JP4224653B2 - マイクロ波加熱用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物の加熱を迅速かつ均一に行うことのできるマイクロ波加熱用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジを使用して容器のまま加熱できる食品は数多く提供されているが、これらの食品を電子レンジで加熱する際には、長時間の加熱を必要とし、また容器内部に収容された食品を均一に加熱することが困難である等の問題点があった。これらの問題点は、電子レンジによる加熱が容器の角部や表層部分だけで行われ、容器内の食品全体を均一に加熱していないこと、特に流動性の小さい食品の場合にはこのような部分加熱では食品の対流が生じにくく、容器中央部の食品を充分に加熱することが困難であることにより発生するものとされていた。
【0003】
例えば、円筒状容器に収容された食品を電子レンジで加熱した場合には、容器の内側に沿って他の部分よりも温度の高いリング状の加熱帯が内容物の上方と下方に形成されるが、容器中心部には他の部分よりも温度の高い加熱点が形成されにくく、特に容器底部の中央付近には加熱点は全く形成されない。
また、楕円形偏平容器の場合には、容器壁に沿ってリング状の加熱帯が内容物の上方と下方に形成されるとともに、容器の長軸方向の何箇所かに加熱点が生じることがあるが、容器底部の中央付近に加熱点は生じない。
【0004】
矩形容器の場合には、最初に底の四隅に加熱点が生じ、それが上方及び底辺に沿って成長する一方、上層において容器の内面に沿って加熱帯が生じる。
そして、底部に波形の凹凸が形成してある容器の場合には、上層と下層にリング状に加熱帯が生じる他波形の両端の凸部に加熱点が発生するが、それ以外には加熱点は生じない。
【0005】
このように、いずれの場合にも容器底部の中央付近には加熱点は発生せず、長時間電子レンジで加熱した場合でも、上述したように内容物の上層や容器の底部の周縁付近などが加熱されるのみで、中央部分の温度はこれら高温部からの熱伝導によって昇温されはするが直接的に上昇するものではなく、内容物全体が均一に加熱されることはなかった。
【0006】
このような問題点を解消するために、本発明者らは、一室で構成される容器の底部の中央付近に、外方に突出しかつ容器内容物を収容する中空の突起を形成し、場合によりさらにこの突起の周囲に同様の突起を複数、周方向に間隔をおいて設けることにより、容器底部の中央付近にも電子レンジから放射されるマイクロ波が集中する加熱点が生じ、容器内の内容物を均一に加熱することができるマイクロ波加熱用容器が得られることを見出し、先に提案した。(特許第2522355号)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このマイクロ波加熱用容器についてさらに検討を続けたところ、容器底部に設ける中空の突起の開口径と、容器内に収納される内容物(食品)の誘電体損失角係数との間に相関関係があることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は容器内に収容された内容物の加熱をより均一に、かつ迅速に行うことのできるマイクロ波加熱用容器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために次のような構成をとるものである。
1.一室で構成され、容器底部に外方に突出しかつ容器内容物を収容する、形状が部分的な球状でありその深さが3mm以上である中空の突起であって、該中空の突起と容器底面の接続部が丸味をおびるように構成された中空の突起を設けたマイクロ波加熱用容器において、容器内に収容される内容物の導波管法により測定した下記式(1)で表される誘電体損失角係数Kと、
K=εr ×tanδ (1)
〔式中、εr は比誘電率、tanδは誘電体損失角を表す〕
中空の突起の開口径D(mm)が、下記式(2)で表される関係を有することを特徴とするマイクロ波加熱用容器。
130≦K×D≦670 (2)
2.一室で構成され、容器底部に外方に突出しかつ容器内容物を収容する、形状が円柱状又は多角柱状でありその深さが3mm以上である中空の突起であって、該中空の突起と容器底面の接続部が丸味をおびるように構成された中空の突起を設けたマイクロ波加熱用容器において、容器内に収容される内容物の導波管法により測定した下記式(1)で表される誘電体損失角係数Kと、
K=εr ×tanδ (1)
〔式中、εr は比誘電率、tanδは誘電体損失角を表す〕
中空の突起の開口径D(mm)が、下記式(2)で表される関係を有することを特徴とするマイクロ波加熱用容器。
130≦K×D≦670 (2)
3.中空の突起を容器底部の中央付近にのみ設けたことを特徴とする1又は2に記載のマイクロ波加熱用容器。
4.中空の突起を容器底部の中央付近に設け、さらに該中央付近の突起の周囲に容器内容物を収納する中空の突起を複数、周方向に間隔をおいて設けたことを特徴とする1又は2に記載のマイクロ波加熱用容器。
5.中空の突起の先端部の形状が丸味をおびるように構成されたものであることを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱用容器。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、一室で構成され、容器底部に外方に突出しかつ容器内容物を収容する中空の突起を設けたマイクロ波加熱用容器を構成するにあたって、容器内に収容される内容物の下記式(1)で表される誘電体損失角係数Kと、中空の突起の開口径D(mm)が下記式(2)で表される関係を満たすように、開口径D(mm)の寸法を定める。
K=εr ×tanδ (1)
130≦K×D≦670 (2)
【0010】
上記式(1)において、εr及びtanδはそれぞれ導波管法により室温で測定した比誘電率及び誘電体損失角を表す。本発明においては、これらの数値は新日本無線株式会社製の定在波測定器(JRC3S031型)を用いた導波管法により、2.45GHzのマイクロ波を使用して定法により測定した。
また、本発明において中空の突起の開口径D(mm)とは、突起の形状が部分的な球状又は円柱状のときは開口部の直径を意味し、開口部の形状が楕円形や、突起の形状が多角柱状のときは開口部の内接円の直径を意味する。ここで内接円とは、開口部に内接する最大寸法の円を意味する。
【0011】
容器内に収容される内容物の誘電体損失角係数Kと、中空の突起の開口径D(mm)が上記式(2)で表される関係を満たす場合には、電子レンジで加熱した際に、容器の角部や表層部だけではなく容器中央部、特に容器底部の中央の突起付近に加熱点を形成し、内容物を迅速にかつ均一に加熱することが可能となる。誘電体損失角係数Kと開口径D(mm)が式(2)で表される関係を満たさない場合には、容器中央部、特に容器底部の中央付近に加熱点を形成することが困難となり、内容物を迅速かつ均一に加熱することが難しくなる。
【0012】
本発明のマイクロ波加熱用容器を構成する材料には特に制限はなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンコポリマー等のポリオレフィン類;エチレン酢酸ビニル共重合体;エチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物;ポリ塩化ビニリデン及びその共重合体;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド類;ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体等のポリスチレン類等の熱可塑性プラスチック及びこれらを含む積層体、これらの単体及び積層体に蒸着、コーティング等により誘電性無機系薄膜を積層した積層体、ガラス、セラミックス等の誘電体が挙げられる。
これらの材料の比誘電率εrや誘電体損失角tanδは非常に小さく、例えば通常容器に使用される熱可塑性プラスチックではεrが約2〜3.5、tanδが約0.0003〜0.05程度であり、電子レンジで容器を加熱した場合に、電子レンジから放射されるマイクロ波は容器を構成する材料には吸収されず、容器壁を透過する。
【0013】
これに対して、容器内に収容される食品類の比誘電率εrや誘電体損失角tanδは大きく、したがってその積である誘電体損失角係数Kは、これら容器自体を構成する材料のものよりも著しく大きく、通常の食品ではKが約5〜60程度である。したがって、電子レンジで加熱した場合にレンジから放射されるマイクロ波は、容器内に収容された食品の性状に応じて吸収され、食品が加熱される。本発明者らは、マイクロ波加熱用容器の底部に設ける中空の突起の開口径D(mm)を、容器内部に収容する食品の誘電体損失角係数Kと関連づけて、上記式(2)で表される特定の関係を満たすように調整することによって、容器内に収容した食品を迅速かつ均一に加熱することができることを見出し、本発明を完成したものである。
【0014】
つぎに、図面に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
図1〜図3は本発明のマイクロ波加熱用容器の1例を示す図であり、図1は容器の縦断面図、図2は容器の底面図、そして図3は容器底部に設けた中空の突起の拡大断面模式図である。
この容器1は、ポリプロピレンのような熱可塑性プラスチックからなる円筒状のもので、底部2の中央には中空で部分的に球状の突起3が、底部2の下方に突出するように設けられている。また、底部2の外周部には、突起3の深さよりも長い脚部4が形成されている。この突起3の容器底部2との接続部5は、半径Rの円弧状に形成されている(図3参照)。接続部5をこのように丸味をおびて形成した場合には、接続部における強度が改善され、容器に内容物を充填密封した後、容器の変形なしに、加熱加圧殺菌が可能であるとともに、突起3内に収容した食品をスプーン等で取出すのが容易になる。
【0015】
図4は本発明のマイクロ波加熱用容器の他の例を示す図であり、容器底部に設けた中空の突起の拡大断面模式図である。
この容器では、容器底部に設ける突起3の形状を円筒状としたほかは、図1〜図3の容器と同様の構成を有する。突起3と容器底部との接続部5及び突起3の先端部6は、強度の改善と突起3内に収容した食品の取出しを容易にするために、丸味をおびるように半径Rの円弧状に形成してある。
突起3の形状としては円柱状、楕円柱状、突起3の水平断面が楕円の部分的球形状のほか、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱等の多角柱状とすることもできる。
【0016】
図5及び図6は本発明のマイクロ波加熱用容器の他の例を示す図であり、図5は容器の縦断面図、そして図6は容器の底面図である。
この容器1では、容器底部2の中央に中空で部分的に球状の突起13を設けるとともに、この突起13の周囲に間隔をおいて4個の突起14を設けたが、底部2の外周部には脚部は形成していない。他の構成は、図1〜図3の容器と同様である。
【0017】
図7及び図8は本発明のマイクロ波加熱用容器の他の例を示す図であり、図7は容器の縦断面図、そして図8は容器の底面図である。
この容器11は、ポリプロピレンのような熱可塑性プラスチックからなる、底面形状が楕円形のトレー状のもので、底部12の中央には中空で部分的に球状の突起13が設けられている。また、突起13の周囲には、間隔をおいて突起13よりは深さの深い6個の突起14が設けられており、中央の突起13より周囲の突起14の方が深いことによって、容器の設置安定性が得られる。この容器11の上部外周にはフランジ15が設けられ、別体の蓋材(図示せず)をヒートシールすることにより容器を密封することができる。
この容器11では、突起13及び14の形状を全て部分的に球状のものとしたが、例えば突起14を円柱状あるいは多角柱状とするなど適宜変更することができる。
【0018】
上記各例では、マイクロ波加熱用容器を熱可塑性プラスチックにより構成したが、容器をプラスチック積層体やガラス、セラミックス等他の誘電体により構成してもよい。また、容器の形状や寸法も任意のものとすることができることは言うまでもない。さらに、容器底部に設ける突起の形状も1種類のものには限定されず、異なる形状の突起を組合わせて設けることも可能である。
【0019】
【実施例】
つぎに、本発明のマイクロ波加熱用容器における容器内に収容される内容物の誘電体損失角係数Kと、中空の突起の開口径D(mm)の関係について、具体例に基づいて説明する。
以下の例では、電子レンジで加熱した食品の温度は、図9に示したように容器1内に収容した食品の上層中央21、中層中央22、下層中央23、上層側方24及び下層側方25においてそれぞれ測定した。
【0020】
(実施例1)
比誘電率εr=62.0、誘電体損失角tanδ=0.42の市販のビーフシチューを収容するために、開口系が66mm、深さが102mmの図1〜3に示す形状のポリプロピレン(PP)製容器を作製した。この容器1の底部中央には、開口径D=14mm、深さ7mmで、容器底面との接続部5の半径R=2mmの半球状の突起3を、下方に突出するように設けた。また、容器底部の外周部には、突起3の深さよりも長い脚部4を形成した。
この容器に内容物として、上記ビーフシチューをヘッドスペースの深さが10mmになるように充填し、マイクロ波出力500Wの電子レンジにより3分間加熱した。容器内の食品の温度は、測定した5箇所で全て70℃以上となり、攪拌することなく食することができた。
この例におけるビーフシチューの誘電体損失角係数K=62.0×0.42=26.04である。したがって、K×D=26.04×14=364.6となり、上記式(2)の範囲内にある。
【0021】
(比較例1)
実施例1の容器において、容器底部に突起3を設けず底部を平面状に構成したほかは、実施例1と同様にしてPP製容器を作製した。この容器に実施例1と同様にビーフシチューを充填し加熱したところ、ビーフシチューは上層中央21及び上層側方24では沸騰しているにもかかわらず、下層中央23では殆ど加熱されておらず、食するには攪拌後さらに2分間加熱することが必要であった。
この例では、容器底部に突起がないので、容器底部全体を突起とみなしてK×Dを算出すると1718.6となり、上記式(2)の範囲外である。
【0022】
(実施例2〜4及び比較例2、3)
実施例1の容器において、容器底部に設ける半球状の突起のサイズを表1のように種々変更したほかは、実施例1と同様にしてPP製容器を作製した。
これらの容器に、実施例1と同様にビーフシチューを充填し加熱したところ、実施例2〜4の容器では、容器内のシチューの温度は測定した5箇所で全て70℃以上となり、攪拌することなく食することができた。
これに対して、比較例2及び3の容器では、ビーフシチューは上層中央21及び上層側方24では沸騰しているにもかかわらず、下層中央23では殆ど加熱されていなかった。
【0023】
【表1】
【0024】
(実施例5〜7及び比較例4、5)
比誘電率εr=73.3、誘電体損失角tanδ=0.19の市販のおかゆを収容するために、開口径が66mm、深さが102mmの図1に示す形状のPP製容器を作製した。この容器の底部中央には、表2に示す種々のサイズの立方体の突起3を下方に突出するように設けた。この突起の開口径D(内接円の直径)は、立方体の一辺の長さと同じである。また、突起の容器底面との接続部及び先端部ならびに角部は、丸味をおびるように構成し、容器底部の外周部には、突起3の深さよりも長い脚部4を形成した。
これらの容器に内容物として、上記おかゆをヘッドスペースの深さが10mmになるように充填し、マイクロ波出力500Wの電子レンジにより3分間加熱したところ、実施例5〜7の容器では、容器内のおかゆの温度は測定した5箇所で全て70℃以上となり、攪拌することなく食することができた。
これに対して、比較例4及び5の容器では、おかゆは上層中央21及び上層側方24では沸騰しているにもかかわらず、下層中央23では殆ど加熱されていなかった。なお、表2において比較例5のK×D値は、比較例1と同様に算出したものである。
【0025】
【表2】
【0026】
(実施例8〜11及び参考例1)
比誘電率εr=54.1、誘電体損失角tanδ=0.33の市販のおしるこを収容するために、開口径が83mm、底径63mm、深さが67mmの逆円錐台形状のPP製容器を作製した。この容器の底部中央には、開口径D=12mm、突起と容器底面との接続部及び突起先端部のR=2mmで、表3に示す種々の深さの円柱状の突起を下方に突出するように設けた。また、これらの容器底部の外周部には、突起の深さより長い脚部を形成した。これらの例におけるK×D値は214.2である。
これらの容器に内容物として、上記おしるこをヘッドスペースの深さが10mmになるように充填し、マイクロ波出力500Wの電子レンジにより3分間加熱した。その結果、実施例8〜11の容器内のおしるこの温度は測定した5箇所で全て70℃以上となり、攪拌することなく食することができた。
これに対して、参考例1の容器では、おしるこは上層中央21、上層側方24、下層側方25では70℃以上に加熱されたが、中層中央22及び下層中央23では温度がやや低く、食する前に攪拌することが必要であった。
【0027】
【表3】
【0028】
(実施例12〜13)
比誘電率εr=67.2、誘電体損失角tanδ=0.50の市販のカレーを収容するために、開口径が66mm、深さが102mmの図5、6に示す形状のPP製容器を作製した。この容器1の底部中央には、開口径D=14mm、深さ7mmで、容器底面との接続部の半径R=2mmの半球状の突起13を、下方に突出するように設けた。また、容器底部には中央の突起13の周囲に、周方向に等間隔で4個の深さの深い突起14を形成した。これらの突起の容器底面との接続部の丸味のサイズは、表4にみられるように種々のサイズに変更した。
これらの容器に内容物として、上記のカレーをヘッドスペースの深さが10mmになるように充填し、マイクロ波出力500Wの電子レンジで3分間加熱したところ、いずれの容器でもカレーの温度は測定した5箇所で全て70℃以上となった。実施例13及び14の容器では、米飯の上に加熱したカレーを容器から移す際に、突起内にカレーは残らず全て取り出すことができたが、実施例12の容器では、突起内に一部カレーが残り、カレー用スプーンでも取り出すことができなかった。
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】
本発明では、マイクロ波加熱用容器内に収容する内容物の誘電体損失角係数Kと、容器底部に設ける中空の突起の開口径D(mm)との積を特定の範囲のものとすることによって、容器内に収容された内容物のマイクロ波による加熱を、より均一にかつ迅速に行うことができる。また、中空の突起と容器底面の接続部が丸味をおびるように構成することによって、接続部における強度を改善するとともに、突起内に収容した食品の取り出しを容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ波加熱用容器の1例を示す縦断面図である。
【図2】図1の容器の底面図である。
【図3】図1の容器の底部に設けた中空の突起の拡大断面模式図である。
【図4】本発明のマイクロ波加熱用容器の他の例を示すもので、容器の底部に設けた中空の突起の拡大断面模式図である。
【図5】本発明のマイクロ波加熱用容器の他の例を示す縦断面図である。
【図6】図5の容器の底面図である。
【図7】本発明のマイクロ波加熱用容器の他の例を示す縦断面図である。
【図8】図7の容器の底面図である。
【図9】本発明のマイクロ波加熱用容器内に収容した内容物の、温度の測定状況を説明する図である。
【符号の説明】
1、11 マイクロ波加熱用容器
2、12 容器の底部
3、13、14 中空の突起
4 脚部
5 突起と容器底部との接続部
6 突起の先端部
15 フランジ
Claims (5)
- 一室で構成され、容器底部に外方に突出しかつ容器内容物を収容する、形状が部分的な球状でありその深さが3mm以上である中空の突起であって、該中空の突起と容器底面の接続部が丸味をおびるように構成された中空の突起を設けたマイクロ波加熱用容器において、容器内に収容される内容物の導波管法により測定した下記式(1)で表される誘電体損失角係数Kと、
K=εr ×tanδ (1)
〔式中、εr は比誘電率、tanδは誘電体損失角を表す〕
中空の突起の開口径D(mm)が、下記式(2)で表される関係を有することを特徴とするマイクロ波加熱用容器。
130≦K×D≦670 (2) - 一室で構成され、容器底部に外方に突出しかつ容器内容物を収容する、形状が円柱状又は多角柱状でありその深さが3mm以上である中空の突起であって、該中空の突起と容器底面の接続部が丸味をおびるように構成された中空の突起を設けたマイクロ波加熱用容器において、容器内に収容される内容物の導波管法により測定した下記式(1)で表される誘電体損失角係数Kと、
K=εr ×tanδ (1)
〔式中、εr は比誘電率、tanδは誘電体損失角を表す〕
中空の突起の開口径D(mm)が、下記式(2)で表される関係を有することを特徴とするマイクロ波加熱用容器。
130≦K×D≦670 (2) - 中空の突起を容器底部の中央付近にのみ設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ波加熱用容器。
- 中空の突起を容器底部の中央付近に設け、さらに該中央付近の突起の周囲に容器内容物を収納する中空の突起を複数、周方向に間隔をおいて設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ波加熱用容器。
- 中空の突起の先端部の形状が丸味をおびるように構成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱用容器。
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