JPH10200357A - 積層型lc複合部品及びその特性調整方法 - Google Patents

積層型lc複合部品及びその特性調整方法

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Publication number
JPH10200357A
JPH10200357A JP8357524A JP35752496A JPH10200357A JP H10200357 A JPH10200357 A JP H10200357A JP 8357524 A JP8357524 A JP 8357524A JP 35752496 A JP35752496 A JP 35752496A JP H10200357 A JPH10200357 A JP H10200357A
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JP
Japan
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coil
capacitor
sheet
conductors
conductor
Prior art date
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Application number
JP8357524A
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English (en)
Inventor
Masanori Tomaru
昌典 渡丸
Kenichi Hoshi
健一 星
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品数の増大や部品自体の大型化を伴うこと
なく、浮遊成分の影響を考慮して良好に急峻な減衰特性
を得る。 【解決手段】 コンデンサ用導体D1,D2によってコ
ンデンサ20が構成され、コイル用導体E1〜E4及び
ビアホールG2,G3によってコイル14が構成され
る。コイル用導体F1〜F4及びビアホールH2,H3
によってコイル16が構成され、コイル用導体I1,I
2及びビアホールI3によって微小コイル18が構成さ
れる。等価回路では、コイル14,16の相互インダク
タンスによる等価コイル15M,コンデンサ20,微小
コイル18が直列となり、これによって直列共振回路が
構成される。この共振回路の共振周波数は、微小コイル
18のインダクタンスによって変化し、これによって急
峻な減衰特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コイル(インダ
クタ)及びコンデンサ(キャパシタ)を含む積層型LC
複合部品及びその特性調整方法の改良に関する。
【0002】
【背景技術】高周波用のフィルタ回路などに使用されて
いる積層型LC複合部品は、例えば図10(A)に示す
ような構成となっている。この背景技術は、いわゆるT
型フィルタを構成するLC複合部品の積層構造の例であ
る。同図に示すように、上部の6層によってコンデンサ
(キャパシタ)部900が構成されており、下部の10
層によってコイル(インダクタ)部902が構成されて
いる。コンデンサ部900を構成するシートA1〜A6
は例えば誘電体材料によって形成されており、シートA
2〜A5にはコンデンサ用導体が形成されている。シー
トA1,A6は保護用である。一方、コイル部902を
構成するシートB1〜B10は例えば磁性体材料によっ
て形成されており、シートB2〜B9にはコイル用導体
が形成されている。シートB1,B10は保護用であ
る。コンデンサ部900とコイル部902の間には、異
種接合材料としてシート904が設けられている。以上
の各シートを積層して成形,圧着,焼成し、この積層体
に外部引出用の端子電極を形成することで積層型LC複
合部品が得られる。
【0003】図10(B)には、以上のような積層型L
C複合部品の等価回路が示されている。同図に示すよう
に、端子電極905と端子電極906との間に、コイル
908,910が直列に接続されており、コンデンサ9
12が並列に接続されている。すなわち、コイル90
8,910の接続点からGND(アース)に対してコン
デンサ912が接続された構成となっている。なお、コ
イル908,910の間には、同図(A)に示したよう
にコイル用導体パターンが近接しているために、一方の
コイルで生じた磁束が他方のコイルも通過するようにな
り、正の相互インダクタンスが生ずる。このようなT型
LCフィルタの周波数特性の一例を示すと、図10
(C)に示すような減衰特性となる。なお、同図の横軸
は対数目盛となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
LC複合部品をフィルタとして使用する場合は、カット
オフ周波数fCからの減衰が急峻であるほどよい。この
ような急峻な特性を得るための手法としては、LC複
合部品を複数個用いる,LC複合部品に別のインダク
タ部品やキャパシタ部品を直列あるいは並列に外付けす
ることによってそれぞれ共振回路を構成し、共振点をカ
ットオフ周波数fC付近に設定する,というような手法
がある。しかしながら、いずれにおいても、全体として
素子数が増大する。部品点数が増加すると、部品管理や
工数などが増加し、コストアップの原因となる。また、
部品占有面積も増大して部品形状が大きくなり、近年の
小型化や軽量化の要請に相反することになる。別言すれ
ば、背景技術によって少ない素子数で急峻な減衰特性を
得ることは困難である。
【0005】一方、積層部品に含まれるコイル素子やコ
ンデンサ素子には、浮遊容量や浮遊インダクタンスが付
随するが、これらと本来の素子との自己共振周波数f0
をカットオフ周波数fC付近に移動できれば、急峻な周
波数特性が得られる。しかし、浮遊容量や浮遊インダク
タンスなどの浮遊成分は、作り上げた部品に付随的に形
成されるものであり、それらの値を設計上制御すること
は困難である。このため、浮遊容量や浮遊インダクタン
スを利用して急峻な周波数特性を得ることはできない。
【0006】本発明は、これらの点に着目したもので、
部品数の増大や部品自体の大型化を伴うことなく、浮遊
成分の影響を考慮して良好に急峻な減衰特性を得ること
ができる積層型LC複合部品及びその特性調整方法を提
供することを、その目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明の積層型LC複合部品は、導体パターンを
付加形成し、これによって得られた微小インダクタンス
と前記コンデンサを利用して共振回路を構成したことを
特徴とする。主要な形態によれば、前記微小インダクタ
ンスは、コンデンサ用導体が形成されたシートに形成さ
れる。また、前記コイルは、シートの積層体に対して、
並列的,直列的,もしくはコイル用導体がシート間で重
なるように形成される。また、他の形態によれば、前記
いずれかのコイルの間又はいずれかのコイルと微小イン
ダクタンスとの間に相互インダクタンスが形成される。
更に他の形態によれば、コンデンサ用導体及びコイル用
導体の該当するものが、積層体内部の接続導体又は積層
体外部の接続電極によってシート間で接続される。
【0008】本発明の積層型LC複合部品の特性調整方
法は、前記いずれかの積層型LC複合部品における微小
インダクタンスを利用して前記共振回路の共振周波数を
変更することにより、周波数特性が調整される。この発
明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説
明及び添付図面から明瞭になろう。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態につい
て、実施例を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】最初に、図1,図2を参照しながら実施例
1について説明する。この実施例1は、図2(A)に示
すようにT型フィルタの例で、端子電極10,12間
に、コイル14,16が直列に接続されており、微小イ
ンダクタンスないしは微小コイル(付加コイル)18,
コンデンサ20が並列に接続された構成となっている。
すなわち、コイル14,16の接続点からGND(アー
ス)に対して微小コイル18とコンデンサ20の直列回
路が接続された構成となっている。更に、コイル14,
16間には、相互インダクタンスMが存在する。部品の
外観は、例えば図1(C)に示すようになっている。
【0010】図1(A)には、このようなT型フィルタ
を構成するLC複合部品の積層構造が示されている。同
図に示すように、上部の6層によってコンデンサ部22
が構成されており、下部の10層によってコイル部24
が構成されている。また、それらの間の3層によって微
小コイル部26が構成されている。コンデンサ部22
は、複数の絶縁体シートとコンデンサ用導体によって構
成され、コイル部24は複数の絶縁体シートとコイル用
導体によって構成されている。これらコンデンサ部22
及びコイル部24は、上述した背景技術と同様の構成で
ある。微小コイル部26は、複数の絶縁体シートとコイ
ル用導体によって構成されている。
【0011】コンデンサ部22のシートA1〜A6とし
ては、主として誘電体材料が使用されている。しかし、
コイル部24のシートB1〜B10としては、使用する
周波数によって、誘電体材料又は磁性体材料が使い分け
られる。例えば、カットオフ周波数fCが100MHz
以下の場合には、コイル部24として磁性体材料が使用
され、100MHz以上においては、コイル部24もコ
ンデンサ部22と同様に誘電体材料が使用される。取得
すべきインダクタンス値が小さい場合には、コイル巻数
を低減する他に、磁性体材料の透磁率の低い材料を用い
ることもある。すなわち、磁性体材料に代えて誘電体,
絶縁体,低透磁率材料などが必要に応じて用いられる。
積層する材質は同じものの方が有利であるから、コンデ
ンサ部と同様の誘電体材料を用いることがある。微小コ
イル部26のシートC1〜C3についても、コイル部2
4のシートB1〜B10と同様である。なお、シートB
1を微小コイル部26に含めて考えてもよい。
【0012】更に、必要があれば、コンデンサ部22と
微小コイル部26の間に、コンデンサ部22,コイル部
24及び微小コイル部26における使用材料と異なる絶
縁材料によるシート28を異種接合材として入れるよう
にしてもよい。例えば、コンデンサ部22として誘電体
材料を用い、コイル部24,微小コイル部26として磁
性体材料を用いる場合、それらのシートを重ね合わせて
一体焼結することにより積層体が形成される。この焼結
において、誘電体シート(誘電体生セラミック層)と磁
性体シート(磁性体生セラミック層)の間で相互反応が
起こり、誘電体材料や磁性体材料中の成分元素が相互に
拡散する可能性がある。すると、コンデンサあるいはコ
イルの性質に悪影響を及ぼし、特性が変化してしまう。
そこで、誘電体層と磁性体層の境界部分に結合用シート
28を設け、これによって誘電体層と磁性体層の間の成
分の拡散を防止する。なお、焼成時におけるコンデンサ
側材料とコイル側材料との収縮率の差によって生ずる不
都合も、両者の中間的な収縮率を示す異種接合材を用い
ることによって回避される。
【0013】次に、各部について順に説明する。まず、
コンデンサ部22から説明すると、シートA1は保護層
である。シートA2,A4には、一方のコンデンサ用導
体D1がそれぞれ形成されている。これらのコンデンサ
用導体D1は積層シートの前後辺側に露出しており、図
1(C)に示すGND電極(側面端子)30に接続され
ている。シートA3,A5には、他方のコンデンサ用導
体D2がそれぞれ形成されている。これらのコンデンサ
用導体D2は、略中央付近でビアホール(又はスルーホ
ール)D3(接続線で表示)によって接続されている。
すなわち、上述したコンデンサ用導体D1の中央部分が
空いており、この部分を通過するビアホールD3によっ
てコンデンサ用導体D2の上下が接続されている。シー
トA6も保護層である。以上のコンデンサ用導体D1,
D2によってコンデンサ20が構成されている。
【0014】次に、コイル部24を説明すると、シート
B1は保護層である。シートB2〜B9には、コイル用
導体が形成されている。シートB2には、略コ字状のコ
イル用導体E1,F1が形成されている。これらのコイ
ル用導体E1,F1は略逆S字状に連続しており、その
接続部分が、シートB1を貫通するビアホールG1によ
って微小コイル部26側に接続されている。
【0015】シートB3には、略コ字状のコイル用導体
E2,F2が、反対側に開口が向くように形成されてい
る。そして、それらの一端は、ビアホールG2,H2に
よってそれぞれコイル用導体E1,F1に接続されてい
る。同様に、次のシートB4には、略コ字状のコイル用
導体E3,F3が、開口が向くように形成されている。
そして、それらの一端は、ビアホールG3,H3によっ
てそれぞれコイル用導体E2,F2に接続されている。
以下のシートB5,B7には、シートB3と同様のコイ
ル用導体E2,F2がそれぞれ形成されている。また、
シートB6,B8には、シートB4と同様のコイル用導
体E3,F3が形成されている。シートB9には、略コ
字状のパターンを左右辺側にそれぞれ延長露出したコイ
ル用導体E4,F4がそれぞれ形成されている。ホール
接続も、前記シートと同様である。最下層のシートB1
0は保護層である。
【0016】以上の各部のうち、スパイラル状に連続す
るコイル用導体E1,E2,E3,E4及びビアホール
G2,G3によってコイル14が構成されている。ま
た、スパイラル状に連続するコイル用導体F1,F2,
F3,F4及びビアホールH2,H3によってコイル1
6が構成されている。そして、シートB9のコイル用導
体E4,F4が積層シートから左右に露出しており、図
1(C)の端子電極10,12にそれぞれ接続されてい
る。
【0017】次に、微小コイル部26について説明する
と、シートC1は保護層である。シートC2,C3に
は、コイル用導体が形成されている。シートC2には、
略渦巻き状のコイル用導体I1が形成されており、シー
トC3には、略渦巻き状のコイル用導体I2が形成され
ている。これらのコイル用導体I1,I2の一端は、ビ
アホールI3によって連続している。一方、コイル用導
体I1の他端は、シートC1,28,A6を貫通するビ
アホールD4によってコンデンサ部22側に接続されて
いる。他方、コイル用導体I2の他端は、上述したよう
に、シートB1を貫通するビアホールG1によってコイ
ル部24側に接続されている。これら、スパイラル状に
連続するコイル用導体I1,I2及びビアホールI3に
よって、微小コイル18が形成されている。
【0018】上述したコンデンサ用導体,コイル用導
体,ビアホール用導体は、例えばAg,AgーPd,C
uなどのペーストをスクリーン印刷などの手段でシート
表面に塗布し、これを乾燥することによって形成しても
よいし、スパッタリングや蒸着などの手段によって形成
してもよい。
【0019】次に、以上のようにしてコンデンサ用導
体,コイル用導体,ビアホールがそれぞれ形成されたシ
ート,保護用のシート,あるいは接合用のシートは、図
1(A)に示す順に積み重ねられる。そして、その後成
形,圧着,焼成されて積層体となる。この積層体の前後
辺にはコンデンサ用導体D1が引出電極として露出して
おり、左右辺にはコイル用導体E4,F4が引出電極と
して露出している。これらの電極部分には、Ag,Ag
ーPdなどのペーストが塗布,焼き付けされて端子電極
10,12,GND電極30がそれぞれ形成される。も
ちろん、スパッタリングや蒸着などの手法を用いて形成
してもよい。このような工程によって、積層型LC複合
部品が得られる。図1(A)に対応して等価回路を示す
と、同図(B)に示すようになる。
【0020】なお、上述したように、コイル14,16
は近接して形成される。このため、両者が磁気的に結合
し、コイル14,16間に相互インダクタンスが形成さ
れることもある。コイル14,16のスパイラルの方向
は、図1(A),(B)に示すように、同一方向となって
いる。このため、端子電極10,12間で流れる電流に
よって発生する磁束は、両コイル14,16の電流の向
きが逆になるため、逆方向となる。例えば、コイル14
で下向きの磁束が発生したとすると、コイル16では上
向きの磁束が発生する。一方のコイルの磁束が他方のコ
イルを通過すると、両者は電磁的に結合した状態とな
る。
【0021】すなわち、図1(B)にその様子を示すよ
うに、コイル14では矢印FAで示す向きに磁束が発生
し、コイル16では矢印FBで示す向きに磁束が発生す
る。このため、コイル14には、矢印FAで示す自己の
磁束と、コイル16で発生した矢印FBで示す磁束とが
通るが、両者は同じ向きとなっているため、強め合うよ
うになる。他方、コイル16では、矢印FBで示す自己
の磁束と、コイル14で発生した矢印FAで示す磁束と
が通るが、この場合も両者は同じ向きとなっているため
強め合うようになる。従って、コイル14,16間にお
いて、図2(A)に示すように、正の相互インダクタン
スMが形成されるようになる。
【0022】ここで、コイル14,16とそれらの間の
相互インダクタンスMを、図2(B)に示すように等価
コイル14A,16A,15MによるT型の等価回路で
表わしたとする。コイル14,16のインダクタンスを
LA,LB、微小コイル18のインダクタンスをLCと
し、相互インダクタンスをMとすると、等価コイル14
Aのインダクタンスは「LA+M」,等価コイル16A
のインダクタンスは「LB+M」,等価コイル15Mの
インダクタンスは「−M」となる。すなわち、相互イン
ダクタンスが正であるため、−Mのインダクタンス素子
15Mが発生することになる。
【0023】等価コイル(疑似コイル)15Mはコンデ
ンサ20及び微小コイル18と直列となり、これによっ
てインダクタンス及びキャパシタンスによる直列共振回
路が構成される。この共振回路の共振周波数は、微小コ
イル18によって得られる微小インダクタンスによって
変化させることができる。具体的には、微小コイル部の
層数(導体パターン数)を増減する,導体パターンを変
更する,ビアホールの位置を変更するなどの方法で微小
コイル18に所定のインダクタンス値を持たせることに
より、その共振周波数を所望のフィルタ特性(減衰特
性)における減衰域側のカットオフ周波数fCの近くに
移動させることができ、これによって急峻な減衰特性を
得ることができる。LCフィルタにおいて急峻な減衰特
性を得るためには、付加するインダクタンス値が大きい
ほどよいが、浮遊インダクタンスのみで所要の減衰効果
を得ることは困難である。しかし、本実施例によれば、
積極的に付加されたインダクタンス素子によって所望の
インダクタンス値を得、これによって必要な減衰効果を
自在に得ることができる。
【0024】図2(C)には、そのようなフィルタ特性
の一例が示されている。同図中、グラフGAは、微小コ
イル18を挿入しない場合、すなわち図10に示した背
景技術の場合の特性例である。グラフGBは、微小コイ
ル18を挿入した本実施例の場合の特性例である。この
挿入損失特性のグラフは、ネットワークアナライザ(例
えば横川ヒューレットパッカード社製「YHP4396
A」)などの測定器を用いて測定したもので、コイル1
4,16のインダクタンス値はそれぞれ160nH,コ
ンデンサ20のキャパシタンス値は127pFである。
また、コイル14,16に並列に存在する浮遊容量はそ
れぞれ0.4pF,コンデンサ20に直列に存在する浮
遊インダクタンスは0.4nHとなっている。そして、
微小コイル18のインダクタンス値は15nHに設計さ
れている。
【0025】これらのグラフを比較すれば明らかなよう
に、本実施例によれば、矢印PAで示す115MHz付
近の減衰ピークが、微小コイル18及びコンデンサ20
と浮遊成分とによる共振回路によって形成されている。
これにより、微小コイルのないグラフGAの挿入損失特
性によりも、グラフGBで示す急峻な挿入損失特性を得
ることができる。
【0026】なお、前記説明では、コイル14,16間
の相互インダクタンスのみを考慮したが、コイル14,
16と微小コイル18との相互インダクタンスも存在す
る可能性がある。しかし、それらは、いずれもT型等価
回路でみれば、等価コイル15Mもしくは浮遊インダク
タンスに含めて考えることができる。浮遊キャパシタン
スも同様である。いずれにしても、それらを含めた全体
を共振回路と考え、その共振周波数を微小コイル18に
よって調整することにより、同様の効果を得ることがで
きる。更に、コイル14,16間に相互インダクタンス
が存在しない場合は、M=0とすればよい。
【0027】
【実施例2】次に、図3を参照しながら実施例2につい
て説明する。同図は、上述した図1(A)に対応する分
解図であり、実施例2のLC複合部品の積層構造が示さ
れている。この実施例も、T型フィルタの例である。前
記実施例1と同様に、上部の6層によってコンデンサ部
22が構成されている。また、下部の9層によってコイ
ル部31が構成されている。このコイル部31は、前記
実施例1と比較して上部の保護用シートB1が存在しな
い点で異なるのみで、シートB2〜B10については前
記実施例1と同様である。結合用シート28について
も、前記実施例1と同様である。
【0028】ところで、本実施例では、微小コイル部3
2の電極パターンが前記実施例1と異なる。微小コイル
部32は、5層のシートJ1〜J5によって構成されて
おり、これらのシートJ1〜J5にはライン状のコイル
用導体W1〜W5がそれぞれ形成されている。コイル用
導体W1の一端はビアホールD4によってコンデンサ部
22側に接続されており、コイル用導体W5の一端はビ
アホールG1によってコイル部31側に接続されてい
る。更に、コイル用導体W1〜W5は、1層毎に左右に
ずれたビアホールX1〜X4によってクランク状に接続
されており、これによって微小コイルが形成されてい
る。
【0029】この実施例2でも、微小コイル部32の層
数(導体パターン数)やビアホール間距離を変更するこ
とで、微小コイルのインダクタンス値を変化させること
ができ、共振回路の共振周波数をフィルタのカットオフ
周波数に対して所定の周波数に設定することが可能とな
り、同様に急峻な特性を得ることができる。
【0030】
【実施例3】次に、図4を参照しながら実施例3につい
て説明する。図4(A)は、上述した図1(A)に対応す
るもので、実施例3のLC複合部品の積層構造が示され
ている。この実施例も、T型フィルタの例である。同図
に示すように、上部の6層によってコンデンサ部34が
構成されており、下部の10層によってコイル部24が
構成されている。このコイル部24及び結合用シート2
8は、上述した実施例1と同様の構成となっている。
【0031】コンデンサ部34のうち、シートA1,A
2,A4,A6は、導体パターンも含めて上述した実施
例1と同様である。しかし、シートA13,A15にそ
れぞれ形成されている導体D10が、前記実施例1と異
なっている。すなわち、前記実施例ではシート表面にベ
タに導体D2を形成したが、本実施例では中央の微小コ
イル領域D11と、その左右の平坦なコンデンサ領域D
12とによって導体D10が構成されている。そして、
シートA13,A15の微小コイル領域D11がビアホ
ールD3によって接続されており、更にはビアホールD
4によってコイル部24にも接続されている。なお、微
小コイル領域D11が形成されたシートA13,A15
としては、前記実施例と同様に誘電体材料が使用され
る。
【0032】図4(B)には、本実施例におけるLC複
合部品の等価回路が示されている。上述したコンデンサ
部34のコンデンサ用導体D1,コンデンサ領域D12
によってコンデンサ36が形成されている。また、微小
コイル領域D11によって微小コイル38が形成されて
いる。この回路は、図2(B)に示した実施例1の等価
回路とほぼ同様であり、相互インダクタンスによる等価
コイル15M,コンデンサ36と直列に、微小コイル3
8が接続された構成となる。このように、本実施例は、
微小コイルが形成される層が異なる以外は、実施例1と
基本的に同様である。
【0033】しかし、微小コイル38とコンデンサ36
の共振周波数を高周波域,例えば1GHz以上の周波数
に設定するような場合には、微小コイル38を積層構造
中の誘電体材料内に形成すると、磁性体材料中に形成し
た場合と比較して、高周波域におけるQ特性がより良好
となる。このため、共振点におけるフィルタの減衰量を
大きく取ることができる。なお、図示の例では、コンデ
ンサ用導体と同一シート上に微小コイル用導体を形成し
たが、誘電体材料中のビアホールD3又はD4の部分に
微小コイルを形成するようにしてもよい。
【0034】
【実施例4】次に、図5を参照しながら実施例4につい
て説明する。図5(A)は、上述した図1(A)に対応す
るもので、実施例4のLC複合部品の積層構造が示され
ている。この実施例も、T型フィルタの例である。同図
に示すように、上部の6層によってコンデンサ部22が
構成されており、下部の10層によってコイル部40が
構成されている。また、それらの間に微小コイル部26
が形成されている。コンデンサ部22,微小コイル部2
6及び結合用シート28は、上述した実施例1と同様の
構成となっている。
【0035】コイル部40のうち、シートB11〜B2
0の導体パターンは上述した実施例1と同様である。し
かし、各シートの導体パターンF1〜F4のビアホール
G1,H12,H13との接続端が、前記実施例1と逆
になっている。このため、コイル用導体E1,E2,E
3,E4及びビアホールG2,G3によって構成される
コイル14は前記実施例1と同様であるが、スパイラル
状に連続するコイル用導体F1,F2,F3,F4及び
ビアホールH12,H13によって構成されるコイル4
2は、巻回方向が前記実施例1と逆になる。従って、磁
束の向きは、図5(B)の回路に矢印FA,FCで示す
ように逆向きとなり、コイル14,42間において負の
相互インダクタンスが形成されるようになる。
【0036】この負の相互インダクタンスによって作り
出される疑似的なコイルのインダクタンスは、前記実施
例1と符号が反転して「M」となる。このような等価コ
イルが、微小コイル18,コンデンサ20及び浮遊成分
と直列共振回路を構成する。従って、コイル14,42
の結合によって生ずる疑似的なインダクタンスを、微小
コイル18で調整するようにすれば、前記実施例と同様
にして急峻な減衰特性を得ることが可能となる。
【0037】
【実施例5】次に、図6を参照しながら実施例5につい
て説明する。図6(A)は、上述した図1(A)に対応す
るもので、実施例5のLC複合部品の積層構造が示され
ている。この実施例も、T型フィルタの例である。同図
に示すように、上部の6層によってコンデンサ部22が
構成されており、下部の9層によってコイル部44が構
成されている。また、コンデンサ部22とコイル部44
との間には、結合用シート28及び微小コイル部26が
形成されている。これらのうち、コンデンサ部22,微
小コイル部26及び結合用シート28は、上述した実施
例1と同様の構成となっている。
【0038】次に、コイル部44を説明すると、シート
K1は、実施例1と同様に保護層である。シートK2〜
K8には、コイル用導体が形成されている。シートK2
には、略コ字状のコイル用導体L1,M1が形成されて
いる。これらのコイル用導体L1,M1は渦巻き状に連
続しており、その接続部分が、シートK1を貫通するビ
アホールG4によって微小コイル部26側に接続されて
いる。
【0039】シートK3には、略コ字状のコイル用導体
L2,M2が、向き合った開口が一部重なるように形成
されている。そして、それらの一端は、ビアホールN
1,O1によってそれぞれコイル用導体L1,M1に接
続されている。同様に、次のシートK4には、略コ字状
のコイル用導体L3,M3が、向き合った開口が一部重
なるように形成されている。そして、それらの一端は、
ビアホールN2,O2によってそれぞれコイル用導体L
2,M2に接続されている。以下のシートK5,K7に
は、シートK3と同様のコイル用導体L2,M2がそれ
ぞれ形成されている。また、シートK6には、シートK
4と同様のコイル用導体L3,M3が形成されている。
シートK8には、向き合った開口が一部重なった略コ字
状のパターンを左右の端縁にそれぞれ延長したコイル用
導体L4,M4がそれぞれ形成されている。なお、最下
層のシートK9は保護層である。
【0040】以上の各部のうち、コイル用導体L1,L
2,L3,L4及びビアホールN1,N2によってコイ
ル46が構成されている。また、コイル用導体M1,M
2,M3,M4及びビアホールO1,O2によってコイ
ル48が構成されている。そして、シートK8のコイル
用導体L4,M4が積層シートから左右に露出してお
り、図1(C)の端子電極10,12にそれぞれ接続さ
れている。
【0041】図6(B)には、以上のようなコイル部4
4を、積層方向から見た状態が示されている。この図の
ように、コイル用導体及びビアホールによって構成され
たコイル46,48は、一部が重なるように、別言すれ
ば内部コアの一部分50が重なるように形成されてい
る。
【0042】ところで、本実施例では、コイル46,4
8のスパイラルの方向が同一となっており、実施例1と
同様となっている。このため、入出力間で流れる電流に
よって発生する磁束は、両コイル46,48の電流の向
きが逆になるため、実施例4のように相反する方向とな
る。例えば、コイル46で下向きの磁束が発生したとす
ると、コイル48では上向きの磁束が発生する。従っ
て、コイル46,48が重なった部分50では、一方の
コイルの磁束によって他方のコイルの磁束が打ち消され
るようになり、両者は電磁的に結合した状態となる。こ
の結果、コイル46,48間に負の相互インダクタンス
が生じ、これが微小コイル18,コンデンサ20及び浮
遊成分と直列接続となって共振回路を構成する。従っ
て、本実施例でも、微小コイル部26を調整することで
上述した実施例と同様に、急峻な減衰特性を得ることが
できる。
【0043】なお、コイル46,48の重なり部分50
の面積を変えることにより、コイル46,48間の結合
度を変化させることができ、共振周波数を移動させるこ
とができる。このような調整を行うことで、所望の急峻
な減衰特性を得ることができる。また、同一シート内に
形成するコイル径を大きくすることもできる。
【0044】
【実施例6】次に、図7を参照しながら実施例6につい
て説明する。前記実施例は、いずれも、図1(C)に示
すように、端子電極10,12が積層部品の左右端面に
形成され、GND電極30が前後の側面に形成された外
観構成となっている。しかし、この実施例6では、図7
(B)に示すように、前後の側面の電極のうちの一方
が、コンデンサ部とコイル部の接続のための接続電極
(側面端子)52となっている。この接続電極52に対
する接続電極構造を除く他の部分は、図4に示した実施
例3と同様である。
【0045】図7(A)には、実施例6の積層構造が示
されている。同図において、上部の6層によってコンデ
ンサ部54が構成されており、下部の10層によってコ
イル部56が構成されている。コンデンサ部54には微
小コイル部が含まれている。また、コンデンサ部54と
コイル部56との間には結合用シート28が設けられて
いる。
【0046】コンデンサ部54から説明すると、シート
A1,A6は保護層である。シートA22,A24に
は、一方のコンデンサ用導体P1がそれぞれ形成されて
いる。これらのコンデンサ用導体P1は積層シートの後
側に露出しており、図7(B)に示すGND電極30に
接続されている。シートA23,A25には、中央の微
小コイル領域P11と、その左右の平坦なコンデンサ領
域P12とによって構成された導体P2が形成されてい
る。これらのうち、微小コイル領域P11は積層シート
の前側に露出しており、図7(B)に示す接続電極52
に接続されている。
【0047】次に、コイル部56を説明すると、シート
B1,B3〜B10は、上述した実施例1と同様であ
る。シートB22には、コイル用導体E1,F1が形成
されているが、これらは略S字状に連続しており、その
接続部分が積層シートの前側に露出して図7(B)に示
す接続電極52に接続されている。すなわち、シートB
1〜B10の各導体によって形成されたコイル14,1
6の接続点が、接続電極52に接続されている。従っ
て、積層部品全体で見ると、接続電極52によって、コ
ンデンサ部54の微小コイル領域P11と、コイル部5
6におけるコイル14,16との接続が行われている。
【0048】このように、本実施例によれば、コンデン
サ部54の含まれる微小コイル領域P11とコイル部5
6のコイル14,16の接続点との接続が、ビアホール
ではなく、部品側面に露出形成された接続電極52によ
って行われている。このような構成によっても、上述し
た実施例と同様に急峻な減衰特性を得ることができる。
【0049】
【実施例7】次に、図8を参照しながら実施例7につい
て説明する。図8(A)には、実施例7の積層構造が示
されている。同図において、上部の6層によってコンデ
ンサ部54が構成されており、下部の14層によってコ
イル部60が構成されている。コンデンサ部54は前記
実施例6と同様であり、微小コイル領域P11が含まれ
ている。また、コンデンサ部54とコイル部60との間
には結合用シート28が設けられている。前記実施例で
は、いずれもコイルが並列的に形成されているが、この
実施例7では上下に積み重ねるように直列的に形成され
ている。本実施例の外観は図7(B)となっている。
【0050】次に、コイル部60は、上側(コンデンサ
側)に積層形成されたコイル62と、下側に積層形成さ
れたコイル64によって構成されている。順に説明する
と、シートQR,Q6,R7は、いずれも保護層であ
る。シートQ1,R1には、略L字状のコイル用導体S
1,T1が、前側に端部が露出するようにそれぞれ形成
されている。シートQ2,Q4には、略コ字状のコイル
用導体S2が形成されており、シートR2,R4には、
略コ字状のコイル用導体T2が形成されている。また、
シートQ3には、略コ字状のコイル用導体S3が形成さ
れており、シートR3,R5には、略コ字状のコイル用
導体T3が形成されている。更に、シートQ5には、略
コ字状のパターンを右の端縁に延長したコイル用導体S
4が形成されており、シートR6には、略コ字状のパタ
ーンを左の端縁に延長したコイル用導体T4が形成され
ている。そして、コイル用導体S1〜S4が交互にビア
ホールU1,U2によって接続されており、コイル用導
体T1〜T4が交互にビアホールV1,V2によって接
続されている。
【0051】以上の各部のうち、コイル用導体S1〜S
4及びビアホールU1,U2によってコイル62が構成
されている。また、コイル用導体T1〜T4及びビアホ
ールV1,V2によってコイル64が構成されている。
そして、シートQ5,R6のコイル用導体S4,T4が
積層シートから左右に露出しており、図7(B)の端子
電極10,12にそれぞれ接続されている。また、シー
トQ1,R1が、接続電極52(図7(B)参照)によ
ってコンデンサ部54の微小コイル領域P11と接続さ
れている。
【0052】このように、本実施例では、図7(B)に
等価回路を示すように、コイル62,64が積層方向に
重ねて形成されており、上述したいずれの実施例とも異
なっている。なお、微小コイル66,コンデンサ68
は、コンデンサ部54に対応する。入出力間で流れる電
流によって発生する磁束は、矢印FD,FEで示すよう
に両コイル62,64で相反する方向となっている。従
って、一方のコイルで発生した磁束と他方のコイルの磁
束とが打ち消し合うようになり、コイル62,64間に
負の相互インダクタンスが生ずる。これが、接続電極5
2を介して微小コイル66と直列接続されているので、
前記実施例と同様に共振回路が構成され、微小コイル6
6を適宜調整することで、同様に急峻な減衰特性を得る
ことができる。
【0053】なお、2つのコイル62,64間には、何
も導体が形成されていない保護用の絶縁体シートQRが
介在している。このため、シートQRの厚みや、導体が
形成されている他のシートと異なった透磁率の絶縁体を
シートQRとして使用することにより、コイル62,6
4間の結合度を変化させることができ、共振周波数を移
動させることができる。これによっても、上述した実施
例と同様に、所望の急峻な減衰特性を得ることが可能と
なる。
【0054】
【実施例8】次に、図9を参照しながら実施例8につい
て説明する。この実施例8は、実施例6の磁性体部分に
更に微小コイルを追加したものである。同図において、
上部の6層によってコンデンサ部54が構成されてお
り、下部の10層によってコイル部24が構成されてい
る。コンデンサ部54には微小コイル領域P11が含ま
れている。また、コンデンサ部54とコイル部24との
間には結合用シート28の他に、微小コイル部70が設
けられている。この微小コイル部70は、シートC22
に形成されているコイル用導体I11が、積層シートの
前側に露出して図7(B)に示す接続電極52に接続さ
れている。これによって、微小コイル部70とコンデン
サ部54の微小コイル領域P11とが直列に接続される
こととなる。
【0055】本実施例によれば、微小コイルが2つ存在
するので、これらを利用して調整が行われる。すなわ
ち、まず、磁性体部分に形成した微小コイル部70によ
ってある程度の大まかなインダクタンス値の設定を行
う。具体的には、目標値に対して若干小さめとなるよう
にインダクタンス値を設定する。次に、コンデンサ部分
に形成した微小コイル領域P11の長さや幅を変えて、
そのインダクタンス値の微調整を行う。このような2段
階のインダクタンス調整を行うことで、望む周波数に良
好に共振点を持ってくることができるようになる。
【0056】
【他の実施例】この発明には数多くの実施の形態があ
り、以上の開示に基づいて多様に改変することが可能で
ある。例えば、次のようなものも含まれる。 (1)前記実施例は、いずれもT型フィルタに本発明を
適用したものであるが、その他,π型やダブルπ型回路
などの各種の回路に対して本発明は適用可能である。 (2)前記実施例に示したシートの積層数,導体パター
ン,ビアホールなども、必要に応じて適宜設定してよ
い。また、周波数特性のグラフも一例である。
【0057】(3)その他、前記実施例を組み合わせる
ようにしてもよい。例えば、実施例1〜7に、図9の実
施例8を適用し、第2の微小コイル部を設ける図8の実
施例7に示したコイル構造を、他の実施例に適用するな
どである。 (4)前記実施例では、主として2つのコイルの間に正
又は負の相互インダクタンスが存在する場合を示した
が、そのような相互インダクタンスが存在しないような
場合にも、本発明は適用可能である。また、相互インダ
クタンスは、それらコイルと微小コイルとの間や、微小
コイル間に存在してもよい。
【0058】(5)前記実施例では、主としてシート表
面の導体パターン(ビアホールも含む)によって微小イ
ンダクタンスを得たが、ホール部分のみの導体パターン
によっても微小インダクタンスを得ることができる。ま
た、必ずしもスパイラル状やメアンダ状(鉤状)でなく
ても、例えば直線ライン状であっても、微小インダクタ
ンスを得ることができる。更に、微小インダクタンスを
得るための導体パターンは、コンデンサ部やコイル部の
シートの他、ダミーシートなど、いずれの個所に形成し
てもよい。 (6)本発明にかかる積層型LC複合部品の使用周波数
帯域は、特に限定されるものではないが、特に高周波帯
のフィルタとして好適であり、携帯電話,自動車電話,
パーソナルコンピュータ,液晶テレビなどの各種の電子
機器に利用可能である。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導体形成によって生じた微小なインダクタンス成分によ
って、浮遊成分を含めた共振回路の共振周波数を調整す
ることとしたので、次のような効果がある。 (1)部品数の増大を招くことなく、大きな減衰特性を
得ることができる。 (2)共振回路の共振周波数を簡便に移動して所望の特
性を得ることができる。 (3)積層シートの空きスペース部分に微小コイルを形
成することができ、部品形状の大型化を招く心配がな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す図である。(A)は
積層構造を示す分解斜視図、(B)は回路図、(C)は概
観を示す斜視図である。
【図2】実施例1を示す図である。(A)及び(B)は等
価回路を示す回路図、(C)は特性例を示すグラフであ
る。
【図3】実施例2の積層構造を示す分解斜視図である。
【図4】実施例3を示す図である。(A)は積層構造を
示す分解斜視図、(B)は回路図である。
【図5】実施例4を示す図である。(A)は積層構造を
示す分解斜視図、(B)は回路図である。
【図6】実施例5を示す図である。(A)は積層構造を
示す分解斜視図、(B)はコイル部分を示す図である。
【図7】実施例6を示す図である。(A)は積層構造を
示す分解斜視図、(B)は外観を示す斜視図である。
【図8】実施例7を示す図である。(A)は積層構造を
示す分解斜視図、(B)は回路図である。
【図9】実施例2の積層構造を示す分解斜視図である。
【図10】背景技術を示す図である。(A)は積層構造
を示す分解斜視図、(B)は等価回路を示す回路図、
(C)は特性例を示すグラフである。
【符号の説明】
10,12…端子電極 14,16,42,46,48,62,64…コイル 14A,16A,15M…等価コイル 18,38,66…微小コイル 20,36,68…コンデンサ 22,34,54…コンデンサ部 24,31,40,44,56,60…コイル部 26,32,70…微小コイル部 28…結合用シート 30…GND電極 50…コイルの重なり部分 52…接続電極 A1〜A6,A13,A15,A22〜A25,B1〜
B10,B11〜B20,B22,C1〜C3,C2
2,J1〜J5,K1〜K9,Q1〜Q6,QR,R1
〜R7…シート D1,D2…コンデンサ用導体 D12,P12…コンデンサ領域 D3,D4,G1,G2,G3,H2,H3,H12,
H13,I3,N1,N2,O1,O2,U1,U2,
V1,V2,X1〜X4…ビアホール D11,P11…微小コイル領域 E1〜E4,F1〜F4,I1,I2,I11,L1〜
L4,M1〜M4,S1〜S4,T1〜T4,W1〜W
5…コイル用導体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサ用導体が形成されたシートを
    積層することによってコンデンサを構成し、コイル用導
    体が形成されたシートを積層するとともに、コイル用導
    体を接続導体によってシート間で接続することでコイル
    を構成した積層型LC複合部品において、 導体パターンを付加形成し、これによって得られた微小
    インダクタンスと前記コンデンサを利用して共振回路を
    構成したことを特徴とする積層型LC複合部品。
  2. 【請求項2】 前記コンデンサ用導体が形成されたシー
    トに微小インダクタンスを形成したことを特徴とする請
    求項1記載の積層型LC複合部品。
  3. 【請求項3】 前記コイルを、シートの積層体に並列的
    に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の積層
    型LC複合部品。
  4. 【請求項4】 コイル用導体がシート間で重なるように
    形成したことを特徴とする請求項3記載の積層型LC複
    合部品。
  5. 【請求項5】 前記コイルを、シートの積層体に直列的
    に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の積層
    型LC複合部品。
  6. 【請求項6】 前記いずれかのコイルの間又はいずれか
    のコイルと微小インダクタンスとの間に相互インダクタ
    ンスが形成されたことを特徴とする請求項1,2,3,
    4又は5記載の積層型LC複合部品。
  7. 【請求項7】 前記コンデンサ用導体及び前記コイル用
    導体のうちの該当するものを、積層体内部の接続導体に
    よってシート間で接続したことを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5又は6記載の積層型LC複合部品。
  8. 【請求項8】 前記コンデンサ用導体及び前記コイル用
    導体のうちの該当するものを、積層体外部の接続電極に
    よってシート間で接続したことを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5又は6記載の積層型LC複合部品。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5,6,7又は
    8のいずれかに記載の積層型LC複合部品における微小
    インダクタンスを利用して前記共振回路の共振周波数を
    変更することによって、周波数特性を調整することを特
    徴とする積層型LC複合部品の特性調整方法。
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