JP4222916B2 - 難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、より安全性の高い難燃剤を使用し、押出発泡されたスチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは難燃剤として、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)及び、トリス(トリブロモネオペンチルホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物との混合難燃剤を使用して得られる低密度で、良好な厚みを有し、JIS A9511:1995「発泡プラスチック保温材」測定方法A記載の方法による燃焼性(以下、「JIS A9511の燃焼性」と称する場合がある。)を満足している環境適合性が高い板状スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法に関する。
従来からスチレン系樹脂発泡板は建築用断熱材に汎用されており、このスチレン系樹脂発泡板は、スチレン系樹脂を押出機に供給して溶融、混練した後、この溶融状熊のスチレン系樹脂に発泡剤を圧入した上で押出機から発泡させて製造している。
建材分野で用いられる発泡体は、難燃性が必須であることから、難燃剤を添加して製造されている。
従来、押出発泡用難燃剤としては、耐熱性が良好で、少量の添加によって難燃効果が発揮されることからヘキサブロモシクロドデカンが好適に使用されてきた。
しかし、この難燃剤は、難分解性、高蓄積性のある材料であるため、環境適合性に乏しく、使用が制限される可能性があり、易分解性で、低蓄積性の代替難燃剤が望まれている。
この代替難燃剤として、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)が挙げられる(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
特開平6−25456号公報
特開平6−25458号公報
特公平7−91407号公報
特開平11−130898号公報
しかし、これらはすべて、押出発泡ではなく発泡性樹脂粒子の型内発泡である。
型内発泡の場合、かかる発泡温度は110℃程度であることから、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)の分解開始温度が180℃であることからすると、難燃剤の分解は起こらない。
しかし、押出発泡においてはスチレン樹脂を溶融させるときに、200〜230℃の温度がかかるためテトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)を使用して、前記JIS A9511:1995の燃焼性を満足するだけの難燃剤量を添加すると、難燃剤が分解し、そのラジカルがスチレン樹脂と反応し、スチレン樹脂も分解され、色が黄色になり、また分子量が著しく低下して、割れやすい発泡体しか得られない。
トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートも先行文献に記載されているが(特許文献5)、これは、非発泡であり、添加部数も多く、またトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート及び無機難燃相乗剤の構成で提供されている。
特開平4−164948号公報
テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)についても先行文献に記載されているが(特許文献6)、これは三酸化アンチモンとの組み合わせにおいて用いられている。これ自身の難燃性は、ヘキサブロモシクロドデカンに比べて悪い為に、多量の添加を行わなくては、前記JIS A9511:1995の燃焼性を満足することができないことから、そうなると、発泡に影響を及ばし、低密度の発泡体が得られない。
特開平4−292646
本発明の課題は、環境適合性に優れ、難燃性に優れたポリスチレン系樹脂押出発泡体を提供するところにあり、また本発明の課題は、このポリスチレン系樹脂発泡体を押出発泡によって安定的に製造することができる製造方法を提供するところにある。
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明によれば、
スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を添加し、押出機から押出発泡してなるスチレン系樹脂発泡体であって、
前記発泡剤として炭素数が3〜5である飽和炭化水素を少なくとも1種含有し、かつ、
スチレン系樹脂100重量部に対して、3重量部以上10重量部以下の難燃剤を含有し、
前記難燃剤が、該難燃剤全量に対して、5重量%以上30重量%以下のテトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)と、70重量%以上95重量%以下のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物と
を含むことを特徴とする難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体
が提供される。
難燃剤として、5重量%以上30重量%以下のテトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)及び、70重量%以上95重量%以下のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物との混合難燃剤をスチレン系樹脂100重量部に対し、3重量部以上10重量部以下添加することで、難燃効果について相乗効果が得られ、より少ない添加量においてJIS A9511に記載された燃焼性を満足することができる。
JIS A9511記載の燃焼性を満足する為には、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)単体では、3重量部以上必要になるが、かかる場合、スチレン樹脂が分解して発泡し難くなり、良好な発泡体が得られない。また、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート単体又はテトラブロモビスフェノールA‐ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)単体及びそれらの混合物だけでは、15重量部以上必要になるが、このように多量の添加では可塑効果が大きく、押出発泡後収縮が発生し良好な発泡体が得られない。
テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)と併用する臭素系難燃剤の違いによって、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)を少しずつ添加部数を上げても難燃効果が上がるものと、上がらないものがあり、本発明はその中でテトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)と併用して難燃性に効果のあった安全性の高い臭素系難燃剤として、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)の2種類を見出したものである。
これらの難燃剤は、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)を0.2重量部ずつ増やしていくと、難燃効果が上がる。しかしその他の臭素系難燃剤においては、はじめの0.2重量部添加で難燃効果が上がるが、その後添加部数を上げても難燃効果が得られず、結果として難燃効果としてもトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、(テトラブロモビスフェノールA‐ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)の2種の少なくとも1種とテトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)との併用に比べて劣り、本発明の組み合わせが少量の添加においてより高い難燃性が得られる
難燃剤は、既述の通り、スチレン系樹脂に対して3重量部以上10重量部以下、好ましくは4重量部以上8重量部以下の範囲で含有する。難燃剤の含有量が3重量部より少ないと、JIS A9511の難燃性が得られない。また当該含有量が10重量部より多くなると、可塑効果が大きくなり、発泡体の収縮が発生し、良好な発泡体が得られない。
それぞれの難燃剤の比率としては、既述の通り、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)が、難燃剤全量に対して、5重量%以上30重量%であり、
トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)の2種類の少なくとも1種については、70重量%以上95重量%以下である。テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)の比率が5重量%未満であると、JIS A9511の難燃性を満足しない。また30重量%より大きくなると、スチレン系樹脂の劣化が大きくなり、発泡倍率が上がり難くなったり、良好な発泡体が得られない。
本発明によれば、環境適合性に優れ、難燃性に優れたポリスチレン系樹脂押出発泡体を安定的に製造することが可能となる。
スチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらスチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビエルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸、アクリルアミド等が挙げられる。なお、共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体の何れであってもよい。又、上記スチレン系樹脂が50重量%以上含有しておれば、スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を添加させてもよい。
より難燃性を高める為に、難燃助剤としてリン酸エステル系化合物を添加することができる。リン酸エステル系化合物の含有量としては、0.1重量部以上5重量部以下が好ましく、0.5重量部以上3重量部以下がさらに好ましい。リン酸エステル系化合物の含有量が、0.1重量部より小さいと、難燃性をより高めることが困難である。またリン酸エステル系化合物が5重量部より多いと、可塑効果が大きくなり、発泡後収縮が発生し、良好な発泡体が得難い。
上記リン酸エステル系化合物としては、トリフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェートが挙げられる。リン酸エステル系化合物としてはトリフェニルホスフェートが好ましい。
より難燃剤の熱安定性を改善するために、熱安定剤を添加してもよい。またさらに難燃効果を上げる為に、難燃助剤の添加を行ってよい。
発泡剤は、炭素数が3〜5である飽和炭化水素としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタンを挙げることができる。
一方、低密度の発泡体内の前記炭素数が3〜5である飽和炭化水素の総残ガス量を3.5重量%以下にするためには、その他の発泡剤を併用する必要がある。併用するその他の発泡剤としては、不燃性のもの又は可燃性ならば発泡体から速やかに逸散して発泡体に残留し難いものが好ましく、例えばジメチルエーテル、塩化メチル、1,1,1,2テトラフルオロエタン、炭酸ガスの中から少なくとも1種を使用することが好ましい。
スチレン系樹脂100重量部に対して、炭素数が3〜5である飽和炭化水素を2〜6重量部と、前記その他の発泡剤の少なくとも1種を4〜10重量部とを使用することで、発泡体内の炭素数が3〜5である飽和炭化水素の総残ガス量を3.5重量%以下にすることができる。
発泡体内の残ガス量は、炭素数が3〜5である飽和炭化水素の総量が3.5重量%以下であることが好ましい。炭素数が3〜5である飽和炭化水素の総量が3.5重量%より多くなると、JIS A9511で示された燃焼性を満足することが困難となる。
一方、これら残ガス量は、発泡体の断熱性向上に効果があり、少ないと断熱性が低下するので、1.5重量%以上であることが好ましい。
本発明の好ましい態様のポリスチレン系樹脂押出発泡体は、スチレン系樹脂100重量部に対して、
難燃剤として、5重量%以上30重量%以下のテトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)と、70重量%以上95重量%以下のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物との混合難燃剤を3重量部以上10重量部以下含み、
発泡体中に炭素数3〜5の飽和炭化水素を3.5重量%以下含むことを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡体である。
また、本発明の好ましい態様のポリスチレン系樹脂押出発泡体は、スチレン系樹脂100重量部に対して、
難燃剤として、5重量%以上30重量%以下のテトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)と、70重量%以上95重量%以下のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物との混合難燃剤を3重量部以上10重量部以下含み、
リン酸エステル系化合物を0.1重量部以上5重量部以下含み、及び
発泡体中に炭素数3〜5の飽和炭化水素を3.5重量%以下含むことを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡体である。
また、本発明の好ましい態様の製造方法は、スチレン系樹脂に難燃剤を加え、加熱溶融させ、発泡剤を添加し、押出機から押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、
前記スチレン系樹脂100重量部に対して、
(a)難燃剤として、5重量%以上30重量%以下のテトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)と、70重量%以上95重量%以下のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物との混合難燃剤を3重量部以上10重量部以下、
(b)発泡剤として、炭素数3〜5の飽和炭化水素を2〜6重量部、及び、ジメチルエーテル、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、炭酸ガスの中から選ばれる少なくとも1種を4〜10重量部
を用いて押出発泡する製造方法である。
また、本発明の好ましい態様の製造方法は、スチレン系樹脂に難燃剤及びリン酸エステル系化合物加え、加熱溶融させ、発泡剤を添加し、押出機から押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、
スチレン系樹脂100重量部に対して、
(a)難燃剤として、5重量%以上30重量%以下のテトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)と、70重量%以上95重量%以下のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物との混合難燃剤を3重量部以上10重量部以下、
(b)リン酸エステル系化合物を0.1重量部以上5重量部以下、
(c)発泡剤として、炭素数3〜5の飽和炭化水素を2〜6重量部、及び、ジメチルエーテル、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、炭酸ガスの中から選ばれる少なくとも1種を4〜10重量部
を用いて押出発泡する製造方法である。
なお、上記スチレン系樹脂発泡体には、その物性を損なわない範囲内において、タルク、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化チタン、グラファイト、ベントナイト等の気泡調整剤、フェノール系抗酸化剤、耐候性安定剤、ステアリン酸モノグリセライド等の帯電防止剤、顔料等の着色剤、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩等の添加剤が含有されてもよい。
(実施例1〜9、比較例1〜6)
口径が50mmの第一押出機の先端に口径65mmの第二押出機を接続してなるタンデム押出機の第一押出機に、ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−18」)100重量部、発泡核剤としてタルク0.5重量部、難燃剤として表1及び表2に示した難燃剤種と難燃剤の量を供給して溶融混練すると共に、第一押出機内に表1及び表2に示した物理発泡剤の種類、量をそれぞれ圧入して、溶融状態のポリスチレンと物理発泡剤とを混合混練した上で、このポリスチレンを第二押出機に連続的に供給して溶融混練しつつ発泡に適した樹脂温度に冷却した後、第二押出機の先端に取り付けた幅70mm、厚み1.2mmの口金を有するダイから35kg/時間の押出量(吐出量)で、ダイに密接させて配設された、上下方向に30mmの間隔を存して平行に配設された上下一対のサイジングプレートの対向面間に連続的に供給し、発泡成形して、厚み28mm、幅170mmのスチレン系樹脂板状発泡体を製造した。
なお、比較例1〜4、6では、発泡状態が悪く良好な発泡体が成形できなかった。
次に、各実施例及び各比較例のポリスチレン系樹脂押出発泡体について、燃焼性、飽和炭化水素の残ガス量、密度について、それぞれ測定した。
[燃焼性]
JIS A9511の燃焼性は、既述の通り、JIS A9511:1995「発泡プラスチック保温材」測定方法A記載の方法で測定した。具体的には、まず、発泡体の表皮部分を除いて、発泡体から厚さ10mm、長さ200mm、幅25mmの試験片を5個切り出し、規定の着火限界指示線及び燃焼限界指示線を付ける。試験片を火源用ろうそくで着火限界指示線まで燃焼させた後、炎を後退させ、その瞬間から炎が消えるまでの時間(秒)を測定する。
なお、JIS A9511:1995の燃焼性を満足するためには、上記測定条件に基づき、各試験片とも3秒以内に炎が消えて、残じんがなく、燃焼限界指示線を超えて燃焼しないことが必要とされる。表1及び表2に、当該評価基準に基づき、各試験片について燃焼性の満足の有無を示した。5個の試験片すべてについて上記評価基準に適合するものを燃焼性の満足があるものとして評価した。また、同燃焼性評価欄には、燃焼性を満足したものについて5個の試験片の時間の平均も併記した。なお、これらの燃焼性の評価は、押出後14日経過した発泡体について行った。
[飽和炭化水素の残ガス量]
次に、飽和炭化水素の残ガス量の測定方法は、押出発泡後30日経過したスチレン系樹脂発泡板の両面から、該スチレン系樹脂発泡板の両面と、この両面のそれぞれから厚み方向の内側に2mmだけ入った部分との間にある表層部分を除外し、この表層部分が除外されたスチレン系樹脂発泡板から、押出方向に35mm、スチレン系樹脂発泡板の表面に沿いかつ押出方向に直交する方向に5mm、厚み方向に5mmの大きさを有する直方体の試験片を切り出し、その試験片の重量を測定した。そして、上記試験片を150℃の熱分解炉(島津製作所社製 商品名「PYR‐1A」)に供給してガスクロマトグラフィー(島津製作所社製 商品名「GC‐14B」)からチャートを得、ブタンの場合は、予め測定したブタンの検量線に基づいて上記チャートから試験片中のブタン量を算出し、以下の式に基づいて求めた。
(ブタン残ガス量)=100×試験片中のブタン量/試験片重量
[密度]
次に、密度の測定方法は、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法に準拠して測定した。
Figure 0004222916
Figure 0004222916

なお、表1及び表2中、
TBBA−AE:テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)
TBNP:トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート
TBBA−DBPE:テトラブロモビスフェノールA‐ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)
TPP:トリフェニルホスフェート
134a:1,1,1,2−テトラフルオロエタン
である。
表1及び表2より、実施例はいずれも、環境適合性に優れ、ヘキサブロモシクロドデカンと同様に、少量の添加によって難燃性に優れたポリスチレン系樹脂押出発泡体を得ることが認められる。
これに対して、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)単体を含む比較例1では、スチレン樹脂が分解して発泡性が悪く、良好な発泡体が得られなかった。また、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート単体、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)単体では、JIS A9511:1995の燃焼性を満足せず、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート単体を含む比較例4やテトラブロモビスフェノールA‐ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)との混合物を含む比較例5も、JIS A9511記載の燃焼性を満足するために多量に添加したために、可塑効果が大きく、押出発泡後収縮が発生し良好な発泡体が得られなかった。
さらに、難燃剤含有量(添加量)がスチレン系樹脂に対して3重量部より少ない比較例7は、JIS A9511に示された難燃性が得られていない。また当該含有量(添加量)が10重量部より多い比較例8は、可塑効果が大きくなり、発泡体の収縮が発生し、良好な発泡体が得られなかった。
また、テトラブロモビスフェノールA‐ビス(アリルエーテル)が、難燃剤全量に対して5重量%未満であるとJIS A9511の難燃性を満足しないが、他方、30重量%より大きい比較例6は、スチレン系樹脂の劣化が大きくなり、良好な発泡体が得られなかった。
なお、本発明のスチレン系樹脂発泡体の密度は、低いと、断熱性が低下することがあり、又、高いと、強度が不足したりすることがあるので、25〜45kg/mが好ましい。
本発明した難燃性ポリスチレン系樹脂発泡体は、例えば住宅の断熱材、一般建築材料、畳の心材として使用される。

Claims (6)

  1. スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を添加し、押出機から押出発泡してなるスチレン系樹脂発泡体であって、
    前記発泡剤として炭素数が3〜5である飽和炭化水素を少なくとも1種含有し、かつ、
    スチレン系樹脂100重量部に対して、3重量部以上10重量部以下の難燃剤を含有し、
    前記難燃剤が、該難燃剤全量に対して、5重量%以上30重量%以下のテトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)と、70重量%以上95重量%以下のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物と
    を含むことを特徴とする難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体。
  2. スチレン系樹脂100重量部に対して、リン酸エステル系化合物を0.1重量部以上5重量部以下含有することを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体。
  3. 発泡体に含まれる炭素数が3〜5である飽和炭化水素の総残ガス量が3.5重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体。
  4. JIS A9511の燃焼性を満足する請求項1乃至3のいずれかの項に記載の難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体。
  5. スチレン系樹脂に難燃剤を加え、加熱溶融させ、発泡剤を添加し、押出機から押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、
    スチレン系樹脂100重量部に対して、
    (a)難燃剤として、5重量%以上30重量%以下のテトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)と、70重量%以上95重量%以下のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート又はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3ジブロモプロピルエーテル)又はそれらの混合物との混合難燃剤を3重量部以上10重量部以下、
    (b)発泡剤として、炭素数3〜5の飽和炭化水素を2〜6重量部、及び、ジメチルエーテル、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、炭酸ガスの中から選ばれる少なくとも1種を4〜10重量部使用する
    ことを特徴とする難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  6. 前記ポリスチレン系樹脂100重量部に対して、更にリン酸エステル系化合物を0.1重量部以上5重量部以下を難燃剤とともに加えることを特徴とする請求項5記載の難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
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