JP2002137105A - 工作機械用生爪チャック - Google Patents

工作機械用生爪チャック

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JP2002137105A
JP2002137105A JP2000331243A JP2000331243A JP2002137105A JP 2002137105 A JP2002137105 A JP 2002137105A JP 2000331243 A JP2000331243 A JP 2000331243A JP 2000331243 A JP2000331243 A JP 2000331243A JP 2002137105 A JP2002137105 A JP 2002137105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生爪を正六角形状のブロック体として形成す
ることにより、合計6個の角部をそれぞれ異なる爪先形
状に削り加工し、汎用性を高めることができる。 【解決手段】 旋盤用の生爪チャック21には、回転盤
22に設けた3個の爪受台23に対してそれぞれアダプ
タ25および正六角形状の生爪24を組付ける。この状
態で生爪24の取付穴24Aおよびアダプタ25の挿通
穴内に固定ボルトを挿通し、その先端側を爪受台23の
ねじ穴に螺着することにより、生爪24、アダプタ25
を爪受台23に強固に締着する。そして、半径rの円柱
体30を旋盤加工(切削加工)する場合には、円柱体3
0の外面形状にぴったりと一致するように生爪24の角
部24Bを削り加工し、この爪先側で円柱体30を外側
から把持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば旋盤等の工
作機械で加工対象物を切削加工するときに加工対象物を
把持するのに好適に用いられる工作機械用生爪チャック
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、旋盤等の工作機械は、加工対象
物を把持するためのチャックを備え、該チャックで把持
した加工対象物を主軸を中心にして回転駆動しつつ、加
工対象物に対してバイト等の刃先を送込むことにより、
例えば円筒削り、端面削り、段削り、内面削り等の切
削、研削作業を行うものである。
【0003】そして、この種の従来技術によるチャック
には、工作機械の主軸と一体に回転する回転盤と、加工
対象物を3方向から把持するため該回転盤の周方向に間
隔をもって設けられ該回転盤の径方向に進退される3個
の爪受台と、該各爪受台にそれぞれ着脱可能に設けられ
前記加工対象物を3方向から挟込むように把持する3個
の生爪とからなる工作機械用生爪チャックが知られてい
る。
【0004】ここで、生爪チャックは、一般に三つ爪チ
ャック、連動チャックとも呼称されるスクロールチャッ
クの一種であり、JISでは「生爪スクロールチャッ
ク」として規格されている。
【0005】そして、普通のチャックは把持爪が硬く変
形しないのに対し、生爪は加工対象物の寸法、形状に合
わせて適宜に爪先が削り加工されるもので、比較的軟質
の鉄材(例えば、S45C)等により細長い直方体状の
ブロックとして形成されるものである。
【0006】このため、生爪を用いて加工対象物を把持
するときには、生爪の爪先が加工対象物の外面形状にフ
ィット(適合)することにより、その仕上げ面に把持痕
等の傷痕等を残こすことなく、加工対象物を把持できる
という利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による生爪チャックは、鉄等の金属材料により細
長い直方体状のブロックとして形成されているに過ぎな
いため、例えば生爪の爪先を一つの加工対象物の寸法、
形状に合わせて削り加工した後には、この加工対象物専
用の生爪として使用しなければならず、他の加工対象物
には別の生爪を用意せざるを得ないという問題がある。
【0008】即ち、加工対象物の曲率は、例えば1mm
でも変化すると、生爪の爪先が加工対象物の外面形状に
フィット(適合)できなくなり、その仕上げ面に把持痕
等の傷痕を残し易いので、加工対象物の形状が僅かに変
化する場合でも生爪の爪先形状を削り加工する必要があ
る。
【0009】このため、旋盤等の工場には、これまでに
削り加工した加工対象品毎の生爪が多数本残され、これ
らの生爪が高く積上げた状態で放置されていることが多
く、生爪の収納、管理に余分な手間が掛かり、工場内の
限られたスペースを有効に活用できないという問題が生
じている。
【0010】そして、従来技術によるものは、一つの生
爪を複数の加工対象物に対し汎用性をもって使用するこ
とができないため、加工対象物毎に別の生爪に取替える
必要が生じ、生爪の取替え作業に多大の労力と時間を費
やすばかりでなく、旋盤加工時の作業性を低下させる原
因にもなり、生産性を向上できない等の問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、生爪を正六角形状のブ
ロック体として形成することにより、合計6個の角部を
それぞれ異なる爪先形状に削り加工でき、多数の加工対
象物に対し高い汎用性をもって使用することができるよ
うにした工作機械用生爪チャックを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、工作機械の主軸と一体に回転する回
転盤と、加工対象物を3方向から把持するため該回転盤
の周方向に間隔をもって設けられ該回転盤の径方向に進
退される3個の爪受台と、該各爪受台にそれぞれ着脱可
能に設けられ前記加工対象物を3方向から挟込むように
把持する3個の生爪とからなる工作機械用生爪に適用さ
れる。
【0013】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記生爪は、中心側に前記爪受台への取付穴を
有し、外周縁側が該取付穴を中心として正六角形状をな
す角部となったブロック体により構成したことにある。
【0014】このように構成することにより、正六角形
のブロック体からなる生爪は、合計6個の角部を互いに
異なる爪先形状に削り加工でき、それぞれの角部を異な
る形状の加工対象物に対する把持用の爪先として使用で
きる。そして、生爪は多数の加工対象物に対し、その外
面(曲面)形状にフィットする爪先形状の角部を選択的
に用いることにより、加工対象物を確実に安定して把持
でき、加工対象物の表面に把持痕等の傷痕が発生するの
を良好に防止することができる。
【0015】また、請求項2の発明によると、爪受台と
生爪との間には、表面側に該生爪を爪受台上で廻止め状
態に保持する保持部を有すると共に、裏面側には前記爪
受台に対して位置決めされる位置決め部を有するアダプ
タを設ける構成としている。
【0016】これにより、アダプタの裏面側に形成した
位置決め部でアダプタを爪受台に対して位置決めでき、
この状態でアダプタ上に生爪を配置すれば、アダプタの
保持部により生爪を廻止め状態に保持できる。そして、
その後は生爪の取付穴から固定ボルト等を挿通してボル
ト先端側を爪受台に螺着することにより、生爪をアダプ
タと共に爪受台に強固に締結でき、この状態で生爪を爪
受台と一緒に回転盤の径方向に動かすことができる。
【0017】また、請求項3の発明は、アダプタの保持
部を、生爪の各角部間に位置する互いに平行な平面部に
左,右両側から係合して前記生爪の廻止めを行う一対の
ストッパ突起により構成している。これにより、アダプ
タの表面側に設けた左,右一対のストッパ突起は、生爪
の各角部間に位置する互いに平行な平面部に左,右両側
から係合し、生爪を廻止め状態に保持することができ
る。
【0018】一方、請求項4の発明によると、生爪には
取付穴と各角部との間に間隔をもって複数の係合穴を設
け、アダプタの保持部は該各係合穴に選択的に係合して
前記生爪の廻止めを行うスプリング付勢式のロック機構
により構成している。
【0019】これにより、アダプタに設けたスプリング
付勢式のロック機構は、生爪のいずれかの係合穴に選択
的に係合して生爪を廻止め状態に保持することができ
る。そして、例えば前記固定ボルトを緩めたときには、
生爪をアダプタ上で前記スプリングに抗して回転するこ
とができ、これによって、生爪の廻止め位置を簡単に変
えることができ、生爪の各角部を把持用の爪先として選
択的に使用できる。
【0020】さらに、請求項5の発明は、各爪受台に取
付けた3個の生爪間には、加工対象物の曲率に沿って各
生爪の角部を削り加工するときに前記各生爪間に挟持状
態で配置される心出し治具を取外し可能に設け、該心出
し治具は、環状のリングと、該リングに3方向から螺合
して設けられ頭部側が前記生爪の角部に当接するように
該リングの径方向に進退される3個の調節ボルトとによ
り構成している。
【0021】これにより、例えば40〜50mm以上の
外径を有する円筒体または円柱体等を削り加工するとき
等には、3個の生爪間に予め心出し治具を配置し、各調
節ボルトの頭部を各生爪の爪先となる角部に当接させた
状態で、各生爪間に心出し治具を挟込むように挟持でき
る。そして、この状態で回転盤を回転させることによ
り、円筒体(加工対象物)の曲率に沿って各生爪の角部
を削り加工でき、角部毎の削り代を均一化できると共
に、爪先形状にバラツキが発生するのを抑えることがで
きる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
工作機械用生爪チャックを、旋盤に適用した場合を例に
挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0023】ここで、図1ないし図15は本発明の第1
の実施の形態を示している。図中、1は工作機械として
の旋盤、2は該旋盤1の基台で、該基台2の上面側には
左,右方向に延びるベッド3が設けられている。
【0024】4はベッド3の一側に位置して基台2上に
設けられた主軸台で、該主軸台4には、主軸モータ(図
示せず)により回転駆動される主軸5等が設けられてい
る。そして、この主軸5には後述の生爪チャック21が
取付けられ、図1、図2に示すように生爪チャック21
は、主軸5の軸線O−Oを中心にして主軸5と一体に回
転駆動されるものである。
【0025】6は旋盤1の往復台を示し、該往復台6
は、ベッド3の下側に位置して基台2の側面に設けられ
たガイドレール7に沿って、該ガイドレール7の長手方
向(図1中の左,右方向)に自動または手動で移動され
るものである。
【0026】8は往復台6に設けられた縦送りハンドル
で、該縦送りハンドル8は、旋盤1のオペレータによっ
て手動で回転操作され、これにより往復台6はガイドレ
ール7に沿って移動される。
【0027】9は旋盤1の起動、停止等を手動操作する
ための起動レバーで、該起動レバー9はオペレータによ
って傾転操作されることにより、例えば前記主軸モータ
等を起動または停止させるものである。
【0028】10は往復台6上に設けられた横送り台
で、該横送り台10はオペレータが横送りハンドル11
を手動で回転操作することにより、ベッド3を横切る方
向(ガイドレール7の長手方向と直交する方向)に移動
されるものである。
【0029】12は往復台6上に設けられた刃物台で、
該刃物台12にはバイト等の切削刃物(図示せず)が着
脱可能に取付けられる。そして、刃物台12は刃物台送
りハンドル13を手動で回転操作することにより、例え
ば図1中の左,右方向に移動され、往復台6に対する相
対位置が微調整されるものである。
【0030】これにより、刃物台12に固定されたバイ
ト(切削刃物)は、往復台6と一緒にガイドレール7の
長手方向に自動または手動で移動されると共に、刃物台
送りハンドル13により往復台6に対する相対位置が微
調整される。また、オペレータが横送りハンドル11を
回転操作したときには、刃物台12が横送り台10と一
緒にベッド3を横切る方向に移動され、バイトの先端は
加工対象物に対する切込み深さ等が調整されるものであ
る。
【0031】14は刃物台12の固定レバーで、該固定
レバー14はオペレータによって手動操作され、ロック
位置とロック解除位置とに傾転される。そして、固定レ
バー14は、ロック解除位置へと傾転したときに刃物台
12が横送り台10上で垂直軸回りに回転(旋回)する
のを許し、逆にロック位置へと傾転したときには刃物台
12の回転を阻止(ロック)するものである。
【0032】15はベッド3の他側に位置して基台2上
に設けられた心押台で、該心押台15は、例えば長尺の
丸棒を切削加工するとき等に、後述の生爪チャック21
との間で丸棒の両端側を支持し、丸棒(加工対象物)を
心合わせ状態に保持すると共に、丸棒の心振れ等を抑え
るものである。
【0033】また、心押台15にも固定レバー16等が
設けられ、該固定レバー16もオペレータが手動操作す
ることによって、ロック位置とロック解除位置とに傾転
される。そして、固定レバー16をロック解除位置へと
傾転したときには、ハンドル17の回転操作に従って心
押台15がベッド3の長手方向に移動され、固定レバー
16をロック位置に傾転したときには心押台15の移動
を阻止(ロック)することができる。
【0034】次に、21は本実施の形態で採用した生爪
チャックで、該生爪チャック21は図1、図2に示すよ
うに、主軸5の軸線O−Oを中心にして主軸5と一体に
反時計回り方向(図2中の矢示A方向)に回転する回転
盤22と、該回転盤22の周方向に間隔をもって設けら
れ回転盤22の径方向に進退される3個の爪受台23,
23,…と、後述の生爪24およびアダプタ25等とに
より構成されている。
【0035】ここで、回転盤22には、図2に示す如く
軸穴22Aを中心として放射状に3方向に延びる3個の
ガイド溝22B,22B,…が設けられ、該各ガイド溝
22Bは回転盤22の周方向に120度の間隔をもって
配置されている。そして、各ガイド溝22Bにはそれぞ
れ爪受台23が、例えば図13中の矢示B,C方向に摺
動変位可能に取付けられている。
【0036】また、回転盤22には、各爪受台23を回
転盤22の径方向(図13中の矢示B,C方向)に進退
させるためのスクロール式送りねじ機構(図示せず)が
内蔵され、回転盤22の外周側には、この送りねじ機構
を径方向外側から駆動するためのチャックハンドル(図
示せず)が着脱可能に取付けられる。
【0037】そして、旋盤1のオペレータがチャックハ
ンドルを一方向に回転操作したときには、各爪受台23
が前記送りねじ機構を介して互いに接近する方向(図1
3中の矢示B方向)に駆動され、前記チャックハンドル
を逆方向に回転操作したときには、各爪受台23が前記
送りねじ機構を介して互いに離間する方向(図13中の
矢示C方向)に駆動されるものである。
【0038】また、各爪受台23には、図3に示す如く
長さ方向中間部に形成された凹窪溝からなる位置合わせ
溝23Aと、該位置合わせ溝23Aの前,後に位置して
上向きに突出した係合凸部23B,23Cと、該係合凸
部23B,23Cの中間位置を貫通するように軸線O−
Oと平行に延びるねじ穴23D,23Eとが設けられて
いる。
【0039】そして、爪受台23は係合凸部23Cの後
端側端面が位置合わせ面23Fとなり、該位置合わせ面
23Fとねじ穴23Eとの間隔は、位置合わせ溝23A
とねじ穴23Dとの間隔と等しい寸法に形成されてい
る。これにより、後述のアダプタ25は、爪受台23に
対し位置合わせ溝23Aと位置合わせ面23Fとのいず
れかに一方に選択的に位置決めされるものである。
【0040】24,24,…は各爪受台23にアダプタ
25等を介して着脱可能に設けられる生爪で、該生爪2
4は、例えば機械構造用炭素鋼(S45C)等の横断面
が正六角形状なす金属製六角柱材を、一定長さ(例えば
30〜50mm程度の高さ寸法)毎に切断することによ
り、図2ないし図5に示す如く正六角形状のブロック体
として形成されている。
【0041】そして、生爪24の中心側には後述の固定
ボルト26が挿通される取付穴24Aが穿設され、該取
付穴24Aは図8に示す如く段付穴として形成されてい
る。この場合、取付穴24Aは下部側が大径の嵌合穴部
24A1 として形成され、該嵌合穴部24A1 は、後述
するアダプタ25のボス部25Bにほぼ一致する寸法に
形成されている。
【0042】また、生爪24の外周縁側は、図4、図5
に示すように取付穴24Aを中心として正六角形状をな
す合計6個の角部24B,24B,…となり、該各角部
24B間には合計6個の平面部24C,24C,…とな
っている。そして、各角部24Bは互いに隣り合う平面
部24C,24C間で120度の角度をもって形成され
ている。
【0043】このため、図14に例示する如く3個の生
爪24を、互いに接近させるように矢示B方向に移動し
たときには、各生爪24の爪先となる角部24Bが、両
側の平面部24Cと共にぴったりと重なるように衝合さ
れ、このときに各生爪24間で後述の如く最小径(例え
ば、1mm程度)の加工対象物を挟持することが可能と
なる。
【0044】また、生爪24の各角部24Bのうち、例
えば図15に示す角部24B1 には後述の切欠き凹部3
1等が切削加工され、この切欠き凹部31は、図2に示
す後述の円柱体30に対応した曲率半径rをもって形成
される。そして、生爪24は切欠き凹部31が円柱体3
0を把持するときの爪先となり、これによって、円柱体
30に対する傷痕(把持痕)等の発生が抑えられるもの
である。
【0045】即ち、生爪24は図2、図3に示す如く後
述の固定ボルト26等を用いてアダプタ25と共に爪受
台23上に取付けられ、爪受台23が矢示B方向に駆動
されるときに先端側の角部24Bが爪先となって、円柱
体30等の加工対象物を3方向から挟込むように把持す
るものである。
【0046】このため、図15に例示するように生爪2
4の角部24B1 ,24B2 ,24B3 ,…には、加工
対象物の外径寸法に対応した後述の切欠き凹部31,3
3,…等がそれぞれ削り加工され、生爪24はこれらの
切欠き凹部31,33等を各加工対象物にフィット(適
合)する爪先として、加工対象物を3方向から把持する
ときに用いるものである。
【0047】25、25,…は生爪24を爪受台23上
に固定するためのアダプタで、該アダプタ25は生爪2
4よりも硬質の金属材を用いて図3、図6、図7および
図9に示す如く形成され、その中央部には板厚方向(上
下方向)に貫通して延びる固定ボルト26用の挿通穴2
5Aと、該挿通穴25Aの周囲に位置して上向きに突出
する筒状のボス部24Bとが設けられている。
【0048】また、アダプタ25の表面側にはボス部2
5Bの径方向に離間して左,右一対のストッパ突起25
C,25Cが設けられ、該各ストッパ突起25Cは、生
爪24の各平面部24Cのうち互いに平行となる平面部
24C,24Cに左,右両側から係合することにより、
生爪24を廻止め状態に保持する保持部を構成するもの
である。
【0049】このとき、アダプタ25のボス部25Bに
は、生爪24の嵌合穴部24A1 が摺動可能に嵌合さ
れ、この状態で生爪24はアダプタ25の表面側に重ね
合せるように固定されるものである。また、アダプタ2
5の前端側にはほぼ120度の角度をもった角部25D
が設けられ、該角部25Dと挿通穴25Aとの間隔は、
生爪24の角部24Bと取付穴24Aとの間の間隔より
も僅かに短い寸法に形成されている。
【0050】一方、アダプタ25の裏面側には、図7に
示す如く挿通穴25Aよりも後側に位置して爪受台23
の位置合わせ溝23Aまたは位置合わせ面23Fのいず
れかに選択的に係合する段差部25Eと、前端側の角部
25Dの位置から挿通穴25Aを横切るように段差部2
5Eの位置まで直線状に延びる凹溝25Fとが設けられ
ている。
【0051】そして、該凹溝25Fは、爪受台23の係
合凸部23B,23Cのいずれか一方に上側から嵌合
(係合)し、アダプタ25を爪受台23に対して廻止め
状態で位置決めする位置決め部を段差部25Eと共に構
成するものである。
【0052】この場合、加工対象物である円柱体30の
半径rが、例えば50mmを基準として基準寸法以上の
ときには、アダプタ25の段差部25Eを爪受台23の
位置合わせ面23Fに係合させるようにしてアダプタ2
5が爪受台23に位置決めされる。また、前記半径rが
基準寸法より小さいときには、アダプタ25の段差部2
5Eを爪受台23の位置合わせ溝23Aに係合させるこ
とによりアダプタ25の位置決めが行われる。
【0053】また、凹溝25Fの後端側には段差部25
Eの一部を円弧状に切欠くことにより切欠溝25Gが形
成されている。さらに、アダプタ25の裏面側には、凹
溝25Fの後端側から段差部25Eに沿って左,右方向
に延びる浅底溝25H,25Hが形成され、該各浅底溝
25Hおよび切欠溝25Gは、爪受台23に対する段差
部25Eの当接面に付着した摩耗粉等をこの当接面から
逃がすための逃がし溝となっている。
【0054】なお、アダプタ25の表面側にはボス部2
5Bの周囲に浅底の環状溝25Jが形成され、該環状溝
25Jは、生爪24の嵌合穴部24A1 とボス部25B
との間から摩耗粉等を逃がすための逃がし溝を構成する
ものである。
【0055】26は生爪24をアダプタ25と共に爪受
台23に固定する固定ボルトで、該固定ボルト26は、
図3に示す如く六角穴付ボルト等からなり、その頭部2
6Aにはレンチ等の工具が係合する有底の六角穴26B
が形成されている。そして、固定ボルト26は、爪受台
23上にアダプタ25および生爪24を組付けた状態で
生爪24の取付穴24Aおよびアダプタ25の挿通穴2
5A内に挿通され、その先端側が爪受台23のねじ穴2
3Dまたは23Eに螺着される。
【0056】これにより、固定ボルト26は生爪24、
アダプタ25を爪受台23に強固に固定し、図2に示す
ように円柱体30等の加工対象物を各生爪24の角部2
4B側で3方向から挟込むように把持したときに、生爪
24が爪受台23に対し僅かでも位置ずれするのを防ぐ
ものである。
【0057】次に、27は図12に示すように各生爪2
4間に配置される心出し治具で、該心出し治具27は、
図10、図11に示すように環状のリング28と、該リ
ング28に螺合して径方向に移動(進退)可能となった
3個の調節ボルト29,29,…とにより構成されてい
る。
【0058】ここで、各調節ボルト29はリング28の
周方向に約120度の間隔をもって配設され、リング2
8に対する螺合位置が3方向で個別に調節される。そし
て、円柱体30等の加工対象物を削り加工するとき等に
は、図12に例示するように3個の生爪24間に予め心
出し治具27を配置し、各調節ボルト29をそれぞれの
頭部29Aが各生爪24の角部24Bに当接する位置ま
で回転させる。
【0059】これにより、心出し治具27の各調節ボル
ト29は、各生爪24の角部24B間に強く挟込むよう
に挟持され、この状態で各生爪24の心振れ等を抑える
と共に、各生爪24毎の削り代(例えば、図15に示す
切欠き凹部31等の削り代)を均一化する機能等を有す
るものである。
【0060】本実施の形態による旋盤1用の生爪チャッ
ク21は上述の如き構成を有するもので、次に、その作
動について説明する。
【0061】まず、回転盤22に設けた3個の爪受台2
3に対してそれぞれアダプタ25および生爪24を組付
け、この状態で生爪24の取付穴24Aおよびアダプタ
25の挿通穴25A内に固定ボルト26を挿通し、その
先端側を爪受台23のねじ穴23Dまたは23Eに螺着
することにより、固定ボルト26で生爪24、アダプタ
25を爪受台23に強固に締着する。
【0062】そして、旋盤1の加工対象物として図2に
示す如く、半径rの円柱体30を旋盤加工(切削加工)
する場合を例に挙げると、円柱体30の外面形状にぴっ
たりとフィットするように生爪24の角部24Bを削り
加工し、図15に例示するように切欠き凹部31を形成
する必要がある。
【0063】そこで、この場合には、まず前記チャック
ハンドルを用いて回転盤22の各爪受台23を図12中
の矢示B,C方向に移動させ、各生爪24の爪先となる
角部24Bが円柱体30の外径寸法(半径r)よりも径
方向内側に位置するように生爪24を配置する。そし
て、この状態で3個の生爪24間に図12に示すように
心出し治具27を配置し、各調節ボルト29をリング2
8に対して適宜に回転させ、その頭部29Aを各生爪2
4の角部24Bに当接させる。
【0064】この作業は、旋盤1のオペレータにとって
は数秒もかからないで簡単に行うことができる。また、
心出し治具27は調節ボルト29の頭部29Aをアダプ
タ25側に近付けるように各生爪24間に奥深く押し込
んで行うのがよい。また、各生爪24の角部24B間で
心出し治具27の調節ボルト29の頭部29Aを強く挟
み込むように、前記チャックハンドルを適宜に回して各
爪受台23を図12中の矢示B方向に進出させる。
【0065】これにより、各生爪24は心出し治具27
からの反力で爪受台23および回転盤22にしっかりと
固定され、回転盤22を回転駆動するときに爪受台23
と生爪24とが互いに異なるモードで振動することがな
くなり、後述の如く生爪24間で円柱体30を把持して
旋盤加工を行うときとほぼ同様のモードで、回転盤2
2、各爪受台23および各生爪24を図2中の矢示A方
向に回転駆動できる。
【0066】そして、各生爪24間に心出し治具27を
把持したままの状態で、回転盤22を回転駆動しつつ、
図1に示す刃物台12を生爪24の爪先(角部24B)
側に近付け、バイトの先端で生爪24の角部24Bを削
り加工する。即ち、図12に中に二点鎖線で示す円弧
(円柱体30の外形状)に沿って各生爪24の角部24
Bはバイトにより削り加工される。
【0067】これによって、各生爪24の爪先となる角
部24Bには図3、図15に示す如き切欠き凹部31が
形成される。そして、心出し治具27を用いて各生爪2
4間の心振れ等を抑制することにより、切欠き凹部31
の曲率を加工対象物である円柱体30の曲率(半径r)
とほぼ一致させることができ、各生爪24毎の削り代
(切欠き凹部31の削り代)を均一化できると共に、そ
の爪先形状にバラツキが発生するのを抑えることができ
る。
【0068】次に、切欠き凹部31の削り加工後には、
前記チャックハンドを緩み方向に回して各爪受台23を
矢示C方向に後退させ、各生爪24の間から心出し治具
27を取外し、この状態で図13に示すように各生爪2
4間に加工対象の円柱体30を配置する。そして、今度
は前記チャックハンドルを締付け方向に回して各爪受台
23を矢示B方向に進出させ、各生爪24の切欠き凹部
31間で円柱体30を挟み込むように把持する。
【0069】次に、この状態で図2に示すように生爪チ
ャック21全体を矢示A方向に回転駆動しつつ、生爪2
4から軸方向に突出している円柱体30の外周面(生爪
24で把持されていない部分)にバイトを用いて円筒削
り等の旋盤加工を行う。
【0070】そして、例えば円柱体30の外周面を1m
m程度切り込むように円筒削りを行った場合には、この
切り込み深さ(例えば、1mm)に見合った次なる切欠
き凹部、例えば図15中に二点鎖線で示す切欠き凹部3
1′を、前回と同様の作業を繰返して削り加工し、円柱
体30の残りの加工部分(前回の旋盤加工により削り残
した部分)を前回と同様の切り込み深さをもって円筒削
りする。
【0071】これにより、円柱体30の外周面全体を均
一な円筒面に旋盤加工(円筒削り)することができ、こ
のときには例えば図15中の切欠き凹部31′が円柱体
30の外周面と曲率がぴったり一致するので、円柱体3
0の外周面に生爪24による把持痕等の傷痕が生じるの
を確実に防止でき、円筒削りした円柱体30の商品価値
を高めることができる。
【0072】また、図14に示すように小径の円柱体3
2(例えば、図10に示す心出し治具27から各調節ボ
ルト29を取外した状態のリング28よりも外径が小さ
い加工対象物)を旋盤加工する場合には、各爪受台23
を図14中の矢示B方向に移動させて各生爪24を互い
に接近させ、各生爪24を爪先(角部24B)側が円柱
体32の外径寸法よりも径方向内側に位置するように配
置する。
【0073】次に、この状態で再び回転盤22を回転駆
動しつつ、図1に示す刃物台12を生爪24の爪先(角
部24B)側に近付け、バイトの先端で生爪24の角部
24Bを削り加工する。即ち、図14に中に二点鎖線で
示す円弧(円柱体32の外形状)に沿って各生爪24の
角部24Bをバイトにより削り加工する。
【0074】これによって、各生爪24の爪先となる角
部24Bには図15中に実線で例示するように小径円弧
状の切欠き凹部33を形成できる。そして、切欠き凹部
33の曲率を加工対象物である円柱体32の曲率とほぼ
一致させることができ、各生爪24の爪先形状を均一化
して形状のバラツキ等を抑えることができる。
【0075】次に、切欠き凹部33の削り加工後には、
前記チャックハンドルを緩み方向に回して各爪受台23
を一旦矢示C方向に後退させ、この状態で図14に示す
ように各生爪24間に加工対象の円柱体32を配置す
る。そして、今度は前記チャックハンドルを締付け方向
に回して各爪受台23を矢示B方向に進出させ、各生爪
24の切欠き凹部33間で円柱体32を挟み込むように
把持し、前回とほぼ同様に円柱体32を旋盤加工する。
【0076】この場合でも、円柱体32の外周面全体を
均一な円形面に旋盤加工することができ、このときには
例えば図15中の切欠き凹部33等が円柱体32の外周
面と曲率がぴったり一致するので、円柱体32の外周面
に生爪24による把持痕等の傷痕が生じるのを確実に防
止でき、旋盤加工した円柱体32の商品価値を高めるこ
とができる。
【0077】また、生爪24を取付穴24Aを中心にし
て回転させ、アダプタ25に適宜に組付けることによ
り、生爪24の各角部24Bをそれぞれ複数の加工対象
物に対応した把持用の爪先として活かすことができる。
そして、生爪24は前述した切欠き凹部31,31′,
33等を各加工対象物の外周面にフィットさせ、加工対
象物を3方向から安定して把持することができる。
【0078】この場合、図15に示す如く切欠き凹部3
1,31′,33等は、生爪24の角部24B1 に段階
的に形成してもよく、これ以外の角部24B2 ,24B
3 ,24B4 ,24B5 ,24B6 にも選択的に削り加
工することができ、全ての角部24B1 〜24B6 を互
いに異なる形状の爪先として活用できる。
【0079】かくして、本実施の形態にあっては、旋盤
1の生爪チャック21に用いる生爪24を正六角形状を
なすブロック体から形成しているので、生爪24の合計
6個の角部24Bを互いに異なる爪先形状に削り加工で
き、それぞれの角部24Bを異なる形状の加工対象物に
対する把持用の爪先として使用できる。
【0080】そして、当該生爪24は多数の加工対象物
に対し、その外面(曲面)形状にフィットする爪先形状
に削り加工した角部24Bを選択的に用いることによ
り、加工対象物を確実に安定して把持でき、加工対象物
の表面に把持痕等の傷痕が発生するのを良好に防止する
ことができる。
【0081】また、生爪チャック21の回転盤22側に
設けたそれぞれの爪受台23と生爪24との間には、図
3に示す如くアダプタ25を配置する構成としているの
で、アダプタ25の裏面側に形成した段差部25Eおよ
び凹溝25Fを用いてアダプタ25を爪受台23に対し
容易に位置決めでき、この状態でアダプタ25上に生爪
24を配置すれば、アダプタ25のストッパ突起25C
により生爪24を廻止め状態に保持できる。
【0082】そして、その後は生爪24の取付穴24A
から固定ボルト26を挿通してボルト先端側を爪受台2
3のねじ穴23D,23Eに適宜に螺着することによ
り、生爪24をアダプタ25と共に爪受台23に強固に
締結でき、この状態で生爪24を爪受台23と一緒に回
転盤22の径方向に安定させて動かすことができる。
【0083】この場合、アダプタ25の裏面側に形成し
た段差部25Eは、爪受台23の位置合わせ溝23A、
位置合わせ面23Fのいずれかに選択的に係合し、凹溝
25Fは爪受台23の係合凸部23B,23Cのいずれ
か一方に上側から嵌合する。そして、例えば加工対象物
である円柱体30の半径rが基準寸法(例えば、50m
m)以上のときには、アダプタ25の段差部25Eを爪
受台23の位置合わせ面23Fに係合させるように取付
けることにより、アダプタ25を爪受台23に対し正確
に位置決めすることができる。
【0084】このため、爪受台23を図2中の矢示方向
大きく後退させたときには、例えば200mmにも及ぶ
外径寸法の円柱体30(例えば、半径rが100mm程
度)も、各生爪24間で挟み込むように把持でき、大径
の加工対象物にも容易に対処することができる。
【0085】また、前記半径rが基準寸法より小さいと
きには、アダプタ25の段差部25Eを爪受台23の位
置合わせ溝23Aに係合させることにより、アダプタ2
5を爪受台23に対し安定して位置決めすることができ
る。
【0086】そして、この場合には、図14に例示する
如く3個の生爪24を互いに接近させるように矢示B方
向に移動させたときに、各生爪24の爪先となる角部2
4Bが、両側の平面部24Cと共にぴったりと重なるよ
うに衝合することができ、例えば1mm程度の外径寸法
をもった加工対象物を各生爪24間で挟み込むように把
持しつつ、その外周面等を正確に旋盤加工することがで
きる。
【0087】また、アダプタ25の表面側に設けた左,
右一対のストッパ突起25C,25Cは、生爪24の各
角部24B間に位置する互いに平行な平面部24Cに
左,右両側から係合するので、生爪24の6個の角部2
4Bを選択的に爪先として用いる場合にも、それぞれに
対応した平面部24Cと係合して生爪24を廻止め状態
に保持することができる。
【0088】また、比較的外径の大きい円柱体(例え
ば、半径rが10〜20mm以上の外径を有する円筒体
または円柱体30)等を削り加工するときには、3個の
生爪24間に予め心出し治具27を配置し、各調節ボル
ト29の頭部29Aを各生爪24の爪先となる角部24
Bに当接させた状態で、各生爪24間に心出し治具27
を挟込むように挟持できる。
【0089】これにより、各生爪24を心出し治具27
からの反力で爪受台23および回転盤22にしっかりと
固定でき、回転盤22を回転駆動するときに爪受台23
と生爪24とが互いに異なるモードで振動するのを防止
できると共に、生爪24間で円柱体30等を把持して旋
盤加工を行うときにもほぼ同様のモードで、回転盤2
2、各爪受台23および各生爪24を回転駆動できる。
そして、生爪24毎の削り代を均一化でき、爪先形状に
バラツキが発生するのを抑えることができる。
【0090】従って、本実施の形態によれば、生爪24
を正六角形状のブロック体として形成することにより、
合計6個の角部24Bをそれぞれ異なる爪先形状に削り
加工でき、多数の加工対象物に対し3個の生爪24のみ
で対処できると共に、当該生爪24の汎用性を大幅に高
めることができる。
【0091】この結果、旋盤1の工場等でストックして
おくべき生爪24の個数を大幅に削減でき、工場内の限
られたスペースを有効に活かすことができる。また、生
爪24の取り替え工数を大幅に減らすことができ、旋盤
1を用いた加工時の作業性を高め、生産性を向上するこ
とができる。
【0092】次に、図16ないし図22は本発明の第2
の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施
の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0093】しかし、本実施の形態の特徴は、生爪24
の下面側に複数の係合穴41,41,…を設け、アダプ
タ42には該各係合穴41に選択的に係合して生爪24
の廻止めを行うスプリング付勢式のロック機構43を設
ける構成としたことにある。
【0094】ここで、各係合穴41は、図18に示す如
く生爪24の取付穴24Aと角部24Bとの間に形成さ
れた有底穴からなり、取付穴24Aの周方向にほぼ60
度の間隔をもって配設されている。そして、係合穴41
の穴径は後述するボール44の外径寸法にほぼ対応して
いるものである。
【0095】また、アダプタ42は第1の実施の形態で
述べたアダプタ25に対しストッパ突起25Cを除いて
ほぼ同様に構成され、挿通穴42A、ボス部42B、角
部42C、段差部42D、凹溝42E、切欠溝42F、
浅底溝42G,42Gおよび環状溝42H等を有してい
る。
【0096】しかし、アダプタ42には、生爪24に形
成した係合穴41と対応する位置に小径のボール収容穴
42J(以下、収容穴42Jという)がアダプタ42の
板厚方向に穿設されている。そして、収容穴42Jは、
図22に示す如く上端側がボール44の外径よりも僅か
に小径に形成され、ボール44が収容穴42Jから抜け
出るのを防ぐ構成となっている。
【0097】また、スプリング付勢式のロック機構43
は、図22に示す如く収容穴42J内に挿入された鋼球
等からなるボール44と、収容穴42Jの下端側に螺合
され、収容穴42Jを下側から閉塞した栓具45と、収
容穴42J内に位置してボール44と栓具45との間に
配設されたスプリング46とから構成されている。
【0098】この場合、ボール44はスプリング46に
より図22に示す如く常時上向きに付勢され、スプリン
グ46の付勢力は栓具45の螺合位置に応じて調整され
る。そして、アダプタ42に設けたロック機構43のボ
ール44は、生爪24の各係合穴41のうちいずれかに
選択的に係合し、この状態で生爪24をアダプタ42に
対し廻止め状態に保持することができる。
【0099】かくして、このように構成される本実施の
形態にあっても、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作
用効果を得ることができ、生爪24の各角部24Bをそ
れぞれ異なる爪先形状に削り加工できると共に、多数の
加工対象物に対し3個の生爪24のみで対処でき、当該
生爪24の汎用性を大幅に高めることができる。
【0100】即ち、本実施の形態にあっても、図16に
例示したように回転盤22に設けた爪受台23に対しア
ダプタ42を介して生爪24を組付け、この状態で生爪
24の取付穴24A、アダプタ42の挿通穴42A内に
固定ボルト26を挿通し、その先端側を爪受台23のね
じ穴23Dまたは23Eに螺着する。
【0101】これにより、固定ボルト26で生爪24を
爪受台23にアダプタ42を介して強固に締着でき、ア
ダプタ42に設けたロック機構43のボール44は、生
爪24の係合穴41に係合することによって、この状態
で生爪24をアダプタ42に対し廻止め状態に保持する
することができる。
【0102】また、例えば固定ボルト26を緩めたとき
には、生爪24をアダプタ42上でボス部42Bを中心
として回転させれば、ロック機構43のボール44を生
爪24の下面によりスプリング46に抗して押圧し、生
爪24をアダプタ42上で相対回転することができる。
【0103】そして、例えば生爪24を60度程度回転
させたときには、ロック機構43のボール44を次なる
係合穴41に係合でき、この状態で生爪24をアダプタ
42に対し再び廻止め状態に保持できる。これにより、
アダプタ42に対する生爪24の廻止め位置を簡単に変
えることができ、生爪24の各角部24Bを把持用の爪
先として選択的に使用できる。
【0104】なお、前記各実施の形態では、旋盤1用の
生爪チャック21に適用した場合を例に挙げて説明した
が、本発明はこれに限るものではなく、例えばボール
盤、マシニングセンタ等の各種の工作機械にも適用で
き、加工対象物としては薄物、厚物を問わずに適用でき
るものである。
【0105】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、生爪チャックに用いる生爪を正六角形状の
ブロック体により形成し、その中心側には爪受台への取
付穴を設け、外周縁側には取付穴を中心とした正六角形
状の角部を設ける構成としたので、正六角形のブロック
体からなる生爪の各角部を互いに異なる爪先形状に削り
加工でき、それぞれの角部を異なる形状の加工対象物に
対する把持用の爪先として使用できる。そして、生爪は
多数の加工対象物に対し、その外面(曲面)形状にフィ
ットする爪先形状の角部を選択的に用いることにより、
加工対象物を確実に安定して把持でき、加工対象物の表
面に把持痕等の傷痕が発生するのを防止できる。
【0106】従って、生爪を多数の加工対象物に対し高
い汎用性をもって使用でき、工作機械の工場等でストッ
クしておくべき生爪の個数を削減し、工場内の限られた
スペースを有効に活かすことができると共に、生爪の取
り替え工数を大幅に減らすことができ、作業性を高め、
生産性を向上することができる。
【0107】また、請求項2に記載の発明は、爪受台と
生爪との間にアダプタを設ける構成としているので、ア
ダプタの裏面側に形成した位置決め部によりアダプタを
爪受台に対して位置決めでき、この状態でアダプタ上に
生爪を配置すれば、アダプタの保持部により生爪を廻止
め状態に保持できる。そして、その後は生爪の取付穴か
ら固定ボルト等を挿通してボルト先端側を爪受台に螺着
することにより、生爪をアダプタと共に爪受台に強固に
締結でき、この状態で生爪を爪受台と一緒に回転盤の径
方向に動かし生爪チャックとして作動することができ
る。
【0108】また、請求項3に記載の発明は、アダプタ
の保持部を、生爪の各角部間に位置する互いに平行な平
面部に左,右両側から係合して前記生爪の廻止めを行う
一対のストッパ突起により構成しているため、アダプタ
の表面側に設けた左,右一対のストッパ突起を、生爪の
互いに平行な平面部に左,右両側から係合させ、生爪を
廻止め状態に保持でき、生爪を爪受台に安定させて固定
することができる。
【0109】一方、請求項4に記載の発明によると、生
爪には取付穴と各角部との間に間隔をもって複数の係合
穴を設け、アダプタの保持部は該各係合穴に選択的に係
合して前記生爪の廻止めを行うスプリング付勢式のロッ
ク機構により構成しているので、アダプタに設けたスプ
リング付勢式のロック機構により生爪を廻止め状態に保
持でき、爪受台に安定させて固定することができる。そ
して、例えば固定ボルトを緩めたときには、生爪をアダ
プタ上で前記スプリングに抗して回転することができ、
これによって、生爪の廻止め位置を簡単に変えることが
でき、生爪の各角部を把持用の爪先として選択的に使用
できる。
【0110】さらに、請求項5に記載の発明は、各爪受
台に取付けた3個の生爪間には、加工対象物の曲率に沿
って各生爪の角部を削り加工するときに前記各生爪間に
挟持状態で配置される心出し治具を取外し可能に設ける
構成としているため、外径の比較的大きい円筒体または
円柱体等を削り加工するとき等には、3個の生爪間に予
め心出し治具を配置し、各調節ボルトの頭部を各生爪の
爪先となる角部に当接させた状態で、各生爪間に心出し
治具を挟込むように挟持できる。そして、この状態で回
転盤を回転させることにより、円筒体(加工対象物)の
曲率に沿って各生爪の角部を削り加工でき、角部毎の削
り代を均一化できると共に、爪先形状にバラツキが発生
するのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による生爪チャック
が適用された旋盤を示す全体図である。
【図2】図1中の生爪チャックを単体で示す斜視図であ
る。
【図3】図2に示す回転盤、爪受台、生爪、アダプタお
よび固定ボルト等の分解斜視図である。
【図4】図3に示す生爪の平面図である。
【図5】図4に示す生爪の底面図である。
【図6】図3に示すアダプタの平面図である。
【図7】図6に示すアダプタの底面図である。
【図8】図4の生爪を矢示VIII−VIII方向から拡大して
示す断面図である。
【図9】図6のアダプタを矢示IX−IX方向から拡大して
示す断面図である。
【図10】心出し治具を示す平面図である。
【図11】図10に示す心出し治具の斜視図である。
【図12】心出し治具を生爪チャックに取付けた状態を
示す正面図である。
【図13】加工対象となる大径の円柱体を把持した状態
の生爪チャックを示す正面図である。
【図14】加工対象となる小径の円柱体を把持した状態
の生爪チャックを示す正面図である。
【図15】爪先を削り加工した状態の生爪を拡大して示
す斜視図である。
【図16】第2の実施の形態による生爪チャックの回転
盤、爪受台、生爪、アダプタおよび固定ボルト等を示す
分解斜視図である。
【図17】図16に示す生爪の平面図である。
【図18】図17に示す生爪の底面図である。
【図19】図16に示すアダプタの平面図である。
【図20】図19に示すアダプタの底面図である。
【図21】図17の生爪を矢示XXI−XXI方向から拡大し
て示す断面図である。
【図22】図19のアダプタを矢示XXII−XXII方向から
拡大して示す断面図である。
【符号の説明】 1 旋盤(工作機械) 2 基台 3 ベッド 4 主軸台 5 主軸 12 刃物台 21 生爪チャック 22 回転盤 23 爪受台 24 生爪 24A 取付穴 24B 角部 24C 平面部 25,42 アダプタ 25A,42A 挿通穴 25B,42B ボス部 25C ストッパ突起(保持部) 25E,42D 段差部(位置決め部) 25F,42E 凹溝(位置決め部) 26 固定ボルト 27 心出し治具 28 リング 29 調節ボルト 30,32 円柱体(加工対象物) 31,31′,33 切欠き凹部 41 係合穴 43 ロック機構(保持部)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械の主軸と一体に回転する回転盤
    と、加工対象物を3方向から把持するため該回転盤の周
    方向に間隔をもって設けられ該回転盤の径方向に進退さ
    れる3個の爪受台と、該各爪受台にそれぞれ着脱可能に
    設けられ前記加工対象物を3方向から挟込むように把持
    する3個の生爪とからなる工作機械用生爪チャックにお
    いて、 前記生爪は、中心側に前記爪受台への取付穴を有し、外
    周縁側が該取付穴を中心として正六角形状をなす角部と
    なったブロック体により構成したことを特徴とする工作
    機械用生爪チャック。
  2. 【請求項2】 前記爪受台と生爪との間には、表面側に
    該生爪を爪受台上で廻止め状態に保持する保持部を有す
    ると共に、裏面側には前記爪受台に対して位置決めされ
    る位置決め部を有するアダプタを設けてなる請求項1に
    記載の工作機械用生爪チャック。
  3. 【請求項3】 前記アダプタの保持部は、前記生爪の各
    角部間に位置する互いに平行な平面部に左,右両側から
    係合して前記生爪の廻止めを行う一対のストッパ突起に
    より構成してなる請求項2に記載の工作機械用生爪チャ
    ック。
  4. 【請求項4】 前記生爪には前記取付穴と各角部との間
    に間隔をもって複数の係合穴を設け、前記アダプタの保
    持部は該各係合穴に選択的に係合して前記生爪の廻止め
    を行うスプリング付勢式のロック機構により構成してな
    る請求項2に記載の工作機械用生爪チャック。
  5. 【請求項5】 前記各爪受台に取付けた3個の生爪間に
    は、前記加工対象物の曲率に沿って各生爪の角部を削り
    加工するときに前記各生爪間に挟持状態で配置される心
    出し治具を取外し可能に設け、該心出し治具は、環状の
    リングと、該リングに3方向から螺合して設けられ頭部
    側が前記生爪の角部に当接するように該リングの径方向
    に進退される3個の調節ボルトとにより構成してなる請
    求項1,2,3または4に記載の工作機械用生爪チャッ
    ク。
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