JP4223557B2 - 二環性アミン誘導体 - Google Patents

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Description

技術分野
本願発明は、1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル基を置換基として有する、優れた抗菌活性、良好な体内動態および高い安全性のピリドベンゾオキサジン誘導体に関し、そして該化合物を含有する医薬、抗菌剤、更に抗菌用剤に関する。
背景技術
キノロン系合成抗菌剤はノルフロキサシンの発見以来、抗菌活性や体内動態が改善され、ほぼ全身の感染症に有効な化学療法剤として多くの化合物が臨床の場に供されている。
近年、キノロン系合成抗菌薬に対する低感受性菌が増加しつつあることが臨床の場では問題となっている。例えば、β−ラクタム系抗生物質に非感受性の黄色ブドウ球菌(MRSA)の如く、キノロン系合成抗菌薬以外の薬剤に耐性であった菌がキノロン系合成抗菌剤にも低感受性となる例が増加している。したがって、臨床の場ではさらに有効性が高い薬剤の開発が望まれている。
一方、キノロン系合成抗菌薬には、非ステロイド性の抗炎症剤との服用によって痙攣が誘発する副作用や、光毒性等の副作用が明らかとなっており、より安全性の高いキノロン系合成抗菌剤の開発も求められている。
本発明に関連する、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシルアミンから導かれる置換基を有するキノロンカルボン酸誘導体が記載された文献としては、例えば、特開昭64−56673号公報および特開平7−48367号公報がある。これらには、下記式に示される化合物が記載されているが、これらの公報にはキノリン骨格を有する化合物が記載されているのみであって、後述する、本願発明に関わるピリドベンゾオキサジン骨格を有する化合物は記載されていない。
Figure 0004223557
また、特開平3−86875号公報および特開平7−149758号公報には下記式に示される化合物が開示されているが、ここには本願発明に関わる化合物の具体的な開示はない。
Figure 0004223557
(式中、A、R3、R6、R7、R9、R10、R25、R’、WおよびYはアルキル基等の各種の置換基である。なお、上記の式に示した化合物に関する置換基の定義は本願発明化合物とは無関係である。)
さらに、特開平3−86875号公報および特開平7−149758号公報にはピリドベンゾオキサジン骨格を有する、下記式(A)に示される化合物が記載されている。しかし、これらの公報には6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル基を10位の置換基としたピリドベンゾオキサジン誘導体は具体的に記載されているものの、本願発明に関わる、1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル基を10位の置換基とするピリドベンゾオキサジン誘導体の具体的な記載はない。さらに、本願発明の1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル基を10位の置換基としたピリドベンゾオキサジン化合物が、体内動態および安全性に優れることについても全く記載がない。
Figure 0004223557
(なお、上記の式(A)に示した化合物に関する置換基の定義は本願発明化合物とは無関係である。)
発明の開示
本願発明者らは、抗菌力に優れ有効性が高く、かつ安全性にも優れる化合物を提供すべく鋭意研究した。その結果、下記の式(I)で表されるピリドベンゾオキサジン化合物が、対応する前記式(A)で表される構造の化合物よりも優れていることを見出し本発明を完成した。
すなわち、式(I)で示される化合物は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌のいずれに対しても幅広い優れた抗菌力を有し、特にキノロン耐性菌に対しても強力な抗菌活性を示すとともに、良好な体内動態および安全性をも兼ね備えていることを見出したのである。
Figure 0004223557
(式中、R1は、水素原子、または炭素数1から6のアルキル基を表すが、このアルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基および炭素数1から6のアルコキシル基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく、
2は、水素原子、またはアミノ基を表すが、このアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から6のアシル基からなる群の基から選ばれる1または2の基を置換基として有していてもよく、
3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表す。)
で表される化合物、その塩、およびそれらの水和物
すなわち本願発明は、上記の式(I)で表される化合物、その塩、およびそれらの水和物に関する。
さらに本願発明は、式(I)の化合物が、立体化学的に単一な化合物である上記の化合物、その塩、およびそれらの水和物;
2が、水素原子である式(I)の化合物、その塩、およびそれらの水和物;
10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸(下記式に示す化合物)、そのエステル、それら(カルボン酸およびエステル)の塩、およびそれら(カルボン酸、エステル、カルボン酸の塩およびエステルの塩)の水和物;
Figure 0004223557
単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それら(カルボン酸およびエステル)の塩、およびそれら(カルボン酸、エステル、カルボン酸の塩およびエステルの塩)の水和物;
2が、アミノ基である式(I)の化合物、その塩、およびそれらの水和物;
8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸(下記式に示した化合物)、そのエステル、それら(カルボン酸およびエステル)の塩、およびそれら(カルボン酸、エステル、カルボン酸の塩およびエステルの塩)の水和物;
Figure 0004223557
単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それら(カルボン酸およびエステル)の塩、およびそれら(カルボン酸、エステル、カルボン酸の塩およびエステルの塩)の水和物;
式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬;
立体化学的に単一な式(I)の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬;
10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬;
単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、アミノ基である化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬;
8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬;
単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬;
式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
立体化学的に単一な式(I)の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、アミノ基である化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物を投与する感染症の治療方法;
立体化学的に単一な式(I)の化合物、その塩、またはそれらの水和物を投与する感染症の治療方法
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物を投与する感染症の治療方法;
10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を投与する感染症の治療方法;
単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を投与する感染症の治療方法;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、アミノ基である化合物、その塩、またはそれらの水和物を投与する感染症の治療方法;
8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を投与する感染症の治療方法;
単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を投与する感染症の治療方法;
式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用;
立体化学的に単一な式(I)の化合物、その塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用;
10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用;
単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、アミノ基である化合物、その塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用;8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用;
単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用;
医薬が抗菌薬である、上記の使用;
式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物の、感染症の治療のための使用;
立体化学的に単一な式(I)の化合物、その塩、またはそれらの水和物の、感染症の治療のための使用;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物の、感染症の治療のための使用;
10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、感染症の治療のための使用;
単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、感染症の治療のための使用;
立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、アミノ基である化合物、その塩、またはそれらの水和物の、感染症の治療のための使用;
8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、感染症の治療のための使用;
単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、感染症の治療のための使用;
等にも関している。
本願発明の式(I)で表される化合物の各置換基について以下に述べる。
置換基R1は、水素原子、または炭素数1から6のアルキル基を表し、このアルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシル基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。
アルキル基としては、炭素数1から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくは、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基およびイソプロピル基である。水酸基の置換した炭素数1から6のアルキル基は、直鎖状または分枝状のものでよく、好ましいものはヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基を挙げることができる。
置換基R2は、水素原子、またはアミノ基を表し、このアミノ基はホルミル基、炭素数1から6のアルキル基、および炭素数2から6のアシル基からなる群の基から選ばれる1または2個の基を置換基として有していてもよい。
置換基R2がアミノ基である場合、これは通常使用されている保護基によって保護されていてもよい。このような保護基の例としては、例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の[置換]アルコキシカルボニル基類;ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等の[置換]アラルキルオキシカルボニル基類;アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等の[置換]アシル基類;第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等の[置換]アルキル基類または[置換]アラルキル基類;メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等の[置換]エーテル基類;トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等の置換シリル基類(トリアルキルシリル基、トリアラルキルシリル基、そしてこれらに各種の基が置換したものでよい。)を挙げることができる。これらの置換基によって保護された置換基を有する化合物は、特に製造中間体として好ましい。[なお、本願明細書において『[置換]』とは、『置換基を有していてもよい。』との意味である。]
3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表わす。
本願発明化合物の特徴は、ピリドベンゾオキサジン骨格の10位に、下記に示す置換基を有することであるが、本願発明化合物はグラム陰性菌およびグラム陽性菌、とりわけキノロン耐性菌、に対して強力な抗菌活性を示すとともに、良好な体内動態および安全性を兼ね備える点が特徴である。また下記に示す置換基は、アミノ基が結合している橋頭位の炭素原子(1位となる)は不斉炭素であり、したがって、いわゆる対掌体関係と称することのできる置換基が存在するが、本願発明にはいずれの置換基から導かれる化合物が包含される。
Figure 0004223557
本願発明化合物である式(I)の化合物にはジアステレオマーが存在するため、本発明化合物をヒトや動物に投与する際には単一のジアステレオマーからなるものを投与することが好ましい。この『単一のジアステレオマーからなる』とは、他のジアステレオマーを全く含有しない場合だけでなく、化学的に純粋な程度の場合を含むと解される。つまり、物理定数や、生理活性に対して影響がない程度であれば他のジアステレオマーが含まれてもよいと解釈されるのである。
また『立体化学的に単一な』とは、化合物等において不斉炭素原子が含まれるために、異性体関係となる複数種が存在する場合にそれらのうちの1種のみにて構成されたものであることを意味する。この場合においてもこの『単一性』に関しても上記と同様に考えればよい。
本願発明のピリドベンゾオキサジンカルボン酸誘導体は、遊離体のままでもよいが酸付加塩としても、あるいはカルボキシル基の塩としてもよい。酸付加塩とする場合の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類、あるいは酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩等の有機酸塩類を挙げることができる。
またカルボキシル基の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩等の無機塩、またトリエチルアミン塩、N−メチルグルカミン塩、トリスー(ヒドロキシルメチル)アミノメタン塩等の有機塩を挙げることができるが、これらの無機塩類、有機塩類の何れでもよい。
またこれらのピリドベンゾオキサジンカルボン酸誘導体の遊離体や酸付加塩、カルボキシル基の塩は水和物として存在することもある。
一方、カルボン酸部分がエステルであるキノロン誘導体は合成中間体やプロドラッグとして有用である。例えば、アルキルエステル類やベンジルエステル類、アルコキシアルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類、およびフェニルエステル類は合成中間体として有用である。
また、プロドラッグとして用いられるエステルとしては、生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成するようなエステルであり、例えば、アセトキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエチルエステル、5−インダニルエステルおよびフタリジニルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチルエステル、そして3−アセトキシ−2−オキソブチルエステル等のオキソアルキルエステルを挙げることができる。
式(I)で表される本願発明の化合物は種々の方法により製造されるが、その好ましい一例を挙げれば、例えば、式(III):
Figure 0004223557
[式中、Xは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1から3のアルキルスルホニル基、またはベンゼンスルホニル基やトルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等の、脱離基としての機能を有する置換基であり、R3は、式(I)で定義したR3と同義であるか、または式(IV):
−B(R4)R5 IV
(式中、R4およびR5は、各々独立にフッ素原子、または低級アルキルカルボニルオキシ基を示す。)
で表されるホウ素含有基であり、そしてR2は、式(I)で定義した通りである。]
で表される化合物を、式(V):
Figure 0004223557
(式中、R1は、R1が窒素原子の保護基Rxとなってもよい以外は式(I)で定義した通りである。保護基Rxは、この分野で通常使用されているこれらの保護基の例として例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の[置換]アルコキシカルボニル基類;ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等の[置換]アラルキルオキシカルボニル基類;アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等の[置換]アシル基類;第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等の[置換]アルキル基類または[置換]アラルキル基類;メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等の[置換]エーテル基類;トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等の置換シリル基類を挙げることができる。)で表される化合物あるいはその酸付加塩と反応させることによって製造することができる。
3が炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基のとき、相当するカルボン酸への変換は、カルボン酸エステルの加水分解に一般的な酸性または塩基性条件下で行い、脱保護が必要な場合は保護基に対応した適当な条件で保護基を除去することで式(I)で示される目的化合物を得ることができる。
式(III)の化合物においてR3が式(IV)で表される化合物の場合には、式(V)の化合物と置換反応を行った後に酸性または塩基性化合物で処理することにより相当するカルボン酸に変換することができる。
式(III)の化合物と式(V)の化合物と置換反応は溶媒を用いてまたは用いずに行うことができる。溶媒を使用するとき、溶媒は反応条件下で不活性なものであればいずれのものでもよい。適した溶媒としては例えばジメチルスルホキシド、ピリジン、アセトニトリル、エタノール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、水、3−メトキシブタノールを挙げることができる。またはこれらの溶媒は混合物として使用してもよい。
反応温度は、通常、室温ないし200℃の温度範囲で実施でき、好ましくは25℃から150℃の範囲である。反応時間は、30分から48時間であればよく、通常は30分から2時間程度で完結する。
反応は無機塩基または有機塩基のような酸受容体、例えば、アルカリ金属炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム等)等の無機塩基類、あるいは、トリアルキルアミン類(トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等)、含窒素複素環化合物(ピリジン、ジメチルアミノピリジン、N−アルキルモルホリン、N−アルキルピペリジン、1,8−ジアザビシクロウンデセン等)等の有機塩基性化合物の存在下で行うのが有利である。
式(V)の化合物は、不斉炭素を有するので光学活性体が存在するが、そのラセミ化合物は例えば前記に記載した特開昭64−56673号公報に記載された方法に準じて製造することができるが、その場合、本願発明化合物である式(I)の化合物がジアステレオマーの混合物となる。本願発明化合物をヒトや動物に投与する際には単一のジアステレオマーからなるものを投与することが好ましい。本願発明化合物である式(I)のジアステレオマー混合物は公知の方法を適用することによって、単一のジアステレオマーに分離が可能である。
なお、式(V)の化合物の光学活性体は種々の方法により製造されるが、その好ましい一例として参考例に示す方法で合成できるが、これに限定されるものではない。
本願発明化合物は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌に対して優れた抗菌活性を有し、また良好な体内動態と安全性を兼ね備えているが、式(I)のうち、R2が水素原子もしくはアミノ基である化合物またはその酸付加塩およびその水和物が適しており、特にR2がアミノ基の化合物またはその酸付加塩およびその水和物が好適であり、具体的には次の化合物を挙げることができる。
10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、
8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸。
本願発明化合物は、強い抗菌作用を有することから人体、動物、および魚類用の医薬として或は農薬、食品の保存剤として使用することができる。
本願発明化合物を人体用の医薬として使用する場合、投与量は、成人一日当たり50mgから1g、好ましくは100mgから300mgの範囲である。
また動物用としての投与量は、投与の目的(治療或は予防)、処置すべき動物の種類や大きさ、感染した病原菌の種類、程度によって異なるが、一日量として一般的には動物の体重1kg当たり1mgから200mg、好ましくは5mgから100mgの範囲である。
この一日量を一日1回、あるいは2から4回に分けて投与する。また一日量は、必要によっては上記の量を超えてもよい。
本願発明化合物は各種の感染症の原因となる広範囲の微生物類に対して活性であり、これらの病原体によって引き起こされる疾病を治療し、予防し、または軽減することができる。
本願発明化合物が有効なバクテリア類またはバクテリア様微生物類として、ブドウ球菌属、化膿レンサ球菌、溶血レンサ球菌、腸球菌、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、シゲラ属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、緑膿菌、インフルエンザ菌、アシネトバクター属、カンピロバクター属、トラコーマクラミジア等を例示することができる。
またこれらの病原体によって引き起こされる疾病としては、毛嚢炎、せつ、よう、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疽、皮下膿瘍、汗腺炎、集簇性ざ瘡、感染性粉瘤、肛門周囲膿瘍、乳腺炎、外傷・熱傷・手術創などの表在性二次感染、咽喉頭炎、急性気管支炎、扁桃炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、慢性呼吸疾患の二次感染、肺炎、腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、副睾丸炎、淋菌性尿道炎、非淋菌性尿道炎、胆のう炎、胆管炎、細菌性赤痢、腸炎、子宮付属器炎、子宮内感染、バルトリン腺炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、瞼板腺炎、角膜潰瘍、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、腹膜炎、心内膜炎、敗血症、髄膜炎、皮膚感染症等を例示することができる。
また動物の感染症の原因となる各種の微生物、例えばエシエリキア属、サルモネラ属、パスツレラ属、ヘモフィルス属、ボルデテラ属、スタヒロコッカス属、マイコプラズマ属等に有効である。
具体的な疾病名を例示すると、鳥類では、大腸菌症、ひな白痢、鶏パラチフス症、家禽コレラ、伝染性コリーザ、ブドウ球菌症、マイコプラズマ感染症等、豚では、大腸菌症、サルモネラ症、パスツレラ症、ヘモフィルス感染症、萎縮性鼻炎、滲出性表皮炎、マイコプラズマ感染症等、牛では、大腸菌症、サルモネラ症、出血性敗血症、マイコプラズマ感染症、牛肺疫、乳房炎等、犬では、大腸菌性敗血症、サルモネラ感染症、出血性敗血症、子宮蓄膿症、膀胱炎等、そして猫では、滲出性胸膜炎、膀胱炎、慢性鼻炎、ヘモフィルス感染症、仔猫の下痢、マイコプラズマ感染症等を挙げることができる。
本願発明化合物からなる抗菌薬(製剤)は、投与法に応じて適当な製剤を選択し、通常用いられている各種製剤の調製法にて調製できる。本願発明化合物を主剤とする抗菌製剤の剤型としては、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤や、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性ないし水性の懸濁液等を経口用製剤として例示できる。
注射剤としては、製剤中に安定剤、防腐剤、溶解補助剤を使用することもあり、これらの補助剤を含むこともある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としても良い。また一投与量を一容器に収納してもよく、また多投与量を同一の容器に収納してもよい。
また外用製剤として、溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー等を例示できる。
固形製剤としては活性化合物とともに製剤学上許容されている添加物を含み、例えば、充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。
液体製剤としては、溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含むこともある。
本願発明化合物を動物に投与する方法としては、直接あるいは飼料等に混合して経口的に投与する方法、また溶液とした後、直接もしくは飲水、飼料等に添加して経口的に投与する方法、注射によって投与する方法等を例示することができる。
本願発明化合物を動物に投与するための製剤としては、この分野に於いて通常用いられている技術によって、適宜、散剤、細粒剤、可溶散剤、シロップ剤、溶液剤、あるいは注射剤とすることができる。
次に製剤処方例を示す。
Figure 0004223557
発明を実施するための最良の形態
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、目的化合物の抗菌活性の測定方法は日本化学療法学会指定の標準法に準じて行い、その結果を表2にMIC(μg/ml)で示した。
[参考例A−1]
N−(2−シアノエチル)−N−[(1S)−フェニルエチル]−3−アミノ−1,2−プロパンジオール
(S)−(−)−フェニルエチルアミン(75ml、0.58mmol)のエタノール(500ml)溶液に、氷冷下、グリシドール(37g、0.5mol)を加え室温で20分間撹拌後、62時間加熱還流した。アクリロニトリル(40ml)を加えさらに45時間加熱還流した後反応液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、5%メタノール−クロロホルムの溶出部より標記の化合物121g(収率84%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.41−1.48(3H,m),2.39−2.50(2H,m),2.60−3.25(4H,m),3.41−3.46(1H,m),3.68−3.78(2H,m),3.93−4.02(1H,m),7.27−7.40(5H,m).
[参考例A−2]
N−(2−シアノエチル)−N−[(1S)−フェニルエチル]−3−アミノ−1,2−ジブロモプロパン
N−(2−シアノエチル)−N−[(1S)−フェニルエチル]−3−アミノ−1,2−プロパンジオール(24.8g、0.1mol)のベンゼン(400ml)溶液にトリフェニルフォスフィン(57.71g、0.22mol)および四臭化炭素(73g、0.22mol)を加えた後、撹拌しながら90℃まで昇温した。上澄み液を分取して溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1の溶出部より標記の化合物を38g(収率100%)得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43−1.46(3H,m),2.35−2.44(2H,m),2.82−2.96(3H,m),3.14−3.27(1H,m),3.67−4.15(4H,m),7.27−7.40(5H,m).
[参考例A−3]
1−シアノ−3−[(1S)−フェニルエチル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン
N−(2−シアノエチル)−N−[(1S)−フェニルエチル]−3−アミノ−1,2−ジブロモプロパン(37.4g、0.1mol)のトルエン(700ml)溶液に、氷冷下、ナトリウム(ビストリメチルシリル)アミドの1モル−テトラヒドロフラン溶液(220ml、0.22mol)を滴下し、そのまま20分間撹拌した。反応終了後、反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)を滴下し、室温まで昇温した。有機層を分取して飽和食塩水で洗った後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1の溶出部より低極性の標記の化合物(Fr.1)を7.93g(収率37%)得、次いで高極性の標記の化合物(Fr.2)を7.85g(収率36%)得た。
Fr.1;
1H−NMR(CDCl3)δ:1.09(1H,dd,J=4.5,8.3Hz),1.29(3H,d,J=6.4Hz),1.57(1H,t,J=4.5Hz),1.95−1.99(1H,m),2.27(1H,dd,J=3.9,9.8Hz),2.61(1H,d,J=8.8Hz),2.68(1H,d,J=9.8Hz),3.33−3.38(2H,m),7.21−7.31(5H,m).
Fr.2;
1H−NMR(CDCl3)δ:1.09(1H,dd,J=4.9,8.3Hz),1.29(3H,d,J=6.4Hz),1.55−1.58(1H,m),2.04−2.09(1H,m),2.35(1H,d,J=8.8Hz),2.53(1H,dd,J=3.9,9.3Hz),2.86(1H,d,J=9.3Hz),3.18(1H,d,J=9.3Hz),3.32−3.37(1H,m),7.21−7.32(5H,m).
[参考例A−4]
3−[(1S)−フェニルエチル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸(Fr.1)
1−シアノ−3−[(1S)−フェニルエチル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Fr.1;5.6g、26.4mmol)のメタノール(50ml)溶液に2規定水酸化ナトリウム水溶液(50ml)を加え、30時間加熱還流した。メタノールを留去して残留物をクロロホルム(30ml×2)で洗浄後、濃塩酸でpH3としてn−ブタノール(80ml×3)で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去して粗製の標記の化合物を6.11g(収率100%)得た。これは、そのまま次の反応に用いた。
[参考例A−5]
3−[(1S)−フェニルエチル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸
Fr.2についても[参考例A−4]と同様に反応を行った。
[参考例A−6]
1−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−[(lS)−フェニルエチル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Fr.1)
3−[(1S)−フェニルエチル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸(Fr.1;6.11g、26.4mmol)の第三級ブタノール(200ml)溶液にジフェニルリン酸アジド(9.99g、34.3mmol)、トリエチルアミン(4.23g、36.9mmol)を加えた後、4時間加熱還流した。反応液を冷却後、溶媒を留去して残留物に酢酸エチル200mlを加えて飽和食塩水(50ml×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去して残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1の溶出部より標記の化合物を3.19g(収率40%)得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.67−0.71(1H,m),1.25−1.31(4H,m),1.45(9H,s),1.60(1H,brs.),2.30−2.38(1H,m),2.51−2.58(2H,m),3.20−3.35(2H,m),4.96(1H,brs.),7.20−7.29(5H,m).
[参考例A−7]
1−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−[(1S)−フェニルエチル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Fr.2)
Fr.2についても[参考例A−6]と同様に反応を行った。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.69−0.71(1H,m),1.25(3H,d,J=6.4Hz),1.39(9H,s),1.50−1.72(2H,m),2.29(1H,d,J=8.3Hz),2.58−2.82(2H,m),3.08−3.15(1H,m),3.30−3.38(1H,m),4.82(1H,brs.),7.19−7.37(5H,m).
[参考例A−8]
1−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Fr.1)
1−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−[(1S)−フェニルエチル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Fr.1;3.1g、10.26mmol)のエタノール(50ml)溶液に10%パラジウム炭素(3g)を加え、赤外線ランプで照射して反応容器を加温しながら4気圧で3時間接触水素添加を行った。触媒を濾別後、溶媒を留去して標記の化合物を2.04g(収率100%)得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.85−1.14(2H,m),1.44(9H,s),1.44−1.70(1H,m),2.95−3.34(4H,m),5.08(1H,brs.).
[実施例1]
10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸(異性体A)
9,10−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸BF2キレート(900mg,2.74mmol)のジメチルスルホキシド(10ml)溶液に、1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Fr.1;800mg,4mmol)、トリエチルアミン(690mg)を加え、室温で23時間撹拌した。トリエチルアミンを減圧留去後、残留物に水(80ml)を加えて室温で30分間撹拌した。析出した結晶を水洗後濾取し、これをメタノール:水=4:1の混合溶媒(300ml)に溶解し、トリエチルアミン(20ml)を加えて3.5時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残留物にクロロホルム(300ml)を加えて10%クェン酸(70ml×2)で洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥して溶媒を減圧留去した。残留物に濃塩酸(20ml)を加えて室温で5分間撹拌後、これに20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後、濃塩酸にてpH7.2とし、クロロホルム(200ml×3)で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、標記の表記化合物980mgを得た。28%アンモニア水溶液−エタノールから再結晶して標記の化合物830mgを(収率85%)得た。
1H−NMR(0.1N−NaOD)δ:0.71−0.74(1H,m),0.79−0.83(1H,m),1.37−1.41(1H,m),1.45(3H,d,J=6.84Hz),3.47−3.50(2H,m),3.56−3.67(2H,m),4.26(1H,d,J=10.74Hz),4.43(1H,d,J=10.74Hz),4.50−4.60(1H,m),7.38(1H,d,J=13.67Hz),8.30(1H,s).
融点:212−216℃(分解)
[α]D=−14.45°(c=0.595,0.1N−NaOH)
元素分析;C1818FN34として:
計算値:C,60.16;H,5.05;N,11.69.
分析値:C,60.13;H,5.18;N,11.45.
[実施例2]
8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸(異性体A)
8−アミノ−9,10−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸(200mg,0.68mmol)のジメチルスルホキシド(5ml)溶液に、1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Fr.1;270mg,1.36mmol)、トリエチルアミン(1ml)を加えて100℃で24時間加熱した。溶媒を減圧留去して残留物にクロロホルム(50ml)を加え、溶液を10%クエン酸(20ml×2)で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥して溶媒を減圧留去した。残留物に濃塩酸(5ml)を加え室温で5分間撹拌後、クロロホルム(30ml×3)で洗浄した後、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えアルカリ性とした、さらに濃塩酸にてpH7.2としてクロロホルム(50ml×3)で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去して粗製の標記化合物201mgを得た。28%アンモニア水溶液−エタノールから再結晶して標記の化合物160mg(収率63%)を得た。
1H−NMR(0.1N−NaOD)δ:0.65−0.76(1H,m),0.78−0.79(1H,m),1.33−1.35(1H,m),1.40(3H,d,J=6.84Hz),3.40−3.52(3H,m),3.60−3.65(1H,m),3.96(1H,d,J=10.74Hz),4.27(1H,d,J=10.74Hz),4.35−4.39(1H,m),8.12(1H,s).
融点:224℃以上(分解)
元素分析;C1819FN44・0.25H2Oとして:
計算値:C,57.06;H,5.19;N,14.79.
分析値:C,56.92;H,5.27;N,14.63.
Figure 0004223557
産業上の利用可能性
本願発明化合物は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌のいずれに対しても幅広い優れた抗菌力を有し、特にグラム陽性菌に対して強い抗菌活性を示し、とりわけキノロン耐性菌に対して強力な抗菌活性を示す。さらに本願発明化合物は、良好な体内動態および安全性を兼ね備えており、抗菌性化合物として優れ、抗菌薬、感染症の治療剤等の医薬の有効成分として有用であり、それら医薬の製造のために有効に使用できる。

Claims (33)

  1. 式(I)で表される化合物、その塩、およびそれらの水和物。
    Figure 0004223557
    (式中、R1は、水素原子、または炭素数1から6のアルキル基を表すが、このアルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基および炭素数1から6のアルコキシル基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく、R2は、水素原子、またはアミノ基を表すが、このアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から6のアシル基からなる群の基から選ばれる1または2の基を置換基として有していてもよく、R3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表す。)
  2. 立体化学的に単一な化合物である請求の範囲第1項に記載の化合物、その塩、およびそれらの水和物。
  3. 式(I)において、R2が、水素原子である請求の範囲第1項または第2項に記載の化合物、その塩、およびそれらの水和物。
  4. 10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、およびそれらの水和物。
  5. 単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、およびそれらの水和物。
  6. 式(I)において、R2がアミノ基である請求の範囲第1項または第2項に記載の化合物、その塩、およびそれらの水和物。
  7. 8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、およびそれらの水和物。
  8. 単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、およびそれらの水和物。
  9. 式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬。
    Figure 0004223557
    (式中、R1は、水素原子、または炭素数1から6のアルキル基を表すが、このアルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基および炭素数1から6のアルコキシル基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく、R2は、水素原子、またはアミノ基を表すが、このアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から6のアシル基からなる群の基から選ばれる1または2の基を置換基として有していてもよく、R3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表す。)
  10. 式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物が、立体化学的に単一な化合物である請求の範囲第9項に記載の医薬。
  11. 立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、水素原子である請求の範囲第9項又は第10項に記載の医薬。
  12. 10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  13. 単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  14. 立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、アミノ基である請求の範囲第9項又は第10項に記載の医薬。
  15. 8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  16. 単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  17. 式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬。
    Figure 0004223557
    (式中、R1は、水素原子、または炭素数1から6のアルキル基を表すが、このアルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基および炭素数1から6のアルコキシル基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく、R2は、水素原子、またはアミノ基を表すが、このアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から6のアシル基からなる群の基から選ばれる1または2の基を置換基として有していてもよく、R3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表す。)
  18. 式(I)の化合物、その塩、またはそれらの水和物が立体化学的に単一な化合物である請求の範囲第17項に記載の抗菌薬。
  19. 立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、水素原子である請求の範囲第17項又は第18項に記載の抗菌薬。
  20. 10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬。
  21. 単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬。
  22. 立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、アミノ基である請求の範囲第17項又は第18項に記載の抗菌薬。
  23. 8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬。
  24. 単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬。
  25. 式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用。
    Figure 0004223557
    (式中、R1は、水素原子、または炭素数1から6のアルキル基を表すが、このアルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基および炭素数1から6のアルコキシル基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく、R2は、水素原子、またはアミノ基を表すが、このアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から6のアシル基からなる群の基から選ばれる1または2の基を置換基として有していてもよく、R3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表す。)
  26. 式(I)の化合物、その塩、またはそれらの水和物が立体化学的に単一な化合物である、請求の範囲第25項に記載の使用。
  27. 立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、水素原子である請求の範囲第25項又は第26項に記載の使用。
  28. 10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用。
  29. 単一の異性体からなる、10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用。
  30. 立体化学的に単一な式(I)の化合物であって、R2が、アミノ基である請求の範囲第25項又は第26項に記載の使用。
  31. 8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用。
  32. 単一の異性体からなる、8−アミノ−10−(1−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸、そのエステル、それらの塩、またはそれらの水和物の、医薬の製造のための使用。
  33. 医薬が抗菌薬である、請求の範囲第25項〜第32項のいずれか1項に記載の使用。
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