JP4225463B2 - 縦型製氷機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦方向に延長した製氷板を備える縦型製氷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に、特許文献1に開示された従来の縦型製氷機の製氷板近傍を示す。製氷板14の表面には、上下方向に延びる複数の縦リブ15が形成されている。各縦リブ15は、隣接する縦リブ15に対して製氷板14の幅方向に一定間隔で離隔している。かかる複数の縦リブ15により、製氷板14の表面に生成される氷の幅方向寸法が規定されるようになっている。また、隣接する縦リブ15の間には、それぞれ、上下方向に等間隔で離隔する複数の氷落下促進用の凸部16が設けられている。一方、製氷板14の裏面には、図示しない冷凍回路の蒸発器として作用する冷却パイプ17が取り付けられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−91117号公報
【0004】
かかる製氷機の製氷サイクル時において、製氷板14の上部に設けられた散水器18から製氷板14の表面に製氷水が流される。製氷水は冷却パイプ17によって冷却され、冷却パイプ17の反対側にあたる製氷板14の表面部分に、図5に実線で示されるようなほぼ蒲鉾形状の氷塊20をそれぞれ生成する。また、除氷サイクル時においては、散水器19からほぼ常温の除氷水が製氷板14の裏面に散水され、それぞれの氷塊20の製氷板14表面と接触する部分が僅かに融解されることにより、氷塊20が自重により下方にスライドし、図5にて一点鎖線で示すように凸部16に乗り上げて製氷板14から離脱して落下するように企図されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した縦型製氷機では、生成された各氷塊20を個別に製氷板14から落下させるようにしているため、各氷塊20における製氷板14との接触部の融解のバラツキに起因して、全ての氷塊20を落下させるまでに時間がかかるという問題点がある。また、その結果、除氷水の使用量が多くなると共に、氷塊20からの融解量が多くなるおそれがある。
【0006】
従って、本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、氷の落下をより促進することができる縦型製氷機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、製氷板の表面に形成され且つ上下方向に延びる複数の縦リブの間にそれぞれ複数の製氷領域が上下方向に配列形成され、各製氷領域にて氷塊を製造する縦型製氷機において、互いに隣接する縦リブの間に配列形成された複数の製氷領域に渡って上下方向に延びるとともに製氷板より熱伝導率の高い熱伝導部材が製氷板の裏面に貼付され、前記縦リブ及び前記熱伝導部材に対して垂直に冷却パイプが配置され、前記熱伝導部材に対応する位置に形成された氷により上下に隣接する氷塊の間が部分的に連結されるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に本実施の形態に係る縦型製氷機の構成を示す。鉛直方向に立設された製氷板1の裏面に冷却パイプ2が水平方向に蛇行して取り付けられ、この冷却パイプ2に冷媒供給回路3が接続されている。冷媒供給回路3は、圧縮機、凝縮器及び膨張弁等を含み、蒸発器として作用する冷却パイプ2と共に冷凍回路を構成している。また、製氷板1の上部には、製氷板1の表面に製氷水を散布するための製氷用散水器4と製氷板1の裏面に除氷水を散布するための除氷用散水器5が配設され、製氷用散水器4に製氷水供給部6が、除氷用散水器5に除氷水供給部7がそれぞれ接続されている。
【0009】
製氷板1の表面には互いに平行な複数の縦リブ8が上下方向に延びて突出形成されており、製氷板1の裏面には互いに隣接する縦リブ8の間でそれぞれ上下方向に延びるように複数の帯状の熱伝導部材9が貼付されている。
図2に示されるように、互いに隣接する縦リブ8の間で且つ冷却パイプ2の周辺にそれぞれ氷塊を形成するためのほぼ矩形状の複数の製氷領域10が上下方向に互いに離間して区画されている。熱伝導部材9は互いに隣接する縦リブ8の間隔より狭い幅を有し、上下方向に配列された複数の製氷領域10に渡って延びている。
また、図3に示されるように、熱伝導部材9は製氷板1の裏面に直接ろう付けされており、この熱伝導部材9と製氷板1の裏面の上に冷却パイプ2がろう付けされている。なお、熱伝導部材9は製氷板1よりも高い熱伝導率を有する材質から形成されている。
【0010】
次に、この縦型製氷機の動作について説明する。まず、製氷サイクル時には、冷媒供給回路3から低温の冷媒が冷却パイプ2に流入すると共に、製氷水供給部6から製氷用散水器4に製氷水が供給され、この製氷水が製氷用散水器4から製氷板1の表面上に散布されて流下する。互いに隣接する縦リブ8の間を流れる製氷水は冷却パイプ2の周辺に区画されている製氷領域10において徐々に氷となり、図2及び図3に示されるように、ここにほぼ蒲鉾形状の氷塊11を形成する。
【0011】
このとき、製氷板1の裏面には複数の製氷領域10に渡って上下方向に延びる熱伝導性の優れた熱伝導部材9が貼付されているため、上下に隣接する製氷領域10の間を流れる製氷水にも熱伝導部材9を介して冷却パイプ2からの冷熱が伝わり、上下に並んだ氷塊11の間に氷12が形成される。ここで、熱伝導部材9は互いに隣接する縦リブ8の間隔すなわち製氷領域10の幅より狭い幅を有しているので、図2及び図3に示されるように、上下の製氷領域10の境界部分に形成される氷12は氷塊11より小さく、この小さな氷12によって上下に隣接する氷塊11の間が部分的に連結されることとなる。このようにして、互いに隣接する縦リブ8の間には、上下方向に配列された複数の氷塊11が小さな氷12により一体に連結された連結氷13が形成される。
【0012】
一方、除氷サイクル時には、冷媒供給回路3から冷却パイプ2への低温冷媒の供給が停止されると共に製氷水供給部6から製氷用散水器4への製氷水の供給が停止され、代わりに除氷水供給部7から除氷用散水器5へ常温の除氷水が供給されると共に冷却パイプ2に高温冷媒が供給される。これにより、製氷板1の表面との氷塊11及び小さな氷12の接触部が融解してこれら氷塊11及び小さな氷12は自重により製氷板1から離れて落下する。互いに隣接する縦リブ8の間に上下方向に配列形成された複数の氷塊11は小さな氷12により一体に連結された連結氷13として形成されているので、一体のまま連結氷13全体が落下する。このとき、いずれかの製氷領域10にて氷塊11の製氷板1との接触部の融解が進むことによって、連結氷13全体の落下が促進されるので、小さな氷12で連結せずに複数の氷塊11が個別に形成される場合に比べてすべての氷塊11の落下に要する時間が短縮される。
【0013】
このようにして製氷板1の表面から離脱した連結氷13は下方に設置された図示しない貯氷庫内へ落下するが、氷塊11と氷塊11とを連結している氷12は氷塊11に比べて小さいので、落下の衝撃により小さな氷12が砕けて各氷塊11は互いに分離しバラバラな状態となる。
【0014】
以上のように、氷塊11と氷塊11とを小さな氷12で連結した連結氷13を形成するようにしたので、除氷時に落下しやすくなり、その際の氷の融解量が少なく、その結果、日産製氷能力が向上する。また、除氷時間が短縮化されるので、除氷水の使用量が少なくなる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る縦型製氷機によれば、複数の製氷領域に渡って上下方向に延びる熱伝導部材を製氷板の裏面に貼付し、縦リブ及び熱伝導部材に対して垂直に冷却パイプを配置したので、氷の落下が促進され、除氷時間の短縮化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る縦型製氷機の構成を示す図である。
【図2】 実施の形態で用いられた製氷板を示す部分正面図である。
【図3】 実施の形態で用いられた製氷板を示す部分断面図である。
【図4】 従来の縦型製氷機の製氷板を示す斜視図である。
【図5】 従来の縦型製氷機の製氷板を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…製氷板、2…冷却パイプ、3…冷媒供給回路、4…製氷用散水器、5…除氷用散水器、6…製氷水供給部、7…除氷水供給部、8…縦リブ、9…熱伝導部材、10…製氷領域、11…氷塊、12…氷、13…連結氷。
Claims (1)
- 製氷板の表面に形成され且つ上下方向に延びる複数の縦リブの間にそれぞれ複数の製氷領域が上下方向に配列形成され、各製氷領域にて氷塊を製造する縦型製氷機において、
互いに隣接する縦リブの間に配列形成された複数の製氷領域に渡って上下方向に延びるとともに製氷板より熱伝導率の高い熱伝導部材が製氷板の裏面に貼付され、
前記縦リブ及び前記熱伝導部材に対して垂直に冷却パイプが配置され、
前記熱伝導部材に対応する位置に形成された氷により上下に隣接する氷塊の間が部分的に連結されることを特徴とする縦型製氷機。
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2002
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