JP4127322B2 - シクロアルキルアミノメチルピロリジン誘導体 - Google Patents

シクロアルキルアミノメチルピロリジン誘導体 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は医薬、動物薬、水産用薬または抗菌性の保存剤として有用な抗菌性化合物に関し、そしてこの化合物を含有する抗菌薬または抗菌性製剤に関し、さらにこの化合物を用いて各種の感染症を治療および/または予防する方法に関する。
背景技術
3−(シクロプロピルアミノメチル)ピロリジニル基を有するキノロン誘導体は特開昭59−67269号公報に記載があるが、このシクロアルキルアミノメチルピロリジン化合物から導かれた置換基を7位に有し、8位がハロゲン置換ではなく、さらに5位に置換基を有することもある、本発明に係わるキノロン誘導体は知られていない。
キノロン系合成抗菌剤は、近年、抗菌活性のみならず、経口吸収性、臓器への移行性あるいは尿中排泄率などの体内動態が優れたものが見い出されており、種々の感染症に有効な化学療法剤として多くの化合物が臨床の場に供されている。しかしながら、近年、臨床の場ではこれらの薬剤に対する低感受性菌が増加しつつある。また、例えばβ−ラクタム系抗生物質に非感受性の黄色ブドウ球菌(MRSA)の如く、キノロン系合成抗菌薬以外の薬剤に耐性の菌のなかにもキノロン系合成抗菌剤に低感受性となった菌が増加している。したがって、臨床の場ではさらに有効性の高い薬剤が求められている。
キノロン系合成抗菌剤の抗菌活性、有効性、安全性には7位および1位の置換基が大きく関与すると同時に、5位および8位の置換基の関与も大きく、これらの位置にそれぞれ好ましい特性を有する置換基を組み合わせることにより、抗菌活性、有効性、安全性に優れた化合物が得られると本願発明者は考えた。本願発明者はキノロン耐性菌を含む広範な細菌に対して高い抗菌活性を有する化合物を得るべく鋭意研究を行なった。その結果、シクロアルキルアミノメチルピロリジン化合物から導かれる置換基を7位に有すると共に、ハロゲン原子以外の置換基を8位に有するキノロン化合物がグラム陰性菌およびグラム陽性菌、とりわけMRSAを含むグラム陽性菌に対して強力な抗菌活性を示すことを見いだした。そしてこれらの化合物に加え、8位だけでなく5位にも置換基を有する化合物が同様の優れた抗菌活性を示すことも見いだしたのである。
そして1位のシクロアルキル基がハロゲノシクロプロピル基、特にフルオロシクロプロピル基となったキノロン誘導体であれば、抗菌活性と共に有効性および安全性に優れたキノロン誘導体が得られることを見いだした。本願発明者はこれらの知見に基づき本願発明を完成したのである。
また、本発明に係わるキノロン誘導体のうち、1位が置換基を有するシクロアルキル基であるとき、例えばハロゲノシクロプロピル基等の場合には、他の部位の置換基に立体異性がなくとも、1位のハロゲノシクロプロパン環部分だけで一対の対掌体が存在する。これはシクロプロパン環上でのピロドンカルボン酸部分とハロゲン原子との立体的な関係に由来している。このようにして生ずる異性体がラセミ体の関係の場合は、対掌体の混合物のままでも医薬として応用することは不可能ではない。
一方、ハロゲノシクロプロパン環部分の立体異性に加え他の部位、特に7位の置換基にも立体異性が存在する場合は、キノロン誘導体にはジアステレオマーが存在することとなり、4種以上の立体異性体が存在することになる。ジアステレオマーの混合物は物性の異なった異性体の混合物であって、このままでは医薬としての応用は困難である。
本発明者は、ジアステレオマーが存在するキノロン、とりわけ1−(1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル)置換キノロン誘導体であっても、単一な立体異性体からなるキノロン化合物が得られるべく鋭意努力した。
その結果、本発明者はシス−2−フルオロシクロプロピルアミンの対掌体の各々を純粋な異性体として得ることに成功した。そしてこのシス−フルオロシクロプロピルアミンを原料として、フルオロシクロプロパン環の立体配置のみに由来した対掌体のキノロン誘導体の各々を単一な異性体からなる化合物として得ることに成功した。さらに、不斉炭素を有するシクロアルキルアミノメチルピロリジン化合物においても対掌体の各々を純粋な異性体として得ることに成功した。
中間体として有用なこのキノロン誘導体およびシクロアルキルアミノメチルピロリジン化合物を得たことによって、単一のジアステレオマーからなる光学活性キノロン誘導体を合成することを可能ならしめたのである。
発明の開示
すなわち本発明は、一般式(I)
Figure 0004127322
[式中、R1はハロゲン原子を置換基として有する炭素数3から6のシクロアルキル基を表わし、
2は水素原子、アミノ基、水酸基、チオール基、ハロゲノメチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基または炭素数1から6のアルコキシル基を表すが、
このうちのアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から5のアシル基からなる群の置換基から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよく、
3はアミノ基、ハロゲノメチル基、ハロゲノメトキシル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、または炭素数1から6のアルコキシル基を表すが、
このうちのアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から6のアシル基からなる群から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよく、
4は水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表すが、
このアルキル基は水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオおよび炭素数1から6のアルキルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよく、
5は炭素数3から6のシクロアルキル基を表わし、
Xはハロゲン原子または水素原子を表わし、
Yは水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表す。]
で表わされる化合物およびその塩に関する。
さらに本発明は、一般式(I)中、R1が2−ハロゲノシクロプロピル基である上記の化合物およびその塩、
一般式(I)中、R1が1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基である上記の化合物およびその塩、
一般式(I)中、R1が(1R,2S)−2−ハロゲノシクロプロピル基である上記の化合物およびその塩。
一般式(I)中、R1がフルオロシクロプロピル基である上記の化合物およびその塩、
一般式(I)の化合物が単一な異性体からなるものである上記の化合物およびその塩、
一般式(I)の化合物またはその塩を有効成分として含有する抗菌薬および/または抗菌性製剤、
一般式(I)の化合物またはその塩を用いて感染症を治療および/または予防する方法、等に関する。
〔発明の実施の態様〕
本発明の式(I)で表される置換基について述べる。
置換基R1はハロゲン原子を置換基として有する炭素数3から6のシクロアルキル基を表わす。
ここで、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基が特に好ましく、このシクロアルキル基の置換基としてハロゲン原子を有し、ハロゲン原子としてはフッ素原子が特に好ましい。ハロゲノシクロプロピル基の場合には、ハロゲン原子とピリドンカルボン酸部分はシクロプロパン環に対してシス配置であるのがよい。
置換基R2は水素原子、アミノ基、水酸基、チオール基、ハロゲノメチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基または炭素数1から6のアルコキシル基を表すが、このアミノ基はホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から5のアシル基からなる群の置換基から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよい。
アルキル基としては炭素数1から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基およびイソプロピル基である。アルケニル基としては炭素数2から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはビニル基である。アルキニル基としては炭素数2から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはエチニル基である。ハロゲノメチル基のハロゲンとしては特にフッ素原子が好ましく、その数は1から3でよい。アルコキシル基としては炭素数1から6のものでよいが、好ましくはメトキシル基である。
置換基R3はアミノ基、ハロゲノメチル基、ハロゲノメトキシル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、または炭素数1から6のアルコキシル基を表すが、このアミノ基はホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から6のアシル基からなる群から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよい。
アルキル基としては炭素数1から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはメチル基およびエチル基である。アルケニル基としては炭素数2から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはビニル基である。アルキニル基としては炭素数2から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはエチニル基である。ハロゲノメチル基のハロゲンとしては特にフッ素原子が好ましく、その数は1から3でよい。アルコキシル基としては炭素数1から6のものでよいが、好ましくはメトキシル基である。ハロゲノメトキシル基のハロゲンとしては特にフッ素原子が好ましく、その数は1から3でよい。
置換基R4は水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表すが、このアルキル基は水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオおよび炭素数1から6のアルキルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよい。
アルキル基としては炭素数1から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基およびイソプロピル基である。水酸基の置換した炭素数1から6のアルキル基は直鎖状または分枝状のものでよく、好ましいものはヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基を挙げることができる。
置換基R5は炭素数3から6のシクロアルキル基を表わすが、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基またはシクロブチル基がよい。
置換基Xはハロゲン原子または水素原子を表わす。このハロゲン原子としてはフッ素原子が特に好ましい。
Yは水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表す。
置換基R2およびR3がアミノ基、水酸基、チオール基の場合に、これらは通常使用されている保護基によって保護されていてもよい。
このような保護基の例としては例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基類、ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基類、アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等のアシル基類、第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基類又はアラルキル基類、メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等のエーテル類、トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等のシリル基類を挙げることができる。これらの置換基によって保護された置換基を有する化合物は特に製造中間体として好ましいものである。
一般式(I)のR2とR3の組み合わせとして好ましいのは、R2がアミノ基、水素原子、水酸基または炭素数1から6のアルキル基で、R3が炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシル基またはハロゲノメトキシル基の場合である。
さらに好ましい組み合わせとしてはR2がアミノ基、水素原子、水酸基またはメチル基で、R3がメチル基、メトキシル基またはジフルオロメトキシル基の場合である。
これらのR2およびR3に対して、Xはフッ素原子であるものが好ましい。
次にR1がハロゲノシクロプロピル基である場合について述べる。
置換するハロゲン原子としてはフッ素原子および塩素原子を挙げることができるが、特にフッ素原子が好ましい。
この部分での立体的な環境は、シクロプロパン環に対しハロゲン原子とピリドンカルボン酸部分がシス配置であるのが特に好ましい。
この1位のシス−2−ハロゲノシクロプロピル部分だけで、7位置換基の立体異性の如何に拘らず、いわゆる対掌体関係の異性体が存在するが、これらのいずれにも強い抗菌活性と高い安全性が認められた。
本発明化合物である式(I)の化合物がジアステレオマーの存在する構造のものである場合、本発明化合物をヒトや動物に投与する際は単一のジアステレオマーからなるものを投与することが好ましい。この、『単一の(純粋の)ジアステレオマーからなる』とは、他のジアステレオマーを全く含有しない場合だけではなく、化学的に純粋程度の場合をも含むと解される。つまり、物理定数や、生理活性に対して影響がない程度であれば他のジアステレオマーが含まれていてもよいと解釈されるのである。
また『立体的に単一な(純粋な)』とは、化合物等において不斉炭素原子が含まれるために、異性体関係となる複数種が存在する場合にそれらのうちの1種のみにて構成されたものであることを意味する。この場合においてもこの『単一性』に関しても上記と同様に考える。
本発明のピリドンカルボン酸誘導体は遊離体のままでもよいが、酸付加塩としてあるいはカルボキシル基の塩としてもよい。酸付加塩とする場合の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類、あるいは酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩等の有機酸塩類を挙げることができる。
またカルボキシル基の塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、またトリエチルアミン塩やN−メチルグルカミン塩、トリス−(ヒドロキシルメチル)アミノメタン塩等で無機塩類、有機塩類の何れでもよい。
またこれらのピリドンカルボン酸誘導体の遊離体や酸付加塩、カルボキシル基の塩は水和物として存在することもある。
一方、カルボン酸部分がエステルであるキノロン誘導体は合成中間体やプロドラッグとして有用である。例えば、アルキルエステル類やベンジルエステル類、アルコキシアルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類およびフェニルエステル類は合成中間体として有用である。
また、プロドラッグとして用いられるエステルとしては、生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成するようなエステルであり、例えば、アセトキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエチルエステル、5−インダニルエステルおよびフタリジニルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチルエステルそして3−アセトキシ−2−オキソブチルエステル等のオキソアルキルエステルを挙げることができる。
式(I)で表わされる本発明の化合物は種々の方法により製造されるが、その好ましい一例を挙げれば、例えば式(II)
Figure 0004127322
[式中、Aは例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数が1から3のアリキルスルホニル基、またはベンゼンスルホニル基やトルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等の、脱離基としての機能を有する置換基であり、Yは一般式(I)で定義したYと同義であるか、または式(III)
Figure 0004127322
(式中、R11およびR12はフッ素原子であるか低級アルキルカルボニルオキシ基を示す)
で表される置換基であり、そしてR1、R2、R3およびXは式(I)の定義と同じである]
で表される化合物を式(IV)
Figure 0004127322
(式中、R4およびR5は、R4が窒素原子の保護基Rxとなってもよい以外は式(I)の定義と同じである。)
で表される化合物あるいはその酸付加塩と反応させることによって製造することができる。
窒素原子の保護基Rxは、この分野で通常使用されている保護基でよく、これらの保護基の例として例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基類、ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基類、アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等のアシル基類、第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基類又はアラルキル基類、メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等のエーテル類、トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等のシリル基類を挙げることができる。
Yが炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基のとき相当するカルボン酸への変換は、カルボン酸エステルの加水分解に一般的な酸または塩基性条件下で行い、脱保護が必要な場合は保護基に対応した適当な条件で保護基を除去して一般式(I)で示される目的化合物を得ることができる。
式(II)の化合物において、Yが式(III)で表される化合物の場合には、式(IV)の化合物と置換反応を行った後に酸性または塩基性化合物で処理することにより相当するカルボン酸に変換することができる。
式(II)の化合物と式(IV)の化合物との置換反応は溶媒を用いてまたは用いずに行うことができる。溶媒を使用するとき、溶媒は反応条件下で不活性なものであればいずれのものでもよい。適した溶媒としては例えばジメチルスルホキシド、ピリジン、アセトニトリル、エタノール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、水、3−メトキシブタノールを挙げることができる。またはこれらの溶媒は混合物として使用してもよい。
反応温度は通常室温ないし200℃の温度範囲で実施でき、好ましくは25℃から150℃の範囲である。反応時間は30分から48時間で、通常は30分から2時間程度で完結する。
反応は無機塩基または有機塩基のような酸受容体、たとえばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩または炭酸水素塩、あるいはトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基性化合物の存在下で行うのが有利である。
単一の異性体からなる式(I)の化合物の合成に好ましい、単一の異性体からなるシス−2−フルオロシクロプロピルアミンは例えば、特開平2−231475号記載の方法で合成できる。この様にして得られた光学活性なシス−2−フルオロシクロプロピルアミン誘導体を原料とする単一の異性体からなる式(II)の化合物の合成は例えば、特開平2−231475号記載の方法によって実施することができる。
本発明化合物は強い抗菌作用を有することから人体、動物、および魚類用の医薬として或は農薬、食品の保存剤として使用することができる。
本発明化合物を人体用の医薬として使用する場合、投与量は成人一日当たり50mgから1g、好ましくは100mgから300mgの範囲である。
また動物用としての投与量は、投与の目的(治療或は予防)、処置すべき動物の種類や大きさ、感染した病原菌の種類、程度によって異なるが、一日量として一般的には動物の体重1kg当たり1mgから200mg、好ましくは5mgから100mgの範囲である。
この一日量を一日1回、あるいは2から4回に分けて投与する。また一日量は必要によっては上記の量を超えてもよい。
本発明化合物は各種の感染症の原因となる広範囲の微生物類に対して活性であり、これらの病原体によって引き起こされる疾病を治療し、予防し、または軽減することができる。
本発明化合物が有効なバクテリア類又はバクテリア様微生物類としてブドウ球菌属、化膿レンサ球菌、溶血レンサ球菌、腸球菌、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、シゲラ属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、緑膿菌、インフルエンザ菌、アシネトバクター属、カンピロバクター属、トラコーマクラミジア等を例示することができる。
またこれらの病原体によって引き起こされる疾病としては、毛嚢炎、せつ、よう、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疽、皮下膿瘍、汗腺炎、集簇性ざ瘡、感染性粉瘤、肛門周囲膿瘍、乳腺炎、外傷・熱傷・手術創などの表在性二次感染、咽喉頭炎、急性気管支炎、扁桃炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、慢性呼吸疾患の二次感染、肺炎、腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、副睾丸炎、淋菌性尿道炎、非淋菌性尿道炎、胆のう炎、胆管炎、細菌性赤痢、腸炎、子宮付属器炎、子宮内感染、バルトリン腺炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、瞼板腺炎、角膜潰瘍、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、腹膜炎、心内膜炎、敗血症、髄膜炎、皮膚感染症等を例示することができる。
また動物の感染症の原因となる各種の微生物、例えばエシエリキア属、サルモネラ属、パスツレラ属、ヘモフィルス属、ボルデテラ属、スタヒロコッカス属、マイコプラズマ属等に有効である。具体的な疾病名を例示すると鳥類では大腸菌症、ひな白痢、鶏パラチフス症、家禽コレラ、伝染性コリーザ、ブドウ球菌症、マイコプラズマ感染症等、豚では大腸菌症、サルモネラ症、パスツレラ症、ヘモフィルス感染症、萎縮性鼻炎、滲出性表皮炎、マイコプラズマ感染症等、牛では大腸菌症、サルモネラ症、出血性敗血症、マイコプラズマ感染症、牛肺疫、乳房炎等、犬では大腸菌性敗血症、サルモネラ感染症、出血性敗血症、子宮蓄膿症、膀胱炎等、そして猫では滲出性胸膜炎、膀胱炎、慢性鼻炎、ヘモフィルス感染症、仔猫の下痢、マイコプラズマ感染症等を挙げることができる。
本発明化合物からなる抗菌製剤は投与法に応じ適当な製剤を選択し、通常用いられている各種製剤の調製法にて調製できる。本発明化合物を主剤とする抗菌製剤の剤型としては例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤や、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性ないし水性の懸濁液等を経口用製剤として例示できる。
注射剤としては製剤中に安定剤、防腐剤、溶解補助剤を使用することもあり、これらの補助剤を含むこともある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としても良い。また一投与量を容器に収納してもよく、また多投与量を同一の容器に収納しても良い。
また外用製剤として溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー等を例示できる。
固形製剤としては活性化合物とともに製剤学上許容されている添加物を含み、例えば充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。
液体製剤としては溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含むこともある。
本発明化合物を動物に投与する方法としては直接あるいは飼料中に混合して経口的に投与する方法、また溶液とした後、直接もしくは飲水、飼料中に添加して経口的に投与する方法、注射によって投与する方法等を例示することができる。
本発明化合物を動物に投与するための製剤としては、この分野に於いて通常用いられている技術を適宜使用することによって、散剤、細粒剤、可溶散剤、シロップ剤、溶液剤、あるいは注射剤とすることができる。
次に製剤処方例を示す。
Figure 0004127322
発明を実施するための最良の形態
実施例
次に本願発明を実施例により詳細に説明するが、本願発明はこれに限定されるものではない。また、光学活性な目的化合物の抗菌活性の試験方法は日本化学療法学会指定の標準法に準じて行い、その結果を表1にMIC(μg/ml)で示した。
[参考例1]
(3R)−N−シクロプロピル−1−[(R)−フェニルエチル]−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミド
(3R)−1−[(R)−フェニルエチル]−5−オキソ−ピロリジン−3−カルボン酸(2.33g,10mmol)のアセトニトリル(20ml)溶液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.83g,11.5mol)を加え60℃で1時間加熱した後、反応液を冷却して氷冷下でシクロプロピルアミン(655mg,11.5mmol)を加え、室温で19時間撹拌した。溶媒を留去して残留物にクロロホルムを加え10%クエン酸水溶液で洗い、水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して標記の化合物2.56g(94%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.45−0.51(2H,m),0.70−0.80(2H,m),1.53(3H,d,J=6.84Hz),2.53−2.59(1H,m),2.67−2.83(3H,m),3.07−3.12(1H,m),3.53−3.67(1H,m),5.44−5.49(1H,m),5.82(1H,brs),7.25−7.35(5H,m).
[参考例2]
(3R)−3−(N−シクロプロピルアミノメチル)−1−[(R)−フェニルエチル]ピロリジン
(3R)−N−シクロプロピル−1−[(R)−フェニルエチル]−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミド(2g,7.35mol)のテトラヒドロフラン(60ml)溶液に氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン錯塩の1mmol溶液(37ml)を加えた後、室温で17時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物にクロロホルムを加えて飽和食塩水で洗った後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物に5規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて5時間加熱還流した。冷後、反応液に飽和食塩水を加えてクロロホルムで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して標記の化合物1.63g(91%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.27−0.31(2H,m),0.38−0.43(2H,m),1.36−1.47(1H,m),1.37(3H,d,J=6.83Hz),1.89−1.98(1H,m),2.04−2.11(2H,m),2.27−2.59(3H,m),2.65(2H,d,J=7.32Hz),2.81−2.88(1H,m),3.14−3.19(1H,m),7.20−7.34(5H,m).
[参考例3]
(3R)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノメチル]−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン
(3R)−3−(N−シクロプロピルアミノメチル)−1−[(R)−フェニルエチル]ピロリジン(1.63g,6.68mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液に二炭酸 ジ−tert−ブチル(1.75g,8mol)、トリエチルアミン(8ml)、4−ジメチルアミノピリジン(10mg)を加えた後、室温20分間撹拌した。溶媒を留去して残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。3%メタノール−クロロホルム溶出部より標記の化合物2.2g(96%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.53−0.58(2H,m),0.70−0.74(2H,m),1.37(3H,d,J=6.35Hz),1.44(9H,s),1.85−1.94(1H,m),2.13−2.18(1H,m),2.41−2.64(4H,m),2.78−2.82(1H,m),3.14−3.25(4H,m),7.22−7.33(5H,m).
[参考例4]
(3R)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピルアミノメチル)ピロリジン
(3R)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノメチル]−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン(1.7g,4.9mmol)のエタノール(50ml)溶液に10%パラジウム炭素(1.7g)を加え、4気圧の加圧水素雰囲気下で、タングステンランプで反応容器を照射して加温しながら、2時間接触水素添加を行った。触媒を濾別後、溶媒を留去して標記の化合物1.2g(100%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.60(2H,brs),0.75−0.85(2H,m),1.96(9H,s),1.72−1.85(1H,m),2.10−2.20(1H,m),2.45−2.54(1H,m),2.65−2.79(1H,m),2.94−3.03(1H,m),3.21−3.51(5H,m).
[実施例1]
7−[3−(R)−シクロプロピルアミノメチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸BF2キレート(690mg,2mmol)のジメチルスルホキシド(8ml)溶液に、(3R)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピルアミノメチル)ピロリジン(960mg,4mmol)、トリエチルアミン(1ml)を加えて室温で170時間撹拌した。トリエチルアミンを留去後、残留物に水(10ml)を加えて室温で15分間撹拌した。析出した結晶を水洗後に濾取し、これをエタノール:水=4:1の混合溶媒(100ml)に溶解してトリエチルアミン(10ml)を加えて溶液を3時間加熱還流した。溶媒を留去し、残留物にクロロホルム(100ml)を加えて10%クエン酸水溶液(30ml×2)で洗浄後硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残留物に濃塩酸(10ml)を加えて室温で混合物を5分間撹拌後、反応液をクロロホルム(10ml×2)で洗浄した。20%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.3としてクロロホルム(80ml×3)で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥して溶媒を留去した。残留物をプレパラテイブTLC(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層で展開)で分離精製して粗製の標記化合物181mg(22%)を得た。エタノール−エーテルから再結晶して標記の化合物100mgを得た。
1H−NMR(0.1N−NaOD)δ:0.30−0.36(2H,m),0.41−0.50(2H,m),1.04−1.20(1H,m),1.42−1.65(2H,m),2.00−2.17(2H,m),2.28−2.46(1H,m),2.36(3H,s),2.63−2.75(2H,m),3.19−3.35(3H,m),3.54−3.68(1H,m),3.96−4.04(1H,m),4.99−5.07(0.5H,m),7.61(1H,d,J=14.16Hz),8.42(1H,s).
元素分析;C2225233・0.25H2Oとして;
計算値:C,62.62;H,6.09;N,9.69.
実測値:C,62.87;H,6.11;N,9.83.
融点;163−164℃
[実施例2]
5−アミノ−7−[3−(R)−(N−シクロプロピルアミノメチル)−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−[(2S)−フルオロ−(1R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(328mg,1mmol)のジメチルスルホキシド(10ml)溶液に、(3R)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピルアミノメチル)ピロリジン(360mg,1.5mmol)、トリエチルアミン(3ml)を加え、混合物を100℃にて15時間加熱した。溶媒を留去てし残留物にクロロホルム(50ml)を加え、クロロホルム溶液を10%クエン酸(20ml×2)で洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥して溶媒を留去した。残留物に濃塩酸(5ml)を加え室温で5分間撹拌後、反応液をクロロホルム(20ml×2)で洗浄した。塩酸溶液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.3としてクロロホルム(80ml×3)で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を留去して、残留物をプレパラテイブTLC(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層で展開)で分離精製し、粗生成物をエーテルから結晶化して標記の化合物215mgを(48%)得た。
1H−NMR(0.1N−NaOD)δ:0.33(2H,brs),0.46−0.48(2H,m),1.17−1.27(1H,m),1.34−1.47(1H,m),1.57−1.59(1H,m),2.08−2.14(2H,m),2.39−2.43(1H,m),2.72(2H,brs),3.34−3.35(1H,m),3.43(3H,2s),3.56−3.65(2H,m),3.86−3.89(1H,m),5.02(0.5H,brs),8.21(1H,2s).
元素分析;C1920244・0.25H2Oとして
計算値:C,58.48;H,5.86;N,11.97.
実測値:C,53.34;H,5.90;N,12.37.
融点:154−156℃(分解)
[実施例3]
5−アミノ−7−[(3R)−N−シクロプロピルアミノメチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 塩酸塩
5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−[(2S)−フルオロ−(1R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(2.00g,6.4mmol)のジメチルスルホキシド(10ml)溶液に、(3R)−N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピルアミノメチルピロリジン(2.32g,9.6mmol)、トリエチルアミン(30ml)を加え、混合物を120℃にて5日間加熱した。溶媒を留去し、残留物に濃塩酸(10ml)を加えて室温で15分間撹拌後、反応液をクロロホルム(300ml×2)で洗浄した。塩酸溶液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.3としてクロロホルム(200ml×3)で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥し溶媒を留去して、残留物をプレパラテイブTLC(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層で展開)で分離精製した。残留物に1規定塩酸(10ml)を加えて溶媒を留去し、エタノール−エーテルから再結晶して標記の化合物1.05g(31%)を得た。
1H−NMR(0.1NNaOD−D2O)δ:0.34(1H,brs),0.47(1H,brs),1.03−1.16(1H,m),1.42−1.61(2H,m),2.04−2.80(6H,m),3.25−3.42(3H,m),3.66−3.74(1H,m),3.88−3.97(1H,m),8.26(1H,s).
元素分析;C2329243・HCl・2.5H2O・0.25EtOHとして:
計算値;C,51.82;H,6.47;N,10.74.
実測値;C,51.94;H,5.91;N,10.20.
融点:145−149℃
Figure 0004127322

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004127322
    [式中、R1ハロゲン原子を置換基としてする炭素数3から6のシクロアルキル基を表わし、
    2は水素原子、アミノ基、水酸基、チオール基、ハロゲノメチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基または炭素数1から6のアルコキシル基を表すが、
    このうちのアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から5のアシル基からなる群の置換基から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよく、
    3はアミノ基、ハロゲノメチル基、ハロゲノメトキシル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、または炭素数1から6のアルコキシル基を表すが、
    このうちのアミノ基は、ホルミル基、炭素数1から6のアルキル基および炭素数2から6のアシル基からなる群から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよく、
    4は水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表すが、
    このアルキル基は水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオおよび炭素数1から6のアルキルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる1以上の置換基によって置換されていてもよく、
    5は炭素数3から6のシクロアルキル基を表わし、
    Xはハロゲン原子または水素原子を表わし、
    Yは水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を表す。]
    で表わされる化合物およびその塩。
  2. 一般式(I)中、R1が2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項1に記載の化合物およびその塩。
  3. 一般式(I)中、R1が1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項1に記載の化合物およびその塩。
  4. 一般式(I)中、R1が(1R,2S)−2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項に記載の化合物およびその塩。
  5. 一般式(I)中、R1がフルオロシクロプロピル基である請求項2、3あるいは記載の化合物およびその塩。
  6. 一般式(I)の化合物が単一な異性体からなるものである請求項に記載の化合物およびその塩。
  7. 請求項1の化合物またはその塩を有効成分として含有する抗菌薬。
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