JPH0419425Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 この考案は、自動製氷機に関し、特に製氷水の
流下方向に沿つて形成された凸部が間隔を置いて
複数箇所に配設されている製氷板を有する自動製
氷機に関するものである。

ｂ 従来の技術 第３図は従来の自動製氷機の製氷部の一例を示
す側面図、第４図は第３図の−線に沿う断面
図であり、一対の製氷板１は冷凍回路の一部を構
成する蒸発器２を介して対面している。製氷板１
の表面には製氷水の流下方向に沿つて山形状の凸
部３が形成されている。凸部３は間隔を置いて製
氷板１の中間部および両端部にそれぞれ形成され
ている。両端部の凸部３は製氷板１を支持する製
氷板取付部４に固着されている。

製氷板１の上方には製氷板１の表面に断面弓形
状に生成された氷６を除去する除氷水を供給する
給水器９が設けられており、除氷水は給水器９に
形成された複数個の除氷水散水孔５を通じて製氷
板１の裏面を流下するようになつている。

上記のように構成された従来の自動製氷機にお
いては、製氷サイクルの時、製氷水散水器（図示
せず）からの製氷水は、製氷板１の表面を流下
し、その流下途中に蒸発器２内を通過する冷媒の
蒸発潜熱により冷却され、製氷板１の表面には氷
６が生成される。

氷６が一定の大きさにまで成長した後、除氷サ
イクルに入る。除氷サイクルの時には、除氷水散
水孔５からの除氷水は製氷板１の裏面を流下し、
氷６の製氷板１との接触面が融解して、氷６は製
氷板１から除氷される。

除氷水散水孔５からの除氷水は製氷板１の裏面
を第６図の矢印に示すようにして流下する。つま
り、除氷水散水孔５は蒸発器２の真上に位置して
いるため、除氷水は、蒸発器２の上面に当たつて
広がり、製氷板１の凸部３と蒸発器２との間に形
成された空隙部を通つて製氷板１を流下する。こ
の除氷水は、次の蒸発器２の上面に当たつて広が
り、空隙部を通つて製氷板１を流下する。このよ
うな除氷水の流下形態をとりながら、除氷水は製
氷板１の下部にまで到達し、タンク（図示せず）
内に落下する。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 上記のような従来の自動製氷機においては、除
氷水散水孔５は製氷板１の中間部に対応して給水
器９に形成されており、製氷板取付部４と凸部３
との間の接続部７に対向した位置には形成されて
おらず、接続部７には除氷水が流下しなかつたの
で、次に述べるような問題点があつた。

(1) 製氷サイクルの時、製氷水は接続部７の表面
にも凸部３を乗り越えて氷結するが、この氷８
は、除氷サイクルの時に除氷されず、引き続き
製氷サイクルの時に成長して隣接の氷６と連結
し、製氷板１の表面には板状の氷が生成され、
その結果不定形の氷が製品の中に混在したり、
連結された氷が製氷板１から除氷不能になる。

(2) 接続部７の氷８は、製氷板取付部４と凸部３
とを押し拡げて、製氷板１にひずみを生じさ
せ、製氷板１上の氷６が除氷不能になり、製氷
能力が極度に低下する。

(3) 製氷サイクルの始めの時にも製氷板１上に氷
８が残つているために冷凍負荷が小さくなり、
圧縮機への液バツク量が増加して、圧縮機の故
障が生じる。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、不定形の氷が生ぜずして製氷能力
が向上し、また冷凍回路の故障も防げる自動製氷
機を得ることを目的とする。

ｄ 問題点を解決するための手段 この考案に係る自動製氷機は、給水器９の除氷
水散水孔５，１１を、製氷板取付部４と凸部３と
の間の接続部７に対向した位置にも形成したもの
である。

ｅ 作用 この考案においては、製氷板取付部４と凸部３
との間の接続部７にも除氷水が流れ、除氷サイク
ルの時に接続部７の氷８は融解される。

ｆ 実施例 以下、この考案の実施例を図について説明す
る。第１図はこの考案の一実施例を示す自動製氷
機の製氷部の一例を示す側面図、第２図は第１図
の−線に沿う断面図、第５図は第２図のＶ−
Ｖ線に沿う断面図であり、第３図、第４図および
第６図と同一または相当部分は同一符号を付し、
その説明は省略する。

図において、給水器９には、製氷板取付部４と
凸部３との間の接続部７に対向した位置にも除氷
水散水孔１１が形成されている。

このように構成された自動製氷機においては、
製氷サイクルの時、製氷水は接続部７の表面にも
凸部３を乗り越えて氷結するが、この氷８は、除
氷サイクルの時に除氷水散水孔１１から接続部７
に沿つて流下する除氷水により直接融解される。

つまり、第５図に示すように除氷水散水孔１１
からの除氷水は蒸発器２に当たり、製氷板取付部
４と凸部３との間の接続部７に広がり、接続部７
に形成された氷は、この除氷水により直接融解さ
れる。また、除氷水散水孔５からの除氷水は、従
来のものと同様の流下形態で製氷板１の裏面を流
下し、第６図で説明したように、蒸発器２の上面
に当たつて広がり、製氷板１の凸部３と蒸発器２
との間に形成された空隙部を通つて製氷板１を流
下し、次の蒸発器２の上面に当たつて広がり、空
隙部を通つて製氷板１を流下する。このような除
氷水の流下形態をとりながら、除氷水は製氷板１
の下部にまで到達し、タンク（図示せず）内に落
下する。

ｇ 考案の効果 以上説明したように、この考案によれば、製氷
板取付部４と凸部３との間の接続部７に対向した
位置にも給水器９に除氷水散水孔１１を形成する
ことにより、接続部７にも除氷水が流下し、次に
述べる効果がある。

(1) 製氷サイクルの時、製氷水は接続部７の表面
にも凸部３を乗り越えて氷結するが、この氷８
は、除氷サイクルの時に除氷水により直接除氷
されるので、氷８が引き続き製氷サイクルの時
に成長して隣接の氷６と連結し、製氷板１の表
面に板状の氷が生成され、不定形の氷が製品の
中に混在したり、製氷板１からの除氷不能にな
るということはない。

(2) 接続部７の氷８は製氷板取付部４と凸部３と
を押し拡げ、製氷板１にひずみが生じて製氷板
１上の氷６が除氷不能になり、製氷能力が極度
に低下することは避けられる。

(3) 製氷サイクルの時には接続部７に氷８が残つ
ていないために、蒸発器２には通常の冷凍負荷
が加わり、圧縮機への液バツク量が増加するこ
となく、冷凍回路は正常に作動する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す自動製氷機
の製氷部の一例を示す側面図、第２図は第１図の
−線に沿う断面図、第３図は従来の自動製氷
機の製氷部の一例を示す側面図、第４図は第３図
の−線に沿う断面図、第５図は第２図の−
線に沿う断面図、第６図は第４図の−線に
沿う断面図である。 １……製氷板、２……蒸発器、３……凸部、４
……製氷板取付部、６……氷、７……接続部、９
……給水器、１１……除氷水散水孔。なお、各図
中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 蒸発器２を介して対面し製氷水の流下方向に
   沿つて形成された凸部３が間隔を置いて複数箇
   所に設けられている製氷板１と、この製氷板１
   の両端部に形成された前記凸部３に取り付けら
   れ製氷板１を支持する製氷板取付部４と、前記
   製氷板１の上方に設けられ製氷板１の表面に生
   成された氷６を製氷板１の裏面を流下して除去
   する除氷水を複数個の除氷水散水孔５を通じて
   供給する給水器９とを備えている自動製氷機に
   おいて、前記除氷水散水孔５，１１は、前記製
   氷板取付部４と前記凸部３との間の接続部７に
   対向した前記給水器９の位置にも形成されてい
   ることを特徴とする自動製氷機。 ２ 凸部３は山形状である実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の自動製氷機。