JP4226886B2 - 環状成形品の射出圧縮成形装置及び射出圧縮成形方法 - Google Patents

環状成形品の射出圧縮成形装置及び射出圧縮成形方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に中心孔を有する中空状の環状成形品を成形する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フランジ、コロ、ギア、ディスク等の精密環状成形品を射出成形によって得る際には、従来より射出圧縮成形が採用されている。この射出圧縮成形(インジェクション・コンプレッション成形)は、樹脂材料を金型キャビティ内に射出した後に、可動側金型に型締力を加えてキャビティ内の樹脂材料を圧縮して成形を行なうものである。このように樹脂材料を一旦キャビティ内に注入した後に金型を移動させて圧縮を行なう場合には、成形品に平均した圧縮力が作用し、内部応力の少ない緻密でやけや空洞のない精密な成形品を得ることができる。
【0003】
また、上記の環状成形品を射出成形する方法として、特開2000−176971号公報に記載されているように、固定型板と可動型板との間に形成された環状のキャビティ内に、ホットランナーのバルブゲートを介して樹脂を供給する射出成形法が知られている。環状のキャビティの外周は固定型板側の入子と可動型板側の入子で形成され、キャビティ内周は固定型板に設けられた支持ピンと、可動型板に設けられたコアピンにより形成される。支持ピンは固定型板側の入子に対して摺動可能であり、コアピンは、可動型板側の入子に対して摺動可能に配置された円筒状の可動ピンに対して、摺動可能である。成形は、まず支持ピンとコアピンとを突き合わせた状態で溶融樹脂がバルブゲートを介してキャビティに射出される。その後、支持ピンの外周に位置する円筒状の可動ピンが、その軸線に沿って摺動しバルブゲートを閉塞した後、冷却して固化することで環状成形品を成形していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の一般的な射出成形技術(射出圧縮成形ではない)ではキャビティ内へ樹脂を充填した後、樹脂に所定量の圧力をかけて保圧を行うが、キャビティの形状や温度差等により、圧力に少しでもバラツキがあると、この圧力によって、ショット間での環状成形品精度のバラツキが生じてしまうことがあった。特に初期圧力を全周にわたって均一にすることは困難であり、成形品を安定して成形できないという問題があった。
【0005】
また、上記従来の技術においては、可動側金型が成形時に位置移動するものであるから、成形サイクルの短縮化と金型キャビティへの樹脂材料のゲートシールをどのように閉じるかが問題となる。
【0006】
特許第3108229号では、ディスク成形用射出圧縮金型装置として、固定側金型に、ディスク成形品の中央開口と同径の内孔を有しかつ先端部が金型キャビティに臨むダイス部材を固定し、可動側金型に前記ダイス部材内孔と対向する先端部を有し、該先端部が金型キャビティに流入する樹脂材料のためのゲート部を開閉する油圧シリンダー装置によって作動される、ゲートカット方式の圧縮成形技術が開示される。
【0007】
可動側金型に型締力を加えて樹脂を圧縮させる方法は、可動側金型が位置移動するものであるから、成形品の厚みが変化する問題があった。また、可動側金型の油圧シリンダー装置により流量調整弁の速度を調整する方法が開示されているが、成形品の厚みに変動が生じてしまうことが多い。
【0008】
また、樹脂内圧が部分的に変動すると、樹脂内圧を正確に制御することが困難となり、成形品を安定して成形できないという問題があった。
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、環状成形品の射出成形用金型におけるキャビティ内での樹脂内圧の分布が均一になるように正確に制御し、均質な成形品を安定して製造することが出来るようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる環状成形品の射出圧縮成形装置は、固定側の金型と可動側の金型を突き合せることによってキャビティの外周面を形成し、支持ピンとコアピンとを突き合せることによってキャビティの内周面を形成し、環状成形品を成形するための射出圧縮成形装置であって、前記キャビティ内に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に樹脂材料を射出するためのバルブゲートと、該バルブゲートを金型との間にクリアランスをもって開閉するとともに、該バルブゲートを閉じる動作に伴って、前記キャビティ内の樹脂材料に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に圧力を加えるためのバルブゲートピンとを具備し、前記バルブゲートピンは円筒形状に形成されており、該円筒形状の内側には、前記支持ピンが前記バルブゲートピンに対して摺動自在に配置され、前記支持ピンの突き合せ面には凹テーパ部及び凸テーパ部のいずれか一方が形成され、前記コアピンの突き合せ面には凹テーパ部及び凸テーパ部のうち前記支持ピンに形成されたテーパ部とは異なるもう一方のテーパ部が形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係わる環状成形品の射出圧縮成形方法は、固定側の金型と可動側の金型を突き合せることによってキャビティの外周面を形成し、支持ピンとコアピンとを突き合せることによってキャビティの内周面を形成し、該キャビティ内に樹脂材料を射出することにより、環状成形品を成形する環状成形品の射出圧縮成形方法であって、前記固定側の金型と前記可動側の金型を突き合せる工程と、前記支持ピンと前記コアピンを前記支持ピンと前記コアピンに設けられたテーパ部で突き合せる工程と、前記キャビティ内に前記バルブゲートを介して前記樹脂材料を射出する射出工程と、前記バルブゲートを金型との間にクリアランスをもって開閉するバルブゲートピンにより前記バルブゲートを閉じる動作に伴って、前記バルブゲートピンにより前記キャビティ内の樹脂材料に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に圧力を加える圧縮工程と、を具備することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について説明する。
【0011】
まず、本実施形態の概要について説明する。
【0012】
本実施形態の環状成形品の射出圧縮成形装置は、環状成形品を成形するためのキャビティを構成する固定側の金型及び可動側の金型と、前記キャビティ内に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に樹脂材料を射出するためのバルブゲートと、該バルブゲートを開閉するとともに、該バルブゲートを閉じる動作に伴って、前記キャビティ内の樹脂材料に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に圧力を加えるためのバルブゲートピンとを具備する。
【0013】
また、本実施形態の環状成形品の射出圧縮成形装置において、前記バルブゲートピンは円筒形状に形成されており、該円筒形状の内側には、前記環状成形品の内周面を成形するための円柱状部材が前記バルブゲートピンに対して摺動自在に配置されていることが好ましい。
【0014】
また、本実施形態の環状成形品の射出圧縮成形方法は、固定側金型と可動側金型との間に形成されたキャビティ内にバルブゲートを介して樹脂材料を射出することにより、環状成形品を成形するための環状成形品の射出圧縮成形方法であって、前記キャビティ内に前記バルブゲートを介して前記樹脂材料を射出する射出工程と、前記バルブゲートを開閉するバルブゲートピンにより前記バルブゲートを閉じる動作に伴って、前記バルブゲートピンにより前記キャビティ内の樹脂材料に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に圧力を加える圧縮工程とを具備する。
【0015】
本実施形態では、固定型板と可動型板との間に形成したキャビティ内にバルブゲートを介して樹脂を供給することにより環状成形品を成形する射出成形金型において、金型キャビティ内に樹脂を射出した後、キャビティ内の樹脂材料を、油圧もしくは空圧シリンダー装置で駆動される固定側金型の筒状の可動バルブゲートピンによってキャビティにダイレクトに円滑かつ均一に圧力を加え成形するようにしている。市販の射出成形機は高速高圧仕様での成形機側の設定圧力は200Mpa程度である。筒状の可動バルブゲートピンによってキャビティにダイレクトに圧力を伝達できることで(算出例/バルブシリンダー径:φ60、表面積:28.27cm2、に油圧元圧:3Mpaをかけた場合、荷重F=85Mpa、バルブゲート径先:外径φ10、内径φ9の表面積:0.14cm2での荷重F=606Mpa)、キャビティのゲート近傍にかかる荷重:606Mpaと約3倍にできる。
【0016】
以下に本発明の一実施形態について、具体的に説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係わる環状成形品の射出成形金型の構造を示す側断面図である。
【0018】
図1において、1は環状成形品の形状をなすキャビティである。1Aはキャビティ1への溶融樹脂の供給口であるバルブゲートである。キャビティ1の外周面は固定型板側に設けられたコア駒2と、可動型板側に設けられたキャビ駒3とを付き合わせることにより形成される。キャビティ1の内周面は、固定型板側に設けられた支持ピン4と可動型板側に設けられたコアピン5を付き合わせることにより形成される。支持ピン4はバルブゲート方式のホットランナー本体(不図示)に取り付けられている。6はバルブ本体で内部の樹脂を常に溶融状態に保つために加熱ヒータが組み込まれている。7は円筒状の可動ピンで、バルブ本体に対して摺動可能に取り付けられており、その内部には同芯の支持ピン4が摺動可能に取り付けられている。支持ピン4は下降することにより、バルブゲート1Aを閉塞し、溶融樹脂のキャビティ1への供給を停止する。
【0019】
8はバルブゲート本体と可動ピン7とで囲まれた溶融樹脂流路である。不図示の溶融樹脂供給源から溶融樹脂は供給され、溶融樹脂流路7を通ってキャビティ1に射出される。9はバルブ本体6の熱をコア駒2に伝えないようにするための断熱リングである。図中10は、バルブ本体6の下部に位置し、バルブ本体6とコア駒2とにより囲まれた樹脂断熱部である。樹脂断熱部10は、バルブ本体6の熱をコア駒2に伝えないようにするために形成されており、最初の成形開始時は空洞で、その後は固化した樹脂が充填される。
【0020】
固定型板に設けられたコア駒2には、キャビティ1を取り囲むように円錐状の凸テーパ部2Aが設けられている。また、可動型板に設けられたキャビ駒3には、コア駒2の円錐状テーパ部2Aと突き合うように円錐状の凹テーパ部3Aが設けられている。凸テーパ部2Aと凹テーパ部3Aとにより、コア駒2とキャビ駒3の位置精度が是正され、機械的な精度のみではなく、常に同じ位置で突き合せることが可能となっている。これによりキャビティ1の外周部の突合せ時の位置精度は格段に向上する。また、成形時における型締め方向(図面上下方向)と垂直な平面における位置ずれを抑えることができる。更に、コア駒2とキャビ駒3の位置精度が向上することで、コア駒2に取り付けられた支持ピン4と、キャビ駒3に取り付けられたコアピン5の位置精度も大幅に向上させることができる。なお、本実施形態においては、コア駒2に凸テーパ部2Aを、キャビ駒3に凹テーパ部3Aを形成しているが、コア駒2に凹テーパ部を、キャビ駒3に凸テーパ部を形成しても良い。
【0021】
また、支持ピン4のコアピン5との突き合せ面には略円錐状の凹テーパ部4Aが設けられており、コアピン5の支持ピン4との突き合せ面には略円錐状の凸テーパ部5Aが設けられている。凹テーパ部4Aと凸テーパ部5Aとを突き合せることにより、支持ピン4とコアピン5の位置精度は、テーパによって是正され、設計上の中心線にそれぞれの軸芯を一致させることができ、キャビティ1の内周部の芯合せ精度は格段に向上する。また、成形時における型締め方向(図面上下方向)と垂直な平面における位置ずれを抑えることができる。なお、本実施形態においては、支持ピン4に凹テーパ部4Aを、コアピン5に凸テーパ部5Aを形成しているが、コアピン5に凹テーパ部を、支持ピン4に凸テーパ部を形成しても良い。
【0022】
凸テーパ部2Aと凹テーパ部3A、凸テーパ部4Aと凹テーパ部5Aの形状は、突き合せ時の噛みあいを防ぐための設計上の配慮をする必要がある。即ち、段差の合わせ面が、直角もしくはこれに近い角度であると、きわめて高い精度で上記の合わせ部を一致させる必要が生ずる。また、単純な曲面形状でなく複雑な曲面であれば、所望する位置精度、位置出しの迅速性は確保されるが、加工コストがアップする。
【0023】
本実施形態では、テーパ部の各頂点を適度にC面もしくは軽く丸めることにより、凸テーパ部2Aと凹テーパ部3A、凸テーパ部4Aと凹テーパ部5Aをスムーズに、かつ正確に突き合せることを可能にすることもできる。
【0024】
次に上記射出成形金型による環状成形品の製造プロセスを、図2、3を参照して説明する。
【0025】
図2は、溶融樹脂をキャビティ1へ射出する前の状態を示している。また、図3は溶融樹脂をキャビティ1へ射出した後、バルブゲート1Aを閉じた状態を示した図である。図2、3において図1と同じ部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0026】
まず、可動型板およびそれに取り付けられているキャビ駒3を、固定型板およびそれに取り付けられているコア駒2に向かって移動させ(図中上下方向)、所定の圧力で突き合せる。この際、コア駒2の凸テーパ部2Aとキャビ駒3の凹テーパ部3Aとにより、コア駒2とキャビ駒3はスムーズにかつ正確に位置合せをされながら突き合される。
【0027】
次に、支持ピン4を可動ピン7に対して摺動移動させ、コアピン5に対して上下方向に突き合せる。この際、上記のコア駒2とキャビ駒3の位置合わせにより、支持ピン4とコアピン5の位置は所定の範囲内に収まっている。支持ピン4の凹テーパ部4Aとコアピン5の凸テーパ部5Aとにより、支持ピン4とコアピン5はスムーズにかつお互いの軸芯が一致するように突き合される。そのため、仮に軸芯が支持ピン4と可動ピン7とのクリアランスおよび、コアピン5とキャビ駒3とのクリアランスの分だけずれたとしても、キャビティ1の内周面に段差ができることはない。
【0028】
次に不図示の樹脂供給源から、溶融樹脂が溶融樹脂流路8に送り込まれ、図2の矢印の向きにそってキャビティ1へ流れ込む。この際溶融樹脂は、バルブ本体6に内蔵されたヒーターにより加熱され続けているので、安定した溶融状態を保つことができる。
【0029】
固定型板及び可動型板による型閉め後、最初の成形をする際は、樹脂断熱部10は空洞であるため、溶融樹脂はまず樹脂断熱部10を充填させ、その後キャビティ1へ流れ込む。最初の成形以降は樹脂断熱部10の樹脂は固化しているため、溶融樹脂は樹脂断熱部10を通ることなく直接キャビティ1へ流れ込む。
【0030】
次に、キャビティ1が樹脂で充填された後、可動ピン7をコア駒2とコアピン4に対して摺動させながら図中下方向に移動させる。これによりバルブゲート1Aはキャビティ1内の樹脂材料を、樹脂充填方向から環状成形品の端面にダイレクトに、円滑かつ均一に圧縮(保圧)を加える。それと同時にバルブゲート1Aは閉じられ、溶融樹脂琉路8の樹脂のキャビティ1への流れ込みが停止する。支持ピン4およびコアピン5には型締め方向と垂直な方向に力が加わるが、支持ピン4の凹テーパ部4Aとコアピン5の凸テーパ部5Aにより、支持ピン4およびコアピン5の位置がずれることはない。また、同様にコア駒2に設けられた凸テーパ部2Aとキャビ駒3に設けられた凹テーパ部3Aにより、コア駒2およびキャビ駒3の位置がずれることもない。
次に、キャビティ1に充填された樹脂は、不図示の冷却手段により冷却される。冷却中キャビティ1内には温度分布ができることも多く、そのため支持ピン4およびコアピン5には型締め方向と垂直方向に力が加わるが、本実施形態では支持ピン4およびコアピン5の位置がずれることはない。
【0031】
冷却が完了すると、可動型板を移動させ型が開かれる。これによりキャビ駒3とコア駒2及び、支持ピン4とコアピン5との突き合せは開放される。更に不図示のエジェクタピンにより、成形品はキャビティ1から突き出すことにより取り出される。その後、再度型を閉じ、上記プロセスを繰り返す。
【0032】
本実施形態によれば、支持ピン4に設けられた凹テーパ部4Aとコアピン5に設けられた凸テーパ面5Aの突き合せにより、支持ピン4とコアピン5の突き合せ時の位置精度を高めることができる。また、成形時における保圧や冷却に起因して発生する外力に対して、型締め方向と垂直な方向にずれることを抑制している。
【0033】
また、コア駒2に設けられた凸テーパ部2Aとキャビ駒3に設けられた凹テーパ部3Aの型締めにより、コア駒2とキャビ駒3の型締め精度を高めることができる。また、成形時における保圧や冷却に起因して発生する外力に対して、型締め方向と垂直な方向にずれることを抑制している。また、コア駒2とキャビ駒3の位置精度が向上することで、コア駒2に取り付けられた支持ピン4とキャビ駒3に取り付けられたコアピン5の位置精度を所定の範囲内にあらかじめ収めることができる。
【0034】
次に、本実施形態においては、バルブ本体6がコア駒2に配設されたときの受け面が断熱リング9で受けられるので、バルブ本体6に埋設されているヒータの熱がコア駒2に伝わりにくくなっている。加熱されたバルブ本体6は金属体であるため、直接コア駒2に接していると、バルブ本体6の熱が金型外部に繋がるコア駒2を通して放熱してしまい、溶融樹脂の温度制御が十分に出来なくなってしまう。また断熱リング9は、射出成形の初期において樹脂が充填される樹脂断熱部10からの余剰樹脂の流出を止める役割も果たしている。断熱リング9は、有機・無機を問わないが、耐熱性があり、熱伝導率の低い材料が良い。
また、前述したように、支持ピン4とコアピン5は凹テーパ部4Aと凸テーパ部5Aで接するが、支持ピン4は加熱された溶融樹脂と近接するものであるから、金属体であるコアピン5を経由して熱が逃げてしまう。そこで、両者の接する面に断熱性の材料層を設けることにより放熱を防止した。
【0035】
この断熱層は、支持ピン4とコアピン5の両方に設けても良いし、一方のみに設けても良い。また、断熱性の材料であり、適度な耐久性の得られるならば、有機・無機のいずれの材料であっても良い。断熱材としては、空気層を含有する形態のもの、例えば、粉体、繊維状体、多孔体、層状体、蜂の巣構造体等があり、材質としては、セラミックス、或いは、高融点の樹脂、たとえば、シリコーン、エンジニアリングプラスチックが挙げられる。また、材料、構造を適当に複合化したものであってもよい。上記断熱層の設置の手段としては、コーティング、接着等がある。
【0036】
次に図4は、樹脂充填完了後、バルブゲート1Aを閉じた状態でのバルブゲート1Aの周辺を拡大した図である。
【0037】
図4において、7Aは可動ピン7とコア駒2とのクリアランスである。可動ピン7によりバルブゲート1Aが封鎖され、キャビティ1への溶融樹脂の射出が終了した直後は、クリアランス7Aを溶融樹脂が流れる。その後はクリアランス7A内の樹脂は固化状態になり、クリアランス7A内に停滞する。これによりクリアランス7Aは断熱層としての機能を発揮し、バルブ本体6からのコア駒2への放熱を抑制する。
【0038】
なお、キャビティ1内の樹脂材料を圧縮する圧力は、樹脂材料を圧縮する体積Vによって決定されるが、この圧縮体積Vは、可動ピン7の摺動距離寸法Lにより調整されるされるものである。
【0039】
また、可動ピン7の加圧時間は、不図示のタイマーにより設定される。また、このタイマーの設定により、可動ピン7により樹脂材料を圧縮するタイミングを調整する。
【0040】
本実施形態によれば、内蔵されたヒータにより加熱されるバルブ本体6の熱を、コア駒2及びコアピン5に伝えることが抑制できる。そのため、環状の成形品における周方向の温度制御が容易となり、品質精度の良好な製品を得る製造方法を提供できる。
【0041】
また、固定型板に設けられた支持ピン4と、バルブゲートを開閉する筒状の可動ピン7との間に嵌合クリアランスを設けることで、摺動抵抗を低減させることが可能となり、支持ピン及び可動ピンとの可動動作を円滑にすることで耐久性が向上され、支持ピン4及び可動ピン7の磨耗を抑制することができる。
【0042】
更に、可動ピン7とコア駒2との嵌合クリアランスの樹脂層は、断熱効果を有するので、キャビティ1を囲む型構造からの放熱を抑制することが出来る。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、環状成形品の射出成形用金型におけるキャビティ内での樹脂内圧の分布が均一になるように正確に制御することが出来る。そのため充填バランスを向上させることができ、均質な成形品を安定して製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる環状成形品の射出成形金型の構造を示す側断面図である。
【図2】バルブゲートが開いた時の金型の断面図である。
【図3】バルブゲートが閉じた時の金型の断面図である。
【図4】バルブゲート部の拡大図である。
【符号の説明】
1 キャビティ
2 コア駒
2A 凸テーパ部
3 キャビ駒
3A 凹テーパ部
4 支持ピン
4A 凹テーパ部
5 コアピン
5A 凸テーパ部
6 バルブ本体
7 可動ピン
7A クリアランス
8 溶融樹脂流路
9 断熱リング
10 樹脂断熱部

Claims (5)

  1. 固定側の金型と可動側の金型を突き合せることによってキャビティの外周面を形成し、支持ピンとコアピンとを突き合せることによってキャビティの内周面を形成し、環状成形品を成形するための射出圧縮成形装置であって、
    前記キャビティ内に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に樹脂材料を射出するためのバルブゲートと、
    該バルブゲートを金型との間にクリアランスをもって開閉するとともに、該バルブゲートを閉じる動作に伴って、前記キャビティ内の樹脂材料に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に圧力を加えるためのバルブゲートピンとを具備し、
    前記バルブゲートピンは円筒形状に形成されており、該円筒形状の内側には、前記支持ピンが前記バルブゲートピンに対して摺動自在に配置され、前記支持ピンの突き合せ面には凹テーパ部及び凸テーパ部のいずれか一方が形成され、前記コアピンの突き合せ面には凹テーパ部及び凸テーパ部のうち前記支持ピンに形成されたテーパ部とは異なるもう一方のテーパ部が形成されていることを特徴とする環状成形品の射出圧縮成形装置。
  2. 前記固定側の金型と前記可動側の金型の突き合せ部には、テーパが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の環状成形品の射出圧縮成形装置。
  3. 前記支持ピンと前記コアピンの接する面には断熱性の材料層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の環状成形品の射出圧縮成形装置。
  4. 固定側の金型と可動側の金型を突き合せることによってキャビティの外周面を形成し、支持ピンとコアピンとを突き合せることによってキャビティの内周面を形成し、該キャビティ内に樹脂材料を射出することにより、環状成形品を成形する環状成形品の射出圧縮成形方法であって、
    前記固定側の金型と前記可動側の金型を突き合せる工程と、
    前記支持ピンと前記コアピンを前記支持ピンと前記コアピンに設けられたテーパ部で突き合せる工程と、
    前記キャビティ内に前記バルブゲートを介して前記樹脂材料を射出する射出工程と、
    前記バルブゲートを金型との間にクリアランスをもって開閉するバルブゲートピンにより前記バルブゲートを閉じる動作に伴って、前記バルブゲートピンにより前記キャビティ内の樹脂材料に前記環状成形品の中心軸線に沿う方向に圧力を加える圧縮工程と、
    を具備することを特徴とする環状成形品の射出圧縮成形方法。
  5. 前記固定側の金型と前記可動側の金型を突き合せる工程では、前記固定側の金型と前記可動側の金型を前記固定側の金型及び前記可動側の金型に設けられたテーパ部で突き合せることを特徴とする請求項4に記載の環状成形品の射出圧縮成形方法。
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