ところで、打球発射装置のハンドルは遊技中に遊技者によって把持された状態で回動操作されるが、このときハンドルカバーの外表面の大部分は遊技者の手により覆われることとなる。仮に発光手段が遊技者の掌の側にあるとすると、発光手段の発した光の大部分は遮られてしまう。よって、ハンドルにより発光演出が行われていたとしても、遊技者の目に到達する光量が少ないことから、遊技者はその発光演出を感知しにくくなる。また、発光手段が遊技者の指の側にあったとしても、発光手段自体は回動不能状態で固定されているため、回動操作部材であるハンドルグリップの回動位置の如何によっては、発光手段の発した光が指によって遮られてしまう。よってこの場合も同様に、遊技者は発光演出を感知しにくくなる。以上のように、特許文献1に記載の従来技術では、ハンドル内にて発光演出が行われていることを的確に遊技者に伝えることができず、効果的に発光演出が行われているとは言い難かった。
なお、従来構成においては、遊技者に対して的確に発光演出を伝えようとすると、ハンドル内部のほぼ全域に発光手段を配置する必要があることから、部品点数が増加し、コスト高になりやすいという問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者の手による光の遮蔽を未然に回避でき、ハンドル内にて発光演出が行われていることを的確に遊技者に伝えることができる遊技機の打球発射装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、遊技機前面側に取り付けられる本体部と、外周部に半月状をなす複数の凹部を有し、前記複数の凹部に指を掛けて回動操作することによって遊技球の発射強度を調整する回動操作部材と、内部に半球状の空間部を有し、前記回動操作部材の遊技者側面を覆う光透過性のカバー部材とを含んで構成されるハンドルを備えた遊技機の打球発射装置において、前記空間部内に、前記カバー部材よりも一回り小さく、前記本体部との間で前記回動操作部材を回動可能に挟持する内側部材を設け、前記カバー部材に光拡散処理を施す一方で、前記内側部材に前記カバー部材とは通過時の光拡散方向が異なる光拡散処理を施し、前記回動操作部材の前記遊技者側面の回動中心部に筒状または柱状の発光手段支持部材を回動中心軸方向に沿って突設し、前記回動操作部材の回動操作量に応じて前記回動操作部材と同じ方向に一体回動可能となるように、その発光手段支持部材の外周面に発光手段である複数のLEDを取り付け、前記複数のLEDが、前記空間部の内部、かつ、前記回動操作部材の回動中心軸方向から見て前記凹部開口両端と前記回動操作部材の回動中心とを結ぶ直線間の領域を避けてその直線よりも前記回動操作部材の周方向にずれた位置であって、かつ前記直線間の領域により挟まれるエリアに設置されていることを特徴とする遊技機の打球発射装置をその要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記回動操作部材は、回動操作量が最少となる第1回動位置と回動操作量が最大となる第2回動位置との間を回動許容範囲とし、前記ハンドルを取り付けた状態においてそのハンドルを回動中心軸方向から見て、前記ハンドルを上半分の領域及び下半分の領域に分けたとき、前記第1回動位置においては前記複数の凹部の全てが前記上半分の領域に位置し、かつ、前記回動操作部材が前記第2回動位置にある状態においては、前記凹部の少なくとも1つが前記上半分の領域に位置するように構成されていることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記上半分の領域に位置する前記LEDの数が前記下半分の領域に位置する前記LEDの数よりも常に多くなるように、前記複数のLEDが設置されていることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記発光手段支持部材は空洞部を有する筒状であり、前記空洞部にモータを設け、前記モータと錘とを組み合わせることで少なくとも前記発光手段の発光時に振動する振動発生手段を構成したことをその要旨とする。
遊技者が凹部に指を掛けて回動操作する場合において、回動操作部材の回動中心軸方向から見て凹部開口両端と回動操作部材の回動中心とを結ぶ直線間の領域を想定してみる。この領域はちょうど指によって覆い隠されやすい位置にあるが、当該領域を避けてその直線よりも前記回動操作部材の周方向にずれた位置であれば指と指との間になるため、指によって覆い隠されにくい。従って、請求項1に記載の発明のように、領域を避けてその直線よりも前記回動操作部材の周方向にずれた位置に発光手段を設置しておけば、発光手段の発した光が指によってあまり遮られずに遊技者の目に到達するようになる。従って、ハンドル内にて発光演出が行われていることを的確に遊技者に伝えることができる。
前記発光手段としては特に限定されず周知のもの(例えばランプやLED等)を使用することが可能であるが、強いて言えばハンドル内にて大きな収容スペースの確保が難しいという関係上、ランプ等に比べて小型のLEDを使用することが好適である。なお、消費電力が少ないという点においてもLEDは有利である。ハンドル内に設置される発光手段の数も特に限定されず、1個または2個以上(好ましくは2個〜7個程度)とすることができる。
前記回動操作部材における凹部は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。また、凹部の形状や大きさについては、遊技者がそこに指を引っ掛けて回動操作できるものであればよいため、特に限定されない。
前記光透過性のカバー部材としては、例えば、透明または半透明な材料を用いて形成されたカバー部材があるほか、光を通過させる孔が形成されたカバー部材などがある。勿論、透明または半透明な材料を用いて形成されたカバー部材に孔を設けてもよい。
前記発光手段は、前記回動操作部材に設けられていることが好ましい。
仮に、発光手段が回動変位しない状態で設けられていると、回動操作部材の回動位置の如何によっては、発光手段の発した光が指によって遮られてしまう可能性がある。これに対し、発光手段を回動操作部材に設けた構成にすると、回動操作部材の回動変位に合わせて発光手段の位置が変化する。しかし、この場合であっても発光手段と凹部との相対位置は変わらないため、発光手段は常に前記領域を避けた位置に存在する。つまり、回動操作部材の回動位置の如何を問わず、常に発光手段が指によって遮られない位置に設けられた状態となり、ハンドル内にて発光演出が行われていることをより的確に遊技者に伝えることができる。
なお「発光手段が回動操作部材に設けられている」とは、発光手段が他の部材を何ら介さずに直接的に回動操作部材に設けられている場合ばかりでなく、発光手段が他の部材を介して間接的に回動操作部材に設けられている場合も含む。即ち、回動操作量に応じて発光手段が回動操作部材とともに一体回動するような態様であればよい。
本発明の遊技機の打球発射装置において、前記発光手段は、前記回動操作部材の回動許容範囲内において上側となる領域を発光させる位置に設置されていることが好ましい。別の言い方をすると、前記ハンドルを取り付けた状態においてそのハンドルを回動中心軸方向から見て、前記ハンドルを上半分の領域及び下半分の領域に分けたときに、前記発光手段は、前記上半分の領域に常に存在するような状態で設置されることが好ましい。
通常、打球発射装置のハンドルは遊技機前面側における下方位置に取り付けられた状態で使用されるため、遊技者はハンドルをその回動中心軸に直交する方向から見下ろすこととなる。ゆえに、ハンドルを取り付けた状態にあっては、遊技者は、上側となる領域については比較的見やすくなる一方、従って、下側となる領域については殆ど見ることができなくなる。従って、上記構成のように、発光手段を回動操作部材の回動許容範囲内において上側となる領域を発光させる位置に設置しておけば、回動操作部材の回動位置の如何を問わず、遊技者にとって非常に見やすい位置に発光手段が配置された状態となる。以上の結果、ハンドル内にて発光演出が行われていることをより的確に遊技者に伝えることができる。
つまり、ハンドルの取り付け状態においてそのハンドルを遊技者側(回動中心軸方向)から見て上半分の領域及び下半分の領域に便宜上分けたときに、前記発光手段は常に上半分となる領域に属していることが好ましい。より具体的には、例えば凹部が複数あるような場合であれば、回動許容範囲内において常に前記上半分となる領域に属する凹部を基準とし、当該凹部開口両端と前記回動操作部材の回動中心とを結ぶ直線間の領域を避けてその直線よりも前記回動操作部材の周方向にずれた位置に、発光手段を設置することが好ましい。
前記発光手段は、回動操作部材の遊技者側面において当該遊技者側面とほぼ同じ高さで設けられてもよいが、好ましくは当該遊技者側面から遊技者側方向(言い換えるとハンドル先端部方向)にいくぶん突出した状態で設けられることがよい。具体例を挙げると、例えば、回動操作部材の遊技者側面の回動中心部付近に柱状または筒状の発光手段支持部材を一体または別体で突設形成し、その発光手段支持部材の外周面(特には外周面における上側部分)に発光手段を設けることがよい。このような部材の外周面上側部分は、遊技者にとって非常に見やすい位置関係にあるため、そこに発光手段を設置することにより、発光手段の発した光がいっそう遊技者の目に到達しやすくなる。ゆえに、ハンドル内にて発光演出が行われていることをより的確に遊技者に伝えることができる。
従って、本発明の遊技機の打球発射装置においては、前記回動操作部材の前記遊技者側面の回動中心部付近に発光手段支持部材を突設し、その発光手段支持部材の外周面上側位置に前記発光手段を取り付けることが好ましい。その理由は上記のとおりである。
また、本発明の遊技機の打球発射装置においては、前記回動操作部材の前記遊技者側面の回動中心部付近に筒状の発光手段支持部材を突設し、その発光手段支持部材の外周面上側位置に前記発光手段を取り付けるとともに、前記発光手段支持部材の有する空洞部にモータを設け、前記モータと錘とを組み合わせることで少なくとも前記発光手段の発光時に振動する振動発生手段を構成することが好ましい。
前記発光手段支持部材が筒状であるような場合には、その発光手段支持部材の有する空洞部内にモータ等の電気部品を設けること等が可能となる。この場合には、発光手段支持部材を例えば電気部品支持部材または電気部品保護部材として機能させることもできる。また、発光手段の発光時に併せて振動発生手段が動作して振動しうるため、打球発射装置において発光演出が行われていることをその振動によって遊技者に報知することができる。
なお、前記モータとプロペラとを組み合わせて構成することにより送風手段としてもよい。例えば、発光手段の発光時に併せて送風手段を動作させるようにしたりすれば、発光演出が行われていることを風により遊技者に報知することができる。
本発明の遊技機の打球発射装置においては、前記発光手段の配線を前記回転中心方向に引き込んで係止しておく引込係止部を前記回動操作部材に形成することが好ましい。
回動操作部材の回動変位に合わせて発光手段の位置が変化する構成の場合、発光手段から延びる配線が周囲の部材に引っ掛かって断線するおそれがある。また、配線が断線しないにしても、配線の引っ掛かりによって回動操作部材の円滑な回動が妨げられてしまい、遊技者が快適に遊技を行うことができなくなるおそれがある。その点、上記構成によれば、配線が回転中心方向に引き込まれた状態で引込係止部に係止されるので、回動操作を行っても配線が周囲の部材に引っ掛からない。従って、配線の断線による故障を防止することができ、かつ、回動操作時の円滑さも何ら損なわない。なお、上記のごとくモータ等の電気部品をさらに備える構成とした場合には、そのモータの配線についても同様に引込係止部に係止させておくことがよい。
ここで、本発明の遊技機の打球発射装置においては、発光手段の発した光を拡散する何らかの構成を備えていることがよく、具体的には少なくともカバー部材に光拡散処理が施されていることが好ましい。かかる光拡散処理が施されていると、光がカバー部材を通過する際にその進行方向が多方向に変えられる結果、光が拡散される。このとき、ハンドルを外方から見るとカバー部材における比較的広い領域が煌びやかに光って見えるため、結果的に演出効果を高めることができる。なお、発光手段としてLEDを選択した場合、このよう光拡散処理は特に有効であるといえる。LEDはランプに比べて光を発する角度範囲が狭いからである。さらに、カバー部材という既存の部材に対して光拡散処理を施す構成であるため、部品点数の増加や、それに伴う構造の複雑化及び高コスト化などを回避することができる。
また、前記カバー部材と前記発光手段との間に、前記本体部との間で前記回動操作部材を回動可能に挟持する内側部材を備えるような場合には、その内側部材にも光拡散処理を施しておくことがよい。この構成によると、カバー部材と発光手段との間に配置された内側部材を光が通過する際にも、その進行方向が多方向に変えられるため、光をより効果的に拡散させることができる。また、このような位置に内側部材を設けることによって、いわば発光手段を二重に覆った状態とすることができるため、発光手段をより確実に保護することができる。
ここでカバー部材や内側部材に施されている光拡散処理とは、例えば部材の表面に凹凸を形成するような加工を指し、その具体例としては溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などを挙げることができる。例えば、カバー部材及び内側部材に溝加工を施すような場合、カバー部材に形成された溝及び内側部材に形成された溝は互いに交差する方向に延びていることがよい。このようにすると、カバー部材を通過するときの光の拡散方向と、内側部材を通過するときの光の拡散方向とが異なることから、光をよりいっそう効果的に拡散することが可能となる。
以上詳述したように、請求項1〜4に記載の発明によれば、遊技者の手による光の遮蔽を未然に回避でき、ハンドル内にて発光演出が行われていることを的確に遊技者に伝えることができる遊技機の打球発射装置を提供することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の遊技機の打球発射装置を具体化した一実施形態のパチンコ機用ハンドルユニット11を、図1〜図6に基づき詳細に説明する。まず本実施形態のパチンコ機の基本的構成を簡単に説明する。
図1に概略的に示されるように、このパチンコ機は機体の外郭をなす縦長方形の外枠Aを備えている。外枠Aの開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の中枠(図示略)が、開閉可能かつ着脱可能に組み付けられている。そして、この中枠の前面側には、遊技盤Bの透視保護窓である前枠Dと、上の球受け皿Eとが、個々の連結支持手段等を利用してともに横開き形態で開閉可能に組み付けられている。その一方で、中枠の下部には下の球受け皿Fと打球発射装置Gとがセットされている。また中枠の裏側には、各種の球経路及び球処理払出部等を備えた機構セット盤(図示略)がセットされている。なお、図中Hは球貸しシステムに利用されるカードユニットを示している。
このように構成されたパチンコ機では、上記中枠に、前述した前枠D、上下の球受け皿E,F、打球発射装置G、遊技盤B及び各種の付属部品等の遊技用構成部材がセットされて1台単位に構成されている。即ち、遊技者が通常の打球発射操作を行うことにより、上の球受け皿E内の遊技球を1球ずつ発射レール1の発射位置に送り込み、それを所望の強度で適宜に打ち出すことによって、遊技盤B内でパチンコゲームを展開することができる。
さて次に、本実施形態の特徴的構成である打球発射装置Gの構成について詳細に説明する。
打球発射装置Gは、打球操作に基づいて上の球受け皿Eから球送り部を介して発射レール1に送り込まれた遊技球を打ち出すための装置であって、中枠の右下部に装備されている。なお、本実施形態ではロータリーソレノイド駆動形式の打球発射装置Gが採用されている。
前記打球発射装置Gは、ユニット化された打球操作部であるハンドルユニット11と、打球駆動部(図示略)と、駆動制御部(図示略)と、球送り部(図示略)とを基本構成として備えている。
中枠の前盤部の裏側にセットされる打球駆動部は、ハンドルユニット11での操作入力条件に基づいてパルス制御されるロータリーソレノイドを備えている。ソレノイドの回動軸の後端には打球杆が連結されている。打球杆は、ソレノイドのパルス通電励磁毎に打球始端から打球終端の範囲を回動変位し、発射レール1の発射位置にある遊技球を打ち出すようになっている。打球駆動部の裏側に着脱可能にセットされる駆動制御部は、ロータリーソレノイド等の入出力制御(ハード的制御、ソフト的制御)を行うように構成されている。
図2,図3,図4等に示されるように、本実施形態のハンドルユニット11は、本体部12、内側部材であるハンドルインナー13、回動操作部材であるハンドルグリップ14、カバー部材であるハンドルキャップ15等の主要部品を同一軸線上に互いに組み付けてユニット化した構造となっている。
合成樹脂材料により形成された本体部12は、円筒部12aの一方側にかさ状部12bを設けた形状を呈している。円筒部12aの内部には、コネクタブロック16及び回動調整式の可変抵抗器(ボリュームスイッチ)17が収容されている(図3参照)。略円柱状に形成されたコネクタブロック16は、本体部12の後端側(即ちかさ状部12bがない側)に挿入配置されている。コネクタブロック16は、集合コネクタ部16aと、モータ用コネクタ部16bとを有しており、それらのコネクタ部16a,16bには各々ハンドルグリップ14の回動中心軸C方向に沿って平行に延びる端子18が配設されている。
パチンコ機本体の前面にある下の球受け皿Fの右側には、図示しないユニット装着用スリーブが突設されている。そのスリーブの内奥部には図示しないコネクタ部が配置され、このコネクタ部にはパチンコ機本体側にある電気的構成(駆動制御部)が接続されている。前記スリーブに対しては、本体部12の基端側が直接嵌挿されかつビスにより固定される。このようなユニット装着時においては、コネクタ部16a,16bとパチンコ機本体側コネクタ部とが連結される。勿論、ビスを外せばスリーブから本体部12を容易に離脱させることができる。
図3に示されるように、ハンドルグリップ14の回動量を電気抵抗値に変換するための可変抵抗器17は、本体部12においてコネクタブロック16よりもユニット先端側(即ち遊技者側)の位置に配設されている。可変抵抗器17の調整軸17aは、ハンドルユニット11の前方側に向けられるとともに、ハンドルグリップ14の回動中心軸Cと同軸上に配設されている。可変抵抗器17は図示しない配線を介して集合コネクタ部16aの端子18に電気的に接続されている。
図2等に示されるように、かさ状部12bの内面側における所定箇所には、ソレノイドに対するスイッチ(図示略)及びそのスイッチをオンオフするためのスイッチ操作レバー20が配設されている。かさ状部12bの外周縁には、金属製のまたは表面が金属メッキされたタッチ感知環21が取り付けられている。タッチ感知環21はタッチセンサの構成部材であり、これに遊技者の手の一部が触れていることを1つの条件として遊技球が発射されるようになっている。
図2,図3,図4に示されるように、合成樹脂材料からなるハンドルグリップ14はハンドルユニット11における可動部分であって、円盤状に形成された本体部分14aの外周部3箇所に指掛け用の凸部23を突設した構造を有している。ハンドルグリップ14の回動操作を行う際には、これらの凸部23の側面に遊技者の指81が掛けられる(図6(a),(b)参照)。ハンドルグリップ14における遊技者側面S1の中心部には筒状部24が突設されており、その部分においてハンドルグリップ14と可変抵抗器17の調整軸17aとが一体回動可能に連結されている。遊技球の発射強度は、ハンドルグリップ14を所定方向(即ち図6(a),(b)の時計回り方向)に回動させることによって、ハンドルグリップ14の回動量を調整して可変抵抗器17の抵抗値を変化させることにより調整可能である。ハンドルグリップ14の遊技者側面S1には、ハンドルグリップ14を図6(a),(b)の反時計回り方向へ回動復帰させるための捩りばね31が配置されている。また、ハンドルグリップ14の本体部分14aには、ハンドルグリップ14の表裏を連通させる複数の略円弧状スリット26が形成されている。
図2,図3,図4,図5,図6に示されるように、本体部12の遊技者側面(即ち先端側面)を覆うためのカバー部材であるハンドルキャップ15は、略半球状の部材であって、一般的には人の掌に納まる程度の大きさとされている。このハンドルキャップ15は内側に略半球状の空間部27を有している(図3参照)。本実施形態のハンドルキャップ15を構成するハンドルキャップ本体15cは、例えば赤い色に着色された半透明な合成樹脂材料を用いて形成された成形品であって、頂上部に円形状の抜き穴15bを有している。そして、この抜き穴15bには円形状の蓋部材15aが嵌着されている。かかるハンドルキャップ本体15cには光拡散処理が施されており、具体的にはハンドルキャップ本体15cの内側面のほぼ全体に溝加工が施されている。本実施形態においてハンドルキャップ本体15cに形成された多数の光拡散用溝61は、いずれも平行であって、かつ、半径方向に向けて放射状に延びている。なお、前記光拡散用溝61は、所定の金型を用いてハンドルキャップ本体15cを成形する際に同時に形成されたものである。
一方、内側部材であるハンドルインナー13は、ハンドルキャップ15よりも一回り小さい円環状の部材であって、ハンドルキャップ15の内側(つまり前記空間部27内)に配置されている。ハンドルインナー13及びハンドルキャップ15には、それぞれねじ挿通部28,29が形成されている。そして、両ねじ挿通部28,29に対して図示しないねじを挿通して締め付けることにより、ハンドルインナー13とハンドルキャップ15とが互いに固定されている。ハンドルインナー13は、本体部12の有する図示しないボス部の先端に対してもねじ止め固定されている。これにより、本体部12とハンドルインナー13との間に、回動操作部材であるハンドルグリップ14が回動可能に挟持された状態となっている。
かかるハンドルインナー13にも光拡散処理が施されており、具体的にはハンドルインナー13の外側面のほぼ全体に溝加工が施されている。本実施形態においてハンドルインナー13に形成された多数の光拡散用溝62は、いずれも平行であって、かつ、周方向に沿って延びている。即ち、ハンドルインナー13における光拡散用溝62は、ハンドルキャップ本体15cにおける光拡散用溝61に対して、略直交する方向に延びていることになる。なお、前記光拡散用溝62は、所定の金型を用いてハンドルインナー13を成形する際に同時に形成されたものである。
図3,図4に示されるように、ハンドルグリップ14の前側面中央部には、ハンドルグリップ14を回動復帰させるための付勢手段であるねじりばね31が配置されている。ねじりばね31の輪の部分は、ハンドルグリップ14の筒状部24が遊挿されている。ねじりばね31の一方の端部は図示しない前記ボス部に引っ掛けられるとともに、他方の端部は本体部分14aにて突設された係止凸部32に係止されている。その結果、ねじりばね31は図6(a),(b)の反時計回り方向に常時付勢力を与え、ハンドルグリップ14を所定の位置に回動復帰させるようになっている。
また、図3,図4に示されるように、本実施形態のハンドルユニット11は、モータ54と半円状の錘53とからなる振動発生手段を備えている。前記モータ54はその中心部に回転軸52を有しており、錘53はその回転軸52に対して取り付けられている。かかるモータ54は、内部に空洞を有する略円筒状のモータ/LED支持体41により、全体的に覆われるようにして保持されている。モータ/LED支持体41の外周部における複数箇所には、突片状のねじ挿通部48が形成されている。そして、これらのねじ挿通部48の透孔にねじを挿通することにより、ボス部33の上端面にモータ/LED支持体41が固定されている。
さらに、図3,図4,図6に示されるように、本実施形態のハンドルユニット11は、発光手段である5個のLED51a,51b,51c,51d,51eを備えている。5個のLED51a〜51eは、上述したモータ/LED支持体41の外周面に取り付けられている。つまり、5個のLED51a〜51eは、モータ/LED支持体41を介して間接的にハンドルグリップ14に設置されていると把握できる。それゆえ、ハンドルグリップ14の回動操作量に応じて、5個のLED51a〜51eも同じ方向に一体回動するようになっている(図6(a),(b)参照)。
また、5個のLED51a〜51eは、ハンドルグリップ14の遊技者側面S1から遊技者側方向(言い換えるとハンドル先端部方向)にある程度突出した状態で設けられている。つまり、本実施形態におけるモータ/LED支持体41は、ハンドルグリップ14の遊技者側面S1の回動中心部付近に別体にて突設形成された筒状の発光手段支持部材であり、5個のLED51a〜51eはその発光手段支持部材の外周面に設けられている、と把握できる。
図6(a)は、ハンドルグリップ14が全く回動されていない状態(即ち、ハンドルグリップ14が第1回動位置にある状態)を概略的に示している。一方、図6(b)は、ハンドルグリップ14が最大限回動された状態(即ち、ハンドルグリップ14が第2回動位置にある状態)を概略的に示している。なお、本実施形態ではハンドルグリップ14の回動許容範囲の角度が約110°に設定されている。
図6(a)に示すようにハンドルグリップ14が第1回動位置にある状態では、3つの凸部23は、それぞれ10時、0時、2時半の位置に存在している。10時の位置に存在していた凸部23(便宜上「第1の凸部23」とする。)は、ハンドルグリップ14が図6(b)に示す第2回動位置に移動すると、およそ1時半の位置に移動する。ゆえに、第1の凸部23は、ハンドルグリップ14の回動許容範囲内において常に上半分の領域に属することになる。0時の位置に存在していた凸部23(便宜上「第2の凸部23」とする。)は、ハンドルグリップ14が図6(b)に示す第2回動位置に移動すると、およそ3時半の位置に移動する。ゆえに、第2の凸部23は、ハンドルグリップ14の回動許容範囲内の大部分において上半分の領域に属することになる。2時半の位置に存在していた凸部23(便宜上「第3の凸部23」とする。)は、ハンドルグリップ14が図6(b)に示す第2回動位置に移動すると、およそ6時の位置に移動する。ゆえに、第3の凸部23は、ハンドルユニット14の回動許容範囲内の大部分において下半分の領域に属することになる。
そして本実施形態では、ハンドルグリップ14の回動中心軸C方向から見て、第1の凸部23とハンドルグリップ14の回動中心Oとを結ぶ直線L、第2の凸部23とハンドルグリップ14の回動中心Oとを結ぶ直線L、の2つを想定してみることとする(図6(a),(b)参照)。なお、前記2つの直線Lは、ちょうど指81と指81との間に位置しており、殆ど指81によって覆い隠されない。本実施形態の場合、2個のLED51b,51eについては、当該直線L上の位置に設置されている。また、LED51aについては、当該直線L上の位置ではないがその近傍であって、かつ、指81によって覆い隠されない位置に設置されている。残りのLED51c,51dについては、当該直線L上の位置の近傍ではあるが、指81によってやや覆い隠されやすい位置に設置されている。しかしながら、5個のうち少なくとも3個のLED51a,51b,51eに関しては、遊技者にとって見やすい位置に設置されていると言ってよい。
なお、図4に示されるように、モータ54及び各LED51は通電のための共通の配線50を有している。配線50の途上には一対の接続用コネクタ49が設けられている。ハンドルグリップ14の本体部分14aには、回動中心Oに向けて切り欠かれた引込係止部44が設けられている。そして、前記配線50は、その引込係止部44に引き込まれた状態で係止されている。
次に、上記のように構成されたハンドルユニット11の動作等について説明する。
このハンドルユニット11は、パチンコ機本体側のスリーブに装着した状態で使用されるため、遊技者はハンドルユニット11をその回動中心軸Cに直交する方向から見下ろすこととなる。図6(a)に示すようにハンドルグリップ14が第1回動位置またはそれに近い位置にあるときには、全てのLED51a〜51eが、遊技者にとって見やすい上半分の領域に属している。しかも、5個あるLED51a〜51eのうちのいくつか(即ちLED51a,51b,51e)は、指によって覆い隠されない位置に配置されている。配線50を介してLED51a〜51eに通電を行った場合、LED51a〜51eが光を発し、その光がハンドルインナー13及びハンドルキャップ15を通過する際に進行方向が多方向に変えられる。従って、光が指によってあまり遮られずに遊技者の目に確実に到達するばかりでなく、光拡散効果によってハンドルキャップ15における比較的広い領域が煌びやかに光って見える。
また、図6(b)に示すようにハンドルグリップ14が第2回動位置またはそれに近い位置にあるときであっても、少なくとも3つのLED51a〜51cについては、依然として遊技者にとって見やすい上半分の領域に属している。しかも、それらのうちLED51a,51bは、指によって覆い隠されない位置に配置されている。よって、この場合においてもLED51a〜51eに通電を行った場合には、光が指によってあまり遮られずに遊技者の目に確実に到達するばかりでなく、光拡散効果によってハンドルキャップ15における比較的広い領域が煌びやかに光って見える。
しかも、各LED51a〜51e及びモータ54の配線50は共通化されていることから、LED51a〜51eの発光時には併せてモータ51にも通電が行われ、その結果所定の振動が発生する。このため、ハンドルユニット11において発光演出が行われていることを、振動によって遊技者に報知することができる。なお、各LED51a〜51e及びモータ54への通電を、例えば図柄の組み合わせがリーチまたは大当りになったときに行えば、ハンドルユニット11が発光しかつ振動するため、より効果的にリーチ演出または大当り演出をすることが可能となる。よって、このような演出により遊技者の興趣を大いに高めることができる。
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のハンドルユニット11によると、発光手段であるLED51a〜51eの発した光が指によってあまり遮られずに遊技者の目に到達するようになるため、ハンドルユニット11内にて発光演出が行われていることを的確に遊技者に伝えることができる。
(2)本実施形態のハンドルユニット11では、発光手段であるLED51a〜51eが、回動操作部材であるハンドルグリップ14に対して設けられている。より具体的には、5つのLED51a〜51eが、モータ/LED支持体41を介してハンドルグリップ14に間接的に設けられている。そして、特に3つのLED51a,51b,51eについては、ハンドルグリップ14の回動位置の如何を問わず、常に指によって遮られない位置に設けられた状態となっている。しかも、3つのLED51a,51b,51cについては、ハンドルグリップ14の回動許容範囲内において上側となる領域を発光させる位置に設置された状態となっている。以上の結果、ハンドルユニット11内にて発光演出が行われていることをより的確に遊技者に伝えることができる。
(3)本実施形態のハンドルユニット11では、ハンドルグリップ14に引込係止部44を形成し、その引込係止部44に各LED51a〜51e及びモータ54の配線50を引き込んで係止しておくようになっている。従って、ハンドルグリップ14の回動操作を行っても配線50が周囲の部材に引っ掛からない。従って、配線50の断線による故障を防止することができる。また、回動操作時の円滑さも何ら損なわないので、遊技者が快適に遊技を行うこと可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施形態のハンドルユニット11Aを図7に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分については同じ部材番号を付すのみとし、その詳細な説明を省略する。
上記第1の実施形態では指掛け用の凸部23を備えるハンドルグリップ14を例示したが、ここでは指掛け用の凹部82を備えるハンドルグリップ83を例示している。凹部82はハンドルグリップ83の外周部3箇所に形成されていて、いずれも半月状を呈している。ハンドルグリップ83の回動操作を行う際には、これらの凹部82内に遊技者の指81が掛けられる(図7(a),(b)参照)。なお、図7(a)は、ハンドルグリップ83が全く回動されていない状態(即ち、ハンドルグリップ83が第1回動位置にある状態)を概略的に示している。一方、図7(b)は、ハンドルグリップ83が最大限回動された状態(即ち、ハンドルグリップ83が第2回動位置にある状態)を概略的に示している。ここでもハンドルグリップ83の回動許容範囲の角度が約110°に設定されている。
図7(a)に示すようにハンドルグリップ83が第1回動位置にある状態では、3つの凹部82は、それぞれ9時半、11時半、2時の位置に存在している。9時半の位置に存在していた凹部82(便宜上「第1の凹部82」とする。)は、ハンドルグリップ83が図7(b)に示す第2回動位置に移動すると、およそ1時の位置に移動する。ゆえに、第1の凹部82は、ハンドルグリップ83の回動許容範囲内において常に上半分の領域に属することになる。11時半の位置に存在していた凹部82(便宜上「第2の凹部82」とする。)は、ハンドルグリップ83が図7(b)に示す第2回動位置に移動すると、およそ3時の位置に移動する。ゆえに、第2の凹部82は、ハンドルグリップ83の回動許容範囲内の大部分において上半分の領域に属することになる。2時の位置に存在していた凹部82(便宜上「第3の凹部82」とする。)は、ハンドルグリップ83が図7(b)に示す第2回動位置に移動すると、およそ6時の位置に移動する。ゆえに、第3の凹部82は、ハンドルグリップ83の回動許容範囲内の大部分において下半分の領域に属することになる。
ここで、半月状の凹部82の開口縁の一方側の点を便宜上「P1」とし、開口縁の他方側の点を便宜上「P2」として、これらの点P1,P2と回動中心Oとをそれぞれ直線L1,L2で結ぶ。このとき直線L1と直線L2との間にできる領域(図7(a),(b)のハッチング部分)をRとすると、その領域Rは指によって覆い隠されやすい位置にあるということができる。そこで本実施形態では、当該領域Rを避けてその領域Rよりもハンドルグリップ83の周方向にいくぶんずれた位置、つまり指によって覆い隠されにくい位置に発光手段を配置するようにしている。具体的にいうと、例えば、図7(a)において9時半の位置にある第1の凹部82に対応した領域R、及び、11時半の位置にある第2の凹部82に対応した領域Rについて考えてみると、少なくとも3個のLED51b,51c,51eについては当該領域R内の外に配置されている。従って、通電時にはLED51a〜51eの発した光が、指によってあまり遮られずに遊技者の目に到達するようになる。ゆえに、ハンドルグリップ83の回動位置の如何を問わず、ハンドルユニット11A内にて発光演出が行われていることを的確に遊技者に伝えることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ハンドルキャップ15やハンドルインナー13における光拡散処理は上記実施形態のような溝加工のみに限定されず、ダイヤモンドカット加工などのような他の処理であってもよい。また、ハンドルキャップ15またはハンドルインナー13のいずれか一方にのみ光拡散処理を施してもよく、さらには光拡散処理自体を省略してもよい。
・上記各実施形態のようにハンドルユニット11,11Aを演出効果の一環として発光及び振動させてもよいほか、演出効果とは直接関係のない別の目的で(例えば不正行為に対する遊技者への警告等のために)、発光及び振動させてもよい。また、発光手段と振動発生手段とを必ずしも同時に動作させる必要はなく、配線50を別系統にして個別に動作させるようにしても構わない。また、発光手段である複数のLED51a〜51eについて、必ずしも同時に発光させるばかりでなく、個別に異なるタイミングで発光させるようにしてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)少なくとも前記カバー部材に光拡散処理を施したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機の打球発射装置。
(2)前記本体部との間で前記回動操作部材を回動可能に挟持する内側部材を、前記カバー部材と前記発光手段との間に配置し、その内側部材にも光拡散処理を施したことを特徴とする、技術的思想(1)に記載の遊技機の打球発射装置。
(3)前記光拡散処理は溝加工であることを特徴とする、技術的思想(1)または(2)に記載の遊技機の打球発射装置。
(4)前記カバー部材及び前記内側部材に施されている光拡散処理は溝加工であり、前記カバー部材に形成された溝及び前記内側部材に形成された溝は互いに交差する方向に延びていることを特徴とする、技術的思想(3)に記載の遊技機の打球発射装置。