JP2003291183A - バルブゲート式金型装置とその成形方法 - Google Patents

バルブゲート式金型装置とその成形方法

Info

Publication number
JP2003291183A
JP2003291183A JP2002096248A JP2002096248A JP2003291183A JP 2003291183 A JP2003291183 A JP 2003291183A JP 2002096248 A JP2002096248 A JP 2002096248A JP 2002096248 A JP2002096248 A JP 2002096248A JP 2003291183 A JP2003291183 A JP 2003291183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gate
valve body
taper portion
valve
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2002096248A
Other languages
English (en)
Inventor
Fujio Murayama
富士男 村山
Yoshihiro Horikawa
義広 堀川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2002096248A priority Critical patent/JP2003291183A/ja
Publication of JP2003291183A publication Critical patent/JP2003291183A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲートに無理な力が加わることがなく、バル
ブピンのゲート開放後における成形材料の流れを円滑に
する。 【解決手段】 ゲート20にゲートテーパ部20Aを設け、
バルブピン51の先端にピンテーパ部54を設け、このピン
テーパ部54の先端にゲート閉塞部52を設ける。バルブピ
ン51のゲート閉塞時におけるゲートテーパ部20Aとバル
ブピンテーパ部54との間隔Wを、先端部53の直径Dとゲ
ート閉塞部52の直径dとの差の1/4〜3/4とする。
バルブピン51の移動によるゲートテーパ部20Aへ加わる
力が少なくなる。間隔Wの樹脂により両者間の断熱性を
確保することができる。一方、ゲート開放時には、バル
ブピン51の移動により開放された空間によりゲート20か
ら製品キャビティ3へと樹脂が円滑に流れ込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の射
出成形などに用いられるバルブゲート式金型装置とこれ
を用いた成形方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】製品キャビティへのゲ
ートまでの材料通路内の成形材料である樹脂を加熱して
常時溶融状態に保つホットランナー金型装置において、
ゲートをバルブ体であるバルブピンにより機械的に開閉
するバルブゲート式金型装置が知られている。なお、ホ
ットランナー金型装置は、成形能率を高めることを目的
としたものであり、ゲートを閉じるのは、型開時などに
ゲートから樹脂が漏れるのを防止するためである。
【0003】ここで、従来のバルブゲート式金型装置に
ついて説明する。型体である固定型と可動型は互いに移
動して開閉し、型閉時に相互間に製品形状の製品キャビ
ティを形成する。固定型は固定側型板と固定側受け板と
を備え、固定側型板には前記製品キャビティへ開口する
ゲートが形成されている。前記固定側受け板及び固定側
型板に貫通形成された組込み孔にはバルブ装置のバルブ
ケーシングが組み込まれている。このバルブケーシング
はほぼ筒状になっており、その中心に前記ゲートに連通
する材料通路が形成されている。前記バルブケーシング
の外周面には材料通路内の成形材料である熱可塑性樹脂
を常時溶融状態に保つための手段であるコイルヒーター
と、このコイルヒーターを外側から覆うヒータカバーと
が設けられている。前記バルブケーシングの材料通路に
はマニホールドの材料通路であるライナーが接続され、
このランナーには射出成形機から成形材料が送られてく
る。前記バルブケーシング内には油圧シリンダーなどに
より駆動されてガイドブッシュに支持されながら移動す
ることにより前記ゲートブッシュのゲートを開閉するバ
ルブピンが設けられている。このバルブピンはゲートブ
ッシュのゲートに嵌合してこれを閉塞する。そして成形
時には、複数の型体を型閉してこれら型体間に製品キャ
ビティを形成するとともにゲートを開き、材料通路から
ゲートを介して製品キャビティ内に成形材料を充填す
る。ついで、バルブピンによりゲートブッシュのゲート
を閉じ、さらに、製品キャビティ内の成形材料が固化し
た後、型開して製品キャビティ内の成形材料すなわち成
形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の
成形サイクルを繰り返すが、全成形サイクルを通じて、
バルブ本体の材料通路内の成形材料は加熱手段の加熱に
より常時溶融状態に保たれる。
【0004】ここで、従来のこの種のバルブゲート式金
型装置の一例を図4及び図5を参照しながら説明する。
同図において、101は型体である固定型、102はこの固定
型101に対して開閉する型体である可動型であり、これ
ら固定型101および可動型102間には型閉時に製品キャビ
ティ103が形成され、この製品キャビティ103に連通する
ゲート104が固定型101に設けられている。また、固定型
101には組み込み孔105が形成されており、この組み込み
孔105にバルブ装置のバルブケーシング106が組み込まれ
る。このバルブケーシング106には前記ゲート104に連通
する材料通路107が設けられ、また、バルブケーシング1
06には前記ゲート104を開閉するバルブピン108が進退可
能に設けられている。このバルブピン108の先端にはゲ
ート104に嵌合するゲート閉塞部110が設けられ、このゲ
ート閉塞部110と基端側108Kとは同一径に形成されてい
る。また、前記ゲート104の反製品キャビティ側にはゲ
ートテーパ部111が設けられている。さらに、前記バル
ブケーシング106の先端側と組み込み孔105との間には隙
間112が設けられ、この隙間112が材料通路107及びゲー
ト104に連通することにより成形材料である樹脂Aが侵
入して樹脂断熱層が形成される。
【0005】成形時には、図5に示すように、バルブピ
ン108が製品キャビティ103側から離れる方向に移動して
ゲート104が開放され、このゲート104から製品キャビテ
ィ103内に樹脂Aが充填される。一方、製品キャビティ1
03内に樹脂Aが充填された後、図4に示すように、バル
ブピン108が製品キャビティ103側に移動することによ
り、バルブピン108のゲート閉塞部110がゲート104内に
嵌合してこのゲート104を閉じる。
【0006】上記のようにゲート閉塞部110と基端側108
Kとが同径であると、図5に示すように、バルブピン10
8が製品キャビティ103側から離れる方向に移動してゲー
ト104を開放しても、バルブピン108の体積分(図5のク
ロスハッチングに示す部分)だけしか空間が開放されな
い。そして、バルブピン108の移動により開放される空
間が大きいほど、樹脂Aを材料通路107とゲート104とを
通って製品キャビティ103にスムーズに送り込むことが
できる。
【0007】そこで、図6示すように、ゲート閉塞部11
0の大きさはそのままにして、基端側108を径大とし、基
端側108とゲート閉塞部110との間にピンテーパ部109を
設けたものが知られている。このようにすることによ
り、ゲート104を開放すると、バルブピン108の移動した
後の空間が大となり、樹脂Aの流れを円滑にすることが
でき、成形材料に流れ難い性質の樹脂Aを用いた場合、
特に有効である。
【0008】ところで、図6示した構造で、ゲート閉塞
時にピンテーパ部109がゲートテーパ部111に衝合を繰り
返すと、ゲート104付近におけるクラックの発生の原因
となる。また、ピンテーパ部109とゲートテーパ部111と
の間には樹脂Aが介在するから、ゲート閉塞時にピンテ
ーパ部109がゲートテーパ部111に近付きすぎても、ゲー
ト104にクラックが発生する虞がある。
【0009】さらに、ピンテーパ部109とゲートテーパ
部111との間の樹脂Aの厚さが薄いと、該樹脂Aが固化
してゲートテーパ部111に付着し易くなる。
【0010】一方、ゲート閉塞時にピンテーパ部109と
ゲートテーパ部111との間が離れていれば、それらの間
に介在する樹脂Aが断熱層となり、両者間における断熱
はが向上するが、ゲート104を開放してもピンテーパ部1
09とゲートテーパ部111との間に介在していた樹脂Aが
流れの妨げとなって、材料通路からの樹脂Aの流れが損
われる。
【0011】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、ゲートに無理な力が加わることがなく、
バルブ体のゲート開放後における成形材料の流れを円滑
にできるバルブゲート式金型装置とこれを用いた成形方
法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のバルブ
ゲート式金型装置は、前記目的を達成するために、前記
バルブ体のゲート閉塞時における前記ゲートテーパ部と
バルブ体テーパ部との間隔が、前記バルブ体の直径とゲ
ート閉塞部の直径との差の1/4〜3/4である。
【0013】成形時には、複数の型体を型閉してこれら
型体間に製品キャビティを形成するとともに、バルブ体
を移動させてゲートを開放し、材料通路からゲートを介
して製品キャビティ内に熱可塑性樹脂などの成形材料を
流入させる。そして、製品キャビティ内に成形材料が充
填された後、バルブ体を移動させてゲートを閉塞する。
さらに、製品キャビティ内の成形材料が固化した後、複
数の型体を開き、成形された製品を離型させて取り出
す。そして、ゲート閉塞時における前記ゲートテーパ部
とバルブ体テーパ部との間隔を上記のように設定するこ
とにより、バルブ体の移動によるゲートテーパ部へ加わ
る力が少なくなり、また、前記ゲートテーパ部とバルブ
体テーパ部との間の成形材料により両者間の断熱性を確
保することができる。一方、ゲート開放時には、バルブ
体の移動により開放された空間によりゲートから製品キ
ャビティへと成形材料が円滑に流れ込む。
【0014】そして、前記差の1/4未満では、バルブ
体の移動によるゲートテーパ部へ加わる力によりゲート
を損傷する虞があり、また、前記ゲートテーパ部とバル
ブ体テーパ部との間における断熱性を確保することがで
きず、さらに、ゲートテーパ部に成形材料が固まって付
着し易くなるから、前記差の1/4以上が好ましい。一
方、前記差の3/4を超えると、前記ゲートテーパ部と
バルブ体テーパ部との間の成形材料の厚さが大となり、
この部分の成形材料がゲート開放時においてゲートを通
る成形材料の抵抗となるから、前記差を3/4以下とす
ることが好ましい。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明のバル
ブゲート式金型装置において、前記間隔が、前記バルブ
体の直径とゲート側嵌合部の直径との差のほぼ1/2で
ある。
【0016】これにより、バルブ体の移動によるゲート
テーパ部へ加わる力の影響が少なく、前記ゲートテーパ
部とバルブ体テーパ部との間における断熱性が良好で、
ゲートテーパ部に成形材料が固化することもなく、ゲー
ト開放時において成形材料がゲートを流れ易く、全てに
最適な設定となる。
【0017】請求項3の発明は、前記バルブ体のゲート
閉塞時に前記ゲートテーパ部とバルブ体テーパ部との間
隔を、前記バルブ体の直径とゲート側嵌合部の直径との
差の1/4〜3/4とする成形方法である。
【0018】これにより、ゲート閉塞時のバルブ体の移
動によるゲートテーパ部へ加わる力が少なくなり、ま
た、前記ゲートテーパ部とバルブ体テーパ部との間の成
形材料により両者間の断熱性を確保することができる。
一方、ゲート開放時には、バルブ体の移動により開放さ
れた空間によりゲートから製品キャビティへと成形材料
が円滑に流れ込む。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本発明のバルブゲート式金型
装置の第1実施形態について、図1〜図3を参照しなが
ら説明する。まず、射出成形用金型装置の構成を説明す
る。1は第1の型体としての固定型、2は第2の型体と
しての可動型で、これら固定型1および可動型2は、図
示上下方向(型開閉方向)へ移動して互いに開閉し、型
閉時に相互間に製品形状の製品キャビティ3を形成する
ものである。
【0020】前記固定型1は、製品キャビティ3を形成
する固定側型板6と、前記固定側型板6の裏側(可動型
2と反対側)に固定された固定側受け板7と、この固定
側受け板7の裏側にスペーサーブロックを介して固定さ
れた固定側取り付け板(図示せず)とを備えている。こ
の固定側取り付け板は、射出成形機の固定側プラテンに
取り付けられる。そして、前記固定側取り付け板には、
ローケートリングと、射出成形機の成形材料供給装置で
ある加熱シリンダー装置のノズルが接続されるスプルー
ブッシュとが固定されている。このスプルーブッシュの
内部は、材料通路であるスプルーになっている。また、
スプルーブッシュには、スプルーを加熱してその内部の
成形材料である熱可塑性樹脂を常時溶融状態に保つ加熱
手段であるヒーターが設けられている。また、固定側受
け板7と固定側取り付け板との間には、マニホールド8
が設けられている。
【0021】そして、このマニホールド8の内部には、
前記スプルーを各製品キャビティ3へ分岐させる材料通
路であるランナー9が形成されている。また、マニホー
ルド8には、ランナー9を加熱してその内部の熱可塑性
樹脂を常時溶融状態に保つ加熱手段であるヒーター10が
設けられている。
【0022】前記固定型1には、ダイレクトゲート20を
開閉するゲート開閉手段であるバルブ装置21が組み込ま
れている。つぎに、このバルブ装置21の構成を説明す
る。固定型1の本体部を構成する前記固定側受け板7に
は、前記型開閉方向に貫通する組み込み孔22が形成され
ており、さらに、本体部たる前記固定側型板6の内部に
は、前記組み込み孔22に通じる組み込み孔23が形成さ
れ、この組み込み孔23の先端に、製品キャビティ3に連
通して前記ゲート20が設けられ、このゲート20の反製品
キャビティ側には、ゲートテーパ部20Aが形成され、こ
のゲートテーパ部20Aの角度Kは30度〜120度程度
である。そして、それら組み込み孔22,23内にほぼ筒状
のバルブケーシング25が組み込まれている。このバルブ
ケーシング25は、径小部たる本体部26の反ゲート20側
に、径大部たるフランジ部27を一体に有し、前記マニホ
ールド8および固定側受け板7に固定されている。そし
て、それら本体部26及びフランジ部27の外周面は円柱面
状をなす。
【0023】また、バルブケーシング25の内部は、マニ
ホールド8内のランナー9を前記ゲート20に連通させる
材料通路28になっている。この材料通路28は、前記型開
閉方向を軸方向とするほぼ円柱形状の直線部28Aと、こ
の直線部28Aにおけるゲート20と反対側の端部から斜設
された屈曲部28Bとを有しており、この屈曲部28Bは後
述するバルブピンから離れた位置に入口部28Cを有し、
この入口部28Cが前記前記ランナー9に接続されてい
る。
【0024】そして、前記フランジ部27の反ゲート側面
29と前記マニホールド8のゲート20側の面30とを突き合
わせて前記入口部28Cとランナー9とが接続されてい
る。
【0025】また、前記バルブケーシング25の材料通路
28におけるゲート20側の先端部31内周面には、ゲート20
と間隔をおいて前記型開閉方向に延びるバルブピン支持
部としての3枚の支持羽根32が一体に形成されている。
これら支持羽根32は、材料通路28の中心軸に対して120
°ずつ離れて放射状に位置している。なお、支持羽根32
の内側縁は、ゲート20と反対側の部分(図2における上
側の部分)が凹弧状の湾曲部33になっている。なお、支
持羽根32の湾曲部33は、成形材料である樹脂の流れに対
する抵抗を減らすためのものである。そして、支持羽根
32間の凹溝状の部分が分割材料通路部34になっている。
これら分割材料通路部34は、支持羽根32が3枚あるの
で、3つに分かれた通路を形成している。支持羽根32は
比較的薄いもので、この支持羽根32の幅よりも分割材料
通路部34の幅の方が大幅に大きくなっている。この支持
羽根32はバルブケーシング25の先端寄りに形成され、こ
のような支持羽根32を一体に有するバルブケーシング25
は、例えば放電加工により製造できる。
【0026】前記バルブケーシング25には、図示してい
ない油圧シリンダー装置などの駆動装置の駆動により前
記型開閉方向に移動して前記ゲート20を開閉するほぼ円
柱状のバルブ体たるバルブピン51が内蔵されている。こ
のバルブピン51は先端部にストレート部として形成され
たゲート閉塞部52がゲート20に挿脱自在に嵌合してこの
ゲート20を閉じるものであり、断面が円形である。ま
た、バルブピン51は前記型開閉方向を軸方向としてお
り、直線状の前記材料通路28内を同軸的に貫通してお
り、該バルブピン51は先端側が前記支持羽根32に支持さ
れている。さらに、バルブピン51は、バルブケーシング
25におけるマニホールド8側の端部では、バルブケーシ
ング25のフランジ部27内に固定されたバルブピン支持部
としてのガイドブッシュ43により支持されている。
【0027】前記バルブケーシング25の本体部26の外周
面には、材料通路28を加熱する加熱手段たるバンドヒー
ター44およびこのヒーター44を外側から覆うほぼ円筒状
のヒーターカバー45が嵌合されている。
【0028】前記バルブケーシング25のフランジ部27の
先端側に組み込み孔嵌合部46を設け、この組み込み孔嵌
合部46の外周面が前記組み込み孔22内に形成された略円
柱面状の径大嵌合受部47に嵌合している。これにより、
バルブケーシング25のフランジ部27のゲート20側が固定
側受け板7に位置決め状態で支持固定されている。あ
た、前記バルブケーシング51のゲート側の端部の外周面
には、断熱材料からなる固定リング48が設けられ、この
固定リング43が前記組み込み孔23の円柱状の嵌合孔23A
に嵌合することによりバルブケーシング25のゲート側が
型体である固定側側板6に位置決め状態で支持固定され
ている。
【0029】また、前記バルブケーシング25の先端部31
と組み込み孔22と固定リング48の間には隙間49が設けら
れ、この隙間49が材料通路28及びゲート20に連通するこ
とにより成形材料である樹脂Aが侵入して樹脂断熱層が
形成される。
【0030】次に、前記バルブピン51とゲート20の詳細
について説明すると、バルブピン51の先端部53の先端
に、ゲート側に縮小するバルブ体テーパ部たるピンテー
パ部54を設け、このピンテーパ部54の先端に前記ゲート
閉塞部52が設けられている。尚、前記先端部53は、ピン
テーパ部54の反ゲート側に位置し、ピンテーパ部54の最
大径部分と同一径をなし、一方、ゲート閉塞部52はピン
テーパ部54の最小径部分と同一径をなす。前記ピンテー
パ部54の角度θは30〜120度であり、この角度θは
前記角度Kと同一かほぼ等しい。また、前記先端部53の
直径D、ゲート閉塞部の直径dにおいて、ゲート閉塞時
にピンテーパ部54とゲートテーパ部20Aとの間隔Wは、
前記バルブ体の直径とゲート閉塞部の直径との差の2分
の1(W=(D−d)/2)を基準として設定すること
ができ、この基準の±50%の範囲で後述するように従
来にない各種の良好な結果が得られた。
【0031】つぎに、前記の構成について、その作用を
説明する。まず固定型1と可動型2とを型閉して、これ
ら固定型1および可動型2間に製品キャビティ3を形成
した後、バルブピン51を可動型2から離れる方向へ移動
させてゲート20を開放する。そして、射出成形機から固
定型1内に熱可塑性の成形材料である溶融した熱可塑性
樹脂を射出する。この樹脂は、マニホールド8のランナ
ー9などを通り、さらに、入口部28Cからバルブケーシ
ング25内の材料通路28、バルブピン51が嵌合している支
持羽根32間の分割材料通路34を通ってバルブケーシング
25先端部のゲート20から製品キャビティ3内に流入す
る。そして、製品キャビティ3内に溶融樹脂が充填され
た後、保圧を経て、バルブピン51が可動型2の方へ移動
し、ゲート20に嵌合してこのゲート20を閉じる。そし
て、製品キャビティ3内の樹脂が冷却して固化した後、
固定型1と可動型2とを型開して、製品キャビティ3内
の樹脂すなわち成形された製品を取り出す。その後、再
び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。
【0032】このような成形工程において、特に、直径
Dが10ミリ以下の場合に本発明における良好な結果が
得られ、例えば直径Dが2.5ミリ、直径dが1.5ミ
リの場合、間隔Wは0.5ミリとなり、このような設定
では、ゲート20側へのバルブピン51の移動によるゲート
テーパ部20Aへ加わる力の影響が少なく、ゲートテーパ
部20Aとピンテーパ部54との間における断熱性も良好と
なり、ゲートテーパ部20Aに溶融樹脂Aが固化して付着
することもなく、ゲート開放時において溶融樹脂Aがゲ
ート20に流れ易い結果が得られた。
【0033】尚、比較実験のため、上記設定で間隔Wを
0.2ミリに変更すると、ゲート閉塞時においてゲート
テーパ部20Aとピンテーパ部54との間の樹脂Aが、固化
してゲートテーパ部20に付着する現象が見られた。ま
た、間隔Wを0.8ミリにすると、流動性の劣る成形材
料を用い、ゲート20を開放した際、ゲートテーパ部20A
からゲート20への成形材料の流れ特性が低下し、流れ難
くなることが確認された。これにより、ゲート閉塞時に
おけるゲートテーパ部20Aとピンテーパ部54との間隔W
を、バルブピン51の先端部53の直径Dとゲート閉塞部52
の直径dとの差の1/4〜3/4とすることにより、従
来の問題が解決できることが分かる。
【0034】このように本実施形態では、請求項1に対
応して、互いに開閉し型閉時に製品キャビティ3を相互
間に形成する複数の型体たる固定型1及び可動型2と、
これら型体固定型1及び可動型2のうち材料通路28及び
この材料通路28を製品キャビティ3へ開口させるゲート
20を有する型体たる固定型1に設けられたバルブ体たる
バルブピン51とを備え、このバルブピン51を移動するこ
とによりゲート20を開閉し、ゲート20の反製品キャビテ
ィ3側に製品キャビティ3側に縮小するゲートテーパ部
20Aを設け、バルブピン51の先端にゲート3側に縮小す
るバルブ体テーパ部たるバルブピンテーパ部54を設ける
と共に、このバルブピンテーパ部54の先端にゲート20に
嵌合するゲート閉塞部52を設け、バルブピン51のゲート
閉塞時にゲートテーパ部20Aとピンテーパ部54との間に
成形材料が介在するバルブゲート式金型装置において、
バルブピン51のゲート閉塞時におけるゲートテーパ部20
Aとピンテーパ部54との間隔Wが、バルブピン51の先端
部53の直径Dとゲート閉塞部52の直径dとの差の1/4
〜3/4であるから、固定型1及び可動型2を型閉して
これら固定型1及び可動型2間に製品キャビティ3を形
成するとともに、バルブピン51を移動させてゲート20を
開放し、材料通路28からゲート20を介して製品キャビテ
ィ3内に熱可塑性樹脂などの成形材料を流入させる。そ
して、製品キャビティ3内に成形材料が充填された後、
バルブピン51を移動させてゲートを閉塞する。さらに、
製品キャビティ3内の成形材料が固化した後、固定型1
及び可動型2を開き、成形された製品を離型させて取り
出す。そして、ゲート閉塞時における間隔Wを上記のよ
うに設定することにより、バルブピン51の移動によるゲ
ートテーパ部20Aへ加わる力が少なくなり、また、ゲー
トテーパ部20Aとバルブピンテーパ部54との間の樹脂A
により両者間の断熱性を確保することができる。一方、
ゲート開放時には、バルブピン51の移動により開放され
た空間によりゲート20から製品キャビティ3へと樹脂A
が円滑に流れ込む。
【0035】そして、前記差の1/4未満では、バルブ
ピンの移動によるゲートテーパ部20Aへ加わる力により
ゲート20側を損傷する虞があり、また、ゲートテーパ部
20とピンテーパ部54との間における断熱性を確保するこ
とができず、さらに、ゲートテーパ部20Aに溶融樹脂A
が固まって付着し易くなるから、前記差の1/4以上が
好ましい。一方、前記差の3/4を超えると、ゲートテ
ーパ部20Aとピンテーパ部54との間の溶融樹脂の厚さが
大となり、この部分の溶融樹脂がゲート開放時において
ゲート20を通る溶融樹脂の抵抗となるから、前記差を3
/4以下とすることが好ましい。
【0036】また、このように本実施形態では、請求項
2に対応して、間隔Wが、バルブピン51の先端部53の直
径Dとゲート閉塞部52の直径dとの差のほぼ1/2であ
るから、バルブピン51の移動によるゲートテーパ部20A
へ加わる力の影響が少なく、ゲートテーパ部20Aとピン
テーパ部54との間における断熱性が良好で、ゲートテー
パ部20Aに溶融樹脂が固化することもなく、ゲート開放
時において溶融樹脂がゲート20を流れ易く、全てに最適
な設定となる。
【0037】このように本実施形態では、請求項3に対
応して、互いに開閉する複数の型体たる固定型1及び可
動型2を型閉してこれら固定型1及び可動型2間に製品
キャビティ3を形成し、固定型1に設けられた材料通路
28から、製品キャビティ3に開口したゲート20を通して
製品キャビティ3内に成形材料たる樹脂Aを充填し、製
品キャビティ3内に樹脂Aを充填するとき以外にゲート
20をバルブ装置21のバルブ体たるバルブピン51により閉
じ、ゲート20の反製品キャビティ3側に製品キャビティ
3側に縮小するゲートテーパ部20Aを設け、バルブピン
51の先端にゲート20側に縮小するバルブ体テーパ部たる
ピンテーパ部54を設けると共に、このピンテーパ部54の
先端にゲート20に嵌合するゲート閉塞部52を設け、バル
ブピン51のゲート閉塞時にゲートテーパ部20Aとピンテ
ーパ部54との間に樹脂Aが介在する成形方法において、
バルブピン51のゲート閉塞時にゲートテーパ部20Aとピ
ンテーパ部54との間隔Wを、バルブピン51の先端部53の
直径Dとゲート閉塞部52の直径dとの差の1/4〜3/
4とするから、バルブピン51の移動によるゲートテーパ
部20Aへ加わる力が少なくなり、また、ゲートテーパ部
20Aとバルブピンテーパ部54との間の樹脂Aにより両者
間の断熱性を確保することができる。一方、ゲート開放
時には、バルブピン51の移動により開放された空間によ
りゲート20から製品キャビティ3へと樹脂が円滑に流れ
込む。
【0038】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば
角度θと角度Kとは異なっていてもよく、この場合、間
隔Wは平均値とすればよい。また、実施形態では、ゲー
ト閉塞時にゲート閉塞部の先端面が製品キャビティ面と
面一としたが、ゲート閉塞部の先端が製品キャビティ内
に突出していてもよいし、ゲート内に引っ込んで
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、前記目的を達
成するために、前記バルブ体のゲート閉塞時における前
記ゲートテーパ部とバルブ体テーパ部との間隔が、前記
バルブ体の直径とゲート閉塞部の直径との差の1/4〜
3/4であり、ゲートに無理な力が加わることがなく、
バルブ体のゲート開放後における成形材料の流れを円滑
にできる。
【0040】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
の効果に加えて、前記間隔が、前記バルブ体の直径とゲ
ート側嵌合部の直径との差のほぼ1/2であり、バルブ
体の移動によるゲートテーパ部へ加わる力の影響が少な
く、前記ゲートテーパ部とバルブ体テーパ部との間にお
ける断熱性が良好で、ゲートテーパ部に成形材料が固化
することもなく、ゲート開放時において成形材料がゲー
トを流れ易くなる。
【0041】請求項3の発明は、前記バルブ体のゲート
閉塞時に前記ゲートテーパ部とバルブ体テーパ部との間
隔を、前記バルブ体の直径とゲート側嵌合部の直径との
差の1/4〜3/4とする成形方法であり、ゲートに無
理な力が加わることがなく、バルブ体のゲート開放後に
おける成形材料の流れを円滑にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブゲート式金型装置の先端側の拡
大断面図である。
【図2】同上、全体断面図である。
【図3】同上、支持羽根の平断面図である。
【図4】従来例を示すバルブ体の先端側の断面図であ
り、ゲート閉塞状態を示す。
【図5】従来例を示すバルブ体の先端側の断面図であ
り、ゲート開放状態を示す。
【図6】他の従来例を示すバルブ体の先端側の断面図で
あり、ゲート開放状態を示す。
【符号の説明】
1 固定型(型体) 2 可動型(型体) 3 製品キャビティ 20 ゲート 20A ゲートテーパ部 28 材料通路 51 バルブピン(バルブ体) 52 ゲート閉塞部 53 先端部 54 ピンテーパ部 D 直径(バルブ体の直径) d 直径(ゲート閉塞部の直径) W 間隔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉し型閉時に製品キャビティを
    相互間に形成する複数の型体と、これら型体のうち材料
    通路及びこの材料通路を前記製品キャビティへ開口させ
    るゲートを有する型体に設けられたバルブ体とを備え、
    このバルブ体を移動することにより前記ゲートを開閉
    し、前記ゲートの反製品キャビティ側に製品キャビティ
    側に縮小するゲートテーパ部を設け、前記バルブ体の先
    端にゲート側に縮小するバルブ体テーパ部を設けると共
    に、このバルブ体テーパ部の先端に前記ゲートに嵌合す
    るゲート閉塞部を設け、前記バルブ体のゲート閉塞時に
    前記ゲートテーパ部と前記バルブ体テーパ部との間に成
    形材料が介在するバルブゲート式金型装置において、前
    記バルブ体のゲート閉塞時における前記ゲートテーパ部
    とバルブ体テーパ部との間隔が、前記バルブ体の直径と
    ゲート閉塞部の直径との差の1/4〜3/4であること
    を特徴とするバルブゲート式金型装置。
  2. 【請求項2】 前記間隔が、前記バルブ体の直径とゲー
    ト側嵌合部の直径との差のほぼ1/2であることを特徴
    とする請求項1記載のバルブゲート式金型装置。
  3. 【請求項3】 互いに開閉する複数の型体を型閉してこ
    れら型体間に製品キャビティを形成し、前記型体に設け
    られた材料通路から、前記製品キャビティに開口したゲ
    ートを通して前記製品キャビティ内に成形材料を充填
    し、前記製品キャビティ内に成形材料を充填するとき以
    外に前記ゲートをバルブ装置のバルブ体により閉じ、前
    記ゲートの反製品キャビティ側に製品キャビティ側に縮
    小するゲートテーパ部を設け、前記バルブ体の先端にゲ
    ート側に縮小するバルブ体テーパ部を設けると共に、こ
    のバルブ体テーパ部の先端に前記ゲートに嵌合するゲー
    ト閉塞部を設け、前記バルブ体のゲート閉塞時に前記ゲ
    ートテーパ部と前記バルブ体テーパ部との間に成形材料
    が介在する成形方法において、前記バルブ体のゲート閉
    塞時に前記ゲートテーパ部とバルブ体テーパ部との間隔
    を、前記バルブ体の直径とゲート閉塞部の直径との差の
    1/4〜3/4とすることを特徴とするバルブゲート式
    金型装置を用いた成形方法。
JP2002096248A 2002-03-29 2002-03-29 バルブゲート式金型装置とその成形方法 Abandoned JP2003291183A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002096248A JP2003291183A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 バルブゲート式金型装置とその成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002096248A JP2003291183A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 バルブゲート式金型装置とその成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003291183A true JP2003291183A (ja) 2003-10-14

Family

ID=29239394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002096248A Abandoned JP2003291183A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 バルブゲート式金型装置とその成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003291183A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019155663A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 エスバンス 株式会社 射出成形金型

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019155663A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 エスバンス 株式会社 射出成形金型
JP7109215B2 (ja) 2018-03-09 2022-07-29 エスバンス株式会社 成形品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI445608B (zh) Gate bushings and their manufacturing methods
JP2003011176A (ja) バルブゲート式金型装置
JP2003291183A (ja) バルブゲート式金型装置とその成形方法
JP2006517148A (ja) 射出成形品を製造するための方法及び射出成形鋳型のためのニードル遮断ノズル
JP2003011174A (ja) バルブゲート式金型装置
JP2002283410A (ja) バルブゲート式金型装置およびこれを用いた成形方法
JPH11333858A (ja) 成形用金型装置
JP2003136561A (ja) 環状成形品の射出成形用金型及び環状成形品の成形方法
JP3689909B2 (ja) バルブゲート式金型装置
JPH10235683A (ja) 射出成形金型装置
WO2003002326A1 (fr) Procede de fabrication de produit moule et dispositif de moulage metallique du type a clapet de valve
JP2002307492A (ja) バルブゲート式金型装置
JP4203903B2 (ja) バルブゲート式金型装置
JP3240615B2 (ja) バルブゲート式金型装置
JP2003245952A (ja) バルブゲート式金型装置
JP5313013B2 (ja) トンネルゲート式成形金型
JP3713700B2 (ja) バルブゲート式金型装置
JP3829326B2 (ja) バルブゲート式金型装置
JP4226886B2 (ja) 環状成形品の射出圧縮成形装置及び射出圧縮成形方法
JP3757416B2 (ja) バルブゲート式金型装置
JP2000176971A (ja) 環状成形品及びその射出成形方法並びに射出成形金型
JP3704704B2 (ja) バルブゲート式金型装置
JP2004058375A (ja) 射出成形金型
JP2003011175A (ja) バルブゲート式金型装置およびこれを用いた成形方法
JP2003291182A (ja) バルブゲート式金型装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040323

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050614

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050801

A521 Written amendment

Effective date: 20050926

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A762 Written abandonment of application

Effective date: 20060816

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762