JP4219340B2 - 放電管用の並列点灯用モジュール及びバランサコイル - Google Patents

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Description

本発明は、本願出願人の出願に係る特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)発明の利用発明に係り、液晶テレビ及び面光源の放電管用の並列点灯用モジュール及びバランサコイルに関するものである。
バランサコイルは熱陰極管においては一般的に用いられており、公知であるが、当初は電圧が低い放電管が対象であり、また形状が小型ではなかった。
冷陰極管用途では小型が求められ、かつ、冷陰極管の駆動電圧が高いために、熱陰極管では配慮の必要のなかった寄生容量について配慮しなければならなくなった。
冷陰極管のような高電圧でハイインピーダンスを必要とする放電管用途においては、寄生容量は冷陰極管との配線のみならず、バランサコイルの巻線間寄生容量に対する配慮も重要となる。
冷陰極管用途として、バランサコイルの提案は複数提案されていたが、いずれの提案も非常に不安定であり、冷陰極管用途における実用化は容易でないことがうかがわれる。
その主たる理由はその効果が不安定なことにある。他方、効果が安定しているものにあっては市場要求に見合うだけの小型・薄型形状が実現できないことにある。
又、バランサコイルに関する当業者の認識として代表的なものは特開平7−45393号(特許第3291852号)公報がある。
当該先行技術の公報における図4は図18に該当するものであるが、冷陰極管におけるバランサコイルにおいて、それぞれのコイルN1、N2間のインダクタンス差を少なくすることが重要であるということが開示されている。そして、当該公報中の図4を例にとれば、二つの各コイルを交互に巻き上げることによってそれを実現しようとしている。
当該先行技術おける開示例のような構成は同時に結合係数を高くすることを目的としているものとも考えられ、当業者における認識では結合係数が大きいことが冷陰極管用バランサコイルにおいて重要であるとされていた。
そのようなところから、コイル間の結合係数を高くするために、バランサコイルの形状は直方体に近い形状が理想とされていた。
例えば、図19は、本発明の発明者が特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書で開示したものを除けば、これまでで最も小型とされている冷陰極管用バランサコイルの先行技術の一例である。
当該先行技術においては、バランサコイルの各コイルは、セクションがなく、層巻としてあり、また、結合係数を高くするために形状は直方体に近い形状としてある。
つまり、先行技術においては結合係数を高くすることが重要であるという技術的思想に基づいているので扁平な形状は敬遠され、またコイルをセクション構造にすることも結合係数が低下するとして同様に敬遠されていた。
また、結合係数を低下させないために層巻としなければならないとされていた。
一方、多灯の冷陰極管を並列駆動するための先行技術は、本願発明者によって発明された特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の他に、特開2003−31383公報に開示されている。
特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の図4は、図20に相当するものであるが、多数のバランサコイルを循環状に接続したものを開示し、又、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の図6は、図21に相当するものであるが、3本又はそれ以上のコイルの磁束を対向させる技術を開示している。
そして、特開2003−31383公報のFig6は、図22に相当するものであるが、巻線W1〜Wnは同一のコアに巻かれ、巻数は均しいことが開示されている。
熱陰極管においてバランサコイルを応用することは容易であり、それは主に熱陰極管が低電圧及び低インピーダンスで駆動可能だからである。また、熱陰極管の応用においては小型化を特に必要としない。その意味でバランサコイルの形状は大きくても良く、また熱陰極管のインピーダンスに比較したバランサコイルのインダクタンス(或いはインバータ回路の動作周波数におけるリアクタンス)は特段の配慮をしなくても十分に大きいものとなり、バランサとして十分な性能を発揮することが容易である。
しかし、冷陰極管における応用においては、冷陰極管の駆動電圧が高くハイインピーダンスであるところからバランサに求められるリアクタンスも大きく、また、高圧の各部や巻線に発生する寄生容量の影響が無視できない。
また、主としての用途が液晶テレビ用バックライトなど精密用途であるために、バランサに求められる形状も小型あるいは扁平型の形状が求められている。
さらに、バランサコイルに接続された冷陰極管のうちの一方が不点灯となった場合にはバランサコイルのコアが飽和し、それによってコアロスが増えて温度が上昇するが、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書で開示するように、その温度上昇を抑えるためにもコア形状は小型でなければならない。
一方、バランサの技術に関して当業者における認識も必ずしも正しいとは限らない。
典型的な例は、本願発明者によって発明された特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書で開示されているように、先行技術における当業者の認識はバランサに必要とされるリアクタンスを冷陰極管の積分インピーダンスの数倍以上という過剰な設定をすることである。これに関しては、冷陰極管の微分インピーダンスである負性抵抗特性をバランサのリアクタンスの和が上回ることが必須の条件であり、冷陰極管のバックライトへの組み込み時インピーダンス特性を管理・測定することで確実な分流特性を確保することが開示されている。
しかし、さらに特許第3291852号公報にあるように、分流・均衡特性の効果を発揮する主たるパラメータを結合係数や巻線パラメータの均等性に求める技術思想が根強くあり、バランサコイルの形状には多くの制約があるものと考えられていた。
そのようなところから、バランサコイルはセクション構造であってはならないものであり、結合係数を高めるために直方体形状に近くなければならないとされていた。
また、特許第3291852号公報で開示のような構造や多くの先行技術においては耐圧構造を取ることが難しく、また、本願出願人の出願に係る特願2004−79571明細書で開示の図4に相当する図23における高耐圧のバランサコイルを実現することは難しかった。
しかし近年、バランサコイルにおいて重要なものは相互インダクタンスであって結合係数ではないことは中華民国特許第521947号明細書の開示により明確になっている。
一方、冷陰極管用のバランサコイルにおいては冷陰極管のインピーダンス及び負性抵抗が熱陰極管と比べても遥かに大きく、非常に大きな相互インダクタンスが必要である。
このため、冷陰極管用バランサコイルは極細線を多数巻く必要があり、このために巻線管に発生する寄生容量(いわゆる分布容量)が無視できなくなっていた。
ここで、巻線間の寄生容量と巻線の自己インダクタンスとの間で共振を起こすことは自己共振として公知である。
バランサコイルの場合、この自己共振周波数がバランサコイルで使用される周波数よりも低くなると、バランサコイルが分流特性及び均衡特性を失うが、当業者においてはこのような知見が公知であるとは言い難く、先行技術には全く開示が無かった。
冷陰極管用のバランサコイルに関する先行技術にはこの点に関しての開示がなく、冷陰極管用のバランサコイルが不安定で実用化できないといった原因の多くが相互インダクタンスを確保しようとするあまり、巻線を巻き過ぎることから起きていた。
つまり、巻線を巻き過ぎることからバランサコイルの自己共振周波数が低くなり過ぎることにより分流・均衡効果を失っていたためである。即ち、冷陰極管用のバランサコイルには冷陰極管の特性に対して適正な巻数の範囲があり、それよりも巻き過ぎても巻き足りなくても分流・均衡効果を失うわけである。
ところで、一般的知見として、コア形状が大きい場合には実効的な透磁率が大きくなるということが知られている。
バランサコイルの場合、十分に大きな形状のコア及びコイルを用いて構成した場合は少ない巻数で大きなインダクタンスが得られるので、巻線間寄生容量は少なくなり、自己共振周波数を高くすることができる。そのため、分流効果を有するインダクタンスとして過剰な設定をした場合でも問題なく効果を有する場合がある。即ち、大きなコアでバランサコイルを構成すれば、バランサコイルが分流・均衡効果を有する範囲が広いわけである。また、このように十分に大きいバランサコイルを用いた点灯実験は従前からたびたび行なわれている。
一方、冷陰極管用途としてのバランサコイルには小型、或いは、扁平な形状が求められるが、これらの条件はバランサコイルが分流・均衡の効果を有する範囲を狭くするものである。即ち、小さい形状のコア、扁平形状、細長い形状などはいずれも実効透磁率を小さくするものであり、その結果としてごく細い銅線を多数巻かなければならなくなる。
冷陰極管用途の場合は高電圧・高インピーダンスなので、大きなインダクタンスを必要とするために巻数が多くなるが、このことは同時に巻き線間寄生容量が大きくなって自己共振周波数が低くなることを伴う。
ここで自己共振周波数が低くなり過ぎると、バランサコイルは分流・均衡効果を失う。そのために、冷陰極管用途という特殊な用途において巻き過ぎは禁物であり、過剰なインダクタンス設定はかえって分流均衡効果を阻害することになる。
そのために、小型化したバランサコイルにおいて、安定した分流・均衡効果を得るためには特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書で開示するように、冷陰極管の負性抵抗特性を管理して適正な範囲のインダクタンス値設定をすることが必須となるわけである。
このようにバランサコイルの自己共振周波数は冷陰極管用バランサコイルの小型化を阻害する要因であった。
図19は一つの例であるが、ちなみにこのバランサの特性を示すと、各コイルのインダクタンス値は200mHであり自己共振周波数は図24に示すように概ね60kHzであることがわかる。また、各コイルは層巻としている。層巻にしている結果、自己共振周波数は低くなっている。
これは、冷陰極管用のバランサコイルとしての値としては限界すれすれであって、液晶バックライトパネルの用途として分流・均衡効果を発揮する場合もあれば突如としてその均衡が崩れる場合もある。
それゆえに、中華民国特許第521947号明細書で開示するように、各冷陰極管に直列に挿入されるバラストコンデンサは必須であり、均衡が崩れた場合の安定を確保しようとするものであった。
また、図24に示す開示例においては、分流・均衡効果を確保しようとしてバランサコイルの各コイルの巻数を増やせば、インダクタンスは増えるが、逆に、コイルの自己共振周波数はさらに低くなり、分流・均衡効果を失うことが明らかである。
この場合、自己共振周波数を高くすることができなければ、バランサコイルのさらなる小型化は不可能である。そこで、それらの実現手段に関しては、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書で開示したものがあるが、当該発明は主に冷陰極管用バランサコイルの小型化に関する技術を集約しているものである。
また、多くの実用化アプローチの中でこれらのバランサコイルを高圧側に、かつ、インバータ回路基板上に配置しようとするものがあるが、これらも均衡効果を大きく害する。
バランサコイルから冷陰極管までの高圧側配線は、管電流の均衡に関して、特に敏感であり、冷陰極管から長い配線を経てインバータ回路側に配置するのは禁物であって、独立した基板の分流回路モジュールとして冷陰極管近傍に配置しなければその効果を発揮しない。
ところで、液晶テレビ用バックライトにおける応用に関しては多数の冷陰極管を点灯しなければならないという命題がある。そこで、本願発明者は特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の図4の接続法を開示したが、この接続法はバランサコイルの漏れインダクタンスが大きくないと循環電流が流れて性能が低下するという問題がある。そのために漏れインダクタンスを大きくしなければならない。
一方、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の図6に相当する図21では3本またはそれ以上のコイルの磁束を対向させて均衡する技術を開示したが、この方法は3灯ないし4灯までは十分な分流・均衡効果を有するものの、それ以上の灯数では灯数が多くなるにしたがって各巻線間の結合係数が低下していくので、分流・均衡に有効な相互インダクタンスが低下してしまい、分流・均衡効果がなくなっていく。
一方、特開2003−31383公報(米国6717372B2)のFig6には一つのコア上に巻かれた巻線W1ないしWnによって均衡・分流効果が得られるとして開示されている。
即ち、これを視覚的に図示すると図25の構造となるが、これは実際には実現が困難であって多くの灯数を均衡化させようとしても均衡効果がないことが確認されている。実際には各コイルの自己インダクタンスにより分流効果を維持するのみの状態である。
特開平7−45393号公報 特開2003−31383公報(米国6717372B2) 特願2004−3740明細書 特願2004−79571明細書 特許第3291852号公報 中華民国特許第521947号明細書
本発明は、冷陰極管用途において、小型でかつ十分な分流、均衡効果を有するバランサコイルを提供することである。
そのために、各コイルをセクション巻きとすることによって自己共振周波数を高くし、巻線を多数巻くことを可能とすることによって、小型扁平形状のバランサコイルにおいても十分な分流・均衡効果を得ようとするものである。
また、冷陰極管用バランサコイルにおいて、その分流・均衡効果を有するためには、結合係数ではなく、相互インダクタンスが重要である。従って、必要な相互インダクタンスが確保されれば良い。
一方で、冷陰極管用バランサコイルの小型化の障害となっているものは、各コイルの自己共振周波数である。そのため、各コイルの自己共振周波数は高くしなければならない。
また、高周波用コイルの自己共振周波数付近においては分布定数性の遅延現象が無視できない。例えば、これらのバランサコイルは一般に従来からあるコモンモードチョークコイルなどの製造方法が転用されるために、製造上の都合からことごとく図27のように配線されている。しかし、これらはコイルの自己共振周波数付近において生じる分布定数性の遅延現象を考慮したものではない。
そのためバランサコイルを構成する場合には1−4ピンの間を短絡して用いられるが、その場合、進行波により最初に影響を受けるコイルの部位はそれぞれのコイルから見て隣接するコイルの近傍の部位である。これを図28で説明すれば、進行波Aによって最初に作用を受けるピンは、巻き終わりである1番ピンである。一方、進行波Bによって最初に作用を受けるピンは、巻き始めである4番ピンである。従って、このような接続法ではそれぞれのコイルに受ける進行波の方向が異なり、バランサコイルの各コイル間に発生する磁束を相殺しようとした場合に完全に相殺できない磁束成分が残ることになる。そして、これにより自己共振周波数付近におけるバランサコイルの分流・均衡効果が阻害される原因となっていた。
本発明は、以上の如き観点に鑑みてなされたものであって、磁束の対向する二つのコイルを有し、それらの該コイルの発生する磁束が対抗して相殺する放電管用バランサコイルにおいて、該バランサコイルの有する相互インダクタンスのリアクタンスの和が放電管の負性抵抗を上回ることにより、放電管の管電流を均衡させるものであって、該バランサコイルの該それぞれのコイルをセクション巻きとすることによって、該それぞれのコイルの自己共振周波数を高くすることにより、小型扁平形状のバランサコイルにおいても均衡効果を維持することができる放電管用バランサコイルを実現するものである。
また、前記一対の磁束が相殺されるバランサコイルを有し、該バランサコイルを多数有し、該バランサコイルは磁束の対向する二つのコイルを有し、一つの該バランサコイルの一方の該コイルの一端は、他の該バランサコイルの一方の該コイルに接続され、該コイルを介して放電管の電極の一端に接続され、これを繰り返して該多数の該バランサコイルを相互循環接続させて、各バランサコイルの放電管に接続されない方の一端は一つに接続される、多数の放電管の管電流の均衡効果を持たせた分流回路モジュールにおいて、該バランサコイルは結合係数を低下させることによって漏れインダクタンスを多くすることにより、該分流コイル間に流れる循環電流を抑え、また、各多数の該分流コイルのコアに発生する磁束は全てのコア接続部において対向して相殺するように磁気回路を構成した分流回路モジュールを実現しようとするものである。
そして、前記分流回路モジュールにおいて各分流コイル間を接続する接続線に発生する寄生容量を考慮することによって、寄生容量の影響を少なくした分流回路モジュールを実現しようとするものである。
そして、又、前記分流回路モジュールにおいて、各該分流コイル間を接続する接続線を一つおきに接続することによって、分流コイル間を接続する該接続線の長さを概ね均等とすることによって、寄生容量の影響を少なくした分流回路モジュールを実現しようとするものである。
更に、各巻線に発生する分布定数性の遅延現象を考慮することによって自己共振周波数付近におけるバランサコイルの分流・均衡効果を改善するものである。
さらに、又、各巻線に隣接して巻回された短絡巻線を設け、その短絡巻線を相互に接続することによってバランサコイルの分流・均衡効果を改善するものである。
これらのことを総合した結果は以下の通りである。
図1は、冷陰極管用バランサコイルにおいては特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の図21の他の実現方法として、バランサコイルの各コイルをセクション巻きとすることによって各コイルの自己共振周波数を高くするものである。
図1に示す一実施例ではバランサコイルの各コイルを3セクションとしてある。結果として相互インダクタンス600mHにおいて、自己共振周波数を120kHzとすることができた。この場合、結合係数は特段に高い必要はなく、必要な相互インダクタンスが確保されていれば良いので、従前におけるように、直方体形状に近くしなければならないといった制約はなくなり、薄く、或いは、細長く仕上げることが可能である。
また、セクション構造にすることにより耐圧も高くなり、特願2004−79571明細書で開示の発明に必要な高耐圧のバランサコイルにも適用できる。
また、相互インダクタンスが重要であって、かつ、自己共振周波数を高くすることが必要であるという着眼に基づけば、特許第3291852号公報に示されているように、バランサコイルにおけるそれぞれのコイル間の条件を均しくするために、それぞれの巻線を密に近接させる構造というのは必要とされない。
また、コイルの相互インダクタンスを大きく保ち、かつ、自己共振周波数を高くするためには、図4のようなドラム状のコア構造も有効である。この場合、中心から同心円状に第一巻線L1を施し、その外側に第二巻線L2を施している。なお、この場合のコア構造はPQ型でも良い。
このような構造は一見して二つの巻線の条件が不一致であるように見えるが、トランスの一般的な性質としてどちらの巻線から見ても相手側の巻線に対する結合係数は同一であるところから、第一巻線と第二巻線の自己インダクタンスさえ同一であれば相互インダクタンスは均しくなり、均等な均衡・分流効果が得られるわけである。
また、バランサコイルは、インダクタンスの比を変えれば、インダクタンスの比の平方根に比例した電流の分流効果が得られる。この性質を利用して任意の多灯の分流回路モジュールを構成することができる。図5ないし図7は特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書に基づき、トーナメント・ツリー状に構成した10灯、12灯、14灯の均等分流回路モジュールの例である。書き込まれている値はインダクタンス値の比を示している。
尚、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書においては、単に回路図上の結線のみを意味するトーナメント・ツリーを開示したが、トーナメント・ツリーを構成する各配線の長さは極力短く、かつ、等しくする必要がある。例えば、回路図上の結線が同じように記述されていても、図8と図9では効果が異なる。
このような現象は熱陰極管用バランサコイルにおいては考慮する必要はない。冷陰極管用バランサコイル特有の現象である。ゆえに、分流回路モジュールにおいてはインバータ回路から独立した構造とすることが理想的であり、冷陰極管の電極近傍に配置することが最も効果的である。
図8において、Tは分流回路モジュールの入力側を示し、A,B,Cは分流コイルであり、また、これらの分流回路モジュールの出力は放電管DT1ないしDT4に接続されている。図8のような物理的配置においては分流・均衡の効果は芳しくない。これは、各放電管DT1ないしDT4に接続される線の長さが不均等だからである。またDT3およびDT4に接続される線が互いに並列に並び、静電結合することもまた分流・均衡効果を阻害する。
このように、分流回路モジュールはこれらの影響がなるべく少なくなるように配線の長さが概ね均等になるように配置することが有効であり、即ち、図9のように物理的配置においてもトーナメント・ツリー状を構成することが必要となる。
従って、本発明においては、これを物理的な位置関係においてもトーナメント・ツリー状に配置するとして、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書におけるトーナメント・ツリーと区別し、回路図上のみならず物理的配置においてもトーナメント・ツリー状をなすことを意味するものとする。
また、このように物理的配置においても均等な配置をせねばならないのは各配線に発生する寄生容量が原因である。従って、配線の長さが異なることが避けられない場合には、図10のように、この寄生容量を均しくするように、短い配線は太く、長い配線になるにしたがって細くすることもまた有効である。
また、バランサコイルの各巻線はそれぞれの巻線に流れる電流によって発生する磁界が相殺されるのみならず、さらに、巻線に発生する進行波の影響も考慮に入れればバランサコイルの構成は図29のようにならなければならない。
即ち、それぞれの巻線上に発生する進行波の方向を逆にして、遅延による位相遅れも含めて磁束を完全に相殺させるためには、図29のように、それぞれの巻線は巻き始めをバランサコイルの外側から始め、中心に向かって巻いていく、またはその逆の工程をとりつつ、さらにそれぞれの巻線では巻き方向を逆にしなければならないことになる。
従って、この実施例では図30のように1−3ピン間を短絡して用いた場合、進行波Aによって最初に作用を受けるピンは、巻き終わりである1番ピンである。また、進行波Bによって最初に作用を受けるピンも、巻き終わりである4番ピンである。したがって、このような接続法によれば、それぞれのコイルに受ける進行波の方向が同じになり、電流の方向は矢印のようになり、発生する磁束は対向するとともに、発生する進行波においても図30のように対称的に背反して相殺することになる。
なお、図30における矢印A、Bは二次巻線上に発生する進行波の方向を示すものであって、磁束の方向を示したものではない。もちろん、バランサコイルにおいては磁束も対向して相殺するべきものであることもまた言うまでもない。このような巻き方は製造工程上巻線が巻き枠から外れやすいという製造上の制約で一般には好まれないが、配慮しなければならないポイントである。
先行技術においては図28のようなクロス配線にして使用することが一般的となっている。
特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書においては、トーナメント・ツリーの上層の巻線値に対しては次第に巻数を漸減することが開示されているが、本発明ではさらにこの値は並列に接続される冷陰極管の並列合成されたインピーダンスのうちの、いずれか一方の負性抵抗の値が大きい側の負性抵抗を、バランサコイルの相互インダクタンスの和が上回ることにより分流するものである。このことによって、分流に必要な最低条件が明確化されるので、必要にして最小で最適なインダクタンスを選択できるようにするものである。
一方、多灯用分流回路モジュールを構成する他の方法として、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の図4(本明細書においては図20)が開示されているが、該分流回路モジュールを実現するためにはバランサコイルの結合係数を低くして漏れインダクタンスの値を大きくしなければならない。このことは、本発明におけるセクション巻きは結合係数が低くなるのでむしろ好都合ということになる。
また、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の図6(本明細書においては図21)の開示例は、多灯の場合は結合係数が低くなり過ぎるのであるが、この性質を逆に利用し、前記図4の開示例と組み合わせた実施態様の一例を示したものが図2である。
図2の開示例は、近接して対向するコイルを一組として、それら一組のコイルを循環状に相互接続することによって、多数のコイルを連結した場合の結合係数の低下を防いでいる。
特開2003−31383公報のFig6、(本明細書においては図22)の開示例は、これらの相当するコイルを一つのコア上に巻くとされているが、実際に有効な分流・均衡効果を得るためには一つのコア上に隣接して巻くのではなく、個々に独立したコアに巻いた構成とし、それらを図2に示すように集積し、それぞれのコイルから発生する磁束を対向させることが必須の構成となる。一つのコア上に巻いたのではこのような構成の実現は困難である。なお、本発明において独立したコアとは即ち多脚構造のことを示し、量産上の都合で一体整形されたコアも均等の範囲で含むものである。したがって、あくまでも技術的本旨は磁気的な性質をもって定義されるべきものであるので、当該の多脚構造のコアも予備的に開示するものである。(図33参照)
図2に示す構成は、近接して対向するコイルを一組として、それら一組のコイルを循環状に相互接続することによって、多数のコイルを連結した場合の結合係数の低下を防いでいる。この場合、この構成におけるコアは必ずしも対向するコイルごとに分割する必要はなく、コア全体を2つあるいはそれ以上に分割した構成としても良い。なお、この接続法をした場合の各コイルは円周上に配置すれば、各コイル間の配線は均等にできるが、平面状に一列に並べられる場合には必ずしも相互の距離が均等になるように並べられるとは限らない。例えば、循環状に接続された配線のうちの一本W5が特に長い配線であり、寄生容量の影響を強く受けることから、電流のバランスが悪くなる。
そこで、図3に示す例は、対向するコイル間の配線を一つおきに飛び越えるように結線し、帰りはまた残りのコイル間を一つおきに飛び越えるように結線することによって、各配線の長さを概ね均しくすることができるというものである。このような接続法によって電流のバランスが改善される。
前記した特開2003−31383公報のFig6は、図22に相当するものであるが、実際には実現不可能である。そこで、これをさらに改良することによって実際の分流・均衡効果を実現する方法について示したものが図11である。巻線W1ないしW4は一端が冷陰極管に接続され、他の一端は束ねられ、一つに接続されて使用される。S1ないしS5は短絡巻線であって、相互に接続されることによって巻線W1ないしW4のそれぞれのコイルに発生する磁束と対向する磁束が発生するように巻かれる。このように接続されることによって図11に示された分流回路モジュールは分流・均衡効果を発揮するようになる。
また、図12に示すように、短絡巻線S1ないしS5の接続線のいずれかを切断し、そこに電流検出機構を設けることも可能である。
尚、図11乃至図12の接続法は請求項7に基づくものであるが、同様の技術思想に基づけば、個々の分流コイルを独立させた図15の接続法も可能であり、この接続法も請求項7の技術範囲であり、予備的に例示するものである。
また、このような分流回路モジュールを複数有し、それらの短絡巻線を相互に接続することによって、さらに多くの分流・均衡を行なうことも可能になる。
同様の原理は、又、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)明細書の図6(本明細書においては図21)の開示例にも応用することが可能であり、図13はその実施態様を示したものである。図13では4分流の例を示しているが、より多くの灯数を分流することも可能である。
そして、これらの分流回路モジュールを相互に接続してより多くの灯数を分流することも可能であることは、図11ないし図12に示す実施例と全く同じである。
また、図14はさらに別の実施例を示したものであり、コアをリング状にしてそれぞれのコイルの磁気的な条件を均等にしてあるものである。
これらの原理も図11ないし図13と基本的に同じであるが、巻線W1ないしW4、短絡巻線S1ないしS4の磁気的な均等性はさほど正確である必要はなく、巻線W1と短絡巻線S1、巻線W2と短絡巻線S2、巻線W3と短絡巻線S3および巻線W4と短絡巻線S4との間の相互インダクタンスの比が正確であれば均流効果は正確なものとなる。
また、上記いずれの場合も各巻線の自己インダクタンスと分布容量によって生じる自己共振周波数は十分に高いものでなければならず、かつ、相互インダクタンスも大きくなければならないことは言うまでもない。これらのパラメータは相互にトレード・オフの関係にあるが、セクション巻きにすることによってブレーク・スルーが可能であるということが本発明の本旨の一つである。
従って、同様の思想に基づけば以下に図示する実施例も可能である。即ち、図16は斜め巻きであり、図17は同心円状巻きであって、それらの巻線の断面図を示している。
図16は巻線を斜めに積み重ねるように巻くものであって、同じ巻線容積で比較した場合に、大きな相互インダクタンスが得られるとともに自己共振周波数が高くなるものである。
図17は巻線を同心円状に積み上げていくものであって、巻線内部は図31で示すように、分布定数状のCとLとで構成されるものであるが、Lが大きな値になると、分布定数回路の一般的な性質としてCの一部分しか見えない現象が起きるために、結果として自己共振周波数を高くできるというものである。
[作用]
ここで、本件のバランサコイルにおける分流・均衡の作用について包括的な原理を述べれば以下のようになる。
周波数60KHzの冷陰極管用インバータ回路において、一般的に、冷陰極管Cのインピーダンスは約100kΩ乃至150kΩ前後の値を有する。分流トランスTdの各コイルL、Lの持つインダクタンス値が均しく、その値が100mH乃至200mHで、各コイルL、L間の結合係数が0.9 以上の分流トランスTdとした場合、相互インダクタンス値Mは次の式により求まる。
M=k・L
例えば、自己インダクタンス100mHの場合において、結合係数が0.9であると、相互インダクタンスは、
0.9×100mH=90mH
となる。
ここで、60kHzにおける相互インダクタンスのリアクタンス値を算出すると、
=2πfL=2×π×60×10×90×10−3=34kΩ
となるが、このような条件において、インピーダンスは約100kΩ乃至150kΩ前後の冷陰極管Z1,Z2二本を分流し、管電流の均衡を得ることができる(図32参照)。
ここで従来理論における矛盾が明らかとなる。即ち、従来理論に基づけばバランサコイルのリアクタンスには、冷陰極管のインピーダンスの数倍、つまり、インバータの使用周波数60kHzにおいて300kΩないし500kΩのリアクタンス値が必要となるはずである。しかし、実際にはそれよりも遥かに小さなリアクタンス値で均衡・分流効果が得られている。
即ち、冷陰極管Cの微分インピーダンスである負性抵抗を上回ることが重要であり、決して一般的な冷陰極管のインピーダンス(約100kΩ前後)を充分に上回るリアクタンスを必要とするものではない。
そこで、従来言われてきた知見に対する本発明の着眼点との違いを以下に説明する。
ここで、分流トランスの相互インダクタンスがインバータ回路においてリアクタンスとして働き、点灯に導く作用には次のような条件が必要になる。
冷陰極管は、従来一般に液晶バックライトとして用いられることが多いが、この場合、冷陰極管に近接して配置される反射板が導電性である場合、冷陰極管の放電特性に近接導体効果が生じて図26に示すような電圧−電流特性になる。
冷陰極管の負性抵抗値は図26のA(60kHzの場合)のように電圧−電流特性の斜度で表される。図26のAを例にとれば−20kΩ(−20V/mA)である。
ここで、分流トランスのインバータ動作周波数における相互インダクタンスのリアクタンスを比較のため斜度を反転して示すと、B或いはCとなる。この場合の相互インダクタンスのリアクタンスは、分流コイルの巻線が二個あり磁束が対向しているのであるから、片側のリアクタンスの2倍の値である。
リアクタンスが負性抵抗特性よりも小さいBの場合、冷陰極管の電圧−電流特性との交点はa,b二つ生じる。即ち、点灯の際、管電流が増えていく段階で冷陰極管の一方が点灯して電流が増え始めると、一方の冷陰極管は図26の右側の負性抵抗領域に進み、分流トランスのもう一方に接続された冷陰極管の電流は減る方向に働き、図26左の正抵抗領域に入ってしまう。このように、片方の冷陰極管は点灯し、もう一方は不点灯になってしまう。
このような現象を超えて、分流トランスに双方の冷陰極管を点灯させる機能を持たせるには、分流トランスのリアクタンスをCのようにして、少なくとも冷陰極管の負性抵抗の斜度を十分に上回るようなリアクタンスを持たせなければならない。
具体的には、図26に示す例において、分流トランスの片側のコイルの持つ相互インダクタンスのリアクタンスは20kΩの半分である10kΩを超える必要がある。
次に、分流・均衡の効果を阻害する自己共振の影響について述べると以下のとおりである。
図24はバランサコイルとして試験的に巻かれたものであるが、分流・均衡の効果が時により得られたり失われたりという非常に不安定な状態にあるものである。巻線の自己共振現象を、インピーダンスアナライザーで観測すると自己共振周波数は約64kHzとなっている。バランサコイルの場合、自己共振周波数よりも高い周波数で使用すると、分流均衡効果が全く得られない。これは、各コイルの巻線に発生する分布容量が、各巻線に並列に接続された容量と等価なものとして働くからである。
一般に冷陰極管用インバータ回路の動作周波数は近年は45kHzないし60kHzとされているので、図24は限界であって、仮にコア材のインダクタンスのバラツキなどにより共振周波数がインバータの動作周波数と同一または下回るようなことになると分流・均衡できなくなる。ここで、それぞれのコイルをセクション巻とすると自己共振周波数は高くなる。
その際に、セクション巻の分割数を多くするほど結合係数が低くなる。この場合、各コイルの自己インダクタンスL1(またはL2)に結合係数を掛けた値が相互インダクタンスとなる。また、漏れインダクタンスLe(学会)は自己インダクタンスに(1-k)を掛けた値となる。この場合の漏れインダクタンスは分流・均衡作用を阻害しない。従って、結合係数を低下させても自己共振周波数を高くした方が分流・均衡の作用の確保には有利である。
バランサコイルを小型化した場合には、コアの実効透磁率が低くなるので、必然的に、より細い線により多数巻いてインダクタンスを大きくしなければならなくなるが、これは自己共振周波数の低下につながる。
そこで、セクション巻きとすることによって小型でありながら自己共振周波数を高くすることが可能となる。元来、セクション巻きは結合係数が低くなることが知られている。
しかし、本発明のバランサコイルにおいては分流・均衡作用の本質的要因が相互インダクタンスにあるものであり、結合係数であるという技術思想を排除することにより、バランサコイルにおける各コイルのセクション数を多くして分割巻きとすることを可能としたものである。
一方、高周波であり、かつ高圧用に用いられるバランサコイルにおいては、各コイルが分布定数状の遅延回路の性質を呈し、その影響は各コイルの自己共振周波数に近づくほど顕著になる。
図31は、文献、電力機器講座5変圧器(日刊工業新聞社刊)に示された実際の高周波コイルの等価回路である。高周波コイルにおいてはこのような遅延回路が形成されているために、巻線上には進行波や定在波が発生する。冷陰極管用バランサコイルにおいて、良好な分流・均衡効果を得るためにはこのような進行波の影響を考慮する必要がある。
図29を例にとって説明すれば以下のようになる。
バランサコイルの端子2は巻き始めであり、この場合、コイルは周辺から中心に向かって巻かれていく。そして、巻き終わると端子1で終端する。もう一方のコイルは端子4から巻き始め、中心に向かって巻いて行き、巻き終わると端子3で終端する。このバランサコイルを使用する際には端子1−3間を短絡して、分流された電流は矢印の方向に流れて中心コアに磁束を発生させる。この磁束はお互いに相殺する向きに発生するので、磁束同士は打ち消しあう。
しかしながら、高周波コイルにおいては発生する磁束はそれだけではない。各コイルから見て相手側のコイル、即ち二次巻線に該当するコイルには進行波が発生する。この進行波の作用を最初に受ける巻線は、バランサコイルにおいてはあくまで対称でなくてはならないが、図29の例においては、端子1および3に絡げられている巻線、即ち、中心に近いセクションの巻線がその作用を受けることになるわけである。
一方、この巻線を図27のように巻いた場合、最初に一次巻線の電流i1の発生する進行波の作用を受ける巻線は端子3に絡げられている巻線であり、端子4は時間的に遅延した進行波の作用を受けることになる。従って、このような巻線構造において、端子1−4間を短絡してバランサコイルとし、分流回路を構成した場合は、各巻線の自己共振周波数に近づくにしたがって、コアに発生する磁束成分がアンバランスになり、相殺されない磁束成分が残るようになる。
このようなことから、進行波の影響までを含めて磁束が相殺されるように、図29のように巻線を巻くことが重要である。なお、これらは実際の電子回路の表記においては反映されないので注意が必要である。
電子回路の表記はあくまでも回路を単純化して表記したものであり、これらの寄生効果に関しては表記する術がない場合が多い。従って、このように寄生容量や分布定数回路などの回路図に反映されない効果を考慮することが、冷陰極管用バランサコイルにおいては最も重要なポイントとなる。
[効果]
次に、図11ないし図14における短絡巻線の効果について説明する。
巻線W1ないしW4までの分流コイルに、それぞれの図で図示するように同一方向の電流が流れる場合、これらのコイルから発生する磁束は短絡巻線S1ないしS5(またはS4)に対して図示する方向の電流を生じさせる。
短絡巻線S1ないしS5(またはS4)に流れる電流により生じる磁束は、巻線W1ないしW4により生じる磁束と対向することによって、コアに発生する磁束は相殺される。
短絡巻線S1ないしS5(あるいはS4)は相互に接続されることにより、巻線を流れる電流により発生する磁束は均しくなり、その結果、その磁束と対向して相殺される磁束も均しくなるために、巻線W1ないしW4に流れる電流も均衡されるものである。
大型液晶テレビ用のバランサコイルとして、厚さ6.5mmという薄型形状を実現できるようになった。
本発明による開示の例では、自己共振周波数が120kHz以上となり、インバータ回路の動作周波数において十分な分流、均衡化の効果が得られ、さらに大きなインダクタンス値に対しても対応できるようになった。
また、コイル間の耐電圧も高くできるようになった。
更に又、十分な小型化ができたので、特願2004−3740(米国特許出願2004−155596)発明における管電流が不均衡の際に発生するコアの飽和による発熱も、より少なくなり改善することができた。
そして、また、寄生容量による漏れ電流を考慮することにより精度の高い均流効果を実現することができた。
小型の形状のバランサコイルにおいても進行波の遅延時間を考慮することにより、自己共振周波数の近傍においても分流・均衡効果が改善されることになった。
また、物理的にもトーナメント・ツリー状に配置することにより、電流のバランスはさらに改善された。
また、配線の寄生容量を考慮することにより、電流のバランスはさらに改善された。
また、分流回路モジュールとして一つのモジュールに集積することができたため、分流回路モジュールが小型化された。
本発明一実施例のバランサコイルの各コイルをセクション巻きとすることによって各コイルの自己共振周波数を高くする実施態様図である。 本発明の他の実施例を示す実施態様図である。 本発明の更に他の実施例を示す実施態様図である。 本発明に使用されるコイルの好適な一例の構成を示す概念図である。 本発明に係る均等分流回路モジュールの一例を示す構成図である。 本発明に係る均等分流回路モジュールの他の例を示す構成図である。 本発明に係る均等分流回路モジュールの更に他の例を示す構成図である。 本発明において芳しくない結線の一例を示す回路図である。 本発明において好ましい結線の一例を示す回路図である。 本発明において好ましい結線の他の例を示す回路図である。 本発明に係る分流・均衡効果を実現するための分流回路モジュールを示す一例の構成図である。 本発明に係る分流・均衡効果を実現するための分流回路モジュールを示す他の例の構成図である。 本発明に係る分流・均衡効果を実現するための分流回路モジュールを示す更に他の例の構成図である。 本発明に係る分流・均衡効果を実現するための分流回路モジュールを示す更に別の例の構成図である。 本発明に係る分流・均衡効果を実現するための分流回路モジュールを示す更に別の例の構成図である。 本発明に係る分流回路におけるセクション巻を斜め巻きに置き換えた一例を示す概念図である。 本発明に係る分流回路における斜め巻きを同心円状に巻き回わされる巻線に置き換えた一例を示す概念図である。 従来の冷陰極管におけるバランサコイルにおいて、それぞれのコイルN1、N2間のインダクタンス差を少なくすることが重要であることを開示する構成図である。 従来の最も小型とされる冷陰極管用バランサコイルの一例を示す構成図である。 従来の多数のバランサコイルを循環状に接続した一例を示す構成図である。 従来の3本またはそれ以上のコイルの磁束を対向させる技術の一例を示す構成斜視図である。 従来の巻線W1〜Wnが一つのコア上に巻かれ、巻数は均しい一例を示す回路構成図である。 従来の高耐圧のバランサコイルを実現することが難しかったとされる一例を示す回路構成図である。 従来、分流・均衡効果を確保しようとしてバランサコイルの各コイルの巻数を増やせば、インダクタンスは増えるが、逆に、コイルの自己共振周波数はさらに低くなり、分流・均衡効果を失う一例を示すグラフである。 従来、一つのコア上に巻かれた巻線によって均衡・分流効果が得られるとされている分流回路モジュールの例を示す構成図である。 冷陰極管に近接して配置される反射板が導電性である場合の冷陰極管の放電特性を示す電圧−電流特性グラフである。 バランサコイルの配線の一例を示す構成図である。 図27に示すバランサコイルの1−4ピンの間を短絡して用いた場合の進行波により各コイルの二次巻線上に発生する進行波の方向A、Bと作用を受ける巻線を示す説明図である。 巻線上に発生する進行波の影響を考慮に入れたバランサコイルの配線の一例を示す構成図である。 図29に示すバランサコイルの1−3ピンの間を短絡して用いた場合の進行波により各コイルの二次巻線上に発生する進行波のA、Bにより作用を受ける巻線を示す説明図である。 実際の高周波コイルが分布定数状のLとCとから構成される等価回路で表されることを説明する説明図である。(電力機器講座5 変圧器 S41.4.30 淺川七平 清水栄著より。) 本発明に係るバランサコイルの分流・均衡の作用を説明する包括的な等価回路図である。 本発明に係るバランサコイルのコアの形状を示す開示例である。

Claims (7)

  1. 放電管と放電管に近接する導体と、磁束の対向する二つのコイルを有し、それらのコイ
    ルに発生する磁束が対抗して相殺する放電管用バランサコイルであって、
    該バランサコイルの巻線は分布定数状の遅延回路を形成し、それぞれの該巻線に発生す
    る進行波は互いに相手側の該巻線に対して背反する向きの進行方向に進む進行波が発生するバランサコイルにおいて、
    該バランサコイルの有する相互インダクタンスのリアクタンスの和が該放電管の負性抵抗を上回ることにより、該放電管の管電流を均衡させるものであって、該バランサコイルのそれぞれのコイルをセクション巻きとすることによって該それぞれのコイルの自己共振周波数を高くするとともに、該進行波の作用を最初に受ける巻き始め同士を接続することによって進行波によって時間遅れする磁束を相殺することにより小型扁平形状のバランサコイルにおいても分流及び均衡効果を維持することができることを特徴とする放電管用バランサコイル。
  2. 前記請求項記載のバランサコイルを複数有し、該各バランサコイルは磁束の対向する二つのコイルを有し、一つのバランサコイルの一方のコイルの一端は、他のバランサコイルの一方のコイルに接続され、該コイルを介して放電管の電極の一端に接続され、これを繰り返して複数のバランサコイルを相互循環接続させて、各バランサコイルの放電管に接続されない方の一端は一つに接続される、複数の放電管の管電流の均衡効果を持たせた分流回路モジュールにおいて、該バランサコイルは結合係数を低下させることによって漏れインダクタンスを多くすることにより、該バランサコイル間に流れる循環電流を抑え、また、各複数の該バランサコイルのコアに発生する磁束は全てのコア接続部において対向して相殺するように磁気回路を構成した分流回路モジュール。
  3. 前記コイルは、一つのコア上に隣接して巻くのではなく、個々に独立したコアに巻いた構成とした請求項記載の分流回路モジュール。
  4. 前記独立したコアは、一体整形も含む多脚構造である請求項又は記載の分流回路モジュール。
  5. 前記請求項乃至のいずれかに記載の分流回路モジュールにおいて、各該バランサコイル間を接続する接続線を一つおきに接続することによって、該バランサコイル間を接続する接続線の長さを概ね均等とし、寄生容量の影響を少なくした分流回路モジュール。
  6. 前記請求項に記載のバランサコイルを複数用いて構成する分流回路モジュールにおいて、該バランサコイルを物理的な位置関係においてもトーナメント・ツリー状に配置してなる分流回路モジュール。
  7. 前記請求項乃至のいずれかに記載の分流流回路モジュールにおいて、該各バランサコイル間の配線または該各バランサコイルと該放電管との間の配線は、短い配線は太く、長い配線を細く構成することにより寄生容量を均しくした分流回路モジュール。
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