μm〜25μm程度であり、好ましくは
800μm〜50μm、より好ましくは500μm〜100μmで
ある。なお該フィルム層の表面にはハードコート層ある
いは赤外線紫外線の反射吸収膜層ならびに着色層等各種
の多機能化層を被覆してもよいものであり、また該フィ
ルム層は事前にフィルム化し層として用いてもよく、あ
るいは液状物を直接塗布し固着フイルム層としてもよ
く、その際接着層を介しても介さなくてもよいものであ
る。
さらにまた前記微細なワイヤが太さとして直径100〜1
0μm、引っ張り強度として600〜100Kg/mm2であるもの
が好ましいとしたのは、前記直径が100μmを超えると
例えば接着層の厚みに対して圧迫したようになって剪断
的に作用することとなり兼ねないしまたは乗員の透視に
対し気になるようになり易いからであり、10μm未満で
は例えば微細過ぎて弾力性、耐貫通性等の補強となり難
く、強度的に所期の目的を達成し難くなり易いものであ
る。また引っ張り強度が600Kg/mm2を超えると所期の可
撓性あるいは弾力性等が得難くなるようになり、加えて
直径10μm程度では600Kg/mm2をさらに超えるような引
っ張り強度は得難いからであり、100Kg/mm2未満では車
外側の薄いガラス板に対する衝撃の補助、すなわち前記
合成樹脂フィルム層あるいは前記接着層における弾力
性、耐貫通性等の補強となり難くなるからである。よっ
て例えば直径10μm程度で200Kg/mm2〜550Kg/mm2の引っ
張り強度を有するものの方が好ましいものである。とも
かく構成する前記各層と前記微細なワイヤとの引っ張り
強度差が大き過ぎても小さ過ぎても所期の目的を達成で
きないものである。前記微細なワイヤの材質としては金
属製、無機製あるいは有機製でもよいが、好ましくは金
属製ならびに無機製のものであり、なかでも金属製がよ
り好ましいものである。なお該ワイヤの熱膨張係数を出
来るだけ整合させたほうがよいこと、ならびに該ワイヤ
の表面に各種処理を施してもよいことは言うまでもな
い。
なお、前記微細なワイヤの配備積層については事前に
接着フィルム層等に貼着などの手段で配備して積層して
もよいし、あるいは積層する際に配備してもよいもので
ある。また積層方法あるいは微細なワイヤの埋め込み方
法については特に限定されるものではなく、公知の方法
は勿論のこと効率的に実施できるものであればよい。
〔作用〕
本発明の車輌用積層ガラスにおいては、より薄いガラ
ス板、透明な接着層ならびに透明な合成樹脂フィルム層
ならびに微細なワイヤを各種巧みに組み合わせて配備積
層一体化するなかで、前記車輌用積層ガラスの周辺端縁
端面で微細なワイヤを支持固定するようにしたことによ
り、より好ましくは積層ガラスにおける特定の領域に特
異な微細なワイヤを配備するようにしたことにより、透
視性を充分確保して接着力や耐候性耐久性を低下させる
ことなくより軽量化ができて、しかも合成樹脂フィルム
層部ならびに接着層部における弾力性、耐貫通性等を補
強して積層ガラス自体の可撓性、弾力性等を最適とし得
て、車外側の薄いガラス板への内部側からの衝撃を吸収
緩和するものとなってより高破壊抵抗となり、衝突時に
乗員の頭などの受ける衝撃が小さくかつ貫通し難いもの
となり、加えて車外側からの例えば小石等飛来物等に対
する耐破壊性となり、破砕時においては車内側ガラス板
を非鋭利た破片にもでき得て人体への裂傷を低減し、し
かも適当な視界を与えて耐脱落飛散性とし、さらに光学
的熱的特性等で多機能化することなどもできるものとな
り、しかして省エネルギー等で資源と環境の両面で貢献
できるものであって、人的物的面においてもより高安全
性と高居住性とすることができるものである。
[実施例] 以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。但
し本発明は係る実施例に限定されるものではない。
第1図は本発明の車輌用積層ガラスであって、(a)
図はその正面平面図、(b)図は(a)図のB−B視に
沿うその長辺側断面図、(c)図および(d)図は
(a)図のC−C視およびD−D視に沿うその短辺側断
面図をそれぞれ示すものであり、該車輌用積層ガラス
は自動車用フロントガラスの場合であり、曲げ加工した
大きさ約100cm×60cmであって、車外側ガラス板2は板
厚約2mmで強度アップ処理したもの、黒枠7付き車内側
ガラス板3は板厚約1.5mmで強化処理したものをそれぞ
れ用い、直径約10μm〜12μm程度で引っ張り強度約55
0Kg/mm2程度である微細なワイヤ5,5′を貼着配備した厚
さ約0.76mm程度のPVB膜の接着層4を用いて従来の積層
方法で以て積層一体化したものである。
(a)図は上述した微細なワイヤ5,5′をガラス板端
縁より約100mm以内の領域と中心線に対称に巾約50mm程
度の領域にそれぞれ2本づつ配備した正面平面図であ
り、(b)図は(a)図におけるB−B視に沿うその長
辺側断面図であって、透明な接着層4であるPVB膜の車
内側ガラス板3側表面に縦ワイヤ5、車外側ガラス板2
側表面に横ワイヤ5′をそれぞれ配備積層し、該ワイヤ
5′の積層ガラス周辺端縁端面より突出させた部分を
略コブ状の支持部6とし支持固定した状態を示すもので
あり、(c)図および(d)図はそれぞれ(a)図にお
けるC−C視およびD−D視に沿うその短辺側断面図で
あって、上述と同様に縦横ワイヤ5,5′を配備積層し、
該ワイヤ5の積層ガラス周辺端縁端面より突出させた
部分を固定部材8に締結部9を支持固定した状態を該
(c)図で、また前記ワイヤ5のない状態を(d)図で
それぞれ示すものである。
上述で得た車輌用積層ガラスを自動車用JIS規格等に
よる試験で各種物性評価、例えば耐衝撃性、耐貫通性、
透視性、耐裂傷性、耐候性等を行ったところ、従来品
(例えば同じ大きさで板厚2mmのガラス板2枚と0.76mm
のPVB膜でなる合せガラス)に比してより向上している
ものとなって前記支持部や固定部材を施さない場合に比
しても確実に優れたものとなっており、しかも従来品よ
り約12%前後の軽量化ができた車輌用積層ガラスとなっ
た。
第2図は本発明の他の実施例であって、第1図で示し
た自動車用フロントガラスの周辺端縁部において、合成
樹脂で前記端縁部を囲繞するよう直接射出成形し一体的
に成型したモール10を装着した状態を示すものであり、
(e)図は前記支持部6を埋め込むよう囲繞した状態
を、(f)図は前記締結部9を支持固定した固定部材8
を車体に嵌装する部分を除き埋め込むよう囲繞した状態
をそれぞれ示す拡大部分側断面図である。
得られたフロントガラスを前述したと同様の各種物性
評価を行ったところ、支持部ならびに固定部材をより確
実に安定したものとすることができ、前述に比し同等以
上の優れた車輌用積層ガラスとなり、しかも従来品に比
して約22%前後の軽量化ができた。
第3図は透明な合成樹脂フィルム層11を有する自動車
用フロントガラスの他の実施例であり、車内側表面にハ
ードコード層12を施した厚み約100μm合成樹脂フィル
ム層(PET)11と板厚約3.5mmの車外側ガラス板2との間
に、厚さ約0.76mmのPVB膜4を挟み、車外側の内表面に
それぞれ第1図で述べたと同様に微細なワイヤを配備積
層一体化し、積層ガラス周辺端縁端面より突出させたワ
イヤ5′で以て締結部9で支持固定するようにして固定
部材を囲繞したモール10を施した車輌用積層ガラス
部分拡大側断面図である。
得られたフロントガラスを前述と同様の各種評価を行
ったところ、前述と同様の結果を得て、軽量化は約24%
前後の低減ができた。
なお、前記支持部や固定部材を施す際に、前記接着層
フィルムあるいは合成樹脂フィルム層を同時に支持固定
するようにしてもよい。
なおまた、上述した本発明以外にも、本発明を種々実
施したが、ほぼ前述と同等かそれ以上の評価結果ならび
に軽量化を示す車輌用積層ガラスを得た。
〔発明の効果〕
本発明によれば、板厚4mm以下の薄いガラス板、透明
接着層、透明合成樹脂フィルム層等を用いて種々組み合
わせて積層一体化するなかで、前記板や層で積層ガラス
の種々領域に微細なワイヤを配備し、積層ガラスの周辺
端縁端面から突出させた該ワイヤを支持部であるいは固
定部材の締結部で支持固定するようにしたことにより、
微細なワイヤをより確実に効率よく効果を発現するもの
となり、乗員等に対し視界を妨げることなく透視性を確
保できて、耐候性耐久性を低下させることなく、より軽
量化ができ、可撓性と弾力性等をより最適に成し得て、
衝撃等を吸収緩和し破壊抵抗も高まり、乗員の衝突や小
石等の飛来物等に対しても高耐貫通性、低裂傷性、高耐
脱落飛散性等となって安全性を高め、多種多機能化もで
き得て高居住性にもできるものであり、人的物的両面で
よりよい環境や省資源に貢献できるものとなるだけでな
く、車両用はもちろん広く建築用、内装用、家具用等に
も採用し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる車輌用積層ガラスの一実施例を
示すものであって、(a)図がその正面平面図、(b)
図が(a)図のB−B視に沿うその長辺側断面図、
(c)図および(d)図がそれぞれ(a)図のC−C視
およびD−D視に沿うその短辺側断面図、第2図
(e)、(f)は第1図のものにモールを直接一体的に
施した、本発明に係わる他の実施例を示す部分拡大側断
面図、第3図は合成樹脂フィルム層を用いモールを直接
一体的に施した、さらに本発明に係わる他の実施例を示
す部分拡大側断面図である。 ……車輌用積層ガラス、2……車外側ガラス板 3……車内側ガラス板、4……接着層 5,5′……微細なワイヤ、6……支持部 8……固定部材、10……モール 11……合成樹脂フィルム層

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス板2枚を積層一体化した積層ガラ
    ス、あるいは、ガラス板と透明な合成樹脂フイルムとを
    積層一体化した積層ガラスからなる車輌用積層ガラスに
    おいて、ガラス板は厚みが4mm以下とし、微細なワイヤ
    を積層間に配置し、該車輌用積層ガラスの周辺端縁部の
    端面より該ワイヤの両端を突出させ、該微細なワイヤ自
    体の両端をガラスの端面に支持固定してワイヤの長さ方
    向の積層ガラスの引っ張り強度を補強して成ることを特
    徴とする車輌用積層ガラス。
  2. 【請求項2】前記車輌用積層ガラスの周辺端縁部におい
    て、前記支持固定部を埋め込んで、合成樹脂で前記周辺
    端縁部を囲繞するよう直接射出成形し一体的に成型した
    モールを有することを特徴とする請求項1記載の車輌用
    積層ガラス。
  3. 【請求項3】該微細なワイヤは該車輌用積層ガラスの端
    縁より200mm以内の領域あるいは/および該車輌用ガラ
    スの中心線に対称に巾100mm以内の領域に少なくとも一
    本配置したことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか
    1項に記載の車輌用積層ガラス。
  4. 【請求項4】前記微細なワイヤを少なくとも大きさ10cm
    2の網目状として配置したことを特徴とする請求項1乃
    至2のいずれか1項に記載の車輌用積層ガラス。
  5. 【請求項5】前記車輌用積層ガラスの周辺部におけるセ
    ラミック焼き付け層の被覆部領域に、前記微細なワイヤ
    を配置したことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか
    1項に記載の車輌用積層ガラス。
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