JP4222952B2 - 旋盤用治具および旋盤 - Google Patents

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本発明は、被支持部と被加工部とが偏心しているとともに、被加工部をワークの軸線周りの所定角度位置に複数個有しているワークを旋盤で加工する際に用いる旋盤用治具およびこの治具を用いた旋盤に関する。
クランク軸、例えば3連往復ポンプのクランク軸のピン部を旋盤で加工する場合には、ピン部の軸心がジャーナル部の軸心に対して偏心しているために、ピン部の軸心を旋盤の主軸の軸心と一致させるように、ジャーナル部の軸心を旋盤の主軸の軸心から偏心させて旋盤に支持する必要がある。さらに、位相が120°ずつ異なる3つのクランクピンを順次加工するために、クランク軸をジャーナル部の軸線周りに120°ずつ順次回転させて、各ピン部の軸線を旋盤の主軸の軸線に一致させる必要がある。
従来、このような偏心ピン部を有するワークを旋盤で加工する方法として、主軸の大面板前面に設けられたスライド面板の中心をワークの両端中心シャフト部(被支持部)とその偏心ピン部(被加工部)との距離(偏心量)に合せて主軸の軸中心から移動し、中心シャフト部をスライド面前面に設けられたスイベル面板の回転中心に合せてこれをチャック装置で把持し、スイベル面板をスライド面板に対して回転中心周りに回転して偏心ピン部の割出しを行って主軸と同軸上に偏心ピン部を位置させ、スイベル面板をスライド面板に対して固定して、偏心ピン部を加工する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、被支持部(ジャーナル部)と被加工部(クランクピン穴)とが偏心しているワーク(クランク軸)を被加工部が旋盤の主軸と一致するよう支持するためのチャックとして、主軸の前端面にチャック本体を主軸軸線と直角方向に移動可能にかつ所望位置に固定可能に取り付け、チャック本体内および先端面にそれぞれ、コレット機構および位相決めアームを設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。このチャックを用いて被加工部をチャッキングするには、ワークの被支持部をコレット機構内に挿入し、位相決めアームをワークの被加工部が主軸軸線と同一位相となるように回動させて位相決めするとともに、コレット機構でワークの被支持部を把持する。この状態で、チャック本体を被加工部が旋盤の主軸軸線と一致するよう主軸軸線と直角方向に移動させ、両者が一致したときチャック本体を主軸に対して固定する。
特開昭58−223502号公報 実公平6−1281号公報
しかしながら、特許文献1の加工方法には、位相の異なる複数個の偏心ピン部を順次加工するために、スイベル面板をスライド面板に対して回転中心周りに回転して偏心ピン部の割出しを行って主軸と同軸上に偏心ピン部を位置させることが記載されているが、その位置決めを行うための具体的構成が記載されていない。また、特許文献1の加工方法では、旋盤主軸から偏心した位置でワークの中心シャフト部(ジャーナル部)を把持するチャックを設けているため、構造が複雑化するとともに、装置の大型化を招く。さらに、偏心部分の重量が増大するために、バランスウエイトを重量化する必要がある。
また、特許文献2のチャックでは、ピン部割出のための位置決め装置が複雑であるとともに、チャックの大型化を招く。また、ピン部割出の際に、その都度位置決めアームおよびコレット機構を解除しなければならず、作業が煩雑である。また、旋盤主軸から偏心した位置でジャーナル部を把持するコレット機構を設けているため、構造が複雑化するとともに、装置の大型化を招く。さらに、偏心部分の重量が増大するために、バランスウエイトを重量化する必要がある。また、偏心量が異なるワークに対応させる構造とするために、コレット機構の締め付けの機構もこれに対応させなければならず、構造が一層複雑化する。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、被支持部と、この被支持部から偏心しかつ被支持部の軸線周りの異なる角度位置に配置された複数個の被加工部とを備えているワークを、簡単な構成により作業性良く加工することができる旋盤用治具および旋盤を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の旋盤用治具は、被支持部(J)と、この被支持部(J)から偏心しかつ該被支持部(J)の軸線周りの異なる角度位置に配置された複数個の被加工部(P1、P2、P3)とを備えているワーク(W)を、前記各被加工部(P1、P2、P3)の軸線が順次旋盤(S)の主軸の軸線(O)と一致するように支持する旋盤用治具(G)であって、
旋盤(S)のチャック(CH)に同軸に取り付けられる治具本体(1)と、この治具本体(1)に取り付けられる割出ガイド部材(2)と、この割出ガイド部材(2)に取り付けられる割出部材(3)とを備え、
前記割出ガイド部材(2)は、その軸線が前記治具本体(1)の軸線から前記ワーク(W)の前記被加工部(P1、P2、P3)の偏心量に対応して偏心している嵌合部(31)と、この嵌合部(31)の軸線周りの前記各被加工部(P1、P2、P3)の各角度位置に対応した位置に設けられた複数個の係合部(32)とを備え、
前記割出部材(3)は、前記割出ガイド部材(2)の前記嵌合部(31)に該嵌合部(31)の軸線方向に嵌め込み可能で、かつ該嵌合部(31)に案内されて該嵌合部(31)の軸線周りに回動するガイド嵌合部(36)と、前記割出ガイド部材(2)の前記各係合部(32)に前記嵌合部(31)の軸線方向の移動により係合・解除可能な係合部(38)と、前記ガイド嵌合部(36)の軸線と一致する軸線を有し、前記ワーク(W)の前記被支持部(J)の嵌合部(H)がこの軸線方向に嵌め込み可能なワーク嵌合部(37)とを備えている、
ことを特徴とする。
請求項1において、互いに嵌合される割出ガイド部材の嵌合部と割出部材のガイド嵌合部とは、例えば、一方が貫通孔あるいは有底穴などの凹部で、他方が軸あるいは突起部などの凸部により構成される。どちらが凹部あるいは凸部でもよい。
また、互いに嵌合する割出部材のワーク嵌合部とワークの被支持部とは、例えば、一方が貫通孔あるいは有底穴などの凹部で、他方が軸あるいは突起部などの凸部により構成される。どちらが凹部あるいは凸部でもよい。
また、互いに係合される割出ガイド部材の係合部と割出部材の係合部とは、例えば、一方が係合溝あるいは係合穴などの凹部で、他方がキーあるいは突起部などの凸部により構成される。どちらが凹部あるいは凸部でもよい。
請求項1に記載の治具を用いて旋盤により、ワークの偏心した複数個の被加工部を順次加工するには、まず、治具の治具本体の軸線と割出ガイド部材の嵌合部の軸線との偏心量を、ワークの被加工部の被支持部からの偏心量に合せておく。
次に、治具本体を旋盤のチャックに取り付ける。これにより、治具本体が旋盤の主軸の軸線と同軸に取り付けられる。
次に、割出部材のワーク嵌合軸に、ワークの被支持部の嵌合部を嵌め込む。これにより、ワークの第1の被加工部の軸線が、旋盤の主軸の軸線に一致する。
次に、心押台を移動させて、ワークの他方の被支持部にセンターを押し付け、ワークを旋盤の主軸に固定し、第1の被加工部の加工を行う。
次に、心押台を移動させて、ワークの他方の被支持部からセンターを離し、ワークが嵌合された状態で割出部材を割出ガイドから引き出して、各係合部の割出ガイド部材の各係合部への係合を解除する。その後、割出部材を所定角度回転させて、各係合部を割出ガイド部材の各係合部の位置に合せた後、割出部材を押し込み、各係合部を割出ガイド部材の各係合部に係合させる。これにより、ワークの第2の被加工部の軸心が、旋盤の主軸の軸線に一致する。
次に、心押台を移動させて、ワークの他方の被支持部にセンターを押し付け、ワークを旋盤の主軸に固定し、第2の被加工部の加工を行う。
以下、さらに被加工部がある場合には、第2の被加工部の場合と同様にして、順次第3、第4・・・の被加工部の加工を行う。
このように、請求項1に記載の発明においては、位相の異なる偏心した複数個の被加工部の割出作業を順次簡単に行って、加工することができる。また、旋盤の主軸から偏心した位置にチャックを設ける必要がなく、かつ治具がコンパクトであるので、バランスウエイトの重量を低減または省略することができる。
請求項2に記載の旋盤用治具は、請求項1に記載の発明において、前記割出ガイド部材(2)は、前記治具本体(1)に、前記主軸の軸線(O)と直交する方向に移動させて取り付け可能であり、前記割出ガイド部材(2)の前記治具本体(1)からの偏心量は、スペーサ(27)を用いて設定されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、治具の治具本体の軸線と割出ガイド部材の嵌合部の軸線との偏心量を、ワークの被加工部の被支持部からの偏心量に合せる際に、厚さが適当な寸法のスペーサを選択して使用することにより、被加工部の偏心量の異なるワークの加工に容易に対応することができる。
請求項3に記載の旋盤用治具は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記割出部材(3)が前記割出ガイド部材(2)から離脱するのを防止する離脱防止手段(45、45A)が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、ワークの被加工部の割出作業中に、割出部材が割出ガイド部材から不用意に離脱するのを防止することができる。
請求項4に記載の旋盤用治具は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記割出部材(3)を前記割出ガイド部材(2)の前記各係合部(32)から前記係合部(38)の係合を解除する方向に付勢する付勢部材(49)が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、割出部材を割出ガイド部材から引き出して、各係合部の割出ガイド部材の各係合部への係合を解除する際に、付勢部材が割出部材の移動を助けるので、割出部材の引き出し作業が容易になる。
請求項5に記載の旋盤用治具は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記割出部材(3)の回動方向を一方向に規制する手段(94)が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、割出部材の回動方向を一方向化することができるので、加工間違いを防止することができる。
請求項6に記載の旋盤は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の旋盤用治具(G)が装着されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明においては、請求項1ないし請求項5の各作用効果を奏する旋盤を得ることができる。
なお、上記における括弧内の符号は、図面において対応する要素を便宜的に表記したものであり、したがって本発明は図面上の記載に限定されるものではない。これは、「特許請求の範囲」の欄の記載についても同様である。
本発明の旋盤用治具および旋盤によれば、被支持部と位相の異なる複数個の被加工部とを備えているワークを、簡単な構成により作業性良く加工することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図9は、本発明の実施の形態を示す図であって、図1は旋盤の要部を示す縦断面図であり、図2は治具を示す縦断面図であり、図3は図2のA矢視図であり、図4は図2のB−B線に沿う断面図であり、図5は割出部材を示す側面図であり、図6は図5のC矢視図であり、図7はセンターを示す縦断面図であり、図8は図7のD矢視図であり、図9は8のE−E線に沿う断面図である。
図1に示すように、旋盤SのチャックCHには、治具Gが取り付けられている。また、旋盤Sには、チャックCHと対向する位置に、心押台SDが配設され、この心押台SDには、センター(心押軸)CEが取り付けられている。治具GとセンターCEとによって、3連往復ポンプのクランク軸(ワーク)Wが支持される。
このクランク軸Wは、ジャーナル部(被支持部)Jと、このジャーナル部Jから偏心しかつジャーナル部Jの軸線周りに120°間隔で配置された3個のピン部(被加工部)P1、P2、P3とを備えている。治具G側のジャーナル部Jは大径に形成されており、このジャーナル部Jには、原動機の出力軸に直結するために、ジャーナル部Jの軸線と同軸の有底の穴(嵌合部)Hが形成され、この穴H内にはキー溝Mが形成されている。また、このジャーナル部Jのリング状の端面はジャーナル部Jの軸線と直交する平面に加工されている。穴Hには、原動機の出力軸が嵌入され、これにより原動機の出力軸とこのクランク軸Wとが直結される。一方、センターCE側のジャーナル部Jの端面には、円錐状のセンター穴CHが形成されている。
図1〜図4に示すように、治具Gは、旋盤SのチャックCHに取り付けられている治具本体1と、この治具本体1に取り付けられている割出ガイド部材2と、この割出ガイド部材2に取り付けられている割出部材3とを備えている。
治具本体1は、チャックCH側から順に外周面が円筒面に形成された円筒部11、鍔部12および外周面が四角面に形成された四角部13を備えている。また、治具本体1の中心部には、治具本体1の軸線と同軸の貫通孔14が形成されている。円筒部11は、鍔部12がチャックCHの爪Tの端面に当接するまで爪Tの内側に挿入されて、外周面が爪Tの内周面によって把持され、これにより治具本体1が旋盤Sの主軸の軸線Oと同軸に取り付けられる。貫通孔14のチャックCH側の部分には、断面T字状の蓋15が嵌め込まれ、ボルト16により固定されている。四角部13の上面および下面にはそれぞれ、上ブロック18、下ブロック19がボルト20により固定され、また四角部13の左右の側面にはそれぞれ、L字状の側板22、22がボルト23により固定されている。上ブロック18、下ブロック19および左右の側板22、22はそれぞれ、四角部13の端面から突出している。
割出ガイド部材2は、扁平な四角柱状に形成されており、左右の側板22、22の間に形成された上下方向に延びる四角柱状の溝25内に嵌合され、一方の側板22に螺合された止めねじ26の先端面と他方の側板の内側面とにより挟持されている。また、割出ガイド部材2は、上下方向において、割出ガイド部材2と上ブロック18との間に介在された四角柱状のスペーサ27の下面と、下ブロック19に螺合された止めねじ28の先端面とにより挟持され、さらにスペーサ27を貫通して割出ガイド部材2に螺合するボルト29により上ブロック18に固定されている。また、割出ガイド部材2は、ボルト30により治具本体1の四角部13の端面に固定されている。
割出ガイド部材2の中央部には、旋盤Sの主軸の軸線Oに平行に延びる円形の嵌合孔(嵌合部)31が形成されている。このとき、嵌合孔31の軸線O1は、主軸の軸線Oからスペーサ27の厚さによって規定される量で偏心している。この嵌合孔31の軸線O1を中心に120°間隔で四角柱状の3つのキー(係合部)32がそれぞれ、ボルト33により割出ガイド部材2の前端面にこの前端面から突出するようにして固定されている。
図5および図6に示すように、割出部材3は、円板状の鍔部35の両側に、この鍔部35と同軸の円形の嵌合軸(ガイド嵌合部)36および嵌合軸(ワーク嵌合部)37が形成されたものである。鍔部35の外周面にはローレット目が形成されている。また、この鍔部35の外周部には、120°間隔に横断面形状が四角形の3つの係合溝(係合部)38が形成されている。一方の嵌合軸36の先端面には、雌ねじ39が形成され、他方の嵌合軸37には、キー溝41が形成されている。このキー溝41にはキー42がボルト43により固定される(図1参照)。
図1〜図4に示すように、割出部材3は、3つの係合溝38に割出ガイド部材2の3つのキー32を係合するようにして、嵌合軸36が割出ガイド部材2の嵌合孔31に鍔部35が当接するまで嵌入され、その先端部は治具本体1の貫通孔14内に突出している。このとき、割出部材3の軸線は嵌合孔31の軸線O1と一致している。嵌合軸36の端面にはストッパ(離脱防止手段)45が取り付けられている。ストッパ45は、鍔部46の両側に雄ねじ部47と棒状のばね支持部48とを備えたものであり、雄ねじ部47が嵌合軸36の雌ねじ39に螺合されている。ばね支持部48は、鍔部46と治具本体1の蓋15との間に配設された圧縮コイルばね(付勢部材)49内に挿入されてこの圧縮コイルばね49を支持している。この圧縮コイルばね49により、割出部材3は嵌合軸36側に付勢され、これにより各係合溝38から割出ガイド部材2の各キー32が抜け出るのを助けている。ストッパ45の鍔部46の外径が割出ガイド部材2の嵌合孔31の径よりも大きく設定されているので、割出部材3が割出ガイド部材2から抜け落ちてしまうことはない。
図1に示すように、割出部材3の嵌合軸37は、クランク軸Wのジャーナル部Jの穴H内に嵌入される。
他方、心押台SDのセンターCEは、図1および図7〜図9に示すように、旋盤Sの心押台SDに取り付けられるセンター本体61と、このセンター本体61に取り付けられるガイド部材62と、このガイド部材62に取り付けられるセンター部材63とを備えている。
ガイド部材62は、端面に前方に突出する左右の側壁部71、71が形成されている。両側壁部71、71の互いに対向する対向面は、上下方向に垂直に延びる平面とされ、これにより上下方向に延びる四角柱状の溝72が形成されている。ガイド部材62の上面および下面にはそれぞれ、上部ブロック74、下部ブロック75がボルト76により固定されている。上部ブロック74および下部ブロック75はそれぞれ、ガイド部材62の端面から両側壁部71、71と面一になるように突出している。
センター部材63は、扁平な略四角柱状の基部81と、この基部81から突出する円柱状の突出部82と、この突出部82に取り付けられたセンターピン83とを備えている。基部81は、ガイド部材62の溝72内に嵌合され、一方の側壁部71に螺合された止めねじ84の先端面と他方の側壁部71の対向面とにより挟持されている。また、センター部材63は、上下方向において、ガイド部材62と上部ブロック74との間に介在された四角柱状のスペーサ85の下面と、下部ブロック75に螺合された止めねじ86の先端面とにより挟持され、さらにスペーサ85を貫通してセンター部材63に螺合するボルト87により上部ブロック74に固定されている。また、センター部材63は、ボルト88によりガイド部材62の端面に固定されている。センター部材63の中心部には、旋盤Sの主軸の軸線Oに平行に延びるテーパ穴89が形成されており、このテーパ穴89にセンターピン83が嵌入されている。このとき、センターピン83の軸線O2は、主軸の軸線Oからスペーサ85の厚さによって規定される量で偏心している。
図1に示すように、センター部材63のセンターピン83の先端部は、クランク軸WのセンターCE側のジャーナル部Jの端面のセンター穴CH内に嵌入される。
このように構成された治具Gを用いて旋盤Sにより、クランク軸Wの3つのピン部P1、P2、P3を順次加工するには、次のようにして行う。
すなわち、まず、図2〜図4に示すように、厚さ(図1および図3において、上下方向の寸法)が適当な寸法のスペーサ27を使用することにより、治具本体1(円筒部11)の軸線と割出ガイド部材2の嵌合孔31の軸線との偏心量を、クランク軸Wのピン部P1、P2、P3のジャーナル部Jからの偏心量に合せておく。
次に、図1に示すように、治具Gの治具本体1の円筒部11を、鍔部12がチャックCHの爪Tの端面に当接するまで爪Tの内側に挿入して、円筒部11の外周面を爪Tの内周面によって把持する。このようにすると、治具本体1が旋盤Sの主軸の軸線Oと同軸に取り付けられる。
次に、割出部材3の嵌合軸37の外側に、クランク軸Wのジャーナル部Jの穴Hを嵌め込む。このとき、嵌合軸37のキー42の位置に、穴H内のキー溝Mの位置を合せて嵌め込む。このようにすると、クランク軸Wのピン部P1の軸線が、旋盤Sの主軸の軸線Oに一致する。
次に、心押台SDを移動させて、センターCEのセンター部材63のセンターピン83の先端部を、クランク軸WのセンターCE側のジャーナルJの端面のセンター穴CHに押し付け、クランク軸Wを旋盤の主軸に固定する。このとき、厚さ(図1および図8において、上下方向の寸法)が適当な寸法のスペーサ85を使用することにより、センターピン83の軸線O2と主軸の軸線Oとの偏心量を、クランク軸Wのピン部P1、P2、P3のジャーナル部Jからの偏心量に合せておく。
次に、図1に示すように、バイト(切削工具)BTにより、ピン部P1の加工を行う。
次に、心押台SDを移動させて、センターピン83をジャーナルJのセンター穴CHから離し、クランク軸Wが嵌合された状態で割出部材3を引き出して、各係合溝38の割出ガイド部材2の各キー32への係合を解除する。その後、割出部材3を120°回転させて、各係合溝38を割出ガイド部材2の各キー32の位置に合せた後、割出部材3を押し込み、各係合溝38を各キー32に係合させる。このようにすると、クランク軸Wのピン部P2の軸心が、旋盤Sの主軸の軸線Oに一致する。
次に、心押台SDを移動させて、センターピン83の先端部をクランク軸Wのセンター穴CHに押し付け、クランク軸Wを旋盤の主軸に固定する。
次に、心押台SDのセンターCEのセンター部材63のセンターピン83の先端部を、クランク軸WのセンターCE側のジャーナルJの端面のセンター穴CHに押し付けて、クランク軸Wを旋盤の主軸に固定する。
次に、バイトBTにより、ピン部P2の加工を行う。
次に、ピン部P2の場合と同様にして、割出部材3をさらに120°回転させて、割出ガイド部材2に取り付け、クランク軸Wのピン部P3の軸心を旋盤Sの主軸の軸線Oに一致させて、このピン部P3の加工を行う。
このような治具Gを用いて旋盤Sにより、クランク軸Wの3つのピン部P1、P2、P3を加工すると、位相の異なる偏心した3つのピン部P1、P2、P3の割出作業を順次簡単に行って、加工することができる。また、旋盤Sの主軸から偏心した位置にチャックを設ける必要がなく、かつ治具Gがコンパクトであるので、バランスウエイトの重量を低減あるいは省略することができる。
また、治具Gの治具本体1の軸線と割出ガイド部材2の嵌合孔31の軸線O1との偏心量を、クランク軸Wのピン部P1、P2、P3のジャーナル部からの偏心量に合せる際に、厚さが適当な寸法のスペーサ27を選択して用いることにより、ピン部P1、P2、P3の偏心量の異なるクランク軸Wに容易に対応することができる。
また、割出部材3が割出ガイド部材2から離脱するのを防止するストッパ45を設けたので、クランク軸Wのピン部P1、P2、P3の割出作業中に、割出部材3が割出ガイド部材2から不用意に離脱するのを防止することができる。
さらに、圧縮コイルばね49により割出部材3が割出ガイド部材2の各キー32から係合溝38の係合を解除する方向に付勢されているので、割出部材3を割出ガイド部材から引き出して、各係合溝38の割出ガイド部材2の各キーへの係合を解除する際に、圧縮コイルばね49が割出部材3の移動を助けるため、割出部材3の引き出し作業が容易になる。
なお、割出部材3の回動方向を一方向に規制するラチェット機構等の手段を設けるようにすると、割出部材3の回動方向を一方向化することができ、加工間違いを防止することができる。ラチェット機構としては、例えば、図10に示すようなものが挙げられる。図10において(a)は要部の縦断面図であり、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図であるが、(b)では圧縮コイルばね49を省略してある。図10においては、ストッパ45Aの鍔部46Aが別体に構成されている。すなわち、扁平な円柱状の鍔部46Aの中心部に貫通孔が設けられ、この鍔部46Aの貫通孔を通してボルト91の雄ねじ部47Aが嵌合軸36の雌ねじ39に螺合されており、ボルト91の頭部がばね支持部48Aとされている。そして、鍔部46Aの外周部に120°間隔で3つのラチェット爪92が形成され、これらの各ラチェット爪92にストッパ片93の先端部が係止するようになっており、これにより嵌合軸36ひいては割出部材3が一方向にのみ回転できるようになっている。ラチェット爪92およびストッパ片93によりラチェット機構94が構成される。ストッパ片93の基端部は、取付部材95にボルト96により固定され、取付部材95は、割出ガイド部材2にボルト97により固定されている。
また、治具を手動により操作するだけでなく、治具Gの操作を自動化して旋盤に用いることもできる。
本発明の実施の形態に係る旋盤の要部を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る治具を示す縦断面図である。 図2のA矢視図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 割出部材を示す側面図である。 図5のC矢視図である。 センターを示す縦断面図である。 図7のD矢視図である。 図8のE−E線に沿う断面図である。 ラチェット機構を示す図であって、(a)は要部の縦断面図であり、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図である。
符号の説明
W クランク軸(ワーク)
J ジャーナル部(被支持部)
P1、P2、P3 ピン部(被加工部)
H 穴(嵌合部)
S 旋盤
CH チャック
O 主軸の軸線
O1 嵌合孔の軸線(嵌合部の軸線)
G 治具
1 治具本体
2 割出ガイド部材
3 割出部材
27 スペーサ
31 嵌合孔(嵌合部)
32 キー(係合部)
36 嵌合軸(ガイド嵌合部)
37 嵌合軸(ワーク嵌合部)
38 係合溝(係合部)
45、45A ストッパ(離脱防止手段)
49 圧縮コイルばね(付勢部材)
94 ラチェット機構

Claims (6)

  1. 被支持部(J)と、この被支持部(J)から偏心しかつ該被支持部(J)の軸線周りの異なる角度位置に配置された複数個の被加工部(P1、P2、P3)とを備えているワーク(W)を、前記各被加工部(P1、P2、P3)の軸線が順次旋盤(S)の主軸の軸線(O)と一致するように支持する旋盤用治具(G)であって、
    旋盤(S)のチャック(CH)に同軸に取り付けられる治具本体(1)と、この治具本体(1)に取り付けられる割出ガイド部材(2)と、この割出ガイド部材(2)に取り付けられる割出部材(3)とを備え、
    前記割出ガイド部材(2)は、その軸線が前記治具本体(1)の軸線から前記ワーク(W)の前記被加工部(P1、P2、P3)の偏心量に対応して偏心している嵌合部(31)と、この嵌合部(31)の軸線周りの前記各被加工部(P1、P2、P3)の各角度位置に対応した位置に設けられた複数個の係合部(32)とを備え、
    前記割出部材(3)は、前記割出ガイド部材(2)の前記嵌合部(31)に該嵌合部(31)の軸線方向に嵌め込み可能で、かつ該嵌合部(31)に案内されて該嵌合部(31)の軸線周りに回動するガイド嵌合部(36)と、前記割出ガイド部材(2)の前記各係合部(32)に前記嵌合部(31)の軸線方向の移動により係合・解除可能な係合部(38)と、前記ガイド嵌合部(36)の軸線と一致する軸線を有し、前記ワーク(W)の前記被支持部(J)の嵌合部(H)がこの軸線方向に嵌め込み可能なワーク嵌合部(37)とを備えている、
    ことを特徴とする旋盤用治具。
  2. 前記割出ガイド部材(2)は、前記治具本体(1)に、前記主軸の軸線(O)と直交する方向に移動させて取り付け可能であり、前記割出ガイド部材(2)の前記治具本体(1)からの偏心量は、スペーサ(27)を用いて設定されることを特徴とする請求項1に記載の旋盤用治具。
  3. 前記割出部材(3)が前記割出ガイド部材(2)から離脱するのを防止する離脱防止手段(45、45A)が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の旋盤用治具。
  4. 前記割出部材(3)を前記割出ガイド部材(2)の前記各係合部(32)から前記係合部(38)の係合を解除する方向に付勢する付勢部材(49)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の旋盤用治具。
  5. 前記割出部材(3)の回動方向を一方向に規制する手段(94)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の旋盤用治具。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の旋盤用治具(G)が装着されていることを特徴とする旋盤。
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